ナイツによる二番煎じ感のあるデレマス漫才 (24)

塙「どうもナイツです、よろしくお願いします」

土屋「よろしくお願いします」

塙「今日はね、皆さんにお笑い史上二番目くらいに面白いものをお届けしようと思います」

土屋「いやいや、そういうこと言わなくていいから。勝手にハードル上げないでくださいよ」

塙「今日はね、あのビッグスリーよりも面白いところを見せてやりますから」

土屋「ちょ、ちょっと塙さん! そんなこと大声で言っちゃダメ! テレビ出られなくなるよ!」

塙「えっ、そんな大したことですかね?」

土屋「充分大したことだよ。ビッグスリーに喧嘩売ってんだからね?」

塙「いやー……大谷、藤浪、濱田はそんなに面白いことできる気がしませんけどね」

土屋「それ数年前の高校野球のビッグスリーだろ。野球選手に笑いで負けたらお笑い芸人名乗れないよ。こっちはお笑い界のビッグスリーの話をしてんだよ」

塙「ああ、そっちね」

土屋「当然だろ。そういう流れだったろ完全に」

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塙「まあビッグスリーの話はいいんですよ。今日はね、私一押しのゲームの紹介をしようと思いまして」

土屋「おっ、どんなゲームなんですか?」

塙「アイドルマスターシンデレラガールズ・スターライトステージ、通称デレステっていうんですけど」

土屋「有名ですねー。CMも多く見かけます」

塙「あのCM、アイドル界の三枚目と名高い中居正広くんが実に古臭いアイドルの格好してやってますよね」

土屋「もっと他に言い方あるでしょうよ。あとね、あの人別に三枚目で売ってるわけじゃないから」

塙「確か広告にも書いてありましたね。「リズム感だけはあったんですが……」って」

土屋「過去の話になってんじゃねぇか。現在進行形ですよ。彼はとてもダンスがお上手ですからね」

塙「あのCMを見てね、これは今すぐやらなきゃいけないと思ったんですよ。これまで色々と乗り遅れちゃっていたものですから」

土屋「塙さんはね、デレステの事前登録を忘れていたことを結構悔やんでいたんですよ」

塙「この機を逃すものか、二の轍は踏むまいと即座にデレステをダウンロードしましたよ」

土屋「始め時をスルーしちゃうと辛いものがありますからね。いい判断だったんじゃないですか?」

塙「いざダウンロードしてみると、なんと3kでSSRのアイドルが一人スカウトできるキャンペーンをやっていたんです!」

土屋「kってのは千円のことですね、3Kで三千円」

塙「まだまともにプレイしてないのに課金をしていいものかと二の足を踏みましたけど、思い切って3k払いました」

土屋「おお、誰をスカウトしたんです?」

塙「まあまあまあまあまあまあまあまあ」

土屋「まあまあ言い過ぎだよ。どんだけ勿体ぶらせたいんだよ」

塙「いいですか? このキャンペーンにはね、十連ガチャができるチケットが付いてくるんですよ。つまり、先にスカウトしておいたアイドルが、この十連ガチャで出てしまう可能性もないわけじゃないんです。二枚しか持ってないSSRが被ったりでもしたら勿体ないじゃないですか」

土屋「まあ折角のチャンスですから大事にしたいところですよね」

塙「競馬じゃ三連複だってカスリもしないほど運のない僕ですけど、そういうところは慎重にやってきたいんです」

土屋「いや競馬をガチャと同じ扱いしちゃダメでしょ! あなたが三連複外してるのは単なるリサーチ不足だから! 確かに競馬にも運要素はあるだろうけど、三連複がカスリもしないのはあなたの実力がないからだよ!」

塙「ともかくですね、SSRは出来るだけ種類を揃えたいんですよ。今回のキャンペーンだけでSSRが被ったなら、もう三日坊主と言わんばかりにログイン勢になってやりますよ」

土屋「そんな情けない宣言するんじゃないよ」

塙「それでガチャを回そうとしたんですけど、既にデレステをやっている後輩に「えっ、もう回しちゃうんですか?」ってすごい聞かれたんですよ」

土屋「おや、どうしてですか?」

塙「なんでもこの十連ガチャができるチケットはとっておけるようで、好きなアイドルが来るまで取っておくのが正解だと捲し立ててくるんです」

土屋「あー、それも手段の一つですね」

塙「再三に渡って注意されましたけど、僕は……僕は爆死しましぇん3kしかいれてないからぁ……とガチャを回しました」

土屋「やるならもっと真剣にモノマネしなさいよ。武田鉄矢さん怒るよ? あとそんなに上手くかかってないし」

塙「するとですね、なんと十連ガチャだけでSSRが二枚でたんですよ!」

土屋「おや、凄いじゃないですか!」

塙「一人目はね、五十嵐亮太」

土屋「それキムタク似で少し話題になった野球選手じゃねぇか。五十嵐と言えば五十嵐響子ちゃんですよ」

塙「二人目はね、三村マサカズ」

土屋「先輩芸人じゃねぇか! 呼び捨てにしてんじゃないよ! 三村かな子ちゃんね! 三村かな子ちゃん!」

塙「キュート属性のアイドルが二人も来てくれたので、SSRスカウトチケットではパッションかクールのアイドルを選ぶことにしたんです」

土屋「ふむふむ」

塙「究極の二者択一でしたが、クールのアイドルを選びました」

土屋「ほう、クールですか。クールのどの娘ですか?」

塙「二宮金次郎っていうんですけど」

土屋「だからさっきから何で男になっちゃうんだよ! 二宮って言ったら二宮飛鳥ちゃんだろ!」

塙「でね、私のデレステにはSSRのアイドルが現在三人いる訳なんですけど、ただSSRと言うだけで愛でていくのは忍びないと思いまして、ちょこっと調べてきたんですよ。折角なのでここで少しご紹介させて頂こうかと」

土屋「おっ、いいんじゃないですか? こういうマーケティングみたいなこともプロデューサーとしての仕事の一環らしいですからね」

塙「このノートにヤホーで調べた情報をまとめておきました」

土屋「ヤフーね。いつも間違えるねお前」

塙「えっ、間違えて……ああすいません。ベーグルでしたね」

土屋「そこじゃねぇよ。あとグーグルね。ああもう面倒くさいなぁ」

塙「それじゃあ紹介していきますね。えーと、まずは亮子ちゃんから」

土屋「五十嵐亮太と混ざっちゃったよ。響子ちゃんですよ、響子ちゃん。亮子だと谷亮子みたいになっちゃうでしょ?」

塙「彼女はね、とても家庭的で世話焼きな女の子なんです。三人の弟たちがいるからですかね」

土屋「そうなんですよー。面倒見のいいお姉ちゃんなんです」

塙「趣味が家事全般で、掃除や料理をしている姿が多く描かれているんですね」

土屋「本当に気の利くいい娘ですよね。間違いなく良いお嫁さんになりますよ」

塙「三十路になる前に良い旦那さんが確実に見つかるタイプのアイドルですね」

土屋「まるで三十路間際でも独り身タイプのアイドルがいる、みたいな言い方やめなさい」

塙「しーっ! なんてことを口走るんですか土屋くんは!」

土屋「元はと言えばお前が発端だからな!」

塙「まあ三十路云々は置いておきまして。僕の持ってるこのSSRの絵柄だと、彼女は料理をしているんですね。ただ、このオムライスに描かれている動物は、ちょっと……何だろうな、熊……?」

土屋「猫ですよ」

塙「ああ、そうそう。このオムライスに描かれている熊猫が可愛くてね」

土屋「また混ぜちゃったよ。パンダができちゃったよ。パンダ描くとなるとケチャップ使用量がとんでもない事になるぞ」

塙「残念ながらね、彼女には絵心がないんです。家事の才能はあっても美術の才能はない……天は二物を与えず、という奴でしょうか」

土屋「あまりにも酷くてですね……画伯、なんて言われちゃってたんですよ」

塙「柔道ばっかやってるとそうなっちゃうんですかね」

土屋「だからそれ谷亮子さん!」

塙「そんなね、完璧そうでちょこっと可愛らしい欠点があるヤワラちゃんを応援していけたらなと」

土屋「もう完全に響子ちゃんの話じゃなくなってるじゃないの!」

塙「それじゃあ二人目ですけど、えー、さまぁ~ずの三村さん」

土屋「さまぁ~ずって言っちゃったよ! 違う違う! 三村マサカズさんじゃないから!」

塙「彼女はね、とても穏やかな少女なんです」

土屋「まあ確かにおっとりとしたタイプですね」

塙「確か……「三途の川に沈めておいたから大丈夫だよ」という名言を残していましてね」

土屋「随分と物騒だなぁ……どこが穏やかなんだよ。本当は「美味しいから大丈夫だよ」ですからね」

塙「あっ、そうでしたね、失礼しました。「ここで落とし穴に落ちても美味しいから大丈夫だよ」って」

土屋「言ってない言ってない。そんなドッキリに慣れすぎた中堅芸人みたいなこと言うわけないでしょ」

塙「それと、デレステではオリジナルユニットを結成したんですよ。えーっと、確か名前は……なんだったかな……」

土屋「あら、忘れちゃいました?」

塙「えーっとね、確か……チェダーチーズだったかな?」

土屋「スウィッチーズだよ」

塙「スニッカーズ?」

土屋「スウィッチーズって言ってるでしょ! まあスニッカーズはデレマス的に無関係とは言えないけど、スウィッチーズだから」

塙「そんなね、食べてる姿がとても可愛らしい大竹一樹さんを応援していけたらなと」

土屋「相方になっちゃったよ!」

塙「最後はね、3kでスカウトした二宮尊徳さん」

土屋「うん、少しわかりにくい名前になっちゃったかな? これはね、実は二宮金次郎さんのことなんですよ……じゃなくて! 二宮飛鳥ちゃんの話をしてくださいよ!」

塙「彼女はね、いわゆる中二病患者で、ちょっと痛い娘なんですよ」

土屋「まあそう言われることもありますよね」

塙「何でも彼女に少し触るだけで針に刺されたような痛みが襲ってくるとか」

土屋「物理的に痛いわけないでしょ。違いますよ、精神面の話ですからね?」

塙「そうなんです。痛みはあるのに傷跡はどこにもできないんですよ。不思議ですねー」

土屋「そういうこと言ってるんじゃなくてさ。と言うか、どこに触っただけで精神的ダメージを与えられるアイドルがいるんだよ。握手会どうすんだ」

塙「でね、彼女はちょっとしたカリスマ性があるんですよ。ファンも結構熱狂的で」

土屋「女性ファンも比較的多い印象ですよね」

塙「ブログが更新される度に話題になるんですよ」

土屋「あれ、ブログなんてやってましたか?」

塙「何言ってるんですか、ミヤネ屋に対してリアルタイムで怒ってたでしょ?」

土屋「それアスカ違いだから! あとね、このネタ使い古されてると思うよ。多分そろそろ発酵してるんじゃない?」

塙「あっ、これ発酵した臭いか。てっきり青二才特有の青臭さかと」

土屋「すごい失礼だな! 我々より遥かに売れてるんだぞどちらとも!」

塙「そんなね、ちょっと近寄り難いけどカッコイイ二宮金次郎像さんを応援していけたらなと」

土屋「ついには人じゃなくなっちゃったよ」

塙「いやー、まだまだ語りたいことあるんですけどね。三日三晩ぶっ通しで話したいくらい」

土屋「まあちゃんと語れていたかという疑問は置いておきますけど……漫才には時間制限ありますからしょうがないですね」

塙「こうやってステージでデレマスについて語れるのをね、僕は一日三秋の思いで待ってたんですよ」

土屋「うんうん、一日三秋ね」

塙「実は二度ほど漫才協会に打診してたんですけど、土屋くんと同じ理事の三浦さんがダメだダメだって言うんですよ。あのロケット団の三浦さんがね?」

土屋「三浦さん……」

塙「しかし今回、三度目の正直で! ようやくこうやってデレマス漫才ができました! SSR三人娘の話ができたのが何より嬉しい! えー、女三人寄ればかしましいと言いますが」

土屋「ちょ、ちょっとちょっと、待ちなさいよ塙さん」

塙「はい?」

土屋「なんかさ、「三」多くない?」

塙「さんですか?」

土屋「そんな「さいですか?」みたいなイントネーションで聞かれてもね」

塙「えーっ! そんなつもりなかったんですけど……」

土屋「自覚ないの? 嘘でしょ?」

塙「本当ですって!」

土屋「何言ってんの、絶対気づいてたでしょ?」

塙「ホントホント!」

土屋「いーや、これは確信犯だね」

塙「あっ、そう来ますか……そうですか」

土屋「ん?」

塙「もうね、一回二回嘘と言われても我慢するつもりでしたけどね。これはもう怒りましたよ! 仏の顔も三度まで!」

土屋「ほら! また三って言った!」

土屋「……あれ、ちょっと待ってくださいよ。三度目の正直、三日三晩……三途の川に三十路云々……三村かな子ちゃんも三だな!? そう言えば、三連複とか三日坊主とか三枚目とかも言ってたよな! よくよく考えたら……3kもビッグスリーも「三」じゃないか!」

塙「すごい、よくそんなに列挙できますね」

土屋「伏線回収された気分だからね! むしろ気持ちよく浮かんできたよ!」

塙「いやー、僕もびっくりですよ」

土屋「嘘つけ!」

塙「ホントホント、ふふっ、二の句が継げないくらいびっくり! んふふっ」

土屋「自分で笑っちゃってんじゃねぇか! これで故意じゃなかったらこっちがビックリするわ!」

塙「二度あることは三度あるってやつですね!」

土屋「ほらまた三を……ん? あれ?」

塙「いやしかし、普通はこんなに上手くいきませんよ。普通の漫才をしながら言葉遊びも交えていくなんてねぇ。やろうとしてもこう、二兎を追うものは一兎も得ずと言いますか、二階から目薬のように中々上手にはできないと言いますか……」

土屋「「二」か!? 「二」も多いってか!?」

土屋「えーっと? 二宮飛鳥ちゃんの紹介もしたし……青二才とか二者択一とかも言ってたな!? 二の足だとか二の轍だとかもそうか! よくよく考えると……お笑い史上二番目って……いや違う! 何かお笑い芸人としては後塵を拝することを認めたようで恥ずかしいスレタイだと思ってたけど、そのスレタイの「二番煎じ」から仕込んであったのか!」

塙「このネタ自体、赤と白が多い漫才の二次創作みたいなところありますから」

土屋「それちょっと使い方違うからやめようか。セルフアレンジって言おうね」

塙「ところでスレタイってなんですか? まるでここが二次元世界みたいな話を持ち出して」

土屋「すっとぼけるのやめてくださいよ。あとドヤ顔しながら「二」を挟んでこないで」

塙「いやー、しかし二と三がこんなに多く隠れていたとは……五里霧中で話してましたから気が付きませんでした」

土屋「五里霧中って……何を言ってるんですか。ネタ帳通りの進行だったじゃ……待って。もしかして「五」もあるの?」

塙「……五十嵐響子ちゃん」

土屋「ああっ! ほ、本当だ! イガラシって五十の嵐って書くもんね! 他には? どこに五があった?」
 
塙「いや、それだけ」

土屋「一つだけじゃダメだろ! 点じゃダメだよ点じゃ! もっと伏線になるようにちゃんと散りばめておかなきゃさ!」

塙「さーて、漫才もいい感じに終わりましたし、デレステやりましょうか」

土屋「ステージでスマホを出すんじゃないよ。ちゃんと挨拶して、ここから捌けてからね?」

塙「あ、そうそう。帰る前に一つ謝っておきたいことがあるんです」

土屋「なんでしょう?」

塙「僕がガチャを引こうとするとね、どうやらアイドルたちは三々五々他のプロデューサーのところへ隠れちゃうんです。それと実はキャンペーン期間も逃しちゃってて、SSRは一枚も持ってないんです」

土屋「ずっと二枚舌使ってたのかよ。いい加減にしろ」

「「どうも、ありがとうございました」」

こういうの書ける奴って凄いと思うわ
ナイツの漫才は何度も見てるが再現して書くなんて俺には出来そうにない乙


なんか、リアルでやってそう

オチがうまい

赤と白が出てくる漫才はこの前初めて見たけどなかなかのなかなか
乙ー

乙!

TVでやるようなやつじゃなくて舞台でやるような長尺漫才だね
面白かったです乙

おつ
ビッグスリーが田中ジャスティスじゃなくてちょっと安心した
濱達がんばれ

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