モバP「寝起きのあさん」 (32)

のんびりと書いていきます

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ガチャッ


P「ただ今戻りましたー」

P「って、あれ?誰もいないのか...」

P「なんだ、せっかくお土産を買ってきたのに...んっ?」


のあ「......」


P「のあさん、いたんですね」


のあ「......」


P「ちょうどよかった、帰る途中でお土産を買ってきたんですよ、よかったら食べて...」


のあ「......」


P「のあさん?」


のあ「...すぅ...すぅ...」


P「おっと...寝てたのか...」

高峯のあ(24)
http://i.imgur.com/0UzYgoS.jpg
http://i.imgur.com/9aks83O.jpg

のあ「...すぅ...すぅ...」


P「珍しいなぁ、のあさんが眠ってるところなんて初めて見た...」

P「まあ、のあさんだって人間だし、最近は舞台にテレビにと忙しいからな、仕方ないか」


のあ「すぅ...」


P「...しかし、本当にこの人作り物みたいに綺麗な顔してるな」

P「レッスンも仕事もそつなくこなすけど、未だに謎が多いし...」

P「一部アイドルたちの間じゃロボットだとかサイボーグなんじゃないかって噂も立ってるみたいだけど...」

P「でも、こうして居眠りをしてる姿を見ると、この人にもこんなところがあったんだって安心...」

P「っとと...ヤバイ、寝顔を見てたらいつの間にか顔を近づけすぎてた...」


のあ「...んっ」パチッ


P「っ!!」ビクッ!


P(お、起きた...)

P(ま、まずい...こんな至近距離で目と目が...)

のあ「......」


P「あ、あの...えっと...お、おはようございます...」


P(じゃないだろ俺!思いっきり近くで寝起きの顔をガン見してなにがおはようございますだ!)


のあ「......」


P(な、なんだ...?微動だしない...)

P(お、怒ってるのかな...?)


のあ「......」ジーッ


P「あ、あの...のあさ...」


グイッ!


P「うわっ!」


ストンッ


のあ「......」

P「の、のあさん?」


のあ「......」


P(ど、どうなってるんだ?)

P(急に抱き寄せられたと思ったら...なんか膝枕されてるみたいな態勢に...)

P(ていうかのあさんの膝、柔らかい...)


のあ「......」


P「のあさん?えっと...これは一体...」


ギュムッ


P「ふがっ!」


のあ「......」


P「にょ、にょあひゃん...にゃんでおれのはなをふまんで...」


ムニッ


P「ふあっ!」


のあ「......」ムニムニ...


P「に、にょあひゃん?」


のあ「......」


ナデナデ モミモミ...


P「ひ、ひょっと!に、にょあひゃん!?」


のあ「......」

P(それからたっぷりと約5分間...いや、体感時間にするともっと長かったような気がするが...)

P(のあさんはなぜか無言で俺の顔のあちこちをいじくりまわしていた)

P(俺は抗議の声をあげようとするも、のあさんの波状攻撃によって抵抗できないまま顔中を触られまくっていた)

P(あと、のあさんの手は細くて柔らかくて、そんでもって後頭部にのあさんの膝の感触がダイレクトに伝わってきていい気持ちだった...)



のあ「......」ムニムニ...


P「の、のあさん...もうそろそろ...」


のあ「......むっ?」


P「のあさん?」


のあ「......P?」


P「そ、そうです...」

のあ「...なぜ、貴方が私の膝に...?」

P「いや、それはこっちが聞きたいんですけど...」

のあ「...私は確か...今日の仕事を終えた後、事務所に戻って...」

のあ「そして...ソファーに座って...それから...」

P「ええ、事務所に戻ったらのあさんがソファーで寝てたんですよ、それで珍しいなと思ってちょっと見てたら...」

のあ「見てたら?」

P「えっと...のあさんが急に目が覚ましたと思ったら...なぜか引き寄せられて、この態勢に...」

のあ「...そう」

P「ど、どうかしたんですか?」

のあ「なんでもないわ、それより貴方は大丈夫かしら」

P「は、はい...大丈夫ですけど...」

のあ「ならよかった、ほら手を貸してあげる、立ちなさい」

P「ど、どうも...」

のあ「......」

P「......」


P「あの...のあさん?」

のあ「...何?」

P「さっきのなんですけど...その...」

のあ「さっきの...とは?」

P「いや、だから...えーっと...」

のあ「......」

P「...や、やっぱりなんでもないです」

のあ「...そう、では私は帰るわ、お疲れ様」

P「お、お疲れさまです...」


バタン


P「な、なんだったんだ...?」


------


P「......」カタカタ...


P(昨日ののあさん、あれは一体なんだったんだろう...)


P「うーむ...」

ちひろ「どうしたんですかプロデューサーさん、悩み事ですか?」

P「えっ?いえ、そういうわけではないんですが...」

ちひろ「そうですか、でもなんだか難しい顔になってましたよ?」

P「...ちひろさん、ちょっと聞きたい事があるんですけど」

ちひろ「はい、なんですか?」

P「その...ちひろさんは寝起きに妙な行動を取っちゃうことってあったりします?」

ちひろ「起きた時にですか?うーん、そうですねぇ...まあ、時々あるかもしれません、お休みの日にいつもより遅めに起きたら『遅刻!』って慌てて準備して、家を出る寸前で気づくとか...」

P「ふむふむ、なるほど...」

ちひろ「それがどうかしました?」

P「いえ、なんでも...」



P(あの時、のあさんは寝起きだったし...やっぱり寝ぼけてたのかな?)

------



みく「のあにゃんの寝起き?」

P「ああ、確かみくは地方のお仕事でのあさんと同じ部屋だったことあるだろ?」

みく「そうだけど...なんでそんなこと知りたいの?」

P「えーっと...ちょっとな」

みく「もしかして...Pチャンのあにゃんに気があるの?あわよくばプロデューサーの立場を利用してのあにゃんのこと...」

P「ちっがーう!俺をなんだと思ってるんだお前は!」

みく「ジョーダンにゃ、ったくもー...いきなり『話がある』って呼び出されたからなにか重大な話かと思ったにゃ」

P「悪いな...で、どんな感じなんだ?」

みく「うーん、どんな感じって言われても...のあにゃんは大体みくより早起きしてたからにゃあ...」

P「むぅぅ...やっぱりそうか...」

みく「うん、リハーサルとかでみくがくったくたになっててものあにゃんはケロッとしてるの、朝も時間きっかりに起きるし...」

P「なるほど、やっぱりのあさんはそんな感じなのか...」


P(ひょっとしたら、のあさんは寝ぼけるとなにか突拍子もないことをやっちゃう癖があるじゃないかと思ったんだが...)

前川みく(15)
http://i.imgur.com/5DB1HFe.jpg
http://i.imgur.com/tMxe5um.jpg

みく「あっ、でも一回だけ寝起きののあにゃん見たことあるかも」

P「えっ、本当か?」

みく「うん、確かライブが終わった次の日にいつもより早く目が覚めたの、そしたらのあにゃんスヤスヤ眠ってたよ」

P「へぇー...」

みく「みくね、のあにゃんの寝顔なんて珍しいと思ってついつい近くで見てたの、そしたらのあにゃん急に起きて...」

P「起きて?」

みく「みくのことギューってしてくれたの、それからナデナデしてくれた」

P「ほ、本当か?」

みく「うん、のあにゃんってそんなことするイメージじゃないからちょっとびっくりしちゃったにゃ」

P「だろうな、俺もやられた時はびっくり...」

みく「えっ、Pチャンも?」

P「じゃない!今聞いてびっくりしたって言いたかったんだ!」

みく「ふーん、まあいいけど...それで、あとで聞いてみたら教えてくれたんだけどのあにゃん寝起きがあんまりよくないんだって」

P「えっ、マジか?」

みく「らしいよ、えーっと...確か...」


のあ『眠りから覚めた瞬間は...まだまどろみの中...身体と心が上手く同調していない...』

のあ「だからつい...心の赴くままに動いてしまう...取り繕う事を忘れて...」

みく「って言ってたにゃ」

P「なるほど...」


P(まあ、難しい言い方してるけど...)

P(ようするに寝起きは頭がうまく働かなくて考えたことをそのまま実行してしまうってことか...)


P「ありがとなみく、わざわざ話を聞かせてくれて」

みく「別にいいにゃ、これくらいお安い御用にゃ♪」


「お待たせしましたー、こちらチーズバーグディッシュになりまーす」


P「まあ、お礼と言ったらあれだけどさ、遠慮なく食べろよ」

みく「わーい!Pチャンありがとっ♪」


------



テクテク...


P(そうかそうか...のあさんは隙を見せないから謎だらけの人だったけど...)

P(今回のことでほんの少しだけどのあさんを知ることができた気がする...)

P(寝起きが苦手か...正直、ちょっと可愛いな...)


ガチャッ


P「お疲れさまでーす、戻りま...」


のあ「...すぅ...すぅ...」


P「あれ、また寝てるよ...」


のあ「すぅ...すぅ...」


P「なんと...まさか二回ものあさんが寝てるところに出くわすなんて...」

P「...まあ、そっとしといてあげるか、さーて仕事仕事...」


のあ「...んっ」パチッ


P「あ、目を開けた...」

のあ「......」ムクリッ


P「おはようございますのあさん、起こしちゃいましたか?」


のあ「......」ジーッ


P「うるさくしたならすみません、どうぞお休みしていただいて結構ですよ、おっと...でもどうせ寝るなら仮眠室のほうがいいかも...」


のあ「......」スクッ


P(おっ、立ち上がった、仮眠室に行くのかな?)


のあ「......」フラフラ...


P(あれ?なんか近づいてくる...)


のあ「......」


P「のあさん?あの...」


ギュッ


P「おわっ!」


のあ「......」ギュウウウウウウウウ


P「ち、ちょっとのあさん!?」


のあ「......」ギュウウウウウウ

P「あ、あの...もしもしのあさん?起きてます?」


のあ「......」ギュウウウウウウウ


P(いかん!これ起きてない!寝ぼけてる...)


のあ「......」ジーッ


P「の、のあさん...」


のあ「んっ...」スリスリ...


P「おわぁっ!ち、ちょっと!」


のあ「......」スリスリ...


P(ほ、頬ずりされてる!や、ヤバイ!これはヤバイ!)

P「の、のあさん!俺です!起きてください!」

のあ「......?」

P「俺ですよ、Pですって...」

のあ「......P?」

P「そ、そうです...」


P(ほっ、やっと起きたか...)


のあ「P......」

のあ「......」


のあ「はむっ...」


P「うひゃあっ!?首ぃ!」


のあ「ちゅうううう...」


P(な、なんで!?今明らかに俺だって気づいて認識してたじゃないか!まだ寝ぼけてるのか!?)

P(ていうか何してんだこの人...)


のあ「ちゅううううう...はむっ...」


P(あ、甘噛み?...じゃない!)

P(なんか吸ってる!首筋に思い切り吸いつかれてる!)


のあ「んむっ...」


P「ふぁっ...の、のあさん...だ、ダメです...ダメですって...く、首は本当に...弱いから...」


P(ち、力が入らない...)


のあ「......」ジーッ


P(と、止まった?)


のあ「......」スッ...


P(あっ、ヤバい...これは...)


P「のあ...さん...」


P(のあさんの顔が...どんどん...近くに...)

P(このままじゃ...)


P「の...あ...」


のあ「んっ...」



ガチャッ


みく「たっだいまー!みくのおかえ...り...」


P「あっ、みく!」


みく「にゃっ!?」


P「ちょうどよかった、まさに間一髪だった...ちょっと助けて...」


みく「にゃっ...にゃっ...」



みく「ふたりともなにしてるにゃー!」


------


ガチャッ


ちひろ「失礼します、プロデュ...」


みく「ふたりとも自覚が無さすぎにゃ!みくだからよかったけどもし他の人に見られてたらどうなってたと...」ガミガミ...


P「はい...はい...すみません...」

のあ「......」


ちひろ「あ、あの...プロデューサーさん?」

P「あぁ、ちひろさん...どうかしました?」

ちひろ「いえ、ちょっと確認して頂きたい書類が...」

P「そうですか、じゃあちょっと...」


みく「ダメ!まだ正座!」


P「で、でもみく...仕事が...」

みく「逃げようとしてもダメにゃ!前から思ってたけどPチャンみくが文句言おうとするとすぐに逃げて...」ガミガミ...

P「はい、はい...」

のあ「......」

みく「のあにゃんも聞いてるの!?」

のあ「...ええ、聞いているわ」

みく「まーったくもー!いっつもみくの話聞いてるんだか聞いてないんだかわかんない感じで...」

------



P「はぁ...めっちゃ怒られた...」

P「みくのやつ、あんなにガミガミ言わなくても...いや、でもみくの言う通りだから仕方ないか...」


P(それにしても、さっきののあさんはヤバかったなぁ...)

P(のあさんに見つめられたら、抵抗しなきゃいけないってわかってたのになにもできなかった...)

P(もしみくが来なかったら...)

P(あのまま...のあさんと...)


ガチャッ


のあ「P...」

P「あっ、のあさん...」

のあ「さっきは大変だったわね...」

P「え、ええ...そうですね...」


のあ「......」

P「......」


P(い、いかん...また沈黙が...)

P(な、なにか話題を...)


P「の、のあさん!」

のあ「...何?」

P「えーっと...その...」

のあ「......?」

P「さ、さっきのことは気にしないでください!寝ぼけてよくわからない行動を取るくらい誰でもあるんですから!」


のあ「......」


P「の、のあさん?」


のあ「...ありがとう」ニコッ

P「えっ?」

のあ「聴こえなかった?ならもう一度...ありがとう」

P「ど、どうしたしまして...」


P(珍しいな...のあさんがここまではっきりと微笑むなんて...)


のあ「どうしたの...P?私の顔に...何か付いている?」

P「あっ、いや...別にそうでは...」

のあ「そう...」

P「す、すみません...」

のあ「謝る必要はないわ、見たければ...好きなだけ見ればいい...」

P「い、いえ...そんな...」

のあ「フッ...慌て過ぎよ、感情の乱れを読まれるようでは...甘い」

P「のあさんが読めなすぎなんですよ、いつもポーカーフェイスですし...」

のあ「そうね...でも、私も...常に己を制御できているわけではない...」

P「そうなんですか?」

のあ「ええ、まどろみの世界の傍観者から...こちらの世界の当事者へと戻る時...それこそが、私が己を律しきれなくなる瞬間...」

P「な、なるほど...」

のあ「...貴方には...言うまでもないかしら?さっき見られてしまったものね...私の醜態を...」

P「いえ、醜態だなんて...そんな自分を卑下することないですよ」

のあ「...というと?」

P「俺はむしろのあさんに親しみがわきましたよ、完璧に見えるのあさんにも苦手なものがあったんだって」

のあ「そう...?」

P「はい、それに...こう言うとなんですけど、寝ぼけてるのあさんは可愛いと思いましたよ、本当です」

のあ「......」

P「あっ、すいません...寝ぼけてるのが可愛いだなんて、失礼しまし...」


チュッ


P「っ!?」

のあ「...ふむ」

P「の、のあさん!?」

のあ「...気にしないで、特に意味はないわ」

P「い、意味はないって...」

のあ「...自分では起きているつもりだったけど、私の意識はまだ...まどろみの中にあるのかもしれないわね」

P「は、はぁ...」

のあ「それではP、私はこれで...お疲れ様、また明日...」

P「お、お疲れさまでした...」


バタン


P「い、意味はないって...」

P「あーもう!なんだったんだ急に!?」

P「のあさんのことがわかりかけてきたと思ったのに、ますますわからなくなった!」


テクテク...


みく「あっ、のあにゃん!お疲れ様」

のあ「みく...お疲れ様、今帰り?」

みく「うん、なんなら一緒に帰...にゃ?」

のあ「...どうしたの?」

みく「のあにゃん、なにかあった?」

のあ「...どうして?」

みく「うーん...気のせいかもと思ったんだけど、なんだかのあにゃんが嬉しそうに見えたの」

のあ「...私が?」

みく「うん、なにかいいことでもあったのかにゃ?」

のあ「...そうね、あったかもしれない」

みく「へぇー、どんなこと?」

のあ「...しいて言うなら、発見したこと」

みく「発見?」


P『こう言うとなんですけど、寝ぼけてるのあさんは可愛いと思いましたよ、本当です』

P『可愛いと思いましたよ』



のあ「...眠りから覚める以外にも...私が自分を抑えられなくなることが...あったのね」

のあ「...我ながら単純だわ」

みく「むぅぅ...のあにゃんの話は相変わらずよくわからんにゃ...」

のあ「わからなければ...それでもいい...ただ...」


ナデナデ...


みく「にゃっ!?な、なに?なんで急に頭を撫でるにゃ?」

のあ「今の私は...とても満ち足りた気分...」

のあ「あえて言うなら...機嫌がいい...」

のあ「だからみく...撫でさせなさい...」

みく「い、意味がわからんにゃ!こ、こらやめるにゃー!髪がボサボサになるー!」




おわり

駄文失礼しました~
のあさんをメインで書くのは初めてだったりします
この人は言ってることこそ難しいですがどっかの橘さんばりにデレるのが早い気がします
あとやっぱりみくはお話を進める上では大変便利なキャラですね
ではまた~

おつ
こののあさんはちょっと熊本弁に汚染されてますね

なんだこれかわいいぞ
おつ

おつです
なごんだ

おつにゃん

おつつ

みくにゃんを便利屋扱いするなんて・・・
大変かわいかったです、アーニャンのファンになります

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