【ナイトウォーカー】 (19)
ラムネ(村人P)さんの楽曲、ナイトウォーカーを元にしたSSです。
SSがつまらなかったり、読みにくかったり、薄っぺらかったりしたらそれは全て作者のせいです。
なので是非こちらへどうぞ。http://www.nicovideo.jp/watch/sm20914878
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490184397
うわあ
-0-
きっかけは些細なことだった、一々口を出してくる親に嫌気が差したのだ。
学校の出来事や交遊関係まで根掘り葉掘り聞かれて、もっと友達を作れだとか将来のことを考えろだとか言われたのが不快で仕方なかった。
「もう出てく!私に関わらないで!」
「ちょっと!夕飯どうするの!」
「そんなのいらない!もう帰らないんだから!」
家を出て、泣きそうになりながら走った。
けれどすぐに疲れて、とぼとぼと歩くことになった。
日々の鬱憤を晴らした気がして、少し達成感をおぼえた。それ以上の罪悪感も。
でも、帰らないと。
でも、帰りたくない。
でも、どうしようもない。
でも、嫌だ。
いつもとは違ういつもの道。
熱くなった頭と目頭のまま、とにかく遠くへ行きたいと思った。
-1-
[二番ホーム電車が到着します]
通学に使う駅で、家から離れようと一番早く来る電車に乗り込んだ。
人もまばらな車内で、孤独感に襲われて、一人でいるのが寂しいだなんてわかりきったことを思い出す。
何となく、外を眺めた。
明かりの灯った家々、きっと幸せな日常がそこにあるのだ。私もそうしていたのだ。そんなことを考える。
トンネルに入って、見ていた窓に自分の顔が映る。
「ダッサ」
目が腫れた、今にも泣きそうな顔だった。
フードを深く被った。
-2-
取り合えず、適当な駅で降りた。
家を出たときには夕暮れだったのに、辺りはすっかり暗くなっていた。
そこそこ都会な所に降りたので、まだ街は賑やかで少し安心した。
ふと自分が空腹立ったと気づく。ポケットを探ると家を出るときに掴んだチョコレートがあった。
これだけでどうしようとしてたのだろう。溶けかけのチョコをかじって自嘲気味に笑った。
ショーウィンドーの中のテレビでは、見たかった番組をやっている。録画はしていなかったはずだ。
腹を満たしたいとハンバーガーを一個買って、当てもなくふらついていた。
もうすっかり冷静になった頭で、自分は馬鹿だと思い知った。
携帯はさっきからガタガタなっている、きっと母だ。一人娘が夜中になっても帰ってこないのだから心配だろう。
空回ってる自覚はあったが、それでも電話に出ることが出来なかった。
「ごめんね」
誰にも聞こえない謝罪を呟いた。
-3-
終電で、元の駅まで戻った。結局ハンバーガーは口にしないまま乾いていた。
こっそり帰ればバレないかなと現実逃避しながら家まで向かう。
歩き慣れた帰り道を辿っていくと、自分の家の玄関が明るいことに気づいた。人影もある、きっと母だ。
ゆっくりと、近づいていった。母はこちらに気がついたようで、駆け寄ってきた。
怒られるかな、心配かけたからな、呆れたかな、どう思ってるのかな。不安だった。
私は何も言わずに立ち尽くす。
「良かった...良かったぁ....」
母は泣いていた。そして私を優しく抱き締めてくれた。
私は自分がどれだけ愛されていたかを感じた。
自分を愛してくれた母に心配をかけたことを、さらに悔やんだ。
何か言わないと、そう思ったのに声は出せなかった。
「良いのよ、良いの」
何かを言おうと必死になる私を母はそう言って撫でてくれた。
私は黙ってその腕に甘えた。
明日になればありがとうって言えるかな、そう思った。
以上です。
依頼出してきます。
しつこいようですがつまらなかったらそれは作者の技量の問題なので是非本家を聞いてみてください。
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