喫茶店
ラフィエル「えーと。何かの冗談ですか?」
ヴィーネ「冗談でこんなこと相談するわけないじゃない!」
ラフィエル「ですよねー」
ヴィーネ「あっ、ごめんね突然呼んじゃって。でも他に頼れる人も思いつかなかったし……」
ラフィエル「いえいえ、構いませんよ。これでも天使ですから」ニコッ
ラフィエル(それにしてもガヴちゃんがヴィーネさんをですか……)
ラフィエル(嫌いになるなんてありえないと思うんですけどねー)
ラフィエル(むしろヴィーネさんに甘えっきりなような)
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ラフィエル「えと。ヴィーネさんはどうしてそう思ったんですか?」
ラフィエル「もしかすると勘違いなんてこともあるかもしれないですよー」
ヴィーネ「だったら良かったんだけど……勘違いじゃないわ」
ラフィエル「断言しますね」
ヴィーネ「あのね。ガヴリールが最近全然一緒に帰ってくれなくなったのよ」
ヴィーネ「前までは結構一緒に帰ってたのに、何かと理由をつけて一緒に帰りたがらないというか……」
ラフィエル「ふむふむ」
ヴィーネ「それと、話していても中々目を合わせてくれなくなったり」
ヴィーネ「二人きりでいると離れようとしたり」
ヴィーネ「たまに赤くなってこっちのことを見てたりするのよ。多分怒ってるんだと思うんだけど」
ラフィエル(それって……)
ヴィーネ「何かガヴに嫌われるようなことしちゃったのかな」ショボーン
ラフィエル「……確かにガヴちゃんらしくないですねー」
ヴィーネ「でしょ!」
ラフィエル「ヴィーネさんは何か心当たりありますか?」
ヴィーネ「残念ながら全然ないのよ……怒らせるようなこともした覚えはないし。寧ろ優しくしていた方だと思うんだけど」
ラフィエル「おかしいですねぇ」
ヴィーネ「やっぱり、お節介のしすぎが良くなかったのかしら?」
ヴィーネ「両親でもないのに口うるさく注意されるのって、気分良くないわよね……」
ヴィーネ「ウザいって思われてたらどうしよう」ズーン
ラフィエル「そんなことはないと思いますよー」
ヴィーネ「それとも。もしかして……私が悪魔だから?」
ラフィエル「!」
ヴィーネ「やっぱり天使と悪魔って、友達になっちゃ駄目だったのかな……」
ラフィエル(…………)
ラフィエル「……分かりました、私が力になりますよ!」
ヴィーネ「ほんと!?」
ラフィエル「ええ。ガヴちゃんとの付き合いは長いので、任せて下さい」
ヴィーネ「ありがとう!ラフィに相談して良かったわ!」
ヴィーネ「……でも、どうするの?」
ラフィエル「安心して下さい。私に良い作戦があります♪」ニコニコ
ヴィーネ(あっ……相談相手間違えたかも)
別の日の放課後、下駄箱
ガヴリール「ふぅ……」トボトボ
ガヴリール(最近ヴィーネを避けてしまっている)
ガヴリール(何となく一緒にいると胸がざわつくというか、普段の調子が狂うというか)
ガヴリール(別に嫌ってわけじゃないんだけど。なんでだろ)
ラフィエル「ガーヴちゃんっ♪」ダキッ
ガヴリール「うわぁっ!」
ラフィエル「何か元気ないですよー?」
ガヴリール「……何だラフィか」
ガヴリール「単に寝不足なだけだよ。ネトゲのイベントがあるんだ」
ラフィエル「そうなんですか」
ガヴリール「ああ」
ラフィエル「ところでヴィーネさんは?」
ガヴリール「!」
ガヴリール「別に、毎日一緒にいるわけじゃないだろ」
ラフィエル「それもそうでした♪」
ラフィエル「じゃあ私と一緒に帰りませんか?」
帰り道
ラフィエル「それでですねー、サターニャさんがメロンパンを」テクテク
ガヴリール「あいつらしいな」テクテク
ガヴリール(そういえば、誰かと帰るのは久しぶりかも)
ガヴリール(最近ずっと一人で帰ってるからな)
ガヴリール(……ヴィーネは何してるんだろ)
ラフィエル「それにしてもヴィーネさん、今日どうするんですかねー」
ガヴリール「……何が?」ビクッ
ラフィエル「何って、ラブレターのことですよ。お返事するんでしょうか」
ガヴリール「えっ!?」
ラフィエル「……あれっ。もしかして聞いてないんですか?」
ラフィエル「今朝下駄箱に入ってたらしいですよ」
ラフィエル「何でも、放課後に体育館裏に来てほしいって」
ガヴリール「……そうか」
ラフィエル「あらら。反応薄いですねー」
ガヴリール「別に、私には関係ないし」
ラフィエル「うーん。まぁ、そういうことにしておきますか」
ラフィエル「じゃあ私はここら辺で失礼しますね♪」トットットッ
ガヴリール(……)
ガヴリール(……何で、こんなに胸がざわつくんだ?)
ガヴリール(ヴィーネのことなんて、私には関係ないはずなのに)
次の日
ガヴリール「……」チラッ
ヴィーネ「?」
ガヴリール「あっ……」
ガヴリール「……」プイッ
ヴィーネ(目を逸らされたー!)ガーン
ヴィーネ(やっぱり私、嫌われてるんだ……)ショボーン
ラフィエル「元気ないですよ、ヴィーネさん」
ヴィーネ「ラフィ……って何その格好!?」
ラフィエル「何か変ですか?」
ヴィーネ「いやいや完全に別人というか、男に見えるんですけど」
ラフィエル「うふふっ。サターニャさんの部屋にあった道具が面白そうだったんで拝借してきたんですよ」
ラフィエル「なんでも撃った相手の性別が変わる銃だとか」
ヴィーネ「……何で男子の制服まで着てるの?」
ラフィエル「秘密です♪それより一緒にご飯食べましょう。作戦会議ですよー」
ヴィーネ「その格好で!?」
食堂
ヴィーネ「何でここ?一緒に食べるの恥ずかしいんだけど」
ヴィーネ「周りから見られてる気もするし」
ラフィエル「大丈夫ですよ、今日だけですから」
ヴィーネ「はぁ……ところで前言ってた作戦って何なの?」
ヴィーネ「結局何も教えてくれなかったけど」
ラフィエル「はい。あれから色々と考え直してみました」
ラフィエル「そして一つの結論に達しました」
ヴィーネ「うん」
ラフィエル「やっぱり諦めましょう!」
ヴィーネ「えええーーーー!!」
~
サターニャ「ねぇねぇ、あれ誰かしら!仲良さそうだけど、ヴィネットの彼氏!?」
ガヴリール「……私たちには関係ないだろ」
サターニャ「だって、気になるじゃない」
ガヴリール「邪魔するのは悪いだろ。お前もそっとしておいてやれよ」
サターニャ「えー」
ガヴリール「……」モヤモヤ
~
ラフィエル「正しくは、変な作戦に頼るのは諦めましょうってことですね」
ヴィーネ「びっくりしたぁ……」
ヴィーネ「って、それじゃ振り出しに戻ってるじゃない」
ラフィエル「そういうことです♪」
ヴィーネ「……えー」
ラフィエル「こういうのはヴィーネさんが直接お話するのが良いと思いますよ」
ヴィーネ「でも……」
ラフィエル「ガヴちゃんは嫌なことは嫌だってはっきり言う子じゃないですか」
ラフィエル「仲良かったヴィーネさんに対してもそうだと思います」
ラフィエル「だから、何か別の原因があるんですよ」
ヴィーネ「……でも」
ラフィエル「仲直りしたいんですよね」
ヴィーネ「……」コク
ラフィエル「だったら、勇気を出して聞いてみましょう」
ラフィエル「きっと大丈夫ですよ」ニコッ
ヴィーネ「……うん。頑張ってみる」
廊下
ラフィエル(うーん。ガヴちゃんにもうひと押しぐらい必要でしょうか?)
ラフィエル(必要ない気もしますが……)
ラフィエル(それにしても何でこんなことしてるんでしょうねー、私)
ラフィエル(早く身体を戻して、制服に着替え直さないと)
サターニャ「ちょっとそこのアンタ!さっきヴィーネと一緒に……」
サターニャ「ってあれ?もしかして……ラフィエル?」
ラフィエル「サターニャさん?」
サターニャ「やっぱりラフィエルね。ヴィーネの彼氏かと思ってたら。何やってんのよ」
ラフィエル「いやー、ちょっと玩具で遊んでみたくなりまして」チャキッ
サターニャ「あー!その銃返しなさいよ!高かったんだからー!」
ラフィエル「ふふっ。後でちゃんと返しますよー♪」
放課後
ヴィーネ「……あのさ、ガヴ」
ガヴリール「!」
ヴィーネ「久々に一緒に」
ガヴリール「あー悪いな。今日は調理部の方に顔を出す予定があるんだ」
ガヴリール「ってわけでごめん、また今度な」タッタッタッ
ヴィーネ「ちょっ、待ってよガヴ!」
ガヴリール(今のあいつとは、絶対一緒に帰りたくない)
ガヴリール(どんな顔していいか分からなくなるから)
ガヴリール「はぁ……はぁ」
二分後
ガヴリール「ぜはー……ぜはー……」
ヴィーネ「……落ち着いた?」
ガヴリール「何であっさり追い付くんだよ……はぁ……」
ヴィーネ「ガヴの体力がないだけよ……水飲む?」
ガヴリール「もらう」
ゴクゴク
ヴィーネ「……で、ガヴ。何で逃げたの?」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「私、何か嫌われるようなことしちゃったかな……?」
ガヴリール「してない」
ヴィーネ「じゃあどうして、ずっと私のこと避けてたの……?」
ガヴリール「どうしてって……」
ガヴリール(自分でも分かんないんだよ!)
ガヴリール(何でこんなもやもやした気持ちになるんだろう)
ガヴリール(胸が苦しい……話したくないな……)
ガヴリール「……ヴィーネの方こそ、こんな所にいて大丈夫なのか」
ヴィーネ「え?」
ガヴリール「彼氏、できたんだろ?」
ヴィーネ「……はい?」
ガヴリール「ほら、昼間いたやつ。昨日ラブレター貰って、そっから彼氏ができて……」
ヴィーネ「いやいやいや。え?ラブレター?何のこと?」
ガヴリール「えっ!?いや、昨日、受け取ったって聞いたんだけど」
ヴィーネ「昨日は何もなかったわよ?」
ガヴリール「じゃあ、昼一緒にいた奴は?」
ヴィーネ「あー、あれはラフィエルよ」
ガヴリール「はぁーー!?」
十分後
ヴィーネ「何か、ごめんね?」
ガヴリール「いや、ヴィーネは何も悪くないし」
ガヴリール(ラフィエルめ。後で絶対とっちめてやる)
ヴィーネ「それにしても、何でラフィエルは変なことばっかしてたのかしら。話せばすぐにバレるのに」
ガヴリール「……あいつの余計なお節介だ」
ヴィーネ「?」
ガヴリール(悔しいけど、ラフィのおかげでやっと気づけたよ)
ガヴリール(私がヴィーネのことをどう思ってるか)
ヴィーネ「えーと、ガヴ……」
ガヴリール「ヴィーネ。真面目に聞いてくれ」
ヴィーネ「?」
ガヴリール「……私は、お前のことが好きだ」
ヴィーネ「!」
ガヴリール「変な態度とってごめん。自分でもこの気持ちが分からなかったんだ」
ガヴリール「……昔のまともな天使だった時も、今の私になった後も、お前はずっと一緒にいてくれてたよな」
ガヴリール「一緒に遊んで、楽しい時間を過ごして、ヴィーネの優しさに触れていくうちに、お前がいなければ駄目になってた」
ガヴリール「気づけば、お前のことが好きになってたんだ」
ガヴリール「……こんな駄目な私と一緒にいてくれて、ずっと友達でいてくれてありがとう」
ガヴリール「でも、友達じゃ足りないんだ。私はもっと、ヴィネットと仲良くなりたい」
ガヴリール「だから、私と……付き合って下さい」
~
サターニャ「あわわわわ」
ラフィエル「しーーっ!」コソコソ
サターニャ「だって、ガヴリールが、ヴィーネに、ここっ」
ラフィエル「静かにして下さい、今良いところなんですから!」
サターニャ「もがーっ、もがーっ」
~
ヴィーネ「――ありがとう」
ヴィーネ「その気持ちはすっごく嬉しい」
ヴィーネ「だけど、ちょっと考えさせて」
ガヴリール「……!」ビクッ
ヴィーネ「あっ、嫌ってわけじゃないのよ!ただ、びっくりしたっていうか、気持ちの整理がつかないだけで……」
ヴィーネ「……少しだけ、時間をちょうだい」
ヴィーネ「ガヴの気持ちにちゃんと応えたいから」
ガヴリール「……分かった」
ヴィーネ「……じゃあ、帰りましょ」ギュッ
ガヴ「……うん!」ギュッ
ヴィーネ(……そっか。ガヴが、私を)
ヴィーネ(……えへへ)
帰り道
ラフィエル「落ち着きました?」
サターニャ「うん。まさか、ガヴリールがヴィネットを好きだったなんて」
ラフィエル「……」
サターニャ「ヴィネットはどう答えるのかしら。これでフラレたらガヴリールもショックよね……」
ラフィエル「あ、それは大丈夫だと思いますよー」
サターニャ「どうして?」
ラフィエル「だって、ヴィーネさんもガヴちゃんのこと大好きですから」
ラフィエル(そうじゃなきゃ、あんなに必死に相談して来ませんよ)
サターニャ「ふーん……」
ラフィエル「……」テクテク
サターニャ「……」テクテク
ラフィエル「……サターニャさんは」
サターニャ「ん?」
ラフィエル「二人のことどう思いますか?」
サターニャ「どうって。そりゃすっごくびっくりしたわよ!」
ラフィエル「そうじゃなくて、その……女の子同士ですし。天使と悪魔なのに、好きとか、嫌いとか……」
サターニャ「んー?」
サターニャ「……まあ良いんじゃない?」
ラフィエル「えっ」
サターニャ「だって、人を好きになるのは自由でしょ」
サターニャ「それが駄目なんて言われる筋合いは無いわ」
ラフィエル「……」
サターニャ「それに天使と悪魔がどうこうなんて今更の話よ」
サターニャ「私たちだって、その……友達じゃない」
ラフィエル「!」
ラフィエル(……ああ、なるほど)
ラフィエル(だから私は、ガヴちゃんとヴィネットさんに幸せになって欲しかったんだ)
サターニャ「何か言いなさいよ、こっちだって恥ずかしいんだから!」
ラフィエル「いえいえ、とても嬉しいなーって」
ラフィエル(……天使と悪魔でも、女の子同士でも)
ラフィエル(好きになっても良いですよね?)
ラフィエル「サターニャさん♪」ギュー
サターニャ「ちょっ、苦しいわよ!」
おわり
乙です!
きれいなラフィエルを書きたかった
初ssにつきキャラ崩壊してたらごめんね
おつおつ
おつおつ
とっても良かった
乙
きれいなラフィ好き
あ^~
素晴らしかったです乙
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