ガヴ「結婚した」ヴィーネ「・・・はぁ!?」
ガヴ「結婚した」ヴィーネ「・・・はぁ!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1487529007/)
の続きもの?です。
・ガヴとヴィーネがネトゲで結婚している
・ヴィーネめんどくさい
・ガヴィーネは至高
の3つがわかれば大丈夫なはず。
でも、前回読んでいるとなお楽しいはず…です
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1488551224
-クレープ屋-
ヴィーネ「クレープはいかがですか、美味しいクレープはいかがですか」
ヴィーネ(ガヴと一緒にネトゲをしているとお金が足りなくて、最近バイトを始めた)
ヴィーネ(ゲームのために働くなんて、前までの私だったら馬鹿にしただろう)
ヴィーネ(でも、しょうがないのよ前までの私)
ヴィーネ(結婚すると一緒の衣装が欲しくなったり、二人の家が欲しくなったり、家具が欲しくなったり、そう色々と欲がつきないのだ)
ヴィーネ(あくまで必要経費、二人の結婚には必要なお金なのよ)
ヴィーネ(・・・こうやって廃課金者になっていくのかしら)
ヴィーネ「いらっしゃいませ」
ヴィーネ(でもこうやってバイトしてみるのもいい経験だと思う)
ヴィーネ(料理をするのは元々好きなので、クレープをつくるのは楽しい)
ヴィーネ(それに甘いものを食べている人の喜んだ顔を見るのも好きだ)
女店員「月乃瀬さん、だいぶバイトに慣れたわね」
ヴィーネ「はい、クレープつくるの楽しくて」
ヴィーネ(ふと作業していた手元から前を見ると)
ヴィーネ(少し先にガヴが歩いていた)
ヴィーネ「あそこにいるのはガヴ・・・と千咲ちゃん?」
ヴィーネ(二人がこちらに向かって歩いてくる)
ヴィーネ(思わずその場にしゃがみこんで隠れる)
女店員「月乃瀬さん?」
ヴィーネ(口元に人差し指をもってきて「しー」っと訴える)
タプリス「天真先輩、クレープですよ、美味しそうですよ」
ガヴ「あー美味しそうだけど金ないしな」
タプリス「天界から余分にお金貰ったので払いますよ」
ガヴ「よしきた、とびっきり甘いのを頼む」
ヴィーネ(何、後輩にたかっているのよガヴ)
女店員「どちらにしますか」
ガヴ「くるみガトーショコラ生クリームで」
タプリス「私はメイプルバター&シナモンお願いします」
ヴィーネ(女店員さんが手際よくクレープをつくっていく)
女店員「はいどうぞ」
タプリス「わーこれは凄いですね、天真先輩」
ガヴ「うん、これは美味そうだな」
タプリス「パク。うーん、美味しい」
タプリス「天真先輩、無言で黙々と食べないでください」
ガヴ「だって、美味しいんだよ、これ」
タプリス「先輩、こちらもどうですか」
ガヴ「パクリ。うん、タプリスの買ったのも美味しいな」
ヴィーネ(私の前で何やってるのよ二人…!)
女店員「行ったよ、月乃瀬さん」
ヴィーネ(恐る恐る顔をあげる)
ヴィーネ(少し遠くにガヴと千咲ちゃんの後姿が見えた)
女店員「あの二人知り合いなの?」
ヴィーネ「そうです」
女店員「バイト内緒にしているの?」
ヴィーネ「そうです」
女店員「そ、そう、バイト姿見られるの恥ずかしいもんね」
ヴィーネ(女店員さんの言葉に淡々と答えていく)
ヴィーネ(食べさせ合うのは百歩譲って良しとしよう)
ヴィーネ(・・・私はガヴとあまりしたことないけど)
ヴィーネ(二人で出かけるのも不思議じゃない)
ヴィーネ(千咲ちゃんのために街の案内をしてあげているのだろう)
ヴィーネ(でもね)
ヴィーネ(何で、二人は手を繋いで歩いているの!?)
-学校-
ガヴ「おいヴィーネ、昨日なんでログインしなかったんだよ」
ヴィーネ「昨日はバイトで疲れていたの」
ヴィーネ(二人のことが気になって、ゲームする気になれなかったのよ)
ガヴ「そうかバイト始めたんだったな。何しているの?」
ヴィーネ「教えない」
ガヴ「えっ、そんないかがわしいバイトなの?」
ヴィーネ「違うわよ、教えたら来るでしょ」
ガヴ「うん、働いている姿を冷やかしたいからな」
ヴィーネ「絶対教えない」
ガヴ「ケチ」
ヴィーネ「土日はログインするから、イベントクエスト挑みましょ」
ガヴ「あ、土曜はちょっとな」
ヴィーネ「えっ、用事でもあるの?」
ガヴ「うん、そんなところだ、ごめんな」
教師「授業はじめるぞー」
ヴィーネ(用事って千咲ちゃんと出かけるのかしら)
ヴィーネ(千咲ちゃんとデート)
ヴィーネ(手を繋いで)
ヴィーネ(・・・凄く嫌な気持ちになる)
ヴィーネ(千咲ちゃんはいい子だ。悪魔の私を慕ってくれるし、純粋でかわいい子)
ヴィーネ(でも、ガヴと一緒にいるのを見るのは嫌だ)
ヴィーネ(許せない、といった悪魔的感情が芽生えてくる)
ヴィーネ(私はガヴと結婚しているの、お嫁さんなの)
ヴィーネ(でも、結局それはゲームの話で)
ヴィーネ(現実の私は何も進展していないのであった)
よいぞ
-放課後-
ガヴ「ヴィーネ、帰ろうぜ」
ヴィーネ「・・・うん」
ヴィーネ(ガヴがバッグを持つと)
ヴィーネ(私の目の前でイルカのキーホルダーが揺れる)
ヴィーネ「あれ、それ」
ガヴ「このキーホルダー?」
ヴィーネ「うん」
ガヴ「こないだタプリスと買ったんだ、あいつが何か地上の物が欲しいって言って」
ガヴ「私はあいつにアザラシのキーホルダーを」
ガヴ「お返しにとあいつはこのイルカのキーホルダーをくれたんだ」
ヴィーネ(私は無言で立ち上がる)
ガヴ「ヴィーネ?」
ヴィーネ(そして教室を飛び出し、廊下を勢いよく駆ける)
ガヴ「おいヴィーネ、どうしたんだよ!?」
ヴィーネ(ガヴが後ろで何か言っている)
ヴィーネ(私は無視して、学校から逃げ出した)
-公園-
ヴィーネ(公園のベンチでもう2時間ぐらい座っている)
ヴィーネ(千咲ちゃんは持っていた)
ヴィーネ(私には何もなかった)
ヴィーネ(ガヴからの好意の形が何も)
ヴィーネ(結婚したと浮かれていた、浮かれていたんだ)
ヴィーネ(それはネトゲの世界で、嘘の世界で)
ヴィーネ(現実、本当の世界に、目に見える好意の形は存在していなかった)
ヴィーネ(私はガヴから何も貰ったことがない)
ヴィーネ(目に見えるものが欲しい)
ヴィーネ(不安で不安で仕方がない)
ヴィーネ(ガヴが私を好きでいてくれる証が欲しかった)
ヴィーネ(・・・いや、そんなものなかったんだ)
ヴィーネ(千咲ちゃんにはあって、私には何もないんだ)
サターニャ「ヴィネット、何この世の終わりみたいな顔しているのよ」
ヴィーネ「世界が滅ぶのも悪くないわね」
サターニャ「こわっ、どうしたの、あんたらしくない発言ね」
ヴィーネ「私だって悪魔だよ?」
サターニャ「今のあんただったら本気で滅ぼしそうで怖いわ」
ヴィーネ(サターニャが横に座る)
サターニャ「それでどうしたの?大悪魔の私が配下のお悩み相談してあげるわ」
ヴィーネ「誰が配下よ」
サターニャ「それでそれで」
ヴィーネ「話さないわよ」
サターニャ「そういえばラフィエルから聞いたんだけど」
サターニャ「ヴィネットはガヴと結婚してるんですってね」
ヴィーネ「あの悪戯天使・・・」
サターニャ「結婚って何?」
ヴィーネ「一般的には籍を入れて夫婦になることよ」
サターニャ「女同士じゃん」
ヴィーネ「そうよ、だってゲームでの話だもの」
サターニャ「何だゲームかー、最近のゲームは凄いな、結婚できるんだ」
サターニャ「で、結婚して何するの?」
ヴィーネ「えっ、一緒に戦って、一緒に冒険して」
ヴィーネ「一緒に暮らして、一緒にご飯食べて、一緒に寝て」
サターニャ「ふむふむ」
ヴィーネ「悲しいときは一緒に泣いて、嬉しいときは一緒に笑い合って」
サターニャ「わかったわ」
ヴィーネ「何がよ」
サターニャ「ガヴリールは結婚失格ね」
ヴィーネ「え?」
サターニャ「だってヴィネットが凄い悲しそうなのに一緒に悲しんでないじゃん」
ヴィーネ「・・・」
ヴィーネ「それは」
サターニャ「だから結婚失格、とんだ悪魔ね」
ヴィーネ「ゲームの話だって」
サターニャ「それでもよ」
ヴィーネ「よくわからない理屈」
サターニャ「もっと私に構え―!!っていえばいいんだよ」
ヴィーネ「いやいやキャラじゃないし」
サターニャ「ヴィネットはいつも遠慮するんだから少し我儘なぐらいでいいんだよ」
ヴィーネ「我儘なサターニャが言っても説得力がないわよ」
サターニャ「何をー」
ヴィーネ(暗い気持ちが少し軽くなっているのに気づく)
ヴィーネ(サターニャと話していると気持ちが明るくなる)
ヴィーネ「ありがとうね、サターニャ」
サターニャ「思ったことをいっただけよ」
ヴィーネ「それでもよ」
サターニャ「うむ、ヴィネットも大悪魔サタニキアの偉大さに気づいたみたいね」
ヴィーネ「ごめん、それはわからないわ」
サターニャ「何で!?」
ヴィーネ(この子も悪魔の割に根はいい子よね)
ヴィーネ(ありがとう、サターニャ、私の友達でいてくれて)
-レストラン-
ラフィエル「ヴィーネさんからお誘いなんて珍しいですね」
ヴィーネ「ごめんなさい、急に呼び出して」
ラフィエル「いえいえ、ヴィーネさんからの呼び出しなら喜んでお受けしますよ」
ラフィエル(だって100%ガヴちゃん絡みの話ですものね)
ラフィエル(面白いに決まっているじゃないですか、ふふ)
ヴィーネ「と、友達の話なんですけど」
ラフィエル「友達?ヴィーネさんの話ではなく」
ヴィーネ「う、うん、友達。相談受けてどう答えていいか困って」
ヴィーネ「その、恋愛相談とかラフィなら詳しいかなって」
ラフィエル「はい、恋愛大博士の私にお任せあれですよ」
ヴィーネ「大博士?」
ラフィエル「それで、それで」ワクワク
ヴィーネ「A子ちゃんがBちゃんのことが好きで、1番の仲だと思っていたんだけど」
ヴィーネ「最近Bちゃんが後輩ちゃんと仲良くて」
ヴィーネ「それで嫉妬というかヤキモキしているとうか」
ラフィエル(何で女の子同士なのかはツッコむのは野暮ですかね…)
ヴィーネ「A子ちゃんは後輩ちゃんのことは嫌いじゃないけど、Bちゃんと仲良くしているのは嫌なの」
ラフィエル(後輩っていうのはタプちゃんのことですかね)
ラフィエル「Bちゃんは後輩ちゃんとどう仲良いのですか?」
ヴィーネ「手を繋いでいたり」
ヴィーネ「食べさせ合ったり」
ヴィーネ「キーホルダーをお互いに買い合ったり」
ラフィエル「なるほど、それはヴィーネさんは心配になりますね」
ヴィーネ「そうなの・・・って友達の話だって」
ラフィエル「でも、女の子同士、手を繋いだり、食べさせ合ったり」
ラフィエル「プレゼントし合ったりは多少過剰とはいえ」
ラフィエル「ごく普通にありえることではないですか?」
ラフィエル「あくまで仲の良い先輩、後輩」
ラフィエル「そこに恋愛感情はないかもしれないませんよ」
ヴィーネ「そうかもしれないけど・・・」
ラフィエル「ヴィーネさんは友達同士でも、先輩後輩同士でも仲良くする姿は許せないんですね」
ヴィーネ「う、うん」
ラフィエル「ヴィーネさんはガヴちゃんの1番じゃなきゃ嫌なんですね」
ヴィーネ「・・・うん」
ラフィエル「それは嫉妬」
ヴィーネ「自覚しているわ」
ラフィエル「を通り越して、独占欲、束縛」
ヴィーネ「え?」
ラフィエル「はぁ、とんだめんどくさい女ですね、ヴィーネさん」
ヴィーネ「え、え?」
ラフィエル(だから、とても面白いんですけどね)
ラフィエル「ヴィーネさんの好意はいささか過剰です」
ラフィエル「その好意はガヴちゃんの自由を奪います」
ヴィーネ「それはっ」
ラフィエル「簡単な答えを教えましょう」
ラフィエル「邪魔者を排除すればいいんです」
ヴィーネ「排除?」
ラフィエル「ガヴちゃんへ好意を向けるものを文字通り排除していくんです」
ラフィエル「手段は問いません。誰もいなくなればあなたは心配の必要がなくなる」
ラフィエル「でも、それは彼女の可能性を、機会を奪う行為でもある」
ラフィエル「できますか、ヴィーネさん?」
ヴィーネ「私は・・・」
ヴィーネ「できない」
ヴィーネ「私に何の権限があってそんなことするの」
ヴィーネ「それにそんなことした私をガヴはきっと許してくれない」
ラフィエル(その考えもだいぶ歪んでいるんですけどね、ヴィーネさん)
ラフィエル(権限、許しがあったらあなたは<排除>するんですか?)
ラフィエル(恋する乙女は悪魔ですね・・・)
ラフィエル「そしたらどうしたらいいんでしょうか」
ヴィーネ「わからない」
ラフィエル「他のどんな人が来ようと揺るがない絆、関係、誓い」
ラフィエル「二人の間に特別なもの」
ラフィエル「それがあればいちいちモヤモヤしなくて済むじゃないんですか」
ヴィーネ「特別なもの・・・」
ラフィエル「例えばそれは婚約指輪、婚姻届け、誕生日プレゼント、恋人であると証明するもの」
ラフィエル「そんな特別なものがあればヴィーネさんは安心できるのではないですか」
ヴィーネ「その特別なものが貰えないのよ」
ラフィエル「要求するしかありません、ガヴちゃんは無頓着ですからね」
ラフィエル「気づかせてあげないといけません」
ラフィエル「遠慮しないで、我儘じゃないと、わかってくれませんよ」
ヴィーネ「サターニャにも同じこと言われた」
ラフィエル「あらあら、サターニャさんもそう思うのですね」
ラフィエル「天使と悪魔が言っているんです」
ラフィエル「心配なら言えばいいんです。何でタプちゃんと最近仲が良いのって」
ラフィエル「何で手を繋いでいるのかって。何で私には何もくれないのって」
ラフィエル「もうめんどくさい女なんだから、もっとめんどくさくなりましょうよ」
ヴィーネ「私ってそんなめんどくさい女?」
ラフィエル「はい、面白いほど」
ヴィーネ「へこむ」
ラフィエル「って、友達には答えてあげてくださいね」
ヴィーネ「友達?」
ラフィエル「だって、友達の相談なんですよね?」
ヴィーネ「あっ、そう、そうね、友達の相談だったわね」
ラフィエル(もうバレバレすぎて、何いっても遅いですけどね)
ラフィエル「頑張ってくださいね」
ヴィーネ「う、うん」
ラフィエル(これでやっと動きますかね)
-ヴィーネの家-
ヴィーネ(我儘、我儘)
ヴィーネ(我儘でいいんだ)
ヴィーネ(二人に相談して良かった)
ヴィーネ(我儘な私は今すぐにでもガヴに会いたい)
ヴィーネ(でもこんな夜にガヴに会うのはさすがに我儘すぎるから)
ヴィーネ(ガヴに電話をかける)
ガヴ「何だヴィーネ、こんな夜に」
ヴィーネ「あっ、ガヴ寝てた?」
ガヴ「いやネトゲしてたけど」
ヴィーネ「明日デートしましょう」
ガヴ「デートいいよ、いいよしよう・・・はっデート!?」
ヴィーネ「そうデート」
ガヴ「何処かに出かけたいってこと?」
ヴィーネ「そうだけど、違うわ」
ヴィーネ「好きな人と出かけるからデートなの!」
ガヴ「はっ、好き!?」
ヴィーネ「そう、じゃあ明日11時に駅前ね」
ガヴ「えっ、おい、ちょっと待てよヴィーネ」
ヴィーネ「待たないー、じゃあね」
ガヴ「おいっ、私の話をきけっ」
ヴィーネ(電話を切る)
ヴィーネ(やった、デートに誘ったわ)
ヴィーネ(見たか、これが我儘ヴィーネよ)
ヴィーネ(・・・)
ヴィーネ(・・・って、色々とぶっちゃけすぎてオカシイんですけど私!?)
ヴィーネ(何、好きな人と出かけるからデートなの!って)
ヴィーネ(頭湧いてんじゃない?我儘ってこういうこと、素直になるってこういうこと?)
ヴィーネ(もう何が正しくて、何が間違いかわからない)
ヴィーネ(明日ガヴ来てくれるかしら)
ヴィーネ(・・・心配だ)
-駅前-
ヴィーネ(待ち合わせ1時間前なのについてしまった)
ヴィーネ(家にいても落ち着かなくて、早めに来たけど)
ヴィーネ(正直待っているのも厳しいものがあるわ)
ヴィーネ(あんなこと言って、ガヴは来てくれるのかしら)
ガヴ「げっ、もういる」
ヴィーネ「ガヴ…!」
ヴィーネ(1時間前だというのにガヴが来た)
ヴィーネ(それにジャージや制服じゃなくて、ちゃんとした私服だ)
ヴィーネ「ちゃんと可愛い格好できるじゃない」
ガヴ「だって、ヴィーネがその、デートっていうからさ」
ヴィーネ「ふふ、行きましょうガヴ」
ヴィーネ(私のために頑張ってくれるガヴ、嬉しいな♪)
ガヴ「で、今日は何処に行くの?」
ヴィーネ「遊園地よ」
ガヴ「遊園地か・・・人多いだろうし、めんどいな」
ヴィーネ「いいの、待ち時間もお話できて楽しいじゃない」
ガヴ「わかったよ」
ヴィーネ「じゃあ行きましょう」
ガヴ「へいへい」
ヴィーネ(ガヴの手を掴む)
ガヴ「いたっ」
ヴィーネ「ご、ごめん」
ガヴ「何、どうしたの?」
ヴィーネ「そのー・・・」
ガヴ「手、繋ごうとしたの?」
ヴィーネ「…うん」
ガヴ「それならちゃんと言えよ」
ヴィーネ「言ったら手繋いでくれるの!?」
ガヴ「別に減るもんじゃないし」
ヴィーネ「じゃあ言うね」
ヴィーネ「すーはー」
ヴィーネ「ガヴ、手繋いで…いいかな?」
ガヴ「…!」
ヴィーネ(ガヴがそっぽを向く)
ヴィーネ「へ、返事は?」
ガヴ「いいよ、いいから早く繋げよ」
ヴィーネ「お邪魔します」
ヴィーネ(ガヴの手を握る)
ヴィーネ(私よりもちっちゃな手)
ヴィーネ(だけど、温かい)
ヴィーネ(これが幸せの温もり…かな?)
ガヴ「早くいくぞ」
ヴィーネ「うんっ」
-電車-
ヴィーネ(ガヴと手を繋いだまま、電車に乗った)
ヴィーネ(電車は席に座れない程度に込んでいて)
ヴィーネ(片方はつり革を持ち、片方はお互いの手を握っている)
ガヴ「・・・」
ヴィーネ「・・・」
ヴィーネ(終始無言である)
ヴィーネ(だって、だって手繋いだらすごく緊張しちゃって、何話していいかわからなくなって)
ヴィーネ(私の手、汗かいてる? 大丈夫?)
ヴィーネ(ガヴに気持ち悪く思われてないかな?大丈夫、大丈夫だよね?)
ガヴ「あの、ヴィーネ」
ヴィーネ「な、なにガヴ」
ガヴ「電車の中は手を離してもいい?」
ヴィーネ「えっ」
ガヴ「あっ、別にヴィーネと手を繋ぎたくないわけじゃなくて」
ガヴ「その、何だ人前で手を繋ぐのは恥ずかしい」
ヴィーネ「千咲ちゃんとは繋いでいたじゃない」
ガヴ「タプリス?」
ヴィーネ「そうよ、見たの」
ガヴ「見たなら声かけてくれよ」
ヴィーネ「だって、邪魔しちゃいけないと思って」
ガヴ「何か勘違いしているけど、あいつはただの後輩だから」
ガヴ「だから手を繋いでも何とも思わないし」
ヴィーネ「じゃあ何で私は嫌なの?」
ガヴ「だって、それはヴィーネには思うところがあるからだよ」
ヴィーネ「えっ、よく聞こえないんだけど?」
ガヴ「やめやめ、わかった、我慢するから、手繋いだままでいるから」
ヴィーネ「えへへ」
ガヴ「遊園地行く前からお疲れモードなんだけど」
ヴィーネ(普通の電車でも、ガヴと手を繋げるならそこはアトラクションで)
ヴィーネ(ずっと夢が覚めないといいな…と思うの)
ヴィーネ(でも、今日の私は我儘だからもっともっと楽しまないと、ね、ガヴ)
-ジェットコースター-
ヴィーネ「きゃー」
ガヴ「うわああああ」
-ゴーカート-
ガヴ「ゲームで鍛えた腕を見せる時が来たな」
ヴィーネ「ま、負けないんだから」
ガヴ「おい、キノコで加速しろ、雷でちいさくしろよ」
ヴィーネ「ガヴ、ゲームと現実を混同してはいけないわ」
-コーヒーカップ-
ガヴ「おら回せ、まわせ」
ヴィーネ「回しすぎよ、早い、早いって」
ガヴ「うぷ、酔った…」
ヴィーネ「自業自得じゃない」
-お化け屋敷-
ヴィーネ「ここは駄目、絶対駄目」
ガヴ「嫌だ、絶対入るからな」
ヴィーネ「な、何でよ?」
ガヴ「それは怖がるヴィーネを見るのが面白いから」
ヴィーネ「この鬼、悪魔、廃課金!」
ガヴ「悪魔はお前だろ、それに廃課金ってただの悪口じゃねーか」
ヴィーネ「絶対手離さないでね」
ガヴ「うっ、離さない、離さないから、行くぞ」
ヴィーネ「…うん」
ヴィーネ「怖かったー」
ガヴ「私はずっとヴィーネが抱き着いてきて怖かったよ…」
-ショップ-
ヴィーネ「ねえ、ガヴ、このキャラクター可愛くない?」
ガヴ「えーちょっと不細工じゃないか」
ヴィーネ「それがいいのよ」
ガヴ「私にはわからない」
ヴィーネ「ガヴ、良かったら同じの一緒に買わない?」
ガヴ「えっ・・・」
ガヴ「・・・」
ガヴ「ごめん、お金がきつくてな」
ヴィーネ「そ、そう。じゃあ仕方ないわね」
ヴィーネ「・・・」
-観覧車-
ヴィーネ(二人の乗った観覧車が上にのぼっていく)
ヴィーネ(時間はあっという間に過ぎ、気づけば夕方だ)
ガヴ「遊園地も悪くないな」
ヴィーネ「そうでしょ、また来ましょう」
ガヴ「たまにな、毎回はしんどい」
ガヴ「満足したか?」
ヴィーネ「うん、でもちょっとまだ不満」
ガヴ「何が不満なんだよ」
ヴィーネ「もっと欲しい」
ガヴ「私の貴重な時間を上げただろう」
ヴィーネ「どうせネトゲするだけでしょ」
ガヴ「うるせー」
ヴィーネ「私ね」
ヴィーネ「ガヴとネトゲだけど、結婚できて凄い嬉しかったんだ」
ヴィーネ「他の人と違って、ガヴは私を特別と思ってくれているって」
ヴィーネ「でもね、それはネトゲの中の話で」
ヴィーネ「現実にはガヴとの絆を証明する物はなかったの」
ヴィーネ「不安で不安で仕方がなかったの」
ヴィーネ「ガヴと私の間には特別なものはないんだって」
ヴィーネ「そんな時ね、ガヴの鞄に千咲ちゃんから貰った物があった」
ガヴ「イルカのキーホルダーか」
ヴィーネ「そう、千咲ちゃんには絆があって、私にはないと見せつけられているようで」
ヴィーネ「私は嫉妬した」
ガヴ「別にそんな大層なもんじゃないよ」
ヴィーネ「でもね、私の心は乱されたんだ」
ガヴ「ごめんな」
ヴィーネ「ううん、悪いのは欲張りな私だから」
ヴィーネ「だからガヴと一緒の物が欲しかったの」
ヴィーネ「でも、さっき断られて」
ヴィーネ「ああ、やっぱり嫌なんだって、気づかされた」
ガヴ「ちげーよ」
ヴィーネ「違くないわ、こんな面倒な女、迷惑な悪魔、嫌なんでしょガヴ?」
ヴィーネ「ネトゲで結婚してくれたのだってお情けだったんでしょ?」
ヴィーネ「私と今日デートしてくれたのも可哀そうだったからでしょ?」
ガヴ「落ち着けよ、ヴィーネ」
ヴィーネ「落ち着いているわ」
ガヴ「何処がだ、泣くなよヴィーネ」
ヴィーネ「泣いてなんか・・・」
ヴィーネ(ガヴがそっと私の手を握る)
ガヴ「ヴィーネはせっかちなんだよ」
ヴィーネ「え?」
ガヴ「早とちりしすぎだ」
ヴィーネ(ガヴが鞄から小さな紙袋を取り出す)
ガヴ「帰り際に渡そうと思ったんだけど、ほら」
ヴィーネ「私に?」
ガヴ「ヴィーネへのプレゼントだからな」
ヴィーネ「へ?」
ガヴ「私の趣味に付き合ってくれるヴィーネ、助けてくれるヴィーネに感謝しているんだ」
ガヴ「だけど、私はその気持ちをどう表現していいかわからないからタプリスに相談したんだ」
ガヴ「だって、あの悪魔や、天使には相談できないだろ?」
ガヴ「タプリスが形に残るものが嬉しいですよとアドバイスくれて」
ガヴ「それで選んだんだ」
ヴィーネ「開けていい?」
ガヴ「うん」
ヴィーネ(紙袋を丁寧に開ける)
ヴィーネ(中には向日葵のヘアピンが入っていた)
ガヴ「普段から使っているものがいいかなって」
ヴィーネ「嬉しい、嬉しいよガヴ」
ヴィーネ「ありがとう」
ガヴ「それはよかった」
ヴィーネ「ねえ、つけていい?」
ガヴ「ちょっと待って」
ヴィーネ(ガヴが身を乗り出し、)
ガヴ「私がつけるからじっとして」
ヴィーネ(ガヴが私の髪を触る)
ヴィーネ(ガヴの顔が・・・近い)
ガヴ「できた」
ヴィーネ(バッグから手鏡を取り出し、見る)
ヴィーネ(私の頭に二輪の向日葵が咲いていた)
ヴィーネ「ど、どうかな?」
ガヴ「可愛いよ、ヴィーネ」
ヴィーネ(満開の笑顔に顔が火照るのを感じた)
ヴィーネ(観覧車から降り、遊園地の出口へと向かう)
ヴィーネ(私の手はガヴの手を掴んでいる)
ヴィーネ(そこに不安はなく、希望が詰まっている)
ガヴ「何もくれなくて不安っていうけどさ」
ヴィーネ「うん、言ったけど」
ガヴ「私はヴィーネから何も貰ってないんだけど」
ヴィーネ「!」
ガヴ「あー不安だなー不安だー」
ヴィーネ「ごめん、確かに。私、自分のことしか考えていなかった」
ガヴ「だから貰うから」
ヴィーネ(ガヴが私の正面にまわり、背伸びをする)
ヴィーネ(えっ、これって、えっ)
ヴィーネ「えっ」
ヴィーネ(ガヴの顔が近づいてくる)
ヴィーネ「待って、準備、心の準備が」
ヴィーネ(ガヴの顔が目の前だ)
ヴィーネ(そして)
ヴィーネ(ガヴと私の頭がぶつかる)
ヴィーネ「いたっ!」
ガヴ「いてっ」
ヴィーネ(痛さでその場にしゃがみこむ)
ヴィーネ「な、なに頭突きかましてくれるのよ」
ヴィーネ(ガヴが私の前髪をかき上げる)
ヴィーネ(そして痛さで赤くなった私のおでこに)
ヴィーネ(そっと口づける)
ヴィーネ「うなっ!?」
ヴィーネ(ガヴの唇が私の額から離れる)
ヴィーネ「にゃ、にゃにしてるの」
ガヴ「こんなのお前にしかしないから」
ヴィーネ「え、え」
ガヴ「特別なヴィーネだけだから」
ガヴ「安心しろよ」
ヴィーネ(ガヴが悪戯に笑う)
ヴィーネ(私の顔は真っ赤で真っ赤で真っ赤で)
ヴィーネ(このまま天まで昇っていくんだと思う)
-学校-
ヴィーネ(幸せすぎたデートは終わった)
ヴィーネ(幸せすぎて、頭の中がガヴで一杯で)
ヴィーネ(授業なんか手につかなくて)
ヴィーネ(おでこがずっと熱くて)
ヴィーネ(気づいたら放課後になっていた)
サターニャ「あれヴィネット、髪飾り変えた?」
ヴィーネ「うん、そうなの」
ラフィエル「あらあら、向日葵がとても可愛いですね」
ヴィーネ「ありがとう、とっても気に入ってるの」
ヴィーネ(ガヴの元に近づく)
ヴィーネ「ガヴ、一緒に帰らない?美味しいクレープ屋さんがあってね」
ヴィーネ(ガヴが振り向く)
ガヴ「ごめん、今日は試食部があってな」
ヴィーネ「はい?試食部?」
ガヴ「そう、こないだ入ったんだ」
ガヴ「あっ、まち子、私も行くからちょっと待って」
ヴィーネ「えっまち子?委員長?えっ」
ヴィーネ(ガヴが軽やかな足取りで教室から出ていく)
ヴィーネ(…やっぱり)
ヴィーネ(なかなかこの気持ちはなおらない)
ヴィーネ(特別だとはわかっていても、嫉妬しちゃうな…)
ラフィエル「ヴィーネさん」
ヴィーネ(後ろからしたラフィエルの声に振り向く)
ラフィエル「向日葵の花言葉って知っていますか?」
ヴィーネ「何よ、唐突に」
ラフィエル「愛慕、崇拝、そして」
ラフィエル「私はあなただけを見つめる、そんな花言葉があるんですよ」
ヴィーネ「・・・!」
ヴィーネ「しょうがないわね」
ヴィーネ(ガヴのことだからそこまで考えて渡してないと思う)
ヴィーネ(でも)
ヴィーネ(少しぐらい多めに見てあげないとね)
ラフィエル「どうなるかとひやひやしていましたが、面白いことになりましたね」
サターニャ「ねえ、ラフィエル」
ラフィエル「何ですか、サターニャさん」
サターニャ「私とラフィエルって結婚しているの?」
ラフィエル「はい!?」
サターニャ「だってヴィーネが結婚は、一緒に食べて、一緒に寝ることだって」
サターニャ「ラフィエルと私よく一緒に夕飯食べるし、私のお布団に気づいたらラフィエル入ってきてるよね」
ラフィエル「そうですが、それで結婚とは…」
サターニャ「結婚じゃないの?」
ラフィエル「結婚ではないですね」
サターニャ「えーそうなの、残念」
ラフィエル「残念!?」
サターニャ「ラフィエルのこと好きだし、結婚って何だか楽しそうじゃん」
サターニャ「結婚は女の幸せって言うらしいわよ、テレビで見たわ!」
ラフィエル「プルプル」
サターニャ「どうしたのラフィエル、そんなに真っ赤な顔をして、具合悪いの?」
サターニャ「あーなによー急に走り出して!待てー」
ラフィエル(ヴィーネさんやってくれましたね…)
ラフィエル(こんな辱めを受けるなんて)
ラフィエル(サターニャさんの好きは、このご飯美味しい!レベルの好きなはず)
ラフィエル(勘違いしちゃいけない、いけないですよ)
サターニャ「待てーラフィエル、止まりなさいー!」
おわりです!
もっと三角関係やりたかったけど、あまりタプリスを活かせなかった泣
コメント毎回嬉しいです。励みになります、ありがとうございます。
またガヴィーネ書きたいけど、ちょっと違った感じも書きたいです。
おつおつ
次も待ってる
サタラフィもいい
このガヴィーネ大好き
乙
ガヴィーネは至高
あなたのガヴィーネ最高やな…
サタラフィも好き
>ヴィーネ(私はガヴと結婚しているの、お嫁さんなの)
>ヴィーネ「好きな人と出かけるからデートなの!」
特にここ最高にかわいい
ガヴィーネ流行れ
琴奨菊?
良いな
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