モバP「チョコレートとハダカの気持ち」 (24)
のんびりと書いていきます
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P「......」カタカタ...
愛梨「Pさーん!」
P「んー?」カタカタ...
愛梨「あの、今お忙しいですか?」
P「うーん、ちょっと忙しいかなぁ」
愛梨「そうですか...」
P「どうした?なにか悩み事か?」
愛梨「あっ、いえ...そういうわけじゃ...」
P「なんだよ?はっきりしないな、言いたいことがあるなら言っていいんだぞ?」
愛梨「...じゃあ、ひとつだけいいですか?」
P「おう、なんだ?」
愛梨「えっと、チョコレートはお好きですか?」
P「チョコレート?」
愛梨「はいっ!」
P「ああ、好きだよ」
愛梨「本当ですかぁ?よかったぁ♪あっ、ちなみにですけど、どんなチョコレートが好きですか?」
P「うーん、まあなんでも好きだけど、そうだな...甘いのがいいかな」
愛梨「甘いのですね...わかりました、ありがとうございますっ!」
P「聞きたい事ってそれか?」
愛梨「はいっ♪お仕事中すみませんでした、それじゃ失礼しますね、えへへっ♪」テクテク...
P「はぁ...」
ちひろ「わかりやすいですね、愛梨ちゃん」
P「なにがですか?」
ちひろ「またまた、とぼけちゃって♪」
P「...まあ、なんとなく予想はつきますけど」
ちひろ「幸せですねプロデューサーさんは、あんな可愛い子から一途に思われてて」
P「はいはいどうも、無駄話はその辺にして仕事しますよ」
ちひろ「あらあら、嬉しくないんですか?」
P「...そりゃまぁ、嬉しくなくはない...ですよ」
ちひろ「ふふっ♪」
P「でも、今はこっちに集中です、2月14日はアイドルにとってイベントの日ですから」
ちひろ「そうですねぇ、当然そのための下準備や手続きやらで私たちも忙しいんですけど」
P「その通りです、だけど仕事で失敗して泣いてほしくはないですからね、バレンタインに笑顔でいてもらうためにも俺たちががんばらないと」
ちひろ「ええ、がんばりましょう、でもプロデューサーさん大丈夫ですか?ここのところ泊まり込みが続いてますけど...」
P「...まあ、正直キツイですけど今が踏ん張りどころなので...」
---2月13日 深夜---
愛梨「えへへっ、ちょっと時間かかっちゃったけどなんとか間に合ったっ♪」
愛梨「うん!綺麗にできたし、お店で売ってる物には見えないよねっ」
愛梨「甘いのが好きなPさんのためにとびっきり甘くできたし...」
愛梨「あとはこれを明日渡すだけ...」
愛梨「あふっ...早く寝ないと...」
愛梨「...うーん、でもどうせならもうひとつ何かをあったほうがいいかなぁ?」
愛梨「えっと、えーっとぉ...」
愛梨「...あっ、そうだ!お手紙を添えちゃおうっ♪」
愛梨「私の気持ちを込めたメッセージを書いて渡せば、もっともっと喜んでくれるよねっ」
愛梨「なんて書こうかなぁ...」
愛梨「大好きなPさんへ...うーん、でもこれは毎日言ってるし...」
愛梨「愛するPさんへ愛梨から...な、なんちゃって~!」
愛梨「うーん、難しいなぁ...」
愛梨「もっと私の正直な気持ちを伝えたい...」
愛梨「飾らない、そのままの気持ち...」
愛梨「もっと...裸の気持ちを...」
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チュンチュン...
愛梨「むにゃ...」
愛梨「Pさーん...」
愛梨「...あれ?」
愛梨「もう朝...?」
愛梨「あふっ...そっかぁ、お手紙書いてたら寝ちゃって...」
愛梨「うぅ~ん...でもなんとか書けてよかっ...」
愛梨「あぁっ!もうこんな時間に!」
愛梨「大変!お仕事に遅れちゃう!早く事務所に行って準備しないと!」
バッターン!
愛梨「いったーい!」
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ガチャッ!
愛梨「はぁ...はぁ...おはようございまーす!」
ちひろ「あら、おはようございます愛梨ちゃん、今日はずいぶんギリギリですね」
愛梨「すみません...ちょっと夜更かししてたら寝坊しちゃって...」
ちひろ「ふふっ、大丈夫ですよ、ちゃんと間に合ってますし」
愛梨「ありがとうございますっ♪あれ、Pさんは...?」
ちひろ「それが...プロデューサーさんは急遽お休みで...」
愛梨「お休み?Pさんどうかしたんですか?」
ちひろ「実は...」
愛梨「えっ、風邪!?」
ちひろ「ここのところ泊まり込みが続いて疲労が溜まってたみたいなんです、そうしたら今日の朝に連絡が来て、どうも今までの疲れが一気に出たみたいで...」
愛梨「そんな...」
ちひろ「申し訳ありませんけど、今日のバレンタインのイベントは愛梨ちゃんがひとりで行ってもらうことになりますね」
愛梨「わ、わかりました...」
ちひろ「プロデューサーさんからはメールで愛梨ちゃんへの支持書を...愛梨ちゃん?」
愛梨「Pさん...」
ちひろ「愛梨ちゃん!」
愛梨「ひ、ひゃい!」
ちひろ「大丈夫ですか?私の話、聞いてました?」
愛梨「は、はい...」
ちひろ「はぁ...プロデューサーさんなら大丈夫です、ただの風邪なんですからそんなに心配する事ありませんよ」
愛梨「そ、そうですね...」
ちひろ「愛梨ちゃん、プロデューサーさんの事が心配なら、お仕事にきちんと集中してください」
愛梨「お仕事に...」
ちひろ「プロデューサーさんが気になるのはわかりますけど、それで上の空になってお仕事が失敗しちゃったらこれまでのプロデューサーさんのがんばりを無駄にすることになっちゃいますよ?」
愛梨「...はい」
ちひろ「だから、プロデューサーさんの事を考えるのはお仕事が終わってから、いいですか?」
愛梨「...わかりました」
ちひろ「きっとプロデューサーさんも愛梨ちゃんの事が気にかかってると思います、なので愛梨ちゃんはプロデューサーさんを安心させるようにお仕事をちゃんと終わらせましょうね」
愛梨「...はい!私、がんばります!」
ちひろ「うん、いい返事ですね、その様子ならプロデューサーさんも安心するはずです♪」
愛梨「えへへ、そうだといいですね♪」
ちひろ「ふふっ、それじゃ今日のお仕事、よろしくお願いします」
愛梨「はーいっ!」
------
P「あー、なんてこった...」
P「まさかイベント当日になってダウンしてしまうとは...」
P「まったく情けない限りだ...」
P「...愛梨のやつ大丈夫だったのかな」
P「様子を見に行こうかと思ったけど無理して治りが遅くなったら困るし...」
P「...あー、でも心配だなぁ」
Prrrrr♪
P「んっ?誰だろ...」
【愛梨】
P「噂をすれば...」
P「はい、もしもし?」
愛梨『あっ、Pさん!もしかして寝てました?』
P「いや起きてたよ、ちょうど愛梨のことを考えてたところだ」
愛梨『えっ、本当ですか?嬉しいなぁ♪』
P「愛梨がドジ踏まないでちゃんと仕事ができてるか心配でしょうがなくってさ」
愛梨『むぅぅ!ちゃんとできましたよぉ!』
P「本当か?」
愛梨『はいっ!一生懸命がんばりましたっ!』
P「そうか?それならよかった」
愛梨『プロデューサーさんががんばって取ってきてくれたお仕事ですから、ちゃんとやらなきゃと思って♪』
P「ありがとう、もう家に着いたか?」
愛梨『いえ、実は...』
P「なんだ?」
コンコン
P「んっ、誰だ?」
愛梨『えへへ、誰だと思います?』
P「...お前、もしかして」
愛梨『はい、今Pさんのお部屋の前にいますよ♪』
P「...帰りなさい」
愛梨『えぇ~?なんでですか?』
P「なんでじゃないだろ、風邪が伝染ったらどうするんだ」
愛梨『でもお見舞いに...』
P「その気持ちだけで充分だよ、ほら帰った帰った」
愛梨『そんなぁ...』
P「あんまり駄々こねるな、仕事で疲れてるんだから早く帰って休みなさい」
愛梨『だけど今日はせっかくの...』
P「なんだよ?」
愛梨『...いえ、なんでもないです』
P「...ほら、ワガママ言わないで、寒いんだから...なっ?」
愛梨『はーい...』
テクテクテク...
P「...帰ったか」
P「ちょっとかわいそうだったかな...」
ピロン♪
P「おっ、愛梨からのラインだ...」
愛梨:ドアの前にお見舞いの品を置いてあるので食べてください
愛梨:お大事に
P「お見舞いの品?」
ガチャッ
P「おっ、これか」
P「なんだろう...?」ガサガサ...
P「...これは、チョコレート?」
P「...そうか、愛梨のやつわざわざこれを渡しに...」
P「んっ、手紙が入ってるな...」
『Pさんへ♡ Happy valentines!』
『いつもありがとうございます』
『このチョコレートだけじゃ全然足りませんけど、日ごろの感謝の気持ちを込めました』
『甘いのが好きって言ってたので 少し甘めに作ってあります』
『気に入ってもらえたら嬉しいですっ』
『味見してるので大丈夫なはずですけど もしお口に合わなかったらゴメンなさい!』
『ドジな私ですけど、Pさんのおかげで楽しくお仕事ができてます』
『私、抜けてるからPさんに迷惑をかけてばっかりだと思います』
『でもPさんはそんな私の手を優しく引いてくれて、本当に感謝してますっ』
『よくできたときは褒めてくれて、失敗しちゃったときは慰めてくれて...』
『Pさんがそばについていてくれるから、私はアイドルでいられます』
『本当にありがとうございますっ!』
『それから...』
P「愛梨...」
ガサガサ...
P「おぉ、すごいな、綺麗なガトーショコラだ」
P「あむっ...」
P「...うん、甘い」
P「...風邪も吹っ飛びそうなくらい、甘いなぁ」
---翌日---
P「ふぅ...だいぶ調子がよくなったな」
P「やっぱりちっと無茶しすぎてたかなぁ、今後は気を付けないと」
P「さて、行くか...」
ガチャッ
「あっ、おはようございますっ!」
P「...愛梨?」
愛梨「はいっ♪」
P「...なんでお前が俺の部屋の前にいるんだ?しかもこんな朝早くから...」
愛梨「それはですね、Pさんの具合が良くなったか確かめるために...それで、もし具合が良くなってたらいっしょに事務所に行こうと思って...」
P「アホ!」ペシッ
愛梨「あいたっ!」
P「わざわざそんなことに気をまわしてる暇があったら自分のことをやれ~!」ムニムニ...
愛梨「むぇー!いひゃいいひゃい~!」
P「ったく...いつからいたんだ?」
愛梨「うーん、一時間くらい前からかなぁ...?」
P「そんなに早くから...インターホン鳴らせばいいだろ」
愛梨「でも、もしまだ具合が悪かったらいけないと思って...もうちょっと待って出てこないようだったら電話しようと...」
スッ...
愛梨「あっ...」
P「こんなに手が冷たくなるまで待ってるなんて...まったくお前は...」
愛梨「えへへ、平気ですっ!私、雪国の出身ですからっ♪」
P「知ってるよ、でも無茶はダメだ、いいな?」
愛梨「はーいっ♪それで具合はどうですか?」
P「ああ、だいぶよくなったよ、仕事にもちゃんと行ける」
愛梨「そうなんですか、早く治ってよかったですねっ」
P「まあ、そんなにひどい風邪じゃなかったしな、それに...」
愛梨「それに?」
P「...愛梨のチョコレートを食べたから、元気いっぱいになったよ」
愛梨「Pさん...♪」
P「昨日は追い返したりしてゴメンな?せっかく心配して来てくれたのに...」
愛梨「いいんです、Pさんにチョコを受け取ってもらえれば...美味しかったですか?」
P「うん、とっても甘くて美味しかった」
愛梨「ふふっ、よかった♪」
P「ありがとな愛梨」ナデナデ
愛梨「えへへ、どういたしまして♪」
P「それと、手紙ありがとうな」
愛梨「あっ...」
P「ちゃんと伝わったよ、愛梨の気持ち...」
愛梨「...よかった♡」
P「よし、じゃあ事務所行くか」
愛梨「はいっ!でも治ったばっかりなんですから無理しないでくださいね?」
P「わかってるって、愛梨こそ今日はドジしないようにがんばれよ?」
愛梨「えへへ、大丈夫ですよっ♪」
ギュッ
愛梨「Pさんがついててくれれば、愛梨はなんだって大丈夫ですっ♪」
P「...そうか」
愛梨「Pさん...」
チュッ
愛梨「一日遅れになっちゃいましたけど...」
愛梨「ハッピーバレンタイン♪これからもよろしくお願いしますっ!」
『それから、最後にこれだけ伝えておきたいんです』
『私、Pさんのことが大好きっ♡』
『来年も再来年もそのまた次の年も...』
『また貴方にチョコレートを作ってあげたいです』
『だから...』
『これからもずーっと、私のそばにいてください』
『愛をこめて 愛梨♡』
駄文失礼しました~
一日遅れになりましたけどバレンタインSSです
とときんはチョコケーキもいけるみたいなので作るとしたら凝ったものをくれそうな気がします
本当は昨日投下しようとしましたが副業が忙しすぎて無理でした
あと、もうちょい甘くしたかったけど今回はこんな感じでなんとか...
ではまた~
乙乙。今の俺ならコーヒー豆をそのまま食べられる
>>21
わかるわ
乙、アニャナタの続きも待ってますん
乙。ものすごく濃いコーヒーがほしい
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