幼馴染「り……」 (15)
幼馴染「リップクリームほしいー」
男「今時期なかなか乾燥してるしな。いつも使ってるやつは?」
幼馴染「半分もしないうちにメキョッと折れちゃったからもうない」
男「異常に握力あるからなぁお前」ボソッ
幼馴染「え? 今なにか言ったかな?」メキメキ ←机
男「なんでもないでぇえええっす!」
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幼馴染「すでに新しいのは持ってるんだけど」
男「? どうしてそれを使わない?」
幼馴染「いや……おかーさんが買ってきてくれたやつなんだけどね」ゴソ
スッ
男「ネコ柄か。ガキっぽいってこと? そこまで悪くないと思うが」
幼馴染「柄はいいよ、可愛いし」
男「じゃあそれでいいじゃんかよ」
幼馴染「よく見てて」キュポ
ヌリヌリ
幼馴染「……」テカテカ
男「……テカってるな、かなり」
幼馴染「リップの中でも艶がキープできるほうなんだってさ」
男「最近の流行?」
幼馴染「うーんどうだろ。周りの子は何人かいるよ。友ちゃんとか」
男「……怪物みたいにならないか? あいつの表面積だと」
幼馴染「とてつもなく失礼だからねそれ! 魅力的っていうの! 魅力的!」
男「きっついなぁー。それで、お前はそのテカりが嫌だって?」
幼馴染「テカりもまあ、いいんだけど………み、魅力…出るし」
男「自分で言ってどもるようじゃあ世話ないだろう」
幼馴染「うるっさいなもう!!」
男「うわやめろ叫ぶな! ツバとぶ!」
幼馴染「ふん。今のは男が悪い」
男「いや俺は悪く……まあいいや」
幼馴染「やっぱ自分で買い直すかなー」
男「何が気に入らないんだ? 悪いとこあったか?」
幼馴染「香りがね……なんてゆーか微妙ってゆーか」
男「香り?」
幼馴染「リップにしては弱い気がするし、しかもなんかイマイチ」
男「近づかないと香らないな、確かに」ズイッ
幼馴染「にゃっ! び、びっくりしたぁ。急に顔近づけないでよもう…」
男「……うまく言い表せない匂い」
幼馴染「言ったじゃん、イマイチって」
男「でもこの香り……なんだろう、昔こんな感じのがあった気がする」
幼馴染「ルバーブ って言ったかな? ほら、ここの原料表示」
男「ジャムのやつだ! 思い出した、ほら小さいころお前んちで食べなかったか?」
幼馴染「………軽井沢のジャム! そうだ、私も思い出した! 軽井沢旅行のお土産に買ったジャム!」
男「無駄に大瓶買いすぎた~ってお前んちからうちに召集命令がきて、消費するの大変だったんだよな」
幼馴染「懐かしいね、小学生のころ。はぁー…あの頃はよかったなー」
男「? なにがよかったんだ?」
幼馴染「だってさぁー、小さかったし、なんの気兼ねもなく男にベタベタ甘えーー」
幼馴染「……」ハッ!
男「え?」
幼馴染「えっ!? えと、なっ、なんでもない!」
男「いや、バッチリ 甘え まで聞こえてたけど」
幼馴染「どーしてそこスルーしてくれないの!? 恥ずかしくて死んじゃうよ……」
男「よく分からんけど、甘えたいなら別にいいぞ?」
幼馴染「!? そっそそそんなこと………え、甘えていいの?」
男「ノーとは言わないだろ、10年近く一緒にいて今さらそんな」
幼馴染「………なんでも?」
男「もちろん限度はあるが、まあ基本なんでも」
幼馴染「もしほんとなら本気で甘えちゃうけど……ほんとになんでも?」
男「勿体ぶるなぁだいぶ…… え、ちょっと待って本気? まさか握力とかの本気?」ゾッ
幼馴染「……キス」ボソッ
男「……? すまん、今のは聞きとれなかった」
幼馴染「だから! うぅー………キ……キス…とか」
男「!?!?」
幼馴染「……///」
男「か、考えさせてくれ、一瞬だけ」
幼馴染「……」
男「……」
幼馴染「限度、やっぱりこえてるかな…?」
男「……なんというか、確かにあの頃はたまにしてたけどさ、この歳になると流石にその、あれだ…」
幼馴染「………ダメ?」ウル
男「!!」ドキ
幼馴染「……」ウルウル
男「……目閉じてくれ。じゃないと恥ずかしくて出来ん」
幼馴染「……ん」
幼馴染「………ンジャメナ」
男「なんかすまん」
幼馴染「ンジャメナ」
男「すまんて」
おわりんごりらっぱいなっぷるびー
縛りないし前の二つより簡単だろ~と思って書いた
らそんなことはなく二時間もかかった…
日本語の自由度に救われた。日本語バンザイ
ちなみにこれも前とは別人で高校生のイメージで(どうでもいい)
良い乙
つくづく上手いな
なんか良いね
ええやん
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