とある世界の冗舌傭兵 (16)
デッドプール×とあるのクロスです。
バイオレンス描写、地の文多めです。
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この世界はこれほどまでになく最悪で危険なものとなってしまっている。
だがそのことに気づいている者はほとんどいない。
見せかけの平和、見せかけの安寧。
もうすぐそれを装うことすらできなくなるだろう。
この世界は限界を迎えている。
誰かが変えなければいけない。
終焉の時は近い。
私にできることは世界を救う者が現れるよう祈ることだけである。
ーーーーー。。。ーーーーー
灼熱の砂漠のど真ん中。
周りにはすげぇ数の敵。銃を構えて俺を狙ってる。
まぁこれはいつものことだし、慣れてるけど。
飛んでくる弾丸を躱しつつ反撃。
命中、右ふくらはぎ。命中、右手首。命中、右胸。命中、左側頭部。etc…
気づけば敵もあと一人。全力で走って逃げようとしてるが逃がすわけねぇよな。
「命中ブルズアイ後頭部!」
おっといけねぇこれは他人のだ。
勝手にパクるのはよくないよな!
「よっしゃ、さすが俺。今日も絶好調だぜ」
銃をホルスターにしまうとあることに気づいた。
なんか砂が凄い舞ってるんだけど…
「げ!?マジ!?砂嵐来てんじゃん!?もしかして皇帝が甦った?やべぇ逃げろ!」
トムクルーズばりの俊足で逃げるけど、無駄なことだってのはわかってた。
「うおおおおおおおおおおおおお死ぬうううううううううううううう!!!!!!!」
砂嵐に巻き込まれ目の前が真っ暗になりそのまま意識を失った。
大……で…か?
……丈夫…すか?
大丈…で……か?
誰かが俺を呼んでる。目を覚まさなきゃ。
「うーん………」
目を開けると文字通りに頭がお花畑な女がいた。
「大丈夫ですか!?」
「えーっと…まぁ大丈夫かな」
腕と脚の感覚はないし、マスクの中は血と砂でドロドロだけど。
俺にとっちゃあこの程度は問題ない。
「大丈夫なはずないじゃないですか!すぐに救急車が来るので待っててください!」
そう言って嬢ちゃんは立ち上がり小走りでどこかにいった。
「…」
つーかさ……ここって日本?さっきの嬢ちゃんは日本語喋ってたしそうだよな?
まじでウルヴァリンと間違えてない?俺あんまり日本と縁ないと思うんだけど。
あ、けど相撲を習ってたことがあったようななかったような…
それにさっきまで砂漠のど真ん中だったよな。
テレポーテーションなんて使った覚えないぞ。
「まためんどくせえことに巻き込まれた可能性大だな」
仕方ねぇ、とりあえずさっきの少女に電話を借りてプレストンに連絡するか。
「あそこですっ!」
そうこうしていると少女が後ろに担架を持った男たちを従えて戻ってきた。
「あー…悪いんだけどそれ必要ねぇわ」
「え、でもすごくケガしてるじゃないですか!」
「いやほんとに大丈夫だから、ほら」
俺が普通に立ち上がると少女は口を大きく開けて絶句していた。
「やっぱ驚くよな、俺ちゃんの名前はデッドプール!超回復能力と最高なジョークセンスを持つ冗舌な傭兵さ」
あ、邦訳されまくってるデッドプールさんだ
早く2観たいけど、監督さんがまさかの降板とはなぁ・・・ゴジラも降板喰らってたし、ちょっと酷すぎるぜ。
あ、デップーさん!もし見えてたらサインください!
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「アベンジャーズ?なんですかそれ?」
「マジで知らない?じゃあFFは?先に言っとくけどワイルドなスピードのことじゃないぞ」
「???すみません全くわからないです」
申し訳なさそうに頭を下げながらそう言うお花畑の嬢ちゃん。
名前は初春飾利というらしい。さっき教えてもらった。
今俺たちがいるのは嬢ちゃんが所属している《ジャッジメント》とかいう組織の支部の事務所。
そして嬢ちゃんとの会話の中でいくつかわかったことがある。
まず一つ目、この都市は多くの研究機関や教育機関があり、それゆえに学園都市と呼ばれているということ。
二つ目、この都市の教育、育成とは超能力を持った人間を生み出すことに重きをおかれているということ。
三つ目、恐らくこの世界が俺が元々いた世界とは異なる別世界であるということ。
それにプレストンにもシールドにもアベンジャーズマンションにもスパイディの携帯にも電話してみたけど全く知らないやつのとこにかかるかそもそもかからないかのどちらかだった。
「ま、うだうだ悩んでても仕方ねぇよな。嬢ちゃん色々サンキューな、お礼に今度肥料と水もってくるわ」
俺はそのまま事務所の扉まで歩いていこうと立ち上がった。
「ちょっと待ってちょうだい。IDもない素性もわからないあなたを勝手に返すわけにはいかないわ」
その声は初春の嬢ちゃんではなく、ずっと俺たちの様子を黙ってみていた巨乳のメガネっ娘。
「私は固法美偉、一応ここの責任者。さっきから話をきいてたけどあなた能力者なんでしょ?それも高位のね。とりあえずそのマスクを脱いで素顔を見せるか覚えてるんだったら名前を教えてくれないかしら?能力名でもいいから。それで検索したら一発で素性がわかるのだけど」
どうやら嬢ちゃんたちは俺がこの学園都市の学生だと思ってるらしい。
まぁ普通はそう思うよな。
違う世界から来たんだよなんて言っても頭のおかしいやつだと思われるだけだ。適当にごまかそう。
「能力があるってのは正解だ。お前らとは事情が違うけどな。あと今色々と思い出した。帰る場所もな。それに素顔はあんまり人に見せたくねぇんだ」
そもそも元の世界ですら俺は俺が何者なのかわかっちゃいなかった。
「はぁ、そう?わかったわ。とりあえず私たちはいつもここにいるから困った時はここにきて。あとこれここの番号渡しとくわ」
メガネっ娘は俺の手を握り電話番号が書かれた紙を渡してきた。
「おうわかったぜ。あと俺の名前はデッドプールな、忘れんなよ。それじゃあなメガネっ娘に花畑の嬢ちゃん。世話になったぜ」
そう言って俺は今度こそ本当に事務所を出た。
【デッドプールが初春たちと話していた同時刻。 窓のないビル内部】
「ったく急な招集だな、俺だって暇じゃねぇんだぞ。で、今回は一体何の用だよアレイスター」
顔の左半分に刺青をもつガラの悪い白衣の男がそう悪態をつく。
彼の目の前には巨大な機械が鎮座している。
その中央に位置するカプセルの中に老人とも子供とも男とも女ともとれる曖昧で不可思議な存在、この都市の最高権力者である学園都市統括理事長アレイスター=クロウリーがいた。
『至急やってもらいたいことがある。先刻、学園都市内部に突如巨大なAIM力場が発生し、それとともにデッドプールと名乗る謎の男が出現した。君にはこの人物を拘束し、私の前へと連れてきて欲しい』
部屋に響く無機質な機械で構成された声。
しかしその声には有無を言わせない圧力があった。
「オーケェイ。今回もたっぷりとご褒美頼むぜ~」
そう言って凶悪な笑みを浮かべる刺青の男はどこからともなく現れた女と一緒に消えてしまった。
『もちろんだとも、木原数多』
「まーじどうすっかな~」
初春の嬢ちゃんたちと別れたあと、適当に歩き回っていたら見つけた汚い廃墟同然のアパートで横になって小一時間ほど考えてるけど何にも思いつかねぇ。
どうにかして元の世界に戻らねぇと。
あっちで色々とやり残してることもあるしな。
これがリードやスタークなら自分でワープ装置作ってさっさと帰っちまうんだろうな。
でもそういうのって俺のキャラじゃねぇし、なにより面白くねぇだろ?
まぁ幸いなことにここ学園都市はこの世界で一番科学技術が進んでるところらしいから探せばワープ装置の一個や二個くれぇあるかもな。
とりあえず明日は朝からいくつか研究所を襲っ…じゃなくて訪ねてみるか!
じゃあ今日は寝るとしようかおやすみなさ………っておいおい気づいたら銃を突きつけられてるんだけど、しかもめっちゃ囲まれてるじゃん!
「なんだこいつ隙だらけじゃねぇか。……はぁ、デッドプールだな?ついてきてもらうぞ、テメェに拒否権はねぇからな」
なんか顔にでけぇ刺青いれたボスっぽいやつがそう話していた。
けど俺は泣く子も黙るアウトロー、デッドプールだぜ?こんな状況は嫌というほど経験してんだよ。
「いいか、今から90秒以内に二つのことが起こる。まず、こいつらを皆殺しにする。次にお前の手足をブチ折った後全裸にして街中に捨てる」
俺は静かにそういったと同時に立ちあがる動作と一緒に銃を突きつけてるバカ二人を床に叩き伏せる。
腰に巻いたホルスターから銃を取る。このアパートに着いた時に装備一式を点検したが、どうやら日頃の行いが神ってるおかげかどれも壊れていなかった。
「いいねぇ!お前、最っ高だねぇ!!!!獲物はそうでなくちゃあ狩りもつまらねぇ」
刺青男がバカみたいな顔しながら大きく叫ぶ。
「こんな夜に叫んでんじゃねぇ、お隣の首吊り腐乱死体さんの迷惑になるだろうが!」
そして俺ちゃんのこの世界に来てからの記念すべき初バトルが始まった。
乙ー!
あ、どうぞ!つペン&サイン色紙
保守
デップーさん!あけおめー!
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