幼父「こんな夜更けに侵入者がー。誰か、警察に電話をー」(棒読み)
男父「おい、マジでうるせぇよ」
幼父「だってお前、その珍奇な恰好」
男父「どこからどう見てもサンタだろ?」
幼父「その赤い服がそうだと言うなら、お前の中のサンタが間違ってるな」
男父「はぁん? これハンズで買ったヤツだぜ?」
幼父「ハンズは悪くない。悪いのはお前だ」
男父「何がだ」
幼父「それは女性用だ、変態め」
男父「確かにスカートだが、ちゃんとズボンもはいてるだろうが」
幼父「何故茶色だ。下だけトナカイかよ」
男父「……」
幼父「あと、ヒゲ」
男父「サンタと言えばヒゲだろ」
幼父「何故黒ヒゲだ。サンタと言えば白ヒゲだろ」
男父「黒しか無かったんですぅー。仕方無かったんですぅー」
幼父「その言い方マジムカつくわー」
男父「大体お前、人の事言えるのかよ」
幼父「は?」
男父「こんな時間に、その恰好でどこに行くつもりだ? ウチだよな?」
幼父「お前に言う必要あんのかよ」
男父「あるだろ普通」
幼父「いや無いだろ」
男父「あるだろ! お前自分の恰好鏡で見たか?」
幼父「そっくりそのまま返すぜ」
男父「当たり前だろ、こんなナイスガイなサンタ、世界中に三人しかいないぜ」
幼父「お前が一人として、あと二人誰よ。いねーだろ」
男父「うるせぇ! こうなったら勝負だ!」
幼父「望む所だ!」
男父「いくぞ!」
幼父「ホアチャー!」
ブオッ! ガッ! ガッ! ガッ!
男父「中々やるな!」
幼父「お前こそ!」
男父「次が勝負だ!」
幼父「望む所だ!」
男父「ホアチャー!」
ブオッ! ガッ! ガッ! ガッ!
幼父「中々やるな!」
男父「お前こそ!」
幼父・男父「…………」
幼父「なぁ」
男父「皆まで言うな、わかってる」
幼父「おめぇの息子は寝てんのか?」
男父「多分な。 昼間滅茶苦茶雑用押し付けたし」
幼父「そうか……」
男父「幼ちゃんは?」
幼父「ウチの娘はアレだ。九時過ぎると寝る健康優良児だ」
男父「そうか……」
幼父「大体だな」
男父「なんだよ」
幼父「最近、どっかの唐変木がウチの娘に色目を使ってだな」
男父「逆だろ?」
幼父「あぁ?」
男父「やるか!?」
幼父・男父「…………やめとくか」
幼父「とにかく! おめぇ、息子の教育どうなってんだ!」
男父「ははーん」
幼父「んだよ」
男父「お前さては、アレだな。娘取られるとか思ってんな?」
幼父「手塩に掛けて育てた娘だぞ!? あったりめぇだろがぃ!」
男父「うーわー。流石の俺も引くわー。そんな大きな声でー」
幼父「お前の事を流石とか、思った事ねーわ。何様だよ」
男父「お前、そろそろ娘離れしてもいいんじゃねーの?」
幼父「おめぇはいいよな! それでよ!」
男父「は?」
幼父「どうせ娘が出来る感覚なんだろ? お前、女の子欲しがってたもんな?」
男父「あ? 嫌味かよ! ウチの3兄弟をディスってんのか?」
幼父「その真ん中がウチの娘と結婚でもしたら、お前に娘が出来た事になるもんな」
男父「お前バカだな。バカだなお前」
幼父「は?」
男父「童貞かよ、その考え」
幼父「は? 童貞な訳ねーだろ、バカかよ。妻も娘もいるんだぜ?」
男父「結婚したら、自立すんだから、幼ちゃんが俺の娘になる訳じゃねーだろ、アホかよ」
幼父「じゃあもし結婚したら、ウチの婿になるって事で良いのかよ」
男父「は? そんなの本人達の自由だろ」
幼父「言ったな? 聞いたぞ、その言葉」
男父「言った! 覚えとけや!」
幼父「……おい」
男父「んだよ」
幼父「おめぇ、時計持ってるか?」
男父「あったりめぇよ。腕時計は紳士の嗜みだろうが」
幼父「見てみろ」
男父「……0時回ってるな」
幼父「どうすんだよ、クリスマスイブ過ぎちまったぞ?」
男父「……まだセーフじゃね?」
幼父「は?」
男父「夜が明けるまではサンタセーフじゃね?」
幼父「そ、そうか?」
男父「目が覚める前に、プレゼントを枕元に置いて」
幼父「クッキー食べて、ミルクを飲めば……」
男父「セーフじゃね?」
幼父「……だな」
男父「言っとくけど、うちの息子に変な事すんなよ?」
幼父「アホかお前! こっちのセリフだ! アホ! アーーーホ!」
男父「アホはお前だ! 俺には愛する妻がいるんだよ! 変な事とかするか!」
幼父「うっせ! 俺だって愛する妻居るわ! てか男に手出すとかねーわ!」
男父「なんだと!?」
幼父「やるか!?」
男父「望む所だ!」
幼父「ホアチャー!」
ブオッ! ガッ! ガッ! ガッ!
男父「中々やるな!」
幼父「お前こそ!」
男父・幼父「…………」
男父「行くか」
幼父「あぁ」
男父「……わかってると思うけど、バレるなよ?」
幼父「あたりめぇだ。俺のスニーキングスキルなめんなよ」
男父「じゃあな、親バカ」
幼父「うるせぇ、親バカ」
男父「いや、お前の方がバカだって」
幼父「マジで忠告するけど、お前の方がバカだぞ? 黒ヒゲサンタ」
男父「んだと?」
幼父「やるか!?」
男父「望む所だ!」
近所の方々(毎年騒がしいなぁ、あの二軒)
近所の方々(仲良し過ぎだろ!)
おわり
善いクリスマスでありますように
おつおつ!ムサいクリスマスだけど良かったよ
こんな親父ほしい
乙!
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