幼馴染の父「うわー、変質者だー」(棒読み) 男の父「うっせ!」(16)

幼父「こんな夜更けに侵入者がー。誰か、警察に電話をー」(棒読み)

男父「おい、マジでうるせぇよ」

幼父「だってお前、その珍奇な恰好」

男父「どこからどう見てもサンタだろ?」

幼父「その赤い服がそうだと言うなら、お前の中のサンタが間違ってるな」

男父「はぁん? これハンズで買ったヤツだぜ?」

幼父「ハンズは悪くない。悪いのはお前だ」

男父「何がだ」

幼父「それは女性用だ、変態め」

男父「確かにスカートだが、ちゃんとズボンもはいてるだろうが」

幼父「何故茶色だ。下だけトナカイかよ」

男父「……」

幼父「あと、ヒゲ」

男父「サンタと言えばヒゲだろ」

幼父「何故黒ヒゲだ。サンタと言えば白ヒゲだろ」

男父「黒しか無かったんですぅー。仕方無かったんですぅー」

幼父「その言い方マジムカつくわー」

男父「大体お前、人の事言えるのかよ」

幼父「は?」

男父「こんな時間に、その恰好でどこに行くつもりだ? ウチだよな?」

幼父「お前に言う必要あんのかよ」

男父「あるだろ普通」

幼父「いや無いだろ」

男父「あるだろ! お前自分の恰好鏡で見たか?」

幼父「そっくりそのまま返すぜ」

男父「当たり前だろ、こんなナイスガイなサンタ、世界中に三人しかいないぜ」

幼父「お前が一人として、あと二人誰よ。いねーだろ」

男父「うるせぇ! こうなったら勝負だ!」

幼父「望む所だ!」

男父「いくぞ!」

幼父「ホアチャー!」

ブオッ! ガッ! ガッ! ガッ!

男父「中々やるな!」

幼父「お前こそ!」

男父「次が勝負だ!」

幼父「望む所だ!」

男父「ホアチャー!」

ブオッ! ガッ! ガッ! ガッ!

幼父「中々やるな!」

男父「お前こそ!」

幼父・男父「…………」

幼父「なぁ」

男父「皆まで言うな、わかってる」

幼父「おめぇの息子は寝てんのか?」

男父「多分な。 昼間滅茶苦茶雑用押し付けたし」

幼父「そうか……」

男父「幼ちゃんは?」

幼父「ウチの娘はアレだ。九時過ぎると寝る健康優良児だ」

男父「そうか……」

幼父「大体だな」

男父「なんだよ」

幼父「最近、どっかの唐変木がウチの娘に色目を使ってだな」

男父「逆だろ?」

幼父「あぁ?」

男父「やるか!?」

幼父・男父「…………やめとくか」

幼父「とにかく! おめぇ、息子の教育どうなってんだ!」

男父「ははーん」

幼父「んだよ」

男父「お前さては、アレだな。娘取られるとか思ってんな?」

幼父「手塩に掛けて育てた娘だぞ!? あったりめぇだろがぃ!」

男父「うーわー。流石の俺も引くわー。そんな大きな声でー」

幼父「お前の事を流石とか、思った事ねーわ。何様だよ」

男父「お前、そろそろ娘離れしてもいいんじゃねーの?」

幼父「おめぇはいいよな! それでよ!」

男父「は?」

幼父「どうせ娘が出来る感覚なんだろ? お前、女の子欲しがってたもんな?」

男父「あ? 嫌味かよ! ウチの3兄弟をディスってんのか?」

幼父「その真ん中がウチの娘と結婚でもしたら、お前に娘が出来た事になるもんな」

男父「お前バカだな。バカだなお前」

幼父「は?」

男父「童貞かよ、その考え」

幼父「は? 童貞な訳ねーだろ、バカかよ。妻も娘もいるんだぜ?」

男父「結婚したら、自立すんだから、幼ちゃんが俺の娘になる訳じゃねーだろ、アホかよ」

幼父「じゃあもし結婚したら、ウチの婿になるって事で良いのかよ」

男父「は? そんなの本人達の自由だろ」

幼父「言ったな? 聞いたぞ、その言葉」

男父「言った! 覚えとけや!」

幼父「……おい」

男父「んだよ」

幼父「おめぇ、時計持ってるか?」

男父「あったりめぇよ。腕時計は紳士の嗜みだろうが」

幼父「見てみろ」

男父「……0時回ってるな」

幼父「どうすんだよ、クリスマスイブ過ぎちまったぞ?」

男父「……まだセーフじゃね?」

幼父「は?」

男父「夜が明けるまではサンタセーフじゃね?」

幼父「そ、そうか?」

男父「目が覚める前に、プレゼントを枕元に置いて」

幼父「クッキー食べて、ミルクを飲めば……」

男父「セーフじゃね?」

幼父「……だな」

男父「言っとくけど、うちの息子に変な事すんなよ?」

幼父「アホかお前! こっちのセリフだ! アホ! アーーーホ!」

男父「アホはお前だ! 俺には愛する妻がいるんだよ! 変な事とかするか!」

幼父「うっせ! 俺だって愛する妻居るわ! てか男に手出すとかねーわ!」

男父「なんだと!?」

幼父「やるか!?」

男父「望む所だ!」

幼父「ホアチャー!」

ブオッ! ガッ! ガッ! ガッ!

男父「中々やるな!」

幼父「お前こそ!」

男父・幼父「…………」

男父「行くか」

幼父「あぁ」

男父「……わかってると思うけど、バレるなよ?」

幼父「あたりめぇだ。俺のスニーキングスキルなめんなよ」

男父「じゃあな、親バカ」

幼父「うるせぇ、親バカ」

男父「いや、お前の方がバカだって」

幼父「マジで忠告するけど、お前の方がバカだぞ? 黒ヒゲサンタ」

男父「んだと?」

幼父「やるか!?」

男父「望む所だ!」



近所の方々(毎年騒がしいなぁ、あの二軒)

近所の方々(仲良し過ぎだろ!)


おわり

善いクリスマスでありますように

おつおつ!ムサいクリスマスだけど良かったよ

こんな親父ほしい
乙!

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