奈緒「ななおひなぎさ!」渚「ボウリングだッ!」 (46)


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夏美「ひなつみかんな!」比奈「休ませて……」
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……事務所……


比奈「ボウリングっスか?」

奈緒「そうそう。一緒に行ってほしいんだけど……」

比奈「別にいいっスけど……なんでまた?」

奈緒「まあこのチラシを見てくれ」ペラッ

比奈「なになに……「フルボッコちゃんの使い魔アッキーがピンになった! アッキーピンストラップ今だけプレゼント!」……」

奈緒「これが欲しくてさ!」

比奈「なるほどなるほど……まあ私が行く分には構わないんスけど、これ最低4人いないとダメな奴っスよ?」

奈緒「参加者が4人以上いるチームの全員が同じフレームでストライクを取るのが条件だからな。でも大丈夫! 既にメンバーはこっちで勝手に決めた!」

比奈「許可はとってないんスね」



奈緒「とりあえず比奈さんキープしたし、次行こう!」

比奈「誰がオフかは把握してるんスか?」

奈緒「勿論! ただ、事務所に来るかどうかはわからないんだよな……」

比奈「この部署は割といつでも人が集まるっスけど、あくまでオフの人はオフっスからね。用事があったらそっち優先でスし」

奈緒「そういう意味だと、今日比奈さんがいたのはラッキーだったな。いない時の方が多いし」

比奈「アイドルになっても根はインドアっスからねー。出不精なところがありまスし」

奈緒「それもあるけど……比奈さんには締切があるじゃん」

比奈「なあに、まだ余裕っスよ」ハハハ

奈緒「……毎回そう言ってギリギリになってるくせに」



比奈「ところで、他にアテはあるんスか?」

奈緒「まずは菜々さんかな。そのために事務所に来たようなものだし」

比奈「なるほど。菜々さんなら大体事務所にいまスからね」

奈緒「そう思って来たんだけど……いなくないか?」

比奈「ちょっと前に出かけましたけど、もう少しで帰ってくると思いまスよ」

奈緒「どこに行ったんだ?」

比奈「鍼灸整体と岩盤浴」

奈緒「ボウリング誘いにくいな!」



ガチャッ

菜々「ただいま戻りました~!」ツヤツヤ

奈緒「おかえりー」

比奈「おかえりなさい菜々さん。早速ですがボウリング行きまスよ」

菜々「え゛」

奈緒「鍼灸帰りに悪いけどさ、付き合ってくれないか?」

菜々「それ誰が漏らしたんですか!?」

比奈「私が」ピシッ!

菜々「そんな綺麗に手を挙げられても……」



奈緒「この間のおんぶ事件で腰やっちゃったんだっけ? 鍼灸行くほど酷かったのか?」

菜々「そ、そうなんですよねー……いやー油断してましたよ」ハハハ

比奈「別にあの日のことは関係ないっスよ。菜々さんは定期的に鍼灸通ってまスから」

奈緒「えっ、そうなの?」

菜々「比奈ちゃん!?」

比奈「最近は岩盤浴とのセットが安いんだーって」

菜々「もっと包み隠してくれませんかね!!」



比奈「色々あって菜々さんが仲間になりました」

菜々「頑張りますよー!」

奈緒「本当にいいのか?」

菜々「これでも昔は結構やり込んでたんですよ!」

奈緒「昔……?」

菜々「ん゛ん゛っ! ち、中学時代からですよ! 今のナナはリアルJKですからね!」キャハッ♡

比奈「菜々さんボウリング世代でスもんね」

菜々「いくら何でも還暦近い方々と同一視するのはやめてくれませんか!?」



比奈「さて、あと1人っスね」

菜々「あれ、この3人じゃないんですか?」

奈緒「これが欲しくてさ、4人以上じゃないとダメなんだって」ペラッ

菜々「ふむふむ、なるほどなるほど……けど、今日に限ってオフの人が少ないですね……」

比奈「里奈ちゃんと夏樹ちゃんは一緒に巡業。紗南ちゃんは七海ちゃんと柑奈ちゃんの番組のゲスト出演っスか」

菜々「麗奈ちゃんも夏美さんも終日仕事だって書いてありましたね……」

奈緒「そう。となると残るは……」



ガチャッ

渚「おはようございまーすッ! いやー、オフだけどやっぱり暇で暇で! 誰か暇な人いるーッ?」

奈緒「渚さんだけ……」

ひなな「「なるほど」」

渚「……あれ、3人ともどうしたの? そんな目を細めて……」



比奈「渚ちゃーん、ちょっとちょっと」

奈緒「今からアタシたち球技しに行くんだけど、一緒にどう?」

渚「えっ、スポーツ!? 行く行くッ!」

菜々「じゃあナナは空いてるか確かめておきますね」ポパピプペ

渚「で、何やるの? やっぱりバスケ?」

ひなお「「ボウリング」」

渚「……ボウリング?」

菜々「空いてたのでついでに予約しちゃいましたー!」

比奈「じゃあ」

奈緒「行こうか!」



……ボウリング場……


渚「普通に誘ってくれれば良いのに……」

比奈「いやー、少しでも頼りになる戦力が欲しくてでスね。逃すまいと」

渚「ボウリングってだけで逃げないよ!?」

菜々「それだけ必死だったんですよ。皆さん仕事でしたから」

渚「何でそんなに必死に……?」

奈緒「1フレームの中で全員が連続でストライクだせば商品が貰えるんだ」

渚「商品?」

菜々「幽体離脱フルボッコちゃんのストラップが貰えるそうですよ」

渚「あー、麗奈がやってるやつね。どんなの?」

奈緒「ほらこれ、可愛くないか?」

渚「あっ、結構かわいいッ……でもこれ結構難しいんじゃない?」

菜々「とりあえず2ゲーム予約してありますから、1ゲーム目で様子をみてみましょうか」



奈緒「さて……準備が出来たわけだけど……」

菜々「よっこいしょっ……と」←7ポンド

渚「いやー、ボウリングなんて何時ぶりかなッ!」←11ポンド

奈緒「…………」←8ポンド

比奈「靴のサイズ間違えたかな……ちょっとキツいっスね……」←5ポンド

奈緒「比奈さん、見栄を張れとは言わないけどもう少し頑張ろう?」

比奈「ん? 何がっスか?」

奈緒「それ子供用じゃんか!」

比奈「でもほら、指はいりまスし……ほらっ……!」ギチギチッ

奈緒「抜けなくなるからやめろ!」



比奈「結局7ポンドにされたっス」

奈緒「夏美さんのトレーニングから生き延びたんだからそれくらい簡単だろ?」

比奈「それを言われると……確かに、あのトレーニングで相当レベルアップしましたから、今ならフルマラソンも走れそうっス」

菜々「そんな即効性あるんですか……?」

渚「いくら何でもそれはないんじゃないかな……」

比奈「それをこのボウリングで証明してみせるっスよ」

奈緒「できればアイドルとしてのパフォーマンスで発揮してほしいんだけど」



菜々「ナナが1番手ですね! 幸先いい結果を出しますよー!」

渚「今更だけど、私が最後で良かったの?」

比奈「渚ちゃんの運動神経の良さはよーく知ってまスからね。安心して任せられるっスよ」

奈緒「あたしは後半だと絶対ストライク取れない自信があるから……」

比奈「奈緒ちゃんは緊張しいっスからねー」

奈緒「うるさいな!」

菜々「あ、あのー! 投げますよ!」



菜々「てりゃー!!」パッカーン!!

奈緒「7ピン倒れたな」

比奈「菜々だけに……あざといっスね」

菜々「的確に7ピン倒せる実力があったらストライク取ってますからね!?」

奈緒「よし。それじゃああたしの番だな!」

菜々「そう言えば奈緒ちゃん左利きでしたね。なんかその立ち姿がもう新鮮です!」

渚「しかも親指抜いてる。回転かけるつもりだね」

奈緒「ふふーん! 学生生活で培ったテクニックをよーく見てろよ!」

比奈「……どっちのガターに入ると思いまスか? 私は「回転のかけすぎで右のガターに入る」にバニラアイスを」

菜々「えっ? じ、じゃあナナは「回転が足らずに左のガターにドボン」にストロベリーアイスを!」

渚「面白そうだねッ! 私はどっちにしようかな……」

奈緒「「ピンに当てる」に誰も賭けないのはどういう了見だ!!」



比奈「バニラアイス美味しいっス」

渚「抹茶も美味しいよッ! 一口交換しない?」

比奈「いいっスね。それじゃあ……はい、あーんしてください」

渚「あー……むッ。うーん、スタンダードながらの美味しさ! こっちも食べて食べて!」

比奈「では、いただきまース……。ふむふむ、定番ながらの深い味わいっス」

菜々「ボウリング場のアイス高すぎませんかね……同じセブンティーンなんだから安くしてくれてもいいのに……」

奈緒「とっとと次行ってくれよ!! こちとらまんまとガター出しちゃって恥ずかしいんだから!!」



比奈「それじゃあいきまスねー」

奈緒「お、おー! ストライクとっちゃえー!」

奈緒(とは言ったが、恐らく比奈さんが最大のネックなのは間違いない)

菜々(真顔で5ポンド持ってくるくらいの実力でしょうし……)

渚(そもそもボール届くのかなって感じなんだけど)

比奈「よっ」パッカーン!!

比奈「おー、ストライクでましたよ」

ななおなぎさ「「「!?」」」



奈緒「な、なんでそんな上手いんだよ!?」

比奈「さっきから言ってるじゃないっスか。これが夏美さんのトレーニングパワーっスよ」

菜々「走っただけじゃないですか!!」

渚「それだけでパワーアップするんならトレーナーさんたち可哀想だよ!!」

比奈「まあ夏美さんパワー以前に、場数が違いまスよ場数が。伊達に最古参じゃないっスよ」

菜々「場数……?」

比奈「昔は里奈ちゃんと2人だけの部署でしたからね。カラオケやボウリングなんかはしょっちゅう……どれだけ娯楽に連れ回されたことやら……」

渚「な、なんか意外とアクティブな歴史があるんだね……」



比奈「とまあそういう訳で、狙ってストライク出せるような実力はありませんが……できる限り頑張るっスよ」ピース

奈緒「ち、ちょっと驚いたけど……でも! 戦力には違いないな!」

菜々「一番最後は渚ちゃんですし、ナナと奈緒ちゃんが頑張ればいけそうですね!」

渚「よーしッ! それじゃあ私も頑張っちゃうよー!」

比奈「シュートしちゃダメっスよ?」



比奈「とまあそういう訳で、狙ってストライク出せるような実力はありませんが……できる限り頑張るっスよ」ピース

奈緒「ち、ちょっと驚いたけど……でも! 戦力には違いないな!」

菜々「一番最後は渚ちゃんですし、ナナと奈緒ちゃんが頑張ればいけそうですね!」

渚「よーしッ! それじゃあ私も頑張っちゃうよー!」

比奈「シュートしちゃダメっスよ?」

渚「しないよッ!!」



渚「それッ!!」パッカーン!!

菜々「9ピン倒れましたよ! すごい!」

渚「あちゃー、1ピン残っちゃったかー」

比奈「あとちょっと右だったら良かったっスね。でもこれなら心配なさそうっス」

奈緒「見えてきたぞ……アッキーピンストラップ獲得が!」

菜々「よーし! もうこのゲームで決めちゃいましょー!」

ななおひなぎさ「「「「おー!!」」」」



……1ゲーム目終了……

比奈「…………」

菜々「…………」

奈緒「…………」

渚「…………」



比奈のスコア125、スペア2回ストライク2回

菜々のスコア101、スペア2回ストライク1回

奈緒のスコア141、スペア1回ストライク3回



渚のスコア90、スペア0回ストライク0回



渚「………………ごめん……」ズーン



比奈「……3フレーム目くらいまではみんなすごいすごい言ってましたね……」

菜々「……その後から「あれっ、おかしいぞ」ってなって……」

奈緒「……渚さん、全フレーム9ピン倒しで終わった……」

渚「……ごめん……」

比奈「……あと1ピンになったら絶対にガターで……」

菜々「……残り2ピンが重なってると1ピンしか倒れなくて……」

奈緒「……難しいスプリットの時も確実に9ピンだけは倒せてたよな……」

渚「……ごめん……」

比奈「……「妖怪1ピン残し」……もはや新しい呪いの類っスね」

ななお「「うん」」

渚「呪いって言わないでェッ!!」



奈緒「しっかし、これ相当まずいぞ……」

菜々「ですね……まさか渚ちゃんが1番のネックになるなんて……」

渚「うう……おかしいなぁ、昔はこんなこと無かったのに……」

比奈「多分、ストライク出さなきゃーって思いが強すぎるんスよね。そういう時に限ってこんなことになるんだと思いまスよ?」

渚「気負いすぎなのかなぁ……」

奈緒(ぶっちゃけ呪いって言われれば呪いにしか思えない結果だけどな……)ヒソヒソ

菜々(スペア取れそうってところでボールがすごい曲がり方した時ありましたからね……)ヒソヒソ



奈緒「と、とにかく! あと1ゲーム、チャンスにして10回ある! 気を引き締めて行こう!!」

渚「……ちょっと待って、やれるだけのことはやっておきたいから」スマホスッスッ

菜々「……何調べてるんですか?」

渚「ここらで1番腕の良さそうなお祓いできる人。2ゲーム目入る前に呪いを解いてもらう」

菜々「そんな時間ありませんよ!!」

奈緒「いや時間あってもダメだぞ!?」

渚「けど! それじゃあ私はいつまで経っても9ピンウーマンのままだよ!?」

奈緒「お、落ち着けって!」

比奈「語呂的には9ピンハニーの方が」

菜々「ハニーフラッシュ!(1ピン残し)ですか」

奈緒「菜々さんまでのるな!!」



奈緒「ええい! スマホ没収!!」バシッ

渚「ああッ、頼みの綱が!」

奈緒「オカルトに頼るなっ!!」

渚「オカルト扱いしてきたのはそっちが先だよ!?」

奈緒「ええい問答無用!! 気合い入れればきっとなんとかなる!!」

菜々「じ、じゃあ掛け声入れますか! えいえいおーっ!」

ひなお「「えいえいおーっ!!」」

渚「お、おーッ!! よーし、やったるぞー!!」



???「…………あれ、アイツら……?」



……第2ゲーム、5フレーム目……


渚「ハニーフラッシュ!!(1ピン残し)」

菜々「自棄っぱちですね……」

比奈「気合いでどうにかなると言ったな?」

奈緒「あれは嘘……じゃないからな!?」

比奈「しっかしまあ、見事なまでの全フレーム9ピン倒し……呪いというより最早職人の域っスね」

渚「やだーッ!! こんな職人辞めたーいッ!!」

菜々「下半期で1番に心に響く叫びが出ましたね……」



渚「こんなんじゃピンストラップ貰えないよ……どうしよう……」

奈緒「そ、そんな気にしなくていいって! 楽しんでいこうぜ、な?」

渚「うう……だけど、どうしたらいいか……」

比奈「まあまあ、まだ半分ありまスからだいじょ…………あっ!」

奈緒「!? な、なんだなんだ!?」

比奈「あっ、いや、何でも……」

奈緒「何でも無いことないだろ、そんな大きな声上げて」

比奈「いやほんと、大したことじゃ……」

奈緒「気になるから言ってくれよ」

比奈「……怒らないでくださいね?」

奈緒「そう簡単に怒らないって」



比奈「…………ピンストラップって、ちょっと語感がピンストライプに似てるじゃないでスか」

奈緒「そうだな」

比奈「そのピンストライプってキャラが出てくるレースゲームがあるんスよ」

奈緒「ほうほう」

比奈「そいつが根城にしてる飛行船のステージの名前は何だったかをずーっと考えていたんスけど」

奈緒「ふんふん」

比奈「つぎはぎスカイウェイだったなってパッと思い出せて……つい大声を」エヘヘ

奈緒「どうでもいいわぁ!!」



比奈「ほら怒ったじゃないっスか!!」

奈緒「確かに簡単には怒らないって言った……でもこれはそのハードルを軽く背面跳びしやがった!!」

渚「悠々と超えたんだね……」

菜々「爆弾攻撃が鬱陶しくて鬱陶しくてやってられませんでしたね、あのボス戦は……」

比奈「そうなんスよね……何回やり直したことか……」

奈緒「話を膨らませてる場合か!!」



菜々「と、とりあえず次はナナなので投げてきますね!」テテテッ

渚「今やってもフリースローさえ入る気がしない……」ズーン

奈緒「重症だな……」

比奈「流石に深刻な状況っスね……ストラップどうこうじゃなくて、渚ちゃんのメンタルが……」

渚「ううううう……なんでど真ん中に当たったのに中央のピンが残るの……?」シクシク

ひなお((いたたまれない……))

パッカーン!!

菜々「ストライク取りましたー……って報告が素直にできないのは初めてですよ……」



奈緒「じゃあ次はあたしだな」

渚「頑張ってストライク取ってね……」

奈緒「これほど思いのこもった言葉はないな……たぁっ!」パッカーン!!

菜々「あっ、ストライク!」

渚「」ピクッ

比奈(うーん、これはひょっとすると……)

比奈「じ、じゃあ次は私が……よっ」パッカーン!!

菜々「す、ストライクですよ! ストライク!!」

渚「」ビクビクッ

奈緒「あー、来てしまった」

比奈「渚ちゃんがストライク出せば終わりっスね……」



渚「……だ、誰か代わりにやる?」

比奈「それだけは」

奈緒「断じて」

菜々「許可しません」キャハッ♡

渚「ふえぇ……」

比奈「みんなでやってこそっスよ」

奈緒「そんながっついてまでほしいものじゃないしな」

菜々「それに、今度こそストライクかも知れません!!」

渚「…………みんな……」

奈緒「ま、出来なかったら「ダメだったなー!」って笑って帰ろうぜ!」



渚「…………いよぉーしッ!! 愛野渚、全力投球だッ!!」

比奈「頑張れー!」

奈緒「いっけー!!」

菜々「やっちゃえー!!」

渚(みんなが応援してくれている……ここで決めなきゃ、女が廃るッ!!)

渚「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」ダッ!!






???「マジカルスペシャルバズーカ!!」カチッ

ドッグォオオオオオオン!!

渚「うわァッ!?」ポイッ






渚「な、なになになに!? 地震!? 火事!?」

比奈「スピーカーから鳴ったみたいっスけど……」

奈緒「結構身体に響いたな……まあライブハウス程じゃないけど」

菜々「何かのイベントでしょうか?」

???「アーッハッハッハ!! どうかしら、このイベント用に作られたフルボッコちゃんの演出は!!」ババーン!



比奈「あれ、麗奈ちゃん?」

麗奈「レイナサマと呼びなさい! レ・イ・ナ・サ・マ! ……まあ、今はフルボッコちゃんだけど」

奈緒(うわぁ……フルボッコちゃんだぁ……)キラキラ

麗奈「……ちょっと奈緒。アンタの目、アタシのファン並みにヤバいんだけど……?」

奈緒「は、はぁ!? べっ、別にそんな目してないし!!」

渚(どんな目をしてたんだろう)

比奈「ところで、何でコスプレなんかしてボウリング場にいるんスか?」

麗奈「仕事よ仕事」

比奈「日課ではなく?」

麗奈「趣味ならまだしも日課って何よ!! 仕事に決まってるじゃない!!」



菜々「さっきのは麗奈ちゃんのイタズラだったんですね」

麗奈「イタズラと言っても当然ここの許可は取ってあるわよ。キャンペーンに参加してるんだから知ってるでしょ?」

奈緒「キャンペーン……アッキーピンストラップの奴か?」

麗奈「そこしか知らないのね……いいわ、このレイナサマことフルボッコちゃんが教えてあげる。キャンペーン期間中は毎日、どこかのボウリング場にフルボッコちゃんが突然現れてバズーカをかまし、高笑いしながら去っていくのよ!」

比奈「はた迷惑すぎません?」

麗奈「ストライク阻止が目的だからいいのよ!」

比奈「酷すぎる」

渚「ボウリング場ぐるみの悪巧みだったんだね……いやー、本当にビックリした……」

麗奈「まあでもストライク阻止は出来なかったわねー。はいこれ」チャリッ

渚「ん? 何これ?」

麗奈「何って……景品よ。アッキーピンストラップ」



菜々「……」

奈緒「……」

比奈「……」

渚「……」

ななおひなぎさ「「「「ええ!?」」」」

麗奈「な、何よ大声あげて……」

比奈「あっ!! 全部倒れてるっスよ!!」

菜々「スコア表示もストライクです!!」

奈緒「ということは……全員ストライク達成!?」

渚「本当ッ!? ねえ麗奈ちゃんこれ本当ッ!?」

麗奈「うるさい暑苦しい!! ちゃんと見てたわよアンタのストライクは!!」



比奈「……呪いが解けた……!」

麗奈「は? 呪い?」

奈緒「フルボッコちゃんが、悪を退治したんだ……!」

麗奈「ただ音を鳴らしただけなんだけど」

菜々「これで職人を辞められますね……!」

麗奈「職人って何よ」

渚「腕利きのお祓いできる人を呼ばなくてよかった……!」

麗奈「アンタたちボウリングしてたのよね?」



渚「胴上げだーッ!! フルボッコちゃんを胴上げだーッ!!」

麗奈「はぁ!?」

比奈「よいしょっと」ヒョイ

麗奈「ち、ちょっと!! 何持ち上げてくれてんの……比奈!? アンタそんなに力あったっけ!?」

比奈「夏美さんパワーっス」

麗奈「何よそれ!?」

奈緒「よーし! せーのっ!」

ななおひなぎさ「「「「わーっしょい!! わーっしょい!!」」」」

麗奈「ひゃああああああああああああああ!? ちょっとアンタたち止めっ、降ろしなさいよ!! 衣装とは言えミニのスカートなんだから!!」ポーン

ななおひなぎさ「「「「わーっしょい!! わーっしょい!!」」」」

麗奈「止めなさいってばぁああああああああああああああああ!!///」ポーン



……翌日、事務所……


奈緒「ちょっと話題になっちゃったな」

菜々「やりすぎましたかね」

比奈「まあ仕方ないっスよ。嬉しかったんで」

渚「そうそう、しょうがないしょうがない」

麗奈「しょうがない!? ネットのトップニュースに晒されたのが!?」

柑奈「「フルボッコちゃんにドッキリ? 事務所の仲間がサプライズ胴上げ」……盛大に勘違いされてますね」

夏樹「おお、胴上げ場面もしっかり写真に撮られてるな」

麗奈「もう少し角度が違えばと思うとゾッとするわ……」

里奈「もう少しでパンモロだったぽよ☆」

麗奈「あー、考えるだけで恐ろしい……」



麗奈「そもそもおかしいのよ! 何でアタシを胴上げすんのよ! 普通するなら渚でしょ!?」

奈緒「いやー、あの時はテンションおかしかったからさー」

渚「呪いを解いた功労賞……みたいな?」

麗奈「だからその呪いってのは何なのよ!!」

柑奈「呪いを解く……私もその域に達してみたいものです」ポロローン

麗奈「ラブ&ピースは絶対に関係ないから!!」

比奈「麗奈ちゃんいると賑やかっスねー」

里奈「話題提供に余念がないっしょ☆」

麗奈「嬉しくなーい!!」



以上です、この部署のテーマに既にお気付くの方もいらっしゃると思いますが、全員名前の頭か末尾に「な」がつきます。「な」が付くアイドル全員ではありませんが。
ななな部署シリーズ、という感じでこれからも書いていけたらなと思ってます。ありがとうございました。


珍しくキャプテン出てたから読んでみたが面白かった
過去作読んでくる

おつおつ。
新鮮な組み合わせで面白かったです

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