【デレマス】のぼる棟方さん (63)

*初投稿です。慣れるまでは短く区切って投稿します。



「アイドルに興味はありませんか?」

そう言ってあたしに名刺を差し出してきたスーツ姿の男性は、上京して間もなく346プロ所属のアイドル候補生となったあたしの担当プロデューサーになった。


両親の反対を押し切り、無茶を通してまでアイドルになった理由は、アイドルになったら『女の子といっぱいお友達になれそう』だったからだ。家族のことはみんな大好きだし、離れて暮らすのは寂しいけど、実家の青森には同世代の女の子との触れ合いが壊滅的に少なかった……。

同級生四人だけとか何の冗談なの。

その数少ない同級生の一人から『お山の求道者(へんたい)』と呼ばれ忌み嫌われていた、あたしことーー棟方愛海(むなかたあつみ)が新たなる天地を求めて誘われたのは、大都会、東京だった。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1477337384




日本の首都といえば、東京だ。東京といえば、東京バナナのイメージ。東京バナナといえば、美味しくてやわらかーい。美味しくてやわらかーいといえば、女の子のお山(ハートマーク)。

女の子のお山(ハートマーク)といえばーー登りたくなるのが心情ってもんでしょ!

連想ゲームでテンション上がってキター!

美少女登山家、棟方愛海ちゃんによるウハウハ!アイドルお山パラダイス!!な毎日がこれから始まるんだね!ウヒヒヒヒヒッ!



そうしてーー苦渋の決断の末、あたしはアイドルになることを決めた。

それは桜が舞う季節、あたしが中学三年生になった頃だった。



「まずはご自分の置かれている立場を再確認して引き続きアイドル活動に励みましょう」

そう言ってあたしに説明を始めたスーツ姿の厳つい見た目の男性は、346プロ所属のアイドル候補生となって一ヶ月が経ったあたしの担当プロデューサーだった。

346プロこと『美城プロダクション』は東京にある芸能事務所であり、そのアイドル部門に所属するアイドルタレント(候補生)の一人が貴女ーー棟方愛海さんで、私は貴女のアイドル活動全般を全面的にサポートする担当プロデューサー……

って、知ってるよ!もう何回も聞いたよその話!耳が痛いよ!耳タコだよ!わたしの記憶力を少しは信じてよ!?

休日の朝から夕方のこの時間まで、適度に休憩を挟みつつもみっちり続いたキツいとしか形容のしようがないレッスン終わりだったのもあってか、わたしは頬を膨らませて、腕も組み、胡乱な目をしてプロデューサーを睨んだ。


鈍感なプロデューサーでも気づくように分かりやすく不満を表してみた。激おこプンプン丸状態なんだからね!

わたしの不満を受けて少しは反省したのかプロデューサーがおもむろに首筋に手をやった。考え事や困ったときがあったりした時にプロデューサーはよく首筋を手で触るクセがあることを、わたしは知っていた。


「……ですが、棟方さん」

だけど、プロデューサーは首筋に手を当てながらも、毅然とした態度だった。


「貴女にはアイドルとしての自覚が余りにも足りません」



「……ごめんなさい……プロデューサーさん……」

そうだった。言われて気づかざるを得なかった。本当に反省すべきはわたしのほうだった。今日に至るまで、自分でも省みる点が多すぎて謝る気なんてまるでなかったのに謝罪の言葉が自然と口に出ているほどには、アイドルとして不出来で不甲斐ない自分がいた。

思い返すとアイドル候補生として受けたレッスン初日から失敗続きだった。初日から寝坊で二時間遅刻してトレーナーさんとプロデューサーさんに開幕叱られて泣きそうになった。その後、わたしと同時期に入ったであろうアイドル候補生の(全員チョー可愛い!)女の子たちとの初顔合わせの大事な挨拶では、せっかく遅刻をしたのだからとそれをネタしたら見事にダダ滑り、またトレーナーさんに叱られて……と、この一ヶ月で何回トレーナーさんに叱られたか数えても数え切れないくらいだ。

眠いので投稿はとりあえずここまで。
続きは明日の夜にします



ダンスレッスンとヴォーカルレッスンは、始まって早々にわたし一人だけ体力向上レッスンと称して、その内容が一部変更になったし(鬼コーチならぬ鬼トレーナー命名)。

早朝のラジオ体操という健康的な運動から始まるそのレッスンは、鬼コーチと一緒に声を出しながらの外周ランニング(なんの苦行だ)に続き、鬼コーチの一存でそれが終わると、今度は室内のレッスンルームに移動して腕立て伏せや腹筋、その他諸々の筋トレ、流れで体幹とやらを鍛えるトレーニングもするんだ。

途中で休憩を何回も挟むとはいえ、この時点でわたしは既に半泣きでダウン目前のボクサーのように前後左右に、フラッフラッ、している。

その後の、休日はいつも夕方まで行われる各種通常レッスンは、貧弱ひ弱な一介の女子中学生でしかないわたしにとって、いかにキツいレッスンなのかお分かりいただけたと思う。

毎夜、女子寮の枕を濡らしているのだよ……



『いい加減、身体が慣れてくれないとそろそろアイドル辞めるレベル』とかツイッターの匿名読み専アカウントに気づいたら愚痴ツイートしてるレベルには、色々しんどいし、辛いし、泣けるし、今もその状況は変わらない。

あと、すごく重要なことなんだけどーー当初期待していたほど、アイドルのお山に登れてないんだけど!眺めるだけじゃ満足できないよ!寂しいよ!アイドルになる前は自由に登れてた地元の女友達のお山が恋しいよ!

……もうなんでもいいから登りたいよ……ここはお山の求道者が長き旅路の果てにたどり着いた桃源郷のはずではなかったの……?桃色天国は何処へ……?


同僚アイドル達には、露骨に避けられてるし……

三日前くらいに、すごく意地悪なことを言われて腹が立ったから衝動的にその小さなお山を鷲づかみ登頂(*キケンなので絶対にしないように)したらギャン泣きされたアイドル候補生Kさんに嫌われるのならまぁわかるけど、他の女の子達には特に何もしてないよわたし!?

多分……恐らく……メイビー……ほんのちょっとだけ上半身のスキンシップが激しかったこともあったような、なかったような!?よく分かんないや!覚えてないからノットギルティ!

Kさんで貧乳か
誰だろう

意地悪言いそうで逆にイタズラされるのには弱そうなKosekiさんかね

将来スカイダイビングや海で素潜り漁しそうなKさんかもしれん

こんちきだったら、それは嘘泣き

まさかのksrgさん(72)だったらどうしよう

Kさんが誰なのかは置いといて、作中でKさんの両のお山が再び踏破される確率は上がりました(本筋と関係ない)

作品更新します。



……話がだいぶ逸れてしまったから戻すけど、プロデューサーさんの言うとおり、確かにアイドルとしての自覚なんてもの、あたしには今もない。

あたしは、女の子なら誰もが一度は憧れる『アイドル』。

ド新人のアイドル候補生だけど、アイドル活動という名のトレーニングとか毎日それなりに頑張っている。宣材写真の撮影の時なんかも、慣れない作り笑顔で何回も撮り直したけど、最終的にはオッケーを貰って少し嬉しかった。


……でも、でもね。

あたしは自分のアイドル活動を誇れないんだ。

誰にも自慢できない。

家族にすらまだ何も報告してない。

例えばの話、学校の友達相手に「あたしって実はアイドルやってるんだ!よかったら今週末のライブ観に来てねっ!」なんてアイドルらしく可愛く宣伝することもできないだろう。


アイドルとしての自覚が足らないから?胸を張れないのかな?本気で取り組んでないから?誰にも何も言えないのかな?

プロデューサーさんに問われるまでもなく、自分の中でとっくに答えはとっくに出ていた。


アイドルでいる自分が好きじゃないからだ。

好きじゃないことを一生懸命頑張れるはずがなかった。



……そんな体たらくで、この先どうやってファンの人達に『棟方愛海』というアイドルの魅力をアピールしていくんだろうね?

そもそも、あたしに人を惹きつけるほどの魅力なんてあるのかな……?もうわかんないや。どうだっていい。


「プロデューサーさん……いつの日だったかな……忘れちゃったけど……あたしの採用理由を聞いたときあったよね?」


「……はい。それがどうかしましたか?」


「その時さ……なんて答えてくれた?」


「……笑顔です、と。お答えしました」


「そう、笑顔。……その答えってさ……今も変わってない?」

なんでだろう。プロデューサーさんの顔をじっと見てるとなんだか泣きそうになってきた。

別に怒鳴られているわけじゃないのに。……どうしてなんだろう?

我慢が限界を超える。自分の感情を処理仕切れなくてオーバーフローを起こしたみたいに後からこぼれ落ちてくる生暖かい涙の粒が頬を濡らしていく。

慌てて、手の甲で目元をぐしぐしと擦る。ええい、中学三年にもなって人前でみっともなく泣くな。プロデューサーさんに誤解されちゃう。


「あ、汗が目に入っちゃったよぉ……あははは……」


「変わっていません」


「…………え?」


「笑顔です」


「……本当に?」


「はい。あの時ーー青森に出張していた私が、偶然見かけた貴女の笑顔に見惚れました。真冬のとても寒い日でしたね。女性のお友達らしきお方と雪合戦をして遊んでいた棟方さんの笑顔は……それはもう、キラキラで輝いていて、降り積もる雪さえ溶かすほどに眩しく感じた……いい笑顔、でした」

涙に濡れてぼやけた視線の先に、黒いハンカチーフが写り込んでそっとまぶたに押し当てられた。


「そんな素敵な笑顔は、今も全く変わっていません」

失礼します、とプロデューサーさんはそう言って腰を屈めると、丁寧に時間をかけて涙を拭ってくれる。クリアになった視界には、厳つい顔をした三白眼の男の人が無表情でこちらを見つめている。あたしの担当プロデューサー。アイドルでいる限り、全力で甘え、時には泣き言を言ってもイヤな顔一つしない、あたしの頼れるプロデューサーさんが目の前にいる。


「棟方さんーーアイドルでいることに疲れましたか?」


「……少しだけ、疲れたかも」


「なら、しばらくの間、アイドル活動の方はお休みしますか?」


「……ううん。もうちょっとだけ頑張ってみるよ」

泣いてスッキリしたら自然とそう答えられた。

プロデューサーさんが隣で見ていてくれるなら、もう一踏ん張りできるかも知れないと思えた。


「その意気です。私と一緒に少しずつ前に進んで……いえ、登っていきましょう」


「登る?」


「ええ、好きなのでしょう?登ることが」


「ふふっ……あたしが好きなのはやわらかーい女の子のお山に登ることだよっ!覚えておいて近い将来仕事にも反映してねっ、プロデューサーさん!」

アイドルになって一カ月ーー今もまだ自分がアイドルをやっているという自覚は薄いけど……正直、この先もキツイトレーニングとか忙しいお仕事はそこまで好きになれそうにないけど……あたしはアイドルでいることを諦めない。

プロデューサーと一緒に登っていく、って決めたから。

いつの日か、自分もファンのみんなも笑顔になれるような……そんな立派なトップアイドルを目指して頑張っていくって。



ワキワキと、日課の指の運動をしながらあたしは一人決意を固めて寮に帰宅した。……ついでに同僚アイドル達のお山も隙あらば登って登って登りまくるぞ!ウヘヘヘへへッ!

※お知らせ
次回更新はまた夜頃だと思います。
あと、まだまだお話は続きますよ!全体の流れとしてはお話の四分の一くらいが終わったところかな。別にプロットなどは書いてない成り行きまかせなのでどうなるかわかりませんけど。それでも良かったら今後の更新もお付き合いください、以上。

棟方さんにはどんどん登っていただきたい

棟方さんは登り始めたばかりです……理想のトップアイドルになるべく先の見えない険しい坂道を……

第2章更新再開します。




「愛海ちゃん。一緒にお昼ごはん食べよ?」

そう言ってあたしに微笑みかけてきたトレーニングウェア姿の美少女は、あたしと同じ時期に346プロ所属のアイドル候補生になったという乙倉悠貴(おとくらゆうき)ちゃんだった。

年齢は今年で十四歳になるらしく、あたしと一つ違いの花の女子中学生。

十四歳の女の子にしては高めの身長で160前後あるんだって。体型も羨ましいほどスリムだし、過去にはその高身長を活かしてジュニアモデルもやってたこともあるとか。


外見も内面も、年上のあたしよりよっぽど大人らしくてしっかりしてるんだ。


事務所ではすっかり鼻つまみ者のセクハラアイドルと化していたあたしなんかとも色々付き合ってくれる優しい美少女アイドルなんだよ……。将来売れっ子間違いなしだね。



「うん、いいよっ」

悠貴ちゃんのお昼ごはんの誘いを快諾したあたしは、二人でレッスンルームを出て、346プロのオフィスビル敷地内に店舗を構える346カフェまで足を伸ばすことに決めた。


カフェの他に、346プロには広いスペースの社員食堂もあって所属アイドルなら誰でも利用できる。

その社員食堂で、本場の名店で腕を鳴らしたというプロコック達が作る、充実の和・洋・中バイキング形式で振る舞われる料理の数々は、当然のように大体どの定番料理も美味しい。季節に沿った特別メニューなんかもあるから舌の肥えた芸能人関係者達を飽きさせない作りになってる、と思う。

おまけに、あたしのような未成年学生アイドルの懐事情でも週に三、四回は通えるであろう、お手頃な値段設定で、かく言うあたしもよく利用させてもらっている。


週末は、大体、一人ぼっちでここのカニ玉ばっかり食べてるんだ。……絶品なんだよ、ホント。泣けてくるほどに。


そんな安定感抜群の社員食堂もあるけど、今日みたいなよく晴れた日に、気の合う友達に昼食を誘われたのなら……

外の景色も楽しめるオープンカフェで、ゆっくりくつろぎながらご飯を食べたいのが乙女の心情ってもんだよね。



ほどなくして346カフェにたどり着いた私たちは、店員さんに案内されてオープンテラスのテーブル席の一角に座った。

木目調のウッドテーブルを挟んだあたしの真向かいに悠貴ちゃんが腰かけて、


「私、ここ来るの久々なんだっ。今日は愛海ちゃんと来れて嬉しいなっ」

ニッコリと笑顔を見せてくれる。

ピュアとか清純とかいうイメージがピッタリの愛くるしい素敵な笑顔だなぁ……。この場にあたしのプロデューサーさんがいたら、したり顔で「いい笑顔です」とか言うに違いない。実際、いい笑顔だし。あ~、尊いよぉ~。


「今日も悠貴ちゃんは可愛いね~」


「ええっ?そ、そんなことないよぉ……」


「そんなことあるってばぁ~」


「もぉ~、あ、ありがとっ。愛海ちゃんも…………可愛いよっ」


「なんでちょっと言いにくそうだったの!?あたし可愛くない!?」

流石にスルー出来なかったよ!

そりゃ悠貴ちゃんの可愛さと比べたら肩なしだけど、あたしだって一応アイドルだし、自分が世間一般的に可愛いと思われる容姿ではあることは自覚しちゃったりしてるんだけど!?


「ち、違くてっ。愛海ちゃんは可愛いよっ!すっごく可愛い!……そ、そのっ……エッチなことさえ言わなければ……」


「アッハイ」

何も言えねぇ……。今も悠貴ちゃんの口から『エッチ』という単語が出てきたことに興奮してるあたし何も言えねぇ……。


ついさっきまでの和やかな雰囲気とは打って変わって、二人の間に、形容しがたい微妙で陰鬱な空気が流れ始めて……


「いらっしゃいませー!」

まるで登場する頃合いを見計らったかのようなグッドタイミングで、その元気はつらつなアニメ声は聞こえてきた。

※長くなりそうだからトリップとかつけたほうがわかりやすいだろうか……
次回更新はまた夜中です。

興奮してきた



「346カフェへようこそ♪こちらがメニューです♪」

あたしはその店員さんのことを知っていた。というか346プロに所属しているアイドルなら誰しもがその店員さんの姿を一度は見たことがあるだろう。


「あれれー?何だかお二人ともいつもの元気がないですねー?」

一度聞いたら忘れられない特徴的なアニメ声。


「さては、ウサミンパワーが足りてないせいで盛り下がっているご様子!?くっ……ならば仕方ありません!可愛い後輩アイドルの為、一肌脱ぎますよー!346カフェの名物メイド店員さんという仮の姿から変身して、この場を盛り上げちゃいます!……勤務中なので店長さんには黙ってておいてくださいねっ♪」

普通の喫茶店なのに、何故か一人だけメイド姿で接客している女店員さん(本当の姿ではないらしい)。その正体とは、


「それではいきますよ~ーーキュピーン♪ウサミンパワーでメルヘンチェーンジ☆……ウサミン星からやって来た、歌って踊れる声優アイドル♪ウサミンことーー阿部奈々(あべなな)で~す♪キャハッ☆」

>阿部奈々(あべなな)で~す♪キャハッ☆
おいおい、字が違うz…誰だ貴様は!?

ウサミンコスの奈緒か

うわ…本当だ!?すいません。この誤字は致命的だと思うので再投稿します。



「346カフェへようこそ♪こちらがメニューです♪」

あたしはその店員さんのことを知っていた。というか346プロに所属しているアイドルなら誰しもがその店員さんの姿を一度は見たことがあるだろう。


「あれれー?何だかお二人ともいつもの元気がないですねー?」

一度聞いたら忘れられない特徴的なアニメ声。



「さては、ウサミンパワーが足りてないせいで盛り下がっているご様子!?くっ……ならば仕方ありません!可愛い後輩アイドルの為、一肌脱ぎますよー!346カフェの名物メイド店員さんという仮の姿から変身して、この場を盛り上げちゃいます!……勤務中なので店長さんには黙ってておいてくださいねっ♪」

普通の喫茶店なのに、何故か一人だけメイド姿で接客している女店員さん(本当の姿ではないらしい)。その正体とは、


「それではいきますよ~ーーキュピーン♪ウサミンパワーでメルヘンチェーンジ☆……ウサミン星からやって来た、歌って踊れる声優アイドル♪ウサミンことーー安部菜々(あべなな)で~す♪キャハッ☆」

ババァそりゃキツイわ

>>31
おう、ちょっと顔貸せや



346プロ所属の先輩アイドルであり、地球から電車(銀河鉄道9◯9?)で一時間程度のところにあると噂されているウサミン星出身の声優アイドルーーウサミンこと安部菜々さんです。

ちなみに、年齢は永遠の十七歳だそうだよ。自称だよ。ウサミンの実年齢に関して、深く掘り下げようとするのは業界のタブーとされているからその辺あたしも深く語らないよ。


「わーっ、ウサミンさんだっ!お久しぶりですっ。いつも可愛くて素敵ですねっ」

キラキラと目を輝かせた羨望の眼差しでウサミンに拍手を送っている悠貴ちゃん。

この前、サンタさんからプレゼントされたというピンク色のトレーニングシューズをあたしに自慢してきた純粋無垢な可愛い悠貴ちゃんのことだから、まず間違いなくウサミン永遠の十七歳説は信じているよね。それどころか、ウサミン星という未知なる惑星の実在まで信じていたりして……。

いずれにしても、ピュア可愛いすぎるよぉ!ドゥフフフ!


ウサミンと悠貴ちゃんがキャッキャウフフしている間、あたしは悠貴ちゃんのピュア可愛いエピソードの数々に思いを馳せていると、「……愛海ちゃん?」とウサミンから呼びかけられた。下を向いていても、特徴的なアニメ声のおかげですぐにウサミンだと分かった。

流石は現在大ヒット中の人気アニメのマスコット的キャラクターの声を担当しているだけのことはあるなー……上から目線の感想で申し訳ないけど。とにかく色々スゴい人なんだ。


ウサミンの表情を見ると、どうやらしばらく黙ったままのあたしを心配してくれている様子だったので元気に挨拶をすることにした。


「お久しぶりです、安部先輩!押忍っ!」


「あ、あのっ、菜々さんでいいからね……じゃなくて今はウサミンだった!というか、しばらく見ないうちにキャラ変わってない!?中野有香(なかのゆか)ちゃんみたいになってるけど!?」


「そんなことより安部先輩のやわらかいお山を登らせてください!押忍っ!」


「良かった!変わってなかった!いつもの愛海ちゃんだ!」



ウサミンに普段のあたしがどう思われてるかは今のやり取りでよーく分かったよ。


「ところで、お二人ともアイドル活動のほうは順調ですか?」

ウサミンからの唐突な問いかけに、あたしと悠貴ちゃんはお互いに目を合わせて「アハハ……」と苦笑した。

そう、苦笑するしかなかった。「順調です!」とは嘘でも言えなかったから。


あの日、プロデューサーにスカウトされ、346プロ所属のアイドル候補生として上京して、アイドルのお仕事を始めてから約三カ月の月日が過ぎようとしていた。


その三カ月の間で、あたしがアイドルとして成し遂げたことといえば……特に何もなかった。


来る日も来る日も、基礎トレーニングと各種レッスンの繰り返し。平日は学校の授業が終わり次第、事務所に寄らなくちゃいけない。休日は朝から夕方過ぎまでいる。


時折、事務所内で行き交う先輩アイドルの皆さんや346プロの社員さん、その他警備員さんや清掃員さんの人たちに挨拶をしながら、足早に別館のロッカールームを目指す。時間の余裕が余りないから。


トレーニングウェアに着替えた後は大体、トレーニングルームでトレーナーさんが監督のもと、長めのストレッチで身体を入念にほぐしてからの基礎トレーニング。それが終わったらレッスンスタジオに移動して歌や踊りの各種レッスンを始めるというのが一連の流れ、かな。

もう毎日ヘトヘトで女子寮まで帰ってくるよ。帰ってきたらソッコーでお風呂に入って汗を流すんだ。

晩ご飯は疲れのせいかお腹が空いていてビックリするくらい美味しく感じるよ。

もちろん、お休みの日もちゃんとある。

この三カ月の頑張りであたしも少しはプロデューサーさんやトレーナーさんに認められたのか、休日にあたしだけやらされていた体力作りの特別メニューもなくなったし。


でも、さ……

『体育会系の強豪校の部活練習かよ!?』と思うようなキツいトレーニングをほぼ毎日する放課後を三カ月も過ごしているとさ……

いい加減、疲労も溜まってきたし……地味なうえにキツい練習にも飽きてきたというか……

いや、何も成してないアイドル候補生の身分で何言ってるんだって話だけどね……。


『なんか思ってたのと違う』って感情だけは理解して欲しいかな、なんて。


自分の目標の為に挫けずに頑張るって、頂上を目指すって決めたけど……道は険しいな。

(*゚∀゚)o彡゚ミミミン!ミミミン!ウーサミン!!

次回更新は例のごとく夜中です。押忍っ!

ウサミンのお山か…
田舎の母ちゃん思い出しそうだな



人知れず落ち込んでいると、ウサミンは「なるほど」と何度か頷いてから、


「ーー順調そうで良かったです」

優しく微笑んでそう言った。


「……え?ウサミン、あたしたちの反応ちゃんと見てた?順調そうに見えた?」

察しの悪さに驚いてしまって思わず敬語を使わずに問いつめてしまった。

てっきり共感してから最後には軽く励ましてくれるんだろうなぁ、と思っていたからウサミンのその返答は予想外だった。


「順調じゃないんですか?」


「ないよ!大変だよ!茨の道だよぉ!スカウトされて三カ月も過ぎてるのにまだ一般デビューさえしてないド新人のアイドル候補生のまんまだし。認知度ゼロだし。Fランクだし」


「ふむふむ……。ところで、愛海ちゃんと近い時期に346プロに入った他のアイドル候補生の方は何人ほどいましたっけ?」


「……悠貴ちゃんとあたしも入れて七人」


「その中でアイドルとしてデビューした人は?あるいはデビューが決まっている人は?」


「…………まだ誰もいない」


「だと思いました。愛海ちゃん……焦る必要はないんです。今はまだアイドルとしての実感をさほど感じられないと思う時期なので辛い気持ちは何となく分かりますよ。応援してくれるファンがいないので、孤独に辛い練習をこなしているだけだと毎日落ち込んでいるのかも知れません」


「うん……」


「ですが、愛海ちゃんは一人で頑張っているわけではありません」


「えっ……?」


「あなたのプロデューサーさんがいます。トレーナーさんがいます。裏方さんがいます。おせっかいな先輩アイドルもいます。悠貴ちゃんのような仲のいい同僚アイドルもいます」



「そうだよっ。私も愛海ちゃんと一緒に頑張るよっ」

悠貴ちゃんがそう言って両手の拳をグッと握りしめていた。


「アイドルは常に一人たり得ません。一人はみんなのために。みんなは一人のためにーーアイドルとしてどんなお仕事も頑張っている限り、みんなが愛海ちゃんのことを支えてくれます」

ウサミンは満面の笑みを浮かべていた。


「だから、そうやって悠貴ちゃんと笑って愚痴をこぼしていられるうちはまだまだ大丈夫ですよー。順調順調。…………なーんちゃって!ナナったら花も恥じらう十七歳の乙女なのに説教くさいこと言っちゃって恥ずかしいー!アゲぽよアゲぽよ~、キャハッ☆」

テレビで何回も見たウサミンのその決めポーズ姿は、羨ましいほどにアイドルしていた。

難産だった……

次回更新は、夜中……のうちだといいな!

のぼる小寺さんとのコラボかと思ったら違った

……あっ。ついに気づかれてしまいましたね。
深夜だから言いますがコラボの予定です。

小寺さんも出てくるよ!

ドゥフフフとかアイドルどころかうら若き女子が出していい声じゃないぞ師匠

なんかごめん



「お説教じゃなくて激励ですかね。菜々先輩、いつも色々気にかけてくれてありがとうございます」と頭を下げて日頃の感謝を述べると、ウサミンはまん丸な目を見開いて「誰ですか!?この綺麗な愛海ちゃんは!?」とあたしの発言が信じられないといった風に驚いた。

そこは素直に「どういたしまして」とかでいいでしょ……


「おだてったてナナのお山は登らせませんよ!?」


「今は登らないよ……」


「今は!?」


「菜々先輩、そろそろウェイトレスさんのお仕事してください。お腹減ったよ~」

悠貴ちゃんなんかすでにあたしたちの会話そっちのけでメニュー見てるし。


「うんっ……私は決まったよっ」

そう言って悠貴ちゃんがメニューを手渡してくれる。さて、何にしようかな~。


「あのぉ~、お決まりになるまで一旦下がりましょうかね?」

このサンドイッチセットとか美味しそうだな~……これにしようかな。


「待ってウサミン、二人とも決まったから」


「はい、どうぞ!」

ウサミンがオーダー用だと思われる端末を取り出して構える。


「悠貴ちゃん、お先に注文どうぞ」


「ありがとっ。じゃあ言うねっ」

悠貴ちゃんがニコニコ笑顔で注文する。


「バラ寿司一人前とミックスジュースくださいっ」


「ん?……ちょっと待って。ここってカフェだよね?お寿司屋さんじゃないよね?」


「何言ってるの愛海ちゃん?ここは346カフェだよっ?」


「だよね……カフェだよね……?オーケー、落ちついたよ。ごめん、悠貴ちゃん……もう一回注文してもらっていいかな?」


「え……?バラ寿司一人前……とミックスジュース」


「ないでしょ!?」


「ありますよー」


「あるの!?」


「346カフェの裏メニューですね」

裏メニューの守備範囲広すぎでしょ!?一人で外野全域に対応してるよ!カフェでバラ寿司っておかしいでしょ!?

き、気長に書くから気楽に読んでね!

次回更新は……あ、明後日で。


つまり本気でやれば今日だな



「愛海ちゃんも注文しますか?裏メニューの『346アイドル定食』。時価ですけど、大体千円以下でご希望の料理が食べれますよ」

「……え?よく分からないんだけど、裏メニューはバラ寿司なんじゃないの?」

つまりどういうことだってばっ。


「えぇーと、バラ寿司自体 は、悠貴ちゃんが『346アイドル定食』を頼まれた際に大好物を希望したことで裏メニューに登録されてある『おかやまバラ寿司』のことですね、多分」


「地元の郷土料理なんだよっ!美味しいよっ!後で少し分けてあげるからねっ!」

悠貴ちゃんが『おかやまバラ寿司』について嬉しそうに語っているけど正直全く耳に入ってこなかった。本能が『346アイドル定食』という怪しい裏メニューの理解を拒んでいた。

でも、知らなきゃ話が前に進まないんだよなぁ……気が進まないけど、なんかあたしも頼む流れになってるし……


つまりだ。ウサミンから断片的に聞いた『346アイドル定食』とやらの内容を纏めると、


「裏メニューの『346アイドル定食』っていうのは、自分が希望した料理なら時価で何でも作ってくれるってこと?」


「概ね、その理解で正しいです。情報を補足するなら、アイドルの方限定で、大好物の一品を登録して提供する、という内容の裏メニューですね」


「……考えた人はバカなの?」

失礼を承知で言わざるを得なかった。

そんな中学生のあたしでも分かるようなお店の利益や手間暇を度外視した裏メニュー……あたしなら絶対に作らない。

だって、アイドルしか得してないじゃん。


「あはは……そうなんですよ」

ウサミンは大らかに笑うように言った。


「ウチの店長……筋金入りのアイドルバカですから」



「ウチの店長……筋金入りのアイドルバカですから」

アイドルバカって……要するに、アイドルの熱烈的なファンってことだよね?だとすると、一体誰の?


「ふふっ、店長のお話はまた次の機会にしましょう。お二人のお昼休憩の時間も残り少ないでしょうし。さぁ、ご注文はいかがなさいます?」


「……『346アイドル定食』で」

しばらくして悠貴ちゃんと一緒に食べた『ひっつみ』は故郷で食べたママの味つけを思い出すようで……たんげうめぇかった。

頼んでもないのに白飯が付いてきたのも嬉しかった。何回かおかわりもしてしまった。箸が止まらなかった。悠貴ちゃんの頼んだバラ寿司も絶品だったし。おまけに、驚くほど安かった。


食事終わりにレッスンルームへと歩きながら、悠貴ちゃんとまた一緒に食べに来ようねと約束した。

素敵な店員さんと店長さんが営む、少し不思議で素敵なカフェに。ランチを食べに行こうと。

本気でやったら今日だった。
次回更新は……明々後日で(本気

いよいよ選ばれし七人のアイドル候補生のうちの一人、アイドルKさんのエントリーだぁ!


やれると信じていたよ
Kさん……まだ暴れてないのに粛清要員がきてしまうのか



お山に登りたい。やわらかーい女の子のお山に登りたい。

あたしは想像する。イマジン。在りし日のジョン・レノンが人類の平和を願って歌ったように。あたしは目を閉じて両指をワキワキさせながらイマジネーションの海へと潜っていく。本当は海じゃなくてお山に登りたいけど。


想像する。枯れ果てた山稜の大地を行く孤高の揉み人、棟方愛海が旅路の果てに見つけた一時のオアシスーーそのなだらかな双丘を。

揉み人が目指すは、双丘を超えた先に実在すると噂されているマシュマロのようにやわらかき伝説のお山の頂き。そこには、厳重に秘匿された二つの桃色の財宝が眠っているという……。


登頂に挑めば己とて無事では済むまい。揉み人の本能が警鐘を鳴らしていた。

登るのか?登らないのか?どっちなんだいっ!?


ーー無論、登るッッッ!


たとえ、この身が朽ちようとも、揉み人は決して諦めはしない。桃色の財宝に秘された至福の感触をこの手で甘受するその時まで。


「…………ふぅ」

要するに、だよ。


ーーおっ◯い、揉みたいんだよッ!

これが本気か…w
おつ

> ーーおっ◯い、揉みたいんだよッ!
ソーp…エッチなお店行ってお金払えばいくらでも揉ましてくれるけど、師匠未成年だからな



346プロ所属のアイドル候補生として活動し始めて三ヶ月と半月……新人らしく周りに気を遣って自重してきたけどもう限界だった。


『今日こそは女の子のお山を登る』って決めたんだから。


これ以上、我慢したら精神に良くない影響が出てアイドル活動にも支障が出てきてしまう。

その証拠に、誰もいない噴水広場で「イマジン。お山をイマジン」とかブツブツ呟いて両指をワキワキさせてる今のあたしとか端から見たら不審者以外の何者でもない。誰かに通報されても文句は言えないレベル。


こんな公共の場所で何をしているんだと自分でも思うけど……

それでも妄想は止められないんだよね。

だって、ピンク色の妄想でしか欲望を発散させる手段が見つからないから。


……欲望の発散で思い出したけど……ここだけの話ね?

何度か自分のお山にも登ってみたことがあるんだ。くすぐったいだけで何も気持ちよくなかったけど。ただ、やわらかいだけの石ころを手のひらの中で弄んでいるような気分というか……


揉んでいる最中に『自室で上半身裸になってナニをやっているんだろう……』と抗えない虚無感に苛まれてやめてしまった。

その後の言い知れない脱力感と冷静さを取り戻した心は、まるで悟りを開いた賢者のようだったと自分で思ったので、あたしはこの現象を『賢者タイム』と密かに名付けていた。

うーんこの中身おっさんJC



自前のお山に登ると、途中で必ず『賢者タイム』が訪れて煩悩が退散するので、この方法は諦めるしかなかった。

かといって、妄想で欲求解消しようにも、時と場所を選ばなければ上手く没入できないので色々と不自由だ。


常に欲求不満な毎日。両指を持て余す女子寮生活。

周りにはとびきり可愛いアイドルの女の子たちがたくさんいるのにその中の一人も手が出せないなんて……やわらかいお山に登れないなんて……


自分の生き方を曲げて……周りに気を使って……好きなことを好きだと言えないままアイドルであり続けるなんて……

そんなのイヤだっ!あたしはお山登りとアイドルのお仕事を両立させてみせるんだ!絶対に!


絶対!絶対!絶対!絶対!

絶対特権主張しますっ!(やわらかおっ◯い揉みまくりますっ!


よしっ。あとで各方面からしこたま怒られる覚悟が完了したところで……いざ行かん。


「気の弱そうな女の子を見つけて絶対特権主張するぞーっ!オーッ!」

……エタりはしないさ(フッ

次回更新は明後日だよっ♪

つまり今日か



やる気というか揉む気だけは充実しているので意気込んでみたものの、実際そんな都合よくお山に登らせてくれそうな可愛いアイドルの女の子なんて現れてくれないよね……


「…………愛海しゃん……こんな場所にいたんでしゅか……」

愛海しゃん……?あたしの名前をこんな風に呼ぶ人なんて……

この事務所には一人しかいないはず。


噴水を背にして声のしたほうへ振り返る。そこには予想通り、知り合いの女の子が何故かしんどそうに息を切らして中腰で立っていた。


「都合よく現れてくれたね、くるみちゃん!」


「ふぇぇん……やっと見つけたあぁぁ……くるみ、歩き疲れたよぉ~……」

顔中汗だくで鼻水も垂らし、涙目で泣きベソをかいている彼女の名前は、大沼くるみちゃん。

あたしとは同期で、アイドル候補生七人のうちの一人。確か年齢は今年で十四歳。あたしより一つ歳下の中学二年生だね。


年相応の幼さを残した顔立ちは、汗や涙や鼻水といった色んな体液にまみれていたけど、そんな情けない姿でも魅力的に映るのは、流石アイドルといったところで、思わず守ってあげたくなるような可愛さなのである。

髪型は、太めの眉がしっかり見えるほど短く切った前髪に、お下げにした髪を両肩に垂らし、曜日ごとに変えているという髪留めでまとめていた。ちなみに、今日は黄色い花のリボン。



やる気というか揉む気だけは充実しているので意気込んでみたものの、実際そんな都合よくお山に登らせてくれそうな可愛いアイドルの女の子なんて現れてくれないよね……


「…………愛海しゃん……こんな場所にいたんでしゅか……」

愛海しゃん……?あたしの名前をこんな風に呼ぶ人なんて……

この事務所には一人しかいないはず。


噴水を背にして声のしたほうへ振り返る。そこには予想通り、知り合いの女の子が何故かしんどそうに肩で息をしていた。


「都合よく現れてくれたね、くるみちゃん!」


「ふぇぇん……やっと見つけたあぁぁ……くるみ、歩き疲れたよぉ~……」

顔中汗だくで鼻水も垂らし、涙目で泣きベソをかいている彼女の名前は、大沼くるみちゃん。

あたしとは同期で、アイドル候補生七人のうちの一人。確か年齢は今年で十四歳。あたしより一つ歳下の中学二年生だね。

年相応の幼さを残した顔立ちは、汗や涙や鼻水といった色んな体液にまみれていたけど、そんな情けない姿でも魅力的に映るのは、流石アイドルといったところで、思わず守ってあげたくなるような可愛さなのである。



やる気というか揉む気だけは充実しているので意気込んでみたものの、実際そんな都合よくお山に登らせてくれそうな可愛いアイドルの女の子なんて現れてくれないよね……


「…………愛海しゃん……こんな場所にいたんでしゅか……」

愛海しゃん……?あたしの名前をこんな風に呼ぶ人なんて……

この事務所には一人しかいないはず。


噴水を背にして声のしたほうへ振り返る。そこには予想通り、知り合いの女の子が何故かしんどそうに肩で息をしていた。


「都合よく現れてくれたね、くるみちゃん!」


「ふぇぇん……やっと見つけたあぁぁ……くるみ、歩き疲れたよぉ~……」

顔中汗だくで鼻水も垂らし、涙目で泣きベソをかいている彼女の名前は、大沼くるみちゃん。

あたしとは同期で、アイドル候補生七人のうちの一人。確か年齢は今年で十四歳。あたしより一つ歳下の中学二年生だね。

反映ラグくて投稿3つも重ねてしまった。
すいません

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