龍驤「あははははー転んでも痛ないわー」 (41)



とある冬の日。



とある鎮守府。


提督執務室。


龍驤「このクソ寒い日に、ぬくぬくのおこたに入って、熱いお茶を飲むのってええなぁ」ずず…

提督「そうだな」ずず…

龍驤「それに…おこたで食べる蜜柑もサイコーやなぁ」もぐもぐ

提督「そうだな」もぐもぐ

龍驤「なんや提督?ノリ気やないな。炬燵にお茶と蜜柑は提督には合わないんか?」

提督「いや……そうじゃなくてな。執務室に炬燵を置くのは、いかがなものかと思うんだが」

龍驤「あははは。固い事言うなや。麻雀セットさえ置いてまう提督もいるってくらいなのに、炬燵ぐらい…どーって事あらへんよ?提督はどっちかと言えば、まだ新人さんやから真面目やな」

提督「そんなもんなのか?」

龍驤「そうや。そんなもんや」


提督「そうか。そんなもんなのか」ずず…




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龍驤「それでも提督が提督になってこの鎮守府に配属されて幾年月。そろそろ慣れてきた頃かと思っとったけど、まだまだ知らない事も多いみたいやな」

提督「そうだな。俺は提督の中では、まだまだひよっこだよ」

龍驤「ふふ…判らんコトは、アンタの秘書艦である、この龍驤おねーさんが何でも教えてやるさかいな」にこ

提督「それは有り難い事で」ずず…


龍驤「あはははは」


 


提督「そういえば……龍驤」

龍驤「ん?どうしたんや提督」
ぱく…もぐもぐ

提督「龍驤は軽空母だよな」

龍驤「何を今さら言うんや。なんや…もしかして超弩級戦艦とても思っとったんか?」

提督「いや別に」

龍驤「…………ナンか連れない返しやな。まあ確かにウチは軽空母やけど。それがどうしたんや?」



提督「いや…ふと思ったんだが…だいたい今までの慣例からして、新人提督の最初の秘書艦は駆逐艦である事が、決まり事だった様に思ってたけど。どうして俺は最初から、駆逐艦じゃなくて軽空母であるお前が秘書艦なんだ?」


 

触れてはいけない闇


龍驤「その事か……それはな――――――」

提督「それは―――――?」

龍驤「アンタがそれだけ元帥以下、錚々たるベテラン提督のお歴々から注目されとる、期待の新人やからや」

提督「ええ!?それは本当なのか!?」

龍驤「ごめん。冗談や」

提督「冗談なのかよ!!そりゃそうだよ!」


龍驤「あはははは」


 


提督「でも…それじゃあ何でなんだ?」

龍驤「それはやな……提督はウチが前に居た艦隊の事は知っとるよな?」

提督「そりゃ海軍総司令の元帥閣下旗下の第一艦隊の事を知らない提督はいないだろ」

龍驤「流石にアンタでも知っとったか」

提督「でも…そんな精鋭中の精鋭艦隊に所属してたのに、ド新人の俺のところに…それも駆逐艦ならまだしも、エリート軽空母のお前が初期艦として来るなんて尚更おかしくないか?」

龍驤「まあ……確かにそうなんやけど。ウチもな…あの頃ちょうど、あそこにいたらウチはあの中に埋もれてしまうんやないかと思ってた時期でな……」

提督「……………」

龍驤「このままじゃアカン……と思っとった時に、偶然アンタが新人提督として元帥はんに着任の挨拶に来て、その時のアンタを見た瞬間に、突然ウチの動力炉(ハート)にビビビっときたんや」

龍驤「このヒトと…この新人はんと一緒に、一からやり直してみたいってな」

提督「……………そうなのか」

提督(そう言えば確かにあの時…あの部屋に居た様な……あの時は緊張しまくってたから、よく覚えてないけど…………まぁそれはいいとして、ビビビって何だよ?)

提督「……………………まぁいいか……」


龍驤「?」


 
 


―――


龍驤「―――――――――てな訳で、そのすぐ後の艦隊編成の時に、元帥はんにアンタという新人提督の艦隊に、初期艦として配置転換させてくれへんかって…直訴したんや」

提督「…………………」

龍驤「それで元帥はんにその要望を認めて貰って、ウチはアンタんとこに異動したんやで」

提督「そうなのか……」

龍驤「どや?こんな話を聞いたら、この龍驤さんにより一層感謝したくなったやろ?」

提督「何を言ってるんだ。俺はいつも龍驤には感謝してるよ」


龍驤「えっ/////////」どきっ


 


提督「提督になって右も左も分からない俺に…はっぱを掛けつつ、いろいろ教えてくれたからな。お蔭でどうにかここまでやって来れたし、そんなお前に感謝しない訳がないよ」

龍驤「ま…まぁ確かにこの龍驤さんの指導の賜物やろうしな」

提督「ああ。もし初期艦が龍驤じゃなくて他の駆逐艦とかだったら、俺はもっともたついてたと思うよ」

龍驤「そ…そうか。そこまで言うなら、この龍驤さまをもっと敬ってもええんやで?」どやっ

提督「でもこの調子のいいところは、学ばなくてもよさそうだな」はは…

龍驤「まったく…ノリが悪いで?提督」うー

提督「ははは」

龍驤「まったく…何位せよアンタはウチが一応は見込んだ提督(おとこ)やから、そこそこはやって貰わんと困るで」

提督「肝に命じときます。龍驤姉さん」びしっ



龍驤「あはは。いい心掛けや」にこ



 


―――――


龍驤「―――――あっ外見てみ提督。雪が降ってきたで」

提督「ん?ああ…確かに降ってるな。まぁ特に今日は冷えたからな……それにしてもここはよく降るよなぁ……」

龍驤「まぁ風情ってもんがあってええやんか。ウチはこの鎮守府のこういう処も好きやけどな」

提督「そうだな。最初は…………なんだこの僻地の鎮守府はっ…て思ったもんだけど、住めば都とも云うしな」

龍驤「そう言うモンやで?それに―――――」


龍驤(それにウチには…………何よりもアンタがいるしな……)じ…


提督「?」

提督「ん?どうしたんだ龍驤?俺の顔なんかじっと見て」

龍驤「!!なっ何にもあらへんよ///////」あせあせっ


提督「…………そうか」ずず…


 


龍驤「あっそう言えば…春になったら、この艦隊に新しい艦娘が来るんやってな」

提督「ああ」

龍驤「しかも今度配属されるのは重巡って言うやないか?軽巡と駆逐艦しかいないこの艦隊に、遂に重巡洋艦が配備されるんやな……」

提督「そうだな……あとコレはまだ確定してはないけど、もしかしたらそれに加えて、駆逐艦も一隻(ひとり)配属されるかもしれんぞ」

龍驤「駆逐艦も?ほんまか?一気に二隻(ふたり)増えるんか?」

提督「もしかしたら…の話だけどな」

龍驤「そうか…でも…最初から居たモンからすれば、なんか…感慨深いもんがあるなぁ……」

提督「確かに……少しづつだけど、ここまで積み重ねてきたものがあるからなぁ……龍驤。それもお前のお蔭だよ」


龍驤「まぁ確かにウチのお蔭ではあるけど……提督。アンタの頑張りもちょっとはあるからな」



 


提督「そうかな……まぁ確かに今でこそ他の艦娘もいるけど、最初の内は俺とお前のふたりだけでやって来たからなあ……」

龍驤「そうやなぁ……まぁこれも所謂腐れ縁ってヤツか?」

提督「はは…そうかもな」


龍驤「でも…アンタがこれから先、もっと出世したら……いずれ、戦艦や正規空母もこの艦隊に配備されるんやろうな」

提督「どうかな?でも戦艦や正規空母が配備される様になったら、やっと一人前の提督だからな。これこそ全ての新人提督(おとこ)の夢だよ」

龍驤「夢か…でも…そうなったらその夢が叶ったら……その時はウチはアンタの秘書艦じゃなくなるんやろな……」

提督「龍驤……?」

龍驤「まぁそれはしょうがない事なんやけどな。それだけ提督が偉くなったって事やし―――――でも」

提督「でも?」



龍驤「もし…いつの日かそうなったとしても、ウチの事を見捨てんといてな」じ…


 



提督「えっ?」

提督「龍驤…いきなり何を言うんだ?俺がお前を見捨てる訳なんてないだろう。寧ろ、今まで俺を見捨てないでいてくれた事に感謝してるくらいだぞ?」

龍驤「提督……」

提督「どうした?何かいつもと様子が違うぞ。何か変なモンでも食べたのか?」

龍驤「まったく…バカな事言わんといて。ウチは何にも変わってないわ?ま、強いてゆうなら雪が降ってちょっとおセンチになっただけや。何と言ってもウチは花も恥じらう乙女やからな」

提督「言ってろ。でも…そんな戯言が言える様なら、まだ大丈夫そうだな」ほっ

龍驤「あはははは。あっ…とか何と言ってる内に随分積もったな雪」

提督「そうだな」

龍驤「なあ提督。ちょっと外に出てみんか?」

提督「外に?」

龍驤「たまには。外に出て直接雪に降られるのも、ええもんやないかと思うんやけど」

提督「そうだな……よし、じゃあちょっと出てみるか」



龍驤「そうと決まれば、早速イクで!!」



 

とりあえずここまでです。
恐らくですがもう少しだけ続くと思います。

イク?伊19?

イケメン金髪王子須賀京太郎様に処女膜を捧げる飛揚と隼鷹だして絶望する龍驤ちゃん早よ


>>15が見えない



>>16
見るだけ視神経の無駄だから見えなくて正解

この距離感好き

あっはっは…ホントだ!その気になれば痛みなんて、ウフフ…アハハ…完全に消しちゃえるんだぁ…!

申し訳ないが人魚さんは帰って



鎮守府の外。


しんしん…


提督「おおー結構積もってるな」


龍驤「何か無性に駆け出したくなってきたで!!」うずうず!
だだっ――――

提督「おいっそんなにはしゃぐと―――――」


龍驤「あっ!?」かくっ
ぼふ…

提督「ほら言わんこっちゃない」



むく…

龍驤「あははははー転んでも痛ないわー」



 




 

畜生、なんでか涙が出て来やがる…



提督「まったく…子どもみたいにはしゃいで……お前は見た目ほど若くはないんだかr―――――」


ぼふっ
提督「ぶほっ!?」

提督「おい!いきなり雪玉を投げつけるな!!」


龍驤「ふんっ!!誰がロリババアや!?誰g――――」


ぼふっ
龍驤「ふべっ!?」



提督「俺はロリババア何て言ってないぞ!!若くはないと言っただけだ!」



 


 


龍驤「……………」ピキッ…
ごしごし…

龍驤「…………今のは宣戦布告ってやつでええんやな!?」

提督「いや…それは……いや!そう思ってくれても構わんぞ!!」


龍驤「よっしゃ!今からウチと提督による雪の夜戦や!!」

提督「そりゃただの雪合戦だろ!?」


龍驤「モノは言い様や!!いくでー!!!!」

提督「分ったよ!来るなら来い!!」



―――
――



 
 



提督執務室。


龍驤「うーさぶ…」ぶるぶる

提督「当り前だ。こんな寒い日の夜に、雪玉をぶつけ合ったんだからな」

龍驤「それはそうやけど……うう…ちょっと風邪ひきそうや」ずず…

提督「まだ艦娘用の風呂が開いてるだろうから、ソレに入って今日は大人しく寝ろよ。明日も仕事はあるんだから」

龍驤「そうやな……取り敢えずお風呂頂いて来るわ…………」ちら

提督「どうした?」


龍驤「なんなら一緒に入浴す(はい)るか?」


提督「入るか!!」

龍驤「あははジョーダンや冗談。じゃあお先に」


提督「ああ。ゆっくり休んでくれよ」



 



――――


提督執務室。


提督「――――――で…なんでまたここに居るんだ?」

龍驤「しょーがないやんか?ウチのおこた、ここに置いたままなんやから」

提督「まったく…風呂入ってすぐ寝ればいいのに」

龍驤「そーいうアンタやって、しっかりおこたに入って寛いどるやないか?」

提督「まぁ…もう少し起きていたくてな」

龍驤「ウチもや……もう少しココで、おこたに入って…あったかいお茶を啜りながら、アンタと一緒に居たいと思って―――――」

提督「龍驤……それって―――――」

龍驤「!!////////」はっ

龍驤「かっ勘違いするんやないで!?ただウチはちょっと寝付けなくて、誰でもいいから話し相手が欲しかっただけやから//////////」かぁぁ

提督「そうか。まぁそうだよな」ずず…

龍驤「そうやで……」



龍驤(…………やっぱアンタはちょっとだけ、鈍感なおバカさんや……)



 



―――――


龍驤「なぁ提督――――」

提督「………………」


龍驤「ん?」

提督「………………」すぅ…


龍驤「―――――提督?ああ、寝てしもうたんか。今日は色々あって疲れてたんやな。でもこんなところで寝たら、それこそ風邪ひいてまうよ?」

龍驤「――――とは言っても、寝室まで運ぶ訳にもいかへんしな……」

すくっ

もぞもぞ…


龍驤「…………まっしょうがないな///////」ドキドキ…
ごそごそ…



龍驤「今日のところはウチが一緒に添い寝して温めといたるわ…………きょっ…今日だけやからな?今日だけのトクベツやからな―――――//////////」


 
 



提督「…………………」すぅすぅ…


龍驤「ふふ…まったく…普段はあんななのに…寝顔は素直なもんやな……」


龍驤(……………………)

龍驤(ちょっ…ちょっとだけなら――――――////////////)どきどき…
ぎゅ…

龍驤(えへへ…ぬくいなぁ…………/////////////////)ほゎゎ…


龍驤(でも……いつまでもずっとこうしていられるなんて事は…………ないんやろな……)

龍驤(提督は…ああは言ってくれたけど……いつの日か…この人が出世して…もっと偉くなって、ウチが秘書艦でなくなったら…………)


龍驤(その時はウチはもう…アンタの一番近くには、おられへんくなってしまうのかな―――――)



龍驤(そんな事ないって信じとるのに……アンタがそんな人やないって判ってるのに…それでもウチは時々不安になるんや…………だから――――)



  



龍驤「…………………/////////////」すっ


ちゅっ…



龍驤「………………そんなん嫌やから、ずっとアンタの近くに居させて貰える様に…特別にキスで先約や……その…唇やのうて…
おでこやけど/////////////」かぁぁ



龍驤(ウチは何があっても、ずっとずっとアンタに付いていくから――――――)


龍驤(だから提督――――――)


龍驤(提督…ウチを…ウチをずっとアンタの――――――)


――――
―――
――



 




翌朝。


提督執務室


龍驤「―――――――――」すぅすぅ…

龍驤「て…ていとk――――――――」すぅ――――
はっ

龍驤「――――――――!!」がばっ!!


龍驤(い…いつの間にか、寝てしもうてた―――――)

龍驤(提督は……………)ちら

龍驤(おらん――――――という事は当然…もう起きとる……)


龍驤「いかん!ウチとしたことが、つい寝過ごしてしもうたーーーー!!」がびーん



龍驤(ん?あれ…そう言えば炬燵で寝てしまった時の、あの独特の悪寒みたいのがないな……)

龍驤(あっ!?いつの間にか、ウチの肩に毛布が掛けられとる……)

龍驤(提督が…掛けてくれたんか?ウチが風邪をひかない様に―――――)



龍驤(提督――――――――――)ぎゅっ



 



―――



提督「―――――お早よう龍驤。お目覚めのところ申し訳ないが、もう始業の時間は過ぎてるぞ?」



―――


龍驤(提督はもう起きとるどころか、とっくに執務しとる!!)

龍驤「すっすぐ準備してくるから!そのゴメンやで―――――――」ばっ



龍驤「失礼します!」

龍驤(あと……………ありがとな提督……)


ばたん。



 



――――――


提督執務室前


きゅっ
龍驤(よし――――――)
ぐっ…

コンコン…
がちゃ…


びしっ!
龍驤「おはようございます!艦隊秘書艦の龍驤です。本日も宜しくお願い致します!!」


提督「おはよう。おお…いつもに増して気合入ってるな。よしっ今日も宜しく頼むぞ龍驤」


龍驤「はい!!」
びしっ!!




龍驤「―――――てな訳で今日もあんじょうよろしく頼むで。提督」にこ



おしまい。



 

ちゃおっぽい

乙、こういうのめっちゃ好きっす
良い子はコタツで寝ちゃイカンよ!

これでおしまいです。
昔どっかで聞いたスレタイのセリフを書きたくて書きました。
ありがとうございました。

それでは。

おつ

締め方いい

ごっつええわ…

スレタイからもっと不穏な話になるかと思った

いや二人が結ばれるまでの話も読みたいです

ベテランなロリのおねーさんいいよね……

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