前川みく「お水の入ったペットボトル」 (27)
PC『にゃー。 にゃー』
比奈「はあぁぁぁ……! ぬこ…、いいっスねぇ……!」
比奈「こう、肉球をプニプニして、お腹をモフって、顎をぐるぐるぐる…、って……」
千枝「あ……。比奈さん、何を見ているんですか?」
比奈「ぬこっスよ! もうたまらんもんスよ!」
千枝「ぬこ? ……あ、猫! あぁ…、可愛いです……!」
比奈「千枝ちゃんもぬこ好きっス?」
千枝「はい! 飼ってみたいんですけど……」
比奈「アタシも飼いたいんスけど、色々と、ねぇ……」
千枝「はあ……」
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千枝「あとお母さんが、野良猫がお庭をトイレにしちゃうから嫌だって言ってて……」
比奈「うぐっ…、確かに野良ちゃんは手にあまるけど……」
千枝「あと、お庭の木で爪研ぎしたり、ゴミ袋とか漁っちゃったりして……」
比奈「まずそのあたりの対策をしないと、お迎えは遠い道のりっスね……」
千枝「なんとかならないかなぁ……」
比奈「うーん……。あっ! そうだ!」
千枝「何か思い浮かびましたか?」
比奈「野良ちゃん対策にバッチリな、かつてより伝わる秘伝のアイテムがあるんスよぉ!」
千枝「わぁ…! なんだかかっこいい……!」
比奈「早速事務所で試してみるっスよ!」
千枝「はい! ……あれ? 事務所で、ですか?」
比奈「事務所で!」
千枝「えーっと……。う、うん! はいっ!」
忘れてた、キャラ崩壊注意です。
ーーーーーーーー………
みく「たっだいまー。お仕事疲れたにゃぁー……」
比奈「あ、みくにゃんおかえりっスよ!」
千枝「お帰りなさい、みくさん!」
みく「おー? お出迎え? どったの? あと、そのペットボトル……」
比奈「そぉい!!」
ダァンッ!
みく「ヒッ」
千枝「でりあや!!」
ダァンッ!
みく「ちょっ! なんでみくの周りに水入りペットボトル設置していくのー!?」
比奈「トゥ!!」
ダァンッ!!
千枝「ヘアァァァァ!!」
ダァンッ!!
みく「あっ! 四方を塞がれた!?」
比奈「ふぅ……、これで完璧なはずっスよ!」
千枝「やりましたね!」
みく「ちょ、ちょと! 説明してにゃあ!」
比奈「千枝ちゃんの家でぬこが飼えるかどうかがかかってるんスよぉ!」
千枝「これでもう身動き取れませんね!」
みく「いや、跨いで出るけど……」
千枝「えっ…。ふえぇ……」
みく「とおぉもったけど! や、やっぱり水が怖くて跨げないのにゃあ!」
千枝「わぁ……!」
比奈「…………!」グッ!
千枝「…………!」グッ!
みく「なにその友情」
比奈「……かくかくしかじかと言う訳で」
みく「いや、その結果がペットボトルの包囲陣っておかしいにゃあ」
千枝「猫は水が嫌いだから、水の入ったペットボトルが怖いんですよね!」
みく「え、いや…、うん……」
みく(ただ単に水が怖いんじゃなくて、よく分からない置物を警戒してるだけにゃあ……)
比奈「しかし、本場のぬこドルをキャプチャー出来たんスから、次も大丈夫っスね!」
千枝「はい! さあ、次は誰が来るかなぁ……!」
みく「え、まだやるの?」
比奈「トーゼン! この方法で確実にぬこの息の根を止めてやるっス!」
みく「物騒になってるにゃあ!」
コンコン
千枝「あ! 誰か来ましたね!」
春菜「おはようございまーす」
比奈「来たっ! くそダサぬこTシャツっスよ! 千枝ちゃん!」
みく「くそダサ猫ワンピースの癖によく言ったにゃあ!?」
千枝「一撃で仕留めます!!」シュバッ!
春菜「へ、えっ? な、なんですか!?」
千枝「チェスタァァアア!!!」
ドスッ!
春菜「ふぐごぉっ!?」
みく(うわっ、ペットボトルの蓋の方が鳩尾に……)
春菜「ガハッ…! な、なん……」
春菜「で……」ガクッ
みく(そりゃその言葉しかでないにゃあ……)
比奈「初期勢の中の第2のぬこドル、春菜ちゃん撃破っスよ!」
千枝「千枝、これでお庭で粗相をしちゃう猫を躾できますね!」
比奈「メガネを狙わなかったのはいい判断っスよ。もしアレを狙っていればこの場にいる3人の首が飛んでたっス」
みく「みくまで巻き込まれるの!?」
比奈「さ、アタシは春菜ちゃんを仮眠室まで運んで来るんで、任せたっスよ」
春菜「…………」
みく「え? みくが教えるの?」
千枝「千枝、もっと猫の事詳しくなりたいです!」
みく「そんなトドメの刺し方覚えてもにゃあ……」
千枝「準備よし! 誰が来るかなぁ……!」
みく(い、イカンのにゃあ…! このままでは千枝ちゃんがとんでもないキリングマシーンになってしまうのにゃあ……!)
みく「ち、千枝ちゃん! 今度は優しく、ゆっくり、可愛いネコちゃんをナデナデしてあげるー、って! 優しい気持ちで! ね!?」
千枝「優しい気持ち……? あっ! 苦しむ時間をも与えないって事ですね! はいっ!」
みく「はいっ! じゃないにゃ!?」
コンコン
千枝「あ、来ました!」
みく「千枝ちゃん! 深呼吸! 優しく、優しくーー!!」
アナスタシア「あー、ドーブルゥァエ ウゥートンルゥア。おはよう、ですね」
千枝「優しく、優しく……。アーニャさん、おはようございます!」
アナスタシア「千枝、おはよう。あー……、そのペットボトルは?」
千枝「はい、プレゼントです!」
アナスタシア「わぁ…! スパスィーバ! えっと……、これは、ヴァダー?」
千枝「アーニャさん、あと、しゃがんでもらえますか?」
アナスタシア「ダー?」
千枝「えへへ……」ナデナデ
アナスタシア「ナデナデ、ですね。 ヴィ オーツィン ドーブルゥゥァ。千枝はとても、優しいです」
みく「ほっ……。あ! アーニャちゃん、あとアレをやるにゃ!」
アナスタシア「アレ? ……ダー!」
アナスタシア「えー、こほん。あー…、にゃー……?」
千枝「わあっ!猫です! 真っ白な毛並みの!」
アナスタシア「ふふっ、喜んでいただけて何よりです」
アナスタシア「では、ちょっとキュートーシツに行ってきますね。あー……、覗いちゃダメです」
みく「プリンでも隠すのかにゃ? でも、千枝ちゃんやればできるにゃあ」
千枝「野良の猫も全部粗相するわけじゃあありませんもんね!」
みく「春菜ちゃん完全にやられ損にゃあ……」
みく「……さて、アーニャちゃんは給湯室で何やってるのにゃあ? ぐぐぐ…! この包囲陣からはみ出さずに覗くのはキツい……!」
アナスタシア「ったく、んなもんいらねーっつの……」ダバダバダバダバ
みく「ヒッ」
千枝「千枝、アーニャさんと仲良くなれた気がします……!」
みく「あ、うん…。そうだね……。そう……」
みく(黒っ)
比奈「どうだったスか? 上手く行ったっス?」
千枝「はい! もうどんな猫も大丈夫です!」
比奈「フフフ…。油断してる時が危ないんスよねぇ……」
比奈「そろそろ大物が来そうな予感なんで、いっちょ手本を見せてやるっス」
みく「で、そのダンボール箱は?」
比奈「2リットルペットボトルが6つ…。かなりキツいっスよ……」
千枝「つ、次の相手は……」
比奈「ふふっ、何も庭に入り込むのは猫に限った話じゃないって事っスよ」
コンコン
比奈「お、来たきた。んじゃ、見ててくださいよ」
菜々「おはようございまーす! ナナ、今日も1日頑張るゾイ! なんちって☆」
比奈「あ、ナナちゃんちょうどいいところに、これ持って貰っていいスか?」
菜々「ええ、いいですよ。渡してくださーい」
比奈「ちょっと重いんで気をつけてくださいね! っと……」
菜々「へ?」ズシッ
ベキッ!
菜々「かきゃっ!?」
みく「逝った! 腰逝った音したよ今ァ!!」
比奈「いいっすか、千枝ちゃん。これが庭の花や畑の野菜を掘り起こし、それを囓るウサギの駆除方法っスよ」
千枝「わあっ……! 参考になります!」
みく「なっちゃうのかぁ……」
菜々「きゅ…。きゅきゅしゃ……! よんで……!」
ーーーーーーーーー…………
P「マジ勘弁してくれよ…。普段から菜々さんに無理させるなってあれ程……」
比奈「すいませんス……」
P「結構大事な会議中だったのに…。けど付き添わない訳には行かないし……」
千枝「ごめんなさい……」
P「とりあえずちひろさんも菜々さんの荷造りしてくれてるから、留守番しといてな……」
菜々「あ、あが…、あが……」
P「すいません、お願いします」
救急隊員「じゃあエンジンかけますねー」
菜々「いだいいだい! エンジンの振動がぁ……!」
ブロロロロロロ……
みく「…………」
春菜「」
みく(なんで水の入ったペットボトルでここまで大惨事になるんだろう……)
比奈「いやぁ…、怒られちゃったっスね……」
千枝「目的を見失ってました……」
みく「もう当初の目的が思い出せないにゃあ」
比奈「はぁ…、やっぱりぬこは当分我慢するしかないっスねぇ……」
みく「ま、今度みんなで猫カフェ行こうにゃ」
千枝「わあっ! 猫カフェ……!」
ガチャッ
のあ「いいわね…、猫カフェ……」
みく「のわっ!? のあにゃん神出鬼没にゃあ!」
のあ「おはよう。……みく」
みく「にゃ……。なんにゃ」
のあ「その四方に置かれたペットボトルは……?」
みく「察して欲しいにゃ……」
のあ「…………?」
比奈「あ、千枝ちゃん。せっかくだから最後にこれを……」
千枝「お、重たっ……」
のあ「…………」
千枝「うんしょ…、うんしょ……。あの、前失礼しますね……」
ゴトッ…
のあ「…………」
みく(のあにゃんもにゃんにゃんにゃんの一員にゃ。みくがここで手本を見せている以上、のあにゃんもしっかりリアクションを……)
のあ「…………」スッ
千枝「あ、取っちゃった……」
のあ「…………」カシュッ
比奈「開けちゃうんスか?」
みく「えー……」
のあ「んっ、んっ……」ゴクッ ゴクッ
千枝「飲んじゃった!?」
のあ「んっ…、んっ、んっ……」ゴクッ ゴクッ !
みく「ちょっ! ペース早!」
のあ「んっ! んっ! ん……」ゴクッ ゴクッ !
のあ「ッぷはぁ……」
比奈「えー…、2リットルを息継ぎ無しの一気飲み……」
のあ「美味しかったわ。さすが水素水は一味違うわね」
みく「いや、それ水道水だから」
のあ「……そう」
のあ「じゃあ、ね……」
比奈「……すごいっスね、ウチのアイドルは」
千枝「はい、尊敬しちゃいますね……」
みく「2人も十分ヤバイにゃ。主に発想が」
比奈「さて、片付けしまスか」
千枝「はい」
みく「あー…、やっと解放されたー……。ようやく着替えられるにゃあ」
みく「もー…、2人はネコちゃんの気持ちが全然理解出来て無いにゃあ……!」
みく「おっとと、更衣室は土足厳禁っと」
みく「さてと……」
グサグサグサッ!
みく「いっ!?」
< ったいにゃああぁぁぁぁぁーーッ!!?
千枝「あ、かかったみたいです」
比奈「ああ、あのブロック塀の上とかにある猫除けのトゲトゲ」
千枝「やっぱりあれが一番ですよね!」
比奈「やっぱり躾は痛みを伴うものが1番って言うのは本当なんスねぇ」
みく「ちょっとおぉぉぉ!! 暗がりにあんなの奥の普通に危ないにゃあ!」
比奈「ま、まあ、猫除けグッズの良し悪しがわかったので良しということに……」
みく「むうぅぅー! ネコちゃんナメると痛い目みるにゃあ!! うにゃにゃにゃああぁぁぁ!!!」
比奈「ひゃわっ!?」
千枝「ご、ごめんなさーい!」
みく「絶対許さんのにゃああぁぁぁぁ!!!」
完っ!
春菜ちゃんと菜々さんごめんなさい。
あと春菜ちゃんPと菜々さんPの方々もごめんなさい。
家の近所に10年以上放置された水入りペットボトルに引っかかって転んだ瞬間にネタが浮かびました。
あれは光の乱反射が~とか猫は水を怖がるし~とかあるけど………実際どうなの?
猫「昨日まで無かったのになんかへんなの置いてあるにゃ!? 近づかんとこ!」
ー 数日後 ー
猫「無害やんけ。警戒して損したわ」
こんな感じ。
カラス避けのCDプラプラもこんな感じになるらしい。
乙です。
根本的に自分に害があるかないかを判断するまでだからなぁあの手のは。
それとあの塀の上とかに付ける猫除けのトゲだけど、その上を普通に歩く猫を見たことがあるぞ、物によっては効き目無しって事だな。
ペットボトル殴り倒して中の水をピチャピチャ飲む野良猫とかいるしな
水入りペットボトルで悪の教典思い出した
意外と「駄目だよ」って言い聞かせると理解するんだよな、猫って
乙
ダークネス・アーニャか…
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