ひよこ鑑定士「頼み?」
グリフォン「実は……オレをひよこと鑑定して欲しいんだ」
ひよこ鑑定士「ハァ?」
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グリフォン「頼むっ!」
ひよこ鑑定士「ちょ、ちょっと待ってくれ」
ひよこ鑑定士「いきなりそんなこと言われても困る。ちゃんと事情を説明してくれないか」
グリフォン「す、すまん、実は――」
グリフォン「オレは魔王軍に所属してるんだが……」
ひよこ鑑定士「まあ、魔族だしな」
グリフォン「もう……辞めたいんだ」
ひよこ鑑定士「どうして?」
グリフォン「半ば騙される形で徴兵されて、毎日毎日厳しくしごかれて……」
グリフォン「いざ戦争になったら、どうせオレみたいな落ちこぼれは最前線に立たされるに決まってる!」
グリフォン「もう一度故郷の土を踏む前に死ぬなんて……そんなの嫌だ!」
グリフォン「で、思い切って上官の魔族に相談してみたら――」
上官『辞めたい? バカなことを抜かすな!』
上官『お前が“ひよこ”なら考えてやらんこともないがな。ハッハッハ!』
グリフォン「こう言われて……」
ひよこ鑑定士「……」
グリフォン「な、頼むよ!」
ひよこ鑑定士「ダメに決まってんだろ!」
グリフォン「ええっ!? どうして!?」
ひよこ鑑定士「オレはこの仕事に誇りを持っている」
ひよこ鑑定士「いくら鳥っぽいからって、どう見ても成獣で、しかもニワトリですらない者をひよこと鑑定できるか!」
ひよこ鑑定士「ていうか、そもそもオレの仕事ってひよこのオスメスを判別することだしな!」
グリフォン「そこをなんとか!」
ひよこ鑑定士「ダメだ!」
ひよこ鑑定士「この商売は信頼が命なんだ!」
ひよこ鑑定士「お前なんかをひよこと鑑定したと世間に知られたら、商売できなくなる!」
グリフォン「……」
グリフォン「うっ、うっ、お袋、ごめんよぉ……」
グリフォン「幼馴染にももう一度会いたかった……」
ひよこ鑑定士「泣いたってダメだ! とっとと去れ!」
グリフォン「……分かりました」グスッ
グリフォン「無理言って、すみませんでした……」ザッザッ…
ひよこ鑑定士「……」
ひよこ鑑定士「――待ちな」
グリフォン「!」ピタッ
ひよこ鑑定士「……」サササッ
ひよこ鑑定士「持ってけドロボー」ポイッ
グリフォン「こ、これは……!」
メダロットかと思った
『このグリフォンは間違いなくひよこです Byひよこ鑑定士』
グリフォン「鑑定士さん……!」
ひよこ鑑定士「ったく、泣かれたまま去られても後味悪いしな」
ひよこ鑑定士「さ、それ持ってとっとと軍に戻れ! あとはお前次第だ!」
グリフォン「あ……ありがとうございますっ……!」
それからしばらくして――
ひよこ鑑定士(あのグリフォン……どうしてやがるかな……)
ひよこ鑑定士(あんな鑑定書ひとつで軍を辞められるとも思えないが……気になる……)
妻「あなた~!」
ひよこ鑑定士「ん?」
妻「グリフォンさんって人から手紙が来てるわよ」
ひよこ鑑定士「!」
ひよこ鑑定士「見せてくれっ!」
妻「はいこれ」
ひよこ鑑定士「……」ガサガサ…
~
ひよこ鑑定士さんへ
あなたが作ってくれた鑑定書のおかげで、私は魔王軍を辞めることができました。
今は故郷に戻って穏やかに暮らしています。
幼馴染と結婚し、子供が産まれましたので、写真を同封します。
本当にありがとうございました。
~
ひよこ鑑定士「……」
ひよこ鑑定士「フッ、父親に似ずなかなかいいひよこじゃねえか」
~ おわり ~
ひよこ鑑定士に認定受けたグリフォンが祭りの露店で子供に買われて、ひよこと思い込んだ子供と偽るグリフォンのハートフルSSはよ
これどこが笑えるの?
乙
雰囲気がなんだか好き
ひよこ鑑定士「うーん、これはグリフォン!w」
乙
流石ひよこ鑑定士さんだぜ!
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