貴音「るぅる無用のアイドルですまっち」 (87)
貴音「……とは一体、何なのでしょうか?」
P「え?」
貴音「るぅる無用のアイドルですまっち、です。
この度の新曲の一部にそのような歌詞があり……
それも、私のそろぱぁとなのです」
P「あぁ、なるほど歌詞か。いきなり何かと思ったよ。
つまり、収録にあたって歌詞の意味を理解しておきたいってことなんだな?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1471345314
貴音「はい。やはり歌う以上はしっかりと理解しておかねばならないかと」
P「まぁ確かにその通りだな」
貴音「一応、亜美や真美に聞いてはみたのです。
しかし、何やら剣呑な雰囲気というのは分かるのですが今ひとつ理解が及ばず……」
P「あー、まぁ亜美真美じゃあなぁ。
いや、あいつらでなくともなかなか説明は難しいかもな……」
貴音「それで、その、プロデューサーのお手を煩わせて申し訳ないのですが……。
どうか、るぅる無用のアイドルですまっちについて教えていただけないでしょうか?」
P「……」
貴音「……あの、プロデューサー?」
P「そうか、ついにこの時が来てしまったか……」
貴音「えっ?」
P「いつか来るとは思っていたが、どうやら今がその時のようだ」
貴音「プロデューサー……?」
P「いいか貴音、よく聞くんだ。歌詞の意味を理解してもらうため……
お前に、ルール無用のアイドルデスマッチに出場してもらう!!」
貴音「!? なんと……!」
・
・
・
小鳥『というわけで今年も始まりました!
第765回、ルール無用のアイドルデスマッチ!
実況は私、音無小鳥! 解説はプロデューサーさんでお送りします!』
P『765プロのアイドル達がトップアイドルを目指してガチンコ勝負。
一切の反則は無し……ルールはただ一つ、『勝つこと』のみ!』
小鳥『エントリー数は13! トーナメント方式です!』
P『つまり少なくとも3回、多ければ4回勝たなくては優勝できないということですね』
貴音「……」
響「貴音? どうかしたのか?」
貴音「いえ……皆は知っていたのですか?
この『るぅる無用のアイドルですまっち』が、毎年開催されているということを……」
春香「えーっと、はい。一応そういうのがあるっていうことくらいは。
私もあんまり詳しいことは知りませんでしたけど」
伊織「アイドルになろうってんなら名前くらいは知ってて当然じゃない?」
貴音「そ、そうなのですか……」
律子「いえ、知ってて当然っていうのはちょっと大げさね。
このデスマッチは完全なアンダーグラウンド……。
会場の観客はゼロ。ごく一部の重鎮にのみ中継される、
決して表に出ることのない芸能界の闇とも言える部分だから」
貴音「そ、それはなんとも面妖な……」
あずさ「あらあら~。貴音ちゃん、もしかして緊張してるの?」
千早「それも仕方のないことなのかも知れません。
ここでの優勝は即ち、トップアイドルへと直結することになるのですから」
貴音「……トップアイドルに直結、ですか」
雪歩「大丈夫ですよ四条さん! わ、私も緊張してますけど……。
ルール無用ゆえに戦いは公平ですぅ!
お互いに正々堂々戦って、トップアイドルを目指すんですぅ!」
貴音「雪歩……。そう、ですね。
突然の展開に少々面食らってしまいましたが……
これもトップアイドルになるという使命を果たすため。
皆とは共に歩む仲間であると同時に好敵手。
不肖私、この四条貴音……全力をもって挑ませていただきます!」
真「へへっ、そうこなくっちゃ!」
小鳥『さぁそれでは早速始まります! まずは一回戦第一試合!
組み合わせは――』
・
・
・
美希「――あはっ☆ 貴音よろしくなの」
小鳥『一回戦第一試合は美希選手vs貴音選手です!
さあ両者リングに上がりました!』
P『両者の表情は対照的ですね。
気合いが入っているのか少々険しい表情を浮かべている貴音選手に比べ、
美希選手はいつも通りといった様子です』
貴音「美希……。まさか貴女とこのような形で争うことになろうとは、
考えたこともありませんでした」
スマホだと読みにくいから台詞は改行無しで続けて欲しいかな
美希「んー、そだね。ミキもちょっとびっくりって感じ」
貴音「しかし私、既に覚悟を決めました。トップアイドルになるため……
このるぅる無用のアイドルですまっちにて、貴女を倒します!」
美希「わあ、貴音ってばすごいの。なんかミキまでやる気出てきたかも」
P『ほう、美希がやる気を見せようとしていますね。これは面白くなりそうです』
小鳥『まもなくゴングが鳴りますが、お互いに準備は万端といったところですね!』
>>9
PC使えば解決
貴音「やる気があるのは真、良きことです。
お互い本気で戦ってこそ、結果にも意味があるというもの。
それでは……いざ!」
カーン!
小鳥『さぁ今ゴングが鳴りました!
どのような戦いが始まるのかーーー!』
美希「じゃあ早速ルール決めよっか!」
貴音「えっ」
小鳥『おーっとここで先手を打ったのは美希選手!
貴音選手思わず固まるーーーー!』
美希「どーなったら勝ちってことにする?
ミキ的には、あんまり疲れるのはヤかな」
貴音「いえ、あの……美希? 貴女は何を……」
P『貴音は困惑していますね。
しかしここで困惑していてはいけません。なにせこの勝負は……』
貴音「この勝負、『るぅる無用』のはずでは……?」
美希「うん、知ってるよ? だから、ルールを決めちゃダメってルールも無いよね?」
貴音「! なんと……!」
P『えぇその通り。ルールを決めるのも決めないのも選手の自由。
文字通りどのような形でも要は”勝てばいい”のです』
小鳥『これこそ”ルール無用のアイドルデスマッチ”の醍醐味とも言えますね!』
貴音「なるほど、確かにその言い分は至極もっとも……。
しかし……美希の自由な発想には真、いつも驚かされますね」
美希「貴音、何かいいアイデアある?
もしなかったミキが決めていい?」
貴音「そうですね……。双方に公平なるぅるであれば、美希が決めて結構ですよ」
美希「あはっ☆ ありがとうなの!
じゃあじゃあ、貴音がミキにおにぎり食べさせてくれる勝負ー! で良いと思うな」
貴音「おにぎり食べさせてくれる勝負、ですか……?」
美希「うん! それでミキがおいしーってなったら貴音の勝ちでいいよ」
貴音「しかし、ここには米も具材もありませんが……」
美希「だったら今から取ってくればいいの。
外に出ちゃダメってルールも無いんだし、時間制限もないからヘーキなの!」
貴音「! ……確かに、その通りです。
では美希、少々お待ちください。今準備して参ります!」
美希「うん! いってらっしゃーい」
小鳥『おっと早速貴音選手、リングを飛び出しそのまま会場の外へ走り去りました!』
P『というわけでしばらくこのまま待ちましょうか』
・
・
・
しばらく後
小鳥『さぁ戻ってきた貴音選手、リングの上で米を炊き、
そのままなんやかんやして見事おにぎりを作り上げました!』
P『炊飯器ではなく飯盒炊爨でしたからね。これは期待できそうです』
貴音「大変お待たせいたしました。どうぞ召し上がってください」
美希「わーい、美味しそうなの! いただきまーす!」
小鳥『美希選手、お皿からおにぎりを手に取り……今! 口に運んだーーーー!』
美希「ん~♪ おにぎりおいしーの!」
貴音「! 今、『美味しい』と? ということは……」
美希「うん、貴音の勝ちでいいよ。おめでとーなの!」
カンカンカンカーン!
小鳥『試合終了を告げるゴングが鳴りましたーーー!!
一回戦第一試合、勝者は四条貴音選手ーーーーーっ!!』
・
・
・
美希「お疲れ、貴音! それからおにぎりごちそうさまなの!」
貴音「美希……。喜んでいただけたようで、何よりです」
美希「また今度事務所で作ってね。ミキ、楽しみにしてるから!」
貴音「はい。そう、ですね……」
美希「……? 貴音、どうかしたの? 何か考え事?」
貴音「いえ……。終わったことに今更口を出すというのも
おかしいかも知れませんが……美希?
本当に私の勝ちで良かったのですか?」
美希「? 良かったよ。なんで?」
貴音「私の使った具材は、特にこれと言って変わったものでもなく、
作ったおにぎりもおかかや明太子、梅干しなど、定番のものばかり……。
決して不出来なものを振舞ったつもりはありませんが、
おにぎりを食べ慣れている美希の舌を
本当に唸らせることができたのかどうか、未だに疑問なのです」
貴音「それに、その気になれば美希の意志一つで勝敗を左右できたはず。
私のおにぎりは、勝ちを譲っても構わないというような出来だったのですか?
それともまさか、私のためにわざと……?」
美希「ううん、そんなことないの。ミキ、まずかったらまずいって言うよ。
でも貴音のおにぎり、本当においしかったの!」
貴音「……しかし……」
美希「あ、でももしかしたら、ミキ以外の誰かだったら別にフツーって言ってたかも。
あのおにぎりを食べたのがミキだったから、あんなに美味しかったんだと思うな!」
貴音「『美希だったから』? それはどういう……」
美希「ミキね、大体ぜんぶのおにぎりは美味しいって思うよ。
でも時々本当においしーって思えるおにぎりがあるの。
それはね、誰かがミキのために作ってくれたおにぎりなの」
貴音「! 誰かが、自分のために……」
美希「もし貴音が、勝負に勝ちたい勝ちたいーって思いながら作ってただけだったら、
別にフツーのおにぎりだったって思うな。
でも違ったんだよね? ミキ、それは一口食べただけでわかったよ!」
貴音(……確かに、おにぎりを作っているあの時……。
私は不覚にも一時、勝負のことを忘れていました。
ただ一心に、一人の友人に美味なおにぎりを振る舞いたいという、その想いのみで……)
美希「んー、つまり、貴音のおにぎりはホントにおいしかったよってこと。
だから別に気にしなくていいよ。
次の試合も頑張ってね! ミキ応援してるから!」
貴音「……はい。ありがとうございます。
私は、真……良き友人を持ちました」
美希「? 貴音、今何か言った?」
貴音「ふふっ、なんでもありません。
次もきっと……いえ、必ず勝ちます。ですから、見ていてくださいね」
・
・
・
小鳥『さぁ、あっという間に一回戦がすべて終了しました!』
P『いやー、思いのほか早かったですね』
小鳥『というわけで続いては二回戦第一試合!
ここでは初戦の勝者、つまり貴音ちゃんと、
唯一のシード枠がぶつかることになります!』
P『シードの選手はこれが第一戦になりますからね。
どういう試合展開になるのか、予測がつきません』
小鳥『それでは早速始めましょう! 二回戦第一試合、選手の入場です!』
やよい「うっうー! 貴音さん、よろしくお願いしまーっす!」
貴音「えぇ、よろしくお願いします」
小鳥『厳正なる抽選の結果、シード権を手にしたのはやよい選手でした!
一戦目となりますが、緊張や不安はなさそうです!』
P『美希選手と同じくいつも通り、といった様子ですね。
いや……それはどうやら貴音選手も同じのようです』
貴音「お互いに悔いのない、良き試合としましょう」
やよい「はい! くいのない、よき試合にします!」
やよい「でも、えへへっ……なんだかちょっと安心しちゃいました」
貴音「はて、安心とは?」
やよい「えっと、一回戦が始まる前の貴音さんが
すっごく真剣だったんですけど、でもちょっと怖かったかなーって……。
でも今の貴音さんは、いつもの貴音さんです!
だから私も、いつもみたいに元気にがんばれそうです!」
貴音「……ふふっ、そうですね。しかし手心を加えるつもりはありませんよ?
真剣勝負は真剣勝負ですから」
やよい「あ、はい! もちろんです! てかげんはムヨーです!
二人で一生懸命がんばりましょー!」
カーン!
小鳥『さぁ今ゴングが鳴り、試合開始です!』
P『しかしお互い、動く様子はありませんね。どうやらまた独自にルールを決めるようです』
貴音「今回はどういった勝負にしましょうか?
やよい、何かやりたいことはありますか?」
やよい「えっ、私が決めちゃってもいいんですか?
だったら私、貴音さんと一回これで戦いたいって思ってたことがあるんです!」
貴音「! そうだったのですか」
やよい「それはですねー……」
貴音「もしや『おせろ』、ですか?」
やよい「はわっ! せ、正解ですー! どうしてわかっちゃったんですか!?」
貴音「ふふっ……やよいが最近よく練習していることは私も知っておりますから」
やよい「そうだったんですね! あの、じゃあオセロ勝負、受けてくれますか?」
貴音「えぇ、もちろんです。一回勝負で構いませんね?」
やよい「はいっ! 真剣勝負ですから! 一回勝った方の勝ちです!」
小鳥『どうやら今回のデスマッチ、勝敗はオセロで付けることに決まったようです!』
P『実にやよいらしくていいですね。
しかしこうなると少しやよいが不利かも知れません。
やよいのオセロの実力はそこまで高いわけでもありませんから』
小鳥『そうですね。確かプロデューサーさんもやよいちゃんに勝ったことがありましたよね?』
P『はい。ただそれはもう、しばらく前の話なので……。
もしかすると練習で実力がついているという可能性もなくはないですね』
小鳥『なるほど! でもやよいちゃんの自信満々な表情を見る限り、
その可能性は高いかもしれませんよ』
やよい「貴音さん! 私、今とっても張り切ってます!」
貴音「えぇ、そのようですね」
やよい「私、昔はプロデューサーに負けちゃったこともあります。
でもいっぱい練習して、ちゃんと強くなったんですよ!」
やよい「それを今日は貴音さんや、皆さんに見せてあげるんです!
それに、練習に付き合ってくれた皆さんのためでもありますから!」
貴音「ふふっ、素晴らしき心構えです。
ちなみに、練習には誰が付き合ってくれたのですか?」
やよい「はい! 千早さんと、響さんです!
私のこと、オセロが上手だってたーっくさん褒めてくれました!
だからきっと、すっごく上手になってますよね?」
P&小鳥『あっ……』
やよい「えへへっ、私、負けませんよー!
貴音さんも強そうですけど、勝っちゃいますから!」
・
・
・
やよい「あうぅ~……どうしよう。
そうだ、ここに置いたら……あ、でもそしたら……あうぅ……」
貴音「……」
小鳥『まぁ、なんというか……予想通りでしたね』
P『練習相手の二人はやよいを相手に容赦なく勝てるような奴らじゃないですからね。
少しのことも大げさに褒めたり、わざと取らせてあげたり、甘々だったんでしょう。
練習相手なら律子あたりを選ぶべきでした』
貴音「……やよい? その……」
やよい「はわっ! た、貴音さんごめんなさい~。
も、もうちょっと! もうちょっとだけ待ってください~!」
貴音「いえ、待つのは構わないのですが……。
そこに置くのはいかがですか?」
やよい「えっ? あっ、ホントですー!
貴音さん、ありがとうございます!」パチン
小鳥『おーっと、こ、これはなんと貴音選手、
やよい選手にアドバイスーーーーっ!?』
やよい「えへへっ、貴音さんのアドバイスのおかげで
四つも裏返しちゃいました! やっぱり貴音さんってすごいですね!」
貴音「いえ、それほどでは……」
やよい「って、あれ……? ああっ! これじゃダメですっ!
貴音さん、これは真剣勝負です!
相手を助けるようなことしちゃダメなんですー! 私ちゃんと、自分で頑張りますから!」
貴音「そ、そうですか。では……」パチン
やよい「はわっ!? あうぅ、今度は四つ、裏返されちゃいました……。
どうしよう、どうしよう……」
貴音「あの、やよい……」
やよい「た、貴音さん……。だ、ダメですっ!
私、ちゃんと自分で……!」
貴音「……視野を広く持つことも大切ですよ。
盤面を広く、時にはひっくり返すことも。
自分が相手の立場になって考えてみるというのも、一つの手です」
やよい「? ひっくり返す? 私が、貴音さんの立場に……?
えーっと、っていうことはつまり……」
貴音「……」
やよい「貴音さんの立場、私が貴音さんだったら……あっ!
ここ! ここに置けます!」
P『おお、どうやら活路を見出したみたいですよ』
小鳥『貴音選手のアドバイスが生きましたね!』
やよい「あ……で、でもどうしよう。これも貴音さんのアドバイスのおかげだから……」
貴音「いいえ、違います。その手を見出したのは、あなた自身です。
あなたに力があったから、私の取るに足らぬ助言から道を見つけることができたのです。
ですから自信をお持ちなさい、高槻やよい」
やよい「貴音さん……はい! うっうー! ありがとうございます!」
貴音「!」
小鳥『これは素晴らしい! 素晴らしい笑顔です!
ここで今までで一番のにっこり笑顔が出ました!』
P『貴音に褒められて嬉しかったんでしょう。
あんな顔を見られるならいくらでも褒めてあげたくなりますね』
貴音「……なるほど、これが……。
千早達の味わっていた気持ち……」
やよい「えへへっ、私まだまだ頑張れます!
貴音さんに褒めてもらっちゃいましたから、やる気ターボ全開ですー!」
・
・
・
やよい「あうぅ、負けちゃいましたー」
貴音「気を落とすことはありませんよ、やよい。
貴女はこの戦いの中で、紛れもなく成長したのですから」
やよい「貴音さん……。私、やっぱり貴音さんとオセロできて良かったです!
負けちゃいましたけど、とっても勉強になりました!
それに、とってもとっても楽しかったです!」
貴音「えぇ、私も同じ気持ちです。
真、幸せな時間を過ごすことができました」
貴音「今までの私の勝負事に対する思いに、
この一戦は大きな変化を与えてくれました。
感謝致します、やよい。ぜひまた、私と戦っていただけますか?」
やよい「はい、もちろんです! それじゃあ貴音さん、あれ! お願いします!」
貴音「! えぇ、では……」
やよい「えへへっ、貴音さんと約束のー……ハイ、ターッチ! いえい!」
カンカンカンカーン!
小鳥『というわけで決着ーー! 勝者はやはり貴音選手ーーーーーっ!』
P『結果自体は予測を裏切るものではありませんでしたが、とてもいい試合でしたね。
両者共に楽しそうな、見ているこちらまで幸せになるようでした』
・
・
・
小鳥『さて次はいよいよ準決勝第一試合。
果たして決勝へとコマを進めるのは誰になるのでしょうか!』
P『これも予測がつき辛いですねぇ。
ここまで勝ち進んだアイドル達はみんな戦い方がバラバラです。
相性というのもありますからね』
小鳥『なるほど。ちなみに次の試合ですが、
それぞれ真逆と言っていい戦い方でこれまで勝ち進んできています』
P『相手にルールを決めさせ、そのルール上で戦ってきた貴音選手。
それに対し、”ルール無用”という本来の姿を見事体現する形で上がってきたのが――』
亜美「――んっふっふ~。さぁさぁお姫ちん、準備はよろしいですかな~?」
小鳥『準決勝は、亜美選手vs貴音選手です!』
P『亜美選手の方はやる気十分といった感じですね。
不敵な笑みを浮かべています』
貴音「そう言えば、亜美?
以前るぅる無用のアイドルですまっちについて尋ねた時は
何も言ってはいませんでしたが……。貴女はいつ知ったのですか?
近々るぅる無用のアイドルですまっちが行われるということを……」
亜美「それはもちろん……あの時には既に知っていたのだよ!」
貴音「なんと……!?」
亜美「でも亜美は敢えてそれを伏せていたのだ……。
それがなぜか分かるかね? お姫ちん君」
貴音「それは……」
亜美「もちろん、ナイショにしておくことで準備をさせないためだよ!
そしてお姫ちんはまんまと亜美の策にはまったというわけなのだ!」
小鳥『おっとこれは亜美選手、精神的な揺さぶりをかけていますね!』
P『ゴング前から少しでも優位に立とうという亜美選手の強かさが窺えます』
貴音「つまり、あの時から既に戦いは始まっていた、というわけですね……」
亜美「んっふっふ~。なんてったってルール無用だかんね!
だから今日の亜美は手段を選ばないっぽいよー!」ワキワキ
小鳥『! 亜美選手、両手を何やらワキワキと動かしています!』
亜美「まさかこの亜美をミキミキややよいっちと同じだと思ってはいないだろうね?
亜美はあんなぬるい勝負はしないっぽいよ?」ワキワキ
貴音「それはつまり……?」
亜美「それはつまり……今日の亜美はセクハラ大魔神と化すのだよ!
お姫ちんのお尻ちんとお胸ちんを、
この亜美ズ・ゴッドハンドでわやくちゃにしてやるのだ!」ワキワキ
貴音「なんと……!?」
カーン!
小鳥『さぁここでゴングが鳴りました!』
亜美「んっふっふ~! さぁお姫ちん観念したまへ!
大人しくそのお尻ちんとお胸ちんを差し出せい!」ワキワキ
小鳥『先に動いたのは亜美選手! 対して貴音選手はーー!?』
貴音「……戯れであれば多少のぼでぃたっちは許しましょう。
しかし、勝負となれば話は別です!
そのような不埒な理由で私の体に触れさせるわけにはいきません!」
小鳥『あぁーっと! こ、これはーーーーっ!!
よけています貴音選手! 亜美選手のセクハラをことごとくかわしているーーーーっ!!』
亜美「にゃ、にゃにぃ~~~~っ!?」
P『見事な体捌きですね。これでは触れることすら困難でしょう』
貴音「自らの身を守れずして、導くべき民を守れましょうか……!
私の体は決して安くなどありません!」
亜美「お、おにょれ~~~っ!!
こうなったらもう、あの手を使うしかないっぽいね!!」
貴音「無駄ですよ、亜美。
この先貴女がどのような手を使おうと、私は決してせくはらなど受けません」
亜美「んっふっふ~、それはどうかな……」
小鳥『なんでしょう? 亜美選手が意味深な笑いを浮かべて……』
亜美「ヘイ真美!! きゃもーん!!」
<ガッテン承知の助さん角さん!!
貴音「? 何を……あ、あれは!?」
真美「んっふっふ~! さぁお姫ちん、これが目に入らぬか!!」
あずさ「あ、あら~?」
小鳥『な、なんと! 亜美選手に呼ばれてリングに姿を現したのは真美選手!!
そして体を縛られたあずさ選手だーーーーっ!!』
P『なるほどそう来たか……。やはりと言うか、亜美選手の試合はルール無用感満載ですね』
小鳥『私にもなんとなく分かります! 亜美選手と真美選手の狙い、それは……!』
亜美「さぁお姫ちん!!
あずさお姉ちゃんを返して欲しくば大人しくセクハラされるのだ!!」
貴音「くっ、なんと卑劣な……!」
小鳥『や、やはりそうだった!! 亜美選手、あずさ選手を人質にとることにより、
貴音選手へのセクハラを完遂しようとしているーーーっ!!』
P『もはや勝敗がどうとか関係ない感じですね。
何がなんでも貴音選手にセクハラしたいという意思がうかがえます』
亜美「ゲヒヒヒヒヒ!! ヨダレが出るぜ!!
ほらほらお姫ちん観念したまへ! ゲヒゲヒゲヒ!!」
真美「早く観念しないとあずさお姉ちゃんのわがままボディが
亜美ズ・ガッヘァン(ゴッドハンド)の餌食だぜ~~? ゲヒヒヒヒヒ!!」
貴音「なんということでしょう……。
あの亜美と真美が、ゲヒゲヒなどと下卑た笑いを漏らすとは……!」
亜美「実は一回戦であずさお姉ちゃんは亜美のドクキバにかかったのだよ。
だよねあずさお姉ちゃん? お姫ちんに助けを求めてもえぇんやで?」
あずさ「あ、あの、貴音ちゃん。
もしできたらでいいんだけど、助けてくれないかしら~?
亜美ちゃんの触り方ってとっても恥ずかしくて……」
貴音「っ……! 亜美、あずさを放しなさい!
今ならまだ間に合います! 心を改め、罪を償うのです!」
亜美「おおっとそこまでだよお姫ちん。
それ以上一歩でも亜美に近寄ると……」フニッ
あずさ「あんっ」
貴音「あ、あずさ!!」
亜美「おぉ~っ、やっぱりふかふかだねぇ~~。
えぇのんか? ここがえぇのんか~~~?」フニフニフニ
あずさ「んぅっ、あ、亜美ちゃんやめて~」
P&小鳥『ゴクリ…』
小鳥『はっ……! い、いけない、私としたことがつい目を奪われ……じゃなくて、
亜美選手のあまりの卑劣さに言葉を失ってしまいました!』
P『卑劣ですねこれはけしからん。実にけしからん』
小鳥『しかしこれでは貴音選手打つ手なし!
このまま亜美ちゃんの策略通り、
貴音選手の体は亜美選手のものになってしまうのでしょうか!?』
P『貴音選手までもが亜美選手の餌食に……』
P&小鳥『ゴクリ…』
亜美真美の扱いが露骨にひどい
そしてなんで真美が亜美のバーターみたいな扱いなんだ……
亜美「ゲヒヒヒヒ! たまりませんなぁ!」フニニニニニ
真美「いいぞ亜美! もっとやっちまえ! ほれほれ上から下から! ゲヒヒヒヒヒ!」
あずさ「た、貴音ちゃん助けて~!」
貴音「っ……亜美!! 私はこれ以上の貴女の暴走を許すことはできません!!」
亜美「おっ? ということは、遂に観念したのかね?
ならばそのまま後ろを向いて……」
貴音「このような場で使うつもりはありませんでしたが、致し方ありません!!
あずさの体を辱める暴挙、ここで終わりにさせていただきます!!」
亜美「にゃにをぅ~~~? あくまで反抗するようだねおろかものめ!!
ならば仕方あるまい!! 禁断のセクハラ技、両〇くび後ろから」
貴音「はあっ!!」
亜美「同時こねくrブヘェ!?」ドゴォオオオオン!
真美「ウェッ!?」
あずさ「あ、あら~?」
小鳥『なっ……なんということだーーーーっ!?
触れられてすらいないのに亜美選手の体が吹き飛んだーーーーーっ!?』
真美「あ、亜美! ちっかりするんだ! 亜美!!」
亜美「死~ん……」
貴音「あずさ、今のうちにお逃げなさい!」
あずさ「え、えぇ、わかったわ~。でも今のは一体……」
貴音「合気道です。幼少の頃より鍛錬を積み続けた合気道です」
あずさ「あら~、そうだったの。合気道ってすごいのね~」
真美「お、おにょれ~~~~!! よくも亜美を~~~~!!」
貴音「勝負あり、ですね。真美、亜美を連れて早くここから立ち去るのです。
案ずることはありません。じきに目を覚ますでしょう」
小鳥『ま、まさかの合気道(?)により、亜美選手失神!
これにて準決勝第一試合は、貴音選手の……』
真美「バトンタッチ! 選手交代! 亜美に代わって真美!」
貴音「!」
小鳥『な、なんとここでまさかの選手交代宣言~~~~!!』
小鳥『プロデューサーさん、突然の選手交代ですがこれはもちろん……!?』
P『アリです。ルール無用ですから』
小鳥『やはり! これこそまさしくルール無用のアイドルデスマッチ!
亜美選手と真美選手にはうってつけといったところでしょうか!』
真美「たとえ亜美がやられたとしても、第二第三の真美が現れるのだ!
お姫ちんにセクハラするまでは決して滅びることはない!」
貴音「いいでしょう……。何度でもかかってきなさい。
何度でも受けて立ちましょう!」
真美「ゲヒヒヒヒヒ!! お姫ちん覚悟ぉ~~~~!!」
>>9
まともサイトにアップされたらそこで読んでろ
真美「ぎゃーーーーーー!!」ドゴォオオオオン!
カンカンカンカーン!
小鳥『真美選手、瞬殺ーーーーーっ!! というわけで試合終了ーーーーっ!!』
P『即堕ちニコマみたいなやられ方でしたね。
しかしそれも仕方ないでしょう。貴音の合気道が相手ですから』
貴音「そのまましばらくお眠りなさい。
それにしても……貴女達の勝負への執着は目を見張るものがありました。
その一点のみ、見習わせていただきます」
・
・
・
小鳥『さぁ、長いようであっという間だったアイドルデスマッチ、
次でいよいよ最後の一戦! 決勝戦が始まります!』
P『楽しみですね。この試合もまた白熱すること間違いなしでしょう』
小鳥『ちなみにプロデューサーさんはどちらが勝つと予想されますか?』
P『私としては6:4で貴音選手ですかね。なんせ、彼女には合気道があります。
並みの相手では文字通り手も足も出ないでしょうからね』
小鳥『なるほど! しかし貴音選手がこれから戦う相手は
決して”並み”などではありません! 達人です!
そう……空手の達人と言って差し支えないでしょう!』
真「――へへっ! やっぱり勝ち上がってきたね、貴音!」
貴音「私も、決勝であいまみえることになるのは貴女だと思っておりましたよ」
真「そっか……。それじゃあボクがどういう勝負をしたいかも、もうわかってるんじゃない?」
貴音「えぇ。貴女の求める勝負……それは生物の本能であり、戦いの原点。
つまり体と体のぶつかり合いによる、真剣勝負ですね」
真「へへっ、流石! どちらかが気絶するか、負けを認めるまで戦い続けるんだ!
ただし武器は使っちゃ駄目だよ! 使っていい武器はただ一つ!」
貴音「己の肉体のみ、ということですね」
小鳥『やはりこうなりましたね! そして貴音選手は真選手の申し出を……』
貴音「いいでしょう……その勝負、受けて立ちます!」
真「やーりぃ! そうこなくっちゃ!」
小鳥『受けて立ったーーーー!! そしてこれを合図にぃ~……』
カーン!
小鳥『ゴングが鳴りました! 試合開始ィーーーーーっ!!』
真「でぇえりゃああああッ!!」
貴音「はあっ!!」
小鳥『な、なんと! これはーーー!!』
真「だぁあッ!! ふっ! はぁああッ!!」
小鳥『こ、これは! これはァーーー!?』
貴音「はっ! とおっ! せいっ!!」
小鳥『わっ……分からないィーーー!!
一体何が起きているのか分からないーーーー!!』
P『わからないんですか、小鳥さん。あの二人が何をしているのか……』
小鳥『!? ではプロデューサーさんには見えているんですか!? あの動きが!』
P『未だに二人の間にはクリーンヒットは無いと思われます。
多分、恐ろしくハイレベルな攻防が繰り広げられているのでしょう。
我々常人の目では到底見ることのできないスピードで』
小鳥『……』
P『はい、俺にもさっぱり分かりません。お手上げです』
小鳥『は、果たして勝負の行方はどうなってしまうのかーーー!?』
・
・
・
真「……参ったよ、貴音。ボクの負けだ」
貴音「はあ、はあ……。真、いい勝負でした」
カンカンカンカーン!
小鳥『決着ゥーーーー!! どうやら勝者は貴音選手の模様ォーーーーー!!』
P『目には見えませんでしたが素晴らしい試合だったのでしょう。
二人の表情はとても晴れやかです』
小鳥『汗を流し、笑顔で握手を交わす……まさしく青春の一ページ!
優勝は貴音選手に決定ィーーーーー!!』
ケンイチに迎撃軌道?つうのがあったな…それのパクリか?
マスタークラス(達人級)の二人が戦うと起こる軌道の読み合いだったか
よくこんなもん垂れ流せるな
真「おめでとう、貴音!」
亜美真美「「おめでとうお姫ちん!」」
やよい「おめでとうございますー!」
美希「おめでとうなのー!」
貴音「皆……ありがとうございます。真、感無量です……!」
小鳥『さぁこれからプロデューサーさんの手により、
チャンピオンベルトが貴音選手へと手渡されます!』
伊織「……はぁ。やっと終わりね。色んな意味でヒヤヒヤしたわよ」
律子「亜美と真美はあとで叱っておかなくちゃ。
全力でやれとは言われてたけどアイドルがやっていい言動を遥かに超えてたわ」
春香「そのあとの貴音さんのあれも、
ちょっと公にしたら大騒ぎになっちゃうレベルだったような……」
響「もし本当に中継されてたら、放送事故どころじゃなかったさー」
千早「それにしてもプロデューサーはいつも、本当に突拍子もないことをするわね」
雪歩「だよね……。まさか四条さんにドッキリを仕掛けるだなんて」
律子「思いつきで実行するプロデューサーもプロデューサーだけど、
『ルール無用のアイドルデスマッチ』なんてものを信じるあの子もあの子よ」
伊織「それ言ったらあいつの思いつきに付き合う私たちもどうなのかって話になるでしょ」
律子「……まぁ確かに……」
響「でもなんか悪い気がするぞ。ほら、貴音あんなに嬉しそうにしてるのに、
全部ウソだったなんて知ったら……悲しくなっちゃったりしないかな」
千早「……いいえ、きっと大丈夫。
リアリティを出すために私たちも本気で勝負には望んだ。
『アイドルデスマッチ』自体は嘘でも、試合や勝利まで嘘にはならないはずよ」
千早「だからきっとあの優勝も、きちんと価値のあるものだと……私はそう思ってる」
伊織「そうね。まぁ……万が一あの子が悲しそうな顔をしたらその時は全員で謝りましょう」
春香「そうならなかったらいいけど……」
雪歩「! 来た、プロデューサー!」
響「ピヨ子も一緒だね。……っていうか本当にチャンピオンベルト作ったんだ」
千早「……音無さんが背中に隠してるのはもしかして……」
律子「『ドッキリ大成功』のプラカードね。古典的というかベタというか……」
P「……おめでとう、貴音。お前ならきっとやってくれると思ってたよ」
貴音「プロデューサー……ありがとうございます」
P「ほら、小鳥さんからも何か言ってやってください!」
小鳥「えっ? あ、はい! お、おめでとう貴音ちゃん! え、えーっと……」
P(ちょっとちょっと、ダメですよ小鳥さん。もっと自然に!
さっきまであんなりノリノリだったじゃないですか!
ここにドッキリの成否がかかってるんですから頑張ってください!)
小鳥(あ、あれでもいっぱいいっぱいだったんですよぉ!
大体、恥ずかしいから遠慮しますって言ったのにプロデューサーさんがどうしてもって……)
貴音「あの、小鳥嬢? どうかなさいましたか?」
小鳥「はえっ!? う、ううん、なんでもないのよ!」
小鳥「ただちょっと、優勝者を前にしてあがっちゃったみたいで! あはははっ!」
貴音「まあ……。そのようなこと、どうかお気になさらず。
『あいどるですまっち』で優勝しようと、私は私ですから」
小鳥「そ、そうよね! と、とにかくおめでとう貴音ちゃん! 私も嬉しいわ!」
P「ルール無用のアイドルデスマッチ……お前が優勝者だ!
このチャンピオンベルトもお前のものだ!」
貴音「なんと、このような立派なものを……!」
P「おっと、喜ぶのはまだ早いぞ! 実は貴音にもう一つプレゼントがあるんだ!」
P(小鳥さん、今です!)
小鳥(は、はい!)
P「テッテレーーーン!! ドッキ」
貴音「う、うぅっ、ぐすっ……」
P「リ大成功……え!?」
小鳥「た、貴音ちゃん!? ど、どうしたの!?」
貴音「も、申し訳ございません。つい嬉しさのあまり堪えきれず……。
真、プロデューサーにはなんとお礼を申し上げれば良いか……」
P「え……? な、何? お礼?」
貴音「薄々、気付いておりました……。プロデューサーが私を、
この『るぅる無用のあいどるですまっち』に参加させた、その真意に……」
P「し、しんい……?」
貴音「私は自らの使命のため、ただただトップアイドルを目指し、日々邁進しておりました……。
しかしプロデューサーはそんな私に足りぬものに気付いていらっしゃったのですね。
そしてそれを私に気付かせるために、
『あいどるですまっち』への参加を促してくださったのですね……」
P「……えーっと……」
貴音「この度、私はプロデューサーと仲間達のおかげで、多くのことを学ぶことができました。
美希からは、想いやりの大切さと、その想いはきっと届くということを。
やよいからは、勝負を楽しみ、互いの成長を喜び合うという姿勢を。
亜美と真美からは、譲れぬ勝負への執着心という強い意志を。
そして真からは、全身全霊でぶつかり合う熱き戦いの素晴らしさを」
P「あ、あぁ……うん……」
貴音「これらはどれも、今までの私には足りなかったもの……。
足りていたと思っていても、不十分だったもの……。
しかし彼女たちとの戦いを通し、それらを学ぶことができました。
ですからプロデューサー。私は、あなた様に感謝してもしきれないのです」
P「いや別にそんな」
貴音「約束いたします、あなた様。私は必ずや、アイドル界の頂点に立つと。
あなた様から学ばせていただいたことを決して無駄にはせぬことを、
ここに誓わせていただきます……!」
P「……そうか、俺も嬉しいぞ貴音! 俺の気持ちを分かってくれたんだな!」
小鳥「えっ!?」
小鳥「あの、ちょっとプロデューサーさん?」
P「すまなかったな、こんな回りくどい手を使って。
でも俺が簡単に教えてしまうんじゃなくて、自分で気付いて欲しかったんだ……」
貴音「えぇ、わかっております。あなた様……」
P「貴音……」
貴音「あ……ところでつかぬことを伺いますが、
先ほど仰っていた『もう一つのプレゼント』とは?」
P「えっ」
貴音「もしや、先ほどから小鳥嬢が後ろ手に持っているものと関係が?
何やら『ドッキ』という文字が見えましたが……」
小鳥「あー、えっと、実はね貴音ちゃ」
P「轟亜アアアアッ!!」ドカッ!
小鳥「アーーーーッ!! プッ、プラカードがッ!!」
P「とりゃアアアッ!! ちイイイッッ!!」バリバリバリ! ガガガガ!
P「ケイイイイッッ!! ムンッ!! ちェリアッ!!」ゴバッ グバアッ ガガガガ
小鳥「きッ、消えたァーーー! 眼の前にあったドッキリのプラカードが
なッ……なくなってしまいましたァッ!!」
貴音「あ、あなた様……? 今のは一体……」
P「なんでもないよ。ちょっとしたパフォーマンスさ」
貴音「あの、先ほど小鳥嬢が『ドッキリ』……
と仰っていたように聞こえたのですが、それはどういう……?」
P「違うよ。『ド突き』と言ったんだよ小鳥さんは。
さっき貴音が見た文字も、『ドッキ』じゃなくて『ドツキ』だったんだよ」
貴音「ど突き……?」
P「つまり貴音! 最後のプレゼントは『ド突き合い』ということだ!!」
一同(えぇー……)
P「俺とのド突き合いに勝って初めて優勝者と言える!!
喜ぶのはまだ早いと言ったのはそういう意味だッ!!」
貴音「なんと……!」
P「さぁ来い貴音! お前がそのチャンピオンベルトを巻くのに相応しいか、
この俺が直々に確かめてやる! ばっちこいオラァ!!」
貴音「……わかりました。これは試練、ということですね。
敬愛するあなた様を『ド突き合い』にて倒すことで
どのような試練にも決して負け得ぬ精神力を手に入れる……。
それがあなた様からの最後の試練ということであれば、
私は……全力にて乗り越えてみせましょう! いざ!!」
P(――そうして俺を一撃で屠った貴音は見事、
新曲『ザ・ライブ革命でSHOW!』を歌い上げた。
そしてこの曲の貴音パートは聞いたもの全ての心を魅了し、
誰よりも早くトップアイドルの座に登りつめたことは言うまでもない)
おしまい
付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ様でした。
お姫ちんを持ち上げるのは結構なのだが
そのために亜美真美が不必要に貶められてて非常に不快
こういうの書くくらいならもうアイマスでやらないでほしい
乙、面白かった
この時期は暇なやつが多いんだな
乙
何が起きたのかわからなかった……
やよいのうっうー!は最初に言うものだけどな
にわかが調子に乗って書くとこうなる反面教師的SS
おつ
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