男「マーベットへ行ってくる」(20)

にんじゃり
ば ば
ん ん


俺の名前はカトウ。
現在32歳の無職である。

前の職場から離れるにあたって、次の仕事を見つけるまでの間、
貯金を使い、長年の謎の答えを探しにトルコへ旅に出た。


俺がいる、ここトルコの奥地エスキ・ドュンヤはトルコであってトルコではない。
言葉も違うし、服や食べ物も異なっていた。
いわば原住民が住まう土地なのだ。


さて32の俺が長年抱いてる謎というのは父親のことだ。
厳格な父親で、昔から厳しく育てられた。

そんな父親と12年前に20歳になって記念に、
二人で飲みにいったことがあった。

おぉ、支援


お酒を初めて飲んだこともあり、父と何を話したのかは覚えていないが、その次の日

「マーベットへ行ってくる」

と言い残し、姿を消した。


それから12年もの間、父親とは会っていない。

その後、警察の調べではトルコ行きへの飛行機へ乗ったっきり、12年の間、
父親のパスポートは使われていないという。

母親に「トルコへ行こう」と言ったが、なぜかひどく提案を拒んだ。

親戚からは、祖父も海外へ行き
そのまま行方不明になったことを聞き。
お祓いにもいかせられた。


こうして、12年経った今
貯金と時間を消費して、トルコまで来たのである。

とは言うもののトルコという言葉以外、父親の行方に関するキーワードがなく。完全に何年も働いてきた自分へのご褒美を兼ねての旅行気分だった。

では、なぜエスキドュンヤにいるのか、
それは「ある出会い」により可能性を感じたからである。

序章、完


この物語はフィクションであり、文中にでてくる地名、団体は一切関係ありません。

週1ぐらいのペース、短文で更新します。奇妙な話ですがお付き合いください。

ふむ


~~~首都アンカラ~~~

男(カトウ)「...ここがトルコか」

ここはトルコの首都、アンカラ。
俺の予想していた静かな街の景色とは異なり、高いビルや自動車が多く存在していた。

歩く女性「◯◯◯◯◯」

スーツ姿の男性「××××××」


男「...(公用語は当然トルコ語...わからないな)」


男「(英語ならば話せるのだけど...通じるのか?)」

スタスタスタスタ

男「Excuse me」

早歩きの男性「...」チラッ

男「Whe...

早歩きの男性「......」スタスタ

男「...(無視かよ、トルコは親日じゃないのか?)」

その後タクシーに乗り、有名な屋内市場があるエミノニュへ向かった。


~~~エミノニュ・エジプシャンパザール~~~

ガヤガヤガヤ

ヨーロッパや日本にみられる市場とは異なり、食べ物よりも衣類や雑貨といったお土産が多く売られている。

ドン

男「おっと」

少年とぶつかってしまった。

少年「...」

男「...?」

タッタッタッ

いってしまった


男「(何だか、変わった格好をしてたな)」

~~~~~

男「うーむ」

目の前にある綺麗な模様のコースター、トルコはイスラム教徒が多いためか、アラベスク?といった幾何学的模様の造形品が多い。
俺はこういった雑貨には目がないのだ。

5つ入って1TL、日本円で約50円だ。やや高い気もしたが、お土産品なのだからしょうがない。

買う決意をして財布を取り出す。


男「.........あれ?」

財布がない。

男「おいおいマジかよ」

【何処かに落としたのだろうか】
と考えているうちに思い出す

少年【...】

タッタッタッ

男「まさか...」

特徴的な服装をしていため、よく覚えている。

俺はすぐさま商店街を出て、何の考えも無しに少年を探した。


~~~~~

記憶の残る父親は、昔から厳しかった。嘘やイタズラをした日にはこっぴどく叱られた。
母親にはきつく当たらないあたり、頑固親父というよりも教育熱心だったのだろう。

冗談の一つも言わない父親の過去が気になり。昔の写真を見してもらったが、高校、大学、社会人の写真の中で笑っている写真が一つもないことを思い出した。

そんな父親に「飲みに行こう」と言われた時は心から嬉しかった。


~~~~~

男「はぁ...はぁ...」

男「...みつけたっ」

少年「!」

タッタッタッ

男「待てっ!!!」

少年「!?」

ピタッ

男「お?止まった、、?」

少年「...あんた...」

少年「あんた、【日本人】かい?」

男「え、あ、あぁ」

男「......!」

男「少年、君は日本語が喋れるのかい?」

少年「...」コクン

第一章「トルコ人と日本人」完

トルコでクーデターがあったみたいですね。首都のアンカラで爆発音ってネットニュースをみました。怖いですね。

海外に行くにしちゃ無用心な感じだなあ

うい

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