春香「沖縄の人は、海に入る時に水着を着ない……リターンズ!」 (22)

前作
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P「沖縄の人って、海に入る時に水着を着ないらしいぞ」春香「!?」
P「沖縄の人って、海に入る時に水着を着ないらしいぞ」春香「!?」 - SSまとめ速報
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の続きです。潔く、前作を読んだ人向けに書いてます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466915922

春香「(千早ちゃんの裏切りにあい、最終的に3対5で私の負けとなってしまったムッツリバトル)」

春香「(罰ゲームとしてプロデューサーさんから地獄のレッスンという何も面白くない苦行を命令された私は、バトルの延長を申し出ました)」

春香「(765プロは13人のアイドルと、プロデューサーさん、小鳥さん、社長の16人でひとつ。誰が欠けても、今の私はありません)」

春香「(つまり……全員が参加したその瞬間、このバトルは本当の終焉を迎えるのです……! 我ながら、完璧な理論でした)」

春香「(ちなみに、プロデューサーさんと社長は、沖縄の人が水着を着ないという話をもともと聞いたことがあったそうです)」

春香「(その話を初めて聞いたとき、裸だと思いましたよね? と涙目かつ、上目づかいで、すがりつきながら尋ねると、社長は心からの同意を示してくれました☆)」

春香「(プロデューサーさんは最後まで首を縦に振りませんでしたが、少しだけ私が有利になるルールを追加してくれたんです!)」

春香「(それは! 裸だと思ったなら話の流れ的にムッツリじゃなくても私のポイントになるという素晴らしいもの!)」

春香「(よって、千早ちゃんの裏切りは意味をなさず、現在のスコアは……)」

ピュア 真 亜美 美希 響ちゃん プロデューサーさん

ムッツリ 私 小鳥さん 雪歩 真美 千早ちゃん 社長

春香「(そう、6対5で私のリード! さあ、本当の闘いはこれからです!)」

春香「律子さん、ちょっといいですか?」

律子「あ、春香。プロデューサー見なかった?」

春香「プロデューサーさんなら美希と遊びに行きましたよ(前回、約束しちゃいましたからね)」

律子「遊びに!? 他のアイドルほっぽり出して、なに考えてるのよあの人は……!」

春香「いえ、プロデューサーさんは美希に付き合わされてるだけですから」

律子「まったくもう。あんまり甘やかすとあの子のためにならないってわかってるのかしら。やっぱり私は厳しくいかないと駄目ね」

春香「(しめしめ。これで美希はお説教コース! プロデューサーさんに色目を使った罰です!)」

律子「ところで春香、私に何か用事?」

春香「あ、はい。あの、沖縄の人って、海に入る時に水着を着ないって知ってました?」

律子「……ああん?(ギロリ)」

春香「ひぃっ!」

律子「それ、誰に聞いたのか教えてもらえるかしら?」

春香「えっと……私はプロデューサーさんに聞きましたけど、話の出所は響ちゃんだと思います」

律子「思いますぅ?(ギロリ)」

春香「ひぃっ! 響ちゃんです! 元凶は響ちゃんです~!!」

律子「まったく! 適当なこと言わないよう釘を刺しておかないといけないわね」

春香「え? 嘘なんですか?」

律子「響は服のまま入るのかもしれないけど、沖縄県民全員がそうなわけないでしょ。それを『沖縄県では~』なんて、誇大広告もいいところだわ」

春香「あはは、そうですね(ううーっ、律子さんがピュアだなんて! 絶対ムッツリだと思ってたのに!)」

律子「……あのね、私が高校生のときに、静岡県出身の子がいたのよ」

春香「はい(うわ、マジっぽい雰囲気でなんか語りだしちゃった)」

律子「ある日、テレビで『静岡県民は、イルカを好んで食べる』っていう番組が放送されたの」

春香「ええっ!?(そんな人イルカ? なんちゃって! この空気じゃ言えないけど)」

律子「当然、静岡の中でも一部の地域の一部の人間が食べてるだけなんだけど……その子は放送の翌日から、イルカ食らいのナオって二つ名で呼ばれるようになったわ」

春香「……w(ダメ! 笑っちゃダメ、私!!)」

律子「まったくもう……みのさんのあの笑顔を思い出すだけでもイライラがぶり返してくるわ」

春香「(あ、やっぱりケンミンショーだったんだ)」

律子「とにかく、春香も情報の発信には注意を払いなさい。いいわね?」

春香「すみません……(磨き上げた演技力でなんとか乗り切ったよ! 春の嵐の監督にしごかれたおかげかな?)」

律子「ちなみに、さっきの二つ名はイルカ食らいのナオと書いてナオ・ザ・ドルフィンイーターって読ませるのよ」

春香「あっはははははは!! 高校生のとき!? 中学生のときじゃないんですか……って、あ」

律子「プッツーン」

春香「あいたたたたた……この歳にもなっておしりペンペンはないよね……腫れたら貴音さんみたいなおしりになっちゃう」

貴音「私が何か?」

春香「のわあっ! 貴音さん、い、いつの間に?」

貴音「たった今、到着したところです。ところで、先ほど、何やら剣呑な波動を感じました。あれはいったい……」

春香「てへへ……ちょっと、律子さんに怒られちゃって」

貴音「今度はいったい何をしでかしたのですか?」

春香「えっ……今度はいったいって、それじゃあまるで私が問題ばっかり起こしてるみたいじゃないですか!」

貴音「はて……。それは、もしかすると『ボケ』なるものでしょうか?」

春香「はいぃ!?」

貴音「この場合、どう『つっこみ』なるものを入れればいいのでしょう……。『事実、そうではありませんか!』……こうですか?」

春香「いやいやいや、ボケじゃないですし、ボケだとしてもそのつっこみは0点ですよ!」

貴音「では、ボケの場合の手本をお願いします。後学のために、是非」

春香「もう……仕方ないですね。じゃあ、私が言ったセリフを言ってみてください」

貴音「では……。『それではまるで、私が問題ばかり起こしているようではありませんか!』」

春香「そうだよ! 貴音さんは歩く火薬庫だよ! あ、ごめんなさい、やっぱり今のなしで」

貴音「なるほど……これはお笑いでは高等技術とされる『滑り芸』なるものですね?」

春香「素で滑ったんです! ごめんなさいでした!!」

貴音「なんと……春香にも扱えないとは。お笑いの頂、未だ見えず……ばらえてぃ番組では、背景を彩る華に徹することとします」

春香「そうですね、キャスティングする側もそのつもりだと思うので、それがいいと思います」

春香「ところで、ちょっと聞いてほしいことがあるんですけど」

貴音「はて、なんでしょう?」

春香「沖縄の人って、海に入るときに水着を着ないみたいですよ」

貴音「なんと……! それではいったい、何を着るというのですか……?」

春香「うあーっ!(どうして裸だと思ってくれないんですか~っ!)」

貴音「ど、どうしたというのですか? 突然奇声を上げるとは……」

春香「あはは、律子さんに叩かれたおしりが痛くて……えっと、いったいどう海に入ると思いますか?」

貴音「ふむ……そうですね……可能性があるとすれば、衣服を身に着けたまま入る……でしょうか」

春香「ファイナルアンサー?」

貴音「ふぁいなるあんさぁ……はて、なんのことでしょう」

春香「あ、ごめんなさい、律子さんがみのさんの話をしたので、つい」

貴音「みのさん……見逃し三振のことですね? やよいに教わりました」

春香「(やよい~! 野球が好きでも、なんJ民にはならないでね!)」

春香「(律子さんも貴音さんもピュアで、6対7。一気に逆転されちゃった。このままじゃ負けちゃうよ~)」

伊織「あら? 春香、珍しく真剣な顔してるじゃない。気持ち悪いわよ」

やよい「あの、なにかあったんですか? 私にできることがあったら、なんでも言ってほしいですー!」

春香「えっとね……聞いてくれる? 沖縄の人って、水着を着ないで海に入るんだって」

やよい「ええ~っ!? それって、ちっちゃい子だけですよね?」

春香「ううん、年齢関係なく」

やよい「じゃ、じゃあ響さんもですか!? 弟の浩司は公園ではだかんぼになって水遊びしたりしますけど、みんなだなんて信じられません!!」

春香「やよいはウチの子! 愛してる!(ガバー)」

やよい「は、春香さん!? 苦しいですー!」

伊織「ちょっと、離れなさいよ! やよいが潰れちゃうじゃないの!」

春香「おっと、やよい、ごめんね」

やよい「苦しかったけど、嬉しかったです、えへへ」

伊織「まったくもう……。あのねやよい、水着を着ないっていうのは、服のまま入るって意味に決まってるじゃない。裸じゃないわよ」

やよい「あ、なるほどー! うっうー!! 伊織ちゃん、あったまいいー!」

伊織「むしろ裸で入るなんて勘違いするほうが難しいわよ。東京より日差しも凄いし、お肌も大変なことになっちゃうんだから」

やよい「伊織ちゃんはよく行ってるの?」

伊織「たまーに行く程度よ。ま、海外に比べたら移動時間も短いし、お手軽よね」

やよい「でも、伊織ちゃんの服って高そうだから、海に入るのはもったいないかもー」

伊織「当然、私は服でなんて入らないわよ。日差しが弱くなってから、優雅に水着で泳ぐわ」

やよい「うっうー!! かっこいいですーっ!」

伊織「にひひっ♪ ま、当然よねー」

春香「はぁ……伊織にはがっかりだよ」

伊織「はぁ!? な、なによ……失礼しちゃうわね、この伊織ちゃんのどこががっかりだっていうのよ」

春香「『水着を着ない!? 裸だなんて、この変態! ド変態! 変態大人!』
   『何を言ってるんだ? 服のまま入るんだよ。裸だと思うなんて、このムッツリさん☆』
   『なっ……!! 私がこんなになっちゃったのは、あんたのせいじゃない……馬鹿。責任取りなさいよね!』
   ってのをみんな期待してるに決まってるでしょ?」

伊織「知らないわよ! っていうか、みんなって誰よ! 二番目に出てきた変態も誰なのよ!! その変態に私はどうされたっていうのよ!!!」

春香「そこから先は、大人の時間さ」

やよい「うっうー!! かっこいいですーっ!」

伊織「あんた、なんでもいいのね……」

春香「あーあ……これで7対8。あずささんがムッツリでも引き分けかぁ……」

春香「(しょぼくれていたその時! 私の脳裏にあの時の光景が蘇った!)」


P「誰に訊いても? 大きく出たな」

春香「……は、半分以上の人は思うと思います!」


春香「半分以上……」

春香「半分……以上……」

春香「はんぶん……いじょう!!」

春香「(同点は、以上に含まれるっ……!!)」

春香「(すべては、あずささん次第……っ!! そのために、やれることはやらなきゃ……っ!)」

春香「よし、準備はできた……! あずささん、ちょっといいですか?」

あずさ「あら、春香ちゃん、なにかしら?」

春香「ちょっと衣装について相談したいんですけど、ついてきてもらえませんか?」

あずさ「衣装? 私でいいの?」

春香「はい! あずささんじゃないと駄目なんです!」

あずさ「あらあら、そんなに期待されると困っちゃうけど……わかったわ」

春香「(よしっ!!)」

春香「じゃあ、着替えますから少し待っていてください」

あずさ「ええ」

春香「(カーテンを閉めて、と。……よし、やるしかない!)」

春香「(脱ぎ脱ぎ……。脱ぎ脱ぎ……。……。ええい、下着も! 脱ぎ脱ぎ……よし)……そういえばあずささん」

あずさ「なあに?」

春香「沖縄の人って、海に入る時……」

あずさ「ええ」

春香「すぅーっ、はぁーっ。すぅーっ、はぁーっ。(ええい、ままよっ!)水着を、着ないらしいですよ!(カーテンオープン!!)」

あずさ「あら、そう……な……の……」

春香「ど、ど、どんな格好で入ると思いますか?」

あずさ「……えっと……裸……?」

春香「いえ、服のまま入るんです(カーテンクローズ)」

あずさ「そ、そうなのね……」

春香「(やった……! 私、やったんだ!)」

春香「というわけで、プロデューサーさん、8対8ですから、半分以上で私の勝ちです!」

P「本当なんだろうな?」

春香「当たり前です! すぐばれるような嘘をついても仕方ないじゃないですか」

P「確かにそうだな。仕方ない、そういう約束だ。俺にできることならなんでも言ってくれ」

春香「えへへ……そ・れ・じゃ・あ……」

P「……」

春香「このお願いは、今叶えてもらいません!」

P「え?」

春香「いつか、お願いごとができたときのためにとっておきます。期限は決めてませんでしたよね?」

P「……そうだな」

春香「ですから、いつか、私がお願いを叶えてもらいたくなるそのときまで、ずっと、ずーっと……」

春香「いつまでも、どこまでも、私と一緒にいてくださいね。プロデューサーさん♪」

あずさ「あの、こんなこと相談するのは恥ずかしいって思うんですけど、他に相談できる人もいなくて……」

P「遠慮はいりません。アイドルの悩みを解決するのはPの務めですから」

あずさ「ふふっ、ありがとうございます。……その、実は、相談があるって言われてついていったら、女の子が突然裸になって私の前に現れたんです」

P「なんですって!? 大丈夫だったんですか?」

あずさ「はい、なにもされたりはしなかったんですけど、私、少し怖くなってしまって……ちょっとおかしなところはあってもいい子だって思ってたんですけど……」

P「なに、心配いりませんよ。あずささんのことは俺が守ります。何があってもね」

あずさ「プロデューサーさん……。はっ、私を見つけてくれる人って、まさか……?」

P「?」

あずさ「ポッ(///)」


おわり

お付き合いいただき、ありがとうございました。
楽しんでいただけたら嬉しいです。

※この物語はフィクションです。実在の人物・番組・地名などとは一切関係ありません。

カットしたところを折角書いたので晒します。

場所は10の最後。


やよい「そうだ、これから私たちビデオ見るんですけど、春香さんも一緒にどうですか?」

春香「ビデオ?」

やよい「はい! プロ野球珍プレー好プレーですっ!」

春香「まさか、ナレーションは……」

やよい「うっうー! みのさんです!」

春香「やっぱり!」


というのを入れようかと思いましたが、本文のほうがうまくまとまっている感じがしたのでカットしました。

乙です

もはやアイドルでもなんでもないはるかさん

乙!


はるるん無茶するなぁ


倫理観や羞恥心など、春閣下の境地に至るには足枷にしかならないからな

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