【ラブライブ】A-RISEという偶像 (74)
アニメ基準
最終予選終了後のお話し
ちょいオリキャラ
初投稿につき、お手柔らかにお願いします
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ラブライブ東京地区最終予選敗退。
私達A-RISEにとって、地区予選なんて通過点以外の意味はなかった。
負けるなんて、微塵も思ってなかったもの。
その結果がこれ。
スポットライトを浴びるμ'sの9人を眺めながら、私達はまるで時が止まったかのように立ち尽くしていた。
ここで泣いてはいけない。
ギリギリのところで私達を支えていたのは、トップスクールアイドルの道を歩んできたA-RISEとしてのプライドだけ。
「・・・後で,おめでとうくらいは言いに行きましょう。」
なるべく平静を装って絞り出した言葉に、英玲奈とあんじゅは小さく頷いた。
二人の顔は・・・見れなかったわ。
結局、その日μ'sの所に行くことは無かった。
それから何日かの間、私の記憶はあまりハッキリしていない。
我ながら、結構ショックを受けていたのね。
さらに拍車をかけたのは、UTX学院のお偉い様方が、そんな私たちの状況を考慮してくれなかったこと。
悪い事だけはハッキリと覚えてるのよね。
「よりによって一番肝心なところで躓いてしまったね。これで全てご破算だよ。」
予選の翌日、呼び出された先で理事長の言葉を聞いたとき、なんだか色んなものが崩れ落ちたような気がした。
「理事長の言うことはあまり気にするな。君たちは最高のパフォーマンスをした。今回は少しだけ運がなかったんだ。」
チーフマネージャーのフォローもどこか遠くに聞こえていた。
私達は、一体何のために歌ってきたんだろう…。
最終予選から2週間、私達は完全に方向を見失っていた。
殆どレッスンは行われていない。
チーフマネージャーも姿を現さない。
なんとなく3人で集まるけど、何をするでも何を話すでもなく無駄な時間だけを過ごしていた。
そんなとき、あんじゅがポツリと漏らした一言で私は揺れることになる。
「私達、そろそろ身の振り方を考えた方が良いかもねぇ。」
彼女は見た目フワフワしているようだけど、あれで案外リアリストだったりする。
今の状況にいち早く順応しての言葉だったんだと思う。
「身の振り方?それどういう意味よ!」
私は、身の振り方という表現に言いようもない苛立ちを覚えて語気を強めた。
「ラブライブ決勝にも行けずに予選敗退。上の人たちがコソコソ言ってるわぁ、A-RISEの商品価値はガタ落ちだ、てね。」
それは・・・あんじゅの言う通り。
最終予選前、私達の周りには常にどこかしら芸能プロダクションの関係者がいたものだったけれど、敗退後は全然姿を見せなくなってしまっていた。
「そうだな。UTX前のメインビジョンにも私達は映らなくなったしまったしな。」
悔しいけど、英玲奈の言う事も本当。
まるで、予選敗退という不名誉を隠すかのように、UTXの広報から私達は姿を消していた。
今は誰もがA-RISEの時代が終わったなんて思ってるに違いない。
「何のために、3年間努力してきたのだろうな。」
続く彼女の言葉は、今の私達に重くのしかかっている。
ラブライブ優勝は私達の至上命題だった。
むしろラブライブで優勝する以外の可能性など考えたことがなかったという方が正しいかもしれない。
でも、それが崩れ去った今、私達に一体何が残されているというのだろうか。
「ターニングポイント、かなぁ。ねぇ、今が潮時・・・。」
「やめて!それ以上言わないで!」
あんじゅの言わんとすることを瞬時に理解して、つい大声を出してしまった。
「私はまだ終わりたくないっ。こんな形で私達の3年間が終わってしまうなんて嫌よ!」
こんなに感情的になったのはいつ以来だろう。
本当に嫌だった。
このまま訳も分からず、A-RISEが終わってしまうと思ったら気持ちが抑えられなかった。
「ツバサ・・・。お前泣いているのか?」
英玲奈に言われて、ハッと気づく。
「っ…。」
瞬間、私はその場を駆け出していた。
もう頭の中はグチャグチャで、訳が分からなくて、居た堪れない気持ちでいっぱいで、ここから逃げる事しかできなかった。
「ツバサ!」
後ろで二人が呼び止めていたけど、振り返る余裕なんてなかった。
A-RISEがバラバラになろうとしてた。
英玲奈とあんじゅの前から逃げだして、数日が過ぎていた。
街はクリスマス色に染まっていて、一人歩く私の心とは裏腹に、眩しいくらいに輝いている。
眩しすぎて、上を向けないほどに。
予選を勝ち上がっていたら、今頃3人で楽しく過ごしてたのかな。
あぁ、それよりもレッスンか・・・。
つまらない妄想ばかり浮かんでは消える。
あんじゅと英玲奈とは、あれから全然話をしていない。
どう答えたらいいのか、どう応えるべきなのか、どうにも考えがまとまらなかった。
それに、泣き顔を見られたのも恥ずかしかったし・・・。
私、何やってんだろう・・・。
「もう、ダメなのかな。私達・・・。」
呟いてみても、答えてくれる人はいない。
今が冬休みで良かったかもしれない。
登校すれば、嫌でも二人に会ってしまう。
会えば、またあの話が始まってしまうかもしれない。
A-RISEが終わってしまうかも知れない事を恐れていた。
でも、今日は今まで何の音沙汰もなかったチーフマネージャーからUTX学院に来るようにと呼び出しがあった。
きっとあの二人も呼ばれているはず、会わなきゃいけないんだよね。
今更何の話があるんだろう。やっぱり解散の話とかかな。
ダメね。
ネガティブな考えしか浮かんでこない。
足取りは重かったけど、気がつけばUTX学院に着いていた。
ついこの間まで、目の前の大型ビジョンには華やかな私達が映し出されていたのに。
今や何の関係もないCMしか流れてない。
誰もいない校舎を進み、スタッフ専用ルームに行くと、英玲奈とあんじゅが先に来ていた。
「久しぶり、だな。」
そう言った英玲奈の顔は、どこかぎこちない感じがした。
ずっと一緒にいたはずなのに、余所余所しい空気が流れていた。
お互いに遠慮してるのかもしれない。
音のない時間が過ぎていく。
「・・・あのね。」
居た堪れなさに、私が口を開くと同時に、部屋の扉が開いた。
入ってきたのは、段ボールを抱えたチーフマネージャーと・・・誰かしら。スーツ姿の女性が1人一緒に入ってきた。
段ボールを中央のテーブルの上に置くと、一つ咳払いをしてチーフが話し始めた。
「皆集まってるな。早速だけどこちらは、君たちのこれからを面倒見たいと申し出てくださったプロダクションのマネージャーさんだ。」
え?
なんかチーフが凄いドヤ顔なんですけど。
何を言ってるのか、よく呑み込めなかった。
英玲奈とあんじゅも同様のようで、3人ともすごい間抜け面で固まってたと思う。
「初めまして。○○プロダクションの清水玲子と申します。綺羅ツバサさんですね。よろしくお願いします。」
快活に自己紹介をすると、名刺を差し出してくる。
「あ、ありがとうございます。」
名刺を受け取りながら、私は説明を求める視線を送る。
「チーフ、これはどういう・・・。」
言い終わらないうちに、チーフが話をかぶせてきた。
「君たちには本当に悪いことをしたと思っている。最終予選で敗退して不安な時に、本来であれば僕が君たちのケアをすべきだったんだが、気の利いたことも言えず仕舞いで申し訳なかった。」
深々と頭を下げるチーフ。でも話はそれで終わりじゃなかった。
「それと今まで放っておいたことも悪かった。ずっと上の方と協議していたんだ、君達のこれからについてね。やっぱり大手所はハクのなくなった新人ってのに興味を示さなくてさ。ま、しょうがない事なんだけど。でも、どうしても君達をここで終わらせたくなくて、今まで色んなプロダクションを回っていたんだ。」
それで今まで姿を現さなかったんだ。
もう私達は用済みなのだと思っていたのに・・・。
「そこで話を聞いてくれたのが、清水さんの所だ。業界的には大手とは言えないが、今アーティスト系の人材発掘に力を入れていて、将来、プロダクションの看板を張れる新人が欲しいと言ってくださったんだ。」
そっか、私達は見捨てられたんじゃなかったんだ。
矢継ぎ早に話すチーフの話に、ようやく理解が追いついてきた。
「突然の話で、驚かれたと思います。A-RISEの皆さんでどうか前向きに検討していただけたらと考えておりますので、とりあえず本日は挨拶だけでお暇させていただきます。」
清水さんの話に私達が生返事をすると、横からチーフが出てきた。
「僕はこれから清水さんと、もう少し話があるから。突然呼び出してすまなかったな。詳細についてはまた後で連絡するから、今日はこれで解散にしてくれ。あ、それから、その箱はクリスマスプレゼントだ。中々良いものだぞ、心して開けてくれ!」
ニヤリとしながら言うと、チーフは清水さんと部屋を出て行った。
怒涛の展開に置いてけぼりをくらいながら、後ろの二人を見ると、英玲奈はヤレヤレといった顔、あんじゅは少し困ったような顔をしながら、それでも安堵の表情が見て取れた。
「こういうサプライズは心臓に悪いわね。」
少しでも状況を教えてくれていたら、私は今までこんなに落ち込まなくても良かったかもしれないのに。
「全くだ。この数週間を返せと苦情を入れたい気分だな。」
英玲奈も同じようなことを思ってたみたい。
「ほんと、誰かさんは泣くほど心を痛めていたのにねぇ。」
あんじゅの言葉で一気にあの時のことが甦る。
「ちょ!あれはあんじゅが・・・ていうかナシだから、忘れて頂戴!」
ふくれる私とニヤリとする英玲奈、クスクス笑うあんじゅ、何だか久しぶりに私達に戻ったような気がした。
「それはそうと、クリスマスプレゼントとは何だろうな。」
そう言いながら、英玲奈が段ボール箱を開けようとする。
今までクリスマスプレゼントなんて貰ったことは無かったはずだけど・・・。
中を見た英玲奈が、固まっている?
「これは・・・そうか!・・・今の私達には最高のプレゼントかもしれないぞ…。」
差し出された段ボールの中には・・・手紙?
「あらぁ?これってもしかして、ファンレター?」
あんじゅの言う通り、段ボールの中はいっぱいのファンレターだった。
それらは色とりどりの紙で、私達のステージを見てくれたファンの人達のありったけの想いが込められていた。
---最終予選残念だったけど、これからも応援してます。頑張ってください。
---私の中では今でもA-RISEが一番です。
---次のライブ楽しみにしています。
あぁ、なんだ・・・。
私達は歌って良いんだ。
私達はステージに立っても良いんだ。
私達は、こんなにも必要とされているんだ。
「・・・なんだ、ツバサ。お前また泣いてるのか・・・。」
「そんなこと言ってる英玲奈も泣いてるわよぉ・・・。」
「二人とも、もう私のことバカにできないから・・・。」
英玲奈もあんじゅもひどい顔。
きっと私も似たような顔をしてるのね。
不安だった。
私達はどうすればいいのか。
怖かった。
誰からも必要とされなくなる事が。
でもそんなのは私達の杞憂でしかなかった。
私達が諦めない限り、私達を求めてくれている人達がいる限り、A-RISEはあり続けるんだと。
自分自身を肯定できたとき、嬉しさとは別の想いが湧き上がってくる。
「勝ちたかったなぁ、最終予選。」
「そうだな・・・。」
「そうねぇ…。」
応援してくれる人たちのために勝ちたい。
勝って、皆を笑顔にしてあげたい。
今になって・・・こんなにも・・・。
「悔しい、こんなに悔しいなんて…。」
「そうだな…。」
「そうね…。」
結果が出てから今まで、悔しいなんて感情が湧いてくることは無かった。
自分たちの事で精一杯で、背負っているものの重大さに気付けていなかった。
これが、期待に応えられないって事なんだ。
一心不乱にファンレターを読みあさり、全てを読み終えたときにはもう外は暗くなっていた。
暗くなれば、イルミネーションは一層輝きを増して見える。
帰りの道すがら、昼間は恨めしくも思った街の明かりも、心持ち一つでここまで見え方が違うものかと思うくらい、眩しくて暖かかった。
「私達、このままじゃ終われないわ。」
「あぁ、その通りだ。」
「そうねぇ。素敵なプレゼントも貰っちゃったし。」
バラバラになりかけていた私達は3人に戻っていた。
私達は、ただ上を向いていた。
大晦日の夜、私達3人は二年参りに来ていた。
寒いという英玲奈、眠いというあんじゅを強引に連れ出してね。
学院生活の最後なんだし何かイベント事を3人で過ごしたかった。
というのは表向きで、実は屋台巡りがしたかったの。
二人には内緒。
でも二年参りに来た以上、やる事はやらないとね。
と言う事で、最初はお参りに並んだ。
お願い事は無難に健康で過ごせますように、だって他に思い浮かばなかったし、アイドルにとっては体が資本だから。
あんじゅが悪戯っ子のような目で、何をお願いしたのか聞いてきたけど、正直に答えてやったわ。
面白くなくてごめんなさいね。
折角だから、おみくじも引いてみた。
なんと三人揃って末吉。
英玲奈が冴えないなと言っていたけど全くね。
ただ中身は面白そうなことが書いてあったわ。
「恋愛運・・・自分から動くが吉って何の事かしらね。」
「ツバサ、まさかお前好きな人がいるのか!」
妙な速さで英玲奈が突っ込んでくる。
「ふふ。ツバサちゃんは天然のたらしだから、それは無いと思うわぁ。あ、でも待ち人は来るって書いてあるから、逆ならアリかも?」
あんじゅにサラッと酷いことを言われた気がする。
そんな事よりも、出店が私を待ってるのよ。
「くだらないこと言ってないで、早く行くわよ。今日は無礼講なんだから。どんどん回りましょ!」
「・・・ツバサよ。無礼講は意味が全然違うぞ。」
突然、冷静な突っ込みをいれる英玲奈をよそに、私は歩き始める。
ウキウキしながら出店通りに向かっているとき、下へ降りる階段の途中で思いがけない人物を見つけた。
「高坂穂乃果さん・・?」
最終予選で私達を破ったライバル、μ'sのリーダー。
後ろには数人のメンバーがいる・・・全員じゃないわね。
一瞬でA-RISEモードに入る。
すると、向こうもこちらに気が付いたみたいで駆け寄ってくる。
「明けましておめでとうございます!」
新年早々、本当に気持ちのいい挨拶をしてくれる子だわ。
そしてこの笑顔、やっぱり穂乃果さんは可愛いわね。
そういえば、最終予選以来か…。
おめでとう、とか言った方が良いのかしら。
でも今更上からっぽく言うのも嫌味な女みたいよね・・・。
そんな事を思いつつも、A-RISEモードの私は、お澄まし顔で二言三言交わすと彼女たちの横を通り過ぎようとする。
すれ違いざま、このまま過ぎ去ってはいけないような思いが沸いてくる。
もうプライドなんか関係ない。
今の私なら少しだけ素直に言える。
「ねぇ。」
声をかけながら私は振り返った。
「優勝しなさいよ。ラブライブ!」
そういうと、彼女たちは満面の笑みで声を揃えて返事をしてくれた。
今はこれで良い。
こういうの、バトンを渡すっていうのかな。
少しだけ心が軽くなったような気がした。
再び出店へ向けて歩き出したとき、英玲奈とあんじゅがコソっと話すのが聞こえた。
「カッコつけたな。」
「カッコつけたわねぇ。」
折角カッコよく決まったと思ったのに台無しよ・・・。
そのあと散々二人に弄られながら出店を回る羽目になったわ。
二年参りでμ'sと再会してから、一つモヤモヤしてることがある。
(どうして私達は負けたんだろう。)
誰よりも強く、誰よりも高くあろうとしてきたA-RISE。
努力や想いという点に関しては、誰にも劣ることは無い自負もあった。
以前、予選の選考のとき、ユメノトビラを歌った彼女たちに対して、まだ負けてないと思えてた。
それが最終予選、Snow halationが終わったとき、直感的に負けたと思ってしまった。
その違いはどこにあるんだろう。
私達との差は何だったんだろう。
レッスンの休憩中に、この話を二人に振ってみた。
「私達が負けた理由?難しいな。正直、歌やダンスの完成度で言えば負けているはずはないと思うのだが…。」
英玲奈が難しい顔をしながら言う。
それは私も同意見ね。
「パフォーマンス以外の部分・・・、例えばバックボーンとかは?音ノ木坂を廃校から救ったっていうストーリー性とか?」
あんじゅの意見も確かにμ'sの原動力である部分だったし、ありえない事じゃない。
ただ、最終予選前に音ノ木坂の廃校は免れていたという話だし、その後のモチベーションはどうなったんだろうか?
「ストーリー性でいうなら、二大会連続優勝のかかってる私達もそれなりに持ってるような気がするがな。」
英玲奈の言う事にも一理ある。
どっちにしろ、決め手とは言いにくい理由ね。
「私達には足りない何かを持っていたのかしら…。」
私の問いに答えは出なかった。
今、私は音ノ木坂学院に向かっている。
A-riseが負けた理由、μ'sが勝てた理由を直接聞くために。
アポイントはとってないけど、出入り口で待ってれば、そのうちに出てくるでしょう。
計画性は0・・・大丈夫かしら。
だって連絡先も知らないんだから仕方がないわよ。
歩きながらブツブツと独り言をつぶやく。
そういえば、こういうの出待ちっていうのかな…。
あれ?
なんかドキドキしてる?
出待ちされるのは慣れっこだけど、するのは初めてかもしれない。
何気に、すれ違う音ノ木坂の生徒たちがチラチラ私の方を見ていく視線も感じる・・・。
やだ、早く行かなきゃ…って待ち合わせしてる訳じゃないのに。
1人でドギマギしながら歩いていると、道路の向こうの校門前で信号待ちをしている3人組に気がついた。
あれは穂乃果さん、それに園田海末さんと、南ことりさんね。
出来れば穂乃果さんと二人きりでお話ししたいんだけど、大丈夫かな。
信号を渡りながら、私はA-RISEモードに入る。
3人が私に気づき、何事かというような顔をしている。
なんて話しかけよう・・・。
うっ・・・。緊張してきちゃった。
思いがけず簡単に遭遇してしまった穂乃果さんに対して、内心私はテンパっていた。
「話があるの。」
あああぁぁぁぁ、やっちゃった!
どんだけ居丈高に話しかけちゃったのよ私・・・。
一気に場が緊張する。
まずい・・・、なんとか軌道修正しないと。
少し微笑みながら、柔らかめに、それでいて、ウィットな感じをプラスして・・・。
「ちょっと穂乃果さんと秘密のお話があるんだけど、いいかしら?」
「え゛?」
私の言葉に3人が同様に反応する。
え?
何かマズイことでも言ったかしら…。
園田さんは微妙に睨んでる気がするし、南さんも警戒している?
軌道修正どころじゃなくなってきたわ。どうしようっ。
「はいっ、わかりました!」
ピリピリし始めた空気を吹き飛ばすように、穂乃果さんの返事が響く。
「海末ちゃん、ことりちゃん、私ツバサさんとちょっとお話してくるから、今日は先に帰ってて。」
その言葉は、警戒心など微塵も感じさせず、ナチュラルに人の心に入ってくる。
穂乃果さんのあまりの毒っ気のなさに、園田さんと南さんは、そういう事ならと従わざるを得ない状況に陥っていた。
去り際、彼女たちは終始心配そうな顔をしていたけれど、ひょっとしたら私って人を取って喰うようなタイプに見えちゃうのかしら…。
彼女たちと別れ、穂乃果さんと二人で近くの公園のベンチに座ると、私は今抱いているモヤモヤを、率直にぶつけてみた。
すると、ウンウン唸りながら、必死に考え始めた。
悩んでる姿も中々可愛い・・・。
って、今はそう言う事をしに来たわけじゃ無いんだった。
しばらく悩んでいたけど、結局、穂乃果さん自身も答えを見出してはいないみたいだったわ。
その後しばらく他愛のない話をしてから、穂乃果さんと別れた。
別れ際、彼女はひどく申し訳なさそうにしていたけど、私は色々話せてとても良かったわ。
ふふ、アドレスも交換できたし。
それから数日後。
今日はラブライブ本戦に出場するグループの紹介pvが公開される日。
UTX学院のメインビジョンでも放映されていた。
次々と発表される本戦参加を果たしたグループ名とキャッチフレーズ。
私はそれを静かに見上げていた。
後悔?未練?そうね、キリがないくらいよね。
1人呟いていると、ついにμ'sの順番が来た。
『みんなで叶える物語』
これが、μ'sのキャッチフレーズ。
・・・そう、それが穂乃果さんの、貴方達の答えなのね。
すとん、と胸の中に落ちていくものを感じた。
A-RISEに元々欠けていたものじゃなかったんだ。
全てのスクールアイドルが本来持ち得るもの。
でも、長い間アイドル活動をしていく中で、知らず知らずのうちに薄れていってしまうもの。
私達がどんなに完璧なパフォーマンスをしても、それだけで完全とは言えない。
ステージは、みんなで一緒に作り上げていくものだから。
あの時、μ'sとA-RISEにあった決定的な差はこれだったんだ。
私はこの話をすぐに英玲奈とあんじゅに伝えに走ったわ。
二人はレンッスンルームで柔軟体操をしていた。
「ツバサ遅いぞ。って何でまだ制服なんだ。早く着替えて来い。」
英玲奈はレッスンの事になると、ちょっと厳しいのよね…。
「まあ聞きなさいよ。さっき外でラブライブ本戦出場者の紹介PVが流れていたの。キャッチフレーズは何だと思う?『みんなで叶える物語』ですって!」
私がここまで言うと、二人はその意味を考え始めたみたいだった。
しばらく考えていた英玲奈が顔を上げた。
「なるほどな。私達は自分が完璧であれば、見る人が付いて来てくれると勘違いをしていた訳か。」
続けて、あんじゅもこちらを向いた。
「明確な基準があって、どれほどの差がつくというものじゃないけど、在ると無いとじゃ大違いっていう事ねぇ」
私の結論も二人と同じ。
思い返してみれば、最終予選の時、μ'sのステージは会場中が一体になっているような感じがしたわね。
「色々と結論が出たところでぇ。私達は今回の事を総括するライブをしなきゃいけないんじゃないかしら?」
あんじゅが嬉しそうに次のライブの提案をする。
そうね、私達はまだ恩返しをしていない。
もちろん異論なんてある訳ない。
「私達を救ってくれたファンのみんなのためにも、それは絶対よ。」
私の言葉に英玲奈も続く。
「A-RISEはここにあり!」
こうなったら、居ても立っても居られない。
「決まりね!さっそくチーフの所に行きましょ。」
私達は柄にもなくバタバタと走って行った。
ライブの話をするとチーフも俄然乗り気で、上との交渉は任せておけ、だって。
おそらくラブライブ期間中は止めておいた方が良いだろうし、かといってラブライブが終わったらすぐ卒業式だから、結局は卒業ライブってことになりそうね。
こうして、私達の学院生活最後のライブが急きょ決定した。
1月の終わり、ラブライブ本戦は予想通りμ'sの優勝で幕を閉じた。
私達に勝ったんだから当然と言えば当然だけどね。
勿論私達も見に行ったわよ。
素晴らしいステージだったわ。
ただ、彼女たちのステージを見て、なんて言えばいいのかな、μ'sの輝きに一抹の不安を感じたの。
最終予選の時には微塵も感じなかった不安感。
「どうしてあの娘達、あんなに楽しそうに、あんなに悲しそうに歌ってるのかしら。」
その理由に気が付くのは、そう遠くない事だった。
ラブライブが終わるまでの間、私達は卒業ライブの準備に向けて大忙しだったわ。
「ちょっと、10曲ってどういう事よ!」
私の怒鳴り声がスタッフルームに響いた。
「3年間の集大成。なんて銘打っちゃったかからしょうがないかなぁ…。」
あんじぇが諦め顔で呟く。
スクールアイドルのライブっていえば、概ね新曲か既存の2曲程度を披露して終わりというスタイルが一般的だった。
「どうせなら伝説打ち立てたいだろ?」
嬉しそうにドヤ顔で言うチーフをこれほど殴りたいと思ったことは無かったわ。
A-RISEを結成してからこれまでに歌ってきた全ての歌を振り返る。
そう言えば聞こえはいいけど、なんだかんだで1時間以上ステージに立ち続けなければいけないって事。
スクールアイドルの常識を覆すライブ構成をこなすためのレッスンが行われた。
もう毎日ボロボロに疲れて帰宅する日々が続いたわ。
「一曲一曲のインパクトを強調するために、ダンスは毎度激しくしていたのが、ここへ来て仇になるとはな…。」
3人の中でも体力お化けだと思ってた英玲奈が、レッスンで根を上げてるのに戦慄した。
同じ頃、卒業ライブの宣伝のために、UTX学院のメインビジョンに私達の映像が流れるようになったのが、何気に嬉しかったりもしたわね。
そして、あっという間に卒業式当日
UTX学院は芸能科ばかりが目立ってるけど、一応これでも都内有数の進学校でもあるのよね。
T大K大に行くような人もゴロゴロいて、生徒会なんかもそういう人たちが仕切ってた。
(何だか固っ苦しくてつまんないのよね。)
卒業式の最中、私は妙な高揚感と冷静さに包まれていた。
(もっとこう、卒業式って泣くほど感動するのかと思ってたけど、ライブが控えてるせいかしら?)
あまりの退屈さに何となく、左後ろの英玲奈を見れば・・・えっ、号泣?!
(ウソっ、英玲奈ってそういうのだったの?)
ある意味ショッキングな絵面にふと気になって、反対側のあんじゅを見てみると、彼女は今までに見たことない位の悪魔の微笑みで英玲奈を見ていた。
(英玲奈・・・ご愁傷さまね。)
卒業式は終わり、今は午後3時半
午後4時の開演に向けて、最終調整に入っていた。
会場はUTXの屋上。
一般参加のライブ形式とはいえ、屋上に上がれるのは定員上学院生だけ。
後はいつも通り学院前の広場を使った、メインビジョンでのライブビューイング方式。
もっと時間に余裕があれば、そこそこの会場を抑えられたんでしょうけど、さすがに時間がなさ過ぎたわね。
開演を前に、控室は静まり返っている。
ちょっと前まで、英玲奈はあんじゅに散々からかわれ、怒りを爆発させる一幕もあったが、今は3人とも衣装に着替え終わって各々集中力を高めている。
(ついにこの時が来たわね。)
準備は万全。
後は、この間たどり着いたA-RISE版の『みんなで叶える物語』を体現するだけ。
意を決して話しかける。
「二人とも良いかしら。」
英玲奈とあんじゅは静かに聞いてくれる。
「私達はラブライブ最終予選で敗退したことで、どん底を味わったわ。」
初めての挫折。
「でもそのおかげで、何よりも大切なものに気が付いた。」
応援してくれる人たちの温かさ。
「そして、ライバルのおかげで、アイドルに必要なことを思い出した。」
スクールアイドルが忘れてはいけないもの。
「私達は、幸せ者よ。」
だから、今こそ立ちあがる。
「この気持ちを、私達のステージを見てくれる皆に届けましょう。」
全ては、今日この日のために。
「良いだろう、全身全霊を尽くすぞ。我々は一つ!」
こんなとき、英玲奈が必ず気合を入れてくれる。
「今日も、完全にフルハウスよ。A-riseの歴史を飾るのに相応しい舞台が待ってるわぁ。」
あんじゅのマイペースさは、いつも私を安心させてくれる。
この3人で良かった・・・。
思わず涙が出てしまいそうなのをグッと堪える。
そして、待ってましたかのようにドアが勢いよく放たれ、チーフが入ってくる。
「さあ、みんな時間だ。用意は良いな。今日は最高のお前たちを見せてくれ!」
ちょっと言い方クサいけど、今までありがとう、チーフ。
お礼は最高のパフォーマンスで返すわ。
「当然!A-RISE、行くわよ!」
「ああ!」
「ええ!」
私の、私達の今日の課題。
しっかりと目の前のみんなを見ると言う事を。
カメラ越しの向こうにいる人たちまで。
指先から、表情から、視線まで、みんなに心が届きますように。
一曲目のイントロが始まり、ステージ中央のせりから私達が姿を現すと、会場の歓喜が一気に爆発する。
その瞬間、今までに感じたことのない感覚に襲われる。
これは、この感じは屋上だけじゃない。
UTX学院の正面広場、ライブビューイングに集まった人たちの歓声も足元から響いてくる。
私は身震いするほどの、とても不思議な感覚に包まれていた。
会場の空気を感じる。
みんなの呼吸を感じる。
今までのライブでは無かった感覚がそこにあった。
これが最終予選の時、ラブライブ決勝の時、穂乃果さんが見ていた景色なの?
あなた達μ'sの感じていた世界なの?
開始からあっという間に6曲を歌い終えて、2度目の衣装替えのために引き上げると、英玲奈が興奮気味に問いかけてきた。
「ツバサ!今日は何なんだ?いつまでも踊っていられる気がするぞ。」
1度目の衣装替えの時は、まだ前半だったから意識してなかったけど、確かに疲れを感じない。
あんじゅも不思議な表情で話してくる。
「緊張してもっと疲れるのかと思ったけど、全然いけちゃうわね…。それに不思議な感じがするのよ。ふわふわーって会場の空気に飲み込まれているような感じなんだけど、不快じゃなくて、むしろ気持ちい。英玲奈じゃないけど、本当に何でもできそうな感じがするわぁ。」
二人とも感じるところは一緒みたいね。
私達が与えているだけじゃない。
見てくれて、応援してくれる人たちから与えられる力、想い。
全ての人達が一体となって、創り上げていく。
これは間違いなく言える。
今日の私達は・・・ううん、今日のライブは最高になるって。
衣装を替え、再びステージに上がるとき、確かな手ごたえを感じていた。
ライブは終盤に差し掛かる。
ラストスパートからの10曲目、Shocking Partyを歌い終わると、割れんばかりの歓声が響いた。
会場を見渡しながら呼吸を整える。
もう、終わってしまったんだ・・・。
今日はみんなと一緒にライブを創り上げることができたかな。
私達の想い、届けることができたかな。
そんなことを考えながら、私は最後の挨拶に向かった。
「会場の皆さん。ライブビューイングのみなさん。本日は私達A-RISEの卒業ライブにお越しいただき、ありがとうございます。」
「皆さんもご存ぞの通り、先日私達はラブライブ最終予選で残念ながら敗退しました。これでもかってくらい落ち込んでたと思います。本当に解散の危機を迎えていました。でも、そんな私達を救ってくれたのは、他でもない皆さんからの沢山の応援でした。」
「この感謝の気持ちをどうしても伝えたくて、あのままじゃ終われなくて、今日のライブが実現しました。そして全10曲の中に私達の全力の想いを込める事ができたと思います。本当にありがとうございました!」
すると、会場から大きな拍手が巻き起こった。
これは皆に気持ちが届いたって思っていいのかな。
隣を見ると、英玲奈もあんじゅも満足気な顔をしていた。
じゃあ、これで本当に最後ね。
「皆さん。今日歌った10曲は私達の全部です。だからアンコールはありません。」
少し会場がざわめいた。
「ですが、最後に、皆で一緒に歌って欲しい曲があります。」
そこまで言うと、再び大きな歓声が上がる。
「曲は卒業の定番、『蛍の光』よろしくお願いします。」
この歌を選んだのは、まあインスピレーションかな?
私達の持ち歌に最後を締めくくる系の歌が無かったという理由もある。
あとは、卒業式の後のライブだから、学院生は勿論、ライブに来てくれる人も最後だと分かってくれると思ったから。
そして何より、皆にA-RISEを見送ってほしかったから。
卒業式の時にも勿論、一度歌ってるんだけど、あんまりピンと来なかったの。
まあ、英玲奈は終始号泣だったけどね。
これが万感の想いっていうのかな。
今聞こえるのこの歌は、とても私の心を揺さぶってくる。
本当に、本当に私は幸せ・・・。
ついに途中から歌えなくなってしまった私に気付いて、英玲奈とあんじゅが寄り添ってくる。
二人に振り向いたとき、もう良いよって言われたような気がしたの。
会場を包む皆の歌と光の中で、私達3人は最後まで抱き合っていた。
歌が終わると、会場からはすすり泣く声が聞こえてくる。
今度こそ本当に終わりね。
私達は手を繋いで横に並んだ。
「皆さん。最後まで、私達をスクールアイドルでいさせてくれて、本当にありがとうございました!」
大きな拍手と歓声の中、幕が下りた。
舞台下へせりが下りると、私達はお互いの顔を見合わせた。
「良い、ライブだったわよね?」
間違いなく、A-RISEの歴史を飾るにふさわしいライブだったと心から思えた。
「ああ…。もちろんだ…。」
そう言いながら、英玲奈はまだ、むせび泣いている。
今日だけで彼女の180度違う一面が見れたわ。
「伝説・・・。案外ホラじゃないかもしれないわねぇ。」
薄く涙の後を残しながら、あんじゅはいつもの笑顔でいた。
こうして、スクールアイドルA-RISE、最後のライブが終了した。
ライブから数日後、UTX学院のカフェテラスに私達は集まっていた。
「それで、どうする?」
私の問いに、英玲奈もあんじゅも押し黙る。
私達には、最後に選択しなければいけないことがあったから。
「プロになるか。それとも普通の人に戻るか、かぁ」
あんじゅが外を眺めながら、呟く。
「これで終わっても、悔いは無い。と言えるだけの事は出来たと思う。だが、先のライブで私達はA-RISEの新たな可能性を見た、そんな気もするんだ。」
英玲奈が珍しく自分の気持ちを言葉にする。
「それで、ツバサはどうなの?」
あんじゅが聞いてきた。
私は・・・。
「私達はあの時、確かに全てを出しきったわ。これで終わるのも美しいかもしれない。でも、ライブの後、A-RISEのコールを聞いて、まだ私達は求められている。とも思ったの。」
クリスマスプレゼントを貰ったとき、私達が諦めない限り、求めてくれる人たちがいる限り、A-RISEはあり続ける。
そう思ったから。
「だから、私達の手で幕を引くのはまだ早いんじゃないかって思うの。」
これが私の答え。
「答えは、始めから決まっていたのかもしれないわねぇ。」
あんじゅは目をつむりながら、ポツリと呟いた。
「そうだな。私達はこれからだ。」
英玲奈の気持ちも、どうやら固まったようだ。
「じゃあ、みんな異論は無し。ってことで良いわね。」
私は二人を見ながら、最後の選択を決めた。
その日の内に、私達はチーフの元へと行った。
「そうか。よく決断してくれた。実を言うと、かなり心配だったんだ。君たちのライブがあまりに凄すぎて、燃え尽きちゃうんじゃないかって。」
チーフは笑いながら続ける。
「それじゃあ、あとは清水さんに連絡して、正式な契約を結ぼう。なるべく早い方が良いだろうから、また明日ここに来てくれ。」
そういうとチーフは立ち上がり、窓の外を眺めた。
「これで僕の仕事も終わりだな。あとは君たちの前途を祝っているよ。」
これも一つの別れなのね。
「チーフ・・・。それほどカッコよくもないですよ。」
判ってる。
これは照れ隠し。
「おいおい。折角キメたってのにチャチャ入れないでくれよぉ。」
私達とチーフはこれくらいで良い。
きっとチーフも分かってくれる。
センチメンタルなのは似合わないわ。
翌日、私達は清水さんのプロダクションと正式に契約した。
彼女がそのままマネージャーになるらしく、日本の音楽シーンを盛り上げていきましょう。と力強く言われた。
ここから、また新たなA-RISEの歴史が始まるのね。
帰り道、私達3人は並んで歩いていた。
「私達も、とうとう本物のアイドルになる訳ね。」
「スクールアイドルが偽物という事ではないが、やはりプロの世界というものがあるのだろうな。」
「案外、今までとほとんど変わらなかったりして。」
未知の領域に足を踏み入れた事だけは、間違いなく判る。
あとは私達がどれだけやれるか。
「これからは、日本中のアイドルがライバルになるのね。」
「ツバサよ。私達はその中でもトップを狙おうというのだ。楽しみじゃないか。」
「うふふ。英玲奈ったらずいぶん強気じゃない。」
「そういうあんじゅも、満更じゃないって顔してるわよ。」
数多生まれては、消えていく容赦のない世界。
でも私には、こんなにも頼もしい仲間がいる。
「まぁ、やるからにはトップを狙うけどね。でも、それが目的じゃない。」
「あぁ、やるべき事は一つだけだ。」
「そうねぇ。たった一つだけのシンプルな答え。」
冬が終わりを告げ、春を予感させる風が吹いてくる。
私達の願いを乗せて、新しい世界へ。
『私達はA-RISE。みんなへ想いを届けるアイドル。』
以上で終わりになります。
A-RISEという素材がもったいなくて、勢いで書いてしまいましたがいかがでしょうか。
駄文に最後まで付き合っていただき、ありがとうございます。
乙
面白かったよ
何気にググってみたら、同タイトルのSSが過去に投稿されてました...こんな事あるんですね
乙
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