「幻想郷へよおこそ」 (117)
・ここは幻想郷にやってきた主人公が目的を達成するためのスレです。
・目的を達成できるかどうかは参加者の選択によって変化します。
・脆弱な主人公は、大抵の場合人並みのステータスを持っています。
・危険信号を無視すると場合によっては死にます。
それでは始めます。
準備はよろしいですね。
まずは難易度を選んでください。
「easy」
「normal」
「hard」
「lunatic」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1465661547
これって安価? それとも演出?
ルナ
イージー
難易度「lunatic」が選択された。
貴方はこれから、強い決意を抱いて幻想郷に足を踏み入れなくてはならない。
それは過酷で、達成困難な冒険となるだろう。
貴方は明確な意志をもって、幻想郷へとやって来た。
理由は、自分の心の記憶を取り戻すため。
あらゆる治療を試みても完治不可能であるとの判断を下された貴方の記憶障害は、もはや真っ当な手段では解決出来ないものであった。
それは脳の治療による解決は困難であり、心から掬い取られなくてはならないものだったのである。
幻想郷と呼ばれる秘境には、心を読むことの出来る種族が存在するのだという。
空白の心に悩まされ続けている貴方は、藁をも縋る思いで、不安定な結界の綻びから幻想郷へと踏み込んだのであった。
最終目標「心の記憶を覚り妖怪に汲み取ってもらい、無事に幻想郷を脱出する」
このスレは基本的に直下最も近い選択を採用します。
主人公の気の迷いやミスによって、選択が覆る場合もあります。
何日も森を彷徨い歩き、貴方は偶然見つけた結界の綻びに、奇跡的に侵入することができた。
この侵入は誰も意図しないものであり、望まない侵入である。
故に、この箱庭を愛する賢者が不穏な侵入者を見つけた場合、よほどの信用がない事には無残な目に遭うだろう。
幻想郷に人間は多い。人に紛れれば、そう見つかることはないだろうが……。
幸か不幸か、季節は春だ。
夜、野外で過ごしていても、天候に恵まれ衣服さえしっかりしていれば、凍死することはないだろう。
さて。
貴方が訪れたのは、人の手の入っていない森であった。
先ほどまでと違い、どこか神秘的で、原始的な雰囲気を感じる森である。
貴方は何の確証もなくほとんど直感的にではあるが、ここが目的の場所であることを悟った。
とはいえ、見渡す限りここは森の中だ。
道らしい道はなく、人の気配はない。
腕時計は正午をさしている。
特に空腹ではなく、渇いてもいない。
疲労はそれなりだが、日没まで歩き通すくらいはできるだろう。
さあ、貴方はどうする?
とりあえず出口を求めて前に進む
見慣れぬ自然には感動を覚えたが、このまま森の中で佇んでいられるほど貴方は能天気ではない。
すぐさま森を出るために行動することに決めた。
貴方の靴は正常であり、森林地帯の散策も想定した作りのいいトレッキングシューズだ。歩調に乱れはない。
貴方に森の出口はわからなかったが、とにかく歩き続けた。
「…ガサガサ…」
その最中、どこか遠くの茂みで音が聞こえてきた。
同時に貴方全身に緊張が走り、歩みがピタリと止む。
考えてみれば、貴方は無防備に歩き続けてきた。
周囲の警戒を全く怠っていたのである。
もしもこの森に野生の動物や、はたまたそれ以上の何かがいたとすれば……考えなしにただ歩くのは得策ではないだろう。
幸い、先程の音は何かの小動物によるものだったらしい。
しかし一歩間違えていれば、大惨事へと繋がっていたかもしれない。
貴方はここが人の庇護のない環境であることを再認識するのであった。
◆警戒が上がった
◆山歩きが上がった
◆疲労度と精神疲労度が上がった
▽あらゆる行動には「警戒」を割り振ることができる。
行動に警戒を加えることで、不意の事態に対処しやすくなり、また目立たないものを発見しやすくなるだろう。
警戒を割り振るには「少し警戒しながら」「警戒しながら」「かなり警戒しながら」といったように度合いを決めることができる。
ただし、警戒することで精神的な疲労が上がるため、考えなしに多用することは禁物である。
さて。
気持ちを入れ替えた貴方は、再び行動を選択することができる。
行動は歩くだけでなく、休憩や荷物の確認、その場で何らかのものに注目したり隠れたりすることも可能だ。
腕時計は12:20をさしている。
貴方はどうする?
自殺
とりあえず自分のやりたい事優先して何も説明しないアホのスレは滅んでいいよ
読んでるやつはお前のおもちゃじゃない
とりあえず小休止して回りを見渡す
普通主人公の性別などステータス最初にやらないか?
性別は確かに気になる
貴方は一旦、一息つくことにした。
考えてみればこの森に入り込む前も、ずっと歩き続けていたのだ。ちょっとした休憩を挟むのも悪くはないだろう。
とはいえ座り込めるほどの気は許せない。
貴方は脚を休ませながら、なんとなく周囲の環境を観察した。
周りは様々な樹木で覆われている。
樹木は様々な種類があるが、針葉樹はほとんど無い。
地面は下草がまんべんなく茂っているが、辺りの樹高が高く影が出来やすいためなのか、雑草の生育は悪く、歩きやすい。
獣の姿は見えないが、昆虫などの姿は確認できる。
高低差がある場所もあるが、山の斜面というほどではなく、そういった点で言えば平坦とも表現できる。
山で遭難しているわけではないようだが、逆に考えれば低い場所を目指すという指針もない状況だ。
◆一休みいれたことで、貴方の各種疲労が少し回復した。
◆観察能力が上がった。
◆状況把握を選択したことで、ここで貴方自身の情報を少しだけ振り返ることができる。
▽貴方は男性だ。年齢は25歳程度である。
▽貴方は東洋人だ。髪は黒く、色白ではあるが、一目で黄色人種だとわかる。
▽貴方はコンパクトな20リットルほどのリュックを背負っているが、中身の食料や水のいくつかには既に手をつけている。
さて、それにしてもこの森はいつになったら出られるのだろうか。
現在は昼だからまだ良いが、陽が傾けばきっと恐ろしい雰囲氣に包まれるだろう。
貴方の腕時計は12:30をさしている。
これといった疲労はない。
貴方はどうする?
森を抜けたい
休憩もそこそこに、貴方は再び歩き始めた。
山歩きには慣れている。足場も悪く無いので、怪我をすることもないだろう。
貴方は快調に歩いていった。
やがて、それから20分ほど歩いた頃だろうか。
貴方は森の中に、打ち捨てられた小屋を発見した。
それは木造の粗末な建築物であり、家とするには狭いように見える。おそらくは、物置か何かだろうか。
建物に損傷は無いが、人の手入れが入っているようには見えない。注意深く観察するまでもなく、小屋の壁面にはつた植物が絡み付いていた。
◆山歩きが上がった。
◆疲労度と精神疲労度が上がった。
貴方の腕時計は12:50をさしている。
さて、貴方はこの小屋を無視することもできるし、小屋をよく観察することもできるし、小屋の周囲を調べることもできる。
当然、その気があれば小屋の中に入る事も可能だろう。
ただし探索には相応の時間がかかるので注意が必要だ。
貴方はどうする?
小屋の木陰でちょっと休憩
ここまでキャラどこらか妖怪にも出くわさないのも珍しい。
しばらく歩いた貴方は、せっかくなので小屋の陰で休憩を取ることにした。
正午近くではあるが、小屋の裏であれば僅かな庇が陰を作ってくれるだろう。
貴方は小屋の裏に回った。
小屋の裏側には、ちょっと長めの庇が伸びていた。
その下には朽ちた薪らしき木材がいくつか束になって置かれている。割った薪を一時的に置いておくスペースなのだろう。
しかし薪の損耗は激しく、人の手が入った痕跡はない。放置されてから随分と経っているようだ。
ともあれ、薪は山積みになっているわけでもない。
休憩するには十分のスペースがある。
無人とはいえ、人の名残を感じさせる小屋に寄り添った休息は、貴方に精神的な安らぎも与えてくれた。
ここでしばらくの間、ゆっくりと脚を休めることができるだろう。
貴方は休憩中、小屋の裏側の壁面に小さな小窓がついているのを見つけた。
小さな窓はガラス製で、曇ってはいたが辛うじて中を見ることができた。
貴方は注意深く「観察」しているわけではないのではっきりとはわからなかったが、中にはいくつかの農具がたてかけてあり、棚らしきものも見える。
やはりこの小屋は物置として使われていたもののようである。
とはいえ、今は休息中だ。
貴方はちらりと窓から覗き見ただけで確認を切り上げ、バックパックの中にあるペットボトルから少しの水を飲んで、渇き癒やした。
◆疲労度と精神疲労度が回復した。
◆ペットボトルから水分補給した。残り水分1.5リットル。
さて。
休憩を終えた貴方は、小屋の近くに獣道のような痕跡を発見した。
地面が踏み固められ、下草の伸びが悪いのだろう。それは古いもののようであるが、何かが通ったような跡であることは間違いない。
他に道らしい道はないようだ。
貴方はその怪しい古い獣道を通ることもできるし、今まで通りの方向に歩き出すこともできる。
もちろん、小屋の中を確認することだってできるだろう。
貴方の腕時計は13:10をさしている。
貴方はどうする?
獣道を辿る
獣道のようではあったが、それは古いものである。
真新しいものではないならば、出くわす危険も少ないだろう。
むしろこれほどわかりやすく古い獣道であるならば、逆に安全とも言えるかもしれない。
貴方に確証はなかったが、とりあえず唯一の目印らしい獣道を辿ることに決めた。
貴方は荷物を背負い、再び歩き始める。
獣道は古いため、時折枝葉が下草が貴方の行く手を撫ぜるように阻んでいたが、それまでの山道とは違って快適に歩くことが出来た。
道は遠くまで続いているらしく、その途中では何本か、伐採された後であろう小さな切り株のようなものが見える。
しかしそれも真新しいものではなく、やや古めのものであるらしい。切り株からは若枝が育っているようだった。
貴方が十分ほど歩き続けると、森の出口が見えてきた。
ここから先は開けた場所らしい。貴方は文明の気配を感じ、自然と足早になってゆく。
森の終端にたどり着くと、その向こうに見えたのは畑であった。
それは人の手入れがなされているであろう、綺麗な畑である。
畑の向こう側には小さな民家らしきものも見える。
だが、その民家は現代的なものではない。外壁からも木造ということがよくわかる、非常に原始的なものであった。
今現在は21世紀である。貴方は田舎とはいえ、未だにこのような古めかしい建造物が現存することに多少の興奮を覚えた。
さて。
ところで貴方は、自らの記憶を取り戻すために幻想郷にやってきた。
ここで貴方が認識している「幻想郷」の知識について確認してみよう。
貴方は確かに「幻想郷」を目指して侵入してきたわけであるが、実のところ幻想郷について詳しく知っているわけではない。
貴方は知り合いの胡散臭い老占い師からこの土地の話を聞いただけで、持ち合わせている確かな情報は微々たるものだったのである。
把握しているものとしては、幻想郷は社会から隔絶された場所である、ということ。
そして霊的な存在が現存している場所、ということくらいであろうか。
つまり、貴方の認識は「霊能力」や「スピリチュアル」といったものが盛んな閉鎖的な郷、というものでしかない。
当然、貴方はここが「妖怪」や「幽霊」や、まして「神」や「悪魔」が跋扈する場所であるなどとは、今この時は夢にも思っていないのである。
▽故に、もしも貴方が心構え無く、一方的に「妖怪」などに遭遇し襲いかかられた場合、貴方は心理的なパニック状態に陥るだろう。
◆「山歩き」が上がった。
◆疲労度と精神疲労度が上がった。
さて。
ここから踏み出せば、畑に出るだろう。畑の向こうには小さな民家がある。
貴方の腕時計は13:20をさしている。
貴方はどうする?
畑の周辺を探索する
貴方は畑の周囲を見て回ることにした。
民家らしきものは見えるが、さすがに見ず知らずの人の家を唐突に訪れるようなことはしたくなかったのである。
さて。貴方はふらふらと、浮ついた足取りで畑の周囲を歩き始めた。
見たところ、畑にはイモ類や根菜などが植えられているらしい。
葉の成長を見る限り、まだ食べるには早いだろうか。
少し歩くと、貴方は畑の脇に小さな川が流れていることに気がついた。
川は民家の側を通り、遠くまで続いているらしい。それは明らかに人工的に引かれたものであり、よく見かける側溝と同じような深さと幅があるようだ。
小川が続く遠くを見やると、点々と小さな小屋なのか民家なのか、古めかしい建築物が立っているのが見える。
そして点在する民間のうちの一件からは、野焼きであろうか、黙々とか細い煙が立ち上っているのも確認できた。
◆「観察」が上がった。
貴方の腕時計は13:30をさしている。
貴方はどうする?
川の水で飲めそうなら水分の補充と補給
人のいそうな民家を訪ねてみる
小川を見て、貴方は現在の自分には水分補給の目処が怪しいことに気がついた。
貴方のペットボトルは袋状のものであり、最大2リットルまで補充することが出来る。
貴方はこの度に際して二つの袋水筒を持ち込んでいたが、今やそれも水が貯蔵されているのは一つのみ。そして水分量も1.5リットル程度と、わずかであった。
今日一日だけならば大丈夫だろう。しかし二日目ともなれば、この手持ちの水分でどうにかするのは厳しいかもしれない。
貴方はひとまず今持っている水を少しだけ飲んで喉を潤し、開いていたもう一つの袋水筒で小川の水を補給することにした。
生水は危険、ということはなんとなく知っていたが、水なしで二日目を過ごす危険がある以上はそうも言っていられない。
幸い、小川の水は非常に綺麗であり、見た感じでは全く濁っていない様子だった。
だが、実際の危険性は飲んでみるまでわからないだろう。
これを安全に飲むためには、生水を煮沸消毒する必要があるかもしれない。
水分を補給し、また補充をし終えた貴方は、意を決して人のいそうな民家を訪ねてみることにした。
二日目を野宿する程度の覚悟はあるが、人がいるのであれば出来る限りその庇護に預かりたいのである。
貴方はバックパックに折りたたみ式の短めのアルミポールと一人用のタープ(簡易天幕)を入れてあるので、いざとなれば多少の雨天を野宿でやり過ごすこともできなくはない。
だが、人がいるならば一宿一飯の恵みを受けたいと思うのは当然のことであった。
貴方は見える限り、おそらくは人がいるであろう少し離れた場所にある小さな煙が登る民家を目指して歩いていった。
・・・侵入者移動中・・・
煙が立ち上る場所に近づくと、貴方は遠目に人の姿を確認した。
歳の頃は七十くらいだろうか。それは老人であり、外に配置したかまどで何かを焼いているようだった。
しかし、その老人の姿というのが、貴方にとってはどうも見慣れないものである。
老人の姿は、どう見ても現代的なそれではなく、どこか古めかしい、例えるならば江戸の町民が着るような浴衣を身につけていたのだ。
だがそれは決して似合っていないというわけでもなく、辺りののどかな風景も相まって、非常にマッチしているように見える。
貴方はその老人の姿に、自分が過去にタイムスリップしてしまったかのような錯覚を覚えたのだった。
◆水分補給した。喉が潤った。清浄な水残り1.4リットル。
◆生水を補充した。汲んだ生水残り2リットル。
◆疲労度が上がった。
さて。
老人は歳のせいか、まだこちらに気づいていないようである。
しかしここで貴方が少し声を張れば、老人は貴方に気付くことだろう。
貴方は老人に接触しても良いし、無視して再び歩いても良い。
接触するならば、最初にどう声をかけるか、どのように話を進めるかを選択すると良いだろう。
貴方の行動は、直下3レス内から選ばれることだろう。
それは全てのレスかもしれないし、一つだけかもしれない。
最も貴方にとって“自然な”選択肢が採用されるはずだ。
貴方の腕時計は14:00をさしている。
貴方はどうする?
戸を叩いてから声をかける
道を間違え迷ってしまった旨を伝え泊めてもらえそうなところはないか聞く
貴方はとりあえず、無難に声をかけてみることに決めた。
老人は屋外に設置されたかまどの世話をしているようで、こちらには気づいていない。
いきなり背後から近づいて声をかけるというのも何なので、貴方はとりあえず老人に近い民家の入口をノックしつつ声をかけた。
*ドンドン*
「ごめんくださーい……」
ノックの音と貴方の声、両方に反応して老人は振り向いた。
老人の顔に刻まれた皺は深く、肌は農作業のためであろうか、日に焼け浅黒い。
しかし老人であるにも関わらず、その肉体にはしっかりと筋肉が備わっており、衰えているというような印象は抱けなかった。
老人は頑固そうな顔で貴方を見ると、しかしすぐにどこか不思議そうな、訝しむような表情を作ってみせた。
それはまるで、貴方が異質なものであるかのような目つきである。
「なんじゃ」
老人はぶっきらぼうに訊いてきた。
「あの……どうも道を間違えてしまったみたいで。ここがどこだかわからないのです」
「迷ったぁ? マヌケめぇ」
老人はあなたの言葉に低い声で笑った。
そして再びかまどに向き合い、燃料を継ぎ足し、ふいごで風を送り込んでいる。
貴方は会話が途切れることを恐れ、再び口を開いた。
「お尋ねしたいのですが、どこか泊めてもらえる家をご存知ないでしょうか?」
訊ねてからしばらくして、老人はかまどの調整に区切りがついたのか、再び貴方に顔を向ける。
「他所もんを泊めてやるような家は、ここらへんにはねえよ。ここいらの連中は皆、里から離れてんだ。わかるだろ。人嫌いばっかなんだよ」
突っぱねるようにそう言う老人の顔も、どうやら貴方を歓迎していないようだった。
◆「説明力」が上がった。
さて、貴方はどうする?
いい加減妖怪とかキャラ出そうぜ?
幻想郷を舞台にする意味全くない。
安価も内容的に無意味だし、何がしたいんだ?
里への安全な道を聞く
「……では、里への安全な行き方を教えていただけないでしょうか」
「……」
貴方が老人にそう訊ねると、老人は作業の手を止めて暫し黙りこんだ。
「……安全ってぇと、妖怪の出ない道ってことだな?」
妖怪。
聞き慣れない言葉に、貴方は意図せず押し黙った。
しかし老人は貴方のその反応を目にしておらず、特に気にすることもなく続ける。
「遠回になるぞ。安全な道は一刻かかる。だが真っつぐ行きゃァ半刻ちょいで着くだろ。まぁ、途中の林道で何が出るか知らんがね、そっちの方が早いし、良いんじゃねえか?」
老人は不気味に笑いながら言う。
しかし、貴方は頭の中で、老人の言っていた言葉の意味を処理するので精一杯だった。
一刻は昔の時間の単位である。一刻はおよそ2時間。半刻はその半分で1時間だ。
近道なれば1時間ちょっとで着くが、安全な道だと2時間かかるのだという。
いや、しかし貴方の頭には、それ以外の奇妙な単語が燻っていた。
「妖怪」。
先程からの老人の古めかしい物言いといい、「妖怪」といい、貴方は言葉の節々に不穏なものを感じていた。
まるでそれらが実在するかのような……。
「妖怪が、出るんですか?」
「林道にゃぁな。不用心に通る村人の何人かが、たまにそこで食われちまうのよ。里から出て、妖怪の縄張りに踏み込むからそうなるんだ」
老人の言葉に冗談めかすような気配は感じられない。
どうやらこの老人は、本気で妖怪がいると思っているらしい。
いや、ひょっとするとおそらく、それは事実なのだろう。貴方はなんとなくではあるが、老人の言葉が真実であるかのように思えてきた。
「ま、どちらにせよ、道を教えて欲しけりゃ俺の仕事を手伝ってもらうぞ。半刻ほどそこの斧で薪割りをしてもらう。まさかタダでおしえてもらおうなんざ思っとらんよな?」
老人は悪そうに笑い、民家の脇に転がった原木を指差した。
それらは中程度の太さの原木であり、傍らには古い切り株と、そこに突き立てられた斧がある。
どうやらこの老人は、道を教えてほしければ貴方に薪割りをしろと言っているらしい。
半刻ということは、一時間の間薪割りを手伝えということなのだろう。
貴方にまともな薪割りの経験などはなかったが、それは結構な労働であることを予感させた。
◆「警戒」が上がった。
◆貴方は妖怪の存在を知った。
◆貴方の精神疲労度が上がった。
◆貴方の恐怖度が少しだけ上がった。
▽恐怖度が上がり過ぎるとパニックを起こしやすくなる。恐怖度は平穏な時間経過によって自然と戻る。
老人は黙々とかまどの調節を行っている。
貴方は切り株と斧を見て、どうしたものかと悩んだ。
貴方の腕時計は14:10をさしている。
貴方はどうする?
薪割りしよか
情報も無価値ではない。それが身を助けるものともなれば当然であろう。
足元を見られているとわかってはいたが、貴方は薪割りに精を出すことにした。
どの道このままでは行く宛もないのだ。であれば、偏屈であろうともこの老人に恩を売っておくのも悪くはない。
色々と打算はあったが、それでもあなたは誠意を込めて薪割りに勤しんだ。
手つきは危うく、初めての薪割りはなかなか難しいものであったが、自分の行いが目的に結びつくと思えば苦でもない。
それにたったの一時間である。その程度であれば、精神的に苦痛も無かった。
老人がかまどをいじり、貴方は黙々と薪を割る。
昼下がり空に、薪が快く弾ける音が響いてゆく……。
・・・侵入者薪割り中・・・
貴方は腕時計を確認し、今の時間が15:10であることに気がついた。
どうやらきっかり一時間、薪割りに勤しんだらしい。夢中になっていたためか、時間が経つのは早かったように感じられた。
切り株の傍らには、四等分に割られた木材が積まれている。貴方は薪の必要量についてあまり詳しくはなかったが、それなりに沢山の木を切れたように思った。
「ご苦労」
老人はそんな貴方に、そっと湯呑みを差し出した。
どうやらそこには茶が入っているらしい。貴方は存外親切な老人の労いに少々動揺しながらも、「ありがとうございます」と一言感謝して、茶を飲んだ。
労働の後だからであろうか。茶は雑味も感じられたが、動いた体に染みるような良い味がした。
「手つきは危なっかしいし、トロっちかったが、真面目に働いたのは見ればわかる。約束通り、道を教えてやろう」
老人が威嚇するような怖い笑みを浮かべているが、どうやらそれはそれなりに上機嫌故のものらしい。
貴方はもう一度老人に感謝して、深々と頭を下げた。
「で、どっちを聞く? 少し危なっかしい近い道か、遠回りの安全な道か。どっちにいくつもりだ? 言っちゃなんだが、近道は本当に危険だぞ」
老人は嘘をついているようには見えない。
どうやら近道が危険というのは本心からの言葉のようだ。
◆里の外れにおける信頼度が少しだけ上がった。
◆「薪割り」が上がった。
◆疲労度が上がった。
◆あなたは美味しいお茶で喉を潤した。
さて、貴方は労働の対価として道順を聞くことが出来る。
危険な近道か、安全な回り道か。
また、他に老人に対して話したいことがあれば、それも良いだろう。
貴方の行動は、直下3レス内から選ばれることだろう。
それは全てのレスかもしれないし、一つだけかもしれない。
最も貴方にとって“自然な”選択肢が採用されるはずだ。
貴方の腕時計は15:10をさしている。
貴方はどうする?
安全な回り道
急がば回れ、遠くても安全な道を行こう
ガッツリ終点決まっててピンポイントの安価以外読者と絡む気ないなら普通に投下しろよ
「安全な道を教えていただけますか」
貴方が選択したのは安全な回り道だった。
安全な道は一刻ほどはかかるのだというが、今からなら日が暮れるまでには間に合うだろう。
見たところ老人は鍛えているようだが、履物は簡素な足袋のように見える。
健脚を持ち、レッキングシューズを履いた自分であれば早めに着けるだろうという確信があった。
「いいだろう」
貴方の答えに、老人は満足したように頷いた。
そして老人は、貴方にしばらく待つように伝えると、近くの家屋へと入っていった。
老人は何分もしないうちに戻ってきて、貴方に一枚の紙を渡してくれた。
どうやらそれは、目的地までの簡単な地図らしい。
地図には通るべき道筋と、曲がり道の目印などが書かれている。
筆で書いたような文字に相変わらず古めかしさを感じたが、貴方は老人の親切にまた感謝した。
「それと、人里へ行くならこれを持っていけ」
老人は地図のついでに、何か荷物のようなものを取ってきたらしい。
押し付けられた貴方は、それが何なのかを老人に尋ねた。
「それは俺の焼いた器と紹介状だ。時間も時間だからな、門の連中も見張りしてることだろう。そいつを見せれば妖と間違われることはないだろうし、霧雨店にでも持っていけば一宿一飯にはなる」
どうやらこれは、老人が貴方のためを思って用意してくれたものだったようだ。
貴方は今日何度目になるかもわからない頭を、その日一番の気持ちで下げると、老人は照れくさそうに悪態をついた。
「さっさと帰れ。俺は人が嫌いなんだよ」
老人は突っぱねるように言うと、またかまどをいじる仕事に戻ってしまった。
無愛想ではあるが、どうやらいい人ではあるらしい。
貴方は老人の背に頭を下げて、地図通りに歩き始めることにした。
◆警戒が上がった。
◆精神的疲労が少しだけ下がった。
貴方は歩きはじめ、地図と風呂敷を手に道を進んでゆく。
地図通りに進むとどうやら林道を迂回する形になるようで、常に見晴らしが良いらしい。
道は平坦で荒れてもいない。急ごうと思えば走ることもできるだろう。
だが、そのままの歩調で歩いていても人里までは間に合いそうではある。
走るもそのまま歩くも、また別の行動を取るもいいだろう。
貴方は現在、少し空腹かもしれない。
貴方の腕時計は15:30をさしている。
貴方はどうする?
急いで歩く
貴方は呑気に歩いていたが、突然ふと気付いた。
確かに視界は開け、今こそ順調に進んではいるが……この道には、夜に足下を照らす街灯などないことに。
陽が沈んだ時、辺りが闇に包まれたならば、貴方はきっと道に迷ってしまうだろう。
それは手元に地図があるだけではどうしようもないことである。
嫌な予感を覚えた貴方は、手にした荷物を乱暴に扱わない程度の速さで急ぐことに決めた。
一度も通ったことのない道なのだ。急いで損はないだろう。
仮に、もしもあのまま歩いていたならば、山に隠れた落陽はすぐに闇を生み、闇は夜道に妖の気配をもたらしていたかもしれない。
・・・侵入者移動中・・・
さて。貴方は急いだおかげか、半刻ほどで目的地に到着した。
大きな門と塀に囲まれた町。人里へと辿り着いたのだ。
まだ今は夕日が出てもいない程度の頃合いである。
貴方は無事に文明に遭遇できたことに深く安堵した。
「おーい、にいちゃん、一体どうした? なんだか見ない顔だが?」
ふと、門番をしていたらしい男が貴方に声をかけてきた。
門番は穂先の小さな槍を持っている。服装はやはり昔を感じさせるもので、どう見ても日本の現代人とは思えない。
「その服といい、なんだか、怪しい奴だな? お前、名前は? その荷物は?」
門番の男は早速貴方に疑いの目を向けている。
さて、どう答えたものだろうか。
貴方はどうする?
紹介状を見せ霧雨店の場所を聞く
荷物の整理
「こちらを見てもらったほうが早いかと」
「ん?」
貴方は自分からいらぬ言い訳をすると誤解や面倒を引き起こすと、なんとなく察知した。
なので貴方は、ここでの唯一のコネであろう老人から貰った紹介状を素直に差し出し、必要最低限の受け答えだけで乗り切ることにした。
門番の男はふむふむと紹介状を読み、頷いている。
その様子を見るように、どうやらある程度納得されているようだ。
「へえ、なるほどな。器かぁ、俺ぁ使えりゃなんでもいいけどな。あいわかった、通っていいぞ」
「どうも。……ところで、霧雨店へはどのように行けば近いですかね?」
「霧雨店? あのでかい道具屋だろう。そんなの中央の通りを歩いてれば、一等でかい建物が目につく。あんたの目が人並みだったら、遠くからでもその看板が見えるだろうに」
貴方はついでに老人に言われた霧雨店についても尋ねたが、そちらは半ば呆れ気味に返されてしまった。
どうやら霧雨店という所は、この人里の中ではそれなりに有名で大きな店らしい。
「ありがとう、それじゃ」
「おう。急ぎすぎて器を割るなよー」
これ以上自ら地雷を踏むのは良くないかもしれない。
貴方はそっけなく別れを告げて、門をくぐり人里へと入っていった。
「――」
そして、その光景を見て貴方は一瞬、言葉を失った。
人里は、確かに賑やかである。家屋は多いし、アスファルトではないにせよ道も存在する。
しかしその景色は、どう見ても現代のそれではない。
そこはまるで、時代劇の舞台か、あるいはそれに準ずる歴史物の位置風景であるかのように見えるのだ。
ここまで貴方は人の姿や景色が古めかしいと感じてはいたが、どうやらそれは全く正しいもので、そしてより深刻なものであったらしい。
貴方が自ら飛び込んだ「幻想郷」とは、まさに現代社会から隔絶された世界なのである。
ふと、そこまで考えて貴方は自らの姿や荷物が、この人里の中においてひどく浮いているように思われてきた。
慌てて自分の姿を振り返ってみるが、別に自らの格好までタイムスリップしているということはない。しっかりと現代の服と靴を履いているし、バックパックには重みも感じる。
ともあれ、貴方は人里に到着した。
次に目指すべき霧雨店への行き方も把握した。
人心地ついた貴方は、自らの荷物を確認することに決めた。
このように遠目に見ただけでも文明レベルの低めな世界のことだ。貴方の持ち物は、きっと幸いにもなるし、災にも転ずるだろう。
◆警戒が上がった。
◆予感が上がった。
◆説明力が上がった。
◆人里における知名度がほんの少しだけ上がった。
貴方はバックパック及びポケットの荷物を確認した。
内容は以下の通りである。
・袋水筒(汲んだ生水2リットル)
・袋水筒(清潔な浄水1.4リットル)
・タープ用折りたたみ式アルミポール
・一人用タープ(簡易天幕)
・携帯食料(シリアルバー)3食分
・空の飯盒
・アウトドアナイフ
・断熱性アルミビニールシート
・防水マッチ(残り12本)
・タオル
・替えの下着
・簡易応急キット
・スマートフォン(充電残り40% 圏外)
・腕時計
・ハンカチ
・ポケットティッシュ
・人里から外れの村落までの安全な道順の地図
・風呂敷包み(中には器などが入っているらしい)
貴方は内容について詳しく確認することもできるし、これから別の行動に移ることもできる。
貴方の腕時計は16:40をさしている。
貴方はどうする?
霧雨店へ行く
人里内で幻想郷に1番詳しい人を探し、会って地理の話や相談をしてみる
持ち物の確認を終えた貴方は霧雨店へ行くことに決めた。
もうじき日もくれるだろう。人がいる場所とはいえ、街灯のない夜は街中でも好ましいものではない。
貴方は立ち上がり、門番の男が言っていた通り、大通りをまっすぐ歩くことに決めた。
◆荷物の確認を完了した。ここで、このスレにおける各種能力値の仕組みについて説明をしよう。
▽貴方が行動する度に、その行動によって様々なステータスが上昇、もしくは下降する。
▽貴方が周囲に気を配れば「警戒」が上がり、異質な気配を察知しやすくなるだろうし、
▽「山歩き」に慣れれば不安定な場所の移動に時間がかからなくなるだろう。
・・・侵入者移動中・・・
貴方は人里の大通りを歩いている。
通りにはちらほらと人の姿が見えるが、その誰もが着物や浴衣を着ているように見える。
話し声が聞こえなくもないが、貴方の頭は目的地である霧雨店のことでいっぱいだ。
とにかく安全な場所を求めていた貴方は、粛々と目的地まで急ぐのであった。
しばらく歩いていると、貴方は霧雨店に到着した。
時間のせいだろう。霧雨店はどうやらもう店仕舞いを始めているようで、既に店の従業員らしき者が暖簾を外しかけているところであった。
「すみません」
「ん?」
貴方は従業員であろう男に声をかけた。
「閉店準備中に申し訳ない。この店の店長……いや、ご主人はいらっしゃいませんか」
「はあ、霧雨の旦那ですか」
どうやらこの店の主人の名は霧雨という苗字を持っているらしい。
老人も言っていたが、おそらう荷物はその主人宛てのものなのだろう。
「お渡ししたい物がありまして。この書状と荷物……あとそれと、お願いが……」
「ああ、わかったよ。そういうことなら、そこにかけて待っていてくれ。今呼んでくるからさ」
貴方が言うと、男はなれた風に店の中へと飛び込んでいった。
あまり話を聞かない男であるが、話が早いならそれはそれで楽かもしれない。
しばらく待っていると、奥から男がやってきた。
歳は四十近く。着ているものもどこか、そこらを歩いていた人々とは違った高級感を感じる。
眼光は鋭く、貴方のことを値踏みするように見つめていた。
隙のない男性だとあなたは印象を抱いた。
「何か用かね」
霧雨主人はぶっきらぼうに貴方に尋ねた。
さて、貴方はどう受け答えするべきだろうか……。
貴方の腕時計は17:00をさしている。もうすぐ日が暮れ、夕焼けが見れそうだ。
貴方はどうする?
畑の老人からの手紙を見せつつ泊めてもらえるよう話す
安価細かいなww
(>>44 了解。会話が自然に繋がりそうなところなどは行動選択を求めないようにします。)
貴方は促されるがまま、霧雨店の主人に手紙と荷物を渡し、また、止めてもらえないかと率直に尋ねた。
主人は「ふむ」と曖昧に答えると、その場で手紙を読み始める。
そして少しだけ驚いたような顔を見せると、同じくその場で荷物の中の器を確認した。
荷物の中身は桐箱で、板によって三段に区切られているようだった。
そこに緩衝材代わりに古い新聞らしきものが敷き詰められており、三枚の器が納められているのが見える。
主人はそれを取り出して、慎重な手つきで回しながら、じっくりと観察した。
その器は、貴方の目から見ても立派なものであるように見える。
滴りそうな濃い釉薬と、透き通りそうな器の地色。それはまるで、骨董店のガラスケースにでも飾られていそうな品であった。
「あの爺さん、まだ器を作っていたのか……。そうか……お前さん、届けてくれてありがとう。この器はとても良いものだ」
器を見た後、どうやら主人は貴方に深く感謝したようだった。
老人から渡された品は、かなり価値のあるものであったらしい。
「あの人が“一泊でいいから世話をしてやれ”と言うくらいだ。あの人には先代の恩もある。もちろん、今日はうちで泊まっていくと良い。食事も用意しよう」
どうやら霧雨店の主人は、貴方を一晩止めてくれるらしい。それも食事付きである。
貴方は今日の平穏が確保されたことに喜び、霧雨の主人に深く感謝した。
「構わんさ。しかし、ここまで歩き通して疲れただろう。今日はもう陽も暮れるし、早く中に入ると良い。暗くなったならば、妖に目をつけられんうちに眠るのが一番だ」
こうして貴方は、人里の中でもわりと上等な食事を摂り、清潔な布団で眠りにつくことができた。
食事も客間で摂ることになったため会話はできなかったが、貴方は足腰の疲労と慣れない環境での冒険に気疲れしていたのか、そこまで残念でもなかった。
翌日、朝になった時に改めて話を聞けばいいだろう。
貴方には目的がある。
しかし今はまだ、その第一歩を着実に踏み込めた安心の中で、深い眠りにつくことの方が重要であった。
寝床は慣れないし、虫の音も存外うるさいものであったが、貴方はすんなりと夢の世界へと誘われた。
◆警戒4
◆予感1
◆観察2
◆説明力2
◆山歩き3
◆薪割り1
◆脚力2
◆腕力1
・貴方の今日一日は、歩いたり肉体労働に勤しんだりと、主に体を使った一日であった。
・歩き通したことで脚力に2、短時間の薪割りと荷物の運搬で腕力に1のボーナスが与えられる。
さて。
貴方は夢の中で、明確な意識もなく漂っている。
夢の世界では意図せぬ情報を得ることがある。それは夢に棲む妖怪のせいかもしれないし、全く別の要因かもしれない。
ともかく、この夢の中では、参加者であるスレの皆様から質問を受け付けています。
それは“貴方”の記憶に残るものではありませんが“貴方”の運命を操作しうる皆様にとっては、何らかのヒントになるかもしれません。
さて、それではほとんど一日をかけて、遅くなりましたが、何かありましたらどおぞ。
おつ
名有りキャラに対抗しうるのはやっぱり名有りキャラだけかな?
>>46
主人公は体力的には極普通の人間なので、東方作品の大抵の名有りキャラと敵対関係になった場合、確実に潰されることでしょう。
そして、人里の外に存在するごくごく低級な妖怪や野犬が相手だったとしても、それなりの準備がなければ命の危険もあります。
進行する側としても、無謀な戦闘や敵対抗はおすすめしません。
Sunkus
うーん最終目標で地霊殿まで行かないといけないみたいだしなぁ、自機経験者とのコミュとって連れてって貰える関係になるのが先か
なお今回の難易度はLunaticです。
博麗結界の一部がどういうわけか解れており、そこから“貴方”が侵入してきたわけですので、主人公はかなり怪しい身分だと言えます。
無名なうちは問題ないかもしれませんが、とある妖怪の賢者や疑っている博麗の巫女によって侵入者としての“貴方”が察知されると、よほどの信用がない限りはゲームオーバーになるかもしれません。
また、地霊殿にて第一目標を達成した後、このスレにおいては幻想郷から脱出することが第二目標となります。
その頃にはおそらく結界も修繕されているので、何らかの形で幻想郷を出る手立てを用意しなくてはなりません。
頑張りましょう!
妖怪の山の山頂に外から来て、地霊殿にも縁が深く、人里から安全に行ける参道もありそうなのが居るじゃないか
あー緑か
そっち頼るのが良さそうね
とりあえず今日は寝て中断します。
明日再開します。それでは。
1日目生存ボーナス。
貴方は「幸運」を初期値として50持っている。
幸運は0から100までの間で上下し、幸運が多ければ良い出来事があるだろうし、少なければ悪いことが起こりやすいだろう。
幸運な出来事があれば幸運は下がり、不幸なことがあれば逆に上がる。
幸運は良くも悪くも、自然と平均値を取ろうとするステータスだ。
しかし1日目を生存した貴方には、この幸運を支払ってステータスや貴方の能力を強化することができる。
以下3レスまでの選択から一つずつ、計3つまで取得可能だ。
同じく人が複数選択することはできないし、同じものを選択して重複取得することもできない。
①「陸上経験者」脚力+1、幸運−1
・陸上競技をやっていたため脚が速い。
②「筋トレ好き」腕力+1、幸運−1
・トレーニングが習慣のため、腕が強い。
③「霊感体質」霊感+1、幸運−1
・よく霊感があると言われている。
④「即断即決」予感+1、幸運−1
・よくここぞという時の判断が鋭いと言われる。
⑤「挙動不審」警戒+1、幸運−2
・落ち着きがない性格だが、それは慎重とも言える。
⑥「登山趣味」山歩き+3、幸運−3
・何を隠そう、よく山には登っている。
⑦「火熾し」幸運−3
・ライターやマッチがなくとも、枝などで火を作る技術がある。
⑧「長距離ランナー」呼吸+1、幸運−3
・肺活量にはちょっとだけ自信がある。
⑨「ラッキーマン」幸運+3
・結構運が良いと言われる。
⑩「防水腕時計」幸運−5
・実は貴方の腕時計は防水性に優れていたのである。
ラッキーマン
翌日になるごとに幸運ボーナス使えるのかな?
とりあえず7で
5
以下の3つが選ばれた。
⑤「挙動不審」警戒+1、幸運-2
・落ち着きがない性格だが、それは慎重とも言える。
⑦「火熾し」幸運-3
・ライターやマッチがなくとも、枝などで火を作る技術がある。
⑨「ラッキーマン」幸運+3
・結構運が良いと言われる。
運気と引き換えに貴方の能力が上昇した。
以降、貴方は一日の終わりや特定の場面などによって、「幸運」を支払って能力を購入することができる。項目はその都度変化する。
警戒+1、幸運-2。
貴方は「火熾し」ができる。
◆「警戒」のレベルが2になった。貴方の「機転」と「看破」にボーナスとして+1が与えられる。
幻想郷に朝陽が登った。
貴方は障子越しの眩しい朝日で目を覚ました。
目覚めた場所は霧雨店の使われていない客間である。時代錯誤な室内の様子を見て、貴方はここが夢ではなく現実の世界であることを思い出した。
貴方は昨日この幻想郷にやってきて、どうにか人里へと辿り着いたのである。
しかし、貴方の目的は人里にたどり着くことではない。
安全を確保するという意味ではそれも正しいだろうが、しかし貴方には至上の目的があったのだ。
それは貴方の心の記憶を取り戻すということである。
脳の治療ではどうしようもないその埋没した、あるいは掠れきった記憶は、心の奥底を読み取れる者にしか復元できないということなのだ。
貴方にここまでのルートを教えた老人は非常に胡散臭かったが、こうして非現実的な世界を目の当たりにしては貴方は信じるほかない。
貴方は自身の目的に着実に近づきつつあることを再確認し、拳を強く握った。
しばらくすると霧雨店の女中が部屋を訪れ、貴方に朝食の準備が整っていると告げた。
夕食ばかりか朝食まで用意してくれた霧雨主人の情けに、貴方は感動を禁じ得ない。
朝食の席には霧雨主人も同席するのだという。
おそらくは今日で厄介になるのも最後だろう。
貴方は自分の荷物をまとめ、女中の後を追った。
目的の広間にたどり着くと、既に霧雨主人はそこにおり、朝食を摂っているようだった。
このように立派な店を構える主人がどれほど豪華な食事を嗜んでいるのかと思っていたが、思いの外霧雨氏の朝食は質素なものであったらしい。
貴方に振る舞われた食事も、霧雨主人と同じ、簡素なものであった。しかし、上質な白米に、鮎の塩焼き、根菜の味噌汁とお新香である。久しく本格的な和食を忘れていた貴方にとって、それは豪勢な食事にも見えたかもしれない。
「商売人は時間が命でね。不摂生とは思っているのだが」
霧雨主人は、どうやらこの食事をやや簡素なものであると認識しているらしい。
現代人の貴方としてはそうは思わないのだが、しかし深くは気にしないことにした。
霧雨主人と共に食事をしていると、貴方は主人から、昨日のことについて色々なことを聞かれた。
老人は元気にやっていたか。向こうの人はどうだろうか。うまく自給自足できているだろうか。
注意深く探るような聞き方が多かったものの、貴方自身のことについては驚くほど深く聞かれない。どうやら主人は、向こうで生活している人々のことについて気にしているようだった。
貴方は知っている範囲で、とはいえ見てきたものをそのまま応えるしかなかったのだが、素直に答えた。
偽る意味も理由もない。貴方は極々限られた情報しか伝えられなかったが、それでも向こうの家々が無事らしいことを知ると、僅かに安心したように頬を綻ばせた。
さて、会話も一区切りした。
朝食も残り少ない。霧雨主人は多忙らしいので、あまり会話に時間をかけるわけにもいかないだろう。
しかし貴方はこの機を利用して、彼に訊ねたいことがあるのだ。
何を話せばいいだろうか?
貴方の腕時計は6:00をさしている。
貴方はどうする?
人里で妖怪に詳しい存在がいるか聞く
「ところで、話は変わりますが」
「うむ」
「実は、妖怪について詳しく知りたいのですが……」
貴方がそういって切り出すと、霧雨主人は目に見えて顔をしかめさせた。
何か不快に思われたのかもしれない。そうは思いつつも、貴方にとってこの質問は避けられないものである。
どうしてもここで聞いておかなければならなかった。
「昨日、老人から近道の林道には妖怪が出ると聞きました。僕はその妖怪について、まったく無知なものでして……」
そう。貴方は幻想郷にやってきたが、昨晩からずっと「妖怪」について知らないままだったのだ。
どうやらそれは普遍的で、危険な存在であることは共通認識のようではある。
だが、実情をしっかりと知らないままではどうにも落ち着かない。
貴方は「妖怪」について、不自然にはならない程度に聞いておきたかった。
「……さてな。里の外で、しかも夜闇に潜む妖怪は、俺にもわからんよ。そもそもの呼び名が“アヤカシ”なのだ。はっきりとわからないのが普通だろう」
霧雨主人は苦そうに味噌汁を啜りながら、一息つく。
「……お前さん、妖怪退治でもするつもりなのかね。近道を作りたいだけなら、やめておけ。里の外は、命がいくらあっても足りんぞ」
貴方はさらさら妖怪退治などをするつもりはなかったが、思わずつばを飲み込んだ。
霧雨主人の鋭い眼光からは、それだけの“本気”が見て取れたのである。
「まぁ、里の退治屋ならば紹介してやっても良いがな。里の門の近くある詰め所で話せば、夜の警邏に回されるだろうが……住み込みで雇ってももらえるだろう。里の外で退治屋をするよりは、そっちの方が安全だ」
貴方はなんとなく、話があらぬ方向へと流れそうになっていることに気付く。
慌てて話の流れを軌道修正することにした。
「いえ。その……今はまだ、退治というよりは。危険な妖怪を、詳しく知っておきたいと思いまして」
貴方がそう言うと、霧雨主人は目に見えて表情を和らげた。
「ああ、それが良い。危ないものは遠巻きに見ているに限る。決して手を触れるべきではない」
変に機嫌を良くした霧雨主人に、貴方は曖昧に頷いた。
しばらくして、霧雨主人は貴方のために一枚の紙を用意し、そこにサラサラと地図のようなものを描いてくれた。
簡潔で味気のない図であったが、必要最低限の用途を満たしたわかりやすい地図である。
地図の始端には霧雨店が描かれていたが、終端には鈴奈庵と書かれている。貴方の初めて目にする名前だ。
「ちと離れているが、そこは貸本屋だ。ここならば、妖怪について描かれた本が取り扱われているはずだぞ」
どうやらこの鈴奈庵という場所に、貴方の求めている妖怪に関する情報があるようだ。
貸本屋。古本屋程度しか知らない貴方にとってはあまり馴染みのない店であるが、本が揃っているというだけでもなんとなく心強く思えてくる。
「ただし、ついでに鈴奈庵にこいつを渡してもらおうか。なに、簡単な書状だ。既に送った木版で本を増刷してほしいという、それだけのものさ」
霧雨主人は更に、貴方に一枚の手紙と、いくらかの古いお金を渡してくれた。
お金は見るからに古そうな、明治かそれ以前のように見える硬貨である。物価もわからないので貴方は深く考えはしなかったが、それからは確かな重みが感じられた。
「金には色をつけてある。鈴奈庵まで届け終わったら、団子でも食べなさい」
どうやら貴方は、またしても霧雨主人に感謝しなければならないらしい。
数々の恩を抱えてしまった貴方は、霧雨氏から預かった小銭を丁重に小さな財布にしまい、何度も頭を下げた。
◆貴方は「妖怪」の知識を少しだけ得た。
◆人里における信頼度が少しだけ上がった。
◆「鈴奈庵」への行き方の地図を手に入れた。
おつ
このシステム結構すき
文章力たけーな
TRPG好きにはたまらん
続き期待
貴方は霧雨店に別れを告げ、鈴奈庵へと足を向けた。
店主曰く、人里にはほとんど妖怪はいないとのことである。それに、今は朝だ。
里の人々は既に働き始めるべく動き始めている。現代と然程変わらぬ人間のリズムを見て、貴方は昨日以上の安心感を覚えながら、地図を頼りに進んでゆく。
そこで、あなたはふと、視線を感じた。
貴方は町並みに見とれていて少々気付くのが遅れたが、どうやら里の人々は貴方のことを珍しいものを見るような目で眺めているようだ。
心当たりは当然ある。この視線は、自分の現代風な格好が招いているのであろう。
貴方は自身を挙動不審な気があると自覚している。
人に見られているというのは、どうにも落ち着かなかった。
貴方は視線を振り払うように早足になっても良いだろうし、別の行動をしても良い。
貴方の腕時計は6:30をさしている。
しかし、鈴奈庵へ足を運ぶ明確な刻限は決められていない。
多少の寄り道程度ならば不義理にもならないだろう。
貴方はどうする?
寄り道はしない
が、普通に歩いていく
どっかで服を調達したいとこだな
今の所持金じゃ無理だろうけど
視線は気になったが、貴方は努めて堂々と歩くことに決めた。
貴方は特にやましいことをした覚えはないのだ。
多少浮いていることは認めつつも、半ば人々の視線に対抗するかのように、あなたは鈴奈庵への道のりを進むのであった。
幸い、素知らぬ顔で堂々と歩いたお陰か、その後は人々からの視線も和らいだような気がする。
◆人里の警戒度が1上がった。
◆貴方の精神的疲労が上がった。
外国人観光客のような心持ちでしばらく町並みを眺めていた貴方は、鈴奈庵の前を通る目印にもなる小川を見つけた。
ジャンプすれば助走なしにでも跳び越えられそうな幅の狭い川であったが、そこにはご丁寧にも小さな橋がかけてある。
貴方は現代では珍しい木製の橋をそろりそろりと渡ってから、川沿いを真っ直ぐ歩いてゆく。
さて、貴方は歩いている途中で川沿いの草むらの中に、どこかで見覚えのある植物を発見した。
独特な形をしており、それはどこか貴方を懐かしい気分にさせてくれる。
▽貴方は次のうち、1つだけを選択して取得しなければならない。
▽直下3レス分の選択のうち、最も多い選択から選出されるだろう。
①「野草知識」幸運-2
・少しくらいなら野草に関する知識を持っている。
②「野草知識がない」幸運+2
・元々そこまで興味がなく、貴方に野草を見分ける能力は備わっていない。
2
1
2
2
②「野草知識がない」幸運+2
・元々そこまで興味がなく、貴方に野草を見分ける能力は備わっていない。
◆幸運が2上がった。
◆貴方は野草に詳しくない。
貴方は路傍に生えたその植物を見て、何か見覚えがあると感じた。
しかしいくら記憶を掘り返してみても、この植物の名前は浮かばない。
貴方はそもそも、野生の草花にさほど興味を示さないタイプなのだ。
雑草ではないだろうが、こういった綺麗な場所にしか自生しない植物なのだろう。
貴方は頭の中でそう曖昧に片付けて、再び鈴奈庵に向けて歩き始めるのだった。
貴方がしばらく歩き続けていると、目立つ暖簾が見えてきた。
鈴奈庵である。
店の構えはそれなりに大きく、敷地はそこそこ広いようである。
貸本屋をやっているくらいなのだから広いのは当然か。貴方はそんなことを考えながら、ゆらゆらと鈴奈庵の入り口に近づいてゆく。
すると、店に近づくにつれて中から音楽のようなものが聞こえてきた。
曇ったようにぼけた音質に、時代を感じさせる曲調。
この音楽は、レコードか何かで再生されているものだろうか。
貴方はしばらく音楽に聞き惚れていたが、霧雨主人から託された書状を思い出し、慌てて正す必要もない襟や裾を正し、店の中へ入ってゆくのであった。
鈴奈庵に入った貴方は、その内装の雰囲気に暫し圧倒された。
店の中に並ぶ数々の本棚は、古い。
しかし、決して不潔そうなカビの匂いがするわけでもなく、磨耗した本の数々は、それでもしっかりと管理されているようだった。
貴方は和綴じされた本に物珍しさと強い興味を惹かれたが、その最中にも鳴り響く美しい音に意識を取り戻し、ここでようやく店の奥に目をやった。
「いらっしゃいませ」
真鍮製のレトロな蓄音機の隣には、まだ幼い少女が座っていた。
今や珍しい丸眼鏡に、どこか懐かしさを感じさせる二つの髪留め。
幻想郷は若い子供であっても、どこか明治や大正を思わせる雰囲気があるらしい。
まじまじと観察していて、ふと気付く。
鈴奈庵の少女は、どこか不思議そうな顔で貴方を見つめているのだ。
店番をしているらしい彼女は、貴方がどのような用向きの客かを測りかねているのかもしれない。
貴方の腕時計は7:20をさしている。
貴方はどうする?
こちらもちゃんと挨拶し要件を伝えようか
「こんにちは。すみません、こういう本が沢山あるのって、珍しくて」
貴方は店の奥に座る少女に笑いかけ、なるべく愛想良く振る舞った。
すると少女は朗らかに笑い、「どうぞごゆっくり」と促してくる。
しかし、ここで本棚をじっと見つめているのが貴方の目的ではない。
確かに並ぶ本にも興味は惹かれるが、貴方はこの店に確かな用があってきたのだ。
「ああ、いえ。実は僕、霧雨店さんから書状を預かっていまして。それをお届けにあがったんです」
「え? 霧雨店?」
「はい」
貴方は霧雨主人から預かった手紙を、店番の少女に手渡した。
受け取る際に立ち上がった少女のエプロンには、ローマ字で“コスズ”と描かれている。蓄音機があるので意外でもないのだが、何気ない所に見つけた西洋の気配に、貴方は少しだけ驚いた。
「あら、本当。霧雨店からの依頼だったのね。増刷依頼……あの木版か。なるほどなるほど……」
少女は手紙を読み、ふむふむと頷いている。
年の頃は十半ばか、それ以下であろうか。まだ小さな子どもが店を任されている事実に貴方が勝手な心配をしていると、少女が顔を上げて貴方を見た。
「あの、うちは印刷のお代が先払いになっているのですが……お持ちですか?」
貴方は頷き、同じく預かっていた硬貨を少女に手渡す。
どの程度必要になるかはわからなかったのでひとまず全額を渡したが、目の前の少女はごまかすような真似はしないだろう。
「……はい、どうも♪ こちら余りですね」
「あ、どうも」
お金が足りるのかという心配も密かに警戒していた貴方だったが、どうにか預かった額で十分だったようだ。
返された金銭には、それなりの重みがある。
「刷り上がった分はこちらからお届けにあがりますね」
後のことは、さすがの貴方も付き合い切れるかわからない。
しかしとりあえず、頷いておくことにはした。
◆鈴奈庵の信頼度が上がった。
◆本居小鈴の信頼度が上がった。
◆人里内の知名度が上がった。
◆人里内の信頼度が上がった。
◆???達の知名度が上がった。
さて、貴方は霧雨氏から託されたお遣いを果たした。
手元には価値のよくわからない小銭がある。
貴方はどうする?
近くの茶屋(団子屋)の場所を聞く
貴方は小銭を見て、霧雨氏から言われた「団子でも」という言葉を思い出した。
「この近くに、団子屋なんてありますかね」
「お団子? 茶屋ですか。ええ、ありますよ」
少女は喜んで、団子屋までの道をわかりやすく教えてくれた。
道は複雑ではない。川沿いの、徒歩で10分ほどの場所にあるようだ。
貴方は難なく生き方を記憶する。
そしてこの幻想郷において、団子屋は茶屋と呼ばれているらしいことを知った。
もちろん、茶屋ならば大抵は団子を売っている。茶漬けのような軽食を食べる事もできるそうだ。
また、茶屋によっては酒を出したり、奥の間で賭け事や休憩を取ることもできるのだという。
しかし貴方に教えられた茶屋は、特に特徴のない軽食だけの店らしい。夜には居酒屋のようにもなるらしいが、そちらは主人の気分次第で不定期なのだとか。
貴方は人里の文化の一端に触れ、興味深く頷いた。
「ありがとうございます」
「いえいえ♪」
貴方はどうする?
川沿いの草むらにあった独特な形をした植物について小鈴に聞く。興味がなくても見覚えがあったなら絵なり言葉なりで伝えられるかな
野草に興味の無い貴方だったが、唐突に興味深い話題を思いついた。
◆幸運-1
「ああ、そうだ」
「?」
「ここに来る途中、変わった形の植物を見つけたのですが……僕のところでは見ないものだったので、気になりまして」
「変わった植物ですか? ……そんなのあったかな?」
「ええ」
貴方は鈴奈庵に来る途中で見つけた奇妙な形の植物について尋ねることにした。
「こう……形はタマゴのような傘をつけたキノコのようで、模様は……」
「ん……あ、もしかしてそれってツクシじゃないですか?」
「ツクシ……ああ、そうかもしれません。そうそう、筆のような」
「じゃあ細かい、この部分なんかは、こう……」
「それです! そう、まさにそれ!」
貴方と少女は身振りを交えながら、見かけた植物について摺り合わせを行った。
結果、どうやら貴方が途中で見かけた植物はツクシと呼ばれるものだったらしい。
それは代表的な春の植物だが、貴方にとっては普遍的なものではなかったようだ。
「調理すればちゃんと食べられるんですよー」
「はあ、そうだったんですか。なるほど……ありがとうございます。よかった、おかげですっきりしましたよ」
「いえいえ」
貴方は野草、ツクシの知識を得た。
どうやらこの時期のツクシは食べることも可能らしい。
「けど、ツクシを知らないなんて珍しいですね?」
しかし、この幻想郷においてはツクシは珍しくもないものだったようだ。
この少女は冗談めかす風にクスクスと可愛らしく笑ったが、相手によっては訝しむ質問だったかもしれない……。
◆本居小鈴の信頼度が上がった。
貴方はどうする?
今つくし知らない人が増えているのか…?
安価なら、妖怪について&人里で妖怪の事で頼れる人について尋ねる
どちらか一つなら後者で
小鈴をレイプするとかも採用されるのかは気になる(
ルナだからなぁ
あっさり次の週にされそう
「あと、そうだ。最後に一つだけ伺っても?」
「あ、はい、どうぞ?」
世間話もそう繰り返すことはできない。
不自然に訊ねすぎるのは、さすがにこの少女が相手でもあまり良くはないだろう。
現に、貴女の三度目の問いかけに、少女の顔は心持ちやや不安そうであった。
「人里で妖怪の事で頼りになれる人をご存知なら、教えていただきたいのですが」
「はあ……妖怪の事で頼りになる」
貴方の問いに、少女は目線を斜めに泳がせた。
「人里で頼りになるというと……やっぱり霊夢さん……ああ、でもあまり頻繁には来ないからなー」
どうやら少女は悩んでいるらしい。
思い当たる節がさほどないのだろうか。
「んー……知識で頼りになるといえば、あきゅ……稗田家が一番だと思います」
「ひえだ家?」
「……稗田家。知らないんですか?」
「……すみません、僕、つい最近人里にきたもので……」
「えーっ、そうだったんですか」
貴方の告白に、少女は大層驚いた様子だった。
貴方にとっては最初に出会った人が外れで暮らしていただけに違和感はなかったのだが、どうやら人里の外に住むということは基本的に、とても珍しい事のようである。
「どんな所で暮らしたらそんな……でもまぁ変わった服着てるし……あ、でも稗田家を訪れるのはやめておいた方がいいですよ。」
「え、何故……?」
「名家だからです。稗田家の現当主は、確かに人里において最も妖怪に詳しい子ですけど……素性の明らかでない人は、そう簡単には彼女には会えないんですよ」
詳しい人間は存在する。
しかし、その人物とコンタクトを取ることはとても難しいことのようであった。
◆元居小鈴の警戒度が2上がった。
◆???からの知名度が上がった。
貴方はどうする?
茶屋で御休憩
霊夢に会いに行きたいな
>>49を見るに霊夢は死亡フラグだからなぁ
「そうでしたか……わかりました。なんか色々と聞いてしまってすみません」
「いえいえ!」
相手が子供だからと、少し訊ね事が多かったかもしれない。
貴方は少しだけ反省し、少女に何度かお辞儀をしてから鈴奈庵を後にした。
去り際に、貴方には聞こえない程度の少女の独り言が店内に響いた。
「……服とか質問とか、なんだか変な人だったなぁ」
貴方の腕時計は7:40をさしている。
日も完全に昇り、外はかなり明るくなってきた。
陽気も程々で、日の出の時ほどの肌寒さは感じられない。
歩いている人も少なくない。貴方にとっては少々早い時間であるが、この幻想郷であれば早くから店をあけている所も多いだろう。
貴方は鈴奈庵の少女に教えてもらった道順の通りに、茶屋に向かって歩き始めた。
歩いている最中は特に何もない。
人が動き始めているとはいえ、まだまだ朝の時間帯だ。それぞれの仕事もあるし、自らが構える店での作業もあるのだろう。
その上、鈴奈庵からたったの10分ほどの道である。貴方は特に誰かしらと遭遇することもなく、無事に教えてもらった茶屋へと辿り着いた。
「いらっしゃーい」
茶屋では若く綺麗な娘が貴方を迎えてくれた。
その茶屋にはテーブル席がほとんどなく、全て長いベンチのような縁台に腰を降ろして食べなければならないらしい。
唯一あるテーブルはこじんまりとした店内に2つほどあるだけで、しかしそれはまだ今は準備中のためか、使えない状況にあるようだ。
とはいえ縁台はそれなりに広く、スペースは十分に取れるので、軽食を食うに困ることはないだろう。
さて、貴方は娘が差し出したおしながきを見た。
そこには軽食もあれば、団子一本から注文することも出来る。団子を一本でも頼めば、ついでに茶がついてくるらしい。
貴方は少し歩いたために、ほんの少しだけ空腹だ。
貴方は霧雨店を出てから水分補給をしていないため、少しだけのどが渇いている。
①「茶漬けと団子とお茶」を注文する。
②「団子全種類とお茶」を注文する。
③「団子とお茶」を注文する。
貴方はどのように注文する?
3
「みたらし団子とお茶をください」
「はーい!」
そもそも貴方はあまりお金を持っていない。
霧雨氏から頂いた小銭が尽きれば、文字通り無一文になってしまうだろう。
貴方が最低限のもの注文するのは、ほとんど当然の選択であると言えた。
「4円になりますね!」
どうやらこの店における団子1本の価値は4円であるらしい。
手持ちの金で難なく払える額のようだ。
そして、貴方は団子基準ではあるが、この幻想郷における金銭の価値をなんとなく把握した。
まだ色々と考えるべきことはあるだろうが、この団子の支払いによって、貴方の手元には30円が残ったことになる。
どうやら霧雨氏は、貴方に結構な額を渡してくれたようだ。
「はい、おまちどうさま!」
少し待っていると、団子とお茶が小さな盆に乗せられてやってきた。
盆にはついでに沢庵が何切れか乗っている。こちらはおそらく店のサービスなのだろう。
貴方は美味しい沢庵と焼きたての団子を味わいながら、外の世界でも飲んだことのないほど美味しいお茶を楽しみ、しばらく心地よい時間を過ごすのだった。
◆満腹になった。
◆喉が潤った。
◆精神的疲労が癒やされた。
◆人里における知名度が1上がった。
時間が早いためか他に客はおらず、貴方は黙々と団子を食べ終えた。
貴方の腕時計は8:00をさしている。
貴方はどうする?
店員に茶と団子を一しきり褒める。よければ団子を作ってるところを見学したい
普通に連取だった。安価下で
団子と茶を褒めて帰る
「美味しかったです。団子もお茶も、良い味でした」
「あら、どうもありがとう♪」
「お茶も、あんなに美味しいのは初めてでしたよ」
「ふふ、またいらしてくださいね」
両方共美味しかったのは貴方の本心である。
貴方は飾らない言葉で出されたものを褒め、店を後にするのであった。
◆話術が1上がった。
◆人里における信頼度が1上がった。
◆人里における信頼度のレベルが上がった。ボーナスとして人里警戒度が1減少した。
さて、貴方は店を出た。
貴方はどうする?
「そんなに…僕たちの力が見たいのか…攻撃してくる、お…お前たちが悪いんだ…殺ってやる…殺られる…前に!!」
帰り道を観察して地理を覚えながら帰る
(早苗さんこねぇかなぁ)
アスロック米倉は帰ろう
▽貴方の帰るべき場所はこの幻想郷にはないようだ……。
再安価? なら
お釣りの余りを霧雨の主人に返しに行こう
人里の服屋に行く。この格好は目立つ
団子を食べ終えた貴方は、霧雨店に戻ることにした。
霧雨氏から貰った小銭は確かにありがたいものであったが、団子の駄賃として渡されたものにしては少々多すぎるのだ。
おそらくはそれも霧雨氏の厚意であり、それに対して少々無粋な行いかもしれないとはわかっていたが、貴方はどうにも落ち着かなかった。
お金は貴重だが、それ以上に人としてやるべきことはある。
貴方はお釣りを返すため、また鈴奈庵に手紙を配送したことを報告するため、霧雨店へと戻るのであった。
貴方は霧雨店を目指し歩いている。
▽しかしここで、貴方に転機が訪れた。
▽貴方は次のうちどちらかひとつを選択しなければならない。
①幸運を-10し、なんとなく早足で歩き始める。
②幸運を+10し、イベントが発生する。
どちらを選択する?
選択肢は以下3レス分の回答から最も多いものから選ばれる。
1
つまりろくでもないイベントを発生させるか回避するか
1
2
歩いている途中、貴方は団子屋で随分と悠長にしていたことを思い出した。
時間にしてそれほど経ってはいなかったが、遣いの最中にあれだけ休憩を挟むというのも少々のんきなものである。
今更に現代の社会人らしい焦りを覚えた貴方は、不意に急ぎ足になって霧雨店を目指すのであった。
◆幸運-10
貴方には知る由もないことであるが、貴方が急ぎ足で道を過ぎ去った後、しばらくしてそこに一人の女性が通りがかったらしい。
「ふーむ、やはり春は良いのう。枯れ葉が無いのが少々残念じゃが」
◆100レス記念。あなたの幸運が+1される。
(出会いたかった)
非常に遅れてしまいました。大変失礼。
続きをプレイしていきましょう。
貴方は再び霧雨店に戻ってきた。
貴方の腕時計は8:40をさしている。
霧雨店が開店したためであろう。大きな構えの店の前には多くの人が集まっており、大変に賑わっている様子だった。
霧雨店は雑貨屋であり、様々な生活用品を扱っている。
それは木桶から金物まで多岐に渡り、里の人々の生活に密着しているらしい。
職人と客を結びつける最も太いパイプがこの霧雨店なのであろうと、貴方はなんとなく思った。
さて、貴方はひとまずやってきた。
このまま釣り銭を返すのは決定事項である。そこは変わらない。
しかし、この店の賑わいを見て、少々店内の様相が気になったのも間違いなく貴方の本心であった。
霧雨氏に合う前に、霧雨店のを見て回るべきであろうか?
貴方は暫し悩んだ。
貴方はどうする?
なめ回すように見て回ろう
貴方は霧雨店の中に入り、店内をじっくりと見て回る。
中には少々かさばるものの、実用的と呼べる品々が並んでいた。
貴方には多少のアウトドアの知識があったため、並んでいるそれらは原始的な生活を行うにあたって重要なものであることに気付けることだろう。
しかし日用品以外にも、鉢や瓶などの生活を彩る小物なども多いらしい。
言い方に多少の安っぽさはあるが、100円均一ショップのような店と言えば良いだろうか。
便利で、それでいて生活に馴染む品も置いてある。貴方はこの店内を見回して、霧雨店さえあれば人里で生活することも難しくはないことを理解した。
そうして、貴方が店内をじっくりと見て回った時であった。
「おい、そこの兄ちゃん」
貴方は店内で、屈強な男性に声をかけられた。
歳は二十歳過ぎであろう。しかし貴方以上の体格であることは間違いなく、身の丈も10cm以上は高い。
彼と殴りあったとして、貴方は数十秒もやりあえるかどうかわからない程度の相手が、貴方を睨みつけていた。
「さっきから、変にジロジロみているが……ちょっと裏まできてもらおうか」
「え、あの……」
どうやら貴方は彼に何か勘違いされてしまったらしい。
これは、この世界ではあまり珍しくもない品々を貴方が凝視してしまったが故の不運だと言えるだろう。
◆貴方の幸運が2上がった。
「さあ、来い。荷物も改めさせてもらうぞ」
貴方は服の襟元を捕まれ、男に引っ張られた。
◆貴方の恐怖度が20上がった
貴方はどうする?
行動は以下3レス内より選出される。
しがみついてでも店内から出ない
大声で助けを呼ぶ
とりあえず従う
▽三つのうち、最も運命に抵抗のない判断が選出された。
貴方は大男に迫られ、理不尽と恐怖を感じた。
それに対して様々な感情を抱いた貴方であったが、取るべき判断はひとつである。
「わ、わかりました。わかったので乱暴は止してください」
大人しく従うことであった。
貴方は特にやましいことはしていないのだから、当然の行動であると言える。
「ふん……こっちだ」
男が抵抗のない貴方をどう思ったのかはわからない。
ともあれ、貴方は大男に連れられ、店の奥へと進んでいくのであった。
店の奥の別室は、大量の在庫を配置する倉庫として使われていた。
コンビニやスーパーのバックヤードに近いだろう。大きな棚に見慣れない商品が積まれている様子は、なかなか壮観である。
男は貴方を引き連れて事務室らしい場所へとやってきた。
そこには霧雨店で働いているであろう若い男たちがおり、彼らは貴方を値踏みするような目でみつめてくる。
万引きの現行犯逮捕。その犯人に向けられる視線にしては、怒りの色が見られない。こういったやり取りも見慣れているのだろうか。
「さあ、荷物を改めさせてもらうぞ」
「……は、はあ」
厄介な事になってしまったが、とりあえず店の人ではあるらしい。
男の勢いに従わざるを得なかった貴方であるが、今ならばどうにか話し合いくらいはできそうだ。
「あの、荷物の前にこっちを見ていただけますか」
「なに?」
このままバックパックの中身を見せて身の潔白を証明することは容易だが、貴方はあえて相手の困惑する顔を見たいとは思わないし、話を無駄に長引かせたくもなかった。
なので、貴方は手っ取り早く話を済ませるために、鈴奈庵から貰った注文の明細を差し出すことにした。
「霧雨氏からお遣いに出されておりまして。鈴奈庵に増刷の発注を……」
大男の顔色はみるみる青くなってゆく。
どうやら自分の早とちりを認識してしまったらしい。
それから男は先程までの横柄な態度が綺麗に無くなり、貴方に平謝りし続けたのであった。
◆恐怖度が正常値に戻った。
◆幸運が少しだけ正常値に近づいた。
「すまなかった。うちの若い者が無礼をしたようで」
「いえ、僕も紛らわしいことを……」
その後、事態を収拾するために霧雨氏がやってきた。
若い大男は霧雨氏にこってりと絞られ、一回りほど肩を小さくして店の奥へと去っていった。
不可抗力とはいえ、貴方は大男のことを少し申し訳なく思った。
「なに、気にすることはない。怪しいというだけで手を上げるなど以ての外だ。信用こそがこの商売の全てだというのに、あいつは前々からそこのところをわかっとらんのだ」
鬱憤でも溜まっていたのだろうか。霧雨氏は男の不甲斐なさについて貴方に語る。
貴方は苦笑いを浮かべる他になかった。
「おっと、すまない。……まぁ、奴もうちの……息子のような奴だ。子の間違っていることは正してやるのが親の務め。つい、熱くなってしまうんだよ」
霧雨氏はハハハと笑う。
「……さて、鈴奈庵へは行ってきたのだな?」
「あ、はい。これを」
「うむ」
貴方は鈴奈庵より受け取った書類を霧雨氏に渡す。
霧雨氏は大きく頷くとそれを懐に仕舞い、貴方を労った。
「それと、こちらも」
「ん?」
しかしそこで終わりではない。
貴方はその書類の他にも、霧雨氏に返さなければならないものがあるのだ。
それは、鈴奈庵と団子屋で使ったお金の釣り銭である。
「団子、美味しかったです。鈴奈庵の近くでいただきました」
「むう、律儀な男だな。いや、堅いというべきか。全く使っとらんようだな……本当に団子一本だけ食ってきたのか」
「は、はい」
「はっはっはっ。霧雨店は人を団子一本くらいで働かせるような場所じゃあないぞ?」
何がおかしいのか、霧雨氏は笑う。
貴方はやはり、この返金は無粋であったのかと、決まりが悪そうに頭を掻いた。
「その金はいいさ、取っておきなさい。俺はお前のように素直な男は嫌いじゃないぞ」
「あ、ありがとうございます」
◆霧雨店信頼度が3上がった。
◆人里知名度、警戒度、信頼度が1上がった。
◆人里知名度のレベルが上がった。貴方の存在は、多少の話の種にはなるかもしれない。
「ところで、――」
霧雨氏は貴方の名を呼んだ。
貴方は前日に名乗ったので、当然霧雨氏はそれを知っている。
さて、霧雨氏は貴方をなんと呼んだのであろうか。
次の2つのうち、貴方はひとつだけ選択しなければならない。
名前は、以下3レスのうち最も多い決断から選出されるだろう。
①「貴方の姓は藤原だ」幸運-10
……どこにでもいる平凡な姓である。名家とのつながりを意識したことはない。
②「貴方の姓は藤原以外の何かだ」幸運+2
……とにかく、藤原以外の姓であることは確かだろう。
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