本田未央「さぁ、みんな準備はいいかい?」 (53)

注意
・去年書いた、

P「島村、渋谷、本田、そろそろ支度しろ」
ちひろ「凛ちゃん、奈緒ちゃん、加蓮ちゃん、そろそろ時間よ」
モバP「楓さん、準備できましたか?」

の設定を流用してます。多分読まなくても大丈夫です。
・346時空ではなく設定が色々ガバガバ
・キャラ崩壊
・結構長いです
・タイトルコールしてもらっただけでちゃんみおはそんなにたくさんは出てきません

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5月第2日曜日/夕暮れ時/営業車車内

ちひろ「別に直帰でも良かったのよ?私なら別に電車で帰れたんだから」

P「馬鹿言え、こないだそれで駐車場の休日料金がどうのでネチネチ言ってきたのは千川だろ」

ちひろ「ね、ネチネチなんて言ってないわよ、ちょっと気を付けてほしいっていっただけじゃない」

P「どちらにせよ、頼みたいことがあんだよ」

ちひろ「頼みたいことぉー?めっずらしい、何させようってのよ?」

P「奈緒に貸したゲーム機本体が、女子更衣室に置いてあんだよ。あのバカ置き忘れやがって」

ちひろ「別にノックして入ったらいいじゃない」

P「出る時が問題なんだよ、仮に事務所に誰もいないにしても万が一誰かが帰ってきたタイミングで更衣室から出て来てみろ、ありすあたりなら口きいてくれなくなるぞ」

ちひろ「幸子ちゃんがサラッサラのストレートヘアで出勤してくる確率より低そうね」

P「なんだそれちょっと見たいんだが」

ちひろ「まぁいいわ、事務所からのほうが家も近いし、タクシー代替わりに行ってきてあげるわ」

P「ああ、駐車場入れるのも億劫だから俺は車で待ってるからな、奈緒のロッカーはわかるな?」

ちひろ「ネームプレート用意したのは私だもの、見たらわかるわ」

P「重畳だ」

<ピリリリリリ

P「悪い、電話だ。止めるぞ」

ちひろ「むしろ止めるまで出ないでよ、ここ張ってるかもしれないんだから」

P「さいで」ピッ

P「お待たせしました、Pです」

P「今ですか?今はちょうど○×の交差点を東向きに抜けた…」

P「…ええ、そのコンビニの近くです」

P「…はい、概ねそれくらいですね」チラッ

ちひろ(?誰からの電話かしら)

P「ですが皆さん私の到着時点ではお帰りでは?」

P「なるほど、では些かお時間を頂戴できましたら」

P「そちらの件に関しても滞りなく、ご期待に沿うことはお約束いたしましょう」

P「もちろん、期限までには必ず」

P「はい、では失礼致します」

ちひろ「誰からだったの?」

P「今芽衣子がレギュラーで出てる旅番組のディレクターだよ」

ちひろ「何の要件?」

P「芽衣子のとは別の番組の撮影がさっき終わったから一緒に飯でもどうだ、ってよ」

ちひろ「なんでそんなのP君に」

P「あの人高校野球オタなんだよ」

ちひろ「あー、なるほどね、話の合う人が好きなんだ」

P「芽衣子の撮影に関しても少し触れたけど、時間かかってもいいから飯食おうぜ、ってことだったよ」

ちひろ「行くんだ?」

P「まぁ、接待だな」

ちひろ「キャバクラは経費で落とさないわよ?」

P「俺が無理だっての」

ちひろ「それもそうね」クスクス

30分後/事務所前

P「じゃあ悪いんだが俺の机の上に置いといてくれ」

ちひろ「え、車で行くの?」

P「逃げ道作っておかないと帰るに帰れなくなっちまう」

ちひろ「あら、賢くなったわね」クスッ

P「おかげ様でな、じゃあ頼んだぞ」

ブロロロロロロ…

ちひろ「…明日は、少しだけ労わってあげなきゃね」

ちひろ(接待、ね、ほんとは私もいかなくちゃいけないんだろうけど…)カツン、カツン

ちひろ(絶対P君反対するだろうしなぁ)カツン、カツン

ちひろ(役割分担、って言うには少しP君に負担かけすぎね)ピッ

ちひろ(エレベーター、今日は遠いわね…あら?事務所のフロアに止まってたの?)

ちひろ(今日は…えっと、楓さんラジオ収録で…にしては少し早すぎるわね)

ピンポーン

スーッ

ちひろ(日曜日だものね、レッスンはこの時間までかからないし…)

ちひろ(あとは、芽衣子ちゃんが地方で、幸子ちゃんはナイアガラ、それから…」

ウエヘ、マイリマス

スーッ

ちひろ(…あはは、スケジュールもP君みたく暗記ってわけにはいかないわね)

ゴカイ、デス

スーッ

カツン、カツン、カツン…

ちひろ「…あら?」

ちひろ(なんだ、灯り消えてるじゃない)

ガチッ ガチャ

ちひろ(鍵も、開いてる)

ちひろ(階段で降りたのかしら)

キィィィ


『おかえりなさい!ちひろさん!』

4月下旬/事務所

未央「さて、お集りのみなさん、どうして今日集められたかわかりますかな?」

凛「いや、集まってないし。急にどうしたの」

卯月「何かまた楽しいことでも始まるんですか?」

未央「もうすぐ、あの日がやってきます」

凛「あの日?」

卯月「あの日…って、なんですか?子どもの日?」

未央「いいやッ!この本田未央の目はそのさらに先を見据えているのさッ!!」

凛「いいから早く言いなよ、聞いてあげるから」

未央「あぁん、しぶりんが冷たいよぉしまむぅ」

卯月「よしよし、未央ちゃんはがんばってますよー」

未央「はい、というわけで母の日にちひろさんにプレゼントをあげたいと思います!!」

凛「母の日?ちひろさんに?」

卯月「ちひろさんはどちらかといえば「お姉さん」って感じがするけど……」

未央「正直母の日ってのはこじつけで、日ごろお世話になってるちひろさんに感謝の気持ちを伝えたいとおもったわけですよ」

凛「随分唐突だね」

未央「気持ちにタイミングは関係ないのですよしぶりん!」

卯月「でも、具体的に何をするんですか?」

未央「いやぁ、その…それを考えるために二人にも力をかしてもらおうかなーって、えへへ…」

凛「カーネーションでも送る?」

卯月「凛ちゃんの実家から持ってきてもらうことはできますか?」

凛「いや、言っといてなんだけどうちの規模じゃもう今からは予約裁くので精いっぱいだよ、ごめん」

未央「そりゃそうかぁ」

卯月「誰か他の人にも聞いてみませんか?」

未央「誰がいいかな、大人組?」

凛「まずはプロデューサーじゃない?一番付き合い長いんだし」

未央「プロデューサーかぁ、あてになるかな?」

卯月「きっといい案出してくれますよ!」


P「母の日ぃ?」

同日/休憩スペース

凛「そう、ちひろさんに何かプレゼントでにしたいんだけど」

P「えらく急な話だな」

卯月「何か、ちひろさんの喜びそうなものってご存じありませんか?」

P「現金だろ」

未央「こんなことだろうと思ったよ…」

凛「わかってるでしょ。そういうのじゃなくて、何かこうプレゼントらしいものだよ]

卯月「何でもいいんです。ちひろさんが欲しがってるものとか、好きなものとか」

P「ふむ…」

未央「もっとふわっとしたものでもいいよ、直近の目標とか、夢とかさぁ、何かない?」

P「千川さんの夢?あぁ、世界征服だよ」

未央「もうダメだ、ふたりとももうあっち行こう」

P「いや、しかしカーネーションでもポンと渡してありがとうでいいんじゃないか?」

凛「カーネーションはもう手配できないんだよ」

卯月「プロデューサ-さんならちひろさんの好みとか詳しいんじゃないかと思ったんですけど…」

未央「そんなんだから独身街道まっしぐらなんだよ、もう」

P「未央、悪いこと言わないからそれ絶対他で言うんじゃないぞ」

凛「よく考えたらプロデューサーって女の人に贈り物なんてしなさそうだもんね」

P「馬鹿言え、結構してるぞ」

未央「取引先とかってオチでしょ、どうせ」

P「いや、それこそ母の日とかだな…」

凛「家族じゃん」

卯月「あ、あはは…」

P「役に立てなくて悪いな」

未央「ほんとだよー、罰として何か別の形で協力してよねっ」

P「そうだな、俺でも役に立てそうなら言ってくれ」

凛「じゃあさ、誰か詳しそうな人って知らない?」

P「ちょくちょく飲みに行ってるメンバーか、事務所で一緒に仕事してる時間の長い人たちなら何か知ってるかもな」

卯月「それじゃあ、ちひろさんが留守のうちにいる人に聞いてみなきゃですね!」

未央「よぉし、それなら早速聞きに行こう!」

凛「プロデューサ-、ありがとね」

P「いや、役に立てなくて悪いな」


P「……」

P(そういや俺、千川の好きな物とかほとんど知らないな…)

高垣楓/三船美優/和久井留美の場合

楓「以前、お酒の席をご一緒したときに時間がなかなか取れない、って言ってませんでしたか?」

美優「ええ、プロデューサーさんもですけどちひろさんもほぼいつも出勤してますから」

留美「けれどそれはプレゼントに結び付く意見ではないわね」

楓「そうですね、でもなかなか不平不満や欲を言う人ではありませんから」

美優「贈り物ならどんなものでも喜んでくれるんじゃないでしょうか?」

留美「なんでもいいが一番困るパターンよね、これ」

楓「あ、そういえば、ちひろさんの持ち物って結構使いこんでるものが多くないですか?」

美優「そうですね、確かに…あ、いえ、いい意味で、ですけど」

留美「確かに、物持ちが良い方だとは思うわ」

楓「特に使いこんでるもの?そうね、時計は少し年季が入っていたような…」

美優「けれど、愛着があって身につけているものなら新しいものを、というのも難しいわね」

留美「少しこちらでも探りを入れてみるわね」

鷺沢文香/十時愛梨/宮本フレデリカの場合

フレデリカ「ちひろさんのほしいものー?」

愛梨「甘いものなら女の子はみんな喜んでくれますよー」

文香「私は…ここにきて日が浅いので…すみません…」

フレデリカ「あ、ほら、偉い人だから偉いものがいいよ、きっと」

愛梨「なるほどー、でも偉いもの、ってなんでしょうー?」

文香「…えっと…」

フレデリカ「ほら、ヴィクトル・ユーゴーとか」

愛梨「びくとるゆーごー?どこかで聞いたことがあるようなー??」

文香「…その…ユーゴーはロマン派の…」

フレデリカ「アタシもわかんない!なんかフランス人なんだって!あはは!」

愛梨「そうなんですかー、でも人はプレゼントできませんねー、あはははー」

文香「……私は、ボールペンや万年筆などの文房具や、名刺入れなど業務上必要な小物などがいいのでは、と思います……」

岡崎泰葉/緒方智絵里/城ヶ崎美嘉の場合

美嘉「ちひろさんかぁ、何あげてもにこにこしながら受け取ってくれそうだけどね」

智絵里「そうですよね、プロデューサーさんと話してるとき以外はいつも優しいですから…」

泰葉「私たちの立場からすると大げさに背伸びしたものを送るのも少し考えものではないでしょうか?」

美嘉「高級ブランド品とか?」

泰葉「ええ、わかりやすく高価なものだったりは分不相応と思われかねません」

智絵里「そうですよね、なんだか生意気に思われてもいけませんし…」

美嘉「じゃあ、何でも喜んでくれるなら用意できるものから考えてもいいんじゃない?」

泰葉「それも一つですね。何せ時間が余るほどあるわけではありませんし」

智絵里「用意できるもの…手作りの何かでもいいんでしょうか…」

美嘉「おっ、いいねいいね、逆にポイント高くない?」

泰葉「手作りですか…、わ、私は少し自信が……」

美嘉「なんでも喜んでくれるって言ったじゃん!一緒に何か考えようよ!」

智絵里「ふふっ、こういうの、なんだかわくわくしますね」

佐城雪美/橘ありす/龍崎薫の場合

薫「ちひろさんにプレゼント?やりたいやりたい!」

雪美「喜んで…ほしい…」

ありす「わかりました、ちひろさんに相応しいプレゼントを見繕ってみます」シュッシュッ

薫「あ!かおる、ちひろさんが好きなもの知ってるよ!」

ありす「えっ」ピタッ

雪美「私も…聞いた…」

ありす「…………」シュン

薫「せんせぇに教えてもらったの!ちひろさんの歌!」

ありす「え?ちひろさんの、歌?」

雪美「……どんどこー、かせぐよちひろさーん」

ありす「せこせこー!かせぐよちひろさーん!」

雪美「だーいすきなのはー……」

薫「すーたどりとかねー!」

「薫ちゃん、雪美ちゃん、ちょっといいかしら」

ありす「あ、ちh……ぁ、ぁ、あわ、あわわわわ」ガタガタガタガタ

夕方/休憩スペース

未央「なんか…ほんと色々でたね…」

凛(平均年齢は全く同じなのにどうしてあんなに差が出るんだろう…)

卯月「とりあえず出たアイディアだけでもまとめておきませんか?」

未央「そうだねぇ、とりあえず箇条書きにすると、」

・時間
・時計(身につけるもの)
・甘いもの
・彼氏
・びくとるゆーごさん
・手作りの何か
・ボールペン、万年筆、名刺入れ(普段使い)

凛「なんで四番目と五番目書いたの?」

未央「ちひろさん彼氏ほしいかも知んないじゃん!」

卯月「ゆーごさんは?」

未央「ゆーごさん紹介してあげるとかさ…」

凛「何で日本人みたくなってきてるの…」

未央「とにかく、このあたりから何か見繕ってみようよ」

卯月「買えるもの、っていうのは泰葉ちゃんの言う通りあんまり高いものは変ですかね?」

凛「お金出しあって買ったものなら別に変じゃないんじゃない?」

未央「でもさ、母の日、っていうくらいだから何かこう、娘っぽいものをあげたいよね」

凛「娘っぽいもの、か…」

卯月「うーん?なんだか最初の迷ってた段階に戻ってませんか?」


「何だ、まだ迷ってるのか?」

未央「あ、プロデューサー…って、どうしたのその顔」

P「あー、何だ、まぁなんでもない」

凛「なんでもないのに顔面がこぶし大に腫れるわけないじゃん」

卯月「あ、ほら、このペットボトルまだ冷たいですよ!これ当ててください!」

P「悪いな、助かる」ジンジン

P「で、何だ。千川さんのプレゼント、まだ決まってないのか?」

未央「あはは、実は、いろんな意見は聞いたんですけど…」

凛「逆に迷っちゃってさ」

卯月「振り出しに戻っちゃいました…あはは」

P「どれどれ…おい、何か変なの混ざってるぞ」

未央「そんなことよりさ、プロデューサーならこの中のどれ選ぶ?もしくはどれが嬉しい?」

P「何言ってんだ、そんなら全部くれてやったらいいじゃないか」

凛「馬鹿なこと言わないでよ、いくら何でも財布が持たないよ」

P「どうしてお前らだけでやろうとしてんだよ」

未央「あ」

卯月「プロデューサーさんが融資してくださるにしても全部は…」

未央「違うよ、しまむー!」

卯月「えっ?」

P「千川さんはお前らだけの「お母さん」じゃないだろう?」

凛「…そっか、私たちだけからのプレゼントよりみんなからのほうがちひろさん、喜んでくれるかな」

P「お前ら三人からでも勿論その場で飛び跳ねるくらいには喜ぶだろうさ」

P「でも、きっとみんなから、ってほうが『社長』冥利に尽きるだろうよ」

卯月「私、もう一度みんなに声かけてきます!」

未央「今日いない人には明日私から話するよ!」

凛「買えるもの、今から買ってくるよ。加蓮と奈緒がもう少しでレッスン終わるから一緒に」

P「……いや、一足遅いな」

NG「え……?」


「凛ちゃん、未央ちゃん、卯月ちゃん」

凛「……留美さん?」

卯月「一足遅い、ってどういう…?」

留美「ちひろさんは美優と楓と友紀ちゃんが連れ出したわ」

未央「は、はぁ……?」

留美「今から手の空いた子は全員会議室に集合よ」

凛「えっと、どういう…?」

「りーん!」

凛「加蓮?奈緒もレッスン終わったの?」

加蓮「水臭いじゃん、勝手に面白そうなことはじめちゃってさ」

奈緒「そうだぞ、ちひろさんにプレゼントなら言ってくれれば誰だって手伝うのにさ」

卯月「奈緒ちゃん、加蓮ちゃん…」

留美「ほら、議長は貴方よ、未央ちゃん」

未央「え、わ、私」

加蓮「当たり前でしょー?言い出しっぺなんだからさ」

奈緒「ほら、四人とも会議室行こう!」

P「いや、悪いが俺はまだ少し雑務が残っていてな」

加蓮「えー、ノリわるーい」

卯月「プロデューサーさん、参加してくれないんですか?」

P「協力できることはするさ、何でも言ってくれ」

留美「ほら、P君は忙しいんだから仕方ないでしょう、会議室へ行きましょう」

未央「じゃあ、多分お願いすると思うから、そのときは助けてね、プロデューサー!」

P「ああ、任せておけ」

<バタン

P「……これでよし、と」

母の日/夕暮れ時/事務所

美嘉「ほらほら卯月、クラッカークラッカー!」

卯月「も、もう両手に持ってますよぉ、あ、あれ、これどうやって鳴らせば…」

愛梨「菜々ちゃーん、こっちのケーキはそっちのテーブルにお願いしますねー?」

菜々「はーい、ってちょちょちょ愛梨ちゃん!けしからんところにクリーム垂れてますよ!」

聖來「ちょ、ちょっと優、それは無理があるんじゃ…」

優「えー、アッキーならくす玉から出てくるくらい楽勝だよねー?」

アッキー「く、くぅん…」

美優「さ、早苗さん、まだ早いですってば…」

早苗「ちょ、ちょっと味見だけだってば…」

真奈美「友紀!君は何で既に一本開けているんだ!」

友紀「今日はデイゲームで快勝記念!え、ダメー?」

瑞樹「ダメに決まってるでしょ、今日の主役はちひろちゃんなんだから」

加蓮「あれ?奈緒更衣室で何してたの?コスプレ衣装でも用意したの?

奈緒「違うよ!べ、別になんでもないって!」

凛「もうちひろさんたちの打合せ、終わってるんじゃない?」

泰葉「そうですね…そろそろ一度Pさんに連絡してみましょうか?」

未央「あ、私電話するね!」

莉嘉「あー、アタシもP君に電話したーい!」

留美「私がかけるわ、みんな少しだけ静かにしてくれる?」

『はーい』

trrrrrrrr trrrrrrrr trrrrrrrr

P『お待たせしました、Pです』

留美「和久井です。今どのあたりかしら?」

P『今ですか?今はちょうど○×の交差点を東向きに抜けた…』

留美「というと…こないだP君が煙草買いに寄ったコンビニの辺り?」

P『…ええ、そのコンビニの近くです』

留美「そこからだと…30分以内くらいかしら」

P『…はい、概ねそれくらいですね』

留美「まぁ下準備はもう電気消すくらいだから、少し前後しても構わないわ」

P『ですが皆さん私の到着時点ではお帰りでは?』

留美「スケジュール合わせられる子はみんな来てるわ、サプライズには十分すぎる人数よ、ふふっ」

P『なるほど、では些かお時間を頂戴できましたら』

留美「ちひろさんには感づかれてないでしょうね?」

P『そちらの件に関しても滞りなく、ご期待に沿うことはお約束いたしましょう』

留美「なるほど、大丈夫そうね」

P『もちろん、期限までには必ず』

留美「じゃあ、後は事務所についたら連絡して」

P「はい、では失礼致します」

ピッ

真奈美「やれやれ、プロデューサー君はきっと真顔でちひろさんを欺いているんだろうな」

奈緒「ほんと、入念にもほどがあるよ」

瑞樹「でもそのおかげで、きっとあと30分後には見たことのないちひろちゃんの顔が見れるわよ」クスッ

30分後/事務所近辺脇道

trrrrrrrr

『和久井です』

P「Pです。先ほど千川が建物内に入りました」

留美『了解したわ。P君も適当なタイミングで上がってきてちょうだい」

P「……ええ、そうですね」

留美『…?じゃあ、間もなくだろうから切るわね。また後で』

P「ええ、また後で」

ピッ

P「…どうすっかなぁ……」

P「…とりあえず、駐車場入れるか」

同時刻/事務所

未央「くるよー、くるよくるよー!」

加蓮「ちょっと奈緒、そこにいたらクラッカー直撃しちゃうでしょ」

奈緒「当たらないように使えよ!」

菜々「あ、愛梨ちゃん?!ダメですよ脱いじゃ!」

愛梨「えへへー、密集して熱くなっちゃってー」

ザワザワ

凛「ちょ、みんな静かに」

卯月「そろそろほんとに来ちゃいますよ!」

カツン、カツン、カツン…

未央「さぁ、みんな準備はいいかい?」

全員(コクン)

「…あら?」

ガチッ ガチャ


全員『お帰りなさい!ちひろさん!』

パァン!パァン!

ちひろ「えっ!?……えっ???」

未央「さぁちひろさん!今日は一体何の日でしょうか!」

ちひろ「な、何の日?え、いや、私が聞きたいくらいなんですけど!?」

留美「そうよね、ピンと来ないわよね」

ちひろ「だって、別に私の誕生日とかそういうのでは…」

卯月「正解はー、母の日です!」

ちひろ「母の日ぃ?!」

凛「正直母の日っていうのはこじつけのきっかけなんだけどね」

加蓮「未央たちがさ、いつもお世話になってるちひろさんに何か感謝の気持ちを伝えたい、って始めたんだ」

ちひろ「か、感謝、ってそんな、私は…」

瑞樹「何もしてないなんて言わせないわよ」

美優「みんな、知ってるんです。ちひろさんがいつも見えないところでみんなのサポートしてくれてる、って」

真奈美「母の日を祝われるにはちひろさんはあまりに若すぎるのは全員わかっているよ。それでもこうして集まっているんだ。今日ばかりは正面から受け止めてくれると嬉しいよ」

ちひろ「みなさん…」

莉嘉「ほらほらちひろさん!座って座って!」

菜々「愛梨ちゃん謹製のケーキに、飲み物もたくさん用意してますよー!」

愛梨「ふふっ、たくさんありますから、いっぱい食べてくださいねー?」

早苗「お酒も用意してるからね、パーッとやるわよ、パーッと!」

友紀「えへへちひろさんも今日くらいは楽しもうよえへへ」

留美「あなたにはもうウーロン茶しか出さないわよ」

ちひろ「あ、あはは…」

真奈美「さて、ちひろさん、プログラム的にはそろそろ主賓のあいさつがあっていいころじゃないかな?」

ちひろ「え、あ、あの…その、はい」

ちひろ「みなさん、あの、今日は本当にありがとうございます」

ちひろ「この事務所を立ち上げてしばらくの時間が経ちました」

ちひろ「最初は、プロデューサーさんと二人でした」

ちひろ「そこから、オーディションだったり、移籍だったり、プロデューサーさんのへたっぴなスカウトだったり、いろんな道からたくさんのアイドルの子たちに集まってもらいました」

ちひろ「今ここにいるのが全員ではないけれど、こんなに大勢のアイドルの子たちがこの事務所を支えてくれています」

ちひろ「私は本当にこの事務所という名前のついた「箱」を用意しただけです」

ちひろ「その中にひとつ、またひとつと綺麗に輝く宝石が増えていくような気持ちで今日まで過ごしてきました」

ちひろ「いつしか私の用意した「箱」は、私にとっての「宝箱」に変わっていきました」

ちひろ「きっと、それはプロデューサーさんも同じ気持ちでいるのではないでしょうか」

ちひろ「ぐすっ、ほんとは、最初は、不安もたくさんありました」

ちひろ「でも、私、私……ッ!ぐすっ」

ちひろ「あ、あはは…ぐすっ、私どうして泣いてるんでしょうね」

ちひろ「私、今本当に幸せです。きっと世界で一番、幸せです」

ちひろ「ほんとうに今までがんばってきてよかった……!」

ちひろ「皆さん、今日は本当にありがとうございます!」

ちひろ「こんな、こんな頼りない私ですが、みんなと一緒に歩いていきたいです」

ちひろ「これからも、よろしくおねがいしますッ!」

「「「「「「ちひろさぁーん!」」」」」」ガバァッ

ちひろ「ちょ、みんな、あはははっ!」

未央「さぁ、パーティの始まりだよっ!」

美嘉「今日は最後まで楽しもうッ!」

優「そうだそうだ!見て見てちひろさん、くす玉ぱーん!」パカッ ベシャッ

聖來「あ、アッキィーーッ!」

アッキー「ぐふぅ」

友紀「ちひろさんちひろさん!ほら、かんぱーい!」

奈緒「あ、友紀さん!ウーロン茶だけって言われてただろ!」

莉嘉「ねーねーちひろさん!みんなでプレゼントもたくさん用意したんだよ!」

美優「気に入っていただけるといいんですが…」

泰葉「ふふっ、にぎやかになりそうですね」

パーティ開始から1時間経過/事務所

「只今戻りましたー」

泰葉「あら、楓さん、お帰りなさい」

楓「ただいま、泰葉ちゃん。今どんな感じかしら」

泰葉「プレゼントも大体渡し終えて、なんだかご歓談下さい、って雰囲気ですね」

楓「あら、思ったより早くたけなわになりそうね」

ちひろ「あ、楓さん、お疲れ様でした」

楓「ちひろさん、いつもありがとうございます」ペコリ

ちひろ「え、ええと、あはは、こちらこそ、いつもありがとうございます」ペコリ

楓「ふふっ、すごいプレゼントの量ですね」

ちひろ「ええ、楓さんの分も留美さんからもらってますよ。ありがとうございます」

楓「おいしいんですよ、その梅酒」

ちひろ「楓さんイチオシなら外れがないことくらいわかってますよ」クスッ

楓「光栄です、ふふっ」

泰葉「でも、確かにすごい量かも。共同制作や共同出費があってとはいえなかなか壮観ですね」

ちひろ「しかも結構凝ってるものも多くて、使うのが少しもったいないくらいよ」

楓「どんなのがあるんですか?」

ちひろ「年少組は智絵里ちゃん、文香ちゃんと一緒に栞を作ってくれたんだけど、四葉のクローバー入りなのよね」

泰葉「人数分のの四葉のクローバーを…流石と言うべきなんでしょうね、智絵里ちゃん」

楓「しかもこれ紙漉きで作ってあるっていうのがすごいですね」

ちひろ「それに、高校生組からはデジタルフォトフレームをもらったんだけど…」

泰葉「ふふっ」

ちひろ「きっとみんな撮り貯めしてたのね。もう既に今までの事務所の日常やレッスン、楽屋の写真なんかがたくさん入れてあるんです」

楓「あ、私もいますね。ふふっ、このプロデューサーの不機嫌そうな顔」

泰葉「最近こんな顔しなくなりましたげどね」クスッ

楓「そうかしら?つい最近こんな顔を見た気がするわ」クスクス

ちひろ「そういえばそのP君…プロデューサーさんはどうしたのかしら?」

泰葉「そういえば…一緒に帰ってきたんですよね?」

ちひろ「ええ、それで、途中で電話がかかってきて接待に行くって言ってたんだけど、あれ、本当だったのかしら?」

留美「いいえ、その電話の相手は私だったからそれはないわ」

楓「あ、留美さん、お疲れ様です」

留美「ええ、お疲れ様、楓」

ちひろ「あれ、留美さんだったんですか?全然わかりませんでした」

留美「ええ、だからその接待っていう線はないけれど…楓、営業車はまだ戻っていなかった?」

楓「いいえ、定位置に止まってましたよ」

泰葉「車置いていったんですかね?」

ちひろ「乗って出ていったところまでは見たんですけどね」

楓「そんなことよりちひろさん、せっかくなので一杯だけそ梅酒で乾杯しませんか?」

泰葉(そんなことって…)

ちひろ「そうですね、せっかくなので…留美さんもどうですか?」

留美「いいわね、いただこうかしら」

泰葉(…プロデューサーさん、どうしたのかな)

一時間後/事務所

未央「さぁて皆々様!楽しい時間は過ぎるのが早いものです、宴もたけなわとなりました!」

留美「時間も時間だしね、そろそろお開きにしましょう」

真奈美「ごみはある程度固めておいてくれ、明日まとめて処分しよう」

美優「ち、ちひろさん、後片付けなら私たちが…」

ちひろ「いえ、どのみちこの後少し残業もありますし」

早苗「そんなの明日でもいいじゃん、真面目だなぁ」

ちひろ「いえ、実は貯めちゃってたのもありまして」

留美「言ってくれればやっておくのに」

ちひろ「ゴールデンウイークはアイドルの方が忙しかったでしょう?そんなわけにはいきませんよ」

菜々「お片付け、だいたい終わりましたよー」

友紀「さっすがメイドさん!仕事がはやーい!」

瑞樹「あなたが何もしてないだけでしょう」

凛「じゃあ、私たちはそろそろ帰ろっか」

加蓮「あー、明日も学校なんだよね、そういえば」

卯月「月曜日は憂鬱ですよねぇ」

未央「そだねー、かみやん、電車何時だっけ?」

奈緒「あー、ごめんみんな、先帰っててよ。追いつけたら追いつくからさ」

美嘉「あれ、どしたの?」

奈緒「あー、少し残業だよ」

莉嘉「奈緒ちゃんP君みたーい」

凛「すぐ終わるなら待ってるよ?」

菜々「っていうか何があるんですか?」

奈緒「ちょっとした後始末だって!多分電車はずれるから未央も菜々さんも先に帰っててくれよ」

未央「そう?じゃあ先行くけど、追いつきそうなら教えてよ」

瑞樹「こら、帰れる子は寄り道せずに早く帰りなさい」

「「「「「はーい」」」」」

全員帰った後/事務所

奈緒「あの、さ、ちひろさん」

ちひろ「奈緒ちゃん?どうしたの、みんなと一緒に帰らなかったの?」

奈緒「実は、さ、実は渡したいものがあってさ」

ちひろ「あら、奈緒ちゃんさっきもプレゼントくれたじゃない。他にもあるのかしら」クスッ

奈緒「あー、ほら、欠席者の分、かな?」

ちひろ(欠席者…?さっきもらった分の中に混ざってたんじゃ…?)

奈緒「そういうわけでさ、更衣室のアタシのロッカー開けてみてよ」

ちひろ「更衣室のロッカー?」

ちひろ(ん?本人がいるのに私があけるの?)

奈緒「いや、他に置いておく場所がなかったし、本人からじゃなくてアタシから手渡し、っていうのも何だかなぁって」

ちひろ「でも……」

奈緒「いいから!じゃあアタシ帰るから!ちゃんと確認してよね!お疲れ様でした!!」ダッ

<バターン

ちひろ「ちょ、ちょっと奈緒ちゃん!…行っちゃった」

ちひろ「一体どういうことかしら…」

更衣室

ちひろ(さて、どれどれ)

ガチャッ

ちひろ(あ、いい匂い。気使ってるのね奈緒ちゃん…じゃなくて)

ちひろ(ええと…この箱、よね)

ちひろ「……【千川へ】……」

ちひろ「……ふふっ」

ちひろ「あははははははっ!」

ちひろ「あははっ、そういうことだったのね、ふふっ、何、やってるんだか、P君ったら」

ちひろ「こんなの、直接持ってきなさいよ、ほんと」

ちひろ「で?中身は?ハズレ、なんて書いた紙だったりして」

ちひろ「もしくはマトリョーシカ風の箱イン箱だったり?」

ピリピリッ

カパッ

ちひろ「…ふふっ、なるほど、ね」

数分後/事務所ビル前

ちひろ(残業する気、なくなっちゃったわ)

ちひろ(明日の朝少し早めに来ようかしら)

ピーーーッ

ちひろ「えっ」

ブロロロロロ キィッ

ちひろ「姿が見えないと思ったら、こんなところにいたのね」

ちひろ「P君」

P「…送っていくから、乗れよ」

ちひろ「ええ、お願いね、うそつきプロデューサーさん」クスッ

千川宅への道すがら/車内

P「どうだった?」

ちひろ「ほんと、驚いちゃった」

P「驚いた?」

ちひろ「だってなんだかすごく大掛かりなことが動いてたのに、私、全然気づかなかったもの」

P「ああ、そっちか」

ちひろ「ねえ、P君」

P「ん?」

ちひろ「ほんと、私この事務所立ち上げて良かった」

P「そうだな」

P「俺も、そう思ってるさ」

ちひろ「私、ずっと不安だった」

P「不安?」

ちひろ「何か間違ってるんじゃないか、間違ったまま取り返しのつかないところまで来てしまったりしてないか」

ちひろ「そんなの、誰も教えてくれないじゃない」

ちひろ「見えないところで誰かが辛い思いをしてるんじゃないか、私は本当は何もしてないんじゃないか、って」

ちひろ「分からないじゃない、そんなの」

P「…今もそう思ってるのか?」

ちひろ「今は全然!――って言っちゃうと、きっと嘘」

ちひろ「でも今日は…信頼とか、感謝とか、期待とか何だかそんな目に見えないものが見えた気がするの」

P「お前が積み重ねてきたものは、お前が思ってるよりも固くて重いって、よくわかっただろ?」

ちひろ「自惚れじゃなければ、ね」クスッ

P「いや、まぁ、それと、だな…」

ちひろ「え?」

P「さっきの「どうだった?」ってのはまぁ、ほら…」

パシャッ

P「え…?」

ちひろ「ありがたくもらったわよ、デジカメ」クスッ

P「変なところ撮るなよ」

ちひろ「そうね、記念すべき一枚目にしてはパッとしない男を写しちゃったわ」クスッ

P「別に、いらないならいらないで…」

ちひろ「ありがとう、P君」

P「…ん」

ちひろ「デジタルフォトフレームがプレゼントの中にあるって知ってたんでしょ?」

P「ああ、奈緒から聞いてな」

ちひろ「P君のことだから『自分で眺める写真くらい自分で撮れ』、って意味なのかなって」

P「……」

ちひろ「あ、図星だ」クスクス

P「うるさい」

ちひろ「でも、何で奈緒ちゃんが持ってたの?」

P「…もしも、誰かと被ってたら渡さないように奈緒には言ってあったんだよ」

ちひろ「呆れた、そんなこと気にしてたの?」

P「で、千川が出てくる少し前に奈緒が事務所から走っていくのが見えたから、被りは回避できたと思って安心したよ」

ちひろ「別に、被っててもありがたく二つとも使うわよ」

P「でも、一台でいいだろ?」

ちひろ「そりゃあ…って、考えすぎよ」

P「ほんとにな、考えすぎたよ」

P「よく考えたら千川がどんなのが好きとか嫌いとかよくわからなかったからな」

ちひろ「馬鹿ね、そんなに悩むようなことでもないのに」クスッ

ちひろ「さて、ここでいいわ」ガチャ

P「ああ、この車は明日乗ってくるよ」

ちひろ「ね、P君」

P「あ?」

ちひろ「写真、撮ろっか」

P「さっき撮っただろ」

ちひろ「違うわよ、一緒に撮ろうって言ってんの」

P「えぇ?いや、お前それは――」

ちひろ「いいからいいから、ほらほら降りて」ガチャ

P「え、やだよ俺……あぁ、もう袖伸びるから!伸びるから!」

ちひろ「はやくはやく!もうほらシャキッと立って!」

P「だからやだっt――」

ちひろ「ほらほら、はいチーズっ」パシャッ

ちひろ「はいおっけー」

P「あーあ、変なとこで撮りやがって」

ちひろ「どうせキメ顔しててもそう変わんないわよ」

P「自分だけばっちり顔つくってんじゃねぇか」

ちひろ「素直に応じればもっとましな顔で撮れたわよ」クスクス

P「…もういいか?帰るぞ、俺」

ちひろ「やだなに?家に上がる気?」

P「帰るわ」バタン

ちひろ「ふふっ、送ってくれてありがと」

P「ああ、また明日な」

ブロロロロロロ……

ちひろ「また明日、ね」

ピッ ピッ

ちひろ「ふふっ、ほんと、変な顔してる」

ちひろ「これからも、たくさん撮ってやるんだから」

とりあえず本編ここまで
あと少しだけおまけ

パーティ開始から1時間経過/事務所併設駐車場/営業車車内

P(まだ、しばらくは続きそうだな…)

P(ほんとに接待行ってたほうが早く帰れたかもな)

コンコン

P「…ん?」

コンコン

ガチャ

「大将、やってます?」

P「ごめんよお客さん、もともとやってないんだ」

「じゃあ、大将を事務所までお持ち帰りで」クスッ

P「……早かったじゃないですか。――楓さん」

楓「ええ、今日も今日とて一発撮りですから」ストッ

P「何さも当然のように座ってるんですか。上は盛り上がってるみたいですから、素面が辛くなる前に合流するのがオススメです」

楓「大将をお土産にしたらきっと皆喜んでくれますよ」

P「今日の主役は千川さんですから」

楓「主役は脇役がいて引き立つんですよ?ねぎまのねぎは不可欠なように」クスッ

P「緑色はあっちですけどね」

楓「照れてるんでしょう?」

P「べ、別にそういうわけじゃ…」

楓「照れてるじゃありませんか」クスッ

P「僕はいいですから、早く上に顔出してあげてくださいよ」

楓「素直じゃないですね」

P「僕ほど素直な人間はそういないですよ」

楓「自分にばっかり素直だって言うんじゃ、外からは意地っ張りにしか見えませんよ」

P「…今日の楓さんはずいぶん辛辣じゃないですか」

楓「そう聞こえるのは後ろめたいことがあるからです」

P「何でも知ってる風なことを」

楓「教えてくれないのに知ってるわけないでしょう」

P「…じゃあ教えてあげますよ」


P「千川に贈るプレゼントが他の子と被ってたり気に入らないものだったりしたら悲しいからここで引きこもってます」

楓「ふふふっ、素直なプロデューサー、いつもより可愛いですよ」クスクス

P「馬鹿にしてんのか」

楓「いいえ、よくできましたね、えらいえらい」

P「撫でようとしないでください、やっぱり馬鹿にしてるんじゃないですか」

楓「いえいえ、ほんとにしてませんよ、ふふっ」

P「満足しましたか?」

楓「ええ、十分に」クスクス

P「じゃあ早く事務所行ってくださいよ、もう…」

楓「ええ、本当はプロデューサーさんが動くまで粘るつもりだったんですけど、今日はもう勘弁してあげます」クスッ

P「僕がここにいることは黙っといてくださいね」

楓「わかりました、でも気が向いたら来てくださいね?」ガチャ

P「気が向いたら、行きますよ」

楓「ええ……あっ」

P「?どうしました?」

楓「プロデューサー」

P「な、何ですか?」

楓「『出待ち』するのは夜まで『でまち』がってませんね?」キリッ

P「はやく行けよ」

おまけというかボツネタ
ほんとは>>12にはさんでたけどカット

片桐早苗/川島瑞樹/姫川友紀の場合

友紀「ちひろさんのほしいもの?」

早苗「そんなの彼氏に決まってるじゃない」

瑞樹「それは早苗のほしいものでしょ」

友紀「あたしはヤナギタとオオタニ君がほしい!」

瑞樹「キャッツの補強の話でもないわよ」

早苗「あ、スパ銭のタダ券もいいわね」

瑞樹「何の話?」

友紀「今年はセイギ君に特攻よりはヤナギ君とかテラシマ君とかを一本釣りでも面白いよね!」

瑞樹「ドラフト戦略まで話広げてんじゃないわよ!」


※話になりませんでした

ここまでで終わりです。
ほんとはこれアニバでやりたかったけど、副業の合間にしゅーこはんアイプロ走ったりその後の志希にゃんロワ走ったりするのにかまけて構想だけしてて放置してました。
そういえば水着しゅーこはん値上がりしなかったなぁ

あと、総選挙は真鍋いつきちゃんにオナシャス!

あ、HTML化依頼出します

おつ!続きが読めて嬉しい

>>47
毎度どうもです。
年間一本から二本しか書いてないのに続けて読んでくれる人がいてくれるとこちらもうれしいです。

次回作に期待


今回も良かった

乙です。
懐かしい、Pが個性強くて面白いからシリーズ化は歓迎だ

>>49
次、あるかなぁ…
>>50
>>51
毎度どうもです。
覚えててもらえるのがすごく嬉しいです。

おっつおっつ
こういうほのぼのとした雰囲気ほんとすき

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