海馬「冥界にブルーアイズ忘れてきた」(劇場版遊戯王) (37)



※ネタバレ注意




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モクバ(兄サマが高次元に介入する装置に入ってから、もう一ヵ月……)

モクバ(いったい中がどうなっているのか分からないけど、とにかく、兄サマの意識が帰ってきていないことは確かだ)

モクバ(こうして僕は、毎日暇さえあれば、この装置の側で……)



プシュー……


モクバ「えっ……!? 装置が、開いた!?」ガタッ


モクバ「兄サマ!!!」ダッ



海馬「……」

モクバ「兄サマ、無事!? 大丈夫!!?」

海馬「ない」

モクバ「……え?」





海馬「青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)がない!!!!!!!」

モクバ「」




海馬「クラウドサーバーのデータ空間から、ブルーアイズだけが消えている……肌身離さず持っていたはずの物理カードすらどこにもないっ……!!」

モクバ「に、にいさま落ち着いて」

海馬「これが落ち着いていられるか!! オレはもう一度冥界へ行くぞ!!!!」ダッ

モクバ「わーーー!!! 待ってよ今度こそ死んじゃうって!!!」ガシッ

海馬「えぇい離せモクバ! あのカードこそオレのプライド!! そしてオレの魂!! ブルーアイズなくして生きてなどいられるかぁっ!!!!」

モクバ「き、気持ちは分かるけどっ……もっと技術を確立させてからじゃないと!!」

海馬「……技術」

モクバ「そう、そうだ! この一ヵ月、兄サマの指示していた通りに、会社は動いてるよ! 新型デュエルディスクも世界じゅうに順調に普及してる!」

モクバ「兄サマが改造を加えた新次元デュエルディスクも、遊戯や城之内たちのおかげでかなりデータがとれたぜい!」

モクバ「高次元へのアクセスに成功したのなら、その技術をもっと高めて、安全性を確保してから行き来すべきだよ!」

海馬「……あぁ、確かに、冥界へと渡ること自体は成功した」

モクバ「…………で、もう一人の遊戯との、デュエルは」



海馬「573戦…………286勝………286敗………1分け」

モクバ「」




海馬「結局!!!! これだけの時間を賭してさえ、決着をつけるには至らなかった!!!」

モクバ「いや…………兄サマ……」

海馬「フン……なにをドン引いているのだ、モクバよ」

モクバ「そりゃさすがにドン引くよ……一ヵ月、ずっとデュエルしてたの?」

海馬「向こうでは睡眠や食事は不要だったからな。互いにデッキ構築を練り直している時間以外は全てデュエルだ」

モクバ「……」

海馬「しかし、確かに冥界へと渡るすべは見つかったのだ。また何度でも戦いに行けばいい」

モクバ「いやいやいや…………カンベンしてよ、兄サマ……」


磯野「では瀬人サマ、予定通り三日後に、新型デュエルディスクによる世界大会を実施致します」

海馬「磯野か、オレのいない間、ご苦労だった」

磯野「いえ、モクバサマが立派に社長代行を務めておられたので」

モクバ「へへん!」

海馬「そうか……ありがとう、モクバ」

モクバ「へへ……」

磯野「そこで、優勝者に与えられる瀬人サマへの挑戦権ですが」

海馬「」




磯野「瀬人サマ?」

海馬(い、いや……例えブルーアイズがなくとも、大抵のデュエリストに負ける気はしない。だが……既にブルーアイズは我が社の顔……)

海馬(オレのデュエルでブルーアイズが活躍しなければ、社の信用問題ともなり、株価に大きな影響を与えるだろう……)


海馬「やはり……取りに行くしかないか……」

モクバ「えぇ…………」



モクバ「で、でも今日はとりあえず、家に帰ってゆっくり休もう!」

海馬「……そうだな。やつとのこれだけの連戦、さすがに精神を疲弊した」

磯野「はっ! では、ゆっくりお休みください。こちらは大会の準備を進めます!」

海馬「フン、任せたぞ」




……
-海馬邸



海馬「……まさかこのオレが、冥界でものをなくすとは……しかもよりによって」

??「なにか、なくされたんですか?」

海馬「あぁ……オレの命にも勝るカードを……」

??「それは……さぞお辛いでしょうね」

??「でも、そんなときこそ!」



キサラ「わたしの手料理で癒されてください! セト様!!」

海馬「あぁ。ん?」




海馬「誰だ貴様!!!!」




キサラ「貴様ではありませんよ? キサラです」

海馬「フ……またここに侵入者とは、どうやらセキュリティシステムの根本的改造を考える必要がありそうだな」

キサラ「セト様、わたしは侵入者ではありません」


キサラ「だってここは、あなたの家ですもの」

海馬「??」

キサラ「嫁いだ妻がいるのは当然の」

海馬「出 て い け ! ! ! ! !」


モンスターではなくカードを大事にするデュエリストの鑑



キサラ「ひどい……セト様……」

海馬「なにをふざけているのか知らんが……オレをこれ以上挑発すれば、後悔することになるぞ」

キサラ「そ、それって……」



キサラ「夜のオシオキ……ですか!?」

キサラ「あの、できれば初めては優しく……でも、セト様になら痛くされても……なんて」

海馬「……」イラッ


海馬「貴様のお遊びに付き合う気はない。オレは食事をとり、すぐさま次元干渉装置の改良を始める」

キサラ「お食事の用意はできていますよ。さぁ、どうぞ」

海馬「なに……」




……


海馬「フン…………悪くない出来だ」モグモグ

キサラ「はい、あーん」

海馬「や め ろ」


海馬(しかしこの女……いったいなんだ。ブルーアイズのアップリケつきエプロンなどつけて……)

海馬(まさかこの女がブルーアイズを……!)

キサラ「セト様、お風呂も沸いてますよ。……い、一緒に入ります? なんて」

海馬「あぁ……」

海馬(いや、だがオレがブルーアイズをなくしたのは、冥界にいる間……だとすれば)

キサラ「え……えっ? ほんとに? ほんとに一緒に?? え? え?」



……


チャポン

海馬「ふぅ……」


キサラ「はふー……」///



海馬「……なぜ貴様がいる」

キサラ「えぇえっ!?」ガーン



>海馬(しかしこの女……いったいなんだ。ブルーアイズのアップリケつきエプロンなどつけて……)

ブルーアイズの工事看板掲げてた奴が何を言う



……


キサラ「むにゃ……セト様…………zzZ」

海馬「……眠ったか」

海馬(やはり、ブルーアイズが手元にないと、どうにも落ち着かん)

海馬(今も、どこの誰とも知れぬ死人どもの手に触れているかもしれん、そう思うとっ……!)

海馬「やはり許せん……殺してでも奪い返してやる!! ブルーアイズはオレだけのものだ!!!」

キサラ「セト様ぁ……むにゃむにゃ」ゴロン



プシュー

海馬「もう一度……」


「待て、セト王よ」

海馬「なに……?」

シャーディー「お前を再び冥界へと通すわけにはいかない」

海馬「その出で立ち……また墓守りというやつか。そこをどけ!!! オレは貴様らが掲げるカビの生えた掟などに縛られるつもりはない!!!!」

シャーディー「こちらとて、そう安易に冥界の扉をパカパカパカパカ開け閉めされても困る」

海馬「……」




シャーディー「力づくでも止めさせてもらう……」ゴゴゴゴ

海馬「力づくだと……?」

シャーディー「デュエル!!!」

シャーディー「私のターン、ドロー!! 私はジャッカルの霊騎士を次元召喚!! はぁああああ!!」


ジャッカルの霊騎士[攻撃力1700]ハァッ!

海馬「次元召喚……! ディーバとやらの行っていた次元領域デュエルか……!!」

シャーディー「私は一枚伏せ、ターンエンド。さぁ来るがいい」

海馬「ならば……ドロー!! オレはカイザー・ブラッド・ヴォルスを特殊召喚!!!」


カイザー・ブラッド・ヴォルス[攻撃力1900]ガァアッ!

海馬「バァトルだぁ!! やれぃ! カイザー・ブラッド・ヴォルス!!」

シャーディー「甘い……伏せを表に、アヌビスの呪い!」

海馬「ぐっ……二体ともが守備表示に……」

海馬「カードを二枚セットし、ターンエンドだ……」




シャーディー「私のターン、ドロー。……ジャッカルの霊騎士を攻撃表示に変更。カイザー・ブラッド・ヴォルスへ攻撃!!」

ジャッカルの霊騎士[攻撃力1700]→カイザー・ブラッド・ヴォルス[守備力1200]

ズシャァアアッ

海馬「ぬぉおおっ……!!」(LP8000→6100)

シャーディー「ジャッカルの霊騎士が破壊したカーは、こちらの場に呼び戻される」

カイザー・ブラッド・ヴォルス[攻撃力1900]ガァアッ!

シャーディー「いけ! 自らのカーによる攻撃を受けよ!!」

海馬「馬鹿め!! トラップ発動! カウンター・ゲート!!!」

シャーディー「!」


海馬「直接攻撃を無効化し、ドロー! そして、ドローしたパンデミック・ドラゴンを次元召喚!! うぉおおおお!!」


パンデミック・ドラゴン[攻撃力2500]ギャォオオ!

シャーディー「攻撃力……2500。……私は二枚伏せ、ターンエンド」


>>11
そこくすっとしたわ



海馬「オレのターン!! ドロー、アサルト・ワイバーンを次元召喚!!」

アサルト・ワイバーン[攻撃力1800]ケェエン!


海馬「アサルト・ワイバーン! ジャッカルの霊騎士を攻撃!!」

アサルト・ワイバーン[攻撃力1800]→ジャッカルの霊騎士[攻撃力1700]

ドガァアアッ!

シャーディー「ぅぐ……!!」(LP8000→6300)

海馬「さらにアサルト・ワイバーンの効果により、アサルト・ワイバーンを生贄に手札の巨神竜フェルグラントを特殊召喚!!! ぅぉおおおおっ!!!!」


シャーディー「そこだ! 激流葬!!!」

海馬「なにぃ!!!」

ズゴォオオオオオオオオオオッ!!!


海馬「場の全てのモンスターが……!」

海馬(だが、オレの手札には既に死者蘇生がある……これでフェルグラントを蘇生し)

シャーディー「さらに私は、血の代償を発動。自らのバーを捧げ、新たに次元召喚! はぁああああああああ!!!」(LP6300→5800)

海馬「!!」


エンド・オブ・アヌビス[攻撃力2500]ゴゴゴゴゴゴ……

海馬「っ……!」


シャーディー「このカーが場に存在する時……墓地への介入は不可能」

海馬「…………カードを一枚セットし、ターンエンドだ」


シャーディー「ドロー! そしてエンド・オブ・アヌビス!! 直接攻撃!!! ハウンドスピア!!!」

バシュバシュバシュッ

海馬「ぐぁああっ!!」(LP6100→3600)

シャーディー「……ターンエンド」

海馬「くっ……オレの、ターン!! ドロー!!!」


海馬「!?」

海馬(攻撃力0のザコモンスター……なぜオレのデッキにこんな)

海馬(だが、次元領域デュエルでは、攻撃力0ならば破壊されてもダメージは受けない……ここは)

海馬「オレはモンスターを次元召喚! ターンエンド!」

シャーディー「無駄だ! エンド・オブ・アヌビス!! セトのカーに攻撃!! 戌笛爆裂弾!!!」

ゴォオオオオッ!!!




シュァアアアアアアアアアッ

海馬「……!! なんだ!? ザコモンスターから、光がっ」

シャーディー「!?」


青眼の白龍[攻撃力3000]グォオオオオッ!!

海馬「!!!! ブルーアイズ……!!!」

シャーディー「なぜだっ……アヌビスの攻撃対象がっ」

海馬「砕け散れぇ!!! 滅びの爆裂疾風弾(バーーーストストリィーーーーーム)!!!!」


青眼の白龍[攻撃力3000]→エンド・オブ・アヌビス[攻撃力2500]

ズガァアアアアアアアアッ!!!

シャーディー「うぐぁああああああっ!!」(LP5800→3300)

ドサァッ


シャーディー「ぅ……、……私は、カー、ゼルアを次元召喚……さらに二枚伏せ、ターンエンド」

ゼルア[攻撃力1500]……


海馬「オレのターン、ドロー! ……滅びのバーストストリーーム!!!」

青眼の白龍[攻撃力3000]→ゼルア[攻撃力1500]

シャーディー「うあああああっ!!!」(LP3300→1800)

海馬「フハハハハハハハハハ!!!! どうだぁ!! これがブルーアイズの力だ!!!」


海馬(しかし……なぜ突然ブルーアイズが戻ったのだ……)

海馬(このモンスターは一体……)

青き眼の乙女[守備力0]



キサラ「ぁ……セト様ぁ、こんな夜中になにやってんですかぁ……ふぁあ」

海馬「近づくな!! 次元領域デュエルは空間が不安定だ!」

キサラ「はぇ? ディアハですか……ふぁー」


シュゥウ……

海馬「!! な、なに!? ブルーアイズが……!」

シャーディー「消えていく……」

キサラ「? ??」


起きちゃったか……



海馬(あのザコモンスターまでも……! なにが起きている!?)

海馬「ぐ……ここは、ブラッド・ヴォルスを次元召喚し、ターンエンドだ」

ブラッド・ヴォルス[攻撃力800]グゥウ……


シャーディー「攻撃力800……ブルーアイズを失い気力を削がれたか。ドロー、……私はダークストーム・ドラゴンを次元召喚!! ブラッド・ヴォルスを攻撃!!」


海馬「かかったな!! トラップ発動!!」

シャーディー「!!」

海馬「死のデッキ破壊ウイルス!!!」

シャーディー「そうかっ……このために」

海馬「貴様のフィールド、デッキ、手札より、攻撃力1500以上のモンスターは全て消滅する!!! フハハハハハハハハハハ!!! 最早貴様にモンスターは……」


ダークストーム・ドラゴン[攻撃力900]ズズズ……

海馬「な、に……!? 攻撃力、900だと……!」

というか社長が映画で地面からカードドローしたのは笑った


シャーディー「何かあると警戒し、ギリギリ仕留められる攻撃力で呼び出したのだ」

海馬「ぐぅ……おのれ……」

シャーディー「それだけではない!! 私はさらに墓荒らしを発動!!」

海馬「!? 墓荒らしだと……!!」

シャーディー「墓を暴かれる苦痛を、お前も味わうがいい……私が選択するのは」


シャーディー「ウイルスカード!!!」

海馬「なにぃい……!!」

シャーディー「ダークストーム・ドラゴンを生贄に、お前のデッキ、手札、全ての攻撃力1500以上のモンスターは死滅する」


シュゥウウウウウウ……

海馬「ば、バカな……オレのデッキが…………」

シャーディー「まだだ。私は死者蘇生を発動。……再びエンド・オブ・アヌビスを場へ」

海馬「……!!!」


エンド・オブ・アヌビス[攻撃力2500]グォオオオオ……!

海馬「っ…………!!」


シャーディー「……切り札として、死者蘇生を温存していたのだろうが……裏目に出たな。こうなっては最早、お前にエンド・オブ・アヌビスを倒すことはできない」

シャーディー「つまり、お前はデッキのほとんどのカーを葬られ、また、それを蘇生することもできない……ということ」

海馬「…………」

シャーディー「冥界への扉は閉ざされた……大人しく諦め、サレンダーするがいい」




キサラ「セト様……」


バタッ


海馬「!? どうした! おい、しっかりしろ!! キサラ!! キサラ!!!」

シャーディー「!!? な、に……!!」


ゴゴゴゴゴゴ……

青眼の白龍[攻撃力3000]ギャォオオオッ!!

海馬「ブルーアイズ……!! オレの場に、戻った!?」

シャーディー「除外されていたことで、ウイルスを逃れたのか……!!」

海馬「……キサラ」

キサラ「」



海馬「ゆくぞ!!! これで終わりだぁあ!!! 滅びのっバァーーーーストストリィイーーーーーーム!!!!!!!」



ズガァアアアアアアアアアアアアアッ……!!!!!



シャーディー「ぅぐぉおおおおおおおおおおおおっ……!!!!??!?」


(LP1800→0)



出落ちかとおもったけどそろそろ腹筋が痛いぐらい草やわ



海馬「キサラ!! しっかりしろ!! キサラぁ!!」

キサラ「…………ん、ふぁあ……あ、ディアハ終わりました?」

海馬「…………貴様……」

キサラ「……??」



海馬(……またブルーアイズのカードが消えている)

キサラ「あの人もいなくなりましたし、もう寝ましょうよ……ふぁ」

海馬「あぁ…………そうだな」

キサラ「おやすみなさぁ……zzZ」


シュゥウ……

海馬(ブルーアイズのカードが出現した…………)




海馬(…………デュエル中は睡眠薬でも飲ませておくか……)

キサラ「むにゃむにゃ……ふへへ……セトさま……ったらぁ…………zzZ」






END



もっと続けてよ!



この後めちゃくちゃディアハした。


城之内「くぅ~っ、俺も次元領域デュエルしたかったぜ!」(劇場版遊戯王)

もよろしく。

ではまた。


おつ


映画でも社長は最初から最後まで社長だったな

乙です

何!?これからセトの花嫁が始まるのではないのか!?

>>32
これは純粋に見てみたいな

おつ

おつ

映画見てきたからこのSS読んだらかなり笑ったわww



俺以外の奴に殺されるなど許さん!蘇らせて俺の手で再び葬り去ってくれるわ!
結局蘇らないだと!?ならば俺自らあの世へ旅立ってくれるわ!

完全にヤンデレでしたね

>>36
プライドの方向が空回りしてるだけだから……w

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