殺し屋「俺は女子供でも手加減はしねェ」 (15)
場末の酒場――
殺し屋「俺は女子供でも手加減はしねェ」
殺し屋「どんな標的であろうと手を抜かず始末するのが、一流の殺人者の条件ってもんだ」
ナイフ使い「ふん……たしかに君の腕は一流といえるだろうね」
女アサシン「ふふっ、さすがね」
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ナイフ使い「だけど甘いよ!」
殺し屋「なんだと!?」
ナイフ使い「なにせボクは、赤子にすら容赦なくこの刃を振り下ろすからね」
殺し屋「く……てめェ!」
女アサシン「それぐらいでないと、この稼業は務まらないわよね」
殺し屋「だがよ、俺はもっとすげェぞ!」
ナイフ使い「なんだって!?」
殺し屋「俺は小動物だろうと、全身全霊をもって昇天させるからなァ……」
ナイフ使い「ぐ……!」
女アサシン「動物が標的になることも、まれにあるしね」
ナイフ使い「なんの、ボクはもっとすごいぞ!」
殺し屋「なにィ!?」
ナイフ使い「ボクは虫にさえ全力でナイフを突き刺すよ!」
殺し屋「む、虫……!」
女アサシン「昆虫が標的になったことは……さすがにないわね」
殺し屋「ケッ、俺はもっともっとすごいんだ!」
ナイフ使い「バ、バカな!?」
殺し屋「俺は……その辺の雑草にさえ、100%の力で仕事を遂行する!」
ナイフ使い「うぐぐ……!」
女アサシン「ついに植物になっちゃったわね……」
ナイフ使い「ふ、ふん、だけどボクはそんなもんじゃないぞ!」
殺し屋「これ以上、上があるってのか!?」
ナイフ使い「ボクは……細菌を相手にする時ですら、この愛用のナイフを使用する!」
殺し屋「ぐおおおっ……!」
女アサシン「石鹸使った方が早くない?」
殺し屋「だ、だったら……!」
ナイフ使い「まだ諦めてないのか!?」
殺し屋「俺は石が標的だろうと、命懸けで戦ってやるぅ!」
ナイフ使い「す、すごい……!」
女アサシン「とうとう生き物じゃなくなったわね……」
ナイフ使い「負けてたまるか! それなら――」
殺し屋「それなら!?」
ナイフ使い「空気だ! 空気にも殺気全開のナイフ術で挑んでみせる!」
殺し屋「ぎゃはわぁぁぁ!」
女アサシン「……」
殺し屋「なら俺は自分の脳内で作った敵とも、手加減なしで戦うもんね!」ガタッ
ナイフ使い「ボクだってそうだ!」ガタッ
殺し屋「敵だーっ! 敵だーっ!」ブンブンッ
ナイフ使い「敵がいるぞーっ! 敵がいるぞーっ!」シュッシュッ
女アサシン「……」
殺し屋「うはははは! 敵がどんどん出てくるぞ! うおおおお!」ブンブンッ
ナイフ使い「くっ、手強い! だけど勝てない相手じゃない! 切ってやる刺してやるぅ!」シュシュッ
女アサシン「……」
……
……
病院――
殺し屋「うおおおっ! また新しい標的が出てきたぞーっ!」ジタバタ
ナイフ使い「どんどん敵が出てくる! アハハハハーッ!」ジタバタ
女アサシン「あの二人……治るかしら?」
闇医者「安心しろい、俺はどんなアホな患者にも手加減はしねェさ」
<終わり>
乙
乙
こいつら小学生かよww
と、思ったがだんだん怖くなってきた……
予想裏切られて笑ったわ
乙
乙
こういうのホント好き
このSSまとめへのコメント
ワロタ
ストーリー書ける人すごいなぁ