みほ「プロ戦車道1日訓練?」 (96)

※劇場版の内容にもふれているためネタバレ注意

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1460132178

みほ「それってどういうことですか?」

桃「ああ。このたびの大学選抜チームとの戦いを見た戦車道連盟の人が大いに感激したそうでな。特に、各校の個性が出た戦車のはたらきに注目したらしい」

杏「要するに、学校ごとのいいとこも悪いとこも出た試合だったねーってこと。でもそれが混ざって、ひとつになったときの結果があの勝利」

柚子「それでね、プロ戦車道選手には、いつもと違う人間との積極的な交流が要るって話になってね、それを養う機会が必要だということになったの」

優花里「確かに、プロリーグとなると、選手はまったくの他人同士でチームを組んですぐ試合なこともあるわけですし、選手自身の移籍の問題もあります。誰とでも仲良くなれるというのは大事なことです」

華「戦車道は、団体戦でもあり、個人戦でもあるということですね」

杏「学校のためにもなるからね~。生徒を入れ替えた戦車での試合とか、かなりいい刺激になるんじゃないかってことでね」

柚子「そこで、各学校から選抜されたメンバーで戦車道の訓練とともに、1日を共同で過ごしてみるという提案がされました」

桃「急なことだから、選抜されたのは隊長クラス4人で1チームしかできないそうだが、そのぶん他のメンバーがサポートするらしい。わが大洗からも隊長が1人選ばれた」

みほ「隊長ってまさか……」

桃「そうだ。西住、お前だよ」

みほ「え、えええっ!?」

優花里「おおっ! 西住殿、これはすごいことでありますよ!」

沙織「ほかのメンバーって、誰になるんですか?」

柚子「サンダース大学付属から、ケイさん」

優花里「あのフェアプレイの精神。それに大らかで明るいケイ殿なら、いっぱい学ぶところがありそうですね!」

柚子「それから、聖グロリアーナから、ダージリンさん」

優花里「あの冷静で的確な指示! それに戦車の起源イギリスを模した学校ですし、強さにつながること間違いなしです!」

柚子「黒森峰からは、逸見エリカさんだそうです」

みほ「えっ。エリカさん……!?」

優花里「どうして、黒森峰は副隊長なのでありますか?」

桃「この訓練の趣旨に沿うようにとのことだ。むこうの隊長と西住とは肉親同士だろう?」

華「確かに、他人と仲良くなるということが目的ですから、姉妹になる西住さんとみほさんでは……というわけですね」

麻子「急に不安になったな」

沙織「ま、まあ決勝戦でみぽりんとのわだかまりも解けたみたいだし、大丈夫だよきっと」

柚子「この4人を1チームとし、とある学園艦を模擬的な訓練場として、1日共同で過ごしてもらいます」

杏「ま、固くならずにレクリエーションみたいなもんだと思ってね。時期は来週だから。よろしく~」

みほ「は、はい」


――1週間後。某学園艦にて

ケイ「グッモーニン! ミホ!」

ダージリン「おはようございます。みほさん」

エリカ「遅いわよ。あなたが最後じゃない」

みほ「すみません。コンビニに立ち寄ってたらつい……」

ケイ「しかし、学園艦ひとつ借り切るなんてずいぶんと張り込んだ行事ね。ウチのイベントでもこんな規模のものはないわ」

エリカ「学生用の模擬的なものとはいえ、初のプロリーグ設立のための訓練を試みているのだから。気合いが違うわ」

ダージリン「選ばれたわたくし達も、気を引き締めなければなりませんね」

みほ「プロの戦車道訓練……いったいどんなことをするんだろう」

蝶野亜美「みんなおはよう。4人とも揃っているわね」

みほ「教官!」

亜美「この学園艦はね、それぞれの学校の施設を取り入れているの。つまり、1つの船でいろんな学校のようすを体験できるというわけね。ここでみんな一緒に、1日過ごしてもらうわ」

亜美「じゃあさっそく……といいたいところだけど、きょうの訓練にあたって、1つ約束してもらいたいことがあるの」

ダージリン「なんでしょうか」

亜美「学園艦に乗っている間、絶対に笑ってはいけないということよ」

ケイ「ホワッツ?」

みほ「そ、それって、笑ったりできないくらい厳しいってことですか……?」

亜美「ああそんな物騒なことじゃないわよ。あくまで訓練中に笑っちゃいけない。それを4人が協力して守りとおすことに意味があるの」

エリカ「なるほど。共通の体験によって連帯意識を深めようというわけですね」

ダージリン「でも、もしも笑ってしまったら……?」

亜美「まあ、笑った回数だけペナルティがあるわね。大丈夫よ。これからの戦車道に支障をきたすようなものじゃない些細なものだから」

ケイ「OK! ちょっとしたスリルってことね。ワクワクするわ」

亜美「それでは全員、パンツァー・フォー!」

4人『パンツァー・フォー!』


――控え室


亜美「まずはここが待機場所になるわ。名札があるから、各自それぞれの椅子に座ってね」

みほ「失礼しまーす」

ケイ「ここはなんの変哲もない、机と椅子を寄せ集めた控え室ってとこね」

エリカ「なんだか殺風景ね。別にいいけど」

コンコン ガチャ

エルヴィン「おはよう」
カエサル「よっ」
佐衛門佐「やあ」

おりょう「ぜよ」

みほ「カバさんチームのみなさん!」

カエサル「今回の訓練に際し、われわれも力を貸すぞ」

エルヴィン「趣味も性格も異なる者同士が一体となるというなら、わがチームを置いてほかにあるまい」

おりょう「団結の秘訣を授けるぜよ」

みほ「確かに、普段から一緒に暮らしているカバさんチームなら、この訓練に一番的確なアドバイスがもらえそうです!」

ケイ「ワオ! いきなり大洗の秘密をいただけるってことね!」

ダージリン「最初に見たときには奇妙な戦車に乗る方々だと思っていましたけれど、意外としっかりなさってるのね」

佐衛門佐「お互いが深い絆でつながるには、魂の名で呼び合うことだ」

エリカ「何よそれ」

エルヴィン「われわれが諸君にソウルネームを命名する。今後はその名で呼び合ってもらいたい」

カエサル「まずは西住隊長からだが……プロフィールによると、ボコという熊のキャラクターが好きなようだ」

佐衛門佐「ボコ……ボコが好きな娘……」

おりょう「……」ヒソヒソ
佐衛門佐「……」ブツブツ
カエサル「……」ヒソヒソ
エルヴィン「……」ブツブツ

『それだッ!』

エルヴィン「きょうから西住隊長は『おボコ娘』だ」

みほ「ええ~? そんな、ちょっと恥ずかしいです……」

エリカ「あっはは! おボコむすめぇ~? アナタにぴったりじゃない!」

ダージリン「ぶっ!……フフ……みほさんがおぼこですって……でも、ぴったりかも」

デデーン 逸見 ダージリン アウトー

4人『!?!?』

ガラッ

アヒルさんチーム『根性――ッ!』ダダダッ

エリカ「ちょ、ちょっと何すんのよ!」グイッ

ダージリン「おやめなさ、やめなさいってば!」グイィ

河西「笑ったやつは根性が足りない!」

磯辺「というわけでこの根性アタック棒で、根性だッ!!」

近藤「そーーれッ!!」

佐々木「そーーれッ!!」

エリカ「い゛ッ!」スパーン
ダージリン「ああッ!」スパーン

ダダダ バタン

ケイ「……これって」

亜美「笑うとあんな風に罰ゲームだから。ドンマイ!」

4人『』

佐衛門佐「では続けるぞ。聖グロリアーナのダージリン殿だが……」

ダージリン(何事もなかったかのように……)ジンジン

おりょう「彼女は、よく知られているように紅茶をたしなむぜよ」

エルヴィン「それに、会話にはよく含蓄(がんちく)のある格言を用いるそうだな」

おりょう「……」ヒソヒソ
佐衛門佐「……」ブツブツ
カエサル「……」ヒソヒソ
エルヴィン「……」ブツブツ

そう来たかww

『それだっ!』

カエサル「きょうからダージリンさんは『Tバック』だ」

ダージリン「」

デデーン 西住 ケイ 逸見 アウトー

みほ「うあッ」スパーン
ケイ「あうっ」スパーン
エリカ「なッ」スパーン

ダージリン「あ、あの……よろしければ由来をお聞かせ願いたいのだけど」ヒクヒク

佐衛門佐「御意。まず紅茶要素は外せないからT(ティー)をかけてる」

おりょう「それに、見かけによらず派手な下着つけてそうぜよ」

デデーン ケイ ダージリン アウトー

ケイ「格言のくだり関係ないじゃアッ!」スパーン
ダージリン「聞いたわたくしが愚かでしッ!」スパーン

カエサル「では黒森峰の逸見エリカは……おや、彼女だけ副隊長ということだったな」

エリカ「そうよ。悪い?」

カエサル「そうツンツンするな。それに、プロフィールによるとハンバーグが好物だなんて意外とかわいいところがあるじゃないか」

カエサル「……」ヒソヒソ
エルヴィン「……」ブツブツ
おりょう「……」ヒソヒソ
佐衛門佐「……」ブツブツ

『それだッ!』

おりょう「きょうから逸見さんは『生焼け』ぜよ」

エリカ「ハアアッ!?」

デデーン 西住 ケイ ダージリン アウトー

みほ「いやーっ!」スパーン
ケイ「ッッ!」スパーン
ダージリン「もうッ!」スパーン

エルヴィン「うむ。隊長になりきっていないというわけだな。それでは最後に、サンダース大付属のケイさんだが」

ケイ「……オーライ。ここまできたならアタシも覚悟するわ。どんなニックネームだって喜んで受け入れるつもりよ」

佐衛門佐「聞いたか。彼女の魅力はこの大らかさと、度量の広さだな」

エルヴィン「以前グデーリアンが潜入した際にも、『うちはオープンだから』と言って許すばかりか、逆に気に入ったらしいな」

カエサル「オープンな……広い……ケイか……」

ケイ(神様お願い……どうか……せめてまともな……)

おりょう「……」ヒソヒソ
佐衛門佐「……」ブツブツ
カエサル「……」ヒソヒソ
エルヴィン「……」ブツブツ

『それだッ!』

佐衛門佐「きょうからケイさんは『おっぴろげ』だ」

ケイ「ノーーーーウ!? ホワーーーーイ!!??」

デデーン 西住 逸見 ダージリン アウトー

みほ「うェッ!」スパーン
エリカ「ウソでしょッ!」スパーン
ダージリン「ンフ、ンフフ」スパーン

エルヴィン「うむ。これで全員のソウルネームが出来上がったな」

カエサル「これで皆の絆の深まりはとどまることがないだろう。それでは健闘を祈る」

ガチャ バタン

ケイ「…………」

みほ「あの……」

エリカ「何も言わなくていいわ」

ダージリン「いつもの名前で呼び合いましょうか……」

亜美「それじゃ、荷物も置き終わったことだし、場所を移動するわね」ガチャ


――練習場


みほ「外へ出るんですか?」スタスタ

亜美「戦車道の紅白戦をさっそく始めているの。ホラ、あそこ」スタスタ

まほ「それでは、これからBチームフラッグ車のメンバーを発表する」

エリカ「隊長だわ」

ケイ「オウ! Ⅵ号戦車も!」

みほ「黒森峰の校章がありますね」

亜美「でも、乗る部員と戦車とはできるだけ同じにしないことになっているの。あくまで混成メンバーで戦うことが目的ね」

ケイ「バラバラのメンバーと、違う戦車で戦うという発想は斬新なチャレンジね!」

まほ「まず操縦手、冷泉麻子……」

みほ(麻子さんかあ。麻子さんなら、どんな戦車でもきっと乗りこなせるんだろうなあ……)

???「ガッ、デム!」

まほ「は寝坊のため不在なので、代わりに冷泉久子」

久子「はいよ」

デデーン 西住 ケイ アウトー

みほ「ッ!」スパーン
ケイ「おかしいでしょいろいろとッ!」スパーン

まほ「続いて、装填手、カチューシャ」

まほ「砲撃手、河嶋桃」

まほ「通信手、丸山沙希」

まほ「車長、ローズヒップ」

まほ「以上だ」

デデーン 全員 アウトー

みほ「あいっ!」スパーン
ケイ「ぐっ!」スパーン
エリカ「人選がッ!」スパーン
ダージリン「くっ……!」スパーン

まほ「相手は誰がどのようにやってくるかはわからない。だがそれはこちらも同じこと。戦力はほぼ対等だ」

くっそwwwスレタイで予想できた筈なのにwww

亜美「これは面白いことになって来たわねー。何が起こるかわからないわよ」

エリカ「いや何を言って」

亜美「それじゃ、戻るわよ」スタスタ

エリカ「」

みほ「試合は見ていかないんですか!?」


――控え室


エリカ「どう考えてもおかしい」

ケイ「そうね。ザッツ・ノット戦車道よ」

みほ「もしかしたら……わたし達は選ばれたのではなく」

ダージリン「押しつけられた、という方が正しいようですわね」

みほ「こんなことが1日続いたら……」

ダージリン「わたくし達のお尻は、ダメな茶葉みたいな色になってしまいますわ」

ケイ「ウフフン」

デデーン ケイ アウトー

ケイ「がッ!」スパーン

エリカ「なんでそこを心配してるのよ」

コンコン ガチャ

オレンジペコ「失礼しまーす」

ダージリン「ペコ!?」

オレンジペコ「聖グロリアーナを代表して、みなさんにお飲み物の差し入れを持ってきました」

ケイ「ワオ! 助かるわ!」

みほ「ありがとうございます!」

エリカ「気が利くじゃない」

ダージリン「こんな言葉を知っている? 人間は神のごとくあらず。ただ、最も人間らしいとき、神に似る」

オレンジペコ「イギリスの詩人、テニスンですね」

ダージリン「うれしいわペコ。わたくし、ちょうどのどが渇いていたの」

オレンジペコ「どういたしまして」スッ

(缶コーヒー×4)

ダージリン「」

デデーン 西住 逸見 アウトー

みほ「紅茶じゃないアッ!」スパーン
エリカ「ヲッ!」スパーン

ケイ「サンキュー。なかなかイケるじゃない」ゴクゴク

オレンジペコ「それではみなさん、頑張ってくださいね」ガチャ

ダージリン「…………」グビッ

みほ(すごい顔でコーヒー飲んでる……)

ダージリン「……こんな格言をごゾヨんじかしら」プハー

エリカ「言えてないわよ」

ダージリン「アメリカンコーヒーはアメリカにはないのよ」

ケイ「……へ?」

みほ「……?」

エリカ「……いやいやそれただの豆知識じゃない」

ダージリン「……」

デデーン 逸見 ダージリン アウトー

エリカ「あおウッ!」スパーン
ダージリン「ぐっ!」スパーン

みほ「そういえば、みなさん机の引き出しに何かありませんでしたか? わたしの机にはDVDが入っていたんですが……」

エリカ「私は何もないわ」ガサゴソ

ダージリン「わたくしの机には……あら、これは何かしら……」

ケイ「あったわ。封筒が1通……中には写真のようね」ペラッ


<秋山優花里(パンチパーマ)>


デデーン ケイ アウトー

ケイ「フッ! フフッ!」スパーン

ダージリン「……?」

ケイ「~~~~ッ」プルプル(無言で写真を差し出す)

ダージリン「グッ」(唇を噛みしめる)

エリカ「で、どーすんのよDVD」

みほ「う~ん……見たいような、見たくないような……。しばらく様子を見ましょうか」

コンコン ガチャ

亜美「みんな、これからミーティングを行うから、会議室に移動するわよ」


――会議室

みほ「ミーティングって、何をするんですか?」

亜美「各学校に対する偵察が認められていることはみんな知っているわね? そこで、各校の生徒がお互いの学校に入り込むことで、ふだん暮らしている側では気づきにくい点を見つけるのが目的よ」

ケイ「素晴らしいわ。グローバルな試みね」

エリカ「ようやくまともな戦車道らしいことが……」

亜美「それじゃ、みんな揃っているから、中に入って」

ガラッ

みほ(うわあ……。いっぱいいろんな人たちがいる)

亜美「あなたたちはここに座ってね。それでは、第1回、戦車道定期報告会を行います。報告すべき情報があった人は?」

優花里(パンチパーマ)「はいッ!」ビッ!

デデーン ケイ 逸見 ダージリン アウトー

ケイ「ハッ!」スパーン
エリカ「やめッ!」スパーン
ダージリン「ほんもノ゛ッ!」スパーン

亜美「秋山さん。どうぞ」

優花里(パンチパーマ)「はい! サンダース大付属のケイ殿についてです!」

ケイ(あたし?)

優花里(パンチパーマ)「情報によりますと、ケイ殿はフライドチキンにマヨネーズをたっぷりとかけて食べるそうです」

優花里(パンチパーマ)「それを見かねたアリサ殿が『そんなにかけすぎると太りますよ』って言ったらケイ殿は」

優花里(パンチパーマ)「『問題ナッシング! このマヨネーズはハーフカロリーよ! つまり、2倍かけられるってこと!』」

優花里(パンチパーマ)「と言って『なにワケわからんことぬかしてるんだコイツ』と思ったそうです!」

デデーン 全員 アウトー

みほ「言い方がアッ!」スパーン
ケイ「////」スパーン
エリカ「にゃっ!」スパーン

ダージリン「ああっ!」スパーン

亜美「よろしい。ほかに、情報のある人は?」

アッサム「はい」スッ

アッサム「黒森峰の逸見エリカさんに関してです」

エリカ(ええ~……)

アッサム「データによりますと、先日、隊長の西住まほさんと、昼食としてカップめん(カレー味)を一緒に食べようとしていたときのことです」

アッサム「西住さんが持ってきた2つのカップめんにお湯を入れ、時間が経ったら呼んでくれと任された逸見さんは」

アッサム「『3分待つのが2つあるから、6分待てばいいわね』と思いそのまま放置。微妙な出来栄えで隊長の機嫌を損ねたそうです」

デデーン 全員 アウトー

みほ「何でッ!」スパーン
ケイ「ひどいッ」スパーン
エリカ「////」スパーン
ダージリン「アアッ!」スパーン

亜美「グッジョブ。ナイス情報ね! ほかには?」

赤星「はい。大洗女子の西住みほさんのことで報告が」スッ

みほ(わたし……なにかあったっけ)

赤星「西住みほさんといえば無類のコンビニ好きとして知られています」

赤星「かつて彼女は黒森峰に在籍していたのですが、そのときに一度『どうしてそんなにコンビニが好きなのですか?』と聞いたことがあるんです」

赤星「すると『コンビニにはなんでも揃ってるんだよ! 知ってる? コンビニっていうのはね、コンドームからビニール袋まで何でもあるお店って意味なんだよ! それを略してコンビニっていうんだよ!!』と間違った知識を誇らしげに大声で語ってくれました」

みほ「いやあーーっ!!」

デデーン 全員 アウトー

みほ「」スパーン
ケイ「HAHAHAアッ!」スパーン
エリカ「ぶっ、ふふふふ」スパーン
ダージリン「や、やだ、お腹が!」スパーン

赤星「教室に響き渡ってすごく恥ずかしかったです」

亜美「うんうん。誰しもそういうことってあるわよね。ほかには?」

西「はいっ! わたしは、聖グロの隊長ダージリンさんの情報を持ち帰って参りました!」バッ!

西「ダージリンさんのお部屋に突撃しましたところ! タンスの中には!」バン!

西「ふだんの姿からは想像もつかないような、すさまじい柄の下着ばかり入っておりました!!」ビシッ!

ダージリン(赤面)「あなたいい加減にしなさいよ!!」ガタッ!

デデーン 全員 アウトー

みほ「フッッ!」スパーン
ケイ「ワオッ」スパーン
エリカ「ンッ」スパーン
ダージリン「アオッ!」スパーン

亜美「それは貴重な情報だわ! 必ず役に立つこと間違いないわね!」

ダージリン(どこが……)

亜美「それでは、これにて報告会を終了します。解散!」

『お疲れ様でしたー!』ガヤガヤ

亜美「じゃ、戻りましょうか」スタスタ

4人『…………』


――控え室

みほ「…………」
ケイ「…………」
エリカ「…………」

これがダー西か(違う

ダージリン「…………」

ダージリン「疲れた……」

みほ「敵だらけでしたね……」

ケイ「フェアじゃないわ……」

エリカ「私たち、このままもつかしら……」

コンコン ガチャ ガラガラ

アンチョビ「ノリと勢いとパスタの国からドゥーチェ推参!」
カルパッチョ「おじゃましまーす」
ペパロニ「おーっす! 昼飯だぞー!」

みほ「アンツィオ高校のみなさん!」

ケイ「そういえば、さっきの報告会にはいなかったわね」

ペパロニ「パスタ茹でてたからな!」

アンチョビ「なんだか元気がないな。でも、われわれが来たからには安心しろ!」

カルパッチョ「はいこれ。オレンジペコさんから預かってきました」スッ

ダージリン「本物の紅茶……!」パアァ

ペパロニ「もうお昼だろ? 腹減ってるだろ?」

アンチョビ「つらい1日でも、うまい食事があればがんばれる! さ、元気を出すんだ!!」

カルパッチョ「みなさんのために、アンツィオを代表してお昼をごちそうします」

みほ「みなさん……」ジーン

カルパッチョ「ハンバーグがお好きなんですよね? 用意してありますから好きなだけどうぞ」

エリカ「あ、ありがと……」モグモグ

ケイ「オウ! このナポリタン、サイコーの味わいね!!」モグモグ

ペパロニ「グラッツェ! おかわりもあるからたっぷり食ってくれよ、おっぴろげ!」

ケイ「えっ」

ダージリン「グブフォ」(紅茶噴出)

デデーン ケイ ダージリン アウトー

ケイ「ホワッツ!?」スパーン
ダージリン「ゲホゲホッ!」スパーン

みほ「い、いま何て……」プルプル

カルパッチョ「たかちゃん……いえ、カエサルさんに聞いたんだけど、団結のために名前をもらったそうですね」

アンチョビ「ソウルネームを名付けられたなら、その名前で呼び合う! これが、アンツィオの流儀だ!」

ケイ「」
ダージリン「」
みほ「」
エリカ「」

ペパロニ「Tバックはさー、ホントにTバックはいてんの?」

ダージリン「そんなわけないでしょう!」

ペパロニ「ふーん、そーなんだ。いやー、なんかかわいい顔して結構派手な下着を持っててそうでさー」

ケイ「みんなそんな認識なのね」

エリカ「フフッ」

デデーン ケイ 逸見 ダージリン アウトー

ケイ「アウチッ!」スパーン
エリカ「うぐッ!」スパーン
ダージリン「屈辱だわ!」スパーン

カルパッチョ「生焼けさんは、いつか火が通るといいですね」ニッコリ

エリカ「うまいこと言ったつもりになってるんじゃないわよ! 意味わかんないわ!」

アンチョビ「おボコ娘」

みほ「え? あっ、わたし?」

アンチョビ「確か好きだったろ? これ」スッ

<ボコられグマキーホルダー>

みほ「ああっ! それは限定品のボコキー(松葉杖版)!! どうしてこれを?」

アンチョビ「熊の着ぐるみが道に迷ったらしくウロウロしててな。わけを聞いたら、ボコが好きな女の子がいるらしいから、その子に渡してほしいってさ」

みほ「あ、ありがとうございます!」

アンチョビ「訓練は大変だろうが、しっかりな」

カルパッチョ「頑張ってくださいね~」

ペパロニ「じゃあなー! あ、余ったピッツァ置いとくからよかったら食えよ!」

ガラガラ バタン

ダージリン「……嵐のようにやってきて去っていきましたわね」

ケイ「でもいい人たちだったわ」

エリカ「そうね。なんだかんだでもてなしてくれたものね」

みほ(アンチョビさん……ありがとう)ギュッ

――控え室(お昼休み中)


みほ「~~~~♪」

ケイ「ずいぶんごきげんね、ミホ」

みほ「はい! だってボコが手に入るなんて思いませんでしたから」

エリカ「相変わらずヘンな趣味ねー」

みほ「そんなことありません! ボコはかわいいです! 素敵ですよ!」

ダージリン「そういえばみほさん、DVDがあったんでしたっけ」

みほ「はい。引き出しに入ってたんです」

ケイ「なにかの映画だったらいいわね」

ダージリン「確かケイさんは戦争映画をたくさん観ていて、お詳しいんですって?」

ケイ「イエース! 特に、戦車が出ているのが大好きよ!」

みほ「好きな映画ってなんですか?」

ケイ「いろいろ観たけど……ベストは……そうね……」

ダージリン(王道の『プライベート・ライアン』かしら)

エリカ(『バルジ大作戦』?それともサンダースらしく『パットン大戦車軍団』?)

みほ(『フューリー』かなあ?)

ケイ「『ウインドトーカーズ』ね!」

エリカ「クソ映画じゃないの」

みほ「ウフフン」

デデーン 西住 アウトー

みほ「えうっ!」スパーン
(※ウインドトーカーズ:ニコラス・ケイジ主演。戦車の装甲が紙のようにメラメラ燃えたり、バズーカ1発で山が火の海になるイカす映画)

エリカ「このDVD、タイトルも何も書いてないわね」

みほ「やっぱり、見たほうがいいでしょうか……」

ケイ「ここまで来たなら、見ないといけないような気がするわね」

みほ「とりあえず、再生してみます」ウイーン

『戦車道混合チーム紅白戦』パッ

ドーン ドドド… ズズーン…

ケイ「もしかして、今朝の試合の記録?」

エリカ(Ⅵ号をまともに動かしている……!?)

みほ(麻子さんのお婆さんすごいなあ~……)

ダージリン「ところで、あの戦車はどうやら追われているようですわね」

エリカ「逃げているというの? Ⅵ号は大抵の戦車なら真っ向勝負できるわよ? まあ、あの乗員なら無理もないけど、いったい相手はどの戦車で……」

『新三郎(人力車)「お嬢――――ッ!!」ドドドドド』

デデーン ケイ 逸見 アウトー

ケイ「ノウッ!」スパーン
エリカ「誰ッ!」スパーン

ドーン ドーン プシュー! ズズ…

ダージリン「そうこうしているうちに履帯が切れましたわ」

『新三郎(人力車)「うおおおおおおおおっっ!!」ドドドドド』

みほ(止まったⅥ号の周りをぐるぐる走ってる……)

ケイ(オゥ……座席があんなに揺れて……)

ダージリン(お気の毒に……誰が乗っているのかしら)

ポーン! ズシャアッ! ゴロゴローッ!

みほ「ああ! 新三郎さんの戦車(?)から誰かが放り出されました!」

エリカ「ていうか危ないってレベルじゃないわよ!」













『ミカ「こ、こんな作戦に意味があるとは思えない……」ピクピク』

デデーン 全員 アウトー

みほ「うぇッ!」スパーン
ケイ「オウッ!」スパーン
エリカ「にゃっ!」スパーン
ダージリン「ああっ!」スパーン

『ミカ「だが、彼女たち(?)の判断を信じよう……」プルプル』

みほ「ティーガーによじ登ってる……」

エリカ「……手に何か持ってるわね」

ダージリン「吸盤のついた……白旗かしら」

『ミカ「トゥ、トゥール、タ……」ペタッ』

『ミカ「」ガクッ』




《フラッグ車、走行不能! よって、Aチームの勝利!》



ダージリン「白旗が立ったから撃破……ってこと?」

ケイ「あまりにシュールだわ」

みほ「あ、お姉ちゃんがみんなを集めてる……」

『まほ「みんな……すまない」』

『沙織「そんな! まぽりんのせいじゃないよ」』

エリカ「まぽりん……!?」ウグッ(唇を噛みしめる)

『まほ「いや、責任は私にある。もとはといえば、真っ先に撃破されたのが私たちの戦車だった。そこから状況は悪くなった」』

みほ「ええっ!?」

ダージリン「西住流がいともたやすく……? 」

ケイ「悔しそうだわ。ラストはともかく、この試合自体は真剣なものだったのかも知れないわね」

エリカ「隊長……」

『まほ「妹の気持ちになろうとして、あんこうチームと組んだはいいが、乗る戦車がCV33だったとは……」ギリッ』

デデーン ケイ 逸見 ダージリン アウトー

ケイ「狭すぎッ!」スパーン
エリカ「オウッ!」スパーン
ダージリン「ウッ!」スパーン

『華「麻子さんがいなかったけど、それでも4人は入りきりませんでしたね」』

『まほ「身動きできず、戦車を進めるだけで精いっぱいだった」』

『沙織「まぽりん……」』

『優花里(パンチパーマ)「気にしないでください姉上殿」』

ケイ「ウグッ」(目をそらす)

ダージリン「グッ」(目をつぶる)

『まほ「いや、このままでは自分で自分を許せない。再戦を申し込むぞ」』

『華「そんな! 今すぐには不可能です!」』

『まほ「西住流を汚し、黒森峰の隊長としても示しがつかない!」ダッ!』

『優花里(パンチパーマ)「自分を責めないでください! それに、黒森峰には立派な副隊長がいるじゃありませんか!」ガシッ』

『まほ「放してくれ! 私が頑張らなければいけないんだ! エリカではまだダメなんだ!」ジタバタ』


『まほ「エリカではアウトなんだ! それも2つもアウトなんだ!!」』


デデーン 逸見 2アウトー

エリカ「えっ」

エリカ「隊長、どうしテッ!」スパーン!スパーン!!

エリカ「…………」

みほ(ボーゼンとしてる……)

ケイ(何が起こったかわかってない顔ね……)

ダージリン「ここで動画は終わりのようね」

みほ「これはもう、封印しておきましょう……」

ケイ「そうね……」

みほ「ところで、ダージリンさんの机にも何かがあったみたいですけど」

ダージリン「ええ。こんなものが……」スッ

< 凸 >

エリカ「これって、どこかで見たことがあるわ」

みほ「戦車喫茶の呼び出しボタンですね。押すと砲撃音が出るやつです」

ケイ「つまり、何かが注文できちゃうってこと?」

エリカ「いや、ロクなことにならないかもしれないわ」

みほ(エリカさん……さっきのことですっかり疑い深くなって……)

ダージリン「それを決めるのはわたくしね。わたくしの机から出てきたのだから」

エリカ「まさか、あなた押すつもり?」

ダージリン「勇気がなければ、ほかの資質は意味をなさない。チャーチルの言葉よ」

ケイ「ワオ! 博識!」

ダージリン「また、チャーチルはこうも言ったわ。勇気を失うことはすべてを失うことだと。わたくし、受けた勝負は逃げませんの」ポチッ

ガオーン!
















デデーン ダージリン ファイアフライ

ダージリン「えっ」

~♪ジャンガジャンガジャンガジャンガ
~♪ジャンガジャンガジャンガジャンガ
(ナオミがファイアフライを駆るときのゴキゲンなBGM)

ガチャッ!

ナオミ「(ガムを噛んでる)」スタスタ

ダージリン「」

みほ(「17ポンド」って書かれた長い棒を持ってる……)

ケイ(よく見たらこのスイッチ、ファイアフライの形だわ……)

エリカ(やっぱり神様なんていなかったのね……)

ナオミ「(無言で素振り)」ビュワッ!

ダージリン「ひッ!」ビクッ!

ダージリン「ま、待って、待ってお願いだから」ガシッ

ダージリン「わたくし、これからの人生やりたいことが残っているの」グイィ

ダージリン「お願い、お願いよ勘弁して」ガタガタ

ダージリン「お願い、おねがイヤアアアアーーーーーッ!!」バシーーーーン!!!!

ナオミ「フーーッ」

~♪ジャンガジャンガジャンガジャンガ
~♪ジャンガジャンガジャンガジャンガ
(ナオミがファイアフライを駆るときのゴキゲンなBGM)

スタスタ ガチャッ バタン

ダージリン「あ……ああっ……」ビクビクッ

デデーン 西住 ケイ 逸見 アウトー

みほ「うッ!」スパーン
ケイ「ウッ!」スパーン
エリカ「ぐぎっ!」スパーン

コンコン ガチャ

亜美「みんな、ちょっといい……って、あれ? どうしたの?」

ダージリン「な、なんでもありませんわ……」プルプル ガクガク

みほ(生まれたての子鹿のような足腰に……)

ケイ(ジーザス……ナオミの腕力でまともに打たれたから……)

エリカ(さぞ痛かったでしょうね……)

みほ「教官、どうしたんですか?」

亜美「いまから交流会をするから、移動してほしいのよ」スタスタ

ケイ「ミホ、ダージリンに肩を貸してあげて……。一緒に行きましょ」

みほ「は、はいっ」


――宴会場

ザワザワ ガヤガヤ

みほ(いろんな学校の人が集まってる……)

桃「それでは、これから各学校対抗のかくし芸大会を行う」

ワー! ワー! イエーイ!

杏「優勝チームには豪華賞品があるから、頑張ってね~」

柚子「それではさっそく始めていきます。まずは大洗女子から、レオポンさんチーム!」

レオポンさんチーム「……」スタスタ

ケイ(全員、特攻服を着て……?)

ダージリン(手に持っているのは……ハンドルかしら)

『ぶんぶ~~ん! ぶんぶんぶぶ~ん!』
『どけどけ~~じゃまだじゃまだぶんぶぶ~~ん!』
(※ネタ元:「いつもここから 暴走族」)

ホシノ「『こんな格言をご存じ?』って言ってるんじゃねーぞこんにゃろーめ!」

ナカジマ「こんにゃろーめ! 結局回りくどすぎて会話になってねーぞこんにゃろーめ!」

スズキ「『こんな格言をご存じ?』って言ってるんじゃねーぞこんにゃろーめ!」

ツチヤ「こんにゃろーめ! お前の会話はオレンジペコの優しさに支えられてること忘れるんじゃねーぞこんにゃろーめ!」

ワハハ イイゾー!

ケイ「あっははwwうわはははwww」

ダージリン(赤面)「あなた笑いすぎよ!」

(※すでに笑っていますが、引き続きお楽しみください)

ホシノ「帰ったら反省会を開くぞ! ばかやろーこんにゃろーめ!」

ナカジマ「こんにゃろーめ! 無線傍受してるんじゃねーぞこんにゃろーめ!」

スズキ「帰ったら反省会を開くぞ! ばかやろーこんにゃろーめ!」

ツチヤ「こんにゃろーめ! いちばん反省すべきなのは『廃校になるくせに! さっさとつぶれちゃえばいいのよ!』て言ったことだからなこんにゃろーめ!」


エエー!? ウワー…

アリサ「反省してるから! 悪かったわよゴメン!」

ダージリン「ずいぶん下品なことをおっしゃたのね」

ナオミ「……」ジロリ

ダージリン「ひッ」ゾクッ

ホシノ「『戦車なんてガーッと走ってドーンと撃てばいいのよ』って言ってんじゃねーぞこんにゃろーめ!」

ナカジマ「こんにゃろーめ! お前西住流学んどいて言うこと大雑把過ぎだろこんにゃろーめ!」

スズキ「『戦車なんてガーッと走ってドーンと撃てばいいのよ』って言ってんじゃねーぞこんにゃろーめ!」

ツチヤ「こんにゃろーめ! お前理事長の車をオシャカにしといて何も思わねーのかこんにゃろーめ!」

ワハハー! ヒドーイ!

亜美「あっはは! ベリーナイス! ファンタスティック!」パチパチ

みほ(教官の心、広いなあ~……)

『ぶんぶぶ~~ん! ぶんぶんぶぶ~ん!』

『どけどけ~~じゃまだじゃまだぶんぶぶ~~ん……』(徐々に退場)

ワハハ パチパチパチ

デデーン 全員 アウトー

みほ「ひぎッ!」スパーン
ケイ「アアオッ!」スパーン
エリカ「ウェイッ!」スパーン
ダージリン「ああっ!」スパーン

柚子「続いては、プラウダ高校の演目です!」

カチューシャ「負けてられないわ! ノンナ! クラーラ!!」

ノンナ「はい、しかし同志カチューシャ。この衣装は……」

クラーラ「恥ずかしいです……」

カチューシャ「いまさらあとには引けないわ! やるったらやる!」

ザワザワ ナンダー? 

~♪デーン!
~♪プラキュア プラキュア~
~♪プラキュア!プラキュア!プラキュア!プラキュア!

ノンナ(白キュア)「プラウダで~♪」

カチューシャ(黒キュア)「キュアキュア~♪」

『ふたりは~♪ プラキュア~!』ビシィ!

ノンナ(白キュア)「一難去ってまた一難~♪」

カチューシャ(黒キュア)「ぶっちゃけありえな~い♪」

クラーラ(ルミナス)「マックスハート♪」

カワイイー! チッチャイー! カワイイー!

ノンナ(白キュア)「真実(プラウダ)の戦士! キュアブリザード!」ドン!

カチューシャ(黒キュア)「真実の戦士! キュアバジェンカ!」ドン!
(※バジェンカ:ロシア語で「地吹雪」の意)

ノンナ(白キュア)「資本主義者のしもべたちよ!」ビシッ!

カチューシャ(黒キュア)「とっととおうちに帰りなさい! しゅくせーしてやる!!」ビシッ!

カチューシャ(黒キュア)「あとさっきカチューシャのことちっちゃいって言った奴もしゅくせーよ!」ビシッ!

ワハハ パチパチパチ


みほ「なんだか胸が陽だまりのようにポカポカしました!」パチパチ

エリカ「ええ。私も。胸のキュンキュンが止まらないの」パチパチ


ダージリン「こんな言葉を知っている?『ベリーソードはおとりよ』」パチパチ

ケイ(みんな何を言っているのかしら……?)

ナオミ「……」ウンウン

ケイ(何故かナオミまで満足そうにうなづいてる……)

柚子「続きまして、大洗女子から、アリクイさんチームです!」

アリクイさんチーム『……』スタスタ

アリクイさんチーム『…………』ゴソゴソ

…? ザワザワ

柚子(どうしたのかしら……。予定では、BGMとともにボディビルのポーズを決めるはずなんだけど……)

ねこにゃー「ぼ、ボクたちは知波単学園に挑戦状を送る!」バン!

西「何ですと!?」ガタッ!

ももがー「私たちは、このたびの戦車戦に際し、特訓に特訓を重ね、鋼の肉体を手に入れた!」バッ!

ぴよたん「そこで! この身体がどれほどまで通用するのかを確かめたい!」バッ!

みほ(2人がお互いの腕をつかんで台を作り、ねこにゃーさんが上に乗った……)

ケイ(見たことあるわ。騎馬戦のアレね)

ねこにゃー「ボクたち3人の力を合わせれば、知波単のいかなる突撃にも打ち負かされないと思う!」

ザワッ! 『突撃!?』『突撃ですって!?』『突撃を!?』『まさかの突撃待ち!?』

エリカ「突撃に反応しすぎでしょ!」

デデーン 西住 逸見 アウトー

みほ「ああっ!」スパーン
エリカ「うっ!」スパーン

ねこにゃー「知波単学園の突撃に、ひとつ残らず耐えてみせる! さあ、騎馬戦で突撃してきなさい!」ドン!

『やらいでかあああっ!!!』ドドドド

『突撃いいいいっっ!!』ドドドド

みほ「ああっ! 知波単のみなさんが騎馬を組んで次々と壇上に!」

『うおおおおおおっっ!』

ねこにゃー「うおおおおっ!!」

ゴシャアッ! ドサッ!

知波単生「グワーーーーッ!!」ゴロゴローッ!

ケイ「オーマイガッ! 突撃して、激突したわ!!」

ダージリン「崩れず残ったのは……大洗のほうね。さすがの自信といったところかしら」

エリカ「いやいや騎馬戦ってこういう競技じゃないでしょう!!?」

ねこにゃー「次!」

『突撃ー!』

ゴシャアッ! ドサッ!

知波単生「やられた~~~」キラキラ バタン

みほ「なんでこんなにうれしそうなの……」

ダージリン「敵の側から『突撃をすべて受け止める』って言われたから、テンションが上がりすぎてしまったのね……」

ワーワー! キャーキャー!! トツゲキー!

桃「めちゃくちゃだ! 収まりがつかんぞ!」

杏「ま~いいじゃん。学校同士の交流って意味ではこれが一番合ってるかもね~」

西「感謝します! まさか我々のために突撃の機会を用意して下さるとは!」



西「いよしっ! 吶喊(とっかん)!」ドドド

ゴシャアッ! ドサッ!

西「さ、さすが大洗の女傑たち……。完敗であります」ピクピク

ねこにゃー「……」グッ(勝利のガッツポーズ)

亜美「知波単学園、全車両(?)走行不能! よって、大洗女子学園の勝利!」

ドッ! ワハハハー!!

デデーン 全員 アウトー

みほ「もうめちゃくちゃアッ!」スパーン
ケイ「教官www」スパーン
エリカ「殲滅戦だったのコレwww」スパーン
ダージリン「なにがなんだかオッ!」スパーン

桃「場がぐっちゃぐちゃになってしまった」

柚子「どうしましょう……これ以上は続けられません……」

杏「あー、じゃあアリクイさんチームが優勝ってことで。いろんな意味で」

ねこにゃー「やったあ!」

ももがー「われわれの勝利なり!」

ぴよたん「やったよ~」

杏「優勝賞品は、継続高校寄贈の、サルミアッキ1年分ねー」

アリクイさんチーム『』
(※サルミアッキ:「世界一まずい飴」というフィンランドのお菓子。アンモニア臭のするゴムタイヤの味。なお、見た目もゴム。飴なのに食感も完全にゴム)

デデーン ケイ ダージリン アウトー

ケイ「」スパーン
ダージリン「」スパーン

亜美「それじゃあ、交流会も終わったことだし、戻りましょうか」


――控え室(別室:大部屋)

みほ「ようやく寝られる……」

ダージリン「こんなに疲れた1日は初めてですわ……」

ケイ「お風呂に入ろうとしても、お尻がしみてツラかったわ……」

エリカ「あーもうだめ。何も考えられない。おやすみー」ボフッ

みほ「うん。電気、消すね」パチッ

『…………』

『…………』




 >ヒヤッホォォォウ!最高だぜぇぇぇぇ!!



みほ「!?」ビクッ!

エリカ「!?」ビクッ!

ケイ「オッドボール三等軍曹の声……」

ダージリン「ZZZ……」


 >ヒヤッホォォォウ!最高だぜぇぇぇぇ!!


みほ「大きい声……」


 >ヒヤッホォォォウ!最高だぜぇぇぇぇ!!


エリカ「しつこい……」



 >ヒヤッホォォォウ!廃校だぜぇぇぇぇ!!



デデーン 西住 ケイ 逸見 アウトー

みほ「優花里さんはそんなこと言わなアッ!」スパーン
ケイ「うぐッ!」スパーン
@エリカ「オオッ!」スパーン




『…………』

『…………』


 >こんな言葉を知っている?


ダージリン「!?」ビクッ

みほ「オレンジペコさんの声……」

エリカ「モノマネが完璧じゃないの……」


 >こんな言葉を知っている?


エリカ「うるさい……」


>こんな言葉を知っている? 「つくってあそぼ」のわくわくさんの人は、とてつもないヘビースモーカーなのよ


デデーン 全員 アウトー

みほ「そんなッ!」スパーン
ケイ「ウソでしょww」スパーン

廃校wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

エリカ「だからただの豆知識じゃオオッ!」スパーン
ダージリン「イヤッ!」スパーン

みほ「正直知りたくない情報でしたね……」
(※ちなみに本当です)

エリカ「いままでのイメージとのギャップがすさまじいわ……」


>こんな言葉を知っている?


ケイ「ウグッ」(唇を噛みしめる)

ダージリン「もう……」


>こんな言葉を知っている?


ケイ「~~~~ッ!」プルプル


 >こんな言葉を知っている? ダージリン様の1日は、コーンフレークに養命酒をかけた朝食から始まるの


ケイ「ぶわっはっはっはっはっはっは!!!!」

デデーン 全員 アウトー

みほ「もーーっ!! ケイさん!!」スパーン
ケイ「だって、だってウヒー、ヒーwww」スパーン
エリカ「深夜でテンションおかしくなってウッ!」スパーン
ダージリン「ウソよペコおあッ!」スパーン

『…………』

『…………』

ケイ「ヒ ヒッ 養命酒……」

ダージリン「…………」

ケイ「どんだけ健康になりたいのよンフフ……」

エリカ「…………」

ケイ「ンフ、ンフフフフwww」

デデーン 全員 アウトー

みほ「んもーーっ!! んもーーーっっ!!!」スパーン
ケイ「ごめんwww」スパーン
エリカ「いい加減にしなさいウッ!」スパーン
ダージリン「あなた笑い過ぎンンッ!」スパーン

『…………』

『………』

わくわくさんのそんな一面知りたくなかった…

『……』

『…』


――翌日

みほ「朝だ……」グッタリ

ケイ「疲れが取れてないわ……」ゲッソリ

エリカ「誰かが笑いっぱなしだからよ……」ゲンナリ

ダージリン「うう……」ボンヤリ

みほ「あれ、誰かわたしの布団に……」モゾ…

麻子「ZZZ……」

デデーン 西住 アウトー

みほ「まこさアッ!」スパーン

エリカ「いつ入り込んだのよ……」

ガラッ

沙織「ごめーん! 麻子が来てない?」

華「麻子さんを引き取りに参りました」

みほ「あ、みんな……なんだか久しぶりな気分だね」

沙織「みぽりん、大変だけど、あと少しだからがんばってね!」

華「終わったら、みんなでおいしいもの食べに行きましょう」

みほ「みんな……ありがとう」ジーン

優花里(パンチパーマ)「皆さん、おはようございます!!」

デデーン 全員 アウトー

みほ「うおあっ!」スパーン
ケイ「油断しアアッ!」スパーン
エリカ「あルッ!」スパーン
ダージリン「ええっ!」スパーン

沙織「3人いるから、このまま麻子を持ち上げて運んじゃおう」

華「そうですね。優花里さんはそっちを持って」

優花里(パンチパーマ)「了解であります!」

ヨイショ ヨイショ…

みほ「いよいよ訓練も終わりですね……」

エリカ「早く帰りたい……」

ケイ「最後は、なにがあるのかしら……」

ダージリン「はあ……紅茶が恋しい」

ガラッ

亜美「みんな起きてる? 急いで支度して頂戴!」

みほ「教官……!?」

エリカ「いったいどうしたんですか?」

亜美「それがね……あまりいいニュースじゃないわ。この学園艦で盗難騒ぎがあったらしいの」

4人『!?!?』

亜美「とにかく、緊急集会を行うらしいから、準備できたら集合ね」


――講堂


ザワザワ ガヤガヤ

亜美「ここに座ってね」

みほ「そんな……そんなことって……」

ケイ「心無い出来事ね。ショックだわ」

そど子「みなさん静かに! これから、緊急集会を始めます!」

そど子「えー、非常に残念なことですが、ある生徒からの証言により、貴重品が盗難されたということがわかりました」

エー!? ウソー…!

そど子「良き女性を育てるはずの戦車道履修者の中から、このような者が出たということは、風紀的にも見過ごせるものではありません」

そど子「それでは、いまからその本人に話をしてもらいます。ゴモヨ、パゾ美」

ゴモヨ「はいっ」

パゾ美「こちらへどうぞ」ススッ

愛里寿「…………」スタスタ

みほ「愛里寿ちゃん……!?」

ゴモヨ「さあ、なにがなくなったのか教えてください」

愛里寿「……」モジモジ

パゾ美「うーん……恥ずかしがってるみたいでよくわかりませんね」

そど子「それじゃあ、保護者の方から聞いてみましょうか」

ケイ「保護者?」

エリカ「島田流家元がここに!?」

ゴモヨ「それでは、こちらへどうぞ」


















蝶野正洋『ガアアッ!! デエエエエィム!!!』

~♪デデデデーデケデケデー
~♪デデデデーデケデケデー
(あのテーマ曲)

みほ「」
ケイ「」
エリカ「」
ダージリン「」

みほ「誰ですか!? 教官!!」

亜美「わたしの兄よ。わたしは西住流を学んだけど、兄は島田流の一番弟子で、忙しい家元の代わりにいろいろとご息女のお世話をしているらしいの」(大嘘)

ダージリン(男なのに戦車道の弟子……? いえ、もう深く考えずにいましょう)

あっ(察し)

蝶野「この中に、師匠の娘である愛里寿の、大切なモンを盗んだやつがいる」

蝶野「絶対に許すわけにはいかねえ!」

蝶野「なあ愛里寿、何をなくしたんだ? 言ってみな」

愛里寿「……ボコ」

蝶野「んん?」

愛里寿「ボコの……キーホルダー……」

みほ「」サーッ

蝶野「ボコっていうのは……愛里寿が好きな熊のことか」

愛里寿「……うん」コクリ

蝶野「どんな形なんだ?」

愛里寿「松葉杖をしてる。小さなもの」

蝶野「小さいのか? ポケットに入るくらいの大きさなんだな?」

蝶野「よし!! 今から持ち物検査を行う!」

蝶野「もしもポケットの中から熊のキーホルダーが出てきたら……」

蝶野「……そいつが犯人だ」ギリッ

みほ「」ガタガタガタガタ

デデーン ケイ 逸見 ダージリン アウトー

ケイ「うっ!」スパーン
エリカ「いたっ!」スパーン
ダージリン「ああっ!」スパーン

蝶野「じゃあそこのお前、立て」ツカツカ

ダージリン「は、はい」スッ

蝶野「ポケットの中を広げて見せてみな」

蝶野「……よし、いいぞ」

ダージリン(本当の盗難事件でなくてホッとしましたけど……)

ケイ(ミホはどうなるのかしら……)

蝶野「次はお前だ、見せてみろ」

エリカ「はい……」スッ

蝶野「よし、いいぞ。次だ」

ケイ「オーライ……」スッ

蝶野「何もない。よし、次だ」

まさかみぽりんが犯人な訳ないよね…

みほ「」ブルブルブルブル

蝶野「……ん?」

みほ「ひッ!?」ビクッ

蝶野「お前、どこかで見た顔だな」

みほ「そ、そうですか……」ビクビク

蝶野「確か西住流の……うちの愛里寿を打ち負かしたやつだったな」

みほ「は、はひ……」

蝶野「あン時は世話になったな。まあいいや。とりあえずポケットの中見せてみな」

みほ「」プルプルプル

蝶野「どうした? ポケットの中の布を外に引っ張って、何か入っているかを確認するんだよ」

みほ「」ガクガクガクガク

ズ… ズルッ……

チャリーーーーーン!!



<ボコられグマキーホルダー>


あけびちゃん助けてくれるよね…?

みほ「…………」

蝶野「…………」ズイッ(みほの顔ににじり寄る)

デデーン ケイ 逸見 ダージリン アウトー

ケイ「あぎっ!」スパーン
エリカ「うんっ!」スパーン
ダージリン「はっ!」スパーン

蝶野「……お前か」

みほ「ち、違うんです。違うんです!」フルフル

蝶野「うちの愛里寿が、この熊が好きなのを知っててこんなことをしたのか」

みほ「違うんです!! 違うんです!!」

蝶野「愛里寿はな、西住みほという子と仲良くなれて本当にうれしがってたぞ」

蝶野「もしも、お前がその西住みほだったら……二重の意味で裏切ったことになるな」

みほ「違うんです!! 違うんです!! わたし、西住みほじゃありません!!!!」

ケイ「!?」
エリカ「!?」
ダージリン「!?」

蝶野「何いい加減なこと言ってんだ。お前は西住みほだろ」

蝶野「みほじゃなかったら、お前の名前はなんなんだよ」

みほ「わ、わたしは、西住…………」


















みほ「…………西住、ホセです」

デデーン ケイ 逸見 ダージリン アウトー

ケイ「そりゃないわwww」スパーン
エリカ「もうwww」スパーン
ダージリン「ウフフwww」スパーン

愛里寿「……ムグッ」(唇を噛みしめてる)

蝶野「ホセだかホウセイだか知らねえけどな、俺はそういうウソは嫌いだ」グイッ

みほ「イヤアアアアッ!!」グイィ

蝶野「上がれ。壇上に」グイグイ

みほ「うっ……ううぅ……」ズルズル

蝶野「早く返せ」

みほ「愛里寿ちゃん……違うの……これは違うの……」グスッ

愛里寿「……」チャリ…

愛里寿「確かに、わたしのもの……」

蝶野「これで決まりだな。さ、こっちへ来い」

みほ「!?」

蝶野「罰を与える」グッ

みほ「え……ウソ……」サーッ

みほ「お、お願いです! 許してくださいお願いします! お願いします!」

みほ「ごめんなさいごめんなさい! それだけはやめてくださいお願いします!」

蝶野「ん? じゃあ他のことならできるんだな?」

みほ「!」

みほ「は、はい!」

蝶野「じゃあ……お前、踊れ」

みほ「へ?」

蝶野「あんこう踊り、ここで見せてみな」スッ パサッ

みほ「あんこうスーツだ……」

蝶野「いまからここで着替えて、踊ってみろ」

みほ「え……ここで……!? みんなの前で……!?」

蝶野「できねえってんなら制裁の――!」バッ!

みほ「ッ!」ビクッ!


『待ったーーーーーーっっ!!!!!』


4人『!!』

ガヤガヤ ガヤガヤ…

バン!

しほ(あんこうスーツ)「西住流戦車道家元。西住しほ」ザッ!

まほ(あんこうスーツ)「同門下生。西住まほ。以下15名、あんこう踊りに参加する。あんこうスーツの着用も済ませてある」ザッ!

みほ「」

エリカ「」

ナオミ(あんこうスーツ)「今から(あんこう踊りの)チームメイトだから」ザッ!

アリサ(あんこうスーツ)「覚悟なさい」ザッ!

ケイ「サンダースが来た……」

カチューシャ(ぶかぶかのあんこうスーツ)「ま、まぁ別に着たくて着たわけじゃないんだけどね!」ザッ

ノンナ(あんこうスーツ)「でも一番乗りしてかっこいい所見せたかったんですよね?」ザッ

オレンジペコ(あんこうスーツ)「あんこう踊りは別にこのスーツじゃなくてもいいんじゃ……」ザッ

アッサム(あんこうスーツ)「データによると、みんな着てみたかったんですって」ザッ

ダージリン「あなたたちまで……」

アンチョビ(あんこうスーツ)「再びドゥーチェ参戦だ!恐れ入れえ!」ザン!

ペパロニ(あんこうスーツ)「いやー、間に合ってよかったっすねー」ザン!

カルパッチョ(あんこうスーツ)「カバさんチームのたかちゃんも一緒に踊りましょ~」ザン!

アキ(あんこうスーツ)「皆さん、こんにちは! 継続高校から来ましたー」ザッ

ミッコ(あんこうスーツ)「ミカ、あんな目にあったのに、何だかんだいって助けてあげるんだね?」ザッ

ミカ(あんこうスーツ)「……風に乗って流れて来たのさ。誰だって、あんな出番で終わりたくはない」スタスタ

西(あんこうスーツ)「お待たせしました!昨日の敵は今日の盟友!勇敢なるあんこう、推参であります!」ザッ!

しほ(あんこうスーツ)「みほの代わりに私たちが踊るわ。それでいいわね?」

愛里寿「かまいません。受けて立ちます(?)。踊りを開始してください」

蝶野「ホラ、お前は降りて向こうで見ててな」

みほ「ええ~っ……」ヘナヘナ

ケイ「ノリと空気に落差がありすぎて、ミホの腰が抜けちゃったわ」

ダージリン「わたくし、肩を貸して差し上げますわ……」スクッ

(みほ、着席)

みほ「うわーん! 怖かったー! 怖かったようー!!」ギュー

エリカ「ちょ、ちょっと痛いわよ、そんなにくっつかないで……」ギュー

ダージリン「油断はできませんわよ、みなさん」

ケイ「そうね。これから、はるかに恐ろしいことが起ころうとしているわ……」

しほ(あんこうスーツ)「……」(決意のまなざし)

まほ(あんこうスーツ)「……」(全てを諦めた顔)

エリカ「隊長……」

みほ(お母さん、お姉ちゃん……。助かったけど、目と心が痛いです)


~♪アアアンアン アアアンアン

~♪アアアン アアアン アンアンアン


しほ(あんこうスーツ)「あ~の子会いたや あっらなみ越えて~♪」ヒュバッ! バッ!

まほ(あんこうスーツ)「頭のあかりは あ~いの証~♪」バッ! ズバッ!

みほ「ブッ!」

エリカ「グブフォ!」

ケイ「キレがwww」

ダージリン「西住流の2人だけ動きがおかしいですわよ!」

(※すでに全員笑っていますが、引き続きお楽しみください)

しほ(あんこうスーツ)「燃やして こがして ゆ~らゆら~♪」ブルルン ブルルン

まほ(あんこうスーツ)「燃やして こがして ゆ~らゆら~♪」ブルン ブルン

しほ(あんこうスーツ)「こっち来て アンアン♪」バッ!

まほ(あんこうスーツ)「逃げないで アンアン♪」バッ!

しほ&まほ(あんこうスーツ)『波に揺られて アン♪アン♪アン♪』ババッ!


~♪ デッデデー デッデデー デーデーデン!


しほ(あんこうスーツ)「…………」

まほ(あんこうスーツ)「…………」

残り13名(あんこうスーツ)『…………』

ゾロゾロ スタスタ

みほ「普通に帰った……」

デデーン 全員 アウトー

みほ「」スパーン
ケイ「」スパーン
エリカ「」スパーン
ダージリン「」スパーン

愛里寿「蝶野のおじさん」

蝶野「なんだ?」

愛里寿「わたし、みほさんがものを盗むとは思えない」

愛里寿「だって、みんながここまでしてくれるほどに慕われているから」

蝶野「確かに……言われてみりゃそうだな。おい、みほ」クイクイ

みほ「は、はい」

蝶野「このキーホルダー、どこで手に入れた?」

みほ「かくかくしかじかで……」

蝶野「ははーん。つまりは『ボコが好きな女の子』の勘違いだったってわけだ。しかし、なんでそのボコが学園艦に?」

愛里寿「訓練の最後のアトラクションとして、わたしがボコのショーを準備したからです」パチン


~♪デーン テケテッテー デーンデーンデーン

~♪やってやる やってやる や~ってやるぜ
~♪い~やな ア~イツを ボコボコに~♪


ボコ「おいらボコだぜ!」ヒョコッ

蝶野「……成程」ニヤッ

蝶野「愛里寿。みほ。詫びの代わりにいいもん見せてやる」ツカツカ

ボコ「おいらのショーで、たっぷりと笑わせてやるからな! 覚悟しろよ~!」ビシィ!

蝶野「おい」ガシッ

ボコ「なんだ、なんだよ? おいらに何か用か!?」

蝶野「お前が道に迷わなきゃこんなことにはならなかっただろうがオラァ!」バチーーーーン!!!

ボコ「グワーーーーッ!!!」ドンガラガッシャーーン!!

みほ「うわあ~~~~っっ!!」キラキラ
愛里寿「わああ~~~~っ!!」キラキラ

ボコ「オ゛……オゴ……」ピクピク

みほ「がんばれー! がんばれー!!」

愛里寿「がんばれー! ボコ、がんばれー!!」

エリカ「いやいやもう立てないでしょ……」

ダージリン「叩かれた瞬間に、身体がくの字に曲がっていたわ……」

ケイ「(無言で十字を切る)」スッ スッ

ボコ「」ガクッ


蝶野「ガッ!! デエエム!!!」デーン!


――絶対に笑ってはいけない戦車道、訓練終了


訓練結果(アヒルさんチームにお尻をシバかれた数)

・「おボコ娘」西住みほ 23回(担当:磯辺典子)

・「Tバック」ダージリン 26回(担当:佐々木あけび)
(うちナオミのファイアフライ1発を含む)

・「おっぴろげ」ケイ 29回(担当:河西忍)

・「生焼け」逸見エリカ 30回(担当:近藤妙子)
(うちダブルアタックを含む)

こんなん笑うわ




――EDテーマ by大学選抜チーム(メグミ・アズミ・ルミ)

~♪エーンター エーンター ミッショーン 早くここにおいで
~♪一生懸命追いかけ~たいよ だから一緒 カモ~ン

~♪パーパラー チャッチャッチャー♪

~♪ヘンな名前 落ち込んだ? 元気出せ 気にしない~
~♪ちいさい暴露 乗り越えて 進化ですよ みんなでね
~♪自分を信じたら ファイアフライ アウト~
~♪全力で~ ぶつかった~ 突撃が現実になる~
~♪真剣にほら吶喊(とっかん)~

~♪エーンター エーンター ミッショーン 早くここにおいで
~♪一生懸命 笑わせようね チカラいっぱい!
~♪エーンター エーンター ミッショーン いつも 尻に根性
~♪つ~ら~くても平気! ボコに蝶野! 振るう暴力!
~♪目~指して ずっと一緒の未来~~♪


おじさんの方の蝶野のおとしどころが上手かった


みほ「こうして、わたしたちの1日訓練は終わりになりました」

みほ「実はあれから、あらためてほんとうの交流戦を行い、各校の戦車道は大いに盛り上がったようです」

みほ「訓練チームのわたしたち4人は、黒森峰のⅥ号に乗って、大洗のⅣ号を相手にしました」

みほ「向こうの車長は、お姉ちゃんでした」

みほ「エリカさんが、練習以外で身内と戦うことに最初は戸惑っていましたが、試合のあとにはすごく良い刺激を受けたと言っていました」

みほ「わたしもそう思いました。自分の戦車と戦うなんて、すごく新鮮な気分がしたから」

みほ「知波単の西さんは、『突撃の名を冠する車両に乗れた!』と、Ⅲ突で戦ったことに感激していました」

みほ「継続高校のミカさんがプラウダの戦車に乗ることになったとき、カチューシャさんはあまりいい顔をしませんでした」

みほ「でも、カチューシャさんはマウスに乗ることになり、それで機嫌がなおったそうです」

みほ「プラウダといえば、ノンナさんが操るファイアフライがとても強く、ナオミさんが対抗心を燃やしていました」

みほ「聖グロのローズヒップさんは、CV33のスピード感が気に入ったらしく、試合後もずっと走りまわっていました」

みほ「それを見たアンツィオのみなさんとレオポンさんチームが意気投合して、一緒にドライブの約束をしたそうです」

みほ「それから、P40が完全な状態で出てきたことにアンチョビさんが感激していました」

みほ「『各学校のあらゆる戦車に乗るべし』と、戦車道連盟の計らいで、修理を完了させてくれたそうです」

みほ「意外なことに、教官も参戦していて驚きました」

みほ「主に各学校の1年生を集めて、M3中戦車リーに搭乗。学校ごとの後継者を育てるためにひと肌脱いだそうです」

みほ「ウサギさんチームのみんなも、めったにない経験ができて嬉しそうでした」

みほ「クラーラさんは試合後、新三郎さんの人力車が珍しいとのことで、乗せてもらってとても喜んでいました。」

みほ「喜ぶといえば、カエサルさんとカルパッチョさんが一緒の戦車になったときの喜びようはすごかったなあ」

みほ「でも、この交流戦をなにより一番喜んでいたのは、優花里さんでした」

みほ「いろんな戦車に乗ることができて、ほんとうに心から楽しそうでした」

みほ「愛里寿ちゃんの計らいでセンチュリオンに乗ったときなんか感動して、ちょっと泣いちゃったらしいです」

みほ「あ、そうそう。優花里さんの髪型はすぐ元に戻したのですが、いまだにケイさんは彼女に会うたびに思い出し笑いをします」

みほ「この訓練……いまおもえばあっという間だった」

みほ「きっといつか、またみんなで集まるときにはこの話になるんだろうなあ」

みほ「あ、もうこんな時間だ」バタバタ

みほ「いってきまーす」バタン

みほ「……っと、鍵をかけなきゃ」ガチャ





キラッ!(ボコられグマキーホルダー)










おしまい

最後に出てきたボコの中身は多分月亭方正だろうなww


最後は綺麗に締めやがってww

これでお話はおしまいです
HTML化依頼も済ませました


笑った

     ,___
    (__, `ヽ
       //
     .//

    //            ________
    ゝ ‐―――――┬'  ̄).ノ l=l ./         \    <こ、これは>>1乙じゃなくて砲身なんだから
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄フ lーl"/_〒/          \___          変な勘違いしないでよね!
          =l フ,゙="  「,==―――┬――┬――>‐、"

          (= (ヽ ̄ ̄((= ( ◎ヽ―――――――< o 》

           ヘ=ヘ \___ヘ=ヘ、_ン{ o } o ,} { o } o }ソ
             \=\_   \=ゝ ゝ ノ ゝノ ゝ ノゝノ/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

乙。
プリキュアネタのとこで他にもいたような…と思って軽くぐぐったら9人も声優かぶってるのな

というか脇役含めるならケイも出てたっていう

乙!

笑ってはいけないネタは各作品毎に必ず安定の一本が出て来るな

面白かった
乙です

乙です!
ほんと面白かった!

大いに楽しんで笑いころげられた
素晴らしい乙

乙!

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