夏空の旅路碧の唄(2)


自転車の車輪は軋むような音を立てる。

このまっすぐ空に伸びるような坂道向こうには、海が見えると信じているんだ。


自転車のペダルが重いのは。

後ろに君をのせているから。

頬のあたりが熱いのは。

後ろの君はきっと知らない。


坂道を登りきる。

古びた自販機がぽつりと一つ。

いったい誰がいつ補充しに来ているのかと、疑問に思う。

硬貨を幾つか入れ、炭酸のキツいジュースを選ぶ。

君に手渡し、僕も買おうと自販機を見る。


自販機は赤いランプで購入を拒否。

僕は溜息、君は笑う。

君が差し出したその缶は飲み口が空いている。

変に意識をしたわけじゃないけど、一口飲むと唇が少し痺れた気がした。

炭酸のキツいジュースだからだ。

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