貴音「この唇に」 (83)

アイドルマスターのSSスレです。
成人向けになると思いますのでご了承ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456631318

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  何処に接吻(きす)してほしいのか

  其れをゆわせるあなたの残酷

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P(なんとかレッスン時間内に帰ってこれたな……最近見てやれてなかったからよかった)ガチャッ

トレーナー「あ、お疲れ様ですプロデューサーさん」

響「おーっ! おかえりープロデューサー!!」

貴音「!!」

美希「ハニー!」

P「みんなお疲れ様。トレーナーさん、どうですか? 新曲の感じは――」



美希「/ \ ア アアアァ=ィィィィィィィィィィィィィッ ♪」ドドドド!!



P「?!」



美希「とうっ、なの!!」ピョーン

がしっ、

美希「捕まえたの!」ギュウギュウ

P「わ……こら美希、レッスン中に抱きついちゃだめだろ!!」

美希「いまは休憩中なの~! ねえねえ、今日ミキ、いっぱい頑張ってるよ? 褒めてホメて~♪」ウリウリ

響「あはは、今の今までヘロヘロだったのに、急に元気になったぞ!」

美希「なんとでも言うの! ミキはハニーが居てくれれば、100万バリキなんだから~!!」ウリウリウリウリウリウリ

P「そんな大げさな……」

貴音「私も、美希に同感です。あなた様が居てくだされば、より一層の励みになるというもの……」

P「貴音まで……んぬぬ……はーなーれーなーさーい」グイグイ

美希「あううぅ……む~、引き剥がすなんて、ハニーのイジワル!」プクー

P「どうどう……美希はこの通り元気一杯、と。響と貴音も、まだまだやれそうだな! 見に来た甲斐があったよ」

貴音「御多忙の処――感謝致します」

響「まーそうだね! 美希じゃないけど、やっぱり励みにはなるし……そ、その、ありがとう! えへへー」

トレーナー「……はーい、じゃあ休憩時間おしまい! せっかく来ていただいたんだから、いいところ見せようか!」

貴音「――そうですね、私達の現時点での到達度を、是非、その目で」

響「任せてよ、カンッペキなの、見せてあげるからね!」

美希「こうなったら絶対、ゼーッタイにミキのがんばりを認めさせて、褒めてもらうの!」

トレーナー「じゃあ……通してやってみましょう!」

貴音「はい!」

美希「はい!」

響「いくぞー!」


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            『KisS』
                   by プロジェクトフェアリー



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P(気になる点はないとは言えないが――悪くない出来だった。いつもより準備期間は短かったけれど、うまく調整してくれたな)

 「…………」


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トレーナー「――はい、じゃあ今日はここまで! お疲れ様でした!」


美希「お疲れ様なの!」

響「おつかれさま!」

貴音「お疲れ様でした」


美希「ああ~、もうヘトヘトなのぉ……ハニィ、おんぶおんぶ~」

響「プロデューサーが来てから、気合いれすぎだったからね~」ニヤニヤ

美希「もう、余計なこと言わなくていいの!」ムギー

響「にゃ、にゃにすんだこの~!」ムギー

P「ははは、十分元気みたいだな。じゃあ玄関で待ってるから、早いところ着替えてきてなー」

美希「あっ! ハニー、着替え……見る?」チラッ

P「いいからはやく着替えてきなさい」

美希「あはは! はーい、なの!」

貴音「…………」


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美希「/ \ ア アアアァ=ィィィィィィィィィィィィィッ ♪ 」ドドドド!!

P「お……早かったなってうわっ!」

ぎゅぎゅー!!

美希「ハニー♪ 晩ごはんまだだよね? 一緒にたべよーなのー♪」ギュー

響「自分も行くぞー!」

美希「みんなのご飯はいいの?」

響「なんくるないさー、ハム蔵!」

ハム蔵「きゅいっ」ササッ

響「みんなに、今日は遅くなるって伝えといてくれない?」

ハム蔵「ぎゅいっ!」ビシッ

響「おみやげ買ってくるからね~!」

ハム蔵「きゅきゅー!」ダッ

美希「いつ見てもハム蔵すごいの」

P「さて、貴音もこの後何も無いなら行こうか」

貴音「…………」

響「貴音? どしたの?」

貴音「っ! い、いえ、それでは、お言葉に甘えて、ご一緒させていただきたきます」ペコリ

そういうときはスレタイにR-18と入れとくとわかりやすいぞ

美希「ハニー、お金だいじょうぶだよね?」

P「大丈夫! だいじょうぶ……ダイジョーブ」

響「なんか不安になってきたぞ……」

美希「それじゃあしゅっぱ~つ、なの!!」

P「その前に離れなさい」グイー

美希「んむー! ハニーのいけずです、なの!」プクプクー

貴音「面妖な」

P「はいはい、みんな乗った乗った」



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P(一行でファミレスに向かい、今日のレッスンについて話したりして、楽しく過ごした)

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響「自分、おみやげ買って帰るからここでいいぞ。今日はありがとうねっ!! 今度はウチで、自分がごちそうするぞ!!」

P「おー、楽しみにしてるからなー、気をつけて帰れよー!」ブロロ

響「うんっ! じゃーねー!!」ブンブン


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美希「おやすみなの~、あふぅ」

P「じゃあ、また明日なー。寝坊したら律子のお説教だぞー」ブロロ

美希「えー、ハニーのお小言じゃないの?! が、がんばるの~!!」バイバーイ


――――――――――――――――――――――――――――――――

P「…………」チラッ

貴音「…………」

P「で……今日はどうしたんだ?」

貴音「…………っ」

P「いつになくボーっとしてたじゃないか」

貴音「……やはり、お気付きでしたか――あなた様には、隠し事などできませんね」

P「長い付き合いだからな。貴音とも」



貴音「――申し訳、ございませんでした」



P「……ん?」

貴音「無理を押してれっすん場まで足を運んでいただいておきながらこの体たらく……お怒りになられるのも至極当然。叱責なら甘んじて」フルフル

P「おーい、おーい貴音?」

貴音「――はい」

P「何も俺は怒ってるワケじゃないぞ?」

貴音「……あなた、様?」

P「俺はただ、体調でも悪いのかと思ってだな……」

貴音「あ、あなた様という方はどこまで、どこまでお優しく……」

P「そんな大したものじゃないよ……まあ、運転しながら、で構わないか?」

貴音「…………」コクン


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P「それにしても――久しぶりだな、貴音がそこまで思いつめるなんて」

貴音「それほどまでに――私は、目に見えて?」

P「ああ、レッスン場でも、どこか気が散っていたようだったし――」

貴音「……お恥ずかしい限りです」シュン

P「ファミレスでも普段の4/5くらいしか食べてなかったしな。はははっ」

貴音「なんと」

P(和ませるつもりだったんだが素で驚いてるな)

P「ま、まあ不安は早めに解消しておいたほうがいいぞ? ああ見えて美希も響も鋭いからな。多分、レッスンにしろ、ファミレスにしろ、今日ので『何か』は感じたはずだ」

貴音「仰る通りです――現状のままでは、私はおろか、二人にも迷惑を掛けてしまいます」ショボン

P「はいストップストップ――それで。いったい貴音は何がそんなに気がかりなんだ?」

貴音「それは、その――」

P(おっと、信号見落とすところだった)キキッ

貴音「――――っ!」ガクン

P「ん……すまない」

貴音「いいえ……申し訳ございません。あなた様の運転中に、気の散るような相談をして――やはり、次の機会に」

P「今なら停止してるから大丈夫だよ。それに……」

貴音「……それに?」

P「……なんていうか、貴音をそんなままにしていることの方が、よっぽど気になる」

貴音「………………ッ」ギュッ

P「は、はは、ちょっとキザだったかな……今のは忘れ」


貴音「あなた様」


P「て……」


貴音「きす、とはどのような心地なのでしょうか」


P「…………」ポカーン


貴音「あなた様。青信号になりました」

P「お、おう――すまない」ブロロ



P「…………」

貴音「…………」



P「で、キス……か」ブロロ

P「…………?」チラッ


貴音「!」

貴音「……は」

貴音「はい……ぃ」カァッ


P(聞き返されて真っ赤になってる! カワイイ! 余所見厳禁だけど!)

P「こ、こほん……それは、つまり今練習中の――」

貴音「んんっ……然様でございます――『KisS』のれっすんを始めてから、もう、ひと月は経ったでしょうか」

P「んーと……そうだな。それくらいだろうな」

貴音「歌唱も、振り付けも、れっすん通りには身に付けることが出来ました。しかし――ないのです」

P「ない?」

貴音「はい――この楽曲を我が血肉にしたという――霊感とも呼ぶべきものを、未だ感じ得ないのです」

P「……」

P「もう十分に本番レベルには達していると思うんだけどな」

貴音「無論、一定の水準には仕上げたつもりです。しかし今までの楽曲では感じていたものが、今回に限って『無い』と、一抹の不安が過ぎってしまい。それに――」

P「それに?」

貴音「――いえっ、何でもありません」

P(珍しいな……貴音が、躊躇いから隠し事をするなんて)

P「まあ、なんだ――勿論貴音の悩みも分かるが、もっと気を楽にしてもいいんじゃないか? ほら、キスの形だけでも真似てみるとかさ」

貴音「――模倣なら多少は心得があります。んむー」

P「?!」

貴音「――――」ンムー

P「……っかはっ」ブフー

貴音「あなた様?! 真似てみろと仰った直後に笑うとは何事ですか?!」グイグイグイグイ

P「やややごめんごめん謝る運転中だからホントやめて」グワングワングワングワン

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貴音「あなた様もお疲れなのに、送迎まで……毎度のことながら、いつも、感謝しています」

P「まあこれも仕事だからな。気にしないでくれ」

貴音「そう、ですか……」

P「?」

P「で、だ。あまり『霊感』とやらに囚われずに、今はやれるだけのことをやった方が良いと思うぞ? 基礎は固まっていたようだから」

貴音「……はい。あなた様の言うとおり、もう少し肩の力を抜いてみるのも良いかもしれません」

P「そうだ。分かる時はあっけなく分かってしまうものだしな。今までだってそうだったろう?」

貴音「ええ、追い求めれば、余計にすり抜けてしまう――得てしてそういうものなのでしょうね」

P「ああ。きっとそうだ――じゃあ、明日またな」

貴音「――、はい。今宵の夕餉も、真、おいしゅうございました。響、美希と、あなた様が居ればこそ」

P「ああ。また食べにいこう。それじゃ明日も、頑張っていこうな!」


貴音「はい。また明日……あなた様」

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P(それから一週間が経った)







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〉〉7 ありがとうございます

安価は半角の>←これ二つに半角数字だよ

おひめちんのお尻を枕にしたらいい夢見れそう

んむーってしてる貴音を眺めてたい
期待

きてないか…

全裸待機で風邪ひきそうなんだが…

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P(あれから一週間が経った。貴音と顔を合わせるのも一週間ぶりとなる)

P(美希、響、そして他のメンバーは特番やゲスト出演が立て込んでいたため、一度は同行の必要があった。一方貴音はレギュラーの仕事で埋まっていたため、俺が立ち会わなくとも問題なかった)

P「……問題ない、か」

P(どちらにプロデューサーが現場すべきかは、言うまでもなかった。少なくとも理屈ではそうだった)

P(午前は1週間ぶりのレッスン。当初立ち会う予定はなかった――が、懸念を払拭するため、あるいは、彼女を結局一週間も放っておいてしまったことへの贖罪として、何とか午前中だけは立ち会う時間を捻出した)

P(抜き打ちのような形でレッスンスタジオに姿を現した俺に対し、モチベーションをあからさまに高めた美希と響がいて――似つかわしくもない動揺を見せる少女が、もうひとり)

P(――瞬間、俺は理解した。彼女は悩みから抜け出せておらず、そして諦め切れてもいないことに)




 「では、始めますっ!」

 三人がポジションに着いたのを見計らい、トレーナーさんが伴奏のボタンを押す。

 ノイズじみた前奏が始まる瞬間まで、貴音はその指を注視していた。まるで演目が始まるのを、少しでも遅らせようとするかのようだった。

P(結果、皆は、『よくやっていた』。美希も響も貴音もそうだった。3人の仕上がりに文句はない。このまま本番に出せれば間違いなく『使える』だろう。恐らくトレーナーさんも俺と同じ感想のはずだ)

P(だがそれは。『このまま』出せたらの話だ――貴音の表情は最後まで精彩を欠き、その『くすみ』が影響するのは時間の問題のように思われた)

P(ビジュアルに露呈(で)るか、それともボーカルかあるいはダンスか、それは分からない)


P「まずはお疲れ様。短い時間でよくここまで仕上げてくれたな。で、細かいところを言うとだな……」


P(口では美希や響への指摘ばかりになったが、意識ではずっと貴音を追っていた)


P「美希は、BからCに移る時に毎回足元を見てるな。そろそろ視線を変えないままいけないか?」


P(二人への指導の最中、ふと貴音を盗み見ると必ず視線がぶつかって、内心焦りながら平静を装った)


P「響はいつもどおり、ダンスに関しては満点だ。うん、照れるな照れるな。でも全体的には……」


P(その時の貴音は――『何か』を言ってもらいたいのが目に見えていて、それで何も言わないのも逆に不安を加速させるだろうから、彼女にも当たり障りのないことをいくらか言ったような気がする)

P(『そこじゃない』と思っていながら、違和感を形容できない以上ヘタに口にすることも憚られ)


P「……あと、あまり気負い過ぎないようにな。三人とも、落ち着いて出来ればいい」


P(そうして、根本的なところを何も解決できないまま、俺はレッスン場を後にした)

P「歯痒いな……というか、不甲斐ないな」

P(彼女たちがすっかり成長してしまった今、久しぶりに味わう『何もしてやれない自分』という痛みは、殊の外堪えた)


   「…………」

――――――――――――――――――――――――――――――――


……『今宵も更けてきましたね。真、名残惜しいものですが、子の刻まではもう間もなく――お別れの時刻です』



P「ふぅ……ああ、ひと段落、かな。やっと」


P(午後いっぱいを外回りに費やし、日も暮れた頃に事務所に戻ると、机上で山積みになった書類とその隣に横たわる小鳥さんの後頭部が俺を迎え入れた)

P(そう……小鳥さんだって疲れてるんだ。怒っているわけじゃない。うん、全然怒ってない)

P(それでも一応の罰としてイジワルな方法で彼女を眠りから醒めさせ 


                      『せ、責任とってください!』、 


しばらくは二人で山を減らし、彼女だけ先に上がらせたのが九時ごろ。そして今の時間を告げるのは)


……『四条貴音のふぃふすむーん・れいぢお、りすなーの皆様、御機嫌よう』


P「こんな時間か……」チラッ

P(今から全力で飛ばせばスタジオには間に合……)


P「……はぁ」


――pipipi!


P「はいこちら765プロ――えっ」ガタッ




――――――――――――――――――――――――――――――――



P「……で、どうしたんだこんな時間に」

響「これは、その……」

美希「うわー、ハニーぼろぼろなの」

P「まったく、明日に差し支え――ああ、二人はオフだったか。でも寝不足は」

美希「『二人は』……いまハニー、誰のこと考えてたの?」ズイッ

P「え、いや別に……」

響「……やっぱり、やっぱりだぞ! 今日、貴音のことばっかり見てたよね?! せっかくプロデューサーが来たから、自分、頑張ったのに……」

美希「そーなのそ―なのっ!! ずるっこなの!」

P(ずるっこではないが……図星なだけに反論し辛い)

P「そ、そんなことを言うために二人して来たのか?」

響「そんなことじゃ……そんなことじゃないっ!」ダッ

ぎゅー!

P「ひ、響? って、美希まで……」

美希「……出遅れちゃったの」

ぎゅぎゅー

美希「でも……響のいうとおりなの。とっても大事なコト、なんだから」ギュー

響「ごめん……貴音が最近ヘンなのは、分かってるぞ。一緒にやってて、普段と違うのは、なんとなく」

P(……やっぱりか)

響「でも、訊いてみても『なんでもない』って教えてくれないし。そのくせ全然何でもなさそうだし……」

美希「そうなの! それでハニーもハニーで、ミキたちに色々言いながら貴音のコトばっかり考えてそうだったし」

響「自分のことばっかり言うみたいで悪いけど……ああいうの、さみしいぞ」ギュー

P「………………」



――――――――――――――――――――――――――――――――



P(貴音の『何でもない』という意思を尊重すべきかは悩ましかったが――結局俺は話すことにした。大事なのは『貴音だけ』じゃなくて、『俺の育てたアイドルみんな』なのだから)

響「…………」

P「それでどうしたものかと…………どうした響」

美希「あふぅ。ハニーの鈍感さに響も呆れてるの」

響「そ、そんなんじゃないさー?! な、ないよ……?」チラッ

P(なんかごめん)

美希「そんなの、ハニーがいっぱつぶちゅーってシてアゲたらいいだけなの! ちゅーなの! えぐりこむようにちゅーなの!!」

P「おいおい、バカいうなよ。なあ、響……響?」

響「……貴音は、その……嫌がらないと思うさー。っていうか、貴音も……」

P「響までそんなこと……」

美希「だいたい、キスのキモチなんて……ハニーが一番知ってるでしょ?」グイッ

P「ん……く」

ちゅ……っ

美希「あむっ、んちゅっ、あむぁ……ぷはぁ――ね?」ペロッ

響「っ!!」


P「……そりゃ、でも――」

響「う、うううぅー!!」ガバッ!!

P「うわ……っ」

ちゅれろっ、むちゅー、

響「あみゅっ、んれろっ、んちゅっ、んんぁ……ぅ。ぷろりゅーさぁ、んちゅっ、ん……」スリスリ

美希「そこまでなの」ビシッ

響「あいたぁ!!」

P「…………よだれすげぇ」フキフキ

響「な、なにするんだ! あむ……プロデューサー、ごめん」フキフキ

美希「はつじょーしてる場合じゃないの。ハニー、貴音のラジオ今終わったでしょ? きっと間に合うの」

響「そ、そうだね…………ぁぅぅぅぅぅ」

P「美希、響……」

響「……自分も、こうなったのは、嬉しかったから。だから、たぶん貴音もそうだから、プロデューサー……」

美希「ミキ的には、ハニーを渡すつもりはないけど、でも貴音がモジモジしてるのもヤ! なの」

響「こんな風に言うのもヘンだけど……プロデューサー、頑張って!」グッ

美希「今度は三人でするの!」バイバーイ

P「……ああもう、好き勝手言ってくれる」

P(俺は悪態をつくのがやっとで、それは二人にもバレバレだった。結局二人の言うとおりになるのだから)



P(もうラジオからは、貴音の声は聞こえて来なかった)

P(それでよかった。ステレオでも電話越しでもない、直接の声を聴きに、俺は車を走らせた)

投稿おっそ

乙です
続き期待

おつー

なんだただのクズPかよ

おつおつー

つまんねぇわくそ遅いわ最悪だな
書き溜めてから来いや、ってかもう来ないでいいよ

乙ー

こんな短そうなssすら仕上げられない時点でお察し

この>>1はダメな例だな

ほならね、自分でやってみろって話です(シ並感)

少なくともこの>>1よりは早く仕上げられる自信あるけどなあ
ってか、し並感って何?小並感しか知らんわ

>>36
言い出しっぺの法則が発動したぞ

>>37
そこまで言うなら書こう
さぁ、はよ

>>39
乗っ取りはできないってルール知らないの?バカなの?

乗っ取りじゃなくて別スレでって話かと思ったが

何処にも乗っ取れなんて書いてないよな

あまり人にバカって言わないほうが良いと思うよ、君がバカなんだから

>>42
ageてまで言うことなんですかねぇ…
バカは君の方じゃないのか

そもそも>>1が書かないからこんなことになるわけで。人に押し付けるのは全くの問題外かと思われるのは俺だけか?

おや…sage忘れ失敬

――――――――――――――――――――――――――――――――



――――スタジオ




貴音「はい、来週も、どうか宜しくお願いいたします」

貴音「たくしい、ですか? いいえ、迎えが来ますので――はい。先ほど連絡が。お気遣い、痛み入ります。では、また」



貴音「……………………」

貴音(余りにも未熟……ですね)

貴音「……………………」

貴音(うまく行かぬことを引きずり――あまつさえ、収録中にもうわの空になり……此度は凌ぎましたが)

貴音「…………ふぅ」

貴音(今夜は直帰と仰っていたのに、急に迎えなどと――もしや、先ほどの腑抜けた収録を叱りに? それか今朝のれっすん内容を?)

貴音(なら……その方が良い。あなた様の言葉であれば、私は受容れられます)


貴音「そして――どちらにせよすべて、今宵でお仕舞いに」

――――――――――――――――――――――――――――――――


P「お疲れ、貴音」

貴音「…………お疲れ様です、あなた様」

P「……話したいことがあるんだ。とりあえず、乗ってくれ」

貴音「はい。その……感謝致します。今日は一際お忙しいようにお見受けしましたのに」

P「気にしないでくれ。好きでやってることだからな」

貴音「…………」



――――――――――――――――――――――――――――――――



P「じゃあ、出すぞー」

P(美希たちはああ言ってたが……さて、どう切り出したものか)チラッ

貴音「お待ちください。今、べるとを……んっ」スチャッ

P「!!」

P(いつも思うけど……胸の真ん中でシートベルト通すの、ホントに目の毒だよな)ドキドキ

貴音「ふぅ……あなた様。では、お願いいたします」

P「あ、ああ」




ブロロロロ……



貴音「…………」

P「今日のラジオも良かったぞ。新しいコーナーもうまく立ち回れていたようだし」

貴音「然様でしたか……あなた様がそう感じているのなら、安心できます」

P「でも、逆にいつものコーナーの……ええと、どこだったかな。ああ。曲紹介の後だ。ちょっヌけてなかったか?」

貴音「…………っ、心得て、おります」ギュッ

P(聞き間違いじゃなかったな)

P「やっぱり……、その――まだ悩みが、あるみたいだな」

貴音「…………はい」

貴音「仰る通りです。結局、『解る』ことも、割り切ることも出来ず、私の一週間は費えてしまいました」

P「――そうか。なあ、貴音」

貴音「はい」

P「貴音は、『キスの心地』がどうかと、そこが分からずに悩んでいるようだが――美希や響は、それが分かっているように感じるのか?」

貴音「…………ふむ」


貴音「………………」


貴音「――美希と響は、至っているように思えます」

P「……忌憚の無い意見を言うと、貴音と二人とで、技術的な錬度としては大差ないようだが」

貴音「かもしれません。されど――画竜点睛、決定的な何かが、その存在が、私にはどうしようもなく欠けている。そのような心地がするのです」

P「決定的な、何か」

貴音「はい――そして、この一週間で、曲りなりに出した答えは」


貴音「分かつのは――経験、なのでは、と」


P「…………っ」


P「ふぅ――経験、か?」

貴音「は…………はい。経験、です」

P「こう言っちゃ悪いが……シンプルな答えに行き着いたな」

貴音「本来であれば――『経験無き故に再現出来ない』というのは、表現の場に立つ者として、恥ずべき自己弁護です」

P「厳しい言い方だが――目指すところを突き詰めれば、そうなるだろうな」

貴音「然るに、私と、美希や響とを比較した時。同じれっすんを受け、得手不得手の向きはあれど実力伯仲、ということを鑑みた場合……」

P「それで、楽曲の主題である『キス』の経験の有無、に立ち返ったというわけか」

貴音「褒められた解ではありませぬし……若輩者なりに考えてみたところ、ではございますが」

P「うーん、そうかー、そう言われても……」

P(これは……そういうことなのか?)

P「なあ、貴音、あの二人に、その経験があるように思えるか?」

P(我ながら、いけしゃあしゃあと)

貴音「――分かりません。表層だけでは分からないことなど、この世に幾らでも」

P「そうだな。でもあの二人は、歳は貴音より幾つか下だし、普段の様子を見ても大人びた面はやっぱり薄いように見えるが」

貴音「――たとえ二人が、日ごろ子供のような仕草を見せていたとしても、それは一面に過ぎぬというものです――その、あなた様は」

P「ん?」


貴音「あなた様は、どう思われますか?」ートクンッ


P「どうって……」

貴音「…………」トクン、トクン



P「あるの、かもな……『どこかの、誰か』と」

貴音「……ええ、何処かの、誰かと」


ブロロロロロ――キィッ


P「…………」

貴音「…………」

P(ここで赤信号、か……沈黙が困る)キィ

貴音「…………」



貴音「……あなた様には、あるのですか?」

P「…………っ!」



P「――あるよ」

貴音「…………然様、ですか」

P「…………」


貴音「ご無礼を」

P「?」



――――――――――――――――――――――――――――――――ご無礼をどうかお許しください



ぴとっ、

P「え、ん…………、うぇ?」

P(何をされたのか、その瞬間は分からなかった)



――――――    つつ…………っ、    ―――――――


                   
P(冷静に考えて――貴音の指が唇をなぞったのだと、確信した)

P(理解を追いかけるようにして、俺は助手席の貴音を見た)


貴音「……ふっ、ふぅ、ふー」


P(横顔は、青白くそこにあった。フロントガラスから指す信号が青になっていることに気が付いた。幸い、後続車はなかった)

P(こちら向きに捩った身体を、シートベルトが拘束している。衝突時の為に作り出されたその仕組みは貴音の身体を容赦なく絞り、溢れ出した実りが、ブラウス越しに浅く深く鼓動していた)


貴音「……はぁ、はふ……っ、はぅ、はぁ、はぁ……」


P(熱を帯びて潤んだ視線は、あやふやに立てられた細い人差し指へ注がれ)

貴音「あ」

P(半開きになった口から二、三度吐息が零れて、唇が、指に寄せられて――)


貴音「んむぅ…………はぁ、はー、ふぁ……ん……ちゅ」



   ひどく愛おしげに、口付けた



貴音「………………ふ……ぁ」フルッ

P「う、ぁ………………」


P(――たっぷり二十秒は、そうしていただろうか。まさか貴音に、下品という言葉を当て嵌める時がくるとは、思ってもいなかった)

P(そしてそれが、かつてないまでの劣情を抱かせてくるとも、思いもしなかった。思いもしなかっただけに、その事態に直面したとき、俺は一切のほかの考えを放棄した)

貴音「………………ふふ」


貴音「我ながら――戯けた真似です」

P「…………え?」



貴音「これは私の紅指し指――あなた様の其れではないのに」クス…ッ

P「………………!!!」ゾクッ!


P(貴音の目が月色に翳り、刹那後、朱に染まった。再び灯った信号のタイミングは、余りにできすぎていた)


P(その誘惑は、『止まれ』という本来の意味とはまるで懸け離れていた)


P「なあ、貴音」

貴音「はい、あなた様」


P(もう俺の中から、『貴音のために』キスをしよう、その行為への理由を探そうなどとという、行儀の良いお題目は悉く消え去っていて)


P「歌詞にもあった話だ……キスは、する場所によっていろいろと意味合いが違うらしいが……貴音なら、どこにキスしてほしい?」


P(この美しい女を自分のモノにしようという欲望だけが、沸々と煮え滾っていた)



貴音「私は――わたくし、なら」

―――――――――――――――――――――――――――――――



P(車が行き着いたのは、事務所でも、貴音の部屋でもなく――俺のマンションだった。事務所に程近いそれは、とにかく何時でも仕事場に臨場できるようにという有難い配慮の元、分不相応に与えられたものだった)

P(一切の異議無く車を降りた貴音と、無人の駐車場を、エレベーターを、部屋までの経路の縦横を、俺は努めて冷静に歩きおおせた)

P(ちらと横目に見た彼女は――無表情を装いながら、緊張が全身から滲み出ていた。天性で、あれだけの誘惑を仕掛けておきつつ、理性では、初心な羞恥に身を震わせている少女が、この上なく愛おしかった)

P(それとも、演技なのだろうか。男を手玉に取るような仕草、男に手篭めにされるような気配、そのどちらか。あるいは。どちらも)

P(覗き込んでしまった、底知れない思考の深淵に耐え切れず――細指を握った。おずおずと握り返され、絡み、離してくれなくなった。あなた様、と、かすれた様な声で囁かれた)

P(無限に続くかのような時間を経てドアに辿り着き、ロックを外した)


P「貴音――いいんだな?」


P(言葉は無く――胸元に飛び込んできた抱擁が返事となった。花の匂いが立ちのぼった。俺はドアを押し開けた)


  バタンと閉じる音がした

  

おつおつ

気持ち悪っ

>>56
鏡見て言ってんのかw

>>57
わざわざ突っかかって煽ることしかできないんだなwww

>>57
寂しいから構って欲しいんだろう、触れてやるな

あ、とてもつまらないです

―――――――――――――――――――――――――――――――


貴音「…………ぁん!!」ドサッ!!


 薄暗い玄関で、靴も脱がぬまま、あなた様は私を壁際に追い詰めました。
 
 背中にあたる壁の冷たさと、正面から受ける吐息の熱に挟まれながら、あなた様のお顔を見上げます。

 普段お優しい目は今、ぎらぎらと粘ついた獣欲に塗れていて、私は怖れと、それを上回る期待に息を詰まらせました。

 そして、バタンという音とともに闇が降り、外界と私達が隔絶された瞬間。


貴音「あ…………ん……っ」


 音も無く、私はきすをされていました。
 
 私の身体で最初にきすを知ったのは、口吻でした。

 呼吸すら忘れた時間が、長く続きました。


貴音「んむ…………っ、んぁ」


 永くあれと念じたひとときが、終わりました。

 熱に浮かされた頭の何処かで気付いたものがありました。

 きすを、されたのだと。

 お慕い申し上げたあなた様に、きすをされてしまったのだと。

 気付くが早いが、私の身体は充足感と幸福感に打ち震え。

 そして情け無きことに――『きすをしていない今』が、寂しくて悲しくなりました。

貴音「あ、ああ…………ふぅ、ふう、ふー……はぁ、はあ……ぁ!」


 どうして、と、私は愚かにもあなた様に尋ねそうになります。

 どうしてあなた様は今きすをしてくれず、そうして私をただ見ているのか。

 どうしてそのようにいけずな真似をなさるのか。

 理不尽な苛立ちに私自身が苛まれ――唐突に、閃きました。

 
 きすを頂けないのであれば、きすを、すればよいのだと。


――――すりゅっ、んちゅっ

貴音「あなたさま、あなたさまぁ……んちゅっ、んっ、あむっ、んむ……はぅ、ん…………っ」


 同じくちびるに、私はきすをしました。 

 ものを知らぬ私は、はしたない音を何度も立てました。吐息も吹き散らしました。きすを今知り、あなた様以外を知らぬ私には、大人のきすは出来ませんでした。

 ということは、あなた様は、私以外を知っているから、できたのでしょう。

 それが私にもたらされたのでしょう。

 悔しくてくやしくて、私からなんどもきすをしました。

 だらりとぶら下がっていたはずの私の両腕は、いつのまにやらあなた様の背中と首に縋り付いておりました。ろくに踵は着かず、爪先を靴ごと捩りながらようやく立っていました。

 そのようにみっともない私を、あなた様は受容れてくださりました。

 髪が梳かれているのが分かりました。

 ひしと抱かれているのが分かりました。

 私の総てが肯定されたような心地に陥りました。そのようなことでは決してないのに。 


 瞬間、意識に電撃じみたものが奔り、私は反射的に唇を離しました。


貴音「これも――れっすんなのですか?」


 頓狂に聞こえたのかもしれません。図星を突かれたのかもしれません。慣れてきた闇の中であなた様は、随分と趣のある表情をされました。

 前者であることを祈りつつ、されど、身に余る幸せを授かっていた私は、傷のあらさがしを始めてしまいました。

 何時までも懊悩に囚われる私へ業を煮やし、芸の肥やしにしろといわんばかりの口付けをなさったのでは――と、私は暗がりに、居もしない鬼を疑いました。


 そうだと言ったら?


 耳元で、囁かれました。

 体中の熱が消えてうせるような寂しさ――

 私は胸板を押し返そうとし――それとは比べ物にならない力強さで抱き返され、私達の距離は零に戻されました。


 ばか。

 そう聞こえました。

 馬鹿と言われたのは始めての事のように思います。

 罵りの言葉と記憶していたそれが、私の不安を一瞬で掻き消すとは。

貴音「ばかは、ばかはあなた様です……っ」

 私は胸に当てていた両の手のひらをそっと押し上げ、あなた様の輪郭に這わせ、再度、唇を重ねました。


 でも、たとえそこに愛などなく、本当に演技のためだとしても、最後には、私はあなた様を求めたでしょう。

 形だけの愛でいい。嘘でも本当でも、この目に映るのが、この肉体(うつわ)を満たすのがあなた様の行為であるのなら。


 
 今度こそ永久に続けよという口付けは、しかしそれすら、私の予想を裏切ります。

 
貴音「あ――ふあ、ぁ…………んむぁぅ、っ?」


 それが為されたとき、私の体は跳ねました。あなた様に押さえつけられていたため、私の肢体は吹き零れる熱湯のように行き場を無くしました。

 行為が続けられて、未知の衝撃に惑わされて十数秒後、ようやく理解が追いつきました。


 半開きになった私の唇に、あなた様の舌が割り入り、内側から蠢き始めたのです。


貴音「あん!! んっ、んんんっ!! やぁ……あむ、んくちゅっ、はぁむ……んっ、あぉ、はぁむ、んちゅ……んむぅ!」


 ちゅぱっ、れろ、るちゅっ、ちゅっ、くつゅ、ちゅうっ、れろれろれろ、ぬろ……ぉ


 今までの外から与えられた触覚とは違う、内から撫であげるような刺激で神経が氾濫し、私は何がなにやら分からなくなってしまいます。

 私の頭の中で、とある歌詞が反響しました。

 奥まで。

 私は今まで、その熱も湿度も知らぬままに謳っていたのです。

貴音「ああ、ああっ……んむ、んりゅっ、あむ、あふぁ、むあっ、ちゅっ、ま、まって、あああ――っ、は、はー、はぁ、はぁ。はぁ」


 私は中断を求めました。嫌だから、ではないのです。

 ただ、一呼吸おいて、魘されたような思考を揺り動かし、如何にはしたなき行いに没頭しているのか、自覚する心算でした。

 でもそれは叶わぬ試み。

 意図とは裏腹に、私の身体は、今度こそあなた様がくださる快楽を、余すことなく味わおうと躍起になっていました。

 理性は呆気なく愛欲に押し流され――再び唇が合わさったとき、私は舌を自ら差し出しました。

 
 じゅぽ、ぬちゅっ、れるちゅっ、くちゅぅ、じゅ…………にゅちゅりゅちゅりゅちゅ……ぅ 

貴音「ふぁ。あぉあんっ、れろぉ、んろ……ぉ、ぷほっ、ふぅ……んちゅっんっん…………っ」 



 舌を扱き、扱かれ。唇を吸い、吸われ。涎を啜り、啜られ。粘膜を舐め、甘噛みし。

 分厚い肉と肉が絡み合い、互いの唾液に塗れました。

 咀嚼音にも似た、他の者が聞けば眉を顰めるような水音が、粘ついた闇の中で幾度と無く滴りました。

 常ならば、私も良い心地はしないでしょう。でも今や、その音こそが、私の成就の証でした。

 外と扉一枚隔てただけの場所で、あなた様と共犯者のように快楽を弄んでいることが、私を一層昂ぶらせました。

 やがてその刺激にすら順応し始めたころ。私は気づいてしまいました。

 胸のぼたんを外すあなた様の右手。

 臀部の位置を確かめるような左手。

 そして、幾重の布を隔てて、下腹に押し当てられているもの。

 それらから予見される行為。

 私は、気づいてしまいました。

 きすとは、入り口なのだと。

 必ずや、『その先』に想いを馳せつつ行う、尊くも卑しい業なのだと。






 死んでもいい。






 それが、真先に浮かんだ言霊でした。




――――――――――――――――――――――――――――――――


 靴は二人して脱ぎ散らかしました。

 斯様な真似は初めてのことでした。

 でも、きっと最後にはならない。

――――――――――――――――――――――――――――――――


 ぎしっ、ぎしっ、

 つちゅっ、じゅく、ぐちゅっ、ちゅ…………ぷじゅくじゅちゅ、

 とろ……ぉ、


貴音「んっ! んあっ、やっ、ちゅ……んっ、あな、た、さまぁ、やっ、見ないで、あぁ……っむ」


 生まれたままの姿となった私は、寝床であなた様に犯されています。

 私の秘処を指で弄びながら、指と指の間に伝う愛液を涎の様だと意地悪くのたまうあなた様に、私は言い訳も出来ず身を捩るばかりでした。


 ちゅっ、ちゅうっ、れろ、ちゅぱ……っ、くちゅちゅっ
 
 ちろちろっ、ちゅ……うっ、ぢゅぱっ!!

 ぎし……、ぎしぎし、ぎ…………ぃ、


貴音「かはぅ……うぁっ、んふっ、んくぅ、むっ、んむちゅ……や、待っ……あん、ん…………ひぅ! あっああっ!」


 胸といわず腿といわず、暴かれた肌にまできすが及び始めます。私の知らぬ刺激をひとつ、またひとつと穿たれるごと、神経が蕩けていくような感覚に溺れました。

 負けじと、あなた様の身体に斑点を残そうとしても――私の背筋をすする、指とも舌とも唇ともつかぬ愛撫の伝播に脊髄が痙攣し、目の前に火花が散って、中断させられてしまいます。

 背後から、四肢は人形のように操られ、顔を寝台に押え付けられ、背筋の上で独楽でも廻しているように、不規則にくすぐられる。

 そうして自分からは見ることの出来ない場所に、いくつもの痣が描かれてゆく――その文様を妄想した途端、私はしとどに濡れたのを自覚しました。

 ぎゅむ…………ぎゅうっ、きゅっきゅっ!!

 じゅ…………ぱっ、はむっ、ちゅっ、ちゅううっ!!


貴音「はふっ、ううっ、あう、んっ!! んあぅぁぁ、嗚呼っ!!」


 乳房を引き絞るように揉みしだかれ、先端を擦られ、自慰では味わうことの無かった痛みと喜びに悶えながら、尾?骨のあたりに執拗なまで吸い付く口を感じておりました。

 そこに口付けた意味を知ることも出来ず、私はその想いに答えることも出来ぬまま、ただただ、水風船の如く快楽を詰め込まれてゆきます。


 しゅじゅ……じゅちゅっ! くちゅっ!! ぐぢゅっ!!!


貴音「あっ! んあっあっああっ、あああぁ!! あ……………ふぁ、はぁ、はぁ、はぁ!!」

 この滾る想いを、あなた様に少しでも感じていただきたいのに、私は与えられる想いで無様に決壊しそう。

 私のせいで――あなた様に一方的に、私を犯させてしまっている。

 余りの不甲斐なさに悲しくなり――そして誓いました。

 次は、次こそは――あなた様の思いに答えてみせる。

 だから、もう。
 






貴音「――あにゃ、あなた、さまっ」


 気づいておりました。あなた様と絡みあっている間中。

 指に、肘に、肩に、背中に。

 踝に、脛に、腿に、腰に。
 
 鎌首を擡げたあなた様の猛りが、驚くほどの熱さと質量で幾度となく、触れているのを。

 気づいておりました。

 その度に私の心の臓が波紋の様に高鳴り、欲望を深化させてゆくのを。 


 もう、我慢することは御辛いでしょう?

 私も同じなのです。だからもう、あなた様。





貴音「あなたさまぁ…………っ」



 この唇に。

  止めを刺して。



 懇願の言葉の代わりに、私は力を振り絞り、戦慄く両の膝に手を添えました。


…………ぐぱぁ
 

 既に力の入らぬ足は蛙の様に開いて、ひくひくと、くちをあけていました。
  
 同じように涎を垂れ流す此処の、最奥にまであなた様が至る。それだけを期待しておりました。












貴音「あむ――――んぐっ!! うっんあんっ、んむ、んんんんんんん…………ぃ!!!」








変な奴らわいてるけど気にしないで自分のペースで完結してくれ

 あなた様が押し通るとき、みち、みちと、繊維を引き破るような感覚で私は心乱され、ただただあなた様の背中に爪を立て。

貴音「ひき……ぁ。んあっ、ん、ちゅ、む……ぅ」

 腰に脚を巻き付け、振り飛ばされぬよう必死に絡み付いていました。

 されど、それ以上に残っている感覚があります。

 それはくちづけ。

 組み敷かれたまま落とされる接吻と共に、泡立つ唾液を嚥下する毎に、破瓜の痛みを麻痺させ、悦びを芯まで透過させるような温かさが、私を満たしてゆきました。


 れろるちゅっ、むちゅ、しゅちゅっ、あむ……ゅ、

 ちゅっ、くちゅっ、ちゅっく…………ゅ、くちゅっりゅう……ぅ、

貴音「あむぷはっぁ、ふはぁ……うぁ、んあっあっ、むんみゅっ、あんっ」


 あなた様がくれるそれは、熱く、冷たく。浅く、深く。甘く苦く。優しく強く。

 私が差し上げたそれは、あなた様にとってもそのようにあったのでしょうか。

 愛の情以外を伝えた積もりはございません。

 こちゅ、こちゅっ、じゅちゅっじゅちゅぐちゅぐちゅつちゅっ、こつゅ…………ぅ

貴音「っはんぁ、あんっ、あな、あなたっ、さまっ、あんっあっむっんっんっんっ」


 口同士の交接に負けず劣らず、縺れ合う生殖器からも熱いきすの音がしました。

 尻肉をばねの様に弾ませて、勢い任せに感部が接吻しました。

 一本串が、私を割り入り、入って、出て、奥でひしゃげて、奥を潰して、また戻る。

 その都度私は、口では悲鳴を上げ、実のところ悦びに喚いておりました。

 互いの粘液でぬらぬらと溶け合い、境界さえあやふやになって――貫かれた直後の痛みは殆ど薄れていました。

 立ち代りにあらわれたのは、やはりこれまでにない快感と、自慰では決してもたらされることの無い充足感。

 あなた様とひとつになっているという実感。

 肢体の上下を差し込まれている今、汗に塗れた乳房は胸板に押し潰され、膣奥から押し上げられている下腹と腹筋は擦れ合って、あなた様との間に離別は髪の毛一本分もありません。

 あなた様が動けば、私も動いて、


貴音「あ、あんっ、あんっ、んあっ、あっぁ、あっあっんっんっんんっんぁ」 


 褥の上で、ひとつのいきもののように私達は蠢きました。


貴音「あっんあっんんんん――――ぁ!」

 やがて、私の昂りに、絶頂が見え始めます。

 眼前がばちばちと暗転し、内から外へ血流が沸き立つような、夢と現の際。

 しかし、しがみついたあなた様の腰も、痙攣していることがわかりました。

 本能でわかりました。 

 数瞬後に為されるであろう営みを予見し、私の細胞は歓喜しました。

 その瞬間めがけて、あなた様と私は最後の互い違い。


 私は舌を突き入れ、あなた様は腰をたたき付けました。


貴音「はふ、うあぁ。ああっ」




 先走りの一滴が、私の子宮に滴り落ちて、じゅうと音を立てました。
 
 それがとどめ。



貴音「あく、あっ、嗚呼、あああぅあ!! ああっあ、っあああああぁ、あああああああぁ!!!!!!!」

 どぷっ、びゅきゅっ、びゅちゅっ、びゅるるるるっ!
  
 滂沱と流れ込んでくる濁流が私にそそがれ、そそがれ、そそがれます。


貴音「あああっ、やあっ、あなたさまっ、すき、すきっ、いやっあっあっあっああああぁあぁあぁぁぁ……っ!!」

 びゅぶっ、ぐびゅるっ、びゅぷびゅくっ、


 きっと蜂蜜に溢れる壺の様相。


貴音「いあぅあ、ふあふはっ、ああっ、んあっあ、あ。ああ。あああああ――――ぁ」

 とくとく、とぷぬぷ、とぷ、とぷ、とぷ……ぅ、


 甘美な法悦が最後の理性を溶かし尽くしました。

 神経を雷撃に打たれ、私の体は振り絞られる弓の様に仰け反っておりました。

 

貴音「うあっ、ああっ、あ、ふあぁぁぁぁ…………ひぅ、ぁ…………っ」

  
 
 ひとしきり四肢を引き攣らせたのち、急速に、意識に闇が押し寄せ、私は奈落を漂うような感覚に教われました。そう幽体がこの身を離れるかのような。


 喘ぎによる息苦しさすら法悦の余韻にかき消され、夢に堕ちるその間際。
 
 まろび出ていた舌に、舌が重なるのを感じました。

 安堵と共に、私は意識を手放しました。 

 そしてどこまでもおちてゆきました。 

 この唇に残るものだけは忘れぬよう、おそれながら祈りながら。




――――――――――――――――――――――――――――――――




 ――――プロジェクトフェアリー様で 『KisS』 でした!! 皆様、このたびのフェスの最優秀ユニットに大きな拍手を!!!




P「みんな、今日のは伝説になるぞ! さあ今から打ち上」


美希「/ \ ア アアアァ=ィィィィィィィィィィィィィッ ♪」ドドドド!!


P「?!」

美希「とうっ、なの!!」ピョーン

P「がふ!」

美希「ねぇねぇ、ミキどうだった? キラキラしてたでしょ? ねえねえ!!」ギュウギュウ

P「あ、ああっ、とってもキラキラしてたぞ、だからちょっと落ち着い」


響「プーロデューサー!!」ドドドドド!!!


P「?!!」



響「とうっ、だぞ!!!」ピョーン

P「ごふっ?!」

響「じ、自分だってサイコーだったでしょ? ぜーんぶプロデューサーが言ったとおりに出来てたでしょ?! ねえねえ!!」グイグイ

P「も、勿論サイコーだったぞ! だから離れ……」


貴音「…………」ジー


P「?!!」

貴音「…………」チラッ

P「…………」

貴音「…………ぁ」モジモジ

P「…………っ」


美希「あふんふー、ん? あれ、貴音来ないの?」

貴音「い、いえ! 私は、その……」

響「プロデューサーならなんくるないさー、自分たちくらい受け止めてくれるよ、ね?」


美希響「だって、ねえ?」クスッ


貴音「……あ」

貴音「あ」ジリジリ


貴音「あなたさまぁぁぁぁ!!」



美希「貴音も悩みが解決して一安心、なの」ギュー

響「そうだね、えへへ」ギュー

貴音「むぅ……隠し事をしておいてぬけぬけと」ギュー

美希「ミキはどっちでもよかったんだけど、響がダメって」ギュギュー

響「だ、だってそーゆーのは、自分で言わないとダメじゃないかなって……自分は、そうだったし」ギュギュー

貴音「……確かに。響、あなたの言うとおりです。この告白は、自らの口でなければいけない――んっ」ギュギュー



美希「それじゃあ、打ち上げの後は。ね」

響「……うん!」

貴音「――ええ」









――――――――――――――――――――――――――――――――どこにキスしてほしい?








これでおしまいです。
お付き合いくださったかた、ありがとうございました。

すげぇ良かったわ・・・貴音可愛いハーレム最高エロ最高

乙です


おっきした

変なのが居て大変だったでしょうが、良かったです。
貴音は、殊に語彙が大事だと思うから、勉強にもなりました。

最後の描写訳わからんし、俺は好きになれないかなぁ
まあ乙

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