「ね、ねぇ義之?」
「ん、どうした?」
「明日って何の日か、わ、分かる?」
「明日?……日曜日?」
「…………」
「おーい、大丈夫かー小恋?」
「はっ!え、あ、うん大丈夫……そ、それより明日は……」
「いやどうして明日に拘るんだよ?」
「いや、あの、それは、その……」
「俺が本当の気持ちに気付いて小恋と依りを戻したのはまだ先の季節だし、俺達どっちかの誕生日でもなし……うーん、何かあったか?」
「あ、うん、え、えっと……分からないなら、べ、別に……た、大した事じゃないから!」
「?まあ良いなら……ほら、行こうぜ」
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「なんて事がありまして……」
「あらら~、鈍感もここまで来ると流石の茜ちゃんでもちょっと……杏ちゃんはどう思う~?」
「……あのバカは通常運転。小恋、アンタの押しの弱さが義之の鈍感を進行させているのよ」
「じゃ、じゃあどうすれば……」
「……どうするも何も、まだナニの一回もしてないんでしょ?」
「う、うん」
「だったらチョコに媚薬でも仕込んどきなさい、そうすれば万事解決よ」
「ワオ、杏ちゃんダイターン!」
「そ、それは流石に……」
「まあ今のは3割方冗談だけど」
「7割は本気なの!?」
「ンフフ、仕込むなら私もお手伝いするわよ~」
「茜まで!?」
「まあその話は今は保留で」
「あらら~残念」
「男なんてクオリティーに関係なく手作りってだけでイチコロよ。ああ、あのくらいバカで鈍感の場合意味には気付いても意外と難攻不落だから背中から抱き付いて胸を押し当てるくらいしないとナニまではイかないだろうけれど」
「む、胸……うぅ……」
「小恋ったら純情ね~」
「まあ、ようやく付き合えたんだから頑張りなさい。私達はバカその2とその3で遊ぶから」
「でも手作りチョコ何だよね~。まあ私もだけど~」
「幼馴染みの好(よしみ)って奴よ、それにしっかり遊ぶから手作りにするのよ」
(む、胸……胸……)
(義之だって男の人だもんね……胸に興味くらい……はっ!)
(ひ、閃いたかも!)
バレンタインデー・キッス【Canvas2】
バレンタインデー・キッス【Canvas2】 - SSまとめ速報
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-義之宅-
「なあなあ義之、明日ってバレンタインだろ?俺チョコ貰えるかな?貰えるよな?」
「あー、そういや明日だったかー」
「なっ!?義之……自分がリア充だからって余裕こきやがって!このラブルジョア野郎!」
「フフフ……同志板橋よ、桜内のこれは今に始まった事ではなかろう……それに案ずるでない、お前もチョコは貰えるだろう……義理だろうがな」
「うおっ、杉並!お前いつの間に……」
「アイツ等のアレはヤバイから除外だ!てか杉並もどうせチョコ貰えるんだろ?」
「同志桜内よ、これも何時もの事ではないか。俺は存在していると思えば存在し、存在しないと思えば存在しない……言わばシュレティンガーの猫理論の猫と同等の存在だ。それと同志板橋よ、お前も見てくれは悪くないのだ、多少は性格を改善してみてはどうだ」
「また訳の分からない事を……まあ渉がモテないのはその変態染みた性格だって言うのはみんな知ってるけどな」
「な、何をー!?エロは男のロマンだろ!エロ無くして俺は生きて行けない!」
「もっとオブラートに包めって言ってるんだよ、そうすれば多少は女子の見る目が変わると思うぞ」
「そうだ、同志板橋よ。モテたいなら変われ、さすれば栄光の架け橋が見えてくるぞ」
「栄光の……架け橋」ゴクリンチョ
(なんか空気なんだけど)
「ところで同志桜内よ、月島とはどうなのだ?」
「どうって?」
「そりゃオメー、月島とは宜しくやってるのかって事だよ!一回オメーがバカやらかしてるから確認してるんだよ!」
「いやバカって……まあ確かにバカやらかしたけど。だからって二回もはねえよ、もうちゃんと自分の心に毎日毎日問い掛けてるから問題無いはずだぜ」
「それは殊勝な心掛けだ、その息なら女泣かせの汚名も時期に晴れるだろう。そしてその第一歩としてなにか日頃の礼として作ってみてはどうだ?」
「なんか案はあんのか、義之ー?」
「日頃の礼ね……そう言えば古い雑誌に逆チョコ、なんてのがあったな」
「ほう、明日はバレンタインデー、丁度良いではないか」
「まー精々泣かせんじゃねーぞ!俺が何の為に諦めたか分かんなくなるからな!」
「分かってるよ。よっし、んじゃ渉と杉並も作ろうぜ、チョコ」
「そうか、自分でもアッピール出来るって事か!義之、その話乗るぜ!」
「同志達が逆チョコに講じるのであれば、俺も乗るのが筋だろう」
「うっし、それじゃ頑張ろう!」
「燃えてキターー!!」
「ま、程々に仕上げてしまうとするか。同志達とは違って俺には目的が無いからな」
(……あれ?そう言えば小恋がなんか明日がどうとか言ってた様な……まあ気のせいか)
音姉も可愛いが由夢が一番だな
「よし、出来た!」
「へぇ、どんなのどんなの?」
「え、えへへ。上手く出来たと思うんだけど……」
「ふーん、小恋にしては上手く出来てるじゃない……見てくれは」
「むぅ……ちゃ、ちゃんと二人用にも作ったから、その、試食してみて、ください」
「おお~!どれどれ?……フムフム、中々イケるじゃない!」
「まあ、合格ね。なら後は渡し方ね、まず正攻法じゃあのバカを落とすのは絶望的よ」
「その、渡し方も自分なりに考えたんだけど……」
「小恋ったら積極的ね~」
「で、その渡し方ってどんなの?」
「え……言わないとダメ……?」
「って言うか~?」
「実践してみせなさい」
「え……」
「見たいなぁ、小恋渾身のアイデア」
「早く見せないと盗聴して入手した小恋の喘ぎ声義之に送り付けるわよ」
「えぇ!?どうしてそんなの持ってるのぉ……うぅ~見せるから止めて~」
-実践後-
「……な、何と言うか、意外だったわー……」
「成長したわね……頑張りなさい、今の小恋ならイケるわ」
「う、うん!頑張る!」
無印かと思ったのに
いや別にⅡもすきだからいいけど
曲芸商法にはうんざりした
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