【艦これ】伊168「好きって言って欲しい」 (28)


伊168(以下イムヤ)「―― のだけれど」

提督「俺にか」

イムヤ「ええ」

提督「…… そうさな… とりあえず入渠してこい」

イムヤ「今じゃなきゃ嫌なの」

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提督「我が儘だな」

イムヤ「そっちこそ、いつまで言わないつもり?」

提督「…… 入渠し終わったら言うから」

イムヤ「今じゃなきゃ嫌」

提督「えぇ…」


イムヤ「ほら、言って」

提督「なんでまた急に」

イムヤ「だって… 聴きたくなったから」

提督「理由になってないんだけど」

イムヤ「いいじゃない! 嫌いになったの?」

提督「そんな訳無いだろ」

イムヤ「じゃあ、好き?」

提督「ああ。ほら、言ったぞ。入渠してこい」

イムヤ「だめ。『好き』って言ってないもの」

提督「……」


提督「ほ、ほら、今後処理が忙しくてな」

イムヤ「でも喋れてるじゃない」

提督「うぐっ… だから、入渠してきたら言うって」

イムヤ「今じゃなきゃ嫌なの!」

提督「うぅ… 分かった、言う! 言うから!」

イムヤ「」ドキドキ


金剛「ヘエエエェェェェェエエッッッイ!!! テートク!! 決まりましたカ!?」バァァン


提督「」

イムヤ「」フッ

金剛「エッ、なんデスかこのアトモスフィアは…」

イムヤ「砕けろ」

金剛「アウッ! やめるデース! な、なんで叩くデース!」ピャアア


榛名「あまりお姉様をいじめないで頂けますか… ?」クスクス

イムヤ「いきなり入ってくるそっちが悪いのよ」

金剛「うぅ… 待機してマース」

提督「うん」

イムヤ「…… ふぅ、さぁ!」

提督「なんか言う気なくなっちゃったよね」

イムヤ「なんで…」


川内「何をやっているのかと思えば、本当にくだらないことしてるね」

イムヤ「く… くだらないってなによ!」

川内「いや、だってさ、二人共強情すぎ、これじゃ何時まで経っても進めないよ?」

提督「イムヤが入渠すればいい話だ」

イムヤ「司令官が一言言えばいい話よ」

川内「全く…」


川内「もう付き合ってられないわ… 私も待機してる。荷物はもうまとめてあるから。那珂は知らないけどね」

提督「了解」

川内「…… 程ほどにね」

イムヤ「司令官がね」

提督「イムヤがな」

川内「ハァ…」ビュン


イムヤ「うぐぐ…」

提督「んむむ……」


朝潮「司令官…(ガチャ) 朝潮型、並びに睦月型、吹雪型、暁型、陽炎型の準備が整いました」ビシッ

提督「そうか、報告ありがとう、待機していてくれ」

朝潮「了解。失礼します」ガチャ

提督「…… ほら、もうすぐだ。潜水艦の入渠ならすぐだろ?」

イムヤ「………」ツーン

提督「イムヤ?」

イムヤ「………」ツーン

提督「…… イムヤさん?」

イムヤ「… 言ってくれるまで動かないから」ツーン

提督「んん……」


古鷹「失礼します。重巡、及び航巡の出発準備が終了しました」ガチャ

提督「あれ、早かったね。鈴谷とか加古が居るから最後になるかなって思ったんだけど」

古鷹「… まぁ、今日くらいは… 皆さんふざけたりせずにしていました」

提督「そっか… ありがと」

古鷹「いえ、では待機しています。失礼します」ガチャ

イムヤ「………」

提督「… (ピポパ) …… ん、もし、イク? うん、ちょっと司令室来てくれない? ああ、ろーちゃんも、うん、よろしく」

イムヤ「…… 何する気?」

提督「貴女を動かします」

イムヤ「無駄よ… 今の私なら、きっと何にでも耐えられるわ」


<コンコン

提督「お、早いな。入っていいぞー」

長門「失礼する。全戦艦、身支度が整った」

提督「ああ… 長門か。ん、了解した。あとは――」

伊19(以下イク)「お呼ばれなのね! どうしたの?」ピョコ

呂500(以下ろーちゃん)「ろーちゃんもお呼ばれされたの久しぶりですって!」

長門「ん? なんだなんだ」

提督「ああ、気にしないでくれ。報告ありがと、待機していてくれ」

長門「あ、あぁ… 失礼する」ガチャ


提督「… 二人にはイムヤをドッグまで引き摺っていってほしいんだ」

イク「えぇ… 面倒くさいのね」

ろーちゃん「なかなか難しそうですって」

イク「提督、なにしたの?」

提督「まぁ… お互いに意地を張っているだけだ」

ろーちゃん「いつものことですね!」

イク「… ご褒美は弾んで欲しいのね」

提督「ああ、分かった」

イク「さ、イムヤ! 行くのね」

イムヤ「………」ツーン

ろーちゃん「行きますって~!」

イムヤ「司令官が『好き』って言うまで、動かないわ」

イク「…… 提督?」


提督「………」(ハンドサイン)


イク「!」

ろーちゃん「大丈夫ですって! 行きますって!」

イムヤ「動かないったら!」

イク「… ふっふっふ… イクの使われなかった秘蔵玩具が火を吹くのね」フフフフ

イムヤ「」


イムヤ「…… 分かったわ… 行けばいいんでしょ? 行けば!」

イク「なんだ、結局使われなかったのね」

ろーちゃん「こっちですって~」

イムヤ「知ってるわよ!」

イムヤ「………」

提督「」カリカリ

イムヤ「………… 馬鹿」

<バタン


提督「… こんな事を… そんな姿のお前に言えるかよ」ボソッ


飛鷹「失礼します。軽空母、準備終わりました」

赤城「正規空母も終了しました」

提督「ああ、ありがとう。お疲れだったね」

飛鷹「隼鷹… 酒飲んでなかったのよ」

提督「… あの隼鷹が?」

赤城「加賀さんと瑞鶴さんも協力し合ってました」

提督「なん… だと…」

瑞穂「失礼します―― あら、お二人共いらっしゃったんですか」

赤城「あら、どうも」

飛鷹「」ペコ

瑞穂「水上機母艦、並びに補給艦、揚陸艦、練習巡洋艦、工作艦、準備終わりました」

提督「ん、お疲れ様」

瑞穂「いえいえ」

赤城「では」

飛鷹「…… ご健闘を」

瑞穂「ぐっどらっく、です!」

提督「ワハハ…」


ゴーヤ「…… イムヤはまだでち?」ガチャ

提督「やっとのこさ入渠させてる」

ゴーヤ「イムヤ以外は準備できてるよ。待ってるでち」

提督「ん、ありがと」

ゴーヤ「………」

提督「ん、どした」

ゴーヤ「… ちょっと面倒くさい所もあるよね」

提督「… うん、まぁ」

ゴーヤ「でも?」

提督「そこが可愛い」

ゴーヤ「…… しっかり守ってあげてね」

提督「… ああ」


イムヤ「―― 戻ったわ」

提督「ん、お疲れ」

イムヤ「さぁ、しれいk――」


提督「―― 総員、鎮守府正面玄関前へ集合」(アナウンス)


イムヤ「えっ?」

提督「イムヤも、荷物はまとめてあるだろ?」

イムヤ「ま、まだよ!」バタン

提督「よしよし」


<ザワザワ… ザワザワ…

提督「えー、あー、マイクチェックマイクチェック」


提督「―― 終戦の二文字が発表されてから、一月が過ぎた」


提督「知ってのとおり、これから君達は、艦娘ではなく、ただの一人の人間として生きていく」

提督「今この時こそ、別れの時」

<カッコツケテンジャネェーゾ! テンリュウチャンナイテルノ?

提督「…… まぁ、二度と会えなくなる訳じゃない。むしろ、これからが楽しいはずだ」

提督「それぞれの道、それぞれの未来… いろいろある。そう、例えば、本当の結婚」

<ザワザワ

提督「…… 今日という日に、全員にケッコン指輪を渡した俺は、ずっとこうする事で、ケジメを付けるべきだと考えていた」


イムヤ「ご、ごめんなさい! 遅くなったわ――」


提督「俺は… イムヤと共に生きてこうと思っている」





イムヤ「……… え?」


提督「イムヤ、荷物置いて、こっち来て」

イムヤ「え、ええ? え、ちょっと… なにこれ、え?」

提督「いいから」

イムヤ「」ドキドキ



提督「…… 俺と、一緒に来てくれ。イムヤ」


イムヤ「―――― も、勿論よ」ブワッ


加賀「では… この指輪はもう必要ありませんね」スッ

赤城「そうですね… あ、でも売れば何かにかえれるかしら」スッ

古鷹「赤城さん、野暮ですよ」スッ

鈴谷「結構気に入ってたんだけどなぁ」スッ

朝潮「… もう、これがなくても繋がっているって、分かっていますからね」スッ

天津風「良い事言うじゃない。それじゃ――」スッ


ゴーヤ「結婚、おめでとう、イムヤ」スッ


雪風「それーっ!!!」ビュン

―― 大量のケッコン指輪と共に、我が鎮守府全艦隊を、解散する。




ヲ級「ヲッ!?」(キラキラした物が沢山降ってきた、終戦条約は破られたのか――!?)

ほっぽ「ワ、キレイ…」キラキラ

港湾「ホ、ホントダ… ハイラナイケド…」キラキラ

ヲ級「ヲヲ…?」


―― リンゴーン リンゴーン

イムヤ「……… ねぇ、しれいk―― 違うわね… あ、あなた」

提督「ははは、天津風みたいだな」

イムヤ「も、もう! こんな時まで他の子の話?」

提督「ごめんって」

イムヤ「昔からそうよね。本筋から逃げるようにして」

提督「返す言葉もございません」

イムヤ「でもね、最後には、きちっとやっちゃうとこ、すごいと思うわ… ねぇ、あなた」

提督「なにかな」

イムヤ「私は、あなたが好きよ」

提督「―― ああ」


イムヤ「好きって言って?」



提督「大好きだ」クスッ



イムヤ「―― も、もう一回! もう一回言って!」



提督「…… 愛してるよ、イムヤ」ギュッ



イムヤ「―― クスッ… ずるいわ、あなた―― 私も―― 愛してる」



提督「ずっと一緒だ」



イムヤ「ええ、これからずっと、一緒に居ましょ、ね」チュッ

イムヤとイチャイチャしたかったんや… 終わりです。
見てくれた方、ありがとうございました。

素晴らしい

みんなが祝福してくれるのはいいな、素晴らしい

乙でした

乙でした

乙!

糞スレ立てるのやめてくれない?

乙!

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