【RFF】ジェルバイン「復讐の為だけに」 (6)

ルーンファクトリーフロンティアのssです。設定に矛盾があるかもしれませんがご容赦下さい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1450520088

「いらっしゃらないのですか?博士!」
巨大な王国の中に建造された研究所。そこは様々な現象、魔法、更にはルーンの研究をしている場所である。
そこで熱心に研究に励む青年...ジェルバイン。彼は幼い頃から類い稀ない知識を持っており、研究所にスカウトされて以来日夜研究に没頭している。
そんな彼は、自身の先輩...まあ上司を探している。

いったい何処にいるというのだ...かれこれ1時間は探しているが、このままでは私の研究が進まないではないか。

「博士ーッ!いい加減に出てきて...ってここにいらっしゃったんですか」

「ん?ああ...ジェルか。一体何の騒ぎだ、これは?」

ーーこの男。もう忘れていやがるのか。

この男がジェルバインの上司である。物忘れが激しく、自己中で、我儘放題なダメ男。・き上げた朱色の髪には就寝後特有の跳ねが見られ、口からは透き通った唾液が顔を出している。

「...博士が言ったんでしょう?研究の結果が出次第、俺の元に持ってこい...って」

「だったっけかなあ。この時間帯は前々から次の研究のテーマを決めるための瞑想時間に指定しているんだが」

「アンタ寝てただけでしょうが!何カッコつけていってんですか!」

この男。見てくれは唯のダメ中年だが、研究者としての腕は一流である。数々の結果を出し、この研究者での実質的トップに立つ男。侮れない。
だが、結果の裏にはジェルバインのサポート...の域を超えた手伝いもある事は忘れてはならない。

相変わらず生活には無頓着な男だ、とジェルバインは思う。一旦スイッチが入れば並々ならぬ才能とカリスマ性を発揮するのだが、普段がこれでは...。

(この人がルーンの謎をほぼ解き明かした人物なんだと誰が思うのだろうな)

唯、ジェルバイン自身は彼の事を尊敬している。研究者として大した実績も残さず、ちまちまとくだらない研究をしている凡愚共よりかは幾分も信頼できる。

「それで?結果っつうのは?」

「あ、はい。これを」

と言って手渡したのは小さな結晶だった。何も知らなかったらゴミだと思って捨ててしまっても仕方がないだろう。

「...なんだこりゃあ。魔力の欠片か?」

「いえ。ルーンを原動力とした熱を放つ物質です」

ーールーンとは、この世界に存在するエネルギーである。
それが何処から来て、何時から存在したのかは誰も知らない。当たり前に存在するエネルギーである。
代表的なエネルギーとして、、水、空気、ルーンと数えられるほどである。

「...ルーンを原動力としたモノなら腐るほどあるぜ。魔法がそのいい例だろうが」

「いえ、これは唯の原動力ではありません!」

ジェルバインが言うには、今の機械は全て魔法で動いている。それが一般的であり、隣国『ゼークス帝国』が使用している兵器もそうである。

「ですがこれは違います。従来はルーンを魔法に変換しなくてはならなかった所を、ルーン単体で原動力になるのです!」

「どういう事だ?」

「変換をしない事で無駄な効率を省きます。エネルギー効率は良くなり、魔法では実現出来ない程の動力源として利用できます!これで兵器にも」

「ジェルバインッ!!!」

上司が声を荒げた。先程までのだらけたような雰囲気とは全く違う、激情を露わにした怒声であった。

「ルーンのエネルギー研究を魔法以外、ましてや“兵器”に転用するのは禁じられていたはずだ!!テメェ法を犯す気か!!」

「法!?法がなんだというのです!!私達は研究者だ!研究の為なら法を犯す事くらい...!」

「馬鹿ヤロウッ!!!研究以前に守るべき秩序ってもんがあるだろうが!!」

互いに譲らぬ口論。お互いの理念、それが正しいと信じる故に引けぬ争いであった。

「秩序に縛られていては新たな道は開けない!!一生変わらぬまま」

「ジェルバイン!!!!」

ジェルバインは押し黙った。恐怖ではなく、威厳によってもたらされた結果であった。

「...貴様の役割は何だ?ジェルバイン」

「...研究者です。しかし」

「そうだ、研究者だ。俺らは研究者。それ故に超えてはならないラインがある。貴様は犯罪者となる気か?」

「犯罪者...。たとえ革新のためならば私は...」

拳が強く握られる。爪が皮膚に食い込む。だが、そんな事はどうでもよかった。自分の意思を伝えたかった。理解して欲しかった。認めて欲しかった。だがそれももう叶わない。

「いずれ...いずれ必要となるのです。この世界の為に...。どうかわかって下さい...」

ジェルバインは背を向けた。心より尊敬していた上司に。これ以上否定されたくなかったから。失望したくはなかったから。

ーーこれが、彼らの研究者としての最後の会話になるとも知らずに。



「ジェルバイン...わかってくれ。俺達は研究者だ...。法を犯していいわけじゃねえ。今のお前とお前の考えは...周りから『異端者』として見られちまうんだ...。...何故...」

彼の悲鳴も、もう届く事はない。

まだこれしか書いてないです(半ギレ)。書き終わり次第投稿しますが明日になりそうです。
私はトロピカルーン量産に忙しいんだ、邪魔しないでくれ給え

興味深い!!!!!!

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