みりあ「みりあはやらない」 (14)

ーーーあの頃

無邪気で何にでも興味を示していた頃の私。

仲良しだった莉嘉ちゃんと二人で、事あるごとに言ってたっけ。

「みりあもやるー!」

なんてね。

それはシンデレラプロジェクトの日常風景。

それが……まさかあんな事になるなんて、思いもよらなかった。

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「お疲れ様でしたー!」

「ねぇねぇしまむー、しぶりん!この後カラオケ行かない?」

「カラオケですか?良いですね。行きたいです!」

「あ…ごめん。今日家の用事があるからもう帰らないと」

「ありゃ残念。じゃあまた今度にしますか」

「そうですね。二人だけで行くのも何ですし」

「他に誰か誘ってみたら?」

「うーん…誰かいるかなぁ」

「ヤッホー★なんの話してんの?」

「美嘉姉!」

「これからカラオケに行こうかって話していたんです」

「でも私が行けないから、他に誰か行ける人いないかって」

「お、だったらアタシ行っていい?」

「勿論!」

「はい!楽しみですね、」

「仕事でいつも歌ってるけど、なんかたまーにカラオケで歌いたくなっちゃうんだよね」


「カラオケ!?」

「あ、みりあちゃん」

「みんなカラオケ行くの!?みりあも行きたい!!」

「おお!やる気満々だねー」

「じゃあこの4人で行きましょうか」





「待って。みりあはまだ小学生だし、あまり遅くなると危ないんじゃない?」

「あ…そっか」

「えー!みりあもカラオケ行きたいー!」

「でもお家の方も心配するんじゃ……」

「大丈夫大丈夫。アタシがちゃんと家に送ってくから♪」

「アタシみりあちゃんの家も知ってるし♪」

「そう…それなら安心かな」

「やったー!美嘉ちゃんありがとう!」ギュッ

「愛を込めてずっと歌うよぉぉぉぉ♪」

「しまむー上手ー!」パチパチパチ

「お疲れー!」

「自分の歌を歌うのって変な感じがしますね」

「分かる分かる。えっと次は…」

「はーい!次私ー!」

「みりあちゃんかー(録音しておこう)」

「わぁ、懐かしい曲ですね」

「うん!この前アニメの再放送で聴いたの!」

タッタッタッタッタッタッタッタッタータター
タッタッタッタッタッタッタッタッタータター

「眠れないよーるー♪君のせいだよぉ〜♪」

「さぁっき別れーたー♪ばかりな〜のに〜♪」

「みりあちゃん可愛いですね」

「うんうん。子どもらしくてよろしい」

「………」

「美嘉姉?」

「…………グスッ」ウルウル

「……‥泣いてる…」

次の日

「…………」

「城ヶ崎さん」

「……待ってたよ。プロデューサー」

「お話というのは一体…」

スッ

「これは?」

「まずは聴いて」

「はぁ……」スッ

武内P「…………」

「はじめてーのチュウ♪君とチュウ♪」

「!!!!!!」

ガタッ!

「城ヶ崎さん!」

「………」コクリ

「………」コクッ

「皆さん、おはようございます」

「おはようございます!」

「今日は皆さんにお知らせがあります」

ざわざわ…

「なんだろ…」

「大きな仕事かな?」

「プロデューサーさん。それでお知らせって何ですか?」







「………赤城さんにソロデビューをしていただきます」






「え?」

発端はあのカラオケ。

私の歌を美嘉ちゃんがプロデューサーに聴かせて、そしたらソロデビューする事になって………

まず最初に出したのはあのカラオケで歌った曲のカバーだった。



とときら学園である程度知名度を得ていたのと曲自体が有名なのもあって、結果は上々。連日テレビでも大いに取り上げられた。


そこで出したのが2ndシングル。初めて私だけの為に作られた曲。

正直な話、曲自体は決して絶賛するような出来ではなかったと思う。

現に今でも、インターネットで「クソ ラップ」と検索すると真っ先に私の曲が出る。

しかしそれでも私の歌は大ブレイク。
何処へ行っても私のラップが流れていた。

クレラ◯プのCMの子役も私に変更された。

そして気づけば私は346プロNo.1の稼ぎ頭になっていた。

はよはよ

はよ

期待

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