東京 名もなき寺院
ザッザッザッザッ…
ヤタガラスの使者「御免下さい…」
tさん「は~い…ってあんたヤタガラスの…また何かの依頼か?」
―特務機関ヤタガラス―
…この国の闇の部分、世間一般には表沙汰にできないような事件や超常現象の解決をひと手に引き受ける政府公認の特務機関である…
ヤタガラスの使者「はい、察しが良くて助かります…」
ヤタガラスの使者「政府高官のとある御仁からあなたに直接依頼がきています」
tさん「なんか穏やかじゃないな…」
ヤタガラスの使者「依頼主は…小泉様です」
tさん「…!…小泉って…あの元カリスマ総理の…!!」
ヤタガラスの使者「はい…そしてその依頼内容は…」
tさん「…話は分かった…とりあえずその依頼を受けるよ」
tさん「依頼内容は、最近自衛隊内で不穏な動きがあって…」
tさん「しかもそこに怪異の存在が確認されたから、俺に解決して欲しいということか」
ヤタガラスの使者「そういうことです…」
ヤタガラスの使者「そして今回…あなたは禍津神や国津神と対峙することになるかもしれません」
ヤタガラスの使者「依頼を寄越しておいてなんですが…どうか気を付けて下さい」
―永田町 某所 料亭―
tさん『失礼します』
???「忙しいところ呼び出して悪いね。…まぁ入りたまえ」
…ガラッ…スッ…
tさん「始めまして…小泉さん。今回の依頼を担当させていただく運びとなりました、tと申します。よろしくお願いします」
小泉「あぁ…君の事は噂で聞いているよ。何でもあのカルト教団“オーム”を壊滅させたのも君だとか…」
小泉「“オーム”の教祖、荒ぶる現人神こと“荒人神”松元は手強かっただろう?」
tさん「えぇ…ヤツにはてこずらされましたよ…」
小泉「はっはっはっ!…そうだろうな…公安のエリート達が束になっても敵わなかったからねぇ」
小泉「君は本当に優秀だな」
tさん「いぇ…そんなことは…」
小泉「なに、謙遜することはないよ…」
小泉「…さて、話が逸れてしまったが…君は枝野という男を知っているかね?」
tさん「枝野…現官房長官の枝野氏ですか?」
小泉「いかにも。…最近彼の周りで良からぬ噂が絶えなくてね…」
小泉「部下に調べさせたところヤツが自衛隊を掌握して“超力自衛隊計画”なるものを画策していることが分かったのだよ」
tさん「超力…自衛隊計画」
小泉「あぁ…まずは今から渡す資料に目を通して欲しい。…おい!タイゾー!」パンパン…
…ガラッ…スッ…
tさん「!!」
タイゾー「お呼びですか?閣下。」
小泉「うむ。枝野の部下から押収した資料をt君に渡してくれ」
タイゾー「はッ!!」
タイゾー「どうぞ…これが“超力自衛隊計画”の概要です」
tさん「…どうも」
tさん「これは…!!…最凶の禍津神“アマツミカボシ”の力をもちいた…人造兵製造計画!?」
小泉「うむ…これがもし実現されればこの国の未来を揺るがしかねん」
小泉「枝野はこの計画の“超力兵”とやらを用いてg8の国々とやりあうてもりらしい…」
tさん「やりあうって!…戦争をですか!?」
小泉「あぁ…もはや狂気の沙太としか思えんが枝野は本気らしい。」
小泉「そして最近…ヤツの盟友である前原外相が目立った動きをしている…まずはそこを探って欲しい」
tさん「分かりました」
小泉「頼んだぞ…」
タイゾー「…」
―数日後 深夜 東京郊外某所―
tさん(ここ数日つけてみたが…こんなに早く動きがあるとはな…)
前原「…では頼みますよ…数子さん。」
細木「分かったわ…私の占星術でなんとかしてみましょう」
前原「では私はこれで…」
…ザッザッザッザッ…
tさん(前原が細木に渡したあのバカでかいトランクは何だ?)
細木「さてと…そこの坊や!いつまでそこに隠れてるつもり?」
tさん(…!!)
細木「気配を上手に消してるみたいだけどあたしの占星術は何でもお見とおしよっ!!」ゴゴゴ…
…スッ…
tさん「…」
細木「誰の差し金かは知らないけど…この現場を見られたからには…」
細木「アンタ…死ぬわよ!!」カッ‐
tさん(ここは穏便に済ませたいが…やるしかないか…)
細木「占星術…大殺界…!!」ドドン!
tさん(これは!…負の力に満ちた固有結界!!)
細木「さぁ…続けていくわよ!」ゴゴゴ…
tさん(まずはこの結界を破らねば…!)
tさん「破ァ!!」カッ‐
細木「させないわよ!…占星術…暗 剣 殺!!」
…ザシュッ!!…
tさん「俺の霊力発破が…相殺された!?」
細木「まだまだね…坊や!…この空間…大殺界ではアタシの力が何倍にも増幅されるのよ!!」
tさん「…くっ!」
今日はこの辺で止めときます…
やっぱり寺生まれはすごいと思いました
なにこの寺生まれ怖い
細木「さぁ…かんねんしな!坊や!!」
tさん(アレを使うしかないか…)
細木「アンタもモンキッキーやハッピーハッピーの二の舞いにしてやるよっ!!」ニヤ
tさん「それは御免だ…」
tさん「だから俺も少しだけ本気を出そう…」
細木「ハッ!強がるんじゃないよ!!…ハッタリもたいがいにしな!」
tさん「ハッタリと決めつけるのはこいつを見てからにしてもらおうか…」ゴゴゴ…
tさん「そもさん!」
― カッ… ―
大曽正「説破ァッ!!」
― ゴオォッ! ―
細木「…!??」
…パキイィィン!…
細木「アタシの大殺界が…破られた!?」
大曽正「…」ゴゴゴ…
細木「しかも…魔人召喚だとぉ!??」
細木「アンタ…何者よ?」
tさん「俺か?…俺はただの…」
tさん「寺生まれさ…」ドン!
細木「寺生まれ!?…まさか…アンタ…」ガタガタ…
細木(聞いたことがる…特務機関ヤタガラスにも一目置かれる得体の知れない若造がいるって…)
細木(確かその凄腕の若者の二つ名は…“寺生まれ”…こいつが本人だとしたら…アタシ…)
細木「アタシ…死ぬわよ!?」ゾク…
tさん「やれ…魔人、大曽正!!」
大曽正「御意…大呪殺…マハムドオン…」スッ…
細木「ひぃッ!!」
大曽正「喝ァッ!!」ズァ!
…ズズズズズズ…
細木「嫌ぁ!…影に…喰われるッ!!」ズブズブ…
細木「あ゙ぁ゙ぁ゙…!!」ズプン…
tさん「…南無三」
tさん「安らかにな…」ナムナム…
tさん「供養完了…これで良し、と」
tさん「それより前原外相が細木に渡したトランクの中身が気になるな…調べてみるか」
…ガチャ…
tさん「…!…これは!?」
tさん「…今回の依頼は…俺が思っている以上に危険かもしれんな」
tさん「とりあえず小泉さんに連絡しないと…」
………………
…………
……
…
… 同日 深夜 …
… 東京湾 南沖 …
― イージス鑑『アメノトリフネ』 ―
枝野「…首尾はどうだ?前原くん」
前原「はい…例のモノを占星術師、細木数子に渡してきました…」
前原「これで残りのモノの探索はかなり楽になるかと思われます」
枝野「そうか…ご苦労だったな」
枝野「これで我々の“超力自衛隊”計画も次の段階に進めるわけだ…」ニヤリ
玄葉「では次は私が動く番ですな…」
枝野「あぁ…期待しているよ」
玄葉「それでは行ってくるとしましょう…」
…カツーン…コツーン…カツーン…
レンホウ「………。」
今日はここまで
寺生まれってやっぱりすごい
寺 っ て そ も そ も 何 を す る と こ ろ な の で し ょ う か
― 翌日 夜 ―
― 永田町 某所 料亭 ―
小泉「昨日、夜遅くにわざわざ直接会って私に見せたい物があると言っていたが…“それ”のことか?」
tさん「はい…この石は昨日、前原外相が占師、細木数子に渡そうとしていた物です」
小泉「そうか…前原はあの大物占師とも繋がりがあったのだな。…しかし、何だねこの石は…」
小泉「紫色の…ただの石ころにしか見えんが…」
tさん「これは“宿魂石”の欠片。…禍津大神“アマツミカボシ”の力が込められた宝玉の一部です。」
小泉「ふむ…にわかには信じられんが…」
tさん「ですが事実です。」
…ダッダッダッダッ!…ガラッ!…
タイゾー「閣下!…に…逃げて下さい!」ボロ…
tさん「杉浦さん!!」
小泉「タイゾー!…何があった?」
tさん(…ッ!…何だ、この気配は?)
tさん「小泉さん…気を付けて下さい。何かが来ます!」
…ガラリッ…
???「夜分遅くに失礼します…」ユラリ…
tさん「お二人とも…さがっていて下さい…」スッ…
小泉「あ…、あぁ…」
タイゾー「はぁ…はぁ…。tくん…すまん…」ゼェゼェ…
tさん「あんた…どっかで見た顔だな…」
江原「そうコワイ顔しないで下さいよ。…申し遅れましたが私は江原…」ニコ…
江原「…ただのしがない霊媒師ですよ」ニコニコ…
tさん「その、ただの霊媒師がこの料亭に何の用だ?」
江原「私はあなた方に用はありませんよ。私が用があるのは…」ニヤ…
江原「その“宿魂石”ですから…」ゴゴゴ…
小泉「!?」
タイゾー「!?」
tさん「えらく単刀直入にきたな…」
tさん「けどまぁ…分かり易くていいね…」ゴゴゴ…
江原「なるほど、あなたのその猛々しいオーラ…ただ者ではないようですね」ニコ
tさん「オーラ?そうか!どこかで見たと思っていたが…あんた、オーラセラピストの江原啓之か!!」
江原「えぇ…その通りです。」
江原「では簡単な自己紹介も済みましたし…」
江原「私もお仕事をさせてもらいますよ…」ギロ!
…┠゙┠゙┠゙┠゙┠゙…
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