聖闘士星矢【童貞幻想】(15)
ムウ「とりあえず12宮~ハーデス編とベースの物語は終わったわけですが」
アルデバラン「うむ。疲れたな」
ムウ「ええ。巷では諸劇場作品や新シリーズオメガ、黄金魂、新連載などまだまだ私達の活躍は続いているわけですが」
アイオリア「うむ」
シャカ「・・・能書きはよい。この不穏なタイトルは何のつもりかね?ムウよ」
ムウ「ええ。今更の問題を敢えて取り上げたく思いましてね」
アイオリア(ギクッ)
シャカ「どうしたのかね?アイオリア」
アイオリア「」
ムウ「フッ。心当たりがあるようですね?」
アイオリア「なっ?!お、オレはっ!!!」
ムウ「まだあなたのことなどと言っていません」
アイオリア「あ、ああ」
ムウ「まあ、私達の活躍も相当長い間続いておりましてね。あの頃、私達の登場を毎週楽しみに待っていてくれた子どもたちも最早三十路か四十路」
シャカ「そう考えると感慨深いな」
ムウ「ええ。みんな明日の勇者だった少年たちもいまや立派な大人。童貞の日々など遠い過去の幻想」
アイオリア「」汗ダラダラ
シャカ「ふむ。読めたぞ、ムウよ。つまりは、手に汗を握って毎週われわれを応援してくれた餓鬼どもも今や汚れきった大人の世界にどっぷりと身をやつしているのにも関わらず、いまだに童貞感丸出しの人間がここにいる、と、そういうことだな?」
ムウ「さすがは神に近い男。鋭いですね」
アルデバラン「・・・で、童貞感丸出しの人間、とは?」
ムウ「お分かりでしょう?」チラッ
アイオリア「やっぱりオレじゃねーかよ!!!」
シャカ「ほう。やはりアイオリア、君は童貞なのか」
アイオリア「なっ!勝手に決めつけるなっ!!!」
ムウ「では違うとでも?」
アイオリア「」
アルデバラン「・・・ムウよ。あーその、アイオリアがあれなことについてはだな。そんなに追及しないといけないものなのだろうか?」
ムウシャカ「ええ。(当たり前だ)」
アイオリア「」
ムウ「いいですか?アイオリア。そもそもこの12宮という設定自体が性行為のメタファーなのです」
シャカ「処女神であられるアテナにまで辿り着く物語、すなわち破瓜の過程、と君はそう言いたいわけだな?」
ムウ「ご明察」
アイオリア「オイオイ。なら、12宮を突破する青銅聖闘士たちこそが男根の象徴なんだろ?だったら、青銅のヒヨッコたちの純潔を追及しろ!オレのじゃなく!!!」
ムウ「ダメです」
アイオリア「」
ムウ「いいですか?アイオリア。あなたは星矢よりもむしろ主人公に相応しい物語のコアにいる人物です。そのポジションにいる人物がなぜあのように青臭い言動ばかりとるのか」
シャカ「それはすなわち君が童貞だからだ」
アイオリア「決めつけるな!」
アルデバラン(なるほど)
アイオリア「アルデバラン!お前、内心で納得するなよ!!!」
ムウ「ともかく!この長きにわたる問題に終止符を打つときが来たようです!」
アイオリア「きてねーよ」
ムウ「いたしかたありませんね。そこまで意地をはるのなら他の連中も召還しましょう。シャカ、お願いします」
シャカ「まかせたまえ」ジーコロロジーコロロ
アイオリア「コスモ通信じゃないの?しかも今時、黒電話?」
シャカ「黙りたまえ!あっ、モシモシ?そう!アタシ!わかる?ええ、そうなの!とりあえず連絡網で回して!うん、分かった!」
アイオリア「」
シャカ「電話連絡を回しているからすぐに集まるはずだ」
ムウ「ま、とりあえず皆が集まるまで準備しますかね」
アイオリア「・・・何の?」
ムウ「決まってます。パジャマパーティーのですよ」
アルデバラン「議題は、アイオリアの童貞について、か」
アイオリア「オレは参加せんぞ!そんな軟弱な集まりに参加するような輩は最早男として認めん!!!」
シャカ「だからどうしたのかね?君の身体はもはや私の術中。自由は効かぬ」
アイオリア「くっ!」
アルデバラン「諦めろ、アイオリア」
ムウ「とりあえずアルデバラン。ソファーベッドの位置を変えてスペースを作ってください。あ、シャカはクッション集めてきて」
シャカ「茶菓子はどうするね?」
ムウ「それはアフロディーテが用意してくるそうです。こちらはお湯だけ沸かしておきましょうか」
・・・・・・・・・・
ミロ「うーい!来たぞ!」ガヤガヤ
ムウ「いらっしゃい」
カミュ「・・・ムウ。これ」
ムウ「なんです?手土産のワインですか?あなた、やっぱり生真面目ですねえ」
シャカ「ん?赤と白、両方あるのか、しかも良く冷えてる」
デスマスク「おう、ちょっとキッチン借りるぜ」
ムウ「ええ。どうぞ」
アフロディーテ「んーお湯沸いてる?」
ムウ「ええ。あ、茶器を出しますね」
デスマスク「おーい!誰か皿運んでくれ!」
ミロ「うわ、さすがデスマスク!めちゃ美味そう!」
カミュ「ミロ。つまみ食いはよせ」
アフロディーテ「ちょっと!アイオリア!さっさと皿並べてよ!」
ニギヤカー
タノモー
ムウ「はいはい」
サガ「遅くなった」
ムウ「いえいえ、いらっしゃい」
カノン「あ、コレ、アテナからの差し入れ」
アイオリア「はぁ?」
サガ「いや、白羊宮でパジャマパーティーをしますとお伝えしに行ったところ、アテナが我々の労を労うためにくださったのだ」
カノン「高級フルーツ盛り合わせ!!!」
アフロディーテ「ああ、これはお茶に合いそうだ」
「あーそこもっと詰めて!」
「押すな!馬鹿者!」
「先生!女子が足りません!」
「男男男男男男男男男男男で並べ!」
「えー男だけじゃん」
・・・・・・・・・・・・・・
サガ「ま、とりあえず始めるとしよう」
カノン「乾杯の音頭は?やっぱり兄貴?」
ムウ「いえ、ここはやはり今夜の生け贄アイオリアですよ」
アイオリア「ぐぬぬ」
ミロ「アレやってよ!ホラ、考えるのが嫌になったらやるやつ!」
カミュ「脳筋アイオリアを世に知らしめたあの伝説の台詞か」
シャカ「それとも今夜の意気込みを語ってくれてもよいぞ?」
デスマスク「今夜の議題はなんといってもアイオリアの童貞疑惑だからな」
アイオリア「ぐぬぬ~ええい!乾杯の音頭など面倒!!!」
全員「ハイ、乾杯~!」
アイオリア「」
シュラ「ふむ。おまえはブドウをいちいち皮をむいて食うのか」
アフロディーテ「まったく女々しいやつだ」
デスマスク「ああ?人がどんな食い方をしようか俺の勝手だ!」
ミロ「そうはいかん!我らは全てアテナの御ために!!!」
デスマスク「意味がわかんねえ」
シャカ「そのメロン、食わぬのなら寄越したまえ」
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