【モバマスSS】です
モバPと武内Pがいます
モバPは武内Pの先輩です
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武内PのオフィスをモバPが訪れたのは、まだ日の高い時間だった。
「おい、武内P、ちょっと聞きたいんだが」
「いきなりどうしたんですか? モバPさん」
「アーニャのことなんだかな」
「アナスタシアさんが、どうかしましたか?」
「あいつ……ってか、ラブライカの売り方はお前さんが考えてんだよな」
「はい、責任者は私ですが」
「あの片言日本語は、お前さんの指示か?」
「……はい?」
「だーから、アーニャの言葉遣いはお前さんの指示なのかって」
「すいません、仰ることがよくわからないのですが」
「……えーとな、アーニャがここに来てすぐの頃、俺が面倒見てたよな」
「ええ、このプロジェクトが始まるまではそうでした」
「あいつ、普通に日本語喋ってたんだよ」
「はい?」
「俺の知ってるアーニャは、もっと日本語が上手いんだ」
「……つまり、今のアナスタシアさんはもっと日本語が流暢なはずだと?」
「そうだ。だから、今のあの片言はお前の指示かと思ったんだが……」
「いえ、そんな指示は出していません」
「マジかよ。じゃあ最近のアーニャ、日本語どんどん忘れてないか?」
「心境の変化では? 無理に日本語を使わないようになったと言うことは」
「なんでまた……あー、新田美波だっけ? あの子の影響か」
「ええ、彼女たちは良い意味で依存しあっていると思います。アナスタシアさんもリラックスできているのでは」
「んー、なるほどねぇ、流暢な日本語は逆に緊張のサインだったかもって事か……かもしれねえな」
「だとすれば、良いことだと思います。彼女の片言はアイドルとしてのパフォーマンスには影響していませんし」
「だったらいいんだが」
「日本語の歌詞でも歌いこなしていますよ」
「あ、そっか。そうだな、歌はちゃんと歌えてるな」
「はい。トレーナーさんからも、特にその点で問題があるとは聞いていません」
「そうか……いや、すまんな。余計なこと言って」
「いえ、先輩も気にしてくださっていると言うことですから。むしろ嬉しいです」
「そう言ってもらえるとありがたい」
「何か気になることがあればいつでも言ってください、参考になります」
「ああ」
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その翌日
「おい、武内P、ちょっと聞きたいんだが」
「いきなりどうしたんですか? モバPさん」
「杏のことなんだかな」
「双葉さんが、どうかしましたか?」
「杏の怠けというか……サボり癖が、最近酷くなってねえか?」
「……はい?」
「前はもう少し動いていたような気がするんだがなぁ。今は覇気が無いというか……」
「そう、ですか?」
「おう。少なくとも、ウサギソファにずっと寝転んでいるなんてことは、無かったような気がするぞ」
「しかし、レッスンはきちんと受けていますよ」
「それは前からだ。あいつは努力を見せるのは嫌がるが、努力自体は結構やってるからな」
「ええ、それは双葉さんの良いところです。彼女の場合は手抜きと言うよりも無駄を排しているといったほうが」
「にしてもだ、最近輪をかけて酷くなってないか?」
「自分には、よくわかりませんが」
「この前、例の背の高い子と一緒にいるところ見たけど、完全にあの子が杏の乗り物になってるじゃねえか」
「それは、諸星さんが好んでやっていることでは」
「諸星ってのか。それはその通りだが、杏はもっと嫌がってなかったか?」
「お二人の仲も良くなっていると言うことでしょう。今度お二人のユニットも考えているところです」
「へぇ、新しいユニットか。それはそれで楽しみだが」
「そもそも双葉さんと諸星さんの仲の良さは皆知っていますよ」
「むぅ……そうなのか」
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その翌日
「おい、武内P、ちょっと聞きたいんだが」
「いきなりどうしたんですか? モバPさん」
「李衣菜のことなんだかな」
「多田さんが、どうかしましたか?」
「あいつ、ロックの知識あんなに無かったっけ?」
「……はい?」
「いや、確かに最初はあいつもニワカだったけどよ、そのあと割と勉強していたと思うんだが」
「え、あの、多田さんは、ロックニワカなんですか?」
「……お前も知らなかったのかよ」
「すいません。そちらには疎くて……」
「あ、そっか……そういやぁ、夏樹も涼も輝子もお前の担当にならなかったんだっけ」
「すいません。私の勉強不足です」
「あ、いや、それはいいよ。何でもかんでも知識入れりゃあいいってもんでも無いからな」
「しかし、多田さんがそうであることは本当に知りませんでした」
「あいつももうちょっとなぁ……」
「待ってください。知識が無いと言うより、言及していないだけでは?」
「と、いうと?」
「今現在のアスタリスクとしての活動には、いわゆるロックの知識はそれほど必要では無いと言うことです」
「アスタリスク……前川みく、だったか?」
「はい。今は、多田さんもそちらに力を傾注してくださっているのかと」
「そっか……ああ、そうだ、話は変わるけど」
「なんですか?」
「この前の杏のことなんだが」
「双葉さんがどうかしましたか?」
「新しいユニット、諸星とのユニットはどういう風に……」
「モバPさん、その話をどこで?」
「へ? どこって、お前から聞いたんだが」
「……私が? ですか?」
「おう、この前、杏のサボり癖の話で……」
「サボり癖の話?」
「諸星きらりが好んでやってることだって、お前が……」
「……すいません、そんなことを自分が言ってましたか……?」
「……」
「あの……」
「なあ、もしかして、忘れてる?」
「え……」
「アーニャが日本語忘れてるって話は?」
「……そんな話を……?」
「……」
「……すいません、最近、仕事が立て込んでいて」
「あ、あー、ま、気にするな、別に仕事を忘れたわけでも無いんだし、くだらん雑談忘れたって誰も困らんしな」
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「ども」
「あら、お久しぶりですね、モバPさん、お元気そうで」
「いやいや、ちひろさんこそ」
「プロデューサーさんなら、今はいませんけれど……」
「あ、いや、ちひろさんに折り入って相談があって」
「私に、相談ですか?」
「武内Pの前に組んでた仲じゃないですか」
「ふふふ、確かに、モバPさんといた時期のほうが今のプロデューサーより長いですけれどね」
「まさか、ちひろさんが異動するとは思いませんでしたよ」
「モバPさんは向こう部署の重鎮ですからね。はい、久しぶりのエナドリでもどうぞ」
「いただきます」
「100モバコインです」
「取るのっ!?」
「冗談ですよ」
「相変わらずですね……で、話を戻すと武内Pのことなんですけどね」
「どうかしましたか?」
「ちひろさんとのつきあいは長いから、信用して言うんですけどね」
「はいはい」
「あいつが一番親しいアイドルって、今でも楓さんのままですか」
「プライベートな件はお答えできませんよ?」
「楓さんじゃないとは思うんです。だから、今親しい人を」
「……どういう意味ですか?」
「島村卯月か、渋谷凜か、それとも本田未央。このうちの誰かだとは思うんですが」
「プロデューサーが直接スカウトした三人ですか」
「そう、俺の知らないアイドル」
「えっと、なにが、その三人なんですか?」
「新田美波、諸星きらり、前川みく」
「はい?」
「この三人も、俺はよく知らない。アーニャと杏と李衣菜、それから武内Pのことなら知ってる」
「あの、モバPさん、いったい……」
「アーニャと杏と李衣菜がおかしい。昔のあいつらじゃない、武内Pも異常に忘れっぽい」
「待ってください、まさか、その三人とユニットを組んでるのが……」
「新田美波、諸星きらり、前川みく、この三人は俺は知らない。これ、偶然ですか?」
「モバPさんの知っているアーニャちゃんたちが全てではないでしょう?」
「……性格が変わったくらいなら、わかる。杏だけならそういうことだって理解しますよ」
「それじゃあ……」
「アーニャと李衣菜は記憶を一部失っているレベルですよ。二人とは直接話をした。明らかにおかしいんですよ」
「直接確かめちゃったんですか」
「そして、武内Pも記憶を……ちひろさん、今、なんて言った? ……確かめちゃった? それ、どういう……」
「人間の記憶って、美味しいんですよ?」
「え……あ、あれ……?」
「身体動かなくなってません? さっきのエナドリ飲んだからですよ」
「な……に……」
「私はプロデューサー、美波ちゃんはアーニャちゃん、みくちゃんは李衣菜ちゃん。ちゃんと決めてるんですよ」
「……なにを……」
「いいじゃないですか、致命的な記憶は吸いませんから」
「……てめぇ……」
「それにしてもモバPさん、今回は鋭かったですね」
「……!?」
「気づいたの、これで四回目ですけれど、今までの最短時間記録更新です」
「……あ……あ……」
「安心してください、殺しませんから」
「……な……なに……」
「いいじゃないですか、私たちが何者かだなんて。別に人類侵略なんて考えてませんよ。なんならウサミン星人で」
「あ……あん……杏……」
「ふふふ、杏ちゃんときらりちゃんは関係ありません、あの二人は、元からあんな風です」
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「いきなりどうしたんですか? モバPさん」
「かな子のことなんだがな」
「三村さんが、どうかしましたか?」
「最近、また太ってね?」
「……トレーナーに伝えておきます」
「あ、それから」
「なんですか?」
「アーニャのことなんだがな……」
以上、お粗末さまでした
ツイッターかなんかで
「ゲームに出てきた当初のアーニャって、普通に日本語喋ってなかったか?」
って書かれていたのを見て、思いついたネタでした
あんきらは出したかったんだ、至高だからな
かな子ちゃん・お菓子食べる・可愛い・もっと食べる・もっと可愛い
同じ記憶なら同じ味なのかな
ハガレンのアレかと思った
ちくわ大明神
やっぱりちひろさんは神やったんや
鋭かったとか最短記録とか言ってるけど、会話した記憶を吸っちゃったらバレバレでは
怖すぎワロタ
会話に至る経緯を忘れてたら何度でも繰り返すだろうさ
マインドブラストかぁ
リラックスって解釈好き
いいssだった、かけ値なしに
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