・中の人ネタ(天城カイトで検索)
・いろいろ無茶苦茶(主に乙坂のキャラ)
すでに誰かがやってそうな気はするけど気にしない
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乙坂「ゆけ! 銀河眼の光子竜!」
乙坂「破滅のフォトン・ストリーム!」
相手「うわあああ」
乙坂「これでショップバトルは10連続優勝か……歯応えのない連中ばかりだ」
友利「ちょーっとよろしいですか」
乙坂「なんだ。フリーバトルなら今は受けつけていない」
友利「いえ、そんなんじゃないんで大丈夫です。あなたが、近頃ショップバトルや大会を荒らしまわっている『銀河眼使い』で間違いないですね」
乙坂「荒らしまわっている自覚はないが、そう呼ばれているのは事実だな」
友利「そうですか。本人確認もとれたことですし、少しばかり私に付き合ってもらえませんか」
乙坂「断る」
友利「どうして」
乙坂「初対面の女にそう言われて、のこのこついていくのも馬鹿らしい」
友利「あーもうめんどくさいなー。つべこべ言わずついてこい」グイグイ
乙坂「なっ! お前、引っ張るな!」
ハルトオオオオオオオオオオオ
友利「というわけです」
乙坂「なるほど。世の中には思春期限定で超能力を持つ人間がいて、僕がそのうちのひとりだと」
友利「あなたのデュエルにおける圧倒的な実力……というより、運ですか。これは明らかに異常です」
乙坂「確かにな。いくら僕の引きが強いとはいえ、毎度毎度デッキに1枚しかない銀河眼の光子竜を必要なタイミングで引き当てるのは都合がよすぎる」
乙坂「しかもサポートカードも充実した状態でな」
友利「それがあなたの能力である可能性があります」
乙坂「お前は言ったな。能力を持つ、あるいはその可能性がある人間を、とある学園に集めていると」
友利「星ノ海学園です。急なことで申し訳ないですが、あなたにはその学園に転入してもらおうと」
乙坂「いいだろう」
友利「即答っ!? いや、普通いきなりこんな話されたら戸惑いません?」
乙坂「俺のデュエルにおける運が『銀河眼使い』としての能力だというなら、近頃感じていた疑問にも説明がつく」
乙坂「それに、ここらのデュエリストはあらかた狩り尽くした。そろそろ他の連中とやりあいたい」
友利「どんだけデュエル中心で物事考えてんだ」
乙坂「デュエリストなら当然の思考だ。それにお前、僕が断ればどうするつもりだった」
友利「多少強引な手を使って脅しをかけようかと」
乙坂「だろうな。先ほどから妙な視線を感じる。隠れている仲間も能力者か?」
友利「あちゃー、ばれてましたか。なんでわかったんですか」
乙坂「デュエリストの勘だ」
友利「わけわからん」
その日の夜
乙坂「ただいま」
歩未「おかえりなさいませ、有宇お兄ちゃん!」
乙坂「遅くなってすまない。夕方には帰ると約束したのにな」
歩未「ちゃんと連絡くれたから大丈夫! ごはん、一緒に食べるのです!」
乙坂「ああ。今日の夕飯は?」
歩未「じゃーん! オムライス!」
乙坂「オムライスか。歩未の料理はどれもうまいが、その中でもオムライスは格別だ」
乙坂「すまないな。急にお前まで転校させることになってしまって」
歩未「心配ないでござる。友達とはネットや携帯で連絡とればいいし、それに『星ノ海学園』なんて名前、とっても素敵!」
乙坂「歩未は星が大好きだからな」
歩未「有宇お兄ちゃんも好きだよね?」
乙坂「ああ。歩未の好きなものは俺も好きだ」
寝る前
乙坂「見てごらん歩未。おとめ座のスピカだよ」
歩未「有宇お兄ちゃんは星を見つけるのが上手なのです」
乙坂「歩未と一緒に星を見ているうちに、覚えてしまったんだ」
歩未「お兄ちゃんの一番好きな星ってなに?」
乙坂「天の川」
歩未「星じゃない!?」
乙坂「銀河にはなぜか心惹かれる。理由もなくな」
歩未「有宇お兄ちゃんの銀河眼の光子竜、とってもかっこいいでござる!」
乙坂「ありがとう」
カイトってハルト絡みで発狂しなきゃ普通に面倒見のいいお兄さんだよな
乙坂「そして俺は、星ノ海学園に転入することとなった」
ミス
>>10の俺→僕
寮への引っ越しの日
友利「手伝いに来てあげました」
高城「始めまして。生徒会の高城と申します」
乙坂「生徒会? ということは、こいつの部下か」
高城「はい、その通りです」
歩未「よろしくお願いします! 有宇お兄ちゃん、もうお友達作ったんだ!」
乙坂「友達ではないが……まあいい」
乙坂「それで? 手伝い以外に用件はないのか」
高城「実は、あなたとデュエルをしたいと思いまして」
乙坂「デュエルだと?」
高城「あなたの噂はかねがね耳にしていました。ぜひ一度、対戦してみたかったのです」キラーン
乙坂「ほう……いいだろう」
高城「ぬおおお」LP1300→0
歩未「有宇お兄ちゃんの勝ちでござるー!」
乙坂「……弱い。弱すぎる」
乙坂「あのようなことを言うのだから、もっと手応えのあるものかと思ったぞ」
友利「彼はデュエルの腕はからっきしです。雑魚です。あるのはやる気だけ」
高城「いやはや、面目ない」
乙坂「お前はデュエルはやるのか」
友利「私は……やりません」
乙坂(なんだ今の間は)
乙坂「(歩未は他のことに意識が向いてるな……)」
乙坂「しかし、意識したところで引きの強さは変わらんな」ボソ
友利「能力の制御はできないってことですか」ボソ
乙坂「ああ。結局銀河眼は僕のもとにやってくる」
乙坂「これがオカルトめいた能力だというなら、そんなものに頼りたいとは思わんのだがな」ボソ
友利「なら銀河眼の光子竜をデッキから抜けばいいじゃないですか」ボソ
乙坂「たわけ!」
友利「え、なんで今私怒鳴られたの」
乙坂「貴様、銀河眼は僕の魂のカードだぞ! それを抜けというのは僕に死ねと言っているようなものだ!」
友利「んな大げさな」
高城「そうですよ」
友利「ですよね、大げさですよね」
高城「魂のカードをデッキから抜くなんてありえません」
友利「えぇ……そっちの肩持つんですか」
高城「私も一応デュエリストなので、彼の気持ちはよくわかります」
乙坂「わかったか。理解したら二度と今のようなことは口にするな」
友利「へーへー、わかりましたよー」プイ
高城「拗ねてしまいましたよ?」
乙坂「放っておけ」
友利「まったくなんなんですか」
歩未「………」
友利「歩未ちゃん。あの二人、女の子相手にひどいと思わない?」
歩未「途中から聞いただけだけど、今のはお姉ちゃんが悪いと思うのです」
友利「しくしく」
友利「ひょっとして、私がおかしいのかな……」
転入初日・昼休み
高城「お昼はどうします?」
乙坂「弁当だ」パカ
高城「ほう、オムライスですか。しかもケチャップで文字が」
乙坂「まったく、かわいい妹だ」
高城「妹さんの手作りですか」
乙坂「ああ。少々甘すぎるが、歩未の作った物ならばいくらでも胃に入る」ガツガツ
高城「……妹さんのこと、大事にしているのですね」
乙坂「なに?」
高城「彼女のことを語る時だけ、あなたの表情が見違えて穏やかになるので」
乙坂「……当然だ。歩未は僕のたったひとりの妹。何を犠牲にしても守らねばならない存在だ」
高城「なるほど。いいお兄さんですね」
乙坂「フン」
高城(まんざらでもなさそうな顔だ)
乙坂「それで、なぜ僕まで能力者狩りに付き合わねばならん」
友利「狩りじゃなくて保護です」
高城「あなたのように物わかりの良い方は貴重なんです。自らの立場を理解し、冷静にそれを受け入れられる存在」
友利「だから駒として協力してほしいってこと」
乙坂「断る」
友利「報酬は弾みます。妹さんにおいしいご飯、食べさせたくありませんか?」
乙坂「能力者はどこだ。さっさと案内しろ」
友利「切り替え速いな!」
高城「いいお兄さんですねえ」
乙坂「待っていろ歩未。兄さんが豪華な食事をお前に……」
友利「こりゃ完全なシスコンだ。治療不可」
友利「まさか弓道部の主将が、こんな破廉恥な写真を売りさばいていたなんて」
主将「くっ」
高城「あとは友利さんが彼を屈服させれば終わりですが……どうしました?」
乙坂「もうじき日が暮れる。歩未に知らせた帰宅時刻を過ぎてしまう」
高城「はあ。しかし、今は友利さん達に集中して……まずい。どうやら念写で友利さんの破廉恥な写真を撮られてしまったようです」
乙坂「なんだと? くそ、もう我慢ならん!」
高城「あ、ちょ」
主将「この写真をばらまかれたくなかったら、おとなしく引き下がって――」
乙坂「おい貴様」
友利「!?」
主将「な、なんだお前。この女の仲間か?」
乙坂「僕とデュエルをしろ」
主将「は?」
友利「は?」
乙坂「お前もそれなりのデュエリストだろう。デュエルディスクもそこに置いているようだしな」
乙坂「僕が勝てばその女の言うことに素直に従え。お前が勝てば、僕達は素直に引き下がる」
友利「な! ちょ、勝手にそんなこと決めんな!」
乙坂「どうした、受けるのか受けないのか」
主将「……いいだろう。後悔するなよ」
乙坂「フン。懺悔の用意はできているか」
2人「デュエル!!」
友利「あーもう! 勝てよ、絶対勝てよ!」
中略
乙坂「終わりだ! 破滅のフォトン・ストリイイィム!」
主将「うわあああ!」LP1000→0
乙坂「僕の勝ちだ。約束通り」
主将「わかった。俺もデュエリストだ。デュエルの結果は、素直に受け入れる」
友利「ええ……いいの、それで」
乙坂「それでいい」
乙坂「友利。僕は先に帰るぞ」
友利「え? ちょ、ちょっと待って……行っちゃった」
高城「妹さんとの約束があるそうです」
友利「あいつの頭にはデュエルと妹のことしかないのかっ」
高城「でも、今回は彼のおかげで助かったじゃないですか」
友利「なんでもかんでもデュエルで解決しようとするんだから……」
書き溜め切れたので中断
銀河眼使いは年下の兄弟を大事にするもの
アユムウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウってやるのかと思ったらそうでもなかった
この乙坂なら歩未ちゃん死ななくて済みそうだな
みたらしパーカーさんモードがどんだけ壊れr……ああ、チームサティスファクションか
ここ最近、シャーロットのssが増えて非常に嬉しい
楽しみにしてる
>>20
歩未の名前を間違えるとは…懺悔の用意はできているか!?
翌日
乙坂「友利」
友利「なんですかシスコン」
乙坂「ひとつ聞いておきたいことがある」
乙坂「お前は、なぜそこまで能力者の保護にこだわる?」
友利「と、いうと?」
乙坂「手段はどうあれ、お前が行っていることは他人への無償の善意だ」
乙坂「何か理由があるのではないかと思った」
友利「……兄のような被害者を生み出したくないからですよ」
乙坂「兄?」
乙坂「なるほど、お前の兄は科学者に捕まり、人体実験のモルモットにされていたと」
乙坂「今はどのような状態なんだ」
友利「やけに食いついてきますね」
乙坂「お前の話を聞いて事情が変わった。能力者の兄弟もまた、能力が発現しやすいと言ったな」
友利「妹さんが関係するかもしれないことはきっちり調べておくってわけですか。シスコンもそこまでいけば立派なもんです」
友利「いいですよ。見たいなら兄のところまで連れて行ってあげます」
兄の病室
一希「アアアァ! ウワアアァ!!」
友利「また鎮静剤が切れちゃってる……」
乙坂「これがモルモットの末路……ん?」
乙坂「これは……デュエルモンスターズのカード?」
乙坂「(鎮静剤を打つと、友利の兄は人形のように動かなくなった)」
友利「……兄も、デュエルをやっていたんです。それが、最後にいじっていたデッキ」
友利「小さい頃は、一緒にデュエルで遊んでいました」
乙坂「デッキか……」
乙坂「!?」
乙坂「これは、ナンバーズ!」
友利「ナンバーズ……?」
乙坂「世界に100枚しか存在しないと言われるレアカードの1枚だ。まさかこんなところにあったとはな」
友利「欲しいなら持ってっていいですよ」
乙坂「なに?」
友利「どうせ兄はデュエルなんてできませんし、だったらあなたに使ってもらった方がカードも幸せでしょう」
乙坂「………」
友利「さて。そろそろ散歩に行きましょうか」
乙坂「なかなかの風景だな」
友利「でしょう? 私の唯一信頼できる人が、この場所を兄に用意してくれたんです」
友利「でも、やっぱりなんの反応もなしですね」
一希「………」
乙坂「………」
乙坂「友利」
友利「はい」
乙坂「明日も、ここに来ることはできるか」
友利「ええ、できますけど……急になんです?」
乙坂「ひとつ、考えがある」
翌日
一希「………」
乙坂「よし」ガチャガチャ
友利「って、兄に何するつもりですか」
乙坂「見てわからんか。デュエルディスクを取り付けているんだ」
友利「なんのために」
乙坂「デュエルをする以外にデュエルディスクをつける理由があると思うか」
乙坂「ナンバーズを持つデュエリスト。一度戦ってみたいと思っていた」
友利「だからそれが無理だって言ってんでしょうが! 見ればわかるでしょう」
友利「鎮静剤が効いている間は何に対しても反応しない。薬が切れたら暴れるだけ。これでどうやって」
乙坂「僕はただ、銀河眼の導きに従っているだけだ」スッ
友利「……カードが、光っている」
乙坂「昨日もそうだった」
友利「それもあなたの能力ですか」
乙坂「バカを言うな。稀にカードが光ることがあるというのは、デュエリストの間では半ば常識だ」
乙坂「それこそ僕の銀河眼は、幼少の頃にも光ったことがある」
友利「えぇ……? いやいや、なんでカードが光るんですか。ただの紙切れでしょう」
乙坂「知らん。そんなことは僕の管轄外だ」
友利「あ、そう。もういいです……」
乙坂「準備はできたな」
一希「………」
乙坂「デュエルだ」
乙坂(LP4000)VS一希(LP4000)
乙坂「先攻は僕がもらう」
乙坂「自分フィールドにモンスターがいないので、フォトン・スラッシャーを特殊召喚」AP2100
乙坂「さらにフィールドに攻撃力2000以上のフォトン・スラッシャーがいることで、オーバーレイブースターを特殊召喚」AP2000
乙坂「そして、フィールドの攻撃力2000以上のモンスター2体をリリース!」
乙坂「闇に輝く銀河よ、希望の光になりて我が僕に宿れ! 光の化身、ここに降臨! 現れろ、銀河眼の光子竜!」
銀河眼「ギャオオオオン!」AP3000
友利「これが、銀河眼の光子竜……1ターン目からもう召喚するなんて」
一希「………」
乙坂「僕はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
乙坂「さあ、お前のターンだ」
一希「………」
友利「……無駄ですよ。いくら呼びかけようと、今さら反応するわけ」
乙坂「僕はお前の兄に語りかけているんだ。少し黙っていろ」
友利「う」
乙坂「友利の兄よ。お前はナンバーズ使い……であるなら、それなりに腕が立つデュエリストに違いない」
乙坂「ならばお前の中に宿っているはずだ。デュエリストとしての闘争本能、その荒ぶる魂が」
乙坂「僕の銀河眼の光子竜を見て、何も感じないはずがない。必ずその魂に響くものがある。違うか?」
銀河眼「………」
友利「銀河眼と、兄ちゃんのエクストラデッキが光って……共鳴している?」
乙坂「もう一度言う。お前のターンだ」
一希「………」
一希「………っ」
友利「!」
友利「手が、動いて……」
一希「………」スッ
乙坂「ほう。レベル4のゴブリンドバーグを召喚か」
乙坂「そいつの効果で、レベル4以下のモンスターを特殊召喚できるな」
一希「………」スッ
乙坂「召喚したのは、レベル4のスクラップ・キマイラ」
乙坂「レベル4のモンスターが2体。来るのか」
一希「………」
一希「……No.39」
友利「こ、言葉を……しゃべった?」
一希「希望皇ホープ……エクシーズ召喚」
ホープ「ホーープ!!」AP2500
友利「に、兄ちゃん……?」
乙坂「騒ぐな。まだデュエルは始まったばかりだ」
そしてターンは進み――
乙坂「ゆけっ! 超銀河眼の光子龍!」
乙坂「これが最後のアタックだ! 銀河の輝きよ、彷徨う魂をあるべき場所に戻せ!」
乙坂「アルティメット・フォトン・ストリイイィム!!」
一希「――っ!!」LP500→0
乙坂(車椅子の上に座っていた友利の兄の上半身が、衝撃で激しく揺れる)
乙坂「僕の勝ちだな」
友利「に、兄ちゃん!? 大丈夫――」
一希「……ああ。いいデュエルだった」
友利「………」
友利「え?」
友利「あ、あの……兄ちゃん、だよね?」
一希「……ああ、お前の兄ちゃんだ」
友利「どうして……治療法なんて、見つからなかったのに」
一希「彼と銀河眼のモンスターたちの咆哮が、俺のデュエリストとしての本能を刺激し、それが引き金となって俺の魂が目を覚ました」
友利「………」
友利「……ぷっ」
友利「ははは……なにそれ、わけわかんない」
友利「ほんと……おかしくって、腹痛いわ……!」ポロポロ
乙坂「泣いているのか」
友利「いちいち指摘すんな!」
一希「心配かけて、すまなかったな。奈緒」
友利「兄ちゃん……兄ちゃん!」
乙坂「………」
乙坂(この女、奈緒という名前だったのか)
友利「本当に、ありがとうございました」
乙坂「礼はいい。そのぶんの報酬はもらった」
乙坂「狩らせてもらったぞ。お前のナンバーズ」
一希「ああ。ナンバーズが抜けた以上、またデッキを組み直さないとな。つかそれ以前に今の環境全然知らねえし」
一希「しばらくはリハビリ漬けだろうから、構築を考える時間は山ほどありそうだ」
友利「頑張ってね、兄ちゃん」
友利「乙坂君なんてけちょんけちょんにしてやって」
乙坂「フッ。僕はそう簡単には負けんぞ」
翌日
高城「なるほど、そのようなことが」
高城「それで友利さんは欠席なのですね」
乙坂「ああ。いろいろとやることがあると言っていた」
高城「壊れてしまったはずの心を取り戻させる……」
高城「やはり、デュエルは素晴らしいものですね」
乙坂「今回ばかりはお前の発言に同意だな」
後日
友利「おい、デュエルしろよ」
乙坂「は?」
友利「デュエルしろよ」
乙坂「お前、デュエルはやらないんじゃなかったのか」
友利「リハビリをしつつあなたへのリベンジに燃える兄のために、あなたのデッキの情報収集を行うことに決めました」
乙坂「なるほど。それで僕と戦いたいというわけか」
乙坂「ところでお前、ルールは把握しているのか」
友利「ぶっちゃけ細かいところはさっぱり」
乙坂「高城。代わりに相手をしてやれ」
高城「はあ」
友利「ちょ! なんすかその雑な態度は」
乙坂「やかましい。僕と戦いたいならまずは腕を磨け」
友利「かわいい女の子からの頼みが聞けないってか」
乙坂「僕にとって歩未以外の女は等しく有象無象だ」
友利「うわひどい! 超ひどい!」
友利「わかりましたよ、まずはこっちを倒してからにします」
高城「よろしくお願いします。デュエル仲間が増えるのは喜ばしいことです」
10分後
友利「負けたー!」
乙坂「高城にすら負けるとは論外だな。僕は帰らせてもらう」
高城「久しぶりに勝てました」
友利「待ってください! 私と、私とデュエルしろおおお!!」
その日の夜
乙坂「というわけで、騒々しいクラスメイトだよ」
歩未「ふーん、そうなんだ」
歩未「なんだか楽しそうだね、有宇お兄ちゃん」
乙坂「楽しそう?」
歩未「やわらかーい表情でござる!」
乙坂「……そうか」
乙坂「お前が言うのなら、そうなのかもしれないな」
今日はここまで
もっとサクサク進めるつもりだったのになぜか会話が追加されていく
個人的にNO.62のアニメCGは神だと思ってます
乙です
乙乙
あ、AP(アタックポイント)…
教室
友利「あーー!」
高城「落ち着いてください友利さん」
乙坂「なんだ、人の席に勝手に座っておきながら騒々しい」
高城「おはようございます」
友利「おはようございまーす……」
乙坂「それで、友利は何をうなっていたんだ」
高城「デュエルモンスターズのルールを教えていたのですが」
友利「わっけわかんない! いちいち裁定が細かすぎるんですよ!」
友利「どのタイミングで何が使えて何が使えないのか、文脈だけで判断できないじゃないですか」
乙坂「慣れて覚えろ。皆そうしている」
友利「じゃあ私とデュエル」
乙坂「断る」
友利「ケチー」
乙坂「まともなデッキも組めていない人間とデュエルするほどお人好しじゃない」
友利「ぐぬぬ……覚えてろよ」
高城「いいんですか? 彼女、怒らせると怖いですよ」
乙坂「知らん。僕には関係ない」
乙坂「それより友利。能力者の保護は続けるつもりなのか」
友利「ん? そりゃ続けますよ」
友利「兄の状態は回復しましたが、それとこれとは別の話です。野放しになっている能力者が捕らえられる危険があることに変わりはないですから」
乙坂「兄が……一希が元に戻ろうとも、原動力は失っていないということか。殊勝な心がけだな」
友利「もっと褒めてくれていいですよ?」
乙坂「ところで高城」
高城「なんでしょう」
友利「こいつ平然とスルーしやがった」
乙坂「今日は弁当がないから、昼は学食だ。案内してもらえるか」
高城「わかりました。おすすめのメニューがありますから、2人で食べましょう」
友利「歩未ちゃんの愛妻弁当がないとは珍しいですね」
乙坂「今朝は寝坊したらしい。昨晩遅くまで星を見ながらデッキを組んでいたからな」
友利「歩未ちゃんもデュエルやるんですね」
乙坂「なかなかのやり手だぞ? 少なくともお前では相手にならん」
友利「ほう、言いましたね。では週末にあなたの部屋に行くので、その時白黒はっきりつけましょう」
乙坂「せいぜいそれまでに強くなっておくことだな」
友利「私の学習能力を舐めちゃあいけませんよ」
高城「……ふむ」
友利「どうかしました?」
高城「いえ。随分打ち解けられたようで、なによりだと思いまして」
乙坂「打ち解けた、か……」
乙坂(歩未の言った通りなのかもしれんな)
乙坂(こいつらとは、ある程度波長が合うのかもしれん)
休日・乙坂家
友利「お邪魔しまーす」
高城「こんにちは」
柚咲「こんにちはー!」
歩未「みなさんようこそおいでくださいましたー……って、ゆさりん!? ゆさりんがなぜここに!」
柚咲「高城さんに誘われたので、一緒に来ちゃいました♪」
乙坂「この前言っただろう。西森柚咲が星ノ海に転入してきたと」
歩未「ほ、本物のゆさりんっ!!」ブシャアアア
柚咲「は、鼻血が!?」
友利「止血!」
歩未「か、感動ですー! 握手とサインとその他もろもろしてください!」
柚咲「いいですよー。乙坂さん、かわいい妹さんですねー」
乙坂「ほう、お前は話の分かる奴だな」
友利「コイツ妹褒めとけば誰にでも心許すんじゃないだろうな」ボソリ
乙坂(西森柚咲。口寄せの能力者で、故人である姉の魂を憑依させることができる。もっとも、本人に自覚はないが)
乙坂(紆余曲折あり、僕達と同じ学園に転入することとなった。歩未は彼女の大ファンだ)
歩未「シンクロ召喚! スターダスト・ドラゴンでござるー!」
友利「な、なぜモンスターゼロの状況から一気にスターダストまで持って行けるんですか!」
歩未「? このくらい普通ですよ?」
友利「兄弟そろって恐ろしい展開力……」
高城「やりますねえ」
乙坂「やはり友利はまだまだだな」
柚咲「乙坂さん、なにしてるんですか?」
乙坂「見ればわかるだろう。デッキを見直しているんだ」
柚咲「ふーん、そうなんだ」
乙坂「そういうお前は何をしている」
美砂「お前、強いんだってな。私とデュエルしろ」
乙坂「……姉の方が出てきたのか」
美砂「私も生きてた頃はそこら一帯のデュエルギャングどもを一網打尽にしたもんよ」
乙坂「武勇伝というやつか」
美砂「おうよ。私のデュエルセンスはかなりのものだぜ」
乙坂「柚咲のほうはデュエルをするのか」
美砂「あいつもやりはするが、てんで駄目だな」
美砂「お前、強いんなら今度あいつに教えてやってくれよ」
乙坂「気が向けばな」
美砂「てめー、それやる気ない時の常套句じゃねえか」
乙坂「勘ぐりすぎだ」
美砂「ったく……私じゃあいつに何もしてやれねえから、頼んでるってのに」
乙坂「………」
乙坂(妹の柚咲は口寄せ。姉の美砂は発火……友利兄妹と同じく、2人とも能力者だ)
乙坂(兄弟関係にある人間は、ともに能力が発現する確率が高いと友利は言っていたが……やはりそうなると、いずれ歩未にも)
乙坂(二度あることは、三度あってほしくないものだな)
美砂「よし、決めた。私がデュエルで勝ったらお前が柚咲にデュエルを教えろ!」
乙坂「……すまん、聞いていなかった」
美砂「てめえ燃やすぞ!」
乙坂「ぬおっ! 馬鹿、屋内で発火を使うな!」
歩未「おおー! あれもマジックでしょうかー!」
歩未「まるで本物の炎に見えるのです!」
友利「歩未ちゃーん、あっち行こうかー」
15分後
柚咲「はっ! 私はいったいなにを」
乙坂「どうやらまた眠っていたようだぞ」
柚咲「そうなんですか」
乙坂「……柚咲」
柚咲「はい?」
乙坂「お前、デュエルは好きか」
柚咲「はい! かわいいモンスターがたーくさん詰まったデッキで戦ってます!」
乙坂「だが弱いそうだな」
柚咲「えへへ、実はそうなんです……あれ、どうして乙坂さんがそのことを?」
乙坂「さあな。それより、お前が望むなら、僕が教えてやってもいい」
柚咲「教えるって……デュエルをですか?」
乙坂「ああ」
柚咲「それじゃあお願いしちゃいましょうか。フフッ」
夜
歩未「今日は皆さんが遊んでくれて楽しかったのです!」
乙坂「よかったな」
歩未「有宇お兄ちゃん、またデッキ見てるの?」
乙坂「ああ」
歩未「このカード入れようよ。絶対活躍するってあゆが保証するから!」
乙坂「これか……一応、入れてみるか」
翌週
乙坂「デッキ構築については、まずはキーとなるモンスターを決めるところからだな」
柚咲「はいはーい! ブラックマジシャンガールがいいです!」
乙坂「ブラックマジシャンガールか……」
柚咲「やっぱり古いカードだと勝てませんか」
乙坂「いや、そんなことはない。ブラックマジシャンガールは専用カードもいくつかあるから、そのあたりを上手く使えば戦える」
友利「じーー」
乙坂「黒・魔・導・爆・裂・破などはいい例だな」
乙坂「他にもいろいろある。お前の持っているカードなら、これや、これもそうだ」
柚咲「なるほどなるほど。乙坂さんは物知りですね」
乙坂「このくらいはどうということはない」
乙坂「とりあえず、適当に組んでから試しにデュエルしてみるか」
柚咲「はいっ」
友利「じーーー」
柚咲「乙坂さんは、銀河眼の光子竜をエースにしているんですよね」
柚咲「どうしてですか? やっぱり強いから?」
乙坂「それもあるが……強さ云々ではなく、惹かれるものがあった」
乙坂「星を、銀河を、小さい頃から妹と一緒に眺めてきたからだろうか」
柚咲「へえー、なんだかロマンチックなお話ですね♪」
乙坂「どうだろうな」
友利「じーーーーーー!」
乙坂「……いい加減に目障りなんだが、何か用か」
友利「いーえ、なんでもないですよシスコンロマンチストさん」
友利「ただ……私には何も教えてくれないのに、黒羽さんにはやさーしく指導しているなーと思いまして」
乙坂「何か問題があるのか」
友利「いえ? 別にあなたが誰を贔屓しようがそれはあなたの自由ですが」
友利「結局顔ですか。スタイルですか。それとも女子力ってやつですか」
乙坂「お前は何を言っているんだ。まるで意味がわからんぞ」
柚咲「?」
高城「私もゆさりんにデュエルその他諸々を熱血指導したい……!」
クラスメイトA「俺も」
クラスメイトB「俺も!」
乙坂「人気者の相手も面倒なものだ」
乙坂「とにかく、だ」
乙坂「僕はただ、頼まれたことをやっているだけにすぎない」
乙坂「上の兄弟仲間としての、ほんの少しの親切だ」
柚咲「頼まれた?」
乙坂「友利。お前はお前の兄から教わればいい」
乙坂「一希は、確かにこの世に存在しているのだからな」
友利「あ……まあ、それもそうですね」
友利「今週末は、打倒乙坂に向けての兄妹作戦会議を開くことにします」
乙坂「一希に伝えておけ。リベンジはいつでも受けるとな」
友利「兄に対してはやけにオープンですねあなた」
柚咲「男の友情ってやつですよ、きっと」
歩未に告るアイツは今から懺悔の用意をしておいた方が良いな
カッターで襲おうとしてた子の方がヤバそう
最新話で大きく動いたな
乙坂「その後僕達は、何人かの能力者と出会った」
乙坂「念動力で甲子園を目指していた男。山の中で空を飛んでいた男」
乙坂「彼らは最終的に友利の説得に応じ、今後能力を使わないことを約束した」
乙坂「そういった経験を重ねるうちに、僕も次第に能力者の存在する日常に慣れていったのだった」
乙坂「その中で、常に最悪の事態を想定しながら」
ある日
乙坂「……高熱だな。今日はゆっくり休め」
歩未「ごめんね、お兄ちゃん……迷惑かけちゃって」
乙坂「バカなことを言うな。普段家事を任せているんだから、たまには僕が歩未の世話をしても問題ないだろう」
歩未「うん……ありがとう」
乙坂「歩未が熱で寝込んだ翌日、学生寮で【崩壊】の能力者の存在が探知された」
乙坂「平日の昼間の寮にいる子どもなんて、体調を崩して欠席している生徒くらい」
乙坂「それはつまり、歩未が能力者である可能性が高いことを示していた」
乙坂「僕は学園を休んでつきっきりで看病をする所存だったのだが、歩未は自分のために欠席してほしくなかったらしい」
乙坂「結局僕は学園に行き、友利達と今後の展望に関して話し合った」
乙坂「そして、歩未が熱を出してから3日後」
乙坂「熱は下がっていたが、友利の指示によりもう1日学園を休ませることに。僕自身、用心を重ねるに越したことはないと考え、その案に従った」
乙坂「だが――」
乙坂「歩未が出席をしているだと?」
友利「はい。3時限目から授業に出ているようで……って、どこ行くんですか」
乙坂「中等部に決まっているだろう。歩未の様子を見てくる」
友利「独断専行はやめてください。もとより私もそのつもりです」
乙坂「ならさっさと来い! 何が起きるかわからんのだろう!」
柚咲「乙坂さん……なんだか」
高城「焦る気持ちはわかりますが、落ち着いてください」
乙坂「……チッ」
友利「見えました。あれが中等部の校舎です」
乙坂「歩未!」
友利「だから勝手に動くなって……止める間もなく校舎に突入しやがった」
美砂「あいつの妹の教室はどこなんだ」
高城「いつの間にか美砂さんに入れ替わっていますが」
美砂「柚咲はスタミナ切れだ。乙坂の奴が全力で走っていくのについて行こうとしたからな」
友利「歩未さんの教室はあっちです。行きましょう」
乙坂「なんなんだ、この胸騒ぎは」
乙坂(何かよくないことが起きる。そんな不安が全身を駆け抜ける中、僕は歩未の姿を探して校舎を走り続けた)
乙坂(そして――)
歩未「助けて――!!」
乙坂(歩未は、カッターを持ったひとりの女生徒に壁際に追いこまれていた)
乙坂「歩未!」
乙坂(その瞬間、すべてが『崩壊』を始める)
乙坂「歩未イイイイイィ!!」
乙坂(物理的に届かないことはわかっていた。それでも手を伸ばした、その時)
乙坂「っ! 銀河眼のカードが、輝いている!?」
乙坂「くっ……!」
乙坂(あまりに強い光に、思わず目を閉じてしまう)
乙坂(そして次に目を開いた瞬間、僕の眼前には信じがたい光景が広がっていた)
乙坂「こ、ここは……異空間、か!?」
乙坂(無限に広がる紅色の空間。それが醸し出すおぞましさに、これが現実の出来事であるかどうかを疑うほどだ)
乙坂(だが……僕の隣で混乱と恐怖に駆られる少女の存在。そして何より肌を刺すリアルなプレッシャーが、夢でないことを痛感させる)
乙坂「歩未! 歩未イイィ!! どこだ、どこにいる!!」
少女「な、なにこれ……」
乙坂「おい、何があった。お前は歩未と何をしていた!」
少女「し、知らない。私は何も知らないっ」
乙坂「……お前の能力ではなさそうだな」
乙坂「だとすると、これはやはり歩未の」
??「半分正解で、半分間違いだ」
乙坂「誰だ!」
乙坂(声のした方を振り向くと……そこには『影』があった。しかもその影の形は)
乙坂「貴様、なぜ歩未の姿をしている!」
影「それは我がこの娘の身体を支配しているからだ」
乙坂「なんだと?」
影「我が名は『ダークネス』。あらゆる次元の闇、影そのもの」
ダークネス「かつて宇宙が1枚のカードから創造された時、カードの裏側より生まれた暗黒。それが我だ」
乙坂「どういう……ことだ……」
乙坂「貴様が闇そのものだとして、なぜ歩未の身体にいる。貴様はどこからやってきた」
ダークネス「とある決闘者との闘いに敗れ、我は力を失った状態で長い長い時を過ごしていた」
ダークネス「その時、我の復活に都合の良い力を見つけた。故に干渉したのだ」
乙坂「まさか、歩未の崩壊の能力!」
ダークネス「この娘の力と共鳴した我の力も増幅され、この身体を介してこの次元に姿を現す時も近い。再び闇が世界を創り、我が力を取り戻すのだ」
少女「ひいっ……! な、なんなの、わけわかんない……」
乙坂「………」
乙坂「ふざけるな。そんなことをさせると思うか」
ダークネス「我を拒むか、決闘者よ。だが闇の世界は、多くの者にとって大いなる安らぎ」
ダークネス「光があれば闇がある。我はただ、理に従っているだけなのだ」
乙坂「そんなことはどうでもいい。貴様がどこから生まれた何者であるかなど、些細な問題に過ぎない」
乙坂「貴様は歩未を……僕の妹を利用し、宿主にしようとしている。それだけで戦う理由には十二分だ」
ダークネス「愚かな……よかろう。ではまず汝から闇に取りこむとしよう」
ダークネス「この空間は、我の力に汝のカードが反応して作られた世界。決闘の舞台に相応しかろう」
乙坂「僕のカードが……」
ダークネス「そう。銀河眼の光子竜だ」
乙坂「! 貴様、なぜ僕のカードを知っている」
ダークネス「この娘の記憶を覗かせてもらっているからだ」
乙坂「歩未の記憶を……闇そのものだという割には、随分と姑息な手を使うじゃないか」
ダークネス「……さあ、決闘だ」
乙坂(歩未には僕のデッキをよく見せている……中身は割れていると考えるべきだ)
乙坂(だが、それでも……)
乙坂「デュエルだ! ダークネス!」
乙坂(LP4000)VSダークネス(LP4000)
少女「ひぐっ、えぐっ」
乙坂「泣くな。今から僕があいつを倒す」
少女「そんなこと、言われても……ひっく」
乙坂「まったく……」
高城「乙坂さーん!!」
乙坂「高城! なぜここに」
高城「私だけではありません。皆さん、突然謎の空間に迷い込んでしまい」
柚咲「はわわっ、ここはいったい……」
友利「あなたは何か知って……なんですか、あの黒歩未ちゃんは」
乙坂「今から説明する。その代わり、この生徒の面倒を見ていてもらえるか」
乙坂「――というわけだ。僕は今からあいつとデュエルをする」
友利「いやいや、さすがにいきなり話のスケールがでかくなりすぎでしょう」
高城「ですが、あの黒い歩未さんから禍々しい気配を感じるのも事実」
乙坂「そうだ。僕がここで勝たなければ、少なくとも歩未は助からないだろう」
美砂「おい乙坂。お前、確かエクストラデッキの枚数には余裕があったな」
乙坂「姉の方か。その通りだが、どうした」
美砂「こいつを使え。お前なら使いこなせるだろ」
乙坂「これは……わかった。使わせてもらう」
友利「………」
乙坂「友利。どうかしたか」
友利「私はデュエルの腕は未熟そのものです。だからあなたに何もしてあげることができない」
友利「できるのは……『勝ってこい』って言うことだけです」
乙坂「フン。それで十分だ」
高城「頑張ってください、乙坂さん」
乙坂「ああ……さて、随分待たせてしまったな。すでにデュエルは開始しているというのに」
ダークネス「……早くしろ。先攻は汝だ」
乙坂「僕のターン!」
乙坂「手札よりフィールド魔法、光子圧力界を発動! 自分がフォトンと名のつくモンスターを召喚した時、そのモンスターのレベル×100ポイントのダメージを相手に与える」
乙坂「さらにマジックカード、フォトン・サンクチュアリ。フォトン・トークン2体を特殊召喚する」
フォトン・トークン ATK2000
乙坂「フォトン・トークンはレベル4。光子圧力界の効果で、400ポイントのダメージを2体分受けてもらうぞ」
ダークネス「………」LP4000→3200
ダークネス「攻撃力2000以上のモンスターが2体。次の汝の行動は読めた」
乙坂「望みとあらば見せてやろう! 僕はフォトン・トークン2体をリリースし――」
乙坂「闇に輝く銀河よ、希望の光になりて我が僕に宿れ! 光の化身、ここに降臨! 現れろ、銀河眼の光子竜!」
銀河眼「ギャオオオォン!!」
銀河眼の光子竜 ATK3000 レベル8
乙坂「再び光子圧力界の効果発動! 銀河眼の光子竜はレベル8、よって800ポイントのダメージだ」
ダークネス:LP3200→2400
乙坂「ターンエンド」
友利「相変わらず積み込みを疑うまわり方ですね」
高城「先攻1ターン目から1600ものダメージを受けた上に銀河眼を出されては、あちらもなかなか展開がしづらいでしょうね」
美砂「そいつはどうだろうな」
友利「え?」
美砂「あのダークネスとかいう野郎、どうにも嫌な気配がするぜ」
高城「どうにも、というと」
美砂「それがうまく言葉にできねえんだ。くそっ、我ながらセンスがない」
ダークネス「我がターン」
ダークネス「ダークネス・アイを召喚」
ダークネス・アイ ATK0 レベル1
ダークネス「マジックカード、手札断殺。互いは手札2枚を捨て、デッキより2枚ドロー」
ダークネス「さらに我は、フィールド魔法・ダークネスを発動する」
ダークネス「ダークネスの効果により、デッキから5枚のカードをランダムでフィールドに伏せる」
乙坂「デッキから5枚だと!?」
ダークネス「我はこれでターンエンドだ」
続きは夜が明けてからにします
注意事項として、未OCG化のアニメで出たカードも普通に使用しますのでご了承ください
乙
乙乙、了解した
そしてまさかダークネスさんが出てくるとは
乙
何!?銀河眼使いならば、最強のギャラクシー決戦!(半ギレ)をするのではないのか!?
影が薄いからって別作品にまで侵食してくるとは姑息な手を…
乙坂(奴のフィールドには5枚もの伏せカードがある)
乙坂(大事な勝負だからこそ、慎重に攻めなければ)
乙坂「僕のターン、ドロー」
ダークネス「この瞬間、我がトラップが発動」
乙坂「!」
ダークネス「トラップカード、虚無(ゼロ)。これによりもう一枚の伏せカードもオープンされる」
ダークネス「トラップカード、無限(インフィニティ)。虚無と無限が発動した時、その間にあるカードすべてを発動させる」
ダークネス「間にあるカードは1枚……ダークネス1を発動。虚無と無限が発動している時にダークネス1が最初に発動した場合、相手フィールド上のカード1枚を破壊する」
ダークネス「さらに、ダークネスと名のつくトラップが発動するたびに相手フィールド上のカードを1枚破壊するが……今回は1度だけだ」
ダークネス「我は銀河眼の光子竜を破壊する」
乙坂「なんだと!? 僕の銀河眼が、一度も攻撃せずに……」
ダークネス「汝のデッキは銀河眼の光子竜に依存したもの。その対象を破壊されては苦しかろう」
乙坂「くっ……カードを2枚伏せ、ターンエンドだ」
ダークネス「この瞬間、ダークネスの効果発動。互いのターンのエンドフェイズに自分フィールド上の罠カードをセットされた状態に戻し、セットされた場所をランダムに変更する」
乙坂「ランダムにセットし直す……だと?」
友利「銀河眼が、ああもあっさり……!」
高城「しかもトラップカードをセットし直したということは、またあの効果が発動可能ということですか」
美砂「いや。セット位置はランダムで、それは乙坂にもダークネスにもわからねえ」
美砂「先に虚無と無限を発動したうえで、さらにその2枚の間にダークネス1が伏せられてなきゃさっきの効果は使えねえ。だから、必ずしも奴の罠が発動するとは限らない」
美砂「限らないはずなんだが……なんだ、この気味の悪さは」
ダークネス「我がターンだ」
ダークネス「ダークネス・アイが攻撃表示の時、1ターンに1度モンスターを生贄なしで召喚できる」
ダークネス「現れよ。ダークネス・デストロイヤー」
ダークネス・デストロイヤー ATK2300 レベル7
ダークネス「そしてトラップ発動。虚無、そして無限」
乙坂「バカな、また当てたというのか!?」
ダークネス「間にあるカードはダークネス2のみ。自分フィールド上のモンスター1体の攻撃力をこのターンのみ1000ポイントアップする。その後、「ダークネス」と名のついたトラップカードが発動するたびに、自分フィールド上のモンスター1体の攻撃力をこのターンのみ1000ポイントアップする」
ダークネス「攻撃力3300となったダークネス・デストロイヤーでプレイヤーに直接攻撃」
ダークネス「このモンスターは2回攻撃が可能だ」
美砂「攻撃力3300の2回攻撃!」
高城「これを受けたら、乙坂さんはっ」
乙坂「速攻魔法、月の書を発動! モンスター1体を裏守備表示に変更する」
乙坂「対象は当然、ダークネス・デストロイヤーだ!」
ダークネス「ほう、しのいだか」
ダークネス「我はこれでターンエンドだ」
ダークネス「再び我がトラップはセットされ、位置が入れ替わる」
乙坂(奴の手札は2枚。僕の手札も、この後のドローで2枚になる)
乙坂(再び銀河眼を呼び出すまでは、現有戦力で戦うほかない)
乙坂「僕のターン、ドロー!」
乙坂(よし、これならまだ戦える)
乙坂「手札よりフォトン・クラッシャーを攻撃表示で召喚する」
フォトン・クラッシャー ATK2000 レベル4
乙坂「フィールド魔法、光子圧力界の効果発動。お前に400ポイントのダメージだ」
ダークネス:LP2400→2000
乙坂「バトルだ! フォトン・クラッシャーで裏守備表示のダークネス・デストロイヤーを攻撃!」
ダークネス・デストロイヤー DEF1800
ダークネス「ダークネス・デストロイヤーは破壊される」
ダークネス「だがトラップ発動。虚無、無限。これにより間にあるダークネス3とダークネス2が発動」
ダークネス「ダークネス3の効果。相手ライフに1000ポイントのダメージを与え、さらにダークネスと名のつくトラップカードが発動するたびに追加で1000ポイントのダメージを与える」
ダークネス「よって、汝が受けるダメージは2000だ」
乙坂「ぐっ……ああああっ!!」LP4000→2000
乙坂(なんだ、この激痛は……!!)
ダークネス「それがデュエルによる真の痛みだ」
乙坂「なん、だと……?」
ダークネス「さあ、汝のターンを進めろ」
乙坂「ハァ、ハァ……」
乙坂「バトルを終えたフォトン・クラッシャーは、守備表示になる」
フォトン・クラッシャー DEF0
乙坂「くっ……僕はこれでターンエンドだ」
ダークネス「我がターン。ドロー」
ダークネス「墓地に落ちてから2回目の自分のスタンバイフェイズに、ダークネス・シードを墓地より特殊召喚できる」
ダークネス・シード DEF1000 レベル2
乙坂「最初の手札断殺で捨てたカードか……」
ダークネス「さらに我は、ダークネス・アイの効果によりダークネス・ブランブルを生贄なしで召喚する」
ダークネス・ブランブル ATK2000 レベル6
ダークネス「トラップ発動、虚無、そして無限。間にあるのはダークネス1」
ダークネス「よって汝のフォトン・クラッシャーを破壊する」
友利「また、彼を守るモンスターがいなくなった……」
ダークネス「ダークネス・ブランブルで攻撃」
乙坂(この攻撃を通せばライフはちょうどゼロ……だが)
乙坂「トラップ発動、ガード・ブロック!」
乙坂「このバトルによって発生する戦闘ダメージはゼロとなり、さらに僕はデッキからカードを1枚ドローする」
ダークネス「苦しいな。乙坂有宇よ」
乙坂「確かにな。だがしのいだ」
ダークネス「凌いだ、か。なるほど」
ダークネス「ならば我はターンエンド。この瞬間、ダークネス・シードの効果が発動」
ダークネス「互いのエンドフェイズ時に我がライフが4000未満ならば、ライフを4000に回復する」
ダークネス:LP2000→4000
乙坂「ライフを、回復だと……?」
美砂「クソッ! 乙坂が地道に削ってきたダメージをチャラにしやがった!」
高城「まずいですね。今までの行動が無に帰したようなものです」
友利「………畜生。性格悪いな、あの真っ黒野郎」
乙坂(ライフを初期値に戻されてしまった)
乙坂(僕の今までの努力は、無駄だったのか……?)
ダークネス「決闘者よ。迷いが見て取れるな」
乙坂「……うるさい。僕はデュエリストの魂に賭けて、お前を倒す」
乙坂「僕のターン、ドロー!」
ダークネス「虚無と無限を発動。間にあるカードは、ダークネス3、2、1の3枚」
乙坂「3枚だと!?」
ダークネス「ダークネス3の効果により、汝に3000ポイントのダメージだ」
ダークネス「汝のライフは2000。そして伏せカードはない。これで終わりだ」
乙坂「うわあああああっ!!」
乙坂「…あ、がっ……」バタン
高城「乙坂さん!」
美砂「乙坂! あの野郎、ライフがゼロになったらぶっ倒れるほどの痛みを与えやがったのか!」
友利「………」
乙坂「」
友利「……立て」
高城「友利さん?」
友利「立て、乙坂有宇!!」
友利「あんたが立たなきゃ誰が歩未ちゃんを守るんだ! だから立て! 兄貴だろ!」
乙坂「」
乙坂「………」ピク
乙坂「……まったく。外野が騒がしいな」
友利「!」
乙坂「だが、今回はそのやかましい声で目を覚ますことができた。礼を言ってやる」
友利「いちいち偉そうなんですよあなたはっ」
ダークネス「まだ立ち上がる力が残っていたか」
ダークネス「だが、すでに汝のライフはゼロ。デュエルの続行は不可能だ」
乙坂「それはどうかな」
ダークネス「なんだと?」
乙坂「よく見ることだな、僕のライフを」
乙坂:LP500
ダークネス「馬鹿な、なぜライフが残っている!」
乙坂「お前のトラップが発動した瞬間、墓地にあったダメージ・ダイエットの効果を使わせてもらった」
乙坂「墓地にあるこのカードを除外することで、このターンの間、僕が受ける効果ダメージをすべて半減する」
乙坂「これにより、本来受けるはずだった3000のダメージを1500に減らし、踏みとどまったというわけだ」
ダークネス「ダメージ・ダイエットだと……そうか、我が手札断殺を使用した時、墓地へ捨てたのだな」
乙坂「その通りだ。お前も案外詰めが甘いな」
乙坂「墓地のカードを確認せずに勝利宣言。歩未がよくやるミスだ。僕の妹を宿主にしている影響が、デュエルにも出ているんじゃないのか?」
ダークネス「………」
乙坂「図星か」
ダークネス「だが、汝のモンスターは再びゼロ。対して我がライフは4000」
乙坂(そして僕のライフはたった500。状況が不利なことに変わりはない)
乙坂(だが、それでも僕は負けるわけにはいかない!)
乙坂「歩未イイイイィ!!」
乙坂「いくぞ! 手札よりサイバー・ドラゴンを特殊召喚!」
乙坂「このカードは、相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターがいない時に特殊召喚が可能」
サイバー・ドラゴン ATK2100 レベル5
乙坂「さらに、チューナーモンスター・ギャラクシーサーペントを召喚する!」
ギャラクシーサーペント ATK1000 レベル2・チューナー
ダークネス「チューナーモンスターだと?」
乙坂「このカードは、歩未が風邪で寝込んでから今日までの間に入れたカードだ。よってお前の覗いた歩未の記憶の中には存在しない!」
乙坂「美砂! 力を借りるぞ!」
美砂「よっしゃ、来たか!」
美砂「大事なカードはここ一番で使う。センスあるぜ!」
乙坂「レベル5のサイバードラゴンに、レベル2のギャラクシーサーペントをチューニング!」
☆5+☆2=☆7
乙坂・美砂「冷たい炎が、世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!」
乙坂「シンクロ召喚! 現れよ、ブラック・ローズ・ドラゴン!」
ブラック・ローズ・ドラゴン ATK2400 レベル7
ダークネス「シンクロ召喚……!」
乙坂「ブラックローズドラゴンの、効果発動! シンクロ召喚に成功した時、フィールド上のカードすべてを破壊できる!」
乙坂「一切合財焼き尽くせ、ブラックローズドラゴン!」
ダークネス「全て破壊だと? くっ……」
乙坂「これで互いのフィールドはがら空きになった」
乙坂「僕はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
ダークネス「我がターン」
ダークネス「たとえダークネスのカード達が破壊されようとも、我の優位は揺らがない」
ダークネス「マジックカード、死者蘇生。墓地よりダークネス・デストロイヤーを特殊召喚」
ダークネス・デストロイヤー ATK2300 レベル7
ダークネス「ゆけ、ダークネス・デストロイヤー。このモンスターは2度攻撃が可能」
乙坂「トラップ発動、攻撃の無力化!」
乙坂「このバトルを無効にし、さらにバトルフェイズを終了させる」
ダークネス「……我がターンはこれで終了だ」
友利「よし、生き残った!」
高城「ここから反撃……と言いたいところですが、乙坂さんは手札にもフィールドにもカードを持っていない」
美砂「ガタガタ言うな。真のデュエリストっていうのはな、たった1度のドローですべてを変えるもんなんだよ」
友利「ただ1度のドローで、すべてを……希望を」
高城「……! 見てください、乙坂さんのエクストラデッキが光っています!」
ダークネス「ジャッジー」
乙坂「………」
乙坂(このドローに、僕のデュエリストとしてのすべてを賭ける!)
乙坂「応えろ、僕のデッキ! カード、ドロー!!」
乙坂「!」
乙坂「このカードは……」
ダークネス「なんだ、そのデッキの輝きは」
乙坂「……そうか。そういうことか」
乙坂「マジックカード、運命の宝札! サイコロを1個振り、出た目の数だけカードをドロー。その後同じ数だけデッキの上からカードを除外する」
乙坂「ダイスロール!」
乙坂「サイコロの目は5! よって5枚のカードをドローし、その後デッキから5枚除外!」
ダークネス「5枚ドローだと!」
乙坂「運命は誰にも決められない。僕はさらに、光子圧力界を再び発動!」
乙坂「マジックカード、未来への思い! 墓地よりレベルの異なる3体のモンスターを特殊召喚する。ただしこの効果で召喚したモンスターの攻撃力はゼロとなり、効果は無効化される」
乙坂「僕のもとに蘇れ! フォトン・クラッシャー! ブラック・ローズ・ドラゴン! そして銀河眼の光子竜!」
フォトン・クラッシャー ATK0 レベル4
ブラック・ローズ・ドラゴン ATK0 レベル7
銀河眼の光子竜 ATK0 レベル8
乙坂「光子圧力界の効果発動! 召喚されたフォトンモンスターのレベルの合計×100ポイント、つまり1200ポイントのダメージをお前に与える!」
ダークネス:LP4000→2800
乙坂「そして手札より、銀河の魔導師を召喚」
銀河の魔導師 ATK0 レベル4
乙坂「レベル4の銀河の魔導師と、フォトンクラッシャーでオーバーレイ!」
乙坂「エクシーズ召喚! No.39、希望皇ホープ!」
ホープ「ホォォォプ!!」
希望皇ホープ ATK2500 ランク4
ダークネス「エクシーズ召喚……」
乙坂「まだだ! 手札より、さらにマジックカードを発動する!」
乙坂(……歩未。お前の力だ)
乙坂「星に願いを! モンスターを1体選択し、そのモンスターと同じ攻撃力、または守備力を持つモンスターのレベルをすべて選択したモンスターと同じにする」
乙坂「僕は銀河眼の光子竜を選択。これにより、同じく攻撃力0のブラックローズドラゴンのレベルも8となる」
乙坂「レベル8となったブラックローズドラゴンと、銀河眼の光子竜でオーバーレイ!」
乙坂「2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!」
乙坂「宇宙にさまよう光と闇。その狭間に眠りし哀しきドラゴンたちよ。その力を集わせ、真実の扉を開け!」
乙坂「No.62! 銀河眼の光子竜皇!」
銀河眼の光子竜皇(ギャラクシーアイズ・プライムフォトン・ドラゴン) ATK4000 ランク8
ダークネス「馬鹿な。汝のデッキにそのような銀河眼のカードは」
乙坂「希望皇ホープの力により、僕の銀河眼にナンバーズの力が与えられた。それがこいつだ」
乙坂「ダークネス! これが僕の、僕達の未来だ!」
乙坂「バトル! 銀河眼の光子竜皇で、ダークネス・デストロイヤーに攻撃!」
高城「攻撃力は4000と2300。これなら――」
ダークネス「………」
ダークネス「相手モンスターの攻撃宣言時、手札とフィールドの悪魔族モンスターを1体ずつ墓地に送ることで、手札よりダークネス・ネオスフィアを攻撃表示で特殊召喚できる」
ダークネス・ネオスフィア ATK4000 レベル10
美砂「プライムフォトンドラゴンと同じ、攻撃力4000!」
ダークネス「それだけではない。このモンスターは戦闘では破壊されず、さらに互いのエンドフェイズに我がライフを4000まで回復する」
ダークネス「いくらライフを削られようとも、ターンの終わりには元に戻るのだ」
ダークネス「汝がいくら足掻こうとも、すべては無に帰する」
乙坂「………」
乙坂「それはどうかな!」
ダークネス「何?」
乙坂「墓地のオーバーレイ・ブースターの効果発動! このカードを除外することで、銀河眼の光子竜皇の攻撃力を、オーバーレイユニットの数×500ポイントアップする!」
銀河眼の光子竜皇 ATK4000→5000
乙坂「ゆけ、プライムフォトン! ダークネス・ネオスフィアに攻撃!」
ダークネス「オーバーレイ・ブースター……我の手札断殺で捨てたカードか!」
ダークネス「だが、この戦闘を終えても我がライフはまだ1800残る――」
乙坂「いいや、まだだ!」
乙坂「プライムフォトンの効果発動! オーバーレイユニットをひとつ取り除くことで、フィールド上のエクシーズモンスターのランクの合計×200ポイント、攻撃力をアップする!」
銀河眼の光子竜皇 ATK5000→4500
乙坂「フィールドには、ランク4の希望皇ホープとランク8のプライムフォトンが存在する」
乙坂「ランクの合計は12……よって攻撃力は2400ポイントアップする!」
銀河眼の光子竜皇 ATK4500→6900
乙坂「お前のライフは2800。プライムフォトンとダークネス・ネオスフィアの攻撃力の差は2900!」
ダークネス「馬鹿な……我が、敗北……!」
乙坂「終わりだ! エタニティ・フォトン・ストリイイィム!!」
ダークネス:LP2800→0
ダークネス「我は……再び……」シュウウウゥ
友利「闇が、消えていく……」
デュエル終わったので中断。数時間後に再開する予定です
おそらく今日中に終わらせられるはず
おもすれ
歩未「………」フラッ
乙坂「歩未!」ガシッ
歩未「ん……有宇お兄ちゃん……?」
乙坂「そうだ。歩未、無事でよかった……!」
高城「空間が、元に戻っていく」
美砂「学校の校舎だな。……それはそうと、こいつはなんでここにいたんだ?」
カッター少女「ひっ」
友利「まあ、そのあたりの話はじっくり後で聞かせてもらうとしましょう。ね?」ニッコリ
カッター少女「」
歩未「あゆ、いったいなにがどうなったのか全然わからないのです」
乙坂「そうだな。あとでわかるように説明するよ」
乙坂「………」
歩未「有宇お兄ちゃん?」
友利「どうしたんですか。カードをじっと見つめて」
乙坂「No.62 銀河眼の光子竜皇。ホープの力に導かれ、僕のデッキに現れたナンバーズ」
友利「デュエル中にカードを創造しているところにはツッコみません」
乙坂「未来を操る光の化身……思い出した」
友利「思い出した? なにを」
乙坂「ナンバーズが、封じられた僕の記憶を呼び覚ました。僕の能力の本質、そしてもうひとりの家族の存在」
歩未「もうひとりの家族?」
乙坂「僕達には兄がいる。隼翼(しゅんすけ)という名の兄が」
友利「乙坂隼翼……ええっ!? あんたあの人の弟だったんですか!」
乙坂「あの人? ……どうやら、バラバラだった点が線につながり始めたようだな」
完結せず最新話も取り入れていくスタイル
乙坂「封じられていた記憶。姿を取り戻したナンバーズ」
乙坂「兄との邂逅により、僕達はさらなる戦いへと身を投じることとなる」
乙坂「その物語は――機会があれば、また語ることとする」
乙坂「結末だけ述べておくなら……デュエルの果てに、僕達は未来をつかみ取った。それだけだ」
第一部 完
おまけ
【兄との再会】
隼翼「久しぶりだな、有宇」
乙坂「兄さん……本当に、僕の兄さんなんだな」
隼翼「ああ。確かめたいというなら、デュエルで証明してみせよう」
乙坂「兄さんの実力は折り紙つきだったからな。僕も闘いたいと思っていた」
乙坂兄弟「デュエル!」
友利「はやっ!? こいつら出会って4秒でデュエルか!」
隼翼「超銀河眼の時空龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)の効果発動! タイム・タイラント!」
乙坂「時を巻き戻すナンバーズ……兄さん、やはり兄さんの能力はタイムリープなんだな」
隼翼「ああ、その通りだ」
友利「相変わらず理解が早すぎるんですが」
熊耳「デュエリストのエースモンスターはそのデュエリストの本質を表す。だから、有宇が隼翼の能力を理解したのも当然だ」
友利「私はついてゆけるだろうか。デュエリストの世界のスピードに」
【本当の能力】
高城「それで、乙坂さんの真の能力とはいったい」
乙坂「デュエルを通して、能力者の能力を奪う。つまり略奪だ」
高城「略奪? しかし、私はあなたとデュエルしても能力を奪われていません」
乙坂「この能力には条件がある。ナンバーズで相手にとどめを刺さなければ、能力を奪うことはできない」
乙坂「お前や柚咲とのデュエル。僕はすべて銀河眼の光子竜でフィニッシュしていたから、略奪が発動しなかったというわけだ」
高城「そういうことですか。……ん? そうすると、必要な時に銀河眼を引く能力というのは」
乙坂「あれは単純に僕の引きが強いだけだった」
高城「ああ、なるほど」
乙坂「ナンバーズを用いて、他人の能力を狩る存在……人は僕を、ナンバーズハンターと呼ぶ」
※呼びません
【話し合い】
男子生徒「………」
乙坂「………」
乙坂「お前、名前は」
男子生徒「は、はい! お、及川です」
乙坂「及川か。お前が僕の妹に告白したという話を聞いたんだが」
及川「は、はい。歩未さんとは、清いお付き合いをしていきたいと」
乙坂「ほう」
及川(な、なんなんだこの威圧感は)
及川(お兄さんの背後にドラゴンが見える……)
【付き合うなら?】
乙坂家にて
歩未「あゆは心配なのです」
友利「なにがです?」
歩未「有宇お兄ちゃんはデュエルばかりで、全然女っ気を感じなくて……将来誰かと付き合ったりできるのかと今から気になってしょうがないのでござる」
柚咲「うーん。確かに、あんまり女の子には興味ない感じですかね」
友利「あの顔なら黙ってれば勝手に寄ってきそうですけどね。いかんせんあんな性格だからすぐに離れていきそう」
歩未「そこで! お兄ちゃんと結構長い間一緒にいてくれているお二人のどちらかが付き合うというのはどうでしょうか!」
柚咲「付き合う? 乙坂さんとですか?」
友利「唐突過ぎる提案だなぁ」
歩未「いい案だと思うんですけど、ダメでしょうか?」
歩未「有宇お兄ちゃんは口は悪いけど、根は優しいしかっこいいし、なによりデュエルが強いから優良物件なのです」
友利「優しいねえ……」
柚咲「私はアイドルなので、誰かと付き合うのはちょっと難しいですねー」
歩未「おお、そういえばアイドルに恋愛はご法度でござった! ゆさりんにスキャンダルは起こしてほしくないのでやめておくのです」
柚咲「でも、乙坂さんはいい人ですよね。私にも親切にデュエルを教えてくれますし……アイドルをやってなかったら、お付き合いしてみてもよかったかなー、なんて」
友利「なっ、正気ですか」
柚咲「はい! 割と」
友利「……まあ、確かに根は悪い男ではないようですが」
歩未「奈緒お姉ちゃんはどうでしょうか?」
友利「わ、私は……」
友利「ないですよ。ないない」プイ
歩未「そうですかー」ガッカリ
美砂「私は付き合ってやってもいいぜ。あいつはなかなかやる男だ」
歩未「ゆ、ゆさりん?」
友利「ちょ、勝手に出てこないでくださいよっ」
同時刻
乙坂「今回も無難に優勝したな。ショップでの大会」
高城「私は1度だけ勝てました。最近あなたのデュエルを見ることで、己のデュエルが上達してきている気がします」
乙坂「そうか。だがそのセリフはせめて勝ち越してから言うべきだな」
高城「ははは、手厳しいですねえ」
高城「お昼、どこかで食べますか」
乙坂「ああ。家ではガールズトークが繰り広げられているだろうしな」
高城「ではこちらもボーイズトークとしゃれこみましょう」
乙坂「よせ。気色悪い」
【希望のありか】
放課後
乙坂「友利。少しいいか」
友利「どうしました?」
乙坂「ここ最近で、それなりにデュエルの腕を上げたようだな」
友利「はい。ひょっとして勝負してくれる気になったとか」
乙坂「いや、それはまだだ」
友利「チッ」
乙坂「今回は、とりあえずこのカードをお前に渡しにきた」
友利「これは……希望皇ホープじゃないですか」
友利「ナンバーズはレアカードなんでしょう? せっかく兄から勝ち取ったカードを、どうして」
乙坂「このカードは、お前とともにあるべき……そう考えただけだ」
乙坂「ホープとともに強くなれ。お前のデッキとも相性がいい」
友利「……どうも。なら、受け取ります」
乙坂「ああ」
友利「……あなた、案外気前いいっすね」
乙坂「僕は善人じゃないぞ」
友利「褒め言葉は素直に受け取れっての」
乙坂「じゃあ、僕は帰るぞ」
友利「あ、待ってください」
乙坂「どうした」
友利「……また、明日」ニコ
乙坂「………」
乙坂「ああ、また明日」
おしまい
終わりです。お付き合いいただきありがとうございました
ここから先は本編見ないと書けないのでこのあたりで切ります。続きを書くとしたら最終回見てからになりそうです(書くかは決まっていない)
ただ中の人ネタをやりたかっただけなのに無駄に長引いてダークネスさんまで出してしまった
彼のデッキは面白いデッキだと思うけどラスボスの使うタイプのものではなかったのだ……
ちなみにお兄ちゃんの能力がタイムリープと聞いた瞬間タキオンが頭に浮かびました
有宇の能力って銀河眼関係ないのかよっ(笑)
オーバーレイユニット吸って強くなるからそれっぽいって思ってたのにw
>>109
乙坂の能力はあくまで略奪であって、それと似たような力を持っている銀河眼が彼を選んだという感じですかね
カードの精霊に選ばれればドロー力が強くなるのも当然ですし、たぶん
・略奪とナンバーズハンター(ナンバーズ略奪)
・目がキーとなる能力と銀河『眼』
・シスコンとブラコン
・タイムリープとタキオン
他にもこじつければ乙坂とカイトの共通点は多数見出せそうです
面白かった
おもしろかった(KONAMI感)
乙
デュエルあまり詳しくないけど雰囲気で楽しめた
乙
乙です
乙!
実にファンタスティックだった
姑息なコラを…
・・・「私のタキオンが使われている!?」
乙。面白かった(KONAMI感)
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