友「俺が好きなのは美少女ちゃんだ」 男「ふーん」(99)

友「やっぱかわいいしな。それに人なつっこくて友達も多い」

男「そうみたいだな」

友「で、おまえは誰が好きなんだよ?」

男「……小学生みたいな会話だな」

友「話そらすなよ。俺は言ったんだからおまえも言え」

男「おまえが勝手に言い出したんだろが」

友「クラスのやつらにバラしたりしないからさ、な?」

男「はあー……」

友「ほら、教えろって」

男「……秀才女さんだよ」

友「ええ?マジか?」

男「なんで驚くんだよ」

友「いや、たしかに秀才女ちゃんは美少女ちゃんに並ぶほどかわいいけど……なんかあんま表情もかわんないし、何考えてるのかわかんなくないか?ハブられてるわけじゃないけど、友達いないっぽいし」

男「まあそんな感じだけどさ……」

友「なんだよ、捨て犬にエサやってるとこでも見かけたとか?」

男「またベタベタだな……そうじゃねえよ」

友「じゃあなんで?」

男「なんていうか……あんまり人と接するのに慣れてないだけに見えるんだよな。好きで孤立してんじゃなくてさ」

友「ふむふむ」

友「なら、二人で一歩踏み出してみようじゃないか男よ!」

男「はあ?」

友「俺は明日勇気を出して美少女ちゃんに話しかけてみる。だからおまえも秀才女ちゃんに話しかけるんだ」

男「はあ!?」

友「二回も同じリアクションとんなよ」

男「なんで俺までおまえに付き合わなきゃいけないんだよ!」

友「まあまあ、聞けよ親友」

男「なんだよ親友って」

友「正直、俺は美少女ちゃんをもう遠くから見つめるだけでは満足できない。美少女ちゃんと、付き合いたいと思ってる」

男「真剣モードか?」

友「真剣も真剣だ。おまえはどうなんだ?」

男「…………」

男「そりゃ俺だって……付き合いたいよ」

友「だろ?」

友「けど俺もおまえも今まで彼女なんてできたこともない、童貞だ」

男「うるせー」

友「このままじゃ告白なんてしないまま、この恋が終わりそうだ」

男「…………」

友「だから一歩踏み出そうってわけだ。一人ではこわいが二人ならこわくない」

男「…………」

友「まあお互いの問題だからな。さすがに無理強いはしないが……」

男「……わかったよ」

友「お?」

男「のるよ。その作戦」

友「おお!マジか!」

男「俺だって、本気で好きだしな」

友「いやいやありがたい。けどほんとにいいのか?」

男「なんだよ誘っておきながら」

友「いやさ、美少女ちゃんは人見知りとかしないけど、秀才女ちゃんは本とか読んで自分話しかけんなオーラまとってんじゃん」

男「話しかけんなって実際思ってはなさそうだけどな。ただ暇だから本読んでるって感じ」

友「どちらにしろ、おまえのほうが難易度高いぞ?話しかけるだけでも」

男「いいよ、もうのったんだからやってやるよ」

友「それでこそ男だ!じゃあ明日はお互いがんばろうぜ!」

男「おう、どうせならほんとに付き合うまでいってやる」

友「その意気だ!」

翌日の昼休み

友「…………」ガタ

男(行くのか……)

美少女「あはは、それでねー」

友「な、なあ美少女ちゃん」

美少女「ん?なに友くん?」

友「あーえーっと……」

男(しどろもどろになってるな……)

男(あいつが行ったんだから俺も……)ガタ

秀才女「…………」

男(やっぱり本読んでる相手にたいしては話しづらいな……)

男「な、なあ」

秀才女「…………」

男「お、おーい?」

秀才女「……え?」

男「あー、よ、よう」

秀才女「わたしに何か用……?」

男「い、いや何の本読んでんのかなーと思ってさ」

秀才女「これ……」パラ

男(た、タイトルから意味わからん……なんかの専門用語使われとる)

男「えっと、おもしろいのか?それ?」

秀才女「最近読んだ本の中では……」

男「へ、へえー」

男「そ、それじゃあ……」

秀才女「うん……」

男「…………」スタスタ

秀才女「…………」パラ

放課後の図書室

友「それで終わりかよ!」

男「そう言うなよ……」

友「まあ俺だって緊張したけどよ」

男「おまえはどうだったんだよ?」

友「ふふん、俺はな、美少女ちゃんと共通の好きなマンガの話で盛り上がることができたぞ!」

男「え……マジで?」

友「マジで!」

友「明日からはそのマンガの話で自然に話しかけられるぜ!」

男「なんだこの敗北感……」

友「それに比べておまえはまたほとんど振り出しのままだな」

男「はあ……」

ガラ

友「お、誰か来た……っ!」

友「おい!おい!」

男「なんだよ?」

友「あそこ」チョイチョイ

男「ん?……あ!」

秀才女「…………」

友「本借りに来たみたいだな」

男「ああ……」

友「話しかけろよ」

男「冗談だよな?」

友「そんなだから今日おまえは振り出しのまま」

男「わかったわかった!」

男「よ、よお」

秀才女「あ……」

男「本探してるのか?」

秀才女「うん……暇だったから」

男「昼休み読んでた本は?」

秀才女「さっき読み終わったわ」

男「そ、そっか」

秀才女「うん……」

秀才女「あ、あの本……」

男「え、あれか?」

秀才女「うん……少しおもしろそう」スッ

男(難しい本だってタイトルだけでわかる……)

秀才女「ん……しょ」プルプル

男「届かないのか?」

秀才女「もうちょっと……ん……」プルプル

男「…………」

男「よっと」スッ

秀才女「あ……」

男「ほら、とれたぞ」

秀才女「あ、ありがとう……」

男「ん……」

男「借りて帰るのか?」

秀才女「うん、もう遅いし……」

男「じゃあ俺もそろそろ……あれ?」

男(友がいない……どこ行ったんだ?)

男(トイレかな……ん?)

男(鞄の上にメモが)カサ

せっかくだから一緒に帰れ!できなかったら学食おごり!

男(くっそ!またあいつ……)

図書委員「はい、一週間後までに返却してねー」

秀才女「ふう」スタスタ

男「あーっとさ、秀才女さん」

秀才女「?なに?」

男「その……」

秀才女「?」

男「方向同じならさ、一緒に帰らないか?」

秀才女「え……?」

男「ほら、もう暗いし……」

秀才女「…………」

秀才女「…………」スタスタ

男「…………」スタスタ

男(か、会話がない……)

男「あ、あのさ」

秀才女「え?な、なに?」

男「その、秀才女さんってさ、いつもどんな本読んでるんだ?」

秀才女「え、えーっと……科学関係の本とか、いろいろ……」

男「小説とかは読まないのか?」

秀才女「推理小説なら少し……」

男「そ、そうなんだ」

秀才女「うん……」

秀才女「それじゃあわたし、こっちだから」

男「あ、ああ、気をつけて」

秀才女「うん……送ってくれて、ありがとう」

男「ど、どういたしまして……」

秀才女「それじゃあ」

男「うん……」

翌日

友「へえ、じゃあけっこう話せたのか」

男「けっこうってほどかな……」

友「まあ普段あんま喋るコじゃないし、及第点だろ」

男「ちなみにおまえは?」

友「聞いて驚け、ついさっきアドレスを交換した」

男「……うわあマジかー……」

友「やはり俺のほうが一歩リードだな」

放課後

友「あれ、秀才女ちゃんいねーや」

男「今日はもう帰ったんだろ」

友「せっかくまた一緒に帰らせようと思ったのに」

男「おまえ……」

友「睨むな睨むな、何だかんだで幸せだったろ?」

男「……まあな」

帰り道


男(はー、でも今日は話せなかったか……)

男(やっぱり会話はあんま続かないけど……話してると嬉しいんだよな)

男(明日はまた自分から話しかけてみるか……)

男(とりあえず本屋寄って帰ろ)

本屋

男「うーん、まだ発売してなかったか」

男「あっ」

秀才女「あ……」

男「よ、よお。偶然……」

秀才女「そ、そうね……」

男「す、ストーカーじゃないぞ!?」

秀才女「……ふふっ」

男「え?」

秀才女「わかってるよ……」クスクス

男(わ、笑ってくれた……!)

男「本、好きなんだな」

秀才女「うん」

男「オススメとか、ある?」

秀才女「うーんと……」

秀才女「こっち」スタスタ

男「あ、待って待って」スタスタ

秀才女「小説のほうがいい?」

男「うーん、そうだな」

男(それ以外だと多分読んでもわからないの渡されそうだしな……)

秀才女「じゃあ、これかな」スッ

男「あ、ありがと」

秀才女「この作者さんのは、全般的におもしろいよ。トリックはかなり難しいけど」

男「ああ、読んでみるよ」

秀才女「うん」

男家

男「うーん」

男(読めないほどじゃないが……やっぱり難しいな)

男(当然ギャグもないし……あ)

男(そういえば、今日笑ってくれたんだった……)

男(……すっげーかわいかったな、やっぱ)

男(ギャグとかで笑ったりしないのかな……あ)

男(よし、やってみるか)

翌日

男「お、おはよ」

秀才女「あ……おはよう」

男「昨日はありがと。まだ途中までしか読んでないけど、おもしろいよあの本」

秀才女「そう……よかった」

男「だからその……お返しにこれ」スッ

秀才女「え?」

男「俺が好きな小説なんだけど、よかったら読んでみてくれ」

秀才女「あ、ありがとう……じゃあ借りるね」

男「あ、そろそろ授業始まるな」

秀才女「あ……」

男「引き留めてごめんな、それじゃ」

秀才女「う、うん」

秀才女家

秀才女「…………」パラ

秀才女「ふふっ……あははっ」

秀才女「この本、おもしろい……」パラ

秀才女「ふふっ……あはははっ」

翌々翌日

友「え?本貸したのか?」

男「ああ」

友「へえー、なんだけっこううまくやってんじゃん」

男「おもしろいと思ってくれるといいんだけどな」

友「この土日の二日間、そればっかり心配してたろ?」

男「お見通しかよ」

友「へっへっへ」

男「おまえは相変わらずか?」

友「おう、毎日メールしてるぜ。俺と美少女ちゃんが好きなマンガはマイナーなやつだら、案外前から話せる相手欲しかったのかもな」

男「いいなぁおまえ。何気にかなり順調じゃん」

秀才女「あ、男くん」

男「あっ……」

友(退散!)ダダダ

秀才女「これ、ありがと」スッ

男「えっ?ああ、いやいや」

秀才女「すっごく面白かった」

男「え……ほんとか?」

秀才女「うん、お腹痛くなるくらい笑っちゃった」

男(ああ!すげー見たいそれ!)

秀才女「ああいう小説は読んだ事なかったから、楽しかった」

男「そ、そっか。それはよかった」

秀才女「うん、ありがとう」

男「あの、よければさ……」

秀才女「?」

男「他に俺がおもしろいと思ったのも……貸そうか?」

秀才女「……!うんっ」

キャーキャーアマズッパイワー

1ヶ月後

秀才女「あ、男くん、これ借りてた本」

男「あ、こっちもちょうど昨日読み終わったから返すよ」

秀才女「おもしろかったなあ。あの後どうなるんだろ」

男「教えてもいいけど」

秀才女「あ、待って待って教えないでっ」バタバタ

男「あはは」

クラスメイト男子「男って最近秀才女さんと仲いいよなー」

男「え?あーまあ……」

男(たしかに最初と比べると、かなり進歩してるかな……)

クラスメイト女子「えー?どうやったの男ー?」

男「普通に話してただけだよ。よく喋るわけじゃないけど、無口でも気むずかしいわけでもないよ、秀才女さんは」

クラスメイト女子男子「「へー」」

男「…………」

男家

男「うーん」ゴロン

男(そうだよな、やっぱり俺以外のクラスメイトとも、仲良くできたほうがいいよな)

男(友にも相談してみるか……あ)

男(そうだ、いい事思いついた!)

友「さて、今日はいよいよ、美少女ちゃんを二人きりの昼飯に誘ってみようと思う」

男「その事なんだが友よ……」

友「なんだ?」

男「今日は諦めてほしいんだ」

友「はあ!?せっかく気合い入れたのになんで!?」

男「二人きりってのを諦めてほしいんだ。頼む」

友「だからなんでだ?おまえの事だからちゃんと理由があるんだろ?」

男「実はさ」ゴニョゴニョ

友「ふむふむ」

友「ん、そういう事なら是非協力するぞ」

男「すまんな、せっかく二人きりになれたかもなのに」

友「いや、実をいうとさすがにちょっと不安だったからな。ちょうどいいさ」

男「ありがとう。じゃあ昼休みに」

友「ああ、まかせとけ」

男「おはよ」

秀才女「あ、おはよう、男くん」

男「あーっとさ、秀才女さん」

秀才女「?なに?」

男「ちょっとお願いがあるんだ」

秀才女「お願い?」

男「うん、昼休みさ、一緒に飯食べない?友と美少女さんと四人で」

秀才女「え……」

男「ごめん、嫌かな?」

秀才女「ううん、嫌じゃない……けど……」

秀才女「わたしなんか誘っても、つまんないよ?」

男「そんな事ないよ。秀才女さんと仲良くしたいやつ、沢山いるよ。ほら、みんなノリのいいやつらだし」

秀才女「でも、わたしどういう事話せばいいかわからないよ……」

秀才女「小さい頃から、お父さんの影響で、理科とかすごく楽しくて……」

秀才女「お父さんと一緒にいろんな実験ばかりしてたら、他のコとどんどん遊ばなくなって……」

秀才女「それ以来、どういうふうに人に接すればいいのか、わからないの……」

男「…………」

男「俺は、秀才女さんと過ごしてる時、楽しかったよ」

秀才女「え……」

男「だから、俺と仲良くなってくれた時と同じように、ゆっくり時間をかけてやればいいんだ」

秀才女「あ……」

男「でも、秀才女さんが嫌なら無理強いは」

秀才女「ううん」

男「え?」

秀才女「わたし、やってみる」

男「じゃあ……」

秀才女「お昼、お邪魔させてください」ペコ

昼休み

友「おう、来たか」

美少女「待ってたよー」

男「ごめん、ちょっと遅くなった」

秀才女「…………」ドキドキ

美少女「それじゃ、いただきまーす」

男友「「いただきます」」

秀才女「いただきます……」

美少女「あ、秀才女ちゃんのお弁当かわいいね!自分で作ってるの?」

秀才女「う、うん。そう」

美少女「すごいなあ。私は朝起きれないからお母さんに頼りきりだよー」

秀才女「そ、そうなんだ」

男友「「…………」」

美少女「そういえば、秀才女ちゃんってよく本読んでるよね」

秀才女「う、うん。男くんから借りた小説とか、自分のとか」

美少女「小説かあ。マンガは読まないの?」

秀才女「マンガはあんまり……」

美少女「マンガもおもしろいよー。よかったら今度オススメ貸してあげるけど」

秀才女「う、うん。読んでみようかな」

男友(おっ)

美少女「じゃあ明日持ってくるね」

秀才女「あ、あの……」

美少女「ん?なに?」

秀才女「よかったら……わたしもオススメの小説……貸そうか?」

男友(よし!よく言った!!)

放課後

友「わかってはいたがさすが美少女ちゃん。まったく人見知りしなかったな。よしよし」

男「ありがとな、友」

友「いいってことよ、こっちもこれでさらに二人きりの昼飯に誘いやすくなったしな」

男「おう、がんばれよ」

男(秀才女さん、今日はがんばってたな)

数日後

美少女「秀才女ちゃん、この小説すごい感動したよ!ありがとう!」

秀才女「うん、美少女さんのマンガも、すごく面白かった」

美少女「私、小説って今まで読まなかったけど、いいものなんだねー」

秀才女「わたしも、これからはマンガも読んでみようかな」

男(よし、うまくいってる)

放課後の図書室

秀才女「あとは、これもおもしろいかな」

男「これね」スッ

秀才女「ここの図書室だと、オススメはこれくらいかな」

男「うん、ありがと」

秀才女「こちらこそ、ありがとう」ペコ

男「え?なんで?」

秀才女「男くんのおかげで、最近すごく楽しいよ」

男「ん、そっか……」

秀才女「美少女さんとも仲良くなれたし……美少女さんの他の友達とも、最近たまに話すの」

男「あはは、美少女さん友達多いからね」

秀才女「男くんのおかげだよ、ありがとう」ペコ

男「秀才女さんだって、がんばったよ」

秀才女「うん……ありがとう」

男「…………」

秀才女「…………」

男(あれ?なんかすげーいい雰囲気じゃないかこれ?)ドキドキ

男(お、思いきって、こ、告白……)

図書委員「あれー?この本どこの棚だったかなー?」

男(無理か……)

図書委員「あ、あそこだ……高いな」

男(くそう……まあ図書室だから図書委員いるのは当然たけどさ……)

図書委員「んっ……と、届かな……」プルプル

図書委員「きゃっ!?」ドテッ!

図書委員「いったーい……」

男(あ、パンツ丸見え……)ジー

秀才女「…………」

男「あ!」ビク!

秀才女「…………」ジー

男「い、いや違うんだよ、怪我とかしてないかなって……」

秀才女「…………」ツカツカ

男「あ、あの、秀才女さん……?」

秀才女 スッ

ギュウウウ!

男「いっ!いで!ひで!ひでででで!」

秀才女 ギュウウウ!

男「ほ、ほっへはひぎれる!ひぎれるうぅ!」

秀才女「……あ」パッ

秀才女(あれ?なんでわたし……)

男「い、痛かった……!」ヒリヒリ

秀才女「…………」

秀才女「男くんが悪いんだもん……」

タタタ

男「え!?あっ、ちょっと!」

バタン

男家

男「はあぁあ……」

男(嫌われたかな……告白寸前で……)

秀才女家

秀才女「はあ……」

秀才女(どうしてあんな事したんだろ……)

秀才女(なんか、男くんがあのコの下着見てた時、すごく嫌だった……)

秀才女(やっぱり男の子だから、そういうの好きなんだよね……?)

秀才女(好き……)

秀才女「…………」ドキドキ

秀才女(あ……これ、まずい……)ドキドキ

秀才女(わたし、男くんの事、すごい好きだ……!)ドキドキ

翌日

男「あ……」

秀才女「あ……」

男「お、おはよ」

秀才女「うん、おはよう……」ドキドキ

男「その、昨日はごめん」

秀才女「ううん、わたしこそ、ほっぺつねったりして……」

男「…………」

秀才女「…………」

男「そ、そういえばさ」

秀才女「う、うん」

男「今日新しい小説の発売日だからさ、帰り本屋行かないか?」

秀才女「う、うん。わたしも美少女さんがすすめてくれたマンガ見たいから、いいよ」

男「そ、それじゃ、放課後に」

秀才女「そ、そうだね」

店員「ありがとうございましたー」

秀才女「よ、よかったね。売り切れてなくて」

男「あ、ああ、秀才女さんもたくさんマンガ買ったな」

秀才女「う、うんマンガは早く読み終わるから、買いだめしても大丈夫かなーって」

男「そ、そっか」

秀才女「うん……」

男「…………」

秀才女「…………」

男(うおお……まさかここまで来て振り出しに戻るとは……俺のアホ)

ポツ…ポツ…

男「あれ?」

ポツ…ポツ…ザアアー

秀才女「きゃっ!?」

男「うわっ、いきなり降ってきた!」

秀才女「ど、どうしよ、傘ない……」

男「とりあえずあそこの公園に入ろう、雨宿りできそうな遊具がある!」

秀才女「う、うん!」

ザアアー

男「いきなりだったなぁ」

秀才女「雲行きあやしいな、って思ってたけど、こんなに降るなんて」

男「だな」

ザアアー

男「あ、あのさ」

秀才女「な、なに?」

男「昨日はごめん……ほんとに」

秀才女「ううん、気にしてないよ。わたしのほうこそ、ごめんなさい」

男「ん……」

秀才女「…………」

男「雨、やまないな」

秀才女「さっき買った本、読む?」

男「いや……」

秀才女「?」

男「秀才女さんと、話してたいな」

秀才女「うん……」

秀才女「あのね、訊きたい事あるんだ」

男「なに?」

秀才女「男くん、なんでわたしに声をかけてくれたの?」

男「…………」

秀才女「わたし、それまではクラスの人たちと全然喋ったことない、つまんない女子だったのに、なんで?」

男「それは……その……」

秀才女「うん……」

男「…………」






男「俺が、秀才女さんのことを、好きだからだよ」

秀才女「え……」

男「最初は、全然知らないのに、好きだったけど……」

男「仲良くなって、どんな女の子かを知ったら、ますます好きになってた」

秀才女「あ、あう……///!」

男「本当に、すごく好きです。俺と付き合ってください」

秀才女「…………」

男「…………」

男(言った!言ったぞ!)ドキドキ

男(あとは、返事を待つだけだ……)ドキドキ

秀才女「わ、わたし……」

男「うん」

秀才女「男くんがいなきゃ、友達もできなかったし……」

秀才女「何より、男くんといる時、すごく楽しいから……」

男「…………」

秀才女「だから、わたしも好きだよ、男くんのこと」

男「……ありがとう」

秀才女「わたしも、ありがとう」

男「じゃあこれからは……恋人同士で」

秀才女「うん……えへへ///」

ザアアー

秀才女「雨、やまないね」

男「そうだな……」

秀才女「んー……」

男「…………」

男(肩、抱いてみたりとか……)スッ

秀才女「っ」ピクンッ!

男(や、やっぱ急すぎたか!?)

秀才女「…………」

秀才女 コテ

男「あ……」

秀才女「んん……」ギュ

男「…………」ギュ

ブルブルブル

男「…………」

男(誰だこんな時に……)ピッ

友「お、おい男!聞け!聞いてくれ!」

男「なんだよ」

友「帰ってたら急にどしゃ降りになったから急いで学校に引き返したんだ!そしたら教室に美少女ちゃんがいて、俺の事好きだって!」

男「ごめん、友」

友「それで……え?」

男「今、彼女と一緒にいるからさ」

友「えっ!?おまえ」

ピッ

秀才女「もう……ダメだよ強引に電話きっちゃ」

男「いいんだよ、あいつ今幸せ絶頂だろうから」

秀才女「あ……雨、やんだね」

男「じゃあ、帰ろっか」

秀才女「うんっ」

一週間後

秀才女「だから、ここはこうやって解くの。わかった?」

男「わ、わかりません……」

秀才女「もー、テストまでもう日にちないよ?」

男「面目ない……」

秀才女「もう、男くんの成績がここまで悪かったなんて」

男「遊びほうけた結果ゆえ、言い訳すらございません……」

秀才女「まったくもう。もう一度最初から説明するよ?ここはね……」

男 ジー

秀才女「?なに?」

男「いや、やっぱかわいいなーと思って」ニヤニヤ

秀才女「っ///!」カアアー!

男「へへへ」

秀才女「……つむって」

男「え?」

秀才女「……目つむって」

男(こ、これはまさか……!)ドキドキ

秀才女「は、早く……」

男「わ、わかった!」

男「…………」ドキドキドキ

ビシッ!

男「!?いってえ!?」

秀才女「うー……!」

男「な、なんでデコピンなんだよ!?」

秀才女「勉強中なのに、変なこと言うからっ///」

男「くそう……ついにきたかと思ったのに……ついにファーストキスかと思ったのに……」ブツブツ

秀才女「…………///」

秀才女「そ、そんなにしてほしいなら……」

男「え?」

秀才女「次のテスト……赤点とらなかったら……してもいい……」モジモジ

男「……マジですか?」

秀才女「そ、そのかわり、がんばるんだよ?」

男「命をかけてがんばります」

秀才女「そ、それならよろしいっ。じゃあ勉強再開するよっ」






おわり

読んでくれた人ありがとう


最初から最後までニヤニヤが止まらなかった

おつおつ



出来れば友のほうも読んでみたいなー(チラッチラッ

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