吹雪「とある鎮守府の夏」 (20)


吹雪(あー今日も暑いな。間宮さんの所で何か冷たい物でも食べたい気分だよ)

吹雪(って朝からこんなんじゃ駄目駄目。ただでさえウチの鎮守府は今色々と厳しいんだから)

吹雪(これから司令官に会うんだし、秘書艦としてもしっかりしないと。よし、今日も笑顔で元気よく……)

吹雪「おはようございます、司令官! 秘書艦・吹雪入ります!!」ドアガチャ



提督「あ、吹雪君。おはよー」←パンツ一丁

吹雪「きゃああああああぁぁぁぁ!?///」

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つまんねエタれ


吹雪「ちょ、司令官!? 朝から何て恰好してるんですか!!」

提督「何て見ての通りだよ。軍服は暑いからね」

吹雪「だからって裸にならなくてもいいじゃないですか!」

提督「裸じゃないさ。ほら、下はちゃんと穿いてるし」パチンパチン

吹雪「パンツのゴムをパチンパチンしないで下さい!」

提督「大袈裟だな、これくらいで。そもそも僕の裸なんて吹雪君は何度も見てるだろうに」

吹雪「何度見てても駄目なものは駄目です! ああ、軍服を床に脱ぎ散らかして……もう!」


…………

吹雪「とにかく今後執務室で服を脱ぐのは禁止とします」

提督「厳しいな、フブキンは。昔の君はもっと大らかだったのに」←軍服着た

吹雪「誰のせいでこうなったと思ってるんです? 後フブキンは止めて下さい」

提督「このまま性格が変わり過ぎて何時か『これ吹雪じゃなくてほぼオリキャラじゃねえか、ボケ』って指摘されそうで僕は怖いよ」

吹雪「誰に指摘されるんですか。下らない事言ってないで早く朝のお仕事始めますよ」

提督「その事だがね、フブキーヌ」

吹雪「何ですか、司令官。後フブキーヌも止めて下さい」


提督「ちょっと2人で海岸の辺りを散歩しないかい?」

吹雪「はい?」

提督「いや、何時も執務室に籠ってばかりだと身体が鈍ってしまうからね。今日は一段と暑いだろうけどここまで来ると中も外もあんまり変わらないだろうし」

吹雪「あの、司令官。今日もお仕事たくさんあるんですよ?」

提督「その為の気分転換さ。さあ、早速外に出よう!」

吹雪「駄目です」

提督「わーきっぱり断られたー」

吹雪「当たり前です。この前も似た様な事して結局午前中ずっと遊び呆けていたじゃないですか」

提督「えーでもフブキックスも結構ノリノリになって一緒に遊んだじゃないか」

吹雪「ノ、ノリノリになんかなってません! それとフブキックスも止めて下さい!!」


提督「どうしても駄目かい?」

吹雪「駄目です」

提督&吹雪「…………」

提督「やだーい、やだーい! お外に散歩出るまで仕事なんてやだーい!!」ジタバタ

吹雪「ちょ、いい歳して子供みたいに駄々を捏ねるのは止めて下さいよ!? みっともない上に見苦しいですから!!」

提督「うえーん、お外ー。お外行きたいよー」ジタバタ

吹雪「ああもう、分かりました! 少しだけ、少しだけですからね!!」

提督「ありがとう、さすが僕の秘書艦だ。では早速出ようか、エターナル・フォース・ブリザード」ケロッ

吹雪「まったく、司令官は……それとエターナル・フォース・ブリザードは止めて下さい。長い上に最早原型ないですから」


…………

提督「海だー! 僕は海にきーたーぞー!!」

吹雪「うぅ、恥ずかしいですからそんな大声で叫ばないで下さいよ」

提督「うーーーーみーーーー!!!」

吹雪「あのぅ、頼みますからもう少しテンション落として……」

提督「砂浜ダーーイブ!! って、熱いぃぃぃぃ! 砂浜滅茶熱いぜぇぇぇぇぇ!!」

吹雪「…………」

提督「キャハハハハ! 僕は砂浜だ! 砂浜と一体化しているんだ! キャハハハハハハ!!!」

吹雪(一度脳外科に診て貰った方がいいのかな?)


提督「はぁ、はぁ……何だろう? まだ10分も経ってないのに凄く疲れたぞ……もしや深海棲艦の仕業か?」

吹雪「あれだけ暴れれば当たり前です。ゴルゴムの仕業みたいな言い方しないで下さい」

提督「海を見るとそれだけで気分が高翌揚するからね。ハイテンションになってしまうのも仕方ないのさ」

吹雪「それは何となく私にも分かります。さすがに司令官ほどオーバーにはなりませんけど」

提督「暑いしこのまま泳ぎたい気分だよ。まあ僕は金槌だから泳げないけどね」

吹雪「またそんな冗談を。海軍の提督ともあろう人が泳げない訳がないじゃないですか」

提督「え?」

吹雪「え?」


提督「海軍だからって全員泳げると思ったら大間違いだよ、吹雪君。尤も僕はスペシャルだからね、泳げないくらいささいな欠点に過ぎないのさ」

吹雪「(ボソッ)欠点は他にもたくさん思うけどなぁ」

提督「何か言った? もし愛の言葉ならもっとはっきり言って欲しいんだけど?」

吹雪「いいえ、何も言ってません。当然愛の言葉なんて一言も」

提督「そうか、それは残念だ。しかしあれだね、せっかくここまで来たのにこのまま海を眺めて帰るのは何だか勿体ないね」

吹雪(あ、何か嫌な予感がする)

提督「よし、吹雪君。今すぐ艤装を装備してくれ。そして僕を抱えてこの近くの海を走ってくれないか?」

吹雪「すいません、色々ツッコミたいところが多すぎるんですけど?」


提督「大丈夫、吹雪君なら僕1人くらい軽々担げるから。なにせ韋駄天の吹雪とは君の事だからね」

吹雪「そういう問題じゃありません! 出撃でも演習でも無いのに海に出るなんて……艤装を着けて出るのもタダじゃないですよ!!」

提督「まあ確かに多少は燃料掛かるけどさ……駄目かな?」

吹雪「駄目です。ただでさえウチの鎮守府はそんなに余裕が無いんですから」

提督「そうか……ならこちらも奥の手を使うとしよう」

吹雪「言っておきますけどさっきみたいに駄々捏ねても駄目ですからね」

提督「ここにこの前遠征で来た赤城さんの生写真が10枚ほどあるんだけどよければ……」

吹雪「特型駆逐艦、吹雪! 出撃します!!」ジャキーン

提督「僕、吹雪君のそういうところ大好きだよ」


…………

ドドドドド……

提督「おお、思ったよりも早いな!」

吹雪「これでも何時もよりはスピードは落としてますけどね。後あんまり遠くには行きませんよ、危ないですから」

提督「結構飛沫があるな……吹雪なのに波飛沫!」ドヤァ

吹雪「意味が分からない事でドヤ顔しないで下さい。というかあんまり騒ぐと落ちちゃいますよ?」

提督「大丈夫、大丈夫。吹雪君はそんなミスしないって僕は信じてるから」

吹雪「まったく、もう」クスッ


提督「……しかしそうか、君達は何時もこんな感じで海を見ているんだな」

吹雪「何ですか、急に?」

提督「提督だから当然だけど、僕は何時も鎮守府に居るからね。君達が必死に戦っている時も安全な場所に引きこもって指示を出すだけだ」

吹雪「…………」

提督「だからせめて君達と同じ目線で海が見たかった。今日は吹雪君のおかげでその願いが叶ったよ」

吹雪「司令官……」

提督「まあ戦っている時は当然違った景色なんだろうけどね。僕も鎮守府から出て一緒に戦えたらいいんだけどそんな力は無いし……情けないけどね」


吹雪「そんな事ないですよ。むしろ司令官が鎮守府に居てくれるからいいんです」

提督「そうなのかい?」

吹雪「はい。だって司令官が居る鎮守府が私達の帰る場所なんです」

吹雪「帰る場所があるから、私達は戦えるんですよ」

提督「……そっか」


吹雪「さて、そろそろ戻りましょうか。さすがにもう戻らないと時間が危ないですし」

提督「う~ん、もうちょっとだけ駄目かな?」

吹雪「これ以上我が儘を言わないで下さい」

提督「そうか、残念だ……それにしても飛沫のせいで結構濡れてしまったな」

吹雪「部屋に戻ったらとりあえず着替えた方が良さそうですね」

提督「暑いしこのまま脱いで過ごすというのは……」

吹雪「それも駄目です。そもそも司令官も女の子なんですからもう少し恥じらいを持って下さい」

提督「いやはや、吹雪君は厳しいね……仕方ない、ボチボチ頑張りますか」

吹雪「はい! 今日も一緒に頑張りましょうね、司令官!」

<おわり>


以上です。読んでくれた人、ありがとうございました。


女提督だったのか
二度見してしまった

女提督だったとオチで明かしても「マジかよ!?」ってなるような会話や流れがほぼ一切無くて意味が無くなってるな



……で? 冒頭の提督の恰好、参考資料はないのかね?


提督の格好で少し興奮した

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