山城「私の不幸な十二か月」 (35)
一月
山城「不幸だわ……」
提督「おう山城。おみくじどうだった?」
山城「聞かなくてもわかるでしょう……? 大凶ですよ」
提督「だろうなー……ちなみに俺は大吉だったぞ」
山城「……はいはい良かったですねー」
提督「まあとりあえず、大凶のおみくじは枝に結ぶと良いらしいぞ」
山城「結ぼうとしたら枝が折れました」
提督「あー……まあ、うん。お参りでもしよっか」
山城「そうですね」
提督「賽銭投げて……っと」チャリン
山城「えい」シャリン
提督(今年も艦隊が無事でありますように)
山城(今年も扶桑姉さまとずっと一緒にいられますように)
提督(あと……)チラッ
山城(あと……)チラッ
提督(山城に、良いことがありますように)
山城(提督に、良いことがありますように)
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二月
山城「不幸だわ……」
提督「おう山城。どうした目に隈なんか作って」モグモグ
山城「昨日寝てなくて……って、提督朝からチョコですか」
提督「ああ、朝から大勢に貰ってしまってな」
山城「はいはい提督はモテますねー」
提督「プレイボーイだからな」
山城「不貞行為の間違いでは?」
提督「ところで、秘書艦として渡すものがあるんじゃないのかね」
山城「ないです」
提督「……本当に?」
山城「本当に」
提督「扶桑が、山城は気合入れて作ってたって言ってたけど」
山城「……裏切りましたね姉さま」
提督「ささ。チョコを出しなさい」
山城「……実は全然上手に出来なくて……」スッ
提督「歪んでるな。それに真っ黒だ」
山城「それが一番マシっていうか……あの、やっぱり後で酒保で買ってきますから、それは」
提督「いただきます」
山城「あっ」
提督「うん。美味い」モグモグ
山城「そんなはずないでしょ」
提督「山城が作ったものなら何でも美味い!」カッ
山城「……冷や汗、出てますよ?」
提督「ちょっと暖房利きすぎだな。うん」
山城「もう……無理しなくて良いですよ。お水持ってきますね」
三月
山城「不幸だわ……」
提督「おう山城。演習お疲れさん」
山城「全線私ばっかり狙われたわ……それより、何だか良い匂いがしますね」
提督「ああ、今日はホワイトデーだからな。クッキー配ってた」
山城「へぇ……あ、これ結構高いやつですね。扶桑姉さまが言ってました」
提督「奮発しました」
山城「私の分は?」
提督「……諸事情で無くなってしまいました」
山城「……そうですか」
提督「今、緊急で明石に発注して仕入れて貰ってるから、少し待っててくれな」
山城「あら? この皿で黒煙あげてるのは?」
提督「あー……いや、山城には手作りの渡したかったんだけどな」
山城「失敗したんですね」
提督「うん……だからこれは今日の俺の茶菓子に」
山城「良いですよ。私これで」ヒョイパク
提督「えっ……あ、こら。苦いだろそれ。ぺっしなさい!」
山城「提督だって、私の失敗作食べたじゃないですか。お返しですよ」
提督「それとこれとは別だろ!」
山城「あー。本当に美味しくないですねこれ。ちゃんと砂糖入れました?」ヒョイパクモグモグ
提督「美味しくないから食うなって。腹壊しても知らんぞ」
山城「全く。ホワイトデーのお返しがこんな苦いやつだなんて不幸だわ。本当不幸だわ」モグモグヒョイパク
出来たら行を空けてくれたら読みやすいなって
四月
山城「不幸だわ……」
提督「……おう山城。花見楽しかったか?」
山城「起きましたか? 私は酔い潰れた提督の介抱でそれどころじゃありませんでした」
提督「ああ……悪い。昔から酒弱くてなぁ……」
山城「ちゃんと断らないとダメですよ……まあ、扶桑姉さまは楽しんでらしたようなのでそれは良かったんですが」
提督「そうか……そりゃ良かった……っと、もう夜なんだな」
山城「残ってるのも、私達だけですよ」
提督「そうか……悪いな。待たせちゃったみたいで」
山城「別に良いです。それじゃ、私達も帰ります?」
提督「そうだな。帰るか」
山城「それじゃ、車回してもらいますね」
提督「ちょっと待った」ガシッ
山城「? 何ですか?」
提督「どうせ遅くなったんだ。折角だし、歩いて帰ろうぜ。夜桜とか見ながら」
山城「……まあ、提督がそうしたいなら構いませんが」
提督「決まりだな。それじゃ行くか……っと」フラリ
山城「ああ、もう……まだ足ふらついてるじゃないですか。手、貸してください」
提督「うん?」サシダシ
山城「繋いでてあげますから。ちゃんと掴まっててくださいね」
>>4
了解。そうしますね。
五月
山城「不幸だわ……」
提督「おう山城。ボーっとしてんな?」
山城「空はあんなに青いのに……」
提督「それ扶桑の台詞だよね」
山城「扶桑姉さま、温泉旅行に行かれてるんですよ」
提督「そうなのか。まあ、GW休暇だからな。満喫して欲しいもんだな」
山城「そうですね。それで提督」
提督「何かね」
山城「私達は、何故皆がGW休暇の中、執務してるんでしょうか」
提督「皆が休暇で休んでるから、俺達がその分執務しないといけないんだよ」
山城「不幸ですね」
提督「まあ、明日は俺達が休みだから」
山城「2人だけね……扶桑姉さまは明日お仕事なんですよね」
提督「仕方ないだろ」
山城「せめて、今日の執務早く終わらせて、姉さまをお出迎えします」
提督「頑張ろうな……なあ、山城」
山城「何ですか?」
提督「今更だけど悪いな。扶桑と一緒の連休取らせてやれなくて」
山城「良いですよ別に。秘書艦なんですし仕方がないです」
提督「そう言ってくれると助かる」
山城「それに……提督と2人っきりの執務も、嫌いじゃないですしね」
六月
山城「不幸だわ……」
提督「おう山城。具合どうだ?」
山城「まだ少し熱っぽいですね……すいません。風邪なんかひいちゃって」
提督「気にするな。雨の中出撃させた俺が全面的に悪い。どれ、おでこ出してみ」
山城「あー……提督の手、ひんやりして気持ち良いですね……」
提督「お前の額が熱いだけだ。まだ下がらなさそうだな……」
山城「頑張って、明日までには治して秘書艦の仕事に戻りますから……」
提督「無理すんな。扶桑が代わりに頑張ってくれてるから、ゆっくり完全に治しなさい」
山城「うう……迷惑をおかけします姉さま……」
提督「っと……そうだ。腹はどうだ? 何か入れられるか?」
山城「うーん……少しだけなら」
提督「そりゃ良いことだ。おかゆ持ってきたから。食べなさい」
山城「……提督の手作りですか?」
提督「いや。ちゃんと間宮に頼んで作ってもらった。安心しろ」
山城「……そうですか」
提督「少し残念そうだな?」
山城「そんなことないです。それじゃいただきますからお鍋ください」
提督「断る」
山城「なんで」
提督「山城はそのまま口を開くだけでよろしい」
山城「え……それって」
提督「あーん」
山城「じ、自分で食べられます!」
提督「ダメ。鍋ちょっと重いし、火傷したら嫌だろ」
山城「うー……」
提督「勿論、食べないのもナシだからな。ほら、冷めちゃうから早く」
山城「……いただきます」アーン
提督「よしよし。よく噛んで食えよ」
山城「あー……余計に熱が上がりそうだわ……」モグモグ
七月
山城「不幸だわ……」
提督「おう山城。かき氷買ってきたぞ」
山城「たった今、扶桑姉さまから連絡あたんですけど」
提督「うん」
山城「姉さま、まだ来られないそうです……」
提督「えー……もう花火始まるぞ」
山城「とりあえず、提督と楽しんでいて、って」
提督「うーむ。どうする? 戻るか? 司令部からでも少しは見えるし、そこで扶桑と一緒に……」
山城「いえ。このまま見ましょう」
提督「良いのか?」
山城「姉さまとすれ違いになる可能性もありますし……」
提督「そうか。山城が良いならそうしようか」
山城「……多分、戻っても姉さまいませんしね」
提督「何か言った?」
山城「いーえ何も。あ、ほら打ち上がりましたよ花火」
提督「お、本当だ……おお、デカいなー」
山城「そうですね。綺麗ですね」
提督「キミの方がキレイだよ(キリッ」
山城「そういう歯の浮くような事は言わなくて良いです」
提督「そうっすか」
山城「はい。あ、今度は連発ですって」
提督「ほう」
山城「……提督と、こうやって一緒に花火見れて、ちょっと幸せです」ボソッ
提督「うん? 何か言ったか? 花火会場は聞き取りづらくて困る」
山城「扶桑姉さまも一緒なら、もっと良かったって言いました」
提督「そっかー。残念だったな」
山城「ええ。不幸です」ニコニコ
八月
山城「不幸だわ……」
提督「おう……山城……もうちょいで、この執務、終わるからな。そうしたらこの地獄ともおさらばだ」
山城「頑張りましょう……」
提督「それにしても、この暑い中エアコンぶっ壊れるとはな……」
山城「執務室だけね……今日ほど自分が秘書であることを恨めしく思った日は無いです」
提督「すまんな……苦労かけて……」
山城「それは言わない約束でしょう。ああ、でもやっぱり暑い……」
提督「服、脱いでいいよ」
山城「遠慮します」
提督「というか、俺が脱いでもいい?」
山城「ダメに決まってるでしょう。ほらあともう少しです」
提督「はーい……まあ、山城」
山城「はい……?」
提督「次の週末、海行こうぜ。皆で」
山城「いや……私達、毎日海の上にいますが」
提督「俺は行ってない。それに、海水浴とは違うだろう」
山城「まあ、そうかも知れませんね」
提督「艦隊の慰安って事で一つ」
山城「提督が行きたいのなら、別に良いんじゃないですか?」
提督「良し。決定だな。書類も終わったし、早速通達すっか」
山城「あっ……お疲れ様でした」
提督「山城の水着楽しみだなー! わははははー!」
山城「えっ……ちょっと提督!? 行っちゃった……」
山城「……」ケイタイトリダシポパピプペ
山城「あ、もしもし姉さま? はい、今執務終わったんですが。今からお買い物に出かけません? いえ、ちょっと新しい水着を……」
でーと、してくれま、す、か?
九月
山城「不幸だわ……」
提督「おう山城。これで今日の執務終わりだ。お疲れさん」
山城「もうすっかり日が暮れちゃいましたね……今日は扶桑姉さまと一緒にご飯食べられないわね……」
提督「悪いな残業させちまって。良かったら今から夕飯食べに行くか? おごるぞ?」
山城「え? 良いんですか? こう見えて私、いっぱい食べますよ」
提督「おう。どんと来いだ。こう見えて高給なんだぞ」
山城「なら遠慮なくご馳走になりますね」
提督「そうと決まればさっさと片付けて出かける準備するか。とりあえず窓閉めてくれるか」
山城「はい……あら。見てください提督」
提督「ん?」
山城「月が綺麗に出てますよ」
提督「お。本当だな。そういや今日は中秋の名月だっけか」
山城「たまには残業してみるものですね」
提督「そうだな……なあ、山城」
山城「はい?」
提督「今日は、月が綺麗だな」
山城「え?……だからさっきから綺麗だって言ってるじゃないですか」
提督「……そうだな。じゃあ行くか。何食べたい?」
山城「御鮨とか食べたいです。回らないやつ」
提督「くっ……まあ良いか。それじゃ着替えて玄関集合な」
山城「はい、では後ほど」
提督「ん。じゃあ施錠頼むな」バタン
山城「……提督となら、死んでも良いですよ」
>>10
本番当日アタフタしまくり~♪
山城「不幸だわ……」
提督「おう山城。明日は体育祭だな」
山城「何で体育祭なんて開催するんでしょう……」
提督「さあな。大本営からの指示だからなー」
山城「機動力の低い私と姉さまは、高速艦の引き立て役になるのね……」
提督「その分、馬力があるだろ」
山城「バカ力って言いたいんですか?」
提督「そうじゃないって……それにほら、こういうのって勝ち負けは二の次だし、体動かすのって、良いもんだぞ?」
山城「はいはい。気休めありがとうございます。それなら提督も参加なさったらいかがですか?」
提督「ほら、俺責任者だし? 本部で待機してないと」
山城「でも、他の司令部だと指揮官も参加してる所もあるらしいですよ?」
提督「ウチはウチ。ヨソはヨソ。良いの。俺は待機で」
山城「……もしかして、提督も運動出来ないんじゃ」
提督「……俺頭脳派だし。提督の運動能力は指揮に関係ないし」
山城「来年は、指揮官も参加を義務付けるように、投書しておきますね」
提督「やめてくれ。ああ、でも俺も1つだけ参加するぞ」
山城「あら。そうなんですか」
提督「うむ。二人三脚は参加するぞ。1組足りてないらしい」
山城「へ、へぇ……誰と組まれるんですか?」
提督「……実はまだ決まってない」
山城「大丈夫なんですかそれ」
提督「……あの、山城さん?」
山城「何ですか急に猫撫で声出して、気持ち悪い」
提督「良かったら、明日俺と組んで走ってくれないでしょうか!」
山城「……仕方ないですね。提督に恥をかかせないのも、秘書艦の務めですからね」
提督「本当か! ありがとう山城愛してる!」
山城「はいはい。それじゃ執務終わったら練習しましょうか」
提督「そうだな! いやー。安心したぜ!」
山城(……良かった。提督の相手決まってなくて)
>>12
入れ忘れたけど、「十月」です
十一月
山城「不幸だわ……」
提督「おう山城。入渠終わったか。お疲れさん」
山城「ボロボロにやられたわ……ふやけちゃうかと思いました」
提督「はっはっは。長い入渠は主力の証だぞ?」
山城「いつもなら修復剤が入るのに……」
提督「いや、時間が丁度良い……もとい、たまにはゆっくり入るのも良いかと思ってな」
山城「お蔭でもうすぐ日付変わっちゃいますよ……」
提督「ああ、あと5秒、4、3、2、1……日付、変わったな」
山城「変わりましたね。時報しましょうか?」
提督「やれるもんならやってもらおうか。それより山城」
山城「はい?」
提督「誕生日、おめでとう」
山城「え……? あ、覚えていてくれたんですか?」
提督「当然だろう。ケーキも用意しといたぞ」
山城「あら。小さいけど美味しそうなケーキですね」
提督「後で扶桑達がちゃんとしたケーキで祝ってくれるだろうし、俺は小さいやつで許してくれ」
山城「どうせなら、姉さま達と一緒に祝ってくれても……」
提督「一番最初に、お前の誕生日を祝いたかったんだよ」
山城「え……? そ、そうなん、ですか?」
提督「当然だ。何せお前は俺の大切な……」
山城「大切な……?」ドキドキ
提督「大切な……」ドキドキ
山城「……ゴクリ」
提督「……ひ、秘書艦だからな!」
山城「え……あ、そうですね! 提督に一番に祝っていただけるなんて、秘書艦冥利に尽きますね」
提督「……ケーキ、食べようか」
山城「そうですね。いただきます」
提督「……」モグモグ
山城「……」モグモグ
提督(くそっ! 何で言えないんだ俺……ヘタレだな……)ハァ
山城(秘書艦……かぁ……)ハァ
十二月
山城「不幸だわ……」
提督「どうした山城。クリスマスケーキ食べないのか?」モグモグ
山城「このケーキ、サンタさんがいません」
提督「え……アレ食べるの? いらないと思って断っちゃったよ」
山城「サンタさんをコリコリ齧るのが、毎年の楽しみなのに……」
提督「あー……悪い。来年はサンタ乗せてもらうよ」
山城「扶桑姉さまのトナカイもお願いしますね」
提督「雪だるまもつけてやるよ……それにしても、もうクリスマスか。もうすぐ今年も終わるな」
山城「今年も色々ありましたね……来年も、色々あるんでしょうね」
提督「再来年も、その次も、ずっと色々なあるだろうな」
山城「そうですね……ねぇ、提督」
提督「ん?」
山城「この一年、扶桑姉さまと、艦隊の皆と、それに提督と、一緒に過ごせて、楽しかったですよ」
提督「ああ、俺もだ。山城達のお蔭で、一念があっという間だったよ」
山城「不幸な事もいっぱいあったけど……それ以上に、幸せな事もいっぱいありました。来年も、そうなら良いですね」
提督「ああ、来年もお前は幸せだよ。俺が保証する」
山城「ふふっ……楽しみですね」
提督「……ところで、今日はクリスマスなので山城さんにプレゼントがあります」
山城「えっ……この箱ってもしかして」
提督「まあ、その。これ、給料の3カ月分っていうか……な?」
山城「あ、開けても良いですか?」
提督「勿論だ」
山城「綺麗……ですね……」
提督「ああ、頑張ってお前に似合いそうなのを選んだんだ」
山城「……ふ……」
提督「ふ?」
山城「不幸だわ……」
提督「えっ……あ、もしかして、指輪のサイズ合わなかったか? それともデザインが……」
山城「いえ。サイズはピッタリですし、とっても素敵な指輪です」
提督「なら……そうか。ダメ……か」
改行数足りなさそうなので、区切ります
山城「そんな事ありません。とても嬉しいです。喜んでお受けします」
提督「なら……何が不幸だっていうんだ」
山城「だって……こんな……姉さまが……皆がいて……その上……大好きな人にプロポーズされて……こんなの…幸せすぎて……」
山城「失うのが……怖いわ……こんなの……不幸だわ」
提督「……山城!」ダキシメ
山城「提……督……?」
提督「安心しろ。俺はいなくならない。扶桑も、皆も……勿論お前も、失ったりしない。失わせたりしない」
提督「お前の不幸は、俺が受け止めてやる。お前の幸せは、俺が守ってやる」
提督「だから……俺に、お前を幸せにさせてくれ。俺と……ケッコンしてくれ」
山城「提督……提督っ!」ギュッ
山城「私、幸せです。不幸なんかじゃない。これ以上無いくらい! 今までで、一番!」ギューッ
山城「だから、守ってください。この幸せを。私の、私達の幸せを……!」
山城「ケッコン、してください、提督」
提督「ああ、約束する」ギューーーッ
山城「……提督」ダキシメハナシ
提督「何だ」
山城「この指輪、嵌めてくださいますか?」ヒダリテサシダシ
提督「勿論だ。ほら。似合ってるぞ」
山城「ありがとうございます。ふふ……」
山城「私、きっと……ううん。絶対。今、世界で一番の幸運艦ですね!」
これで一旦終わりです。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!
もしかしたら、週末辺りまでこのスレ生き残ってたら、幕間的なの書くかもです。
その際は、またよろしくおねがいします
乙
ここはHTML化依頼しない限りは、最低一ヶ月は落ちないぞ
他所と混同してるんだろう
すなわち幕間に期待。乙
ノリ良くてワロタ
乙、すごいよかった
乙ー
あて、続きだな
おつおつ!
週末に期待
週末に来ると言ったな。アレは嘘だ。
すいません中三週空けました。これも全て江風ってやつのせいなんだ。可愛すぎなんだ。
さらに、幕間書くって言ったがアレも嘘だ。
幕間ではなく後日談です。
あと、読み返したら誤字の多いこと…申し訳ないです。
というわけで、後日談投下しますね。宜しければお付き合いください。
山城「不幸だわ……」
提督「おう山城。お待たせ」
山城「遅いですよ提督。結構待ったんですからね」
提督「でもまだ待ち合わせ時間前だぞ? そんなに前から待ってたのか」
山城「当然でしょう? 何せ今日は……」
山城「私達がケッコンして、初めてのデート、なんですから」
提督「……そうだな。悪い。この埋め合わせはする」
山城「絶対ですよ」
提督「おう。約束する。それじゃ行くか」
山城「はい。……あの」
提督「ん?」
山城「手……繋いでくれますか?」
提督「……ああ。手、貸して」
山城「……温かい」
提督「お前の手が冷たいの……寒い中待たせてごめんな」
山城「良いですよ。来てくれましたから」
提督「……さて、どこ行こうか?」
山城「あっ。私実は行きたい所が」
提督「ほう。じゃあそこ行くか」
諸事情(ケッコンがクリスマスだった)により、真冬の時期の話になります。ご了承ください。
夏の終わりに冬の話を書くなんて不幸だわ……
山城「提督。絶対この手を離さないでくださいね」
提督「ああ。絶対に離すもんか」
山城「離したら転んじゃいますからね!」脚プルプル
提督「おうとも! もう何回も尻餅ついてるもんな!」腰ズキズキ
山城「スケートって難しいんですね……」
提督「テレビで見てるとあんなに軽やかなのにな」
山城「もう少しで出口ですから、頑張りましょうね」
提督「それにしても、何でスケートなんだ? お互いこういう運動苦手なの分かってるだろ」
山城「私達、海上を滑って出撃しているじゃないですか」
提督「そうだな」
山城「その感覚を応用すれば、氷の上もスーイスイかな……って」
提督「でも無理だったと」
山城「水と氷でこんなに違うなんて……提督をリードして華麗に舞う計画が……」
提督「現実は甘くないな……でもまあ」
山城「はい?」
提督「お陰で、転ぶのも立ち上がるのも一緒だった。実は結構嬉しい」
山城「……実は私も」
提督「でも次はもっと練習しような!」
山城「そうですね!」
提督「いやー。腹減ったな」
山城「空きましたね。あ、店員さん来ましたよ」
提督「俺、ブラックとビーフカレー」
山城「広西をミルクティーと……オムライスを」
提督「ん? それだけで良いのか?」
山城「え? ええ、勿論ですよ」
提督「……すいません、あとフライドポテトとチョコパフェ。スプーン2本ください」
山城「いや、頼んでも私そんなに食べないですよ?」
提督「2人で一緒に食べるから良いの。それに、この前俺の財布を空にした奴が何を言う」
山城「あ、あれは……あんまり御鮨が美味しくて……」
提督「元帥御用達だからなー……というか根本的にだ」
山城「根本的に」
提督「一杯食べてる山城が好きだ」
山城「……提督」
提督「だから、今日も沢山、美味そうに食べる山城の姿を見せてくれないか」
山城「そ、そう仰るなら仕方ないですね。遠慮なくいただきます」
提督「そうしてくれ」
山城「というわけで……追加でナポリタンとグラタンとドリアもお願いします」
提督「お、おおう……」
提督「さて、料理揃ったな。食べるか」
山城「そうですね。では、いただきます」
提督「いただきます」
山城「……」もぐもぐ
提督「……」むしゃむしゃ
山城「このオムライス、美味しいです」
提督「カレーも美味いぞ」
山城「ちょっと交換しません?」
提督「いや、それには及ばん」
山城「え?」
提督「はいあーん」
山城「え、ええー……もう……」
提督「美味いだろ?」
山城「美味しいですけど……」
提督「オムライスも食べたいのですが」
山城「……あ、あーん」
提督「あー、美味い」
山城「流石にこれは……恥ずかしいわ」
提督「山城があーんしてくれたから、尚美味いな」
山城「それは……何よりです」
提督「パフェもこうやって食べるということで」
山城「それは……今日はまだ勘弁してもらえると……」
提督「まだ?」
山城「ふ、2人っきりの時なら……」
山城「提督……もうすこし右……」
提督「この辺か……?」
山城「そこっ……奥に……!」
提督「ここだな……いくぞっ!」
山城「ああっ……あ、また落ちちゃいましたね」
提督「中々取れんな。キリクマぬいぐるみ」
山城「次は私の番ですね」
提督「うーむ、UFOキャッチャーって難しいな」
山城「……あっ。また失敗……」
提督「どうする? そろそろ諦めるか?」
山城「……仕方無いわね。最後の手段です」
提督「最後の手? 店員呼んでどうしようっていうんだ」
山城「ぬいぐるみの位置を動かして取り易くしてもらいました」
提督「姑息な手を」(百円玉を投入しながら
山城「何とでも言ってください。私だってこの子が欲しいんです」
提督「……よし、取れたぞ」
山城「やりましたね」
提督「でも、何でこんなに粘ったんだ? 同じようなの、普通に店で買えるんじゃ」
山城「それじゃ意味ないんです」
提督「そうなのか」
山城「はい。だってこのぬいぐるみは……提督と私が一緒に取った、思い出になるんですから」
提督「……そうだな。じゃあ、これは執務室に飾るか!」
山城「ソファーに座らせておきましょう!」
提督「さて、大分遊んだな。そろそろ出るか?」
山城「提督にこのゲームで負け越してるのが悔しいですが……そうですね。良い時間ですしね」
提督「じゃあ最後はアレだな」
山城「アレって……プリクラ?」
提督「おう。一緒に撮ろうぜ」
山城「私は構いませんが……提督、写真とか動画に映るの嫌いなんじゃ」
提督「嫌いだよ。でも、山城となら撮りたいのだ」
山城「そういうものですか……」
提督「そういうものです。さ、やろうぜ」
山城「はい……あ、これ落書きとか出来るんですね」
提督「最近のは標準装備だよなー。よし、ハートとか書きまくろうぜ」
山城「は、ハートは流石に……相合い傘にしておきましょう」
山城「うわー……夜景がキレイですね」
提督「うむ。この景色を山城と見たくてなー。奮発して予約したんだぜ」
山城「あら。ありがとうございます」
提督「喜んでくれたら、幸いなんだがな。さ、ワイン乾杯しよっか」
山城「何に乾杯しましょうか」
提督「そりゃお前……君の瞳に?」
山城「本当、そういう歯の浮く台詞好きですね」
提督「ダメかー……なら、このデートに乾杯って事でどうかな?」
山城「じゃあそれで」
提督「では……初めてのデートに乾杯」
山城「乾杯」
提督「うーん。美味いな。この口に広がるフレーバーが」
山城「あら、そういうの分かるんですか」
提督「全くわからん」
山城「やっぱり……」
提督「でも、美味いのは本当だ」
山城「へぇ……やっぱり高いのは違うんでしょうか」
提督「山城と一緒だから、なんでも美味い!」
山城「……もう」
提督「……なあ、山城」
山城「はい?」
提督「今日一日、楽しかったか?」
山城「え? ええ、勿論です」
提督「そうか……俺も楽しかったよ」
提督「今日一日、山城が楽しそうに笑ってくれて。俺の心が満たされていくのを感じたよ」
提督「俺って幸せだなって、改めて実感した」
提督「有り難うな山城。俺とケッコンしてくれて。俺を幸せにしてくれて」
山城「私も……私も提督に幸せにしてもらいました」
山城「今日だけじゃない。今までも、そしてこれからも、私は幸せです」
山城「有り難うございます提督。私を選んでくれて。私の隣にいてくれて」
提督「……はは」
山城「……ふふ」
提督「俺達、幸せだな」
山城「そうですね。最高に幸せです」
提督「なあ、もう一回乾杯しようぜ」
山城「良いですよ」
提督「……俺達の幸せに」
山城「私達の幸せに」
二人「乾杯」
山城「不幸だわ……」
提督「おう山城……水、もう一杯」
山城「はいはい……全く、弱いのに調子乗ってワイン何杯も飲むから」
提督「いやー……浮かれてしまった」
山城「それに、昨日休んだから仕事が溜まって」
提督「本当面目無い……つつ。また頭痛が」
山城「頭痛薬飲んで、頑張ってください」
提督「これじゃとても1人じゃ出来ないからな。頼りにしてるぞ山城」
山城「はいはい光栄です。まあ、提督と2人の執務も嫌いじゃないですが……」
提督「俺もだよ。山城と2人でやる執務は俺にとっても大切な時間だ」
提督「だから、ずっと俺と一緒にいて、俺を支えてくれ」
山城「……勿論です。私はずっと、貴方の旗艦ですよ」
提督「頼もしいな。じゃあそんな頼もしい山城に頼みがある」
山城「何ですか?」
提督「やっぱり布団敷いて……押入にこの前貰った布団あるから……」
山城「……はいはい。少し休んだら、ちゃんと執務に戻りますよ」
提督「申し訳ない」
山城「はぁ……何か良い雰囲気だと思ったのに……不幸だわ」
山城「でも……」
山城「こんな不幸で、幸せな生活が、ずっと……続きますように」
これで本当におしまい。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!
また近い内に、別のスレを立ててSSを書かせていただくかもしれません。
その際はまた宜しくお願い致します。
大変乙でした
乙
山城スレ増えろ
さすが俺の嫁山城
このSSまとめへのコメント
扶桑さんも幸せにしましょうよぅ