仮面ライダー電王vs未来戦隊タイムレンジャー (160)
仮面ライダー電王×未来戦隊タイムレンジャーのクロスssです
よろしければご覧下さい
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434979964
~小学校~
「それでは今日の宿題はみなさんの家族についての感想文を書いてもらいます。
みなさんのお父さんやお母さん、
普段お世話になっている人へ感謝を込めてちゃんと書いてきてくださいね!」
「「は~い!」」
「…」
ここはとある小学校。
とあるクラスにて家族に関する作文を書く宿題が言い渡された。
だがクラスだけ一人だけ憂鬱な表情を浮かべる少年がいた。
少年の名は森山未来。
彼こそこの物語の主人公である。
未来「ハァ…」
未来「家族の作文を書けって言われてもなぁ…」
未来「うち…お父さんいないし…お母さんも仕事で夜遅いし…」
未来「どうしたらいいんだろう…?」
下校中、未来は出された宿題について悩んでいた。
未来の家は母子家庭であった。
物心着いた頃から父親はいない。
そんな未来にとってこの宿題は自らの境遇を悩ませるには十分であった。
そこへ一人の男が未来に声を掛けてきた。
竜也「よぅ、ドモンJr.!」
未来「竜也さん!ところでそのドモンJr.はやめて…恥ずかしいよ。」
竜也「悪い!今ちょうど、友達の墓参りの帰りでな。」
未来「確か…直人さんだっけ?昔死んじゃった友達なんだよね?」
竜也「あぁ、滝沢直人って最期までプライドの高いヤツだったよ。
向こうは俺の事をあまりよくは思ってなかったけど俺にとっては今でも大事な友達さ!
未来、お前も早くそんな友達を見つけろよ!」
未来「無理だよ…お母さんの仕事でしょっちゅう転校になるし…
それに今は友達よりもちょっと困った事があるし…」
竜也「なんだよ言ってみろよ!
困った事があればなんでもトゥモローリサーチをよろしく!!」
未来「それじゃあ言うね…」
下校中の未来に声を掛けたのは昔からの知り合いである浅見竜也という青年であった。
それから未来は竜也に宿題の事を相談するのだが…
竜也「なるほど…家族についてか…」
未来「どう書いていいのか全然わかんないんだよ。」
竜也「なぁ…未来。
前にも言った事があるかもしれないがお前の父さんは俺の大事な仲間だったんだ。」
未来「知ってるよ、一緒にトゥモローリサーチやってたんだよね。」
竜也「それだけじゃない。
俺とお前の父さんは悪のロンダーズファミリーってヤツらを懲らしめていたんだぞ!」
未来「悪のロンダーズファミリー?」
竜也「あぁ、ヤツらは悪どい金儲けばかりする悪いヤツらだったんだ。
そんなヤツらに、
俺とお前の父さんは正義のヒーロー、未来戦隊タイムレンジャーとして戦ってたんだ!」
未来「未来戦隊タイムレンジャー?」
竜也「そうさタイムレンジャーだ!
お前の父さんはタイムイエローとして押し寄せるロンダーズを倒したんだぜ!」
未来「タイムレンジャーかぁ…
僕も一度でいいからお父さんに会ってみたいなぁ。」
竜也「未来…」
竜也の話に驚きを隠せない未来。
だがそんな二人の行動を影から見張っている者たちがいた。
?「なるほど、あの子供がそうなんだな。」
黒装束の女「そうよ、アンタの力なら過去へ行けるんでしょ。」
?「まあな、ところでさっきの話は本当なんだろうな?」
黒装束「確かよ、この世界は本来なら7年前の西暦2000年で滅んでいたはず。」
?「クク、わかったよ。それならいい。俺は時を破壊する事が楽しみだからなぁ!」
見張っていたのはなにやら砂の塊の男。
それにもう一人は顔を黒装束のフードで隠した謎の女。
二人は結託してなにやらよからぬ事を企てていた。
ホナミ「未来~!お待たせ!」
未来「あ、お母さん!仕事はどうしたの?」
ホナミ「今日は珍しく早く終わったからね。あら、竜也さんも一緒だったの?」
竜也「どうも、それじゃあ俺はこれで!せっかくの親子水入らずを邪魔しちゃ悪いからな!」
未来の母親であるホナミに連れられて帰宅しようとするが…
そこへ魔の手が押し寄せてきた。
黒装束の女「二人揃うなんて都合がいいわ!」
ホナミ「な…何なのアンタ!?」
未来「こ…怖いよ…」
竜也「お前!まさか…ロンダーズファミリーか!?」
黒装束の女「浅見竜也、お前に用はない!用があるのはその親子だけよ!」
それから黒装束の女の身体に纏わりついていた砂の塊がホナミにとり憑いた。
そしてホナミの身体から赤、青、黄、緑、桃、の五色の色を纏い、
それに時計の針を象った奇妙な怪人が出現した。
タイムイマジン「俺はタイムイマジン!
お前の望みを言え!そうすればどんな願いも一度だけ叶えてやるぞ!」
ホナミ「わ…私の願い…それは…いつまでも家族一緒に居たい事…」
タイムイマジン「なるほど、それがお前の願いか!」
黒装束の女「その願い叶えてあげるわ、タイムイマジン!やりなさい!」
そしてタイムイマジンが契約者であるホナミの身体にゲートを開いた。
これを通る事でイマジンたちは過去の時代へ飛ぶ事ができる。
竜也「よくもホナミちゃんを!」
カイ「あともう一人、お前だ。森山未来。」
黒装束の女「こっちに来な!抵抗すると痛い目を見るよ!」
未来「あ…あぁ…」
竜也「やめろ!子供に手を出すな!」
タイムイマジン「うるさい!お前は邪魔だからあっちへ行け!」
竜也「うわっ!?」
未来に迫るタイムイマジン。
しかしそこへ一台の列車が颯爽と参上した。
その列車から一人の青年が降りてきた。
良太郎「キミ、大丈夫?」
未来「う…うん?」
タイムイマジン「あ、お前はまさか…野上良太郎か!」
黒装束の女「野上良太郎…?じゃあこいつが電王!?」
竜也「電王だって…?」
モモタロス(良太郎、やっぱりイマジンだったぜ!)
ウラタロス(先輩の嗅覚は犬並みに鋭いからね。)
キンタロス(それよりもイマジンや!子供と母親を襲っとるで!)
リュウタロス(それにカイのヤツもいるよ~!)
良太郎「わかってる!みんな、いくよ!変身ッ!!」
そこへ現れたのは野上良太郎と彼の契約するイマジンたちであった。
そして良太郎はライダーパスを手にして変身した。
((SWORD FORM))
電王ソードF「俺、参上!」
電王ソードF「俺に前振りはいらねえ!俺は最初からクライマッ…」
ウラタロス(先輩、あいつら契約者のゲートでとっくに過去へ行っちゃったよ。)
電王ソードF「何―――――ッ!?」
颯爽と変身した仮面ライダー電王。
だがイマジンたちはそんな電王には目もくれず過去の世界へと飛んでいった。
仕方なく電王はライダーチケットをかざして、
イマジンがどの時代へ飛んだのか調べるのだがそれは竜也にとって因縁のある時代だった。
電王ソードF「2000年12月25日って出たぜ。」
竜也「2000年の12月25日ってまさか…そうか…そういう事か。」
未来「ねぇ…お母さんが全然起きないけど大丈夫なの…!?」
電王ソードF「安心しろ!
俺がすぐにイマジンを退治してやる!
そうすりゃ母ちゃんだってすぐに元通りにならぁっ!」
未来「けどあいつらは過去へ飛んだんだよ?どうやって追いかけるの?」
ウラタロス(大丈夫、僕たちにはデンライナーがあるからね。)
キンタロス(どんな時代にも行ける時の列車なんやで!)
竜也「時の列車…デンライナー。」
デンライナーが時を行き来する事が出来る列車だと知った竜也。
すると竜也は電王たちの前である頼み事をした。
竜也「頼む!この子を過去の世界に連れて行ってくれないか!」
電王ソードF「ハァ…?何言ってんだ!俺たちは遊びに行くわけじゃねーんだぞ!?」
竜也「それはわかってる!
でもこの子を過去に連れて行ってくれ。どうしても会わせたいヤツがいるんだ!」
良太郎(何か事情があるみたいですね。よかったら話してもらえませんか?)
それから竜也は電王たちに未来の事情を話した。
イマジンが飛んだ時代が未来の父親が存在した時間である事、
生まれてから一度も会った事のない未来のために、
父親と会わせてやりたい事を…
竜也「未来は生まれてから一度も父親の顔を見ていないんだ。
だから一度くらい父親と会わせてやりたいんだ!頼むよ!!」
ウラタロス(事情はわかったけど…)
キンタロス(チケットを持っとらんヤツを、
デンライナーに乗せるなってオーナーがいつも口酸っぱく言っとるしなぁ…)
リュウタロス(オーナーって時の運行に関してはすっごく厳しいからね。)
竜也「そこをなんとか…頼む!お願いだ!」
部外者をデンライナーに乗せるわけにはいかない。
さすがのウラタロスたちも竜也の頼みをどうしても聞けなかったのだが…
良太郎(わかりました、この子をお父さんに会わせるだけでいいんですね。)
ウラタロス(良太郎!勝手にそんな事していいの!?)
リュウタロス(そうだよ!オーナーに怒られちゃうよ!)
キンタロス(大体何でこの子の願いを叶えようと思ったんや?)
良太郎(僕も同じだから…)
電王ソードF「同じ…?」
良太郎(僕も幼い頃に両親を亡くしたから、
お父さんに会いたいっていうこの子の気持ちが良くわかるんだ。)
電王ソードF「よっしゃ!良太郎がそう言うなら仕方ねえ!
坊主、未来とか言ったな!デンライナーに乗りな!お前の父ちゃんに会わせてやるぜ!」
未来「本当!ありがとう!!」
父親に会える。
未来は心の底から嬉しくなりすぐにデンライナーに飛び乗った。
こうしてデンライナーは2000年12月25日へ旅立った。
だが、それを見送る竜也の表情は複雑だった。
竜也「ゴメンな未来…」
竜也「俺はこれからお前に何が起こるのかを…実は知っているんだ。」
竜也「この過去への旅で恐らくお前はつらい想いをするだろう。」
竜也「けどそれでもお前をお父さんに会わせてやりたかったんだ。」
竜也「かつて俺たちが戦ったあの時代へ…
たとえ歴史は変えられなくとも自分たちの明日くらいは変えられる。
未来、お前も自分の明日を変えてみせろ!!」
全てを知る竜也…
これより過去の世界で何が起きようというのだろうか?
とりあえずここまで
ゴーカイジャー40話の前日談だとでも思ってください
のんのんびより×ライダーとか、南光太郎VSシリーズとか書いていた人かな?
期待。
ありそうでなかった組み合わせだな
タイムレンジャー覚えてないけど期待
なんでこんなクズSSを書くんだろう↓
シド「ここまでだな貴虎!」凌馬「何をされるか…わかっているね?」貴虎「くっ…」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434971985/)
死ね
氏ねじゃなくて死ね
<2000年12月25日>
ホナミ「う~ん!気持ちのいい朝~!」
ホナミ「ドモンさんはまだ眠ったままだけど…」
ホナミ「昨夜はちょっと頑張りすぎたかな?」
ホナミ「それにしてもこれで私たちも恋人同士かぁ。」
ホナミ「次は家族になって…」
ホナミ「それにいずれは子供も…ウフフ…」
ホナミ「そうだ、昨日の夜撮った私とドモンさんの写真にメッセージを書いておこうっと!」
西暦2000年、12月25日。
その日、森山ホナミは上機嫌で街を歩いていた。
だがそんな彼女の身に突如異変が起きた。
((シュゥゥゥッ!))
黒装束の女「ここが西暦2000年ね!」
ホナミ「な…何よアンタたち!?」
タイムイマジン「森山ホナミ、俺の契約者よ!暫く眠っててもらうぞ!」
ホナミ「キャッ!?」
突如ホナミの内部からゲートが発生して黒装束の女とタイムイマジンが現れた。
二人はホナミを気絶させるとすぐにその場を去ろうとするのだが…
良太郎「着いたよ、2000年12月25日だ。」
未来「ここがお父さんのいた時代なんだね!」
モモタロス(イマジン!逃がさねえぞ!)
タイムイマジン「チッ、電王か。」
黒装束の女「相手にする必要はない。さっさとずらかるよ。」
未来「お母さーん!?」
デンライナーにてイマジンを追ってきた良太郎たち。
だが二人は電王を相手にもせずにこの時代のホナミを連れていなくなってしまった。
モモタロス(チクショウ!逃げやがったか!)
ウラタロス(それにしても街中ボロボロだね。)
キンタロス(まるで巨大ロボットが暴れまわったみたいな惨状やな。)
リュウタロス(アハハ、ボロボロだ~♪)
良太郎「イマジンがやったとは思えないし一体何があったんだろう?」
辺りを見渡す良太郎たち。
だが街はボロボロで人の気配などまるでなかった。
そんな中、ある場所で大声が響いた。
それは廃墟となった銀行施設からだ。
~銀行跡地~
ドルネロ「ガハハハハ!金だ!金だ!金ががっぽりあるぜ!!」
リラ「ここにいた人間たちも馬鹿よねぇ。お金を持たずに逃げ出すんだから~♪」
ドルネロ「まったくだぜリラ!金も持たずに逃げるなんざ文無しのする事だ!」
良太郎「あの…キミたち…誰…?」
ドルネロ「誰だと…?
お前らまさか今巷を賑わせているロンダーズファミリーを知らねえってのか!?」
モモタロス(ロンダーズだぁ?)
未来「ロンダーズってもしかしてあのタイムレンジャーと戦った悪の怪人たち!?」
ドルネロ「ガキの方は俺たちを知ってるようだな。
そうさ、俺たちは泣く子も黙るロンダーズファミリーよ!
俺さまはロンダーズファミリーのボス、ドン・ドルネロだ!!」
リラ「それと私は情婦のリラ、よろしくね♪」
ウラタロス(中々のナイスバディ、彼女いいよね!)
キンタロス(亀の字は女子ならなんでもええんやろ。)
なんと銀行施設で大金を漁っていたのは、
この西暦2000年に世間を騒がせていたロンダーズファミリーであった。
良太郎「キミたちが街をこんなに滅茶苦茶にしたの?」
ドルネロ「あ゛?お前ら昨日の事を何も知らねえのか?」
モモタロス(昨日の事だぁ?)
リラ「そうよ、街をこんな風にしたのはこいつが原因よ!」
良太郎「これは破壊された巨大ロボット…?」
リュウタロス(うわっ!すっご~い!まるで怪獣みたい!)
ドルネロ「こいつが街を滅茶苦茶にしたんだよ。俺らはそのおこぼれを頂戴してるだけだ。」
ドルネロが指したのは半壊した巨大なロボットであった。
既に機能停止した状態である巨大ロボット。
このロボットこそが街を壊滅寸前にまで追い込んだ元凶であった。
良太郎「このロボットは一体…?」
ドルネロ「こいつはGゾード、ギエンの野郎が作ったモンだ。」
モモタロス(ギエン?ひょっとしてテメェらの仲間か?
つまり街を滅茶苦茶にしたのはテメェらって事じゃねえか!!)
リラ「違うよ!私らは…」
ドルネロ「よせリラ、何も言うな。
お前ら、これ以上は有料だ。続きを聞きたきゃ金を出しな!」
良太郎「悪いけどキミたちに上げるお金なんてないよ。
勝手に他人のお金を盗むなんてこんな事許される事じゃない!」
モモタロス(つまりテメーらは俺たちの敵ってわけだ!)
ウラタロス(ハァ…せっかくリラちゃんと知り合えたのに残念…)
キンタロス(よっしゃ!腕が鳴るわい!)
リュウタロス(僕がやる!僕にやらせて!)
交戦状態に突入しようとする良太郎たちとロンダーズファミリー。
だがその両者の間に、とある若者たちが現れた。
竜也「出たな!ロンダーズ!」
ユウリ「今日こそお前たちを捕まえてやるわ!」
アヤセ「覚悟するんだな!」
シオン「待ってください!ドモンさんがまだ来てませんけど…?」
未来「あ、竜也さんだ!」
良太郎「本当だ、けど今よりちょっと若い感じがするね。」
そこへ現れた青年たち、
それはこの時代の浅見竜也と彼の仲間である、
ユウリ、アヤセ、シオン、3人の若者たちであった。
それにもう一人遅れてやってきたのが…
ドモン「悪い!寝坊しちまった!」
ユウリ「ドモン!昨夜から一体どこへ行ってたの!?」
竜也「そうだぜ、ホナミちゃんといなくなって心配してたんだぞ!」
シオン「あれ?なんか首筋に虫に刺されたような跡が…?」
ドモン「こ…これはなんでもないから!気にすんなって!」
アヤセ「まあいい。5人揃ったし行くぞ!」
「 「 クロノチェンジャー!! 」 」
5人揃った竜也たち。
竜也たちは腕に付けているクロノチェンジャーというブレスレットを起動させた。
そして瞬く間に5色の戦士たちが現れた。
タイムレッド「タイムレッド!」
ピンク「ピンク!」
ブルー「ブルー!」
イエロー「イエロー!」
グリーン「グリーン!」
「 「 タイムレンジャー!! 」 」
竜也たちが変身した姿。
それはこの時代を守る未来戦隊タイムレンジャーであった。
良太郎「タイム…レンジャー?」
モモタロス(何だあいつら?)
未来「タイムレンジャーって竜也さんが言ってたこの時代を守ったヒーローだ…!」
タイムレッド「ロンダーズ!時間保護法により今日こそお前たちを逮捕する!」
ドルネロ「チィッ!やっぱり出やがったかタイムレンジャー!」
リラ「ゼニットたち!やっておしまい!」
ゼニット「ギギッ!ギギッ!」
何処からともなく現れるロンダーズの戦闘員たち。
戦いが始まった。
モモタロス(こうなったら俺たちも行くぜ!)
((ROD FORM))
電王ロッドF「お前、僕に釣られてみる?それじゃあ先輩、お先に失礼!」
モモタロス(…ってコラ!亀公!まずは俺が先だろ!?)
電王ロッドF「先輩はさっき変身してたでしょ。次は僕の番♪」
良太郎(行くよ!ウラタロス!)
良太郎も電王ロッドFへ変身してタイムレンジャーの戦いに加勢した。
電王ロッドF「ハァッ!ソリッドアタック!」
タイムイエロー「なんだか知らないヤツが混じってるぜ?」
タイムレッド「なんでもいい!ロンダーズと戦ってくれるなら仲間だ!」
タイムブルー「俺たちも負けずに行くぞ!」
電王ロッドF「そういうわけだからよろしくねピンクちゃん♡」
タイムピンク「悪いけど軟派な男はお断りなの!」
こうしてタイムレンジャーと共闘する電王たち。
戦いは一気に決着を付く事になる。
((AXE FORM))
電王アックスF「次は俺の番や!
俺の強さにお前たちが泣いた!俺の必殺技、ダイナミックチョップ!!」
タイムレッド「ベクターハーレー!」
タイムブルー「ボルランチャー!」
((GUN FORM))
電王ガンF「次は僕♪お前ら倒すけどいいよね、答えは聞いてない!ワイルドショット!!」
タイムイエロー「うらっ!ベクターディバイディング!」
タイムグリーン「アサルトベクター!」
タイムピンク「ボルスナイパー!」
ゼニット「ギギ…ギギギ…!?」
瞬く間にゼニットたちを倒すヒーローたち。
ゼニットたちは全て倒され残りはドルネロとリラだけになった。
ドルネロ「チィッ!ゼニットじゃクソの役にも立たねえか!」
リラ「ていうかまずいよドルネロ!
タイムレンジャーともう一人変なのが結構強いわよ!どうすんの!?」
電王ソードF「変なのじゃねえ!
俺は電王、未来からやってきた正義のヒーローだぜ!!」
タイムレッド「未来からやってきただって!」
タイムブルー「俺たちの他にも時間を行き来出来るヤツがいるのか?」
タイムピンク「みんな、お喋りはそこまでよ!」
タイムグリーン「今日こそドルネロを逮捕しないといけません!」
タイムイエロー「よっしゃぁっ!ドルネロ覚悟しやがれ!!」
ドルネロ逮捕に躍起になるタイムレンジャー。
だがそこでなんともタイミングの悪い事態が起きた。
未来「お父さん!」
タイムイエロー「へ…?お父さん…?」
タイムレッド「ドモン…お前こんな大きな子供がいたのか!?」
タイムイエロー「ちょっと待て!俺は何も知らねえよ!?」
未来「え…お父さん…?」
タイムイエロー「だからお父さんなんて言うなー!」
電王ソードF「テメェ!このヤロー!
未来はお前に会うために時間移動して来たんだぞ!なのにその態度は何だ!?」
良太郎(落ち着いてモモタロス。
ここは過去の時代だから、
未来くんのお父さんは未来くんが生まれた事すら知らないんだよ!)
ウラタロス(ちょっと待った良太郎。
どうやらそれだけじゃないようだよ。
単純に親子の感動の対面ってわけにはいかないみたいだね。)
キンタロス(なんやタイムレンジャーの方もはた色悪いみたいやで?)
キンタロスが指摘する通り、
タイムレンジャーの面々は戦闘中にも関わらず未来に関心を向けていた。
タイムピンク「ねぇ…この子の顔…なんか誰かに似てない?」
タイムグリーン「そういえば微妙にドモンさんに似ているような気がします…」
タイムイエロー「バカ言え!俺はもっとイケメンだろ!?」
タイムブルー「いや待て。この顔…彼女に似てないか?」
タイムレッド「あぁ、俺もさっきからそう思っていたところだ。
なぁ坊や、キミのお母さんの名前はなんて言うんだ?」
未来「お母さんはホナミ。森山ホナミだよ。」
「 「え…?」 」
未来の口から母親の名を聞かされた瞬間、
タイムレッド以外のメンバーは急に青ざめた表情になってしまった。
タイムイエロー「え…嘘だろ…
お前…きっと何かの誤解だろ?そうだろ…そうに決まってるだろ!?」
未来「ちがうよ!未来の竜也さんが言ってたんだ!
僕のお父さんはタイムレンジャーのドモンだって!」
タイムピンク「ちょっと…これはまずいわよ…」
タイムブルー「いや、まずいなんてモノじゃないだろ。」
タイムグリーン「最悪な事態が起きてしまいました…!?」
タイムレッド「何だよお前ら?
未来からドモンの息子が来たんだぜ。嬉しくないのか?」
ドルネル「なんだか知らねえが今の内にずらかるぜ!」
リラ「じゃあね~♪」
電王ソードF「あいつら…逃げやがった!おい!追わなくていいのかよ!?」
チャンスとばかりに逃げ出すドルネロとリラ。
だがタイムレンジャーたちはそれどころではなかった。
するとそこへ上空に巨大なゲートが開いた。
((ブワァァァァァッ!))
タイムレッド「うわっ!タイムゲートが開いたぞ!」
タイムグリーン「それに出てきたのは…タイムジェットγですよ!?」
タイムピンク「けど…一体誰が乗っているの…?」
タイムゲートから出てきたのは、
タイムレンジャーの巨大マシンであるタイムジェットγであった。
そしてタイムジェットγがその場に不時着すると一人の男が降りてきた。
その男は竜也と同じ容姿だが髪型がオールバックに白い制服を着用していた。
リュウヤ「みんな、集まっているな。」
タイムブルー「あなたは…リュウヤ隊長!どうしてここへ!?」
リュウヤ「そんな事はどうでもいい。
それよりもお前たち、どうやらとんでもない事をやらかしてくれたようだな。」
タイムイエロー「それは…その…」
電王ソードF「コラァッ!親子水入らずの対面を邪魔しやがって!何なんだテメェは!?」
突然現れたのは時間保護局でユウリたちの上司であるリュウヤであった。
そんなリュウヤに苛立つ電王。
だがリュウヤは電王など無視して未来に対して冷酷な手段を取った。
リュウヤ「森山未来、時間保護法違反でお前を逮捕する!」
電王ソードF「何言ってんだテメェッ!?」
未来「そんな…何で僕が…?僕はお父さんに会いたかっただけなのに…!?」
良太郎(あの、待ってください!
未来くんに過去の世界に行けばお父さんに会えるからと誘ったのは僕たちなんです!
だから…未来くんが悪いわけじゃないんです!?)
リュウヤ「そういう話ではない。
森山未来の存在そのものが時間保護法から逸脱しているんだ。」
そう言うなりリュウヤは未来に対して銃を突きつける。
良太郎たちが必死に庇っているのにリュウヤは聞く耳ひとつ持とうとはしなかった。
それはまるで未来がこの世界に存在してはならないといった振る舞いであった。
電王ソードF「ふざけんな!子供に銃突きつけるなんざ絶対に許さねえ!」
リュウヤ「ならばお前から先に…」
電王ソードF「先手必勝!俺の必殺技…」
リュウヤ「逮捕する!クロノチェンジャー!!」
電王ソードF「何ぃっ!」
タイムピンク「そんな…隊長が変身するなんて!?」
なんとリュウヤは電王の攻撃を振り払い自らが所持していたクロノチェンジャーで変身。
その姿は…
レッドネオ「私が20世紀へ来るのに何の装備も持たずに来ると思ったか?
これぞ最新のクロノスーツ!
その名も、タイムレッドネオだ!!」
タイムレッド「タイムレッドネオ…俺とそっくりな姿だ。」
電王ソードF「舐めんじゃねえ!
赤は俺一人で十分なんだよ!俺の必殺技パート2!!」
レッドネオ「ネオベクターハーレー!ハァッ!!」
((ザシュッ!))
電王とアナザーレッドの技が激突。
その決着の行方は…?
ここまで
タイムレッドネオはssオリジナルの設定です
乙です
乙です。
よく考えてみたら、両方ともメインの脚本家が小林靖子女史だったな。
関係ないけどトッキュウジャーのメインでもあるんだよね……
戦隊、ライダーの電車と時間跳躍系に縁があるよなー。
~拘束室~
良太郎「う…うぅ…」
モモタロス「あん?ここは…どこだ?」
竜也「よかった、お前たち気がついたんだな。」
アヤセ「ここはタイムジェットγの内部にある拘束室だ。」
シオン「あなたたちはリュウヤ隊長に負けてしまったんですよ。」
ユウリ「私たちも事情聴取のために拘束されてしまったわ。」
ドモン「全員この部屋にぶちこまれたってわけ。」
先ほどの戦いは電王の敗北に終わった。
良太郎とモモタロスは、
タイムレンジャーと一緒に拘束室に閉じ込められていた。
ウラタロス「それに未来くんもさっきのリュウヤってヤツに捕まったんだ。」
キンタロス「けど俺たちとは違う場所におるらしいで!」
リュウタロス「チェッ!良太郎が気絶してなけりゃあんなヤツ僕がやっつけたのになぁ!」
良太郎「みんなもここにいるんだ…ってそういえばみんな実体化してるね。」
ウラタロス「どうやらこのタイムジェットは、
僕たちのデンライナーみたいに時を行き来できるようだね。
そのおかげでこの内部なら僕らも実体化できるってわけだよ。」
竜也「そういえば自己紹介がまだだったな。
俺は浅見竜也、タイムレンジャーのタイムレッドをやっているんだ。」
ユウリ「私はユウリ、タイムピンクよ。」
アヤセ「俺はアヤセ、タイムブルーだ。」
シオン「タイムグリーン、シオンです。
ところであなたたちのベルト…ちょっと興味あるから見せて欲しいんですけど…」
ドモン「バカッ!そんなのは後にしろ!
俺はタイムイエローのドモンだ!
おい、ところであの未来ってガキは本当に俺の子供なのか!?」
一応、現状を把握できた良太郎。
だがそれでも何故こんな事になったのか、その事情がまるでわからなかった。
オーナー「まったく、大変な事態になりましたねぇ。」
良太郎「うわっ!オーナーいつの間に!?」
タック「その通りだ、事情は全部デンライナーのオーナーさんから聞いたぞ。
キミたち…とんでもない事をしてくれたな!?」
モモタロス「しかも今度は変な鳥が喋ってるー!?」
シオン「変な鳥なんかじゃありません。
彼はタック、僕たちタイムレンジャーのナビゲーターロボなんですよ!」
いきなり監禁室に現れたのはデンライナーのオーナーと、
タイムレンジャーのナビゲーターロボのタックであった。
二人は既に現状を把握しており、
良太郎たちは二人から今回の件についてその詳細を明かされる事になる。
だがそれはあまりにも衝撃的な事実であった。
オーナー「どうやら今回はイマジン退治よりも重大な問題が発生したようですよぉ。」
良太郎「未来くんの事ですね。一体あの子が何をしたんですか?」
タック「いや、そうじゃないんだ。
あの子自体に罪があるわけじゃない。問題はあの子の存在がまずいんだ。」
モモタロス「待て待て、言ってる事が全然わからねえぞ?」
ウラタロス「そもそも未来くんの存在がまずいってどういう事なの?」
いきなりの説明に混乱するモモタロスたち。
そこで問題を整理するために竜也は自分たちについての説明から始めた。
竜也「そうだな、まずは俺たちについて説明させてくれ。
俺たちタイムレンジャーは、
俺以外のメンバーは全員西暦3000年からやってきた未来人なんだ。」
良太郎「西暦3000年からやってきた未来人!?」
シオン「そうです。
僕たちはこの20世紀に逃げたドルネロを逮捕するために、
タイムスリップしてきた時間保護局に所属する西暦3000年の未来人です。」
ウラタロス「なるほど、少し話の根っこが見えてきたよ。」
モモタロス「あん?どういう事だよ?」
オーナー「つまりこういう事なのです。
人が結ばれる事については何の問題もありません。
そして子供が生まれる事についても…
ですがそれは同じ時間を生きる者同士についてですがねぇ。」
タック「キミたちの言うようにあの森山未来という少年は現代人なのだろう。
だが母親が現代人の森山ホナミで西暦3000年の未来人であるドモンが父親である事は、
両親は異なる時間軸を生きているという事になる。」
ユウリ「つまりあの子は本来の歴史では生まれるはずのない子だったのよ。」
良太郎「けどそれだけであの子が危険だと思うのは大袈裟じゃ…?」
オーナー「そうでもないのですよ。
未来くんの存在自体が危険なのは確かなのですからねぇ。」
そしてオーナーは何故未来の存在が危険であるのか良太郎たちへ説明する。
同じ頃、このタイムジェットγの隊長室で厳重なある尋問が行われていた。
~隊長室~
リュウヤ「なるほど、この世界の数年後は無事だという事か。」
未来「そうだよ、僕たちの世界は平和だよ?」
リュウヤ「…という事は2001年に起きる大消滅は回避されるのか…?
そうなると…アレが起きないという事になる。
それではダメだ。アレが起きてもらわなければ私は…」
未来「ねぇ、さっきから一人で何をブツブツ言ってるの?」
リュウヤ「いや、なんでもない。
ところで森山未来、調べたところお前は未来の世界の浅見竜也と知り合いらしいな。
彼から何か聞かされていないのか?」
未来「知らないよ…竜也さんも昔の事は話してくれないし…
それよりもここから出してよ!お父さんにもう一度会わせてよー!?」
リュウヤ「それは無理だな。
森山未来、これからお前は西暦3000年の未来に護送される。
そこで刑務所に送られて一生を終えるんだ。
勿論、誰にも知られずにひっそりとな…」
未来「そんな…僕は何もしてないよ!どうして僕がこんな目に合うの!?」
リュウヤ「それは、お前の存在そのものが歴史に悪影響を及ぼすからだ。」
未来「え…?」
そしてリュウヤは未来の前である事を語り始めた。
未来が如何にこの時の流れを逸脱して尚且つ危険な存在であるかについてであった。
リュウヤ「人は本来同じ時代の者同士で結ばれる。
これはどの時代においても共通する自然の定理だ。
だが森山未来、お前は異なる時間軸の者たちとの間で生まれた。
本来の正しい歴史なら生まれるはずのない子供だ。
その存在自体が自然の定理に反している。」
未来「反していると…どうなるの…?」
リュウヤ「お前は時空の歪みが生じて生まれた禁忌の存在。
故に時空を滅ぼす因果を宿している。
もしそれが誰かに悪用されたらどうなると思う?
間違いなく時空に歪みが生じてなんらかの災厄が訪れる。
最悪の場合、時間が消滅する可能性すらある。」
未来「そんな…」
リュウヤ「そんなイレギュラーは即刻排除した方がいいというのが時間保護局の方針だ。」
未来「それじゃあ僕は…」
リュウヤ「お前自身誰かに望まれて生まれたわけではあるまい。
恐らくなんらかのアクシデントでこの世に生を受けたにしかすぎない。
己の出生を呪うんだな。」
そんな言葉を吐き捨ててリュウヤは部屋から出ていった。
未来「そんな…」
未来「僕は…誰からも望まれて生まれたわけじゃなかった。」
未来「だからお父さんも会ったばかりの息子の僕を疎ましく思ったんだ…」
一人部屋に残された未来は絶望した。
本来自分は生まれてはいけない事、
それに自分が生まれてきた事を誰も望んでいなかった事に未来の心は深く傷ついた…
~監禁室~
モモタロス「それじゃあ未来は…」
タック「そうだ、時の歪みを引き起こす因果を宿している危険な存在だ。」
アヤセ「あの子がドモンの子供なら時間保護局が放っておくはずがない。」
ユウリ「最悪、西暦3000年に送られて一生刑務所暮らしでしょうね。」
オーナー「あの少年も、
まさか自分の出生にこんな秘密が隠されていたとは夢にも思わなかったでしょうねぇ。
時の歩みは確かに素晴らしいモノです。
ですがこの歩みに歪みが生じれば…それが波紋のように広がり…
やがては全ての破滅へと繋がってしまうでしょう。」
良太郎「そんな…未来くんはお父さんに会いに来ただけなのにこんな事になるだなんて…」
一方、良太郎たちもオーナーから先ほどのリュウヤと同様の説明を聞かされていた。
戸惑いを隠せない一同。
そんな中、一人だけ能天気な男がいた…
ドモン「おいおい、元気出せよお前ら!落ち込んでたってしょうがねえだろ!」
ユウリ「何他人事のように言ってんのよ!元はといえばドモン!アンタの所為でしょ!!」
アヤセ「まったくだ、お前いつの間に彼女とそんな関係になった?」
タック「本来、時間保護局の者は過去の人間との接触は禁止されている。
それなのに現地の人間と恋愛してまさか子供を作っていたなんて…
ドモン、これはキミ一人だけの責任問題じゃすまされないぞ!?」
ドモン「ちょ…ちょっと待てって!俺は至って紳士だから!」
仲間から必要以上に責められるドモン。
そんな時、
ウラタロスが先ほどドモンの首筋についていた虫刺されの跡を見てある指摘をした。
ウラタロス「ねぇ、ところでイエローの人。
お宅の首筋についているのは…それ間違いなくキスマークだよね。」
竜也「ドモン…まさかお前…」
アヤセ「昨日Gゾードを倒した夜に…彼女と…?」
ユウリ「アンタって人は!
私たちが命を賭けてGゾードを倒した夜になんて事してくれたのよー!?サイテー!!」
ドモン「ち…違う!俺は無実だって!
だってホナミちゃんこう言ってたんだよ!今日は大丈夫だよって!安全日だからって!?」
シオン「安全日…?何の話でしょうか?」
リュウタロス「赤ちゃんってコウノトリさんが連れてきてくれるものじゃないの~?」
良太郎「ドモンさんは二度と日曜朝の子供番組に出ちゃいけないと思うな。」
監禁室でドモンを責め立てる一同。
そんな時、監禁室へ二人の男がやってきた。
ここまで
因果とか何それとか思われますがどっかの魔法少女みたいなものだと解釈してくれれば幸いです
乙です
クウガと一緒にリアルタイムで見れた奇跡に感謝
思えば二つとも重い作品だった
乙です
当時タイムレンジャー最終話でお腹をさするホナミを見て「いや、まさかな…?」と思ってた
その後、ガッツリ子供が出て来た時は全力で突っ込んだな
ゴーカイで息子見て泣いてたな…。
存在は知ってるようだったけど、
こっち来たのはレジェンド大戦時くらいだろうし、
会えてはいないんだろうな…。
リュウヤ「諸君、話がある。」
ドモン「ゲッ!リュウヤ隊長!?」
直人「よぅ浅見、いいザマだな。」
竜也「それにお前は…直人!」
モモタロス「あん?誰だコイツ?」
アヤセ「CGC隊長滝沢直人!何故お前がここにいる!?」
直人「お前らの隊長さんがご丁寧にもGゾードの処分をやってくれるそうだ。
これで俺たちシティガーディアンズの仕事が省けるってもんだ。」
良太郎「Gゾード…?」
ウラタロス「さっき外で見かけた巨大ロボットの残骸の事だよね。」
キンタロス「あれがどうかしたんか?」
リュウヤと共に現れたのはシティガーディアンズ(CGC)の隊長である滝沢直人であった。
本来リュウヤがこの時代に来たのはGゾードの残骸撤去の任務を遂行するためだった。
良太郎「そういえばGゾードって一体何なんですか?」
ドモン「お前…そんな事も知らねえのかよ!
昨日は30世紀が消滅するがどうかの瀬戸際だったんだぞ!?」
アヤセ「いや、一般人にそんな事突然言ってもわからないだろ。」
竜也「簡単に説明するよ。
昨日、俺たちタイムレンジャーは30世紀を消滅させようとするGゾードを倒したんだ。」
ユウリ「けど完全に破壊できたわけじゃないわ。その残骸が街の中に残ってしまったのよ。」
リュウヤ「問題はそれだけではない。
Gゾードの動力源であるミュートエネルギー炉がまだ生きているんだ。」
シオン「そんな…危険じゃないですか!?」
直人「だからさっさと撤去してもらうのさ。これ以上の面倒事はゴメンだ。」
今回リュウヤが20世紀を訪れた理由が明かされた。
だがモモタロスはそんなリュウヤの返答に納得などしていなかった。
モモタロス「コラ!俺が聞きてえのはGなんたらについてじゃねえ!
おいテメェ!そこのオールバック野郎!テメェは未来をどうするつもりだ!?」
リュウヤ「彼は時間保護局が規定する第一級危険対象人物だ。
これより私が30世紀に連行して、そこで圧縮冷凍を行い永久に封印する。
そうすればこれ以上歴史に悪影響を及ぼす事もないだろう。」
竜也「あんな子供を圧縮冷凍するのかよ!?」
モモタロス「おい、圧縮冷凍って何だ?」
シオン「零下270度にまで身体を凍らせる事です。そうすれば死ななくてもすみますが…」
ユウリ「永遠に眠らされるのよ。死んだも同然だわ…」
キンタロス「なんやそれ!
俺らはそんな事をさせるために未来を過去に連れてきたわけやないで!?」
良太郎「悪いけどそんな事はさせない!
未来くんは僕たちが守る!変身!…ってあれ?ベルトとライダーパスが無い!?」
竜也「俺たちのクロノチェンジャーもだ!」
リュウヤ「無駄だ、お前たちの変身ツールは既に没収しておいた。」
直人「ちなみにこれは俺が預かっておいてやる。
仕事が片付くまでお前らは暫くそこで大人しくしている事だな。」
竜也「待ってくれ直人!まだ話は終わってないぞ!?」
モモタロス「そうだ待ちやがれー!俺たちは納得してねーぞ!!」
大声で叫び立てるモモタロスと竜也。
だがリュウヤと直人はそんな彼らなど無視してGゾードの回収作業へ向かった。
モモタロス「クッソ~!
あのリュウヤってヤツもムカつくが直人ってのも相当嫌な野郎だぜ!!」
竜也「いや、あれでも根はいいヤツなんだよ。」
モモタロス「嘘つけ!あんな目つきの悪いヤツがいいヤツなわけねえだろ!
ライダーの先輩にも草加っていう性格の悪~いのがいたけどそれとタメを張れるぜ!」
ユウリ「滝沢直人の性格の悪さはこの際どうでいいわ。」
アヤセ「問題はこれからについてだ。
現地人と子供を作ったなんて知られたんだ。
隊長は言わなかったが俺たち4人は間違いなく西暦3000年に送り返されるだろうな。」
ドモン「そんでもって時間保護局の仕事もクビかよ…ハァ…再就職どうしよ…」
シオン「僕まだこの時代に残りたいです…」
良太郎「一体どうしたらいいんだろう…?」
オーナー「とりあえず待ちましょう。それからでも遅くはありませんよ。」
タック「そうだな、ここで暴れても何も解決はしない。」
ウラタロス「そうそう、焦らない。焦らない。」
キンタロス「果報は寝て待てと言うしな!zzz」
リュウタロス「もう~!キンちゃんのいびきうるさ~い!!」
拘束室で不安を覚える一同。
一方、このタイムジェットγに何やら不穏な動きがあった。
~隊長室~
ドルネロ「ガハハ!小僧、捕まったらしいな!」
未来「ドルネロ…それにお母さん!?」
ホナミ「う…うぅ…」
タイムイマジン「森山未来、俺たちはロンダーズと手を組んだ。」
黒装束の女「ドルネロ、私たちとの取引に応じてくれた事には感謝しているよ。」
リラ「まったく、ドルネロ!
アンタは金さえ出せばどんなヤツにも協力するんだから!
こんな怪しいヤツらに協力して大丈夫なの…?」
黒装束の女「リラ、アンタは黙ってドルネロの言う事を聞いてりゃいいんだよ!」
リラ「何よアンタ!
顔隠してるくせに…怪しいと思われたくないならそのフード取りなさいよ!?」
ドルネロ「よさねえかリラ!
ロンダーズじゃあ仲間割れは御法度だ!
リラ、お前だって規律を破るなら容赦はしねえぞ!」
未来のいる部屋にドルネロとタイムイマジンたちが侵入してきた。
どうやらドルネロたちは互いに協力関係を結んだようだ。
ドルネロ「それにしても…」
未来「?」
ドルネロ「お前、随分と辛気臭いツラになったな。
まるでこの世の全てに絶望したって顔をしているぜ。」
黒装束の女「どうやらアンタも自分の出生に気づいたようね。
そうよ、アンタの父親はタイムレンジャーのドモン。
つまりアンタは現代人の母親と西暦3000年の未来人との間に生まれた子供。
時間保護局の連中からしてみればタブーな存在なのよ。」
タイムイマジン「そしてお前の因果をこれから悪用させてもらおう!」
黒装束の女たちの目的は未来が宿している因果を悪用する事にあった。
だがドルネロは…
ドルネロ「そういえば出会った頃のギエンもお前くらいのガキだったな。」
未来「ギエン…?」
リラ「私らの仲間だったヤツの事よ。
でも今はトチ狂ってどこで何をしているのやら…」
ドルネロ「ヤツは元々普通の人間だった。
それがある日、俺を助けるために瀕死の重傷を負った。
俺はなんとかヤツを助けたが…ヤツは全身機械人間となった。
その代償で狂ったわけだが…」
未来「ドルネロ…何で僕を見ているの…?」
黒装束の女「ドルネロ、早くこの子供を連れ出すんだよ。」
タイムイマジン「どうした、何をしている?」
ドルネロ「…」
落ち込んだ未来を見つめるドルネロ。
それに未来を自分たちの目的のために利用する黒装束の女とタイムイマジン。
だがそんな未来にドルネロはこう告げた。
ドルネロ「いいや、こいつは今日から俺たちロンダーズファミリーの一員だ!」
未来「え…?」
リラ「ちょっとドルネロ!どういうつもりよ!?」
ドルネロ「いいじゃねえか、こいつは何もかも失った目をしている。
こういうヤツは俺たちロンダーズに相応しいんだよ。
未来、俺たちの仲間になって一緒に楽しもうや!」
未来「え…でも…」
ドルネロ「いいんだよ!ガキが細かい事気にしてんじゃねえ!
それに…ギエンのヤツと出会ったのもちょうどお前くらいの頃だったなぁ。」
黒装束の女「こんな子供に同情して仲間に入れるなんて…
ドルネロ…アンタ甘いよ…甘すぎるんだよ…だからアンタは…」
リラ「?」
こうして未来はドルネロに無理やり誘われてロンダーズの一員にされてしまった。
そして…
~拘束室~
((ドッガァァァァァンッ!!))
竜也「この爆発は何だ!?」
良太郎「けどそのおかげで外に出られたよ!」
モモタロス「出れりゃこっちのモンだ!未来を助けに行こうぜ!」
突然タイムジェット内部に発生した爆発。
その影響で室内にいた一同は脱出する事に成功する。
だがそこで彼らを待ち受けていたのは…
ドルネロ「ガハハッ!無様だな!タイムレンジャー!」
竜也「ロンダーズ!この騒ぎはお前の仕業か!?」
リラ「セキュリティが甘いわね!あれじゃ入ってくださいって言ってるものだよ!」
ユウリ「そんな…タイムジェットのセキュリティは万全なはずなのに!?」
シオン「それにあの子は…」
未来「みんな…お父さん…」
良太郎「未来くん…!」
モモタロス「未来…テメェ!未来に何しやがった!?」
ドルネロ「何もしてねえよ。ただ仲間に誘っただけさ。」
ドモン「なんだと…!?」
未来をロンダーゼファミリーに迎えたと告げるドルネロ。
そんな話を聞いて誰もがその事実を疑った。
ドモン「おい…お前!
俺の子供だって言ったよな!何でロンダーズに入ろうとするんだよ!?」
未来「だって…僕は…僕は望まれて生まれてきたわけじゃないから…」
モモタロス「なんだと…?」
未来「あのリュウヤって人が言ってた…
僕は誰からも望まれて生まれてきたわけじゃない。
ただアクシデントで生まれただけだって…」
良太郎「違うよ!キミは…!?」
未来「じゃあ何でお父さんは僕の事を生まれてから一度も会ってくれなかったの!
それってつまりリュウヤって人が言うように僕が生まれてきちゃいけないから…
お父さんは僕を疎ましく思ったから会わなかっただけなんだろ!?」
ドモン「う…うぅ…」
未来の目は怒りに満ちていた。
子供とはいえ自分の境遇を既に理解出来ていた。
自分が誰からも…望まれて生まれたわけではない事実を知ったからだ。
未来にとって全てが憎く思えていた。
いや、そうではない。
ひとつだけすがる事ができる存在があった。
未来「お母さんだけだ。」
ドモン「何…?」
未来「僕を生んでくれたお母さん…」
未来「お母さんだけが僕の事を望んでくれるんだ…」
タイムイマジン「いいぞ未来!全てを憎め!そうすれば俺の思い通りになる!!」
モモタロス「そうはさせるかよ!」
竜也「みんな!ヤツを止めるんだ!!」
未来「うるさい!もう誰も僕たちに近づくな!タイムイマジンやっちゃえ!!」
((カッ!))
「「うわぁぁぁぁぁぁっ!?」」
タイムイマジンの放った衝撃波によりその場にいた全員が吹っ飛んだ。
そしてロンダーズファミリーは次の狙いを定めようとタイムジェットから立ち去った。
モモタロス「クソッ!未来…」
良太郎「僕たちも急いで後を追わなきゃ…!」
アヤセ「ゴホッ…ゴホッ…」
シオン「アヤセさん大丈夫ですか!」
アヤセ「すまん、こんな時にオシリス症候群が…だがなんとか大丈夫だ。」
竜也「よし、俺たちも行くぞ!」
ユウリ「わかったわ!」
ドモン「…」
なんとか攻撃を逃れた良太郎たち。
外へと出たロンダーズを追うとするのだが…
ドモン「悪い…俺は行けねえ…」
竜也「ドモン…どうした?」
ドモン「あの子の言う通りだ。
俺はホナミちゃんの事がただ普通に好きで付き合った。
でも…あの子がこんな事になるなんて…思いもしなかったんだ…」
アヤセ「ドモン、こうなったのはお前の所為では…」
ドモン「下手な慰めなんかいらねえよ。
あの子が苦しんでいるのに俺は何も言ってやれなかった。
親として最低だよな…」
モモタロス「…」
未来の言葉はドモンの心に突き刺さっていた。
本来なら父親である自分がなんとかしなければならない事であったはず。
だが、未来人である自分はいずれ元の世界に還らねばならない。
それが正しい歴史だからだ。
モモタロス「くだらねえなぁっ!」
ドモン「何…?」
モモタロス「要するにテメェは理由つけて落ち込んでるだけじゃねーか!」
ドモン「ふざけんな!お前に何がわかる!?」
モモタロス「お前が落ち込む理由なんか俺は知らねえよ!
だがなぁ…未来は父親のお前に会いたくてこの世界に来たんだ!
お前が本当に親なら何か出来る事があるはずだろ!!」
良太郎「モモタロス…そうだね。
ドモンさん、僕たちもあなたたちタイムレンジャーと同じく時の流れを守っています。
けど、時を守る以外にも僕たちはやる事があるんじゃないかと思うんです。」
ドモン「時を守る以外にもやる事…?」
リュウタロス「ねえみんな!早くあいつらを追わないと!」
キンタロス「急がんと間に合わんで!」
ウラタロス「そうだよ!早く早く!」
良太郎「わかった、すぐ行くよ!
タイムレンジャーのみんな、僕たちは先に行きます!
みんなもすぐに来てください!!」
落ち込むドモンを前に良太郎たちは先にロンダーズを追った。
それに竜也たちも…
竜也「俺たちも行こうぜ!」
アヤセ「そうだな、この時代を守るのは俺たちだ。」
ユウリ「あんなヘンテコな連中にだけ任せてはおけないわ。」
シオン「そうですね、行きましょう!」
ドモン「すまねえみんな…俺はまだ…」
良太郎たちに続いて竜也たちタイムレンジャーもロンダーズの後を追おうとしていた。
だがドモンだけは未だに動けずにいた。
そんな時、竜也はドモンにある事を言った。
竜也「なぁドモン。俺の家の事情知っているよな。」
ドモン「あぁ、確かお前は親父さんの家を飛び出してるんだよな。」
竜也「まあな、親父は俺に浅見の家を継げと言ってばかりでさ。
その事でうんざりして家出して今はお前たちとタイムレンジャーをやっている。
ぶっちゃけた話、俺は親父とは仲が良くない。」
ドモン「竜也…」
竜也「でも俺は正直後悔しているんだ。
あんな親父でもこの世でたった一人の俺の父親なんだ。
俺も親父ももっと素直だったらこんな仲違いなんか起きなかったのかもしれない。
家族が仲違いしたままなんてつらい事なんだ!
だからドモン…お前も…」
ドモン「わかってる…けど…今だけは一人にさせてくれ。」
シオン「ドモンさん…」
ユウリ「わかったわ。」
アヤセ「だが早く来い。」
竜也「お前が来るのを待ってるぜ!」
そして竜也たちもドモンを一人残してその場を去った。
一人残されたドモンは…
ドモン「みんなが言いたい事はよくわかる。」
ドモン「けど、俺はあの子になんて言ったらいいんだよ…?」
ドモン「あの子を不幸にしたのは他の誰でもない俺自身なんだ!」
ドモン「チクショウ…どうしたら!?」
自分を責めるドモン。
ドモンがこの20世紀に現れなければ未来は不幸にはならなかった。
だがそんな時、ドモンはある物が落とされているのに気づいた。
ドモン「これは…写真…?」
ドモンの目の前に落ちていた一枚の写真。
それは先ほどホナミがメッセージを書き込んでいた写真であった。
~廃墟~
リュウヤ「どうやら作業は順調のようだ。」
直人「あぁ、後はこのGゾードとやらを未来に送り返せばいいだけだからな。」
リュウヤ「滝沢直人、タイムファイヤー装着者にしてその若さでCGC隊長とは…
キミは実に優秀だ。どうやらキミにブイコマンダーを与えたのは正解だったようだな。」
直人「フンッ、浅見と同じ顔をしたアンタに褒められても素直には喜べんが…
だが貰ったこの力は十分に生かしているさ。
今はまだCGC隊長の身に甘んじているが見ていろよ!
これからどんどん上り詰めていずれは浅見グループを牛耳ってやる!!」
リュウヤ「まあ精々頑張ってくれ。
所詮キミたちの問題など30世紀を生きる私には関係のない話だ。
今の私にはそんな事などよりも、もっと重要な事がある。」
直人「?」
その頃、外では廃墟と化した街の中では、
CGCと時間保護局によって着々とGゾードの撤去作業が進められていた。
だがそんな中、突如襲撃を受けた。
「うわぁぁぁぁぁっ!」
「滝沢隊長!助けてください!?」
タイムイマジン「これがGゾードか。」
黒装束の女「これさえあれば!」
直人「お前たちはロンダーズ!どうやら森山未来とかいう子供をさらった様だな。」
ドルネロ「さらったんじゃねえ!仲間に引き入れたんだよ!」
リュウヤ「なるほど、イマジンとやら。
お前たちは森山未来と同じくこの世界の未来からやってきたようだな。
狙いはこのGゾードの残骸か。」
Gゾードの撤去作業の現場に現れたロンダーズファミリー。
リュウヤが指摘する通り、彼らの目的はGゾードの残骸にあった。
タイムイマジン「そこを退け!俺たちの目的はGゾードの残骸にある!」
リュウヤ「これを何に利用するつもりだ?」
黒装束の女「決まっているわ!こいつを使ってこの20世紀を大消滅させるのよ!!」
直人「大消滅だと…?」
ドルネロ「お前らそんな事が目的だったのかよ!
大消滅といえば昨日タイムレンジャーが命懸けで阻止した時の流れによる災厄だ。
それをもう一度起こさせるなんて正気じゃねえぞ!?」
リラ「そうよ!そんな事したら私らだって無事じゃすまないわよ!」
黒装束の女「黙りなリラ!
私だって考え無しでこんな馬鹿げた計画を立てやしないよ。
あそこにタイムジェットがあるだろ。
大消滅が発動される寸前にドルネロだけはあれに乗って逃げればいいんだよ!」
ドルネロ「俺だけだと…?」
リラ「何でドルネロだけなのよ!私はどうすんのよ!?」
この時代での目的を告げる黒装束の女。
だがそうはさせないとリュウヤと直人が立ちはだかった。
リュウヤ「そうはさせん。
この時代で大消滅が起きようと知った事ではないがタイムジェットを渡す気はない。」
直人「その前にお前たちはここで倒されるんだよ。
このシティーガーディアンズ隊長の滝沢直人によってなぁっ!!」
未来「滝沢…直人…?」
直人「うん…?未来から来た小僧。お前…俺の事を知っているのか?」
未来「知ってるよ。僕の時代の竜也さんが言ってたから…」
その時、未来はある出来事を直人の前で告げてしまった。
それは直人にとってこれから起こるであろう恐ろしくも残酷な宣告であった。
未来「直人さんって昔死んじゃった人だよね。」
直人「何…?」
直人「俺が…死んだ…?」
直人「それは一体どういう事だ!?」
未来「し…知らないよ!竜也さんがそう言ってただけなんだよ…!?」
未来の世界では自分は既に死亡している事実を告げられた直人。
それは何時、どうやって死んだのか?
直人は未来を強引に問い質すがそれ以上の事は未来も知らなかった。
衝撃の事実に苛立ちと不安を募らせる直人。
だが、そんな直人とは対照的な男がいた。
リュウヤ「そうか…」
リュウヤ「滝沢直人は未来の世界では既に死んでいるのか!」
リュウヤ「やった!やったぞ!!」
リュウヤ「これで私は救われた!!」
リュウヤ「ハハハハハハハハハハハ!!!!」
その時、リュウヤが奇怪な笑いを発した。
いつもはクールで表情ひとつ変えない男の笑み。
その笑みを見た周囲はリュウヤに対して不気味さを感じた。
ドルネロ「何だ…この男…何故笑っていやがる!?」
直人「笑うな!キサマ…俺の死がそんなにおかしいか!!」
リュウヤ「あぁ、おかしいとも!これが笑わずにいられるか!」
直人「こうなったら…ロンダーズよりも先にお前を始末してやる!!」
リュウヤの笑い声は直人の怒りを買った。
するとそこへ良太郎とタイムレンジャーも駆けつけるのだが…
良太郎「よかった、追いついた!」
竜也「けど…何か様子がおかしいぞ?」
ユウリ「隊長があんなバカ笑いしているところ初めて見たわ。」
シオン「何かいい事でもあったのでしょうか?」
リュウヤ「いい事…?そうだな。
確かにいい事があった。こんなに気分がいいのはあの日から実に5年ぶりだ!」
ドルネロ「おいコラ!俺たちを無視するんじゃねえ!?」
黒装束の女「そうよ!私たちはGゾードの残骸を使って大消滅を起こすのよ!!」
シオン「Gゾードの残骸を使って?
でもGゾードのエネルギー炉が無事でもそれだけで大消滅は起こせないはずですよ?」
タイムイマジン「だからこの小僧が必要なのさ!」
未来「僕が…?」
タイムイマジン「お前は時間を崩壊させる因果を宿している。
その因果を俺が取り入れればこの西暦2000年は大消滅を起こすだろう!!
そうすればこの時間は消滅する!
俺たちイマジンは時を混乱させるのが使命だからなぁっ!!」
タイムイマジンの目的。
それは未来の内に宿る因果とGゾードのエネルギー炉を利用して、
この西暦2000年を大消滅に導く事にあった。
ドモン「そうはさせねえぞ!」
未来「お父さん…?いや…違う!あんなヤツはお父さんじゃない!!」
ドルネロ「そうだ未来!ヤツはお前を捨てた!あんな野郎はお前の父親なんかじゃねえ!」
ドモン「未来…やっぱり聞く耳も持っちゃくれないか…」
竜也「ドモン、やっぱり来てくれたか!」
ドモン「竜也、みんな!俺は未来に…自分の子供を救いてぇ!
身勝手な頼みだとはわかっている!けど…俺は…あの子を助けたいんだ!
頼む、手を貸してくれ!!」
モモタロス(へっ!そうだよ。
面倒臭い事なんか気にせず最初からそうすりゃいいんだよ!)
良太郎「この時代に未来くんを連れてきたのは僕たちです。
僕たちにも未来くんを止めるためにお手伝いさせてください!!」
竜也「俺たちも忘れるなよ!」
ユウリ「まったく、アンタはどうしようもないんだから!」
アヤセ「せっかく生まれてきたんだ。俺たちが守ってやらなきゃな!」
シオン「ドモンさんの息子さんなら僕たちの家族も同然です!」
ドモン「未来、お前は誰からも望まれなかった子供なんかじゃない。
少なくともここにいるみんなはお前が生まれてきた事を喜んでいるんだ!」
集まったタイムレンジャー、それに良太郎たち。
ついに戦いが始まろうとするのだが…
シオン「そういえば僕たちクロノチェンジャーを没収されたままでした。」
良太郎「僕もベルトとパスを…」
竜也「直人、俺たちのクロノチェンジャーすぐに返してくれよ!」
アヤセ「バカッ!滝沢直人がそんな素直に渡すはずが…」
直人「いいだろう、こんなモノとっとと返してやる!」
リュウヤ「キサマ…何故…?」
直人「これ以上、お前に従う義理がないからだ。」
竜也「サンキュー直人!」
不機嫌そうに竜也たちのクロノチェンジャーと良太郎のライダーパスを返す直人。
その行動に些か疑問を持ちつつも、
集結した彼らはロンダーズファミリー、それにタイムイマジンを迎え撃つために変身する。
良太郎「変身ッ!!」
「 「クロノチェンジャー!!」 」
直人「タイムファイヤ―――――ッ!!」
電王ソードF「俺、参上!」
「 「未来戦隊タイムレンジャー!!」 」
タイムレッド「行くぜロンダーズ!」
タイムファイヤー「覚悟しろ…!」
電王ソードF「俺たちに前振りはいらねえ!何故なら俺たちは最初から…!」
「 「 クライマックスだぜ!! 」 」
変身したヒーローたちはロンダーズファミリー目掛けて突撃する。
全ては歴史を守るため。
そして愛する人を守るために彼らは戦う。
タイムファイヤー「リュウヤー!」
リュウヤ「チッ!クロノチェンジャー!」
レッドネオ「ハァッ!何のつもりだ!?」
タイムファイヤー「黙れ!今の俺の敵はロンダーズじゃない!お前だ!!」
タイムレッド「おい直人!何してんだ!?」
タイムピンク「敵はロンダーズよ!隊長じゃないわ!?」
電王ソードF「つーかそいつは俺が倒すんだぞ!」
タイムファイヤー「俺の邪魔をするな!お前らはロンダーズと勝手に戦っていろ!」
そう言うなりタイムファイヤーは場所を離れて、
タイムレッドネオとの一騎打ちを行う事になった。
タイムファイヤーvsタイムレッドネオの戦いが始まった。
タイムファイヤー「DVディフェンダー!ディフェンダーソード!」
レッドネオ「ネオベクターハーレー!」
タイムファイヤー「武器の威力は互角か!?」
レッドネオ「さすがはクロノギア。
プロトタイプとはいえ私の最新のクロノスーツと同等の性能を誇るとは…
だからこそ本来なら私こそがタイムファイヤーの装着者に選ばれたのだからな。」
タイムファイヤー「なんだと!?」
激闘の最中、明かされたのは…
リュウヤこそが本来のタイムファイヤーの装着者である事であった。
タイムファイヤー「馬鹿な…俺はこの力を自ら手に入れたんだぞ!」
レッドネオ「愚かな男だ。
それは私が敢えてお前に与えてやったにしか過ぎないんだよ。」
タイムファイヤー「ふざけるな!
それでは俺はお前から力を与えられて今までいいように操られていたとでもいうのか!?」
レッドネオ「その通りだ。
お前は私の操り人形、いや違うな。身代わりと言った方が正解だな。」
タイムファイヤー「身代わり…?どういう事だ!?」
レッドネオ「これ以上は教えられん。まだ未来は完全に確定されたわけではない。
これ以上、お前に事実を告げればまた歴史が改変される可能性があるからな。」
それ以上の事をリュウヤは明かさなかった。
それには理由があった。
5年前、リュウヤはGゾードの実験で自分の未来を知ってしまった。
それは…
[タイムファイヤーとなった自分が死ぬ未来]
これを知ったリュウヤは歴史を改変するために行動を起こした。
ロンダーズファミリーを20世紀に送り込み、本来の歴史を改変していた。
レッドネオ「そこまでだ!」
「「隊長…助けて!?」」
タイムファイヤー「キサマ!俺の部下を人質にする気か!?」
レッドネオ「フンッ、お前は意外と侮れないからな。
悪いが人質を取らせてもらう。
お前がこれ以上手出ししなければ私も彼らに危害を加える気はない。
滝沢直人、お前の死に場所はここではないのだからな。」
タイムファイヤー「キサマァッ!!」
リュウヤの人質を取る行いに怒りを燃やすタイムファイヤー。
しかしその時、どこからともなく銃弾が撃ち込まれた。
((バシィッ!))
レッドネオ「くっ…誰だ!?」
悠斗「悪いけどこれ以上、過去で好き勝手暴れてもらうわけにはいかないな。
アンタが誰だか知らないけど俺たちが来たからにはこれ以上勝手な真似はさせないぜ!」
デネブ「そういうわけなので悠斗をよろしく!」
タイムファイヤー「何だこいつらは…?さっきの電王ってヤツの仲間か!?」
悠斗「ま、そういう事さ。行くぜ!変身ッ!」
颯爽とタイムファイヤーのピンチを救ったのは、
良太郎と同じく時の運行を守る桜井悠斗とデネブであった。
そして悠斗はゼロノスベルトにゼロノスカードを装填し変身する。
((ZERO FORM))
ゼロノスゼロF「最初に言っておく!俺はかーなーり強い!」
デネビックバスター「デネビックバスターもよろしく!」
レッドネオ「チッ、加勢が入るとは…!?」
タイムファイヤー「本当なら一人でケリを付けたかったが…
おい、ゼロノスとかいうの!一気に決めるぞ!俺に合わせろ!!」
ゼロノスゼロF「あぁ、時間もないしな!」
デネビックバスター「よし、任せろ!」
ゼロノスの加勢で戦況は一気にタイムファイヤーに傾いた。
そしてこの戦いを早々に終わらせるべく、二人の必殺技が炸裂する。
タイムファイヤー「DVバルカン!」
ゼロノスゼロF「バスターノヴァ!」
タイムファイヤー&ゼロノスゼロF「「ファイヤ――――ッ!!」」
レッドネオ「うわぁぁぁぁぁっ!?」
DVバルカンとデネビックバスターの合体攻撃がタイムレッドネオに決まった。
変身が解けて転げ落ちるリュウヤ。
腕に装着されていたネオクロノチェンジャーは破壊され、戦う力を失ってしまった。
タイムファイヤー「ここまでだな。覚悟しろ!」
リュウヤ「くっ…滝沢直人…どうやらお前の力を見誤ったか…」
ゼロノスゼロF「おい待て、相手は人間だぞ!本気で殺す気かよ…!?」
タイムファイヤー「お互いさまだ!どうせこいつだって俺を利用する気だったんだ!」
DVディフェンダーの銃口を、力を失ったリュウヤに向けるタイムファイヤー。
だが…
((ゴォォォォッ!))
リュウヤ「悪いが私はまだ終わるわけにはいかないのでね!」
ゼロノスゼロF「あいつ…マシンを呼び出して逃げやがった!」
タイムファイヤー「クソッ!待て!?」
リュウヤ「無駄だ、お前にこの私を捕まえる事などできるのか!
滝沢直也、お前はこの時代で大人しく自らの死を迎え入れるんだな!!」
呼び出したタイムシャドウで時空間に逃げ込むリュウヤ。
こうしてリュウヤは未来へと逃亡した。
そして残されたタイムファイヤーは…
直人「クソッ!こんなモノ!」
悠斗「お…おい!それアンタの変身ブレスレットだろ!?それを投げ捨てるなんて…」
直人「知るか!俺は…俺は…今までヤツに騙されていたんだ!」
悠斗「騙された…?」
直人「そうだ、俺は自分の未来を知ってしまった。
未来の俺はヤツの陰謀にはまって死んでしまうんだとよ。
全てはヤツに代わってタイムファイヤーになってしまったばかりに…」
悠斗「そうか…アンタも自分の未来を知って…」
直人「クソォォォォォォォォォォォォォォッ!!」
ブイコマンダーを投げ捨て無念の叫び声を上げる直人。
それは虚しいばかりのモノであった。
タイムレッド「行くぞロンダーズ!」
電王ソードF「オラァッ!」
黒装束の女「お前たち…また邪魔を!」
タイムピンク「あなたたちの目的を果たさせるわけにはいかないのよ!」
タイムイマジン「俺たちの邪魔をするな!」
未来「そうだ!こんな時代なくなっちゃえばいいんだ!」
タイムイエロー「おい、未来!やめろ!」
一方こちらはタイムレンジャーと電王、
それにロンダーズファミリーの戦いが繰り広げられていた。
そんな中、暴走する未来を止めようとするタイムイエローだが…
ドルネロ「おっと!未来の邪魔はさせねえぞ!」
タイムイエロー「ドルネロ!お前の所為で未来が!」
ドルネロ「俺の所為だぁ?そうじゃねえだろ!未来がこうなったのはお前の所為だ!」
タイムイエロー「そ…それは…確かにそうだ。」
ドルネロ「ケッ!こうなる事は時間保護局にいるお前が一番わかっていたはずだろ!
未来を不幸にしたのは…他の誰でもねえ!タイムイエロー!テメェ自身だ!!」
タイムイエロー「ああ、そうだよ!
俺が未来を不幸にしたかもしれねえ!
けどそれがお前に何の関係があるって言うんだよ!?」
ドルネロ「関係か、あると言えばあるかもな。」
それからドルネロは自身の出生について明かした。
それはある意味で未来と似た境遇であった。
ドルネロ「俺も未来と同じで親父の顔なんざ見た事もねえのさ。」
タイムイエロー「ドルネロ…お前も…?」
ドルネロ「だから唯一の肉親は母親だけだった。
そんな俺だからわかるんだよ。未来の寂しさってヤツがなぁっ!」
タイムイエロー「未来は寂しさをお前が…」
ドルネロ「タイムイエロー!未来のためにもテメェは邪魔だ!消えろ!!」
タイムイエロー「ドルネロ!お前の境遇はわかったよ!」
タイムイエロー「けどなぁっ!」
タイムイエロー「俺は親として未来をお前と同じ悪人にさせるわけにはいかねえんだ!!」
ドルネロは自らの境遇に似た未来のためにタイムイエローを斬りつけようとする。
だがここで戦いに異変が起きた。
タイムイマジン「このままじゃ埓が開かない。
こうなれば未来!お前たち親子とGゾードのエネルギー炉を取り込んでやる!」
未来「うわぁっ!?」
電王ソードF「おい!未来!?」
((ガラッ!ガラッ!))
ドルネロ「バカが!こんな狭い場所で巨大化するんじゃねえ!瓦礫が崩れちまう!?」
黒装束の女「ドルネロ!危ない!?」
仲間であるドルネロたちに構わず周りの瓦礫を崩しながら一体の巨大な化物が現れた。
それはタイムイマジンが巨大化した姿であった。
(( ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ))
タイムレッド「大変だ!」
タイムピンク「タイムイマジンが…」
タイムグリーン「巨大化してしまいましたー!?」
巨大タイムイマジン『ガァァァァァァッ!!』
未来が宿す因果とGゾードのエネルギー炉を取り込んだタイムイマジン。
その膨大なエネルギーにより身体を巨大化させ大暴れした。
タイムレッド「クソッ!こうなったら俺たちも!」
タイムブルー「あぁ、タイムロボの出番だな!」
タック「了解、緊急システム!発動を依頼!!」
タックの緊急システム発動の指令を受けてタイムジェットγが飛んできた。
それに乗り込むタイムレンジャーたち。
タイムレッド「3Dフォーメーション!タイムロボα!!」
そして5機のタイムジェットが変形合体、
タイムロボαとなり巨大タイムイマジンとの戦闘を開始する。
ドルネロ「クソッ…あの野郎…まさか俺たちの前で巨大化しやがるとは…」
黒装束の女「う…うぅ…」
ドルネロ「おまけに仲間の女を犠牲にしやがるとはなぁ。
だがさっきは助かったぜ。
こいつが咄嗟に俺を庇ってくれたから命拾いできた…」
ドルネロ「だが何故この女は俺を助けようとする…?」
ドルネロ「テメェは一体誰なんだ…?」
一方、ドルネロは巨大化したタイムイマジンにより瓦礫の下敷きになっていた。
そして倒れている黒装束の女の素顔を暴くドルネロ。
だが、その正体は驚くべきモノであった。
リラ「う…うぅ…」
ドルネロ「そんなバカな…!
黒装束の女の正体がリラ!だが何故リラが二人もいる?
まさかお前は…未来の世界からやってきたリラなのか!!?」
リラ「あぁ…そうだよ…私はリラ…かつてのアンタの女さ。」
ドルネロ「そんな…
だがその青白い顔はどうした…?あの美しい顔が台無しじゃねえか…!?」
黒装束の女の正体は未来の世界からやってきたリラであった。
だが彼女は青白く窶れた顔、まるで不治の病にでも陥った蒼白さだった。
リラ「ゴホッ…ゴホッ…私はオシリス症候群を発症してるんだよ…」
ドルネロ「オシリス症候群といえばタイムブルーが…ヤツに移されたのか!?」
リラ「まさか、そんなんじゃないよ。
まあ今までいい加減に生きてきたからね。そのツケを払わされたんだよ。
だからこの時代にそのツケを精算しにきたんだけどさ…ゴホッ…」
ドルネロ「ツケ…?どういう事だ!?」
リラ「いいかい…ドルネロ…これから言う事をよく聞いて…」
それからリラはある事をドルネロに告げた。
それはこれからドルネロの身に起こるであろう出来事であった。
リラ「アンタは…この後…死ぬ…」
ドルネロ「俺が死ぬ…?」
リラ「そう…それもただ死ぬんじゃない…ギエン…あいつに殺されてしまうんだよ!」
ドルネロ「ギエンが俺を…どうしてだ!?」
リラ「あいつは…ギエンは機械化の影響で既に狂っている…
それが進行して遂には恩人であるアンタの事すら忘れてしまったんだよ…」
ドルネロ「そんな…ギエンが…俺の事を忘れたのか…!?」
自分の行く末を知ったドルネロ。
そしてリラは自分の命が尽きようとする寸前、ドルネロにこう告げた。
リラ「だから私は…アンタを救いにこの世界にやってきた…
タイムイマジンと協力して…この日に大消滅を起こして…
アンタだけが助かる歴史に改変しようとしたのよ…」
ドルネロ「な…何故だリラ?お前はそこまで情のある女じゃないはずだろ…?」
リラ「酷い事言ってくれるねぇ…私はアンタの事…嫌いじゃないよ。」
ドルネロ「そう…なのか?」
リラ「私の事をお母さんに似ているって言ってくれた事…今でも覚えているよ…」
ドルネロ「俺のお袋か…そうだな…お前は確かに俺のお袋に似ているよ…」
そう、リラはドルネロの母親と顔が似ていた。
それこそがリラを自らの手元に置く理由でもあった。
リラ「もう時間がない…ドルネロ…アンタが助かる方法はひとつしかない…」
ドルネロ「俺が助かる方法だと…?それは一体何だ!?」
リラ「私を…この時代の私を殺すんだよ!」
ドルネロ「この時代のお前を…だと!?」
リラ「そうだよドルネロ…
アンタがギエンに殺されたのは…その妙に甘い性格が災いしたんだよ!
あの時、アンタは非情になればギエンを討てたはずなんだ!」
ドルネロ「俺が非情に…だがそんな事をすれば…
リラ、お前が死んじまうんだぞ!それでもいいのか!?」
リラ「構わない…どうせ私はもう長くはない…
それに私はアンタの死後にロンダーズを裏切った女さ…
ロンダーズの規律を乱すのは誰であろうと許されない。
アンタに従わない女が一人死ぬだけ…ドルネロ…アンタは気にする必要はないよ…」
ドルネロ「リラ…」
ドルネロが唯一生き残る方法を伝えたリラ。
そんなリラにもいよいよ最期の時が訪れようとした。
リラ「あぁ…アンタがいなくなってから色んな男と付き合った。」
リラ「けどみんな最悪だった。この世にドルネロ以上の男はいなかったよ…」
ドルネロ「当然だ、俺を超える男なんているわけがねえ…」
リラ「そうだね…それなのにゴメンよドルネロ…アンタを裏切ってしまって…」
ドルネロ「よせ、最期はこうして俺を救ってくれたじゃねえか。」
リラ「あり…がとう…ドルネロ…
最期に…アンタの…胸の中で逝けて…私は幸せだったよ…」
ドルネロ「リラ…リラ…!」
ドルネロ「リラァァァァァァァァァァァァッ!!??」
亡骸となったリラを抱えて絶叫するドルネロ。
それはかつて最愛だった母を失った時以上の悲しみであった。
巨大タイムイマジン『ガァァァァッ!』
タイムイエロー「クソッ!強い!」
タイムピンク「このまま戦いを長引かせるわけにはいかないわ!」
タイムブルー「そうだな、一気に勝負を決めよう。」
タイムレッド「時空剣!プレスブリザード!!」
タイムロボαの必殺技、プレスブリザードが繰り出される。
だがその直前…
巨大タイムイマジンの中に二つの人影があった。
巨大タイムイマジン『待て!これを見ても攻撃できるのか!』
タイムレッド「あれは…!」
タイムグリーン「そんな…巨大タイムイマジンの中に…
ホナミさんと未来くんが取り込まれています!あれじゃあ攻撃できません!?」
タイムイエロー「あの野郎…よくもホナミちゃんと息子を!二人を離せ!!」
巨大タイムイマジン『それは出来ないな。
何故なら俺は未来の世界の森山ホナミと契約している。
彼女の願いはいつまでも家族と一緒に居る事だからだ。』
タイムブルー「家族一緒ならその願いは叶えられたはずじゃ…?」
タイムピンク「家族一緒…?
いいえ!その願いは叶えられるはずがないわ!?
だって家族は母親と子供の他にあともう一人…父親がいないとダメなのよ!!」
巨大タイムイマジン『そうだ、この願いを満たすには父親がいなければならない。
だが俺は森山ホナミの願いを満たす気はない。
森山ホナミの願いがあれば森山未来の因果を永久に取り込む事ができる。
この二つの要素があれば今この時に大消滅を起こす事が可能だからなぁっ!
わかったら大人しくやられていろ!!』
((ドガァァァァァッ!))
巨大タイムイマジンは、
自らの目的であるこの時代を破壊するために森山ホナミの願いを利用した。
それに森山未来の因果をも取り込みタイムロボαを圧倒してみせた。
タイムレッド「チクショウ…ホナミちゃんと未来がいたんじゃ攻撃できない!?」
タイムグリーン「それだけじゃありません。
今の攻撃でタイムロボが大きなダメージを負ってしまいました…」
タイムブルー「なんとか二人を救出しなければ…」
タイムピンク「けど…それにはどうすれば…?」
タイムイエロー「それなら俺に任せろー!」
タイムレッド「ドモン…?お前…タイムロボから降りてどうするつもりだ!?」
((ガシッ!))
タイムグルーン「そんな…ドモンさんが巨大タイムイマジンに飛び移っちゃいました!?」
巨大タイムイマジンに飛び移ったタイムイエロー。
自分の家族を守るために、たった一人で救出に挑んだ。
タイムレッド「やめろドモン!死んじまうぞ!」
タイムイエロー「悪い竜也、けどこれだけは俺にやらせてくれ!」
タイムピンク「バカッ!何でそんなに意地になるの!?」
タイムイエロー「それは…
俺が未来にしてやれる最初で最後の親としての務めってヤツだからだよ。」
タイムブルー「ドモン…」
タイムイエロー「みんなも知っての通り、俺は西暦3000年の未来人だ。
恐らく俺たちは近いうちに西暦3000年に帰らなきゃいけないんだろうな。
だから、1回だけでいい!父親としてホナミちゃんと未来を救わなきゃいけないんだ!!」
タイムレッド「わかったよドモン!行ってこい!」
タイムグリーン「けど…ドモンさんが抜けたらタイムロボの操縦はどうすれば…?」
電王ソードF「そいつは俺に任せな!ロボの操縦だってやってみせらぁっ!」
リュウタロス(あーっ!モモタロスだけズルい!僕もやりた~い!)
タイムイエロー「みんな…ありがとよ!」
こうして単身、巨大タイムイマジンに取り込まれた母子を救出に向かうタイムイエロー。
もう二度と会えないであろう大切な者を守るため、ドモンは一人立ち向かった。
タイムイエロー「未来ー!聞こえるかー!」
未来「そんな…どうして!?」
タイムイエロー「決まってんだろ!お前たちを助けに来たんだ!」
未来「嘘だ!そんな事言って僕を刑務所に送るんだろ!」
タイムイエロー「違う!そんなんじゃない!俺は本当にお前を助けに来たんだよ!!」
未来「嘘だ!嘘だ!タイムイマジン!こいつをやっちゃえー!!」
巨大タイムイマジン『ガァァァァッ!!』
タイムイエロー「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
取り込まれた未来を説得するタイムイエロー。
だが未来は既に父親であるドモンの言葉に耳を傾けようとしなかった。
それどころか巨大タイムイマジンに攻撃を命じて重傷を負わせた。
ドモン「う…うぅ…」
未来「ほら、もう立ち上がれないだろ!」
未来「やっぱりお前なんか僕のお父さんなんかじゃないんだ!」
未来「そうさ…お父さんならどうして僕とお母さんを放っておいたんだよ…」
未来「お父さんならどうして…僕に一度も会ってくれなかったんだよ…!」
巨大タイムイマジン『そうだ未来、
目の前にいる男はお前の本当の父親じゃない。殺せ!殺してしまえ!!』
タイムイエローの変身が解除されその場に倒れこむドモン。
その姿に笑いを浮かべながら、同時に何故か涙を流す未来。
だがそれでもドモンは諦めなかった。
ドモン「未来…目を覚ませ…そこはお前とホナミちゃんのいるべき場所じゃねえだろ…」
未来「そんな…身体中傷だからなのにどうして立ち上がってくるの!」
ドモン「なんだよホナミちゃんから聞かなかったのか…?
俺は元格闘技のプロ選手だからこんな傷なんて日常茶飯事なんだよ。
だから全然気にしてねえよ…俺が気にしてるのは未来…お前の事だけだからな…」
未来「僕の事…けど何で…?」
ドモン「未来、俺は西暦3000年の未来人だ。
だから俺はロンダーズファミリーを逮捕したら元の時代に帰らなきゃいけない。
こればかりはお前がどんなに我が儘言っても聞いてもらえる事じゃないんだ。」
未来「そんな…それなら何で僕を生んだんだよ!?」
ドモン「ハハ、俺もお前が生まれたなんてさっき知ったばかりだからな。
たぶんホナミちゃんが自分で全部決めちゃったんだろうな。
もしも俺が知ったらきっと止められるとでも思ったかもしれない…
でもホナミちゃんはお前を生んでくれた。こんなに嬉しい事はねえよ。」
未来「嬉しい事…?」
ドモン「そうだぜ未来。俺はこの時代に来て三つの嬉しい出来事があった。
ひとつはお前の母さんであるホナミちゃんと出会えた事。
もうひとつはタイムレンジャーの仲間に出会えた事。
そして最後は…未来。お前に出会えた事だ!」
未来「僕に出会えた事…それが嬉しい事なの!?」
ドモン「当たり前だろ!それにホナミちゃんだって想いは一緒だ!これを見ろ!」
そしてドモンは未来にある写真を見せた。
それは一度は失意のどん底に落ちたドモンを立ち上がらせるきっかけとなった写真だった。
未来「それって二人の写真…?」
ドモン「そうだ、ホナミちゃんはカメラマンだからな。
俺とホナミちゃんが昨日の夜に撮った写真だ。その裏を見てみろよ。」
未来「何か書いてある…これって…」
[ドモンさんと私、それにいつか子供が生まれたらみんなで一緒に撮りたいな!]
未来「みんなで一緒に…?」
ドモン「そうだ!みんなで一緒に写真を撮りたいってその写真にはそう書いてあった!」
ドモン「俺はもうお前に何もする事ができない。
普通の家族みたく当たり前のように一緒に居てやる事すら…
でも…それでも…今だけは…タイムレンジャーとしてでも未来人のドモンでもない…
一人の父親としてお前の事を守りたい…!
そしてその写真に書かれているホナミちゃんの願いを叶えてやりたいんだ!!」
ドモン「それと未来!
お前が生まれてきた事を望んだのはホナミちゃんだけじゃねえ!
俺も…父親の俺だってお前が生まれてきた事を今なら胸を張って喜べるぜ!!」
ドモンはこの時、タイムレンジャーとしてではなく父親として未来の心に訴えた。
そしてその想いは未来へ確かに伝わった。
未来「お父さん…お父さぁぁぁぁぁぁん!!」
ドモン「未来!よく無事だったな!!」
巨大タイムイマジン『しまった…森山ホナミの契約が…!?』
ドモン「タイムイマジン!未来とホナミちゃんは返してもらうぜ!」
巨大タイムイマジン『おのれ…!』
ドモン「みんな、あとは頼んだぜ!」
見事、家族を取り戻したドモン。
そしてそれはタイムロボαにいる仲間たちにも伝えられた。
タイムレッド「やったなドモン!」
巨大タイムイマジン『な…何故だ…森山ホナミの願いは…』
良太郎(そう、彼女の願いは家族一緒にいられる事だった。)
巨大タイムイマジン『そうだ、その願いは叶えられるはずがないのに…』
電王ソードF「テメェは特等席で見てたのにまだわからねえのかよ?」
巨大タイムイマジン『ナニィッ!?』
ウラタロス(未来くんがイエローお父さんを受け入れた時点で家族は揃ったんだよ。)
キンタロス(つまり契約成立したわけやな!)
リュウタロス(だからお前との契約はおしまいなの!)
巨大タイムイマジン『くっ…だがまだだ!俺は力を失ったわけではない!』
電王ソードF「いい加減にしやがれ!
せっかくの親子対面に水を刺すんじゃねえ!
これ以上テメェなんかにこの親子の邪魔をされるわけにはいかねえんだよ!!」
ホナミの契約を成立させてしまい未来の因果を失った巨大タイムイマジン。
その事に怒りを感じて再び暴れだした。
タイムレッド「あいつまだ戦う気かよ!」
電王ソードF「タイムレンジャー!俺たちの力をお前たちに貸すぜ!」
ウラタロス(そうだね、今回ちょっと出番が少ないからね。)
キンタロス(最後は派手にやったるで!)
リュウタロス(いっくよ~!)
良太郎(モモタロス、みんなどうする気なの?)
電王ソードF「こうするんだよ!そりゃっ!」
良太郎の身体を抜け出したモモタロスたち。
そして彼らはタイムロボαの顔、胴体、左右の肩にそれぞれ憑依してしまった。
モモタロス『完成!タイムロボαクライマックスフォームだぜ!!』
タイムレッド「嘘だろおい!あいつらロボットと合体したのか!?」
タイムブルー「信じられない…」
タイムピンク「こんな事あり得るの…?」
タイムグリーン「こんなの僕始めて見ました!感激です!!」
電王ライナーF「アハハ、けどタイムレンジャーのみなさん!今こそ力を合わせましょう!」
タイムレッド「あぁ、最後は派手に決めてやるぜ!」
モモタロスたちと合体して誕生したタイムロボαクライマックスフォーム。
それと同時にデンライナーも現れた。
ゴウカ、イスルギ、レッコウ、イカヅチ、
4車輌が合体して一本の剣となりタイムロボαの手に収まった。
モモタロス『デンライナー合体!これぞ巨大デンカメンソードだぜ!!』
タイムグリーン「電車が合体して剣になりました!?」
タイムピンク「もうなんでもありなのね。」
タイムブルー「俺たちとは勝手が違いすぎる。」
タイムレッド「よーし!決めるぜ!!」
電王ライナーF「はい!みんな!行くよ!!」
モモタロス『行くぜ!俺たちの必殺技…!』
タイムレッド&電王ライナーF「「タイム電車斬り!!」」
((ズバァァァッ!))
巨大タイムイマジン『ぐわぁぁぁぁぁっ!?』
「 「 タイムアウト!! 」 」
タイムレンジャーと電王の合体攻撃により巨大タイムイマジンは倒された。
こうして一連の首謀者は倒され決着がついた。
未来「お父さん!」
ドモン「未来!」
モモタロス(くぅ~!感動の親子の対面だぜ!泣かせるじゃねえかチクショウ!)
ウラタロス(やめてよ先輩!鼻水飛ばさないで!?)
良太郎「けど未来くんとお父さんが無事に会えてよかった。」
竜也「あぁ、やっぱり親子っていいもんだよな。」
戦いが終わり無事に対面を果たせた未来とドモンの親子。
だが問題は残っていた。
タック「みんな、まだ問題は解決していないぞ。」
シオン「そうでした、未来くんの事は既にリュウヤ隊長に知られてしまったんですよね。」
アヤセ「あの隊長がこのまま黙っているはずがない。」
ユウリ「いざとなれば隊長と一戦交える事になるかも…」
オーナー「その心配はありませんよ。」
竜也「それってどういう意味ですか?」
オーナー「恐らく彼にも人には話せられない事情を抱えているみたいですからねぇ。」
まるで何かを知っているかのように呟くオーナー。
その頃、時空間では…
~タイムシャドウ(コクピット)~
リュウヤ「どうやら未来の世界からやってきた連中は倒されたようだな。」
リュウヤ「まあそんな事はどうでもいい。」
リュウヤ「大事なのはこの私の死の運命が改変されたという事だけだ。」
タイムシャドウで西暦3000年に帰還するリュウヤ。
今回、彼が西暦2000年の世界に訪れたのは、
Gゾードの回収以外にもうひとつ理由があった。
リュウヤ「今回私が西暦2000年を訪れたのは、
Gゾードを倒した事で本当に過去が改変されたのかを確認するためだった。」
リュウヤ「もしも改変が成功していたのなら、
未来の世界で誰かがなんらかの行動を起こそうとするはずだからな。
だがそれがまさかロンダーズファミリーのリラだったのは予想外だが…」
リュウヤ「まあヤツらの行動を見極めるために、
わざわざタイムジェットγのセキュリティだって解除してやったんだ。
文句を言われる筋合いはないが。
まあこれで森山未来にこれ以上手を出すわけにもいかなくなった。
もしも本局にまで介入されれば私の歴史改変が暴かれてしまうからな。」
リュウヤ「だがこれで未来は確定した!
滝沢直人はタイムファイヤーとして命を落として私は生き延びる事ができた!
これで私が死ぬ事はなくなった。
やった…やったぞ!」
リュウヤ「ハハハハハハハハハハハハハハ!!」
喜びのあまりタイムシャドウのコクピットで笑い声を上げるリュウヤ。
長年悩まされてきた自らの命を脅かす問題がこれで解消されたと思ったからだ。
だがそれは大きな間違いであった。
確かにリュウヤが西暦2000年の世界で死ぬ事はなくなった。
しかしそれはあくまで西暦2000年での事だった。
これより帰還後の西暦3000年の世界で…
最終決戦に臨むタイムレンジャーたちを止めようとした際に、
リュウヤは誤って銃弾に撃たれて死亡する。
結局、リュウヤの死は直人の命を犠牲にしても改変する事はできなかった…
悠斗「どうやら終わったようだな。」
直人「そのようだな、俺には関係のない事だが…」
悠斗「なぁ…アンタ…ちょっとだけある男の話を聞いてくれないか。」
直人「ある男の話…?」
悠斗「そうだ、アンタと同じく自分の未来を知ってしまった男の話だ。」
一方、戦いを終えた悠斗と直人。
悠斗は落ち込む直人にある話を語り始めた。
悠斗「そいつはどこにでもいる普通の青年だった。」
悠斗「それがある日、未来からやってきたという自分に戦えと告げられたんだ。」
悠斗「その戦いは未来において現れる自分の大切な人を守るための戦いだった。」
直人「未来の…随分と妙な話だな。」
悠斗「そして未来からやってきた自分は戦うための力を与えてくれた。
だがその力は、
使い続けるたびに人の記憶から自分の過去を消されるという恐ろしい代償付きだった。」
直人「自分の過去を…?」
悠斗「そうさ、人の記憶から自分の過去を消されてしまう。
どんなに深い関係でも記憶を消されて一瞬で何もかもを忘れられてしまうんだ。
ある意味、死よりもよっぽど恐ろしい事だ。」
直人「なんだか他人事とは思えなくなってきたな。
教えてくれ、そんな代償付きの力でその男は一体何のために戦ったんだ?」
直人の当然の問に悠斗はこう答えた。
悠斗「それでも守りたい人がいるからさ。」
直人「守りたい人…?」
悠斗「未来のそいつは…いや…俺は自分の存在を捨ててでも守りたい人がいた。
今回あのドモンって人が子供のために戦ったように…
そしてたとえ記憶から存在を消されても未来の俺は想いだけは遺そうとした。
だから直人さん、アンタも…」
直人「くだらんな、俺には自分の存在を捨ててでも守りたいなんてヤツはいない。」
悠斗「…」
直人「だが、いつの日か俺にもそんなヤツが現れるのかもしれないな。
そのためにもこの力、気に入らないがまだ使わせてもらうとするか。」
一度は投げ捨てたブイコマンダーを再び腕に装着しながら直人は去った。
自らの死を宣告されて一度は絶望に陥った直人。
だが悠斗の話を聞いて、もう一度希望を見出そうとしていた。
ドルネロ「タイムレンジャー、どうやら戦いは終わったようだな。」
竜也「ゲッ!ドルネロ!?」
良太郎「そんな…戦いはまだ終わってなかったの?」
リラ「ドルネロ!こいつらはさっきの戦いで弱っているよ!やるなら今だよ!」
ドルネロ「…」
一方、竜也たちの下に現れたドルネロ。
ドルネロの脳裏には未来の世界からやってきたリラの言葉が過ぎっていた。
『この時代の私を殺して非情になれ!』
今、リラは確かに油断している。
この状態でリラを始末する事など造作もない事であった。
ドルネロ「リラ、やっぱりお前は俺のお袋に似ているな。」
リラ「ハァ?何言ってんの!?あの未来ってガキはどうすんのよ!!」
ドルネロ「未来か、こいつは…
どうやら俺の見込み違いだったようだな。こいつはまだ何も失っちゃいねえよ。」
未来「僕が何も失っていない…?」
ドルネロ「じゃあな未来。母ちゃん大切にしろよ!」
父親のドモンと気絶している母親のホナミに囲まれている未来を見つめるドルネロ。
それはかつて自分が得られなかった家族団らんの光景があった。
こうしてドルネロは最後までリラに手を下す事はなかった。
そして未来からやってきたリラが告げた通り、
この後、ドルネロはギエンによって殺される事になる。
だがその死に顔は何故か穏やかなモノであった。
竜也「これで全部終わったんだな。」
アヤセ「そうだな、ドモンと未来は無事に親子としてわかりあえた。」
シオン「僕…感動しました!」
ユウリ「コラ…シオン…泣かないの!グスッ!」
良太郎「よかった。本当によかった。」
誰もがこの親子の対面に涙する。
だが、無情にも別れは訪れようとしていた。
オーナー「さて、まだ問題がひとつだけ残っています。」
タック「未来くんに宿る因果だ。これがある限り彼はまた狙われるだろう。」
ドモン「そんなのは父親の俺が守ってやりゃいいんだよ!」
タック「それはダメだ。
これ以上キミが未来くんに関われば、
時間保護局に未来くんの存在がバレて今度こそ本当に圧縮冷凍されるぞ!」
良太郎「それじゃあどうしたら…?」
オーナー「ひとつだけ方法があります。可哀想ですが仕方ありませんねぇ…」
竜也「可哀想ってどういう事だよ…?」
それから暫くの親子の邂逅の後、オーナーは未来にある事を施した。
だがそれは…
「…ラ…イ…」
「ミ…ラ…」
ホナミ「未来!起きて!」
未来「あれ…?お母さん…?」
ホナミ「よかった、気がついたわね。
お母さんもさっき起きたばかりなのよ!
それにしても…私たちはどうして道端で寝てたのかしら?」
未来「それは………」
未来「え~と…どうしてだっけ?何か大事な事があったはずなのに全然思い出せない…」
気が付けば未来は現代に戻っていた。
だが、未来はデンライナーで過去に行った出来事を全て忘れていた。
そんな未来を遠くから見つめる良太郎と悠斗たちの姿があった。
良太郎「未来くん、何も覚えていないんだね。」
悠斗「あぁ、オーナーの計らいであの子に宿してある因果は取り除かれた。
だがそれと引き換えに今回起きた出来事は全て記憶から消されてしまったんだ。」
モモタロス(ケッ、すっきりしねえなぁ…)
ウラタロス(これで一応未来くんは因果を失って平穏な生活を取り戻したけど…)
キンタロス(父親のドモンとの思い出も無くしてもうた…)
リュウタロス(記憶を消されたら今回の事が全部無駄じゃんか!)
良太郎「未来くん…お父さんとの思い出を消されて…本当にこれでよかったのかな…」
良太郎たちの言う通り、オーナーは未来に宿った因果を打ち消した。
だがそれは未来の記憶から今回の出来事を全て消し去ってしまった。
もう二度と会えないであろう父親との記憶を消された未来。
そんな未来を見て、良太郎は果たしてこれでよかったのだろうかという疑問を抱いていた。
竜也「みんな、今回はありがとうな。」
良太郎「あなたは…この時代の竜也さん!」
悠斗「アンタは今回起きた事を最初から全部知っていたんだな。」
モモタロス(おい!答えろ竜也!
最初から全部知ってたのなら何で未来を過去に行かせたんだ!?)
キンタロス(そうや!未来の記憶は全部消されてもうた!無駄になってしまったやんけ!)
竜也「確かに、俺はこうなる事を全部知っていた。
けどそれは無駄なんかじゃない。これは俺たちの過去において必要な出来事だったんだ。」
良太郎「必要な出来事…?」
そして竜也は語り始めた。
それは良太郎たちが2000年12月25日の時間を去った後の出来事についてであった。
竜也「あの後、年が明けた直後にギエンが更なる暴走を始めた。
Gゾードを上回る破壊兵器、ネオ・クライシスを開発して破壊の限りを尽くした。」
良太郎「そんな事が…」
竜也「そんな最中、ドルネロがギエンに撃たれた。」
モモタロス(あの悪党が死んだのかよ!)
竜也「ドルネロは後一歩のところまでギエンを追い詰めていた。
だが、返り討ちにされて死んじまった。
俺たちはドルネロからギエンを討つ事を託された。」
キンタロス(どこか憎めんヤツだったんやけどなぁ…)
竜也「それにもう一人、俺は大事な人を失った。」
それから竜也はある人物の死を告げた。
それは…
竜也「滝沢直人、俺の親友もこの戦いで命を落とした。」
悠斗「やっぱり…死んじまったのか…」
竜也「だが直人は死に際で俺にあるモノを託してくれた。それがこれさ。」
悠斗「それは…ブイコマンダー?」
竜也「俺は直人の死に際にブイコマンダーを託された。
今までのプライドの高い直人ならこんな事はありえなかったろうな。
きっとキミが過去の世界で直人に何か言ってくれたからなんだろ?」
悠斗「滝沢直人…」
竜也「直人からブイコマンダーを託されたおかげで、
俺たちタイムレンジャーはネオ・クライシスを破壊してギエンを倒す事に成功した。
それは今回の出来事がなければ成功しなかったはずだ。」
モモタロス(あん?どうして今回の事が結びつくんだよ?)
今回の出来事がなければギエンを討つ事は出来なかったと語る竜也。
それは一体何故なのか…?
良太郎「そうか、もしもドルネロがギエンを討っていたら…
ドルネロにとってギエンは掛け替えのない仲間だった。
そんなギエンを討ったら今度はドルネロがさらなる悪の道へ堕ちていたのかもしれない。」
悠斗「それに滝沢直人もだ。
今回の出来事がなければブイコマンダーをアンタに託したりはしなかったろうな。」
竜也「そうだ、彼らの犠牲は大きかった。
だがそのおかげでこうして俺たちの『今日』がある。
これも全ては彼らが託してくれた『昨日』があったからこそなんだ。」
良太郎「彼らの『昨日』があったから僕たちの『今日』がある。」
竜也「俺たちは彼らから想いを託された。それは未来も同じはずさ。」
かつて直人から託されたブイコマンダーを見てそう呟く竜也。
そして未来もまた想いを託されていた。
ホナミ「ねぇ、未来。
さっき竜也さんから聞いたけど今日の宿題は家族についての感想文なのよね?」
未来「うん…けど…」
ホナミ「あのね、あなたのお父さんについてなんだけど…」
未来「あれ?ポケットに何か入っている?何だろ?」
ホナミが父親について語ろうとした時であった。
未来のポケットにあるモノが入っていた。
気になった未来が取り出してみるとなんとそれは…
未来「これ、写真だ!ポケットに写真が入ってる!?」
ホナミ「しかもこの写真に写ってるの…若い頃の私と…ドモンさん…それに未来まで!?」
未来「ドモンって…確か竜也さんの言っていた僕のお父さんの事だよね!」
ホナミ「でもどうして…こんな写真撮った覚えがないのに?」
それはドモン、未来、ホナミの三人の親子が写っている写真であった。
実は過去から帰る際にドモンが、
未来と気絶していたホナミと一緒に写真を撮ってそれを密かに託していた。
未来「この人が僕のお父さんなんだ…」
ホナミ「未来、それで感想文の事なんだけど…」
未来「うん、僕決めたよ!お父さんの事を書く!」
ホナミ「え…?でも…」
未来「お父さんは僕の事を未来の世界でずっと待ってくれているんだ!」
未来「だから僕も進むんだ!
お父さんが守った『昨日』から今度はお父さんのいる『明日』へ!!」
オーナーによってドモンとの記憶を消された未来。
だがその想いは確かに未来へ伝わっていた。
良太郎「未来くん、覚えていないはずなのに…」
竜也「きっと記憶は消されても想いはちゃんと未来の心に遺ったからさ。」
悠斗「想い…?」
竜也「俺たちタイムレンジャーが過去にギエンを倒した時も、
ドルネロや直人の多いが受け継がれたから勝てた。
それと同じさ、ドモンもあの短い出会いの中で確かに未来へその想いを託したんだ。」
良太郎「そしてその想いはこれから未来くんが作る明日へと受け継がれていくんですね。」
未来とホナミの母と子を見届ける良太郎と竜也たち。
こうして森山未来少年の過去の旅は終わった。
未来は二度と父親であるドモンに会う事はないだろう。
だがその想いは確かに受け継がれた。
そして未来はドモンのいる明日へ向かって歩き出した…
【エピローグ】
<西暦3011年>
~時間保護局~
ドモン「なぁ!見ろよこれ!
ゴーカイジャーから送られてきた未来とホナミちゃんの写真なんだけどさぁ!
未来…父親の俺に似てきたと思わねえか♪」
ユウリ「もう、今日だけで10回以上も自慢…いい加減にしてほしいわ…」
アヤセ「そう言うな、ドモンも嬉しくてしょうがないんだろ。」
シオン「そうですね、僕たちは安易に過去に行けるわけじゃありませんから。」
ドモンが未来との永遠の別れを迎えてから1011年の時が経った。
この日、海賊戦隊ゴーカイジャーの伊狩鎧から、
偶然にも遭遇した2010年の未来とホナミの写真が送られてきた。
その嬉しさのあまり仲間に自慢するドモンの姿があった。
タック「みんな、その辺にしてくれよ。もうじきお客さんが来るからな。」
シオン「タック、お客さんって何の事ですか?」
ユウリ「そういえば今日は小学校の職場見学があったはずよね。」
ドモン「まったく、今は31世紀だぜ!何で未だに20世紀みたいな事をやってんだよ!?」
アヤセ「文句言うな。これも上からの命令だ。」
それから室内に一斉に子供たちがやってきた。
ユウリたちが小学生の相手をしている時、一人の少年がドモンに近づいてきた。
そしてドモンを見るなりこう尋ねた。
?「あの、時間保護局のドモンさんですよね?」
ドモン「あぁ、そうだけど…」
?「突然だけど見てほしいモノがあるんです。」
ドモン「見てほしいモノって…随分と古い写真だな…うん?これは!?」
その少年が見せた写真は…
かつて西暦2000年12月25日に撮ったドモン、未来、ホナミの三人の親子の写真だった。
驚きのあまり少年を問い詰めようとするドモン。
だがよく見るとその少年はドモンが知るあの子供とどことなく顔が似ていた事に気づいた。
そして少年は自分の名をドモンに教えた。
ミライ「僕はミライ。ミライ・モリヤマといいます。」
ドモン「ミライ・モリヤマ…まさか…?」
ミライ「1000年くらい前の僕のご先祖さまからの遺言だったんです。
1000年後にこの写真を持って時間保護局にいるドモンという人に会いに行けって…」
ドモン「それじゃあ…お前は未来の子孫…?」
ミライ「それとご先祖さまはもうひとつあなたに伝言があります。」
ミライ「お父さん、ちゃんと明日へ時を繋げたよ…だそうです。」
ドモン「そうか、未来は俺たちのための昨日を作ってくれたんだな。」
ドモン「未来…ホナミちゃん…ありがとう…」
そう、未来はドモンのいるこの時代へ時を繋げた。
ドモンと未来の親子の絆は…1000年の時を越えて再び強く結ばれた。
仮面ライダー電王vs未来戦隊タイムレンジャー 【完】
これにて終わりです
書き溜めてた分をドバッとageたので読みにくいのは勘弁してください
タイムレンジャーはハードな物語だったので意外とssの設定が作りやすかったです
乙!
直人と侑斗の対話が良い味出してる!!
乙です
おつ
アヤセ生きてたんやね…
よかった
最後まで侑斗の字間違えててわろた
いつ直るか気になりすぎて感動半減だったが面白かったぞ
乙
リラとドルネロはうるっとするしどこか納得できるなぁ
でも侑斗と直人まではよかったけど今回の出来事がなかったらってのはちょっとモニョる・・・
それでも肝心な未来君とドモンの話は本編も終わり方もよくて面白かったww
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