そら「レイラさんと すごい 一緒」 (36)
カレイドスター
そら レイラ 百合
ほのぼのだったりエロだったりパロったり
飽きたら終わります
ステージ1
そら「え、私の日常生活を取材したい?」
ケン「そうなんだよ。スポーツの特番に載せたいって」
ロゼッタ「すごーい、そら!」
そら「ええっと、でもいたって平凡な生活を送ってて……そんな特番とか」
メイ「何言ってるのよ? 有名人がそんな一般人と同じ生活でいいと思ってんの?」
そら「有名人って……」
メイ「さっそく家具から新調し直して、ああ、あんたの私服ダサいから買い換えとかないとね」
そら「ひどいっ」
ロゼッタ「でも、そらもそうだけど……私たちの一日ってほとんど練習ばかりだよね」
ケン「そう、だから今回は休暇の日に誰とどんな風に過ごすかのかってことで」
そら「ことで?」
ケン「一日、レイラさんと過ごしてもらうように頼まれまして……」
そら「へー、レイラさんと」
メイ「な……」
そら「え?! レイラさんと!?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433693005
ケン「レイラさんがずっとカメラを回してくれることになりました」
メイ「何かの間違いじゃないの!? ケン!?」
ケン「やめて! シャツの襟をしめないで!」
ロゼッタ「メ、メイ! ケンが死んじゃう!」
そら「でも、よくレイラさんの許可が取れたね」
ケン「最初は渋い顔してたけどね、今は仕事と割り切ってくれてるよ」
そら「そっかあ。レイラさんが大丈夫って言うなら、私も引き受けるよ」
ケン「良かった! ありがとう、そら」
メイ「良くないわよ! つまり、公認デートってことでしょ! ざけんじゃないわよ!」
ロゼッタ「メイ、ちょっと黙ってて……」
メイ「ロゼッタ、どこに連れてくのよ。離しなさいよ。ちょ、ま、が」
バタン―
ケン・そら「……」
ケン「じゃ、さっそくこの後打ち合わせがあるから」
そら「うん」
―――
――
―
ホール
ガチャ―
そら「失礼しマース」
ケン「失礼します」
レイラ「待ちくたびれたわよ、二人共」
ケン「す、すいません」
そら「あれ、他のスタッフは?」
レイラ「帰ったわ」
ケン「打ち合わせは?」
レイラ「済んだわ。そら」
そら「はい!」
レイラ「やることは極めて単純よ。今日の深夜0時から、明日の0時までの24時間、私はあなたの観客となる。それだけよ」
ケン「レ、レイラさん……」
そら「レイラさんがずっと観ててくれるんですね……な、なんだかマンツーマンで指導してもらえるみたいでお得な感じです!」
レイラ「見せてみなさい。あなたの最高の日常を」
そら「はい!はい!はい!」
ケン「いや、いつも通りの休暇を過ごしてね?」
深夜
そらの部屋
コンコン――
そら「レイラさんだ。はい、どうぞ」
レイラ「お邪魔するわ」
そら「……」
レイラ「どうしたの?」
そら「い、今さらですけど、ほ、本当にいいんですか」
レイラ「そら、今、もしカメラが回っていたらそんなこと言えるの?」
そら「い、言えないです」
レイラ「すでに、私自身がカメラ。私がカメラよ、そら。もう始まっているの、戦いの火蓋は切って落とされている」
シュン―
フール「ならば、やはりお風呂シーンはひつぶっ!?」
そら「……あんたはまたっ」
グリグリ―
レイラ「ステージの精?」
そら「はいっ……ふっつーの日常を撮るんだから、フールは変なこと言ったりしたりしないでよ」
きゅぽっ
フール「何を言うっ……はっ、瓶詰めだけはご勘弁をっ……分かったから摘むな! やめろっ!」
きゅぽっ
そら「穴は一応開けてるから安心してね」
フール「おのれ……悔しいっ、でも、なんだかこの狭さも快感に……」
そら「……だんだん、キモさに磨きが」
レイラ「さて、明日はどこへ行くのそら?」
カチっ
そら「え、もう回すんですか? あれ、いつの間に0時に……っ」
レイラ「何をうろたえているのかしら」
そら(レイラさん……ぱねえっす)
レイラ「いつもの調子でかまわないから」
そら「ひあっい……で、でも撮られていると思うと緊張しますよ」
レイラ「いいから、質問に答えなさい」
そら「レイラさんの鬼……」
レイラ「なんですって」
そら「だいたい、私ばっかり撮る必要ないですよね」
レイラ「あなたの密着取材なのよ? 何言ってるの」
そら「ちょっと、貸してください」
レイラ「あ、こら」
スチャ―
そら「私の日常には、レイラさんは欠かせませんから、同じ穴のムジナです」
レイラ「……」
そら「カメラ越しに見ても、レイラさんは綺麗ですね。お風呂上がりでなんだかセクシーです」
レイラ「明日は、どこへ行くか言って」
そら「一日ゴロゴロする……だ、ダメですよね。海、海に行きましょうか」
レイラ「いいわね」
そら「そう言えば、レイラさんてこうやって休日に誰かと遊んだりとか」
レイラ「あると思う?」
そら「そんな暇……ないですよね」
レイラ「休みの日は、あなた宛ての手紙を書いてポストに投函したら、後はトレーニングと練習に回してるわ」
そら(今、何か凄いことを聞いたような)
レイラ「なに?」
そら「いえ、いつもお手紙ありがとうございます。ためになることばかりで」
レイラ「中々会えないもの。それくらいの楽しみがなくてはね」
そら「……あの、レイラさん」
レイラ「何かしら?」
そら「私と、そのあんまり会えないのって……寂しかったりしちゃったり……しますう?」チラ
レイラ「ええ、そうね」
そら(恥ずかしげもなく言った……!)
そら「う、嬉しいです。レイラさんにそう言ってもらえて……感動して涙が出そうですっ」
レイラ「本当のことを言ったまでよ」
そら「……レ、レイラさん」
レイラ「なに?」
そら「前に、私に、レイラさんのダンゴムシになってって言いましたよね」
レイラ「ええ」
そら「私、ダンゴムシ的なお友達ポジションじゃなくて……あの、その」
レイラ「?」
そら「わ、私っ」
今日はここまで
乙
スレタイ見てまさかとは思ったがカレイドスターのSSとは珍しい
脳内再生余裕。そして唐突なダンゴムシやめい
フール「わ、私!?」
そら「……」
フール「ほら、私に構わず続けなさい。続けるんだ。続けてくれよおお!」
そら「あんたいつの間に瓶から抜け出したのよ!!」
ギュム
フール「うおお?! やめろ!! 精霊に不可能はないのだ!」
レイラ「楽しそうね」
そら「全然楽しくないです! せっかくレイラさんが久しぶりに来てくれたのに大人しくしててよね?!」
フール「そらこそ、私など無視しておけばよかろう」
そら「できるか!!」
レイラ「……」
カチッ
ジー
レイラ「……」
ギャーギャー!!
翌朝――
チュンチュン
そら「ん……ふわあ」
そら(私、いつの間に寝ちゃったんだろ……)ゴロン
レイラ「すー……」
そら(ひえええ!? レイラさん!?!)
そら「はッ……そ、そうか」
そら(昨日からレイラさんが私を密着取材してくれるんだった)
そら(それにしても、レイラさん……寝顔も美人だなあ)
レイラ「ん……」ゴロ
ギュ
そら(ひょえええ!? レイラさんに抱きつかれてる!!)
レイラ「お父様……」ボソ
そら「……レイラさん」
レイラ「どうして遊んでくれないの……私のことが嫌いなの」
そら「そ、そんなことないぞ、お父さんはレイラが大好きだ!」
レイラ「……ホントに?」
そら「もちろん!」
レイラ「……」ニコ
そら「な、なんという破壊力のあるレイラさん……恐ろしい」
コンコン
ロゼッタ『そら、入るよ』
そら「え、あ、ちょ」
ガチャッ
ロゼッタ「……」
そら「……」
レイラ「すー」
メイ「ちょっと、ロゼッタ入るならさっさと入りなさいよ」ピシッ
そら「メ、メイ」
レイラ「うん……」ゴロ
ギュ
メイ「そら……」
そら「メイ、落ち着いて聞いて。何もなかった! 何もなかったの!」
フール「おやあ、昨日はあんなに激しく(私と喧嘩)したのに、何を言っているんだい」
ロゼッタ「は、激しくした? うわああん! そら、私信じてたのに! 信じて、レイラさんとのこと許したのに! 酷いよ、そらあああ!」
そら「ろ、ロゼッタ!? 何、言っちゃてるの?! そいつの言うこと信じちゃダメだって!」
ゴキッゴキッ
メイ「分かってるわよね。ついに、レイラ・エターナル・ノンアグレッションパクトを破りやがったわね」
そら「レイラエターナル……な、なに?」
メイ「問答無用!」
ガシッ
そら「あいたたた!? 首ッ! しまってるッ?!」
ロゼッタ「私の夢は、いつまでもそらの隣にいること……でも、それが叶わないなら、いっそ……」
シュルッシュルッ
そら「ディアボロ?!」
ロゼッタ「いっそ……」
そら「ちがうッ! ディアボロの使い方おかしい! 首に巻き付けてこないで!?」
レイラ「ん……騒がしいわね」パチ
そら「レイラさん!」
レイラ「何……」
ロゼッタ・メイ「「あ」」ピタッ
そら「た、助けてくださいッ……この二人が、私たちが夕べなんやかんやをしたと勘違いして……レイラさんからも誤解を解いてください!」
レイラ「はあ?」
ロゼッタ「レイラさん……あの」
メイ「何もなかったんですよね?」
レイラ「……」
そら「……レイラさん?」
レイラ「そらがそれでいいなら、私は構わないわ。でもね、そら、私はあなたに真のダンゴムシになって欲しいと思ってる。それだけは忘れないでちょうだい」
そら「意味が分かりません!」
メイ「わ、私だって……レイラさんのダンゴムシになって、つつかれたい!」
ロゼッタ「私も、そらのパートナーになって、そらにおんぶしてもらったり抱っこしてもらいたい!」
レイラ「ならば、進むことね。悔しさをばねに、壁を飛び越えていきなさい。悔しさはいつか、あなたたちの翼になる」
メイ・ロゼッタ「「はい!」」
そら「……つ、疲れた」クテ
―――
――
―
数時間後
海
そら「レイラさん、見て見て! こんなに青々としたワカメがありますよ!」
レイラ「そうね。とても、艶やか。けれど、そらの髪はもっとあでやかよ」
そら「えー、そうですか?」
レイラ「そら、足元」
そら「へ?」
ゴンッ
そら「ふぎゃッ!?」
ボスッ
そら「うへッ……ぺッぺッ」
レイラ「……あなたは本当にずっと見ていたくなるわね」
サクサクッ
レイラ「髪に、ヒトデが刺さっているわよ。ドジね」
スッ
そら「あ……」ドキッ
レイラ「危なっかしいし、何より飽きない」
そら「照れます……」
レイラ「褒めてはいないわ」
そら「あう」
レイラ「ほら、手を貸すわ」
そら「ありがとうございます」
ギュッ
レイラ「……」
カチッ
そら「あれ、今カメラの電源切りました?」
レイラ「ええ」
ゴトッ
そら「あれ、カメラ下に置いてどうしたんです?」
レイラ「少し、踊らない?」
そら「え、砂浜でですか?」
レイラ「ええ。ほら、裸足になって」
ヌギヌギ
そら「ちょ、ちょっとレイラさん」
レイラ「観客を楽しませなさい」
そら「レイラさんしかいませんよお?」
レイラ「言ったでしょ。私が観客だと」
そら(時々…‥わがまま言うんだよね。レイラさん)
ここまで
そら「でも、こんなレイラさんを見れるのも……私だけかな」ボソ
レイラ「何か言った?」
そら「いーえ」
ザクザクッ
レイラ「さ、行くわよ」
グイッ
そら「レイラさん、そんなに引っ張ったら……おっとお?!」
ドシャアッ
レイラ「何やってるのよ」
そら「ぺっぺ!」
レイラ「体幹が固定できてないわね、そら」
そら「レイラさんが馬鹿力過ぎると思うんです」
レイラ「そらが細いだけでしょ、ほら立って」
スッ
そら「ありがとうございます」
ギュッ
コロコロ――トン
そら「ん? あ」
少女「ごめんなさい、ボール取ってもらえますか?」
そら「どうぞ」
ヒョイッ
少女「ありがとうお姉ちゃん!」
タタタッ
そら「いーえ」
レイラ「いつの間にか家族連れが増えたわね」
そら「ほんとだ。朝は貸し切りみたいだったのに」
レイラ「そらは、家族が欲しいと思ったことある?」
そら「家族ですか?」
レイラ「ええ。あなたが誰かと築く家族」
そら「……まだ分からないです」
レイラ「そう」
そら「レイラさんは?」
レイラ「私は――そうね、背中を預けられるパートナーを欲してる」
そら「それって……もしかして、もしかしなくても、わ、私? ……な、なんちゃって」
レイラ「そうよ、そら」
そら「レイラさん……ッ」
レイラ「そら……」
そら「レイラさん……ッ」
レイラ「そら……」
そら「レイラさん!」
ぐうー
そら「……お腹空きました!」
レイラ「クスクス」
そら「えへへ……」
―――
――
―
バーガーショップ
そら「あの、こんなB級グルメで良かったんですか?」
レイラ「あなたが普段行ってるお店ならかまわないから」
店員「お待たせしました」
コトッ
店員「Aセットになります」
そら「いただっきまーす!」
ガブッ
そら「んぐッ……」モシャモシャ
レイラ「口の端にケチャップ着いてるわよ」
そら「え」
ペロ
レイラ「そっちじゃなくて、反対」
そら「こっちですか?」
ペロ
レイラ「違うわ、ここ」
フキッ
そら「ありゃ……ありがとうございます」
パリンッ
そら「何の音でしょうか?」
レイラ「さあ」
別の席
メイ「……ぎぎぎッ」
ロゼッタ「ちょ、ちょっとメイ!? 今、コップ素手で割ったよね?!」
メイ「このくらい誇り高い我が民族なら容易いことよッ」
店員「お、お客様……大丈夫ですか?」
メイ「大丈夫っつってんでしょ!」
ロゼッタ「やめて! 喧嘩売らないで! もうこのお店に来れなくなっちゃうから!」
メイ「あんたはいいの!?」
ロゼッタ「な、何が?」
メイ「何って、そらがレイラさんに取られていいのかって言ってんの!」
ロゼッタ「や、やだなあ。私はそらを信じてるもん。最後は私の所に戻ってきてくれるよ」
メイ「だからあんたは子どもって言われるのよ」
ロゼッタ「子どもじゃないよ……ッ」
メイ「あーいうちんちくりんはね、年上のお姉さんに弱いのよ。あんたもそうでしょロゼッタ」
ロゼッタ「別に、私は年上とかじゃなくって、そらだったから……」
メイ「シャラップ! いい? このままだと、そらがレイラさんに既成事実つくって、ジ・エンドよ」
ロゼッタ「き? 何?」
ガタタッ
ケン「失礼だぞ、メイ! そらはそんなことしないよ!」
メイ「……」
ロゼッタ「……」
ケン「……」
メイ「いたの、ケン?」
ケン「最初からね!」
―――
――
―
そら「レイラさん、見てください! このワンちゃんすごく可愛いッ」
レイラ「あら、日本の犬?」
そら「はい。柴犬って言うんですよ」
レイラ「へえ」
そら「夜に、抱き着いてゴロゴロしたいなあ」
レイラ「……」
犬「きゃん! きゃんきゃん!」
そら「ごめんね、でももうアザラシが一匹いるんだ」
犬「きゃん!きゃん!」
そら「うううッ……わんわん」
レイラ「そらに似てるわ」
そら「ええ?」
レイラ「よく吠えるところ。人懐っこい表情。じっとこちらを見つめる目」
そら「うむむ?」ジッ
犬「くうん」
レイラ「そっくりね」
そら「そうかなあ?」
レイラ「こういう犬なら私も飼ってみたいわ」
そら「レイラさん、てっきり動物嫌いなのかと思ってました」
レイラ「なぜ?」
そら「なんとなあーく……」
レイラ「そう、でもまあ、ペットは一匹で十分よ」
そら「そうですよね……」
レイラ「そら一人でね」
そら「……うんうん、私一人でって、ペットって私のことですか?!」
レイラ「時々、そんな気持ちを抱くこともあるわ」
そら「レイラさん、ひどい!」
レイラ「あら、ほらこうやって……頭を撫でると」
ナデナデ
そら「はうんッ……」
レイラ「大人しくなる所とか」
そら「はッ……身体が勝手に反応してしまってる」
レイラ「普段はぐいぐい引っ張っていくくせにね」
そら「ええ? 私、レイラさんを引っ張ってなんていませんよお」
レイラ「そんなことない。あなたは私の目指す所にいるのよ」
そら「その言葉、そっくりそのまま返します」
―――
――
―
メイ「あの二人またイチャイチャし始めたわよ! ケン!」
ケン「な、なんだい」
メイ「ちょっと、あの二人の間を通って『あら、ごめんあそばせッ』とか言ってきて!」
ケン「無理だよ!」
メイ「なにい!? あんたがやらないなら、私がやるわよ! 行くわよロゼッタ!」
ロゼッタ「ええ!? 私も!?」
メイ「当たり前でしょ。私たち盟友でしょ!」
ロゼッタ「いつの間に!?」
―――
――
―
そら「さて、お次はどこへ行きましょうか」
レイラ「そら、行きたい場所は行き尽くした?」
そら「えっと」
タタタタッ
ドンッ
そら「きゃあッ」
フラッ
レイラ「そら!」
ギュッ
メイ「あら、ごめんあそばせッ」
ロゼッタ「……ごめんなさいごめんなさい」
タタタタッ
レイラ「……あの子たち」
そら「な、なにか今、ものすごい悪意に満ちた体当たりを……」
レイラ「大丈夫?」
そら「はい……あ」
レイラ「どうかした?」
そら「あそこ、映画の広告が……今、ホラー映画やってるみたいですね」
レイラ「……そうみたいね」
そら「いきたいです!」
レイラ「……」ビクッ
そら「です!です!」
レイラ「オーケー……任せるわ」
映画館
ガヤガヤ
そら「ちょっと混んでますね。レイラさん、はぐれないように手でも繋ぎますか」
レイラ「馬鹿にしてる?」
そら「し、してません! もう、冗談です!」
レイラ「ふふ、分かってるわよ」
そら「う、してやられた」
レイラ「飲み物くらい奢るわよ。何がいい?」
そら「本当ですか! えっと、えっと……うー」
レイラ「開演までまだ時間があるからゆっくり悩みなさい」
そら「はーい……」
レイラ「……」キョロ
そら「誰かいました?」
レイラ「いえ」
そら「……コーラのSにしよーっと。レイラさん何にするんですか?」
レイラ「そらの、一口もらってもいい?」
そら「え、だったら一番大きいサイズにします。一緒に飲みましょうよ」
レイラ「ええ」
―――
――
―
メイ「どうして、平然と、そういう流れにできるわけ?」
ケン「なんでだろうね……」
ロゼッタ「どちらも、もしかしてそんなに意識してなかったりして……」
メイ「私たちも、映画見に行くわよッ」
ケン「ぼ、僕はこういうのは苦手だから、外で待っておくよおお!?」
ガシッ
メイ「却下」
ロゼッタ「ごめんね、ケン」
ケン「い、いやだッ……しかも、精神的苦痛が多いことで有名なジャパニーズホラーでしょ!? やだあ! やだあ!」
メイ「男のくせに、そんなんだからいつまでも童貞なのよ!」
ケン「ちょ、子どもの前で何言ってるんだよ!」
ロゼッタ「ど?」
メイ「行くわよ!」
ズルズルッ
ケン「ぐええ…ッ」
ロゼッタ「あ、待ってよ! それに、私子どもじゃないって何回言わせるの!」
―――
――
―
ドオンッ
レイラ「……」ビク
そら「……今の効果音ぞくっと来ましたね」ボソボソ
レイラ「……」コクリ
そら「……?」
キャアアア――
そら「ひえ……」
レイラ「……」ビクビク
そら(出るぞ出るぞ……)
ガチャッ
そら(……扉の向こうにはいないか)
ガタガタガタ!
そら(うわ!? まさか、背後にずっといたなんて!?)
レイラ「……ッ」ガタン
ぎゅうっ
そら「レ、レイラさん、手、手がその……レイラさん?」
レイラ「……なに」
そら「あの、もしかして、こういうの苦手なんじゃ」
レイラ「そんなことないわ」
ゴオオ――キャアア!
レイラ「……っ」ビクビク
そら「……や、やっぱり」
レイラ「違うって言ってるでしょ」
そら「手、震えてますよ?」
レイラ「寒いのよ。空調が低すぎて」
そら「パートナーなんだから、隠し事はなしにしようって言いましたよね?」
レイラ「ええ」
そら「手、放しますね」
ぱっ
レイラ「……」
そら「……」じっ
レイラ「……」くるっ
そら「ほら、やっぱりこわ」
ガバっ
そら「ふえ?」
ぎゅうっ
レイラ「……っ」ブルブル
そら「レ、レイラさん……く、苦しい」
レイラ「怖いわよ……悪い?」
そら「……悪くなんて。むしろ、親近感と言うか、好感度が上がりましたよ」
ぽんぽんっ
そら「大丈夫ですよ……」
ぽふぽふっ
レイラ「もうしばらく、こうしておいていいかしら……」
そら「はい……」
そら(レイラさんに頼られることなんて滅多にないから、ちょっぴり嬉しかったり、たり、たり)ニヤニヤ
イヤアアア―
レイラ「……」ビク
―――
――
―
メイ「……っ」ブルブル
ケン「あわわっ」
メイ「うっさい!」
ロゼッタ「メイ……怖くないの?」
メイ「こんなの子ども騙しでしょーが、たく」
ロゼッタ「強いなあ。だってさ、ケン。気をしっかり持って」
ケン「あ、ああ……」
ここまで
映画終了後――
広場
そら「レイラさん、大丈夫ですか?」
レイラ「……ええ」
そら「しばらく、ここのベンチで休憩しましょう」
レイラ「そうさせてもらうわ……」
そら(あ~……しまったなあ。レイラさんに楽しんで欲しかったのに……私のばかばかばか)
レイラ「そら……」
そら「は、はい」
レイラ「デートじゃあるまいし、気に病む必要などないわ」
そら「ば、ばれてる」
レイラ「分かりやすいんだから」
そら「あの、でも私なんかと一緒で楽しめましたか?」
レイラ「……」ジッ
そら「……」ドキ
レイラ「……」
そら(な、何か言ってくださいレイラさん……)
レイラ「あなた以外に、私をワクワクさせる人間はいないのよ……そら」ニコ
そら「……あ」カア
そら(ビデオ回ってるのに、レイラさんてば……でも、かっこいいなあ)
そら「私も……レイラさんにドキドキさせられます……」
レイラ「他の誰よりも?」
そら「……他の誰よりも」
レイラ「世界中の誰よりも?」
そら「世界中の誰よりも……です」
そら(レイラさんって、こう、弱ってると庇護欲をそそると言うか……抱き締めてあげたくなるというか……抱き締めたいと言うか)
レイラ「ありがとう……」ニコ
そら(そんな安心し切った顔されたら、私、私……)
そら(理性がぷっつり切れちゃいそうです……)
レイラ「そら、鼻息が荒いけど大丈夫?」
そら「はいッ」フー
レイラ「……陽がだいぶ沈んできたわね」
そら「そうですね……」
そら(……明日から、またレイラさんと離ればなれ。文通のやり取りが始まるのか……)
そら「今日はありがとうございます」
レイラ「これでおしまい?」
そら「……え?」
レイラ「この後は?」
そら「特に予定はないです」
レイラ「そう」
そら(期待、されてる? もしかして……レイラさん、私と同じことを)
レイラ「それでいいの?」
そら「よ、良くないです……」
レイラ「どうしたいのか言いなさい」
そら「わ、私と……」
ブツン――
―――
――
―
そらの部屋
フール「やっと帰って来たか」
そら「ただいま、フール」
カチ
そら「あ、ついたついた。レイラさん、カメラバッテリーが切れただけだったみたいです」
レイラ「良かったわ」
そら「それと……あの、腰大丈夫ですか?」
レイラ「そんなにやわな身体ではないわ」
フール「お前たち、一体ナニを」
ゴンゴン!
ガチャ―バン!
フール「ぐえ!?」
メイ「突然消えたと思ったら、いつの間に部屋に帰ってたのよ?」
そら「さっきだよ?」
ロゼッタ「そら、キレイなまんまだよね?」
そら「うん?」
ケン「ロゼッタ、君はなんてことを聞いてるんだ!?」
そら「あのね、みんな……」
レイラ「食われたのは私の方よ?」
メイ・ロゼッタ・ケン「「「うえええ!?」」」
メイ「そら……許すまじ……」
ロゼッタ「……ち、ちなみに何を食べたの?」
ケン「子どもは知らなくていいからね」
そら「……レイラさん、可愛かった」
レイラ「止めてったら」
そら「レイラさん……」
レイラ「そら……」
メイ「ケン……」
ケン「なんだい……」
メイ「覚えてなさい」
ケン「ボク!?」
ステージ1 終
とりあえず思い付きでここまで。
やっぱりこの二人は、競い合ったり高めあったりしている時が
一番百合百合してますね。お付き合い感謝です。
このSSまとめへのコメント
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