深海提督「憎悪の果て」 (32)

鬱要素・場合によってはグロ要素があるかもしれないので閲覧注意。
あとたまに安価を使うかもしれません。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430715060

秘書艦は?>>5


とある海域にて、今まさに二つの命が失われようとしていた。

「ごめん、なさい、司令官……先に、逝きます、ね……」

そうつぶやく少女の有り様は見るに堪えないものだった。
雷撃を受けたことで体に重度の火傷を負い、膝から先は消失していた。
少女の死は、刻一刻と近づいてきている。

「……」

少女のそばには、一人の男。
少女が身を挺して彼を庇ったことで、雷撃による損傷は少ない。
しかし、それ以前に腹部に受けた砲撃により、彼も死期を待つばかり。
司令官と呼ばれた男は、虚ろな目で空を見上げていた。


やがて、少女は息を引き取った。

「……ごめんな」

男は、そばにいる少女の亡骸にそれだけ言い放つ。
それは、何に対する謝罪だったのだろうか。

「……くそっ」

死期を間近に控え、虚ろな男の目に感情が宿る。
それは憎しみ。それは怒り。それは後悔。それは絶望。
あらゆる負の感情が、男の内側で渦巻いていた。

「くそっ、くそっ、くそおおおおおっ!!」

獣のごとき咆哮があがる。
この世の理不尽を呪うかのような怨嗟の声が響き渡る。

「許さん許さん許さん許さん許さん……絶対に許さんぞ!!」


「なんだァ……おもしれえやつがいるナ」

怨嗟の声に導かれたのであろうか。
少女が、無邪気な笑顔をフードから覗かせ、男のもとにやってきた。

大きく胸をはだけたレインコート状の服から見える白い素肌。
少女の体躯とほとんど変わらない大きさの尻尾。
少女はまさしく異形だった。

「……深海棲艦か」

「ああ、そうだヨ」

男の問いかけに対して、少女はフランクに答える。

「何しに来た?」

「ウーン……別になにかしにきたわけじゃねえけド」

「はっ、深海棲艦にも暇なやつがいたもんだ」

「死にかけのくせに減らず口を叩くかヨ……大物だナ」

少女は楽しそうにけらけらと笑っていた。
深海棲艦を前に男が平然としていられるのは、もう死期が間近ゆえか。


「ところであんたサ」

「なんだ?」

不意に少女は笑うのをやめ、男の顔を覗き込む。

「何がそんなに憎いんダ?」

「……」

男は何も言わない。
ただその目に負の感情を湛え、少女を睨むだけだった。

「……やっぱりおもしれえやろうだナ」

少女が再びけらけらと笑う。

「何がそんなに可笑しいんだか」

男は不快感を隠そうともせず、吐き捨てるように言い放つ。

「さっきのあんたの叫び聞いてたヨ。どれだけの憎しみがあれば、あんな叫びができるんだろうねェ?」

「……そうだな。殺したいほど憎いやつがいればできると思うぞ」

淡々とした口調で放たれた言葉。
内容はひどく剣呑なものだったが。

>>2
何だこいつ


「殺したい奴がいるんだネ?」

「ああ」

「だけどもうあんたは死んじゃうから、それは叶わぬ願いだねェ」

「……それでも殺す」

「無茶苦茶言うなァ」

男の支離滅裂な返答を受けて、少女は笑みを深める。

「あーあ、あんたが死ぬのはなんかもったいねえナ」

「でも、まあ、しかたねえカ。じゃあオレはもう行くゼ」

少女は男に背を向け、その場を去る。



間もなくその場にある亡骸は二つになった。


それから、どれくらいの時間が過ぎたのだろうか。

どこかに流されたのか、はたまた魚たちの餌にでもなったのか。
その場にあったはずの二つの亡骸はどこにもなかった。

とりあえずここまでが導入です。
スレを立てた後に、修正しなきゃ後でまずいことになりそうな部分があることに気づいて投稿が遅れました。

乙&期待
深海側に回るとするなら上層部が腐ってるとかなのかな?

深海スレ期待
頑張って

続き期待


見渡す限り、真っ白な空間に俺はいた。

「……ここは?」

その問いに答える者はいなかったが、思わずつぶやいていた。

こうなっては自分の記憶のみが頼りだ。
俺はさっそく自分の記憶を辿ってみる。

「あれっ?」

つい間の抜けた声が出てしまう。
おかしい。思い出せない。
事ここに至って、俺は重大なことに気づく。

「そもそも……俺は誰なんだ?」

何をしていたかどころか、自分が何者であるかすら思い出せない。
どうやら記憶喪失になってしまったらしい。

「くそっ、わけわかんねえよ」

思わず悪態が口をついて出る。
こんな状況に置かれて、平静を保てる者はなかなかいないだろう。

じっとしていてもしかたがないので、俺はとりあえず移動してみることにした。


それからしばらく歩いた後、俺はいったん足を止めた。

「……本当にどこなんだここは?」

歩いても歩いても見渡す限り混じりっ気のない白が広がるばかり。
変わり映えのしない景色にもう飽き飽きしていた。

何気なしに後ろを振り返る。

「……!?」

そこにはいつの間にか真紅の瞳をした少女が立っていて、俺は驚きを禁じ得なかった。

少女の出で立ちは濃紺のセーラー服に赤いリボンタイ、ピンクのツインテールに白い帽子といったものだ。
それだけなら、普通の可愛らしい少女で済ませることもできよう。
しかし、彼女の不気味に黒く変色した足は普通とはかけ離れたものであった。

「君は……いったい」

「……司令官」

彼女に司令官と呼ばれた瞬間、ズキンッ、と鈍い痛みが頭に走る。

俺はこの子を……

1 知っている
2 知らない

直下

スマン誤爆したこのレスは無しで頼む

なら1で

1

出来れば下の1で頼みます
全く違うスレに書き込もうとしてたやつで内容を見て安価取ったわけじゃないんで

では1の方で書いてきますね。

わるさめちゃん!

闇那珂野ちゃんもいるかな


俺はこの子を知っている。

俺はこの子の名前を知っている。

「はる――」

俺が彼女の名前を呼ぼうとしたそのとき。
黒い影が彼女を覆い隠した。

「な、なんだこの影は!?」

俺はすぐさま影に近寄り、そこにいるであろう彼女へと手を伸ばす。
しかし、俺の手が届く前に、影は消え去った。

そこにはもう彼女の姿はなくて。

「くっ……!」

伸ばした手は行き先を失い、俺は勢いそのままに地へと伏すこととなる。

再び混じりっ気のない白に染まった世界で俺にできることといえば。

「はるさめえええええっ!!」

今はもういない彼女の名前を叫ぶことくらいだった。

なんでや春雨ルートじゃないんかい

ありゃ?二が春雨orわるさめ生存ルートだったのか?
やっちまったぜ

限りなく短いのですが、更新はとりあえずここまでです。
壮大な設定を考えるまではいいのですが、いちいち細かい設定の齟齬が発覚して、なかなか書き進められずにいます。
次の投下もいつになるかはわからず、お待たせしてしまうことになると思います。本当に申し訳ございません。


待ってる

ストーリー決まってるなら無理に安価取る必要ないよ
荒れるしね

お前は安価スレの魅力をまるでわかっていない

設定の矛盾が露呈してしまわないよう、投下はある程度書きだめてからにしようと思います。
エタらせる気は少なくとも今はないので、気長にお待ちいただけると嬉しいです。

おk
まつつ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom