のんのんびよりと、こあくまメレンゲのSSっぽいものです
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【事実は小説よりも奇なり】
宮内れんげ。7才です!
ペットのたぬきの名前は具っていうん。
ところでむじなとたぬきは同じ生き物なん?
「そういやさぁ、この間の隕石事件ってさ、あんたの学校じゃない?」
なっつんとキリギリス釣りして帰ってきたら、姉ねぇが電話してたのん。
たぶん相手は東京のひか姉なんなー
「へー、そうなんだー。うん、うん」
「へー、ほー」
「すごいねえ、ほんとう」
「じゃあねえー」
ピッ
「ひか姉なのん?」
「そうだよー」
「いん石って何なのん?」
「ほら。この間東京であった、隕石の墜落事件」
「おお!あのすぺーすですぺくたるなすぺくとらむなにゅーすですな!」
「そう、それ。あれさー、姉ちゃんの学校が現場だったらしいんだけど」
「おお!じ、じゃあひか姉はいん石みたのん?!すごいのん!」
「いやー、それがさー」
「本当はあれ、魔王城が爆発したんだって」
「………」
「………」
「……ひか姉、疲れてるん?」
「今度帰ってきたときは、少し優しくしてあげようか」
【姉の権威】
半ば強引に切られた携帯の画面を恨めしく睨むが、当然ながら反応は帰ってくるはずもなく。
くっそう、あれ絶対信じてないな…これじゃあ私がまるで、不思議ちゃんみたいじゃないか。
私、宮内ひかげは故郷を離れ、単身『東京』の高校に通う、ピッチピッチの1年生である。
東京だよ?東京。ここ重要。
「本当のことなのに、どうしてわかってくれないんだ」
「あはは…でも、いきなり電話で魔王とか言われたらねぇ」
苦笑いを返す久遠春風(くどう・はるか)はルームメイト。私の友達であほ毛が特徴。
少し天然だけどいい子。料理もうまいし、可愛いし、気だてもいいという器量よし。私が男ならお嫁さんにほしいくらいだ。
さらりとルーチェの世話を私に押し付けたりするあたり、意外といい性格もしてるけど。
「でものぼりに書いてあったじゃん!」
「書いてあったねぇ」
城ごと吹き飛んでもうないが。写真撮っとけばよかった。
「こんなことじゃあ、ますます姉としての権威が…」
「なんだひかげ?お前妹がいるのか」
「って、いたのか諸悪の根源」
「誰が諸悪の権現だ!」
「おしい、ちょっとちがうな」
この漫画から飛び出してきたかのような小さくてうるさい金髪ツインテール、じゃなかったポニーテールの名前はルーチェ。
魔王の娘で世界征服をたくらんでいる悪魔…らしい。魔王はどうした。
まあやっていることは、落書きとか落とし穴とか小学生の悪戯レベルのことばかりなんだけれども。
見た目同様に、中身もガキっぽい。
かろうじて背中にひっついているらしい小さな羽根(着脱可)と、下向きのとがった耳だけが彼女が人間ではないということを証明している。
「私は3姉妹の真ん中でさ、年の離れた妹が居んのよ。同じく年の離れた姉もいるけど」
「無視すんな!」
「ほら、私下宿じゃん?電話以外はほとんど顔合わせないし、最近たまに実家に帰ると、どうも態度がでかくなってるような気がするのよね」
「何事もなかったかのように話を進めるな!」
「ルーちゃん、リンゴ食べる?」
「うさぎさんがいい!」
はいはいと、ナイフでリンゴをむきだす春風。どこからどう見てもルーチェのおかんである。
剥いてもらったうさぎさんリンゴをリスのようにほおばりながら、自称悪魔っ娘は、ほどんど起伏のない胸を張った。
「ふん、なるほどな。ならば安心しろひかげ。恐れ多くも姉としての先輩である私がお姉さんとしての心構えを教えてやろ「あ、結構です」
「少しは興味持てよ!」
「ルーちゃん、食べながらしゃべっちゃ駄目だよ?」
「いや、だってさぁ…」
「だっても、さっても、あさってもない!」
「あ、ピコじゃん。ルーチェに何か用?」
その名を口にした途端「ぴゃん!」という奇妙な悲鳴とともに顔がライトブルーに染まるルーチェ。ガ●ラス人かお前は。
ルーチェは壊れたロボットのようにぎごちない動きで、必死に言い訳を始める。
「いや、あのだね!実は悪魔君人形作製計画第3次工程については、その実行における計画を立てるかどうかを現在進行形で鋭意検討中で…」
ピコはルーチェの妹。舌足らずな茶髪ポニーテール少女はドのつくS。
胸のサイズこそ同レベルだが、その中身は姉など遠く及ばないほど悪魔らしい(一度世界を滅ぼしかけたし)
そんな妹を大の苦手とする彼女に、姉のなんたるかが語れるとは到底思えない。
「……嘘だよ、嘘」
「お、お、お、脅かすなよ!!」
涙ぐむルーチェ。どこに姉の威厳があるというのか。鏡持ってきてやろうか?
「あははは…」
【悪魔という名の紳士】
悪魔爺やはピコの世話役。Sのピコに振り回されている苦労人…じゃなくて悪魔。
具体的に?
生身カタパルトとか。ルーレットじゃないロシアンとか。そんな感じである(詳しくは新装版を)
見た目こそツルツルのぬいぐるみのようではあるが、反り返った2本のツノに真っ白なカイゼル鬚がダンディな悪魔である。
魔王城が爆発してからというもの、学校に住み込んでいる(?)らしいピコがちょくちょく姉をからかいにやってくるので、御付きの爺やとも自然と知り合いになったわけなんだが…
「……前から思ってたんだけどさ」
「なんでしゅか?」
現在のご主人であろうピコは、春風の入れた茶をすすりながら煎餅を齧っている。
悪魔としてそれでいいのか。
足元には妹にいじられ過ぎた結果、頭から煙を吹き出して石化しているルーチェが転がっているけど、まあどうでもいい。
悪魔としては正しくないのかもしれないが、いつものことである。
「あの爺さん、ネクタイしているよね」
「そうでしゅね。毎日変えているみたいれしゅが、まったく爺さんのくせにおしゃれしてどうするんれしょうねー」
「それがどうかしましゅたか?」と、こてんと首をかしげるピコ。
やっべぇ、中身アレだけど可愛いぞこいつ。
「服は?」
「ふぇ?」
「だからさ…」
「あの爺さん、裸にネクタイってこと?」
………
「ピコ様?どうされたのです」
「い、いや!なんでもないれしゅ!」
「ならばどうして、距離をとられるのです?」
「な、なんれもないんれしゅ!」
「もしやお風邪でもひかれたのでは?顔が赤いですぞ?」
「な、なんれもないっていってるれしょ!らから、 こ っ ち く ん な ! 」
ガーンッ
こっちくんな、こ っ ち く ん な 、 こ っ ち く ん な ………
しばらくの間、悪魔爺やは、ピコの理不尽な命令から解放された。
しかし「何か大切なものを失った気がする」と、老いた悪魔は話していた。
「春風ー!はだかねくたいってなんだ?」
「…れんげちゃん?ちょっとお話が」
「わ、わたしじゃねーって!」
【寝てても果報は来ない】
一条蛍です。小学5年生ですけど、年相応に見られることは少ないです。
最近、東京からこちらに引越してきたばかりですが、皆さんいい人ばかりで楽しいです。
でもやっぱり
「先輩が一番かわいいなあ」
完成したばかりの50センチほどもあるこまぐるみをぎゅっと抱きしめる。ふふふ!苦労したかいがあったな♪
小鞠先輩-越谷小鞠(こしがや・こまり)先輩は中学2年生。年上だけど、とってもかわいい!
小さくて、可愛くて、キュートで、ああんもう!言葉で言い尽くせない!
でも今日は楽しかったなあ。センパイと一緒にサイクリング(ヅェスコの広告のところで引き返したけれども)
疲れたけれども、とっても楽しかった!
あーあ。夢の中でもセンパイと会えたら、もっと遊べるのになぁ~
会いたいなあ、先輩
ああ、でも きょ う は 駄目だ…眠いや ・ ・ ・
「………」
寝る前にそんなことを考えていたからなのか、夢の中で越谷先輩に会うことができました。
「…………」
卓先輩のほうだけれども。
「え、えーと、その…」
「……」
越谷卓(こしがや・すぐる)先輩は、小鞠先輩と夏海先輩のお兄さんで、たしか中学3年生。
無口だけど、何でもできる器用な人。無口だけれども。あと眼鏡。
「こ、こんに…じゃなかった。こんばんわ?」
ウン
「え、えーと、その……」
「………」
「えーえーと、ですね!」
「…………」
「その、あのですね!」
「……………」
………
チュン チュンチュン
「……朝だ」
【誰でも一度はやったことがあると思う】
というわけで!今日はとっておきの小鞠先輩の写真を用意しました!
スク水ですよ!スク水!
ふっふっふ!これを枕の下に敷けば…
センパイ!まっててください!
……
「………」
「………ええ、そんな気はしてましたよ」
うなだれる私をよそに、私服を着て佇む卓先輩は、妙に絵になっていた。
夢の中では私も何故か散歩の時の恰好をしていて、足元には飼い犬であるぺちがいる。
そしてぺちは相変わらず卓先輩に向かって唸り声をあげている。
動物に好かれているのか、嫌われているのか、やっぱりよくわからない人だ。
「……せっかくですし、散歩にでも行きましょうか」
ぺちをヘルメットのように頭の上に載せながら、卓先輩はうんと頷いた。
【東●ばなな】
宮内一穂(みやうち・かずほ)は旭日ケ丘分校の先生。担当する範囲は中学3年から小学1年と幅広い。
まあそんなことはどうでもいいが、ともかくひかげとれんげの長姉でもある。
「うっへっへっへ…ラーメン、ソーメン、チャーシューメン…」
「相変わらずわけのわからん寝言だな。どんだけ麺食べたいんだよ。ってかラーメン被ってるじゃねえか」
宮内ひかげ、帰郷
「あ、ひか姉ぇ、お土産は?」
「数か月振りに会う姉への第一声がそれか!」
「っは!うちとしたことが。失礼しました」
姿勢を正して敬礼するわが妹。
「では改めて…にゃんぱすー」
「おかえりだろ!」
「ただいまー?」
「お前が言ってどうする!」
「おみやげ…むにゃ」
「本当に寝てんのかよ!」
つ、突っ込みが追い付かねえ…
【2度あることは…】
一条蛍です。つい最近50個目のこまぐるみが完成しました。
さて、今日こそは夢の中でセンパイと遊びたいと思います。
(センパイの)写真よし、(夢の中で遊ぶつもりの)ゲームよし、(センパイからもらった)ミルクコーラ飴よし!
センパイ、まっていてくださーい!
………
ヤァ
「なんでなん?!」バンッ!
「………」
(な、なまっちゃった。私ここの出身じゃないのに)
「………すいません。大きな声出しちゃって」
ウン
「………」
「……あ、ここ私の部屋だ」
「………」
「……せっかくですし、マ○カーでもしますか?」
ウン
「………」カチャカチャチャ
「………」カチ カチャ
「………あ、バナナ」
「………」カチャカチャ
ヴィーン
「「……」」←レーシングゲームで、体が傾く
お約束である
【駄菓子屋にて】
「駄菓子屋ー」
「かえで様と呼べ」
「あのなー、駄菓子屋ー」
「無視か」
加賀山楓(かがやま・かえで)は駄菓子屋を経営している。
といってもこのあたりの中学生以下の子供は、今遊びに来たれんげを含めて5人しかいないのだが……
「昨日ひか姉ぇが帰ってきたん」
「あいつ帰ってきたのに、この楓様に挨拶もなしとは偉くなったもんだな」
「おお!じゃいあにずむ!」
「…意味わかってんのか?」
「お前のものはおれのもの、おれのものはチャマのものー」
「誰だよチャマ。どこから出てきたんだよ」
「それでなー、いまひか姉ぇは東京で悪魔と同居しているらしいのん」
………
「………あいつ、大丈夫か?」
「駄菓子屋ー、これいくらー?」
「もう少しは姉の心配してやれよ!」
それ10円だ
買うん!
まいどー
【鯉は悪食】
越谷小鞠です。中学2年です。
最近、我が家の池に新しいペットが増えました。
(すいません。池の生物は単行本ネタばれだこれ)嫌な人はスルーしてください
パカ パカ
鯉です。
1メートル以上はありそうです。私の身長よりは大きくは…ないはず。うん。
パカ パカ パカ
正直、可愛くありません。怖くは…怖くなんかない!
「ふ、ふん!所詮は魚じゃないか!」
そう、怖がることなんかない!いくらでかくても、所詮は魚…
「あ。雀」
雀が水を飲もうと池の端に…
*
鯉「かもんべいべー」
*
ほわああああああ!!!!
「………?!」
「な、何?姉ちゃんの声?!」
「ね、姉ちゃんどうした!」
「こ、こここ、こいがあああ!!!!!」
「こ、恋?!姉ちゃん恋したのか?相手は誰?!笹中の爺ちゃんか!」
「す、す、すずめえええええ!!!!」
「すずめ!すずめっていうんだね相手は!」
「………」ッメ!
鯉「へっへっへ、おどかしてわるかったな」
この後お母さんが来てめちゃめちゃ怒られました。
【越谷家の日常】
「これっくらいの!おべんとばっこに♪」
「夏海、あんたどうしたの?」
「いや、そういう歌あるじゃん」
「あるけど、それがどうしたの」
「肉も魚もないって、ひどくね?!」
「ああ、なにかの漫画か何かで聞いたことある気がする」
「健康には良さそうだけど、うちは肉が食べたい!」
「まあ、わたしもさすがにあれはね。何で紅ショウガなんだろうね」
「………」スッ
「あれ、お兄ちゃんどうしたのっ…て」
「こ、これはまさか!」
「「あのお弁当だー!!」」
ドヤァ
(試食中)
「…うん。まあ普通かな」
「普通だね」
ガアーン!
【なつみちゃんはブラコン】
「……というわけでして、何故か最近夢の中で卓先輩と会うんですよね」
「へえー」
結局あれから何度挑戦してもセンパイとは夢の中で出会うことはありませんでした。
学校からの帰り道、越谷夏海(こしがや・なつみ)先輩と一緒になったので、なんとなくその話になりました。
無論、センパイととあれやこれやしたいという辺りはボカしたんですが…
「あの、夏海先輩?」
「なーにーかーなー」
「あの…どうかされましたか?」
「べっつにー」
「いや、そんなあからさまじゃあ…」
「べえっつにー、どうでもいいしー。兄ちゃんとほたるんがデートしようと、うち関係ないしー」
思わず吹き込んでしまいました。ちがうんです!デートじゃないんです!ああ!こんなこと小鞠センパイに聞かれたら…
「で、デートじゃありませんよ!」
「ふーんだ!」
「え。え!ちょ、ちょっと待ってください!誤解!誤解ですよ!誤解なんですー!」
― 越谷家 -
「夏海、あんたどうしたの。アルバムなんか引っ張り出して」
「な、なんでもないし!急にアルバム整理がしたくなっただし!」
「…何それ。散らかしてないで早く寝なさいよー」
「わかってるよー」
(なっつんの夢のなかなんなー)
夏海「………」
夏海「………」
ひかげ「………」
夏海「何でだよ!」
ひかげ「何がだよ!」
【姉、帰る】
何か知らないけど、久しぶりに会った夏海に「空気読んでくれよ!」と怒られた。
意味わからんし、あいつにだけは言われたくない。
「あれ、ひかげもう帰るの?」
「うん、学校あるし」
「…ねえ、ひかげ」
「学校、楽しい?」
「楽しいよ?なんてったって東京だし。それに友達もいるし」
「無理してない?あんたガールズトークとかについていけてる?」
「そ、それはあれだけど…」
たしかに一穂姉の言う通り、ガールズトークは私にとって苦虫のようなものだが、そんなことはどうでもいいのだ。
東京に出てきたおかげで、私は春風とルーチェに出会うことが出来た。
春風とルーチェに出会った場所だから、私は東京に、あの部屋に「帰りたい」のだ。
「…どうしたの。急に本で顔隠して」
「な、なんでもない」
我ながら恥ずかしいことを…
それに東京にはピコに、悪魔の爺さんに、メイドもいるし…
…あれ?
「私、ひょっとして人間より悪魔の知り合いの方が多い?!」
「……ひかげ、あんた大丈夫?」
おわりなんなー(終)
お付き合いいただきありがとうございました。
2期楽しみです(ちくしょう、このみちゃんと悪魔メイドだせなかったorz
間違えました
≫20
「れんげちゃん?→ひかげちゃん?」です
HTML化申請してから気がつきました。
乙
乙!
二期は一期みたいに一瞬だけ春風映ったりするのかな
ルーチェも出て欲しいなぁ
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