【キライちゃんは友達が少ない】 (9)

石風呂さんの楽曲群を自己解釈

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なくても続けます()


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ボカロです
石風呂さんは

キライちゃんというのは本名だ。
 
田所キライ。これが本名なのだ。

そしてDQNネームのおかげで友達がほとんどいなかった。

彼女にとって、その辺に溢れる男と似合わない服の話をする女がよりつかないので好都合だったかもしれない。

でもそんな腐った考え方が妙に合致する奴がいた。名前はベツニ。

同じくDQNネームのおかげで友達がいない。

考え方が同じだからやっぱりそっちのほうが彼にとって幸せらしい。

まったくふざけた野郎どもだ。

VIPになってるけどお気にせずに

彼女は本が好きなようだ。

いっつも本をじろじろとにらみつけるように見ている。

にらみつけている。

そのおかげで彼女は文化祭でやる予定の劇の中身を考えることになった。

真面目にやるのかわからないという理由で私は監視役になった。

私は真面目ではなく臆病なのだといおうとしたが、臆病なのでできるはずがなかった。

さっそく放課後残って書くことにしたらしい。

案外普通でよかった。


大体真面目にやるのかわからないなら任せないほうがいいのではとも思ったが、

彼女が監視がついていてもいいと言ったので特に言うことはしなかった。

「おもしろくないでしょ」

私は彼女に聞いた。

「やりたいようにやるつもりだから、おもしろいけど」

顔を上げずに書きながら彼女は言った。

「迷惑はかけないからね、いなせちゃん」

私の名前はいなせである。

劇の台本は、最初の一作は却下されてしまった。

よくある名作劇場みたいな劇。

否定したのはいいものの当然ろくな意見は出ず、読書好きなキライちゃんなら台本だって書けるはずという

自分勝手な意見を通らせたのにはきっとキライちゃんにも何か作戦があってのことだろう。

きっとぶちこわしな台本を考えてくれるに違いない。

「田所さん」

私は遠慮がちにいった。

キライなんて変な名前言ってほしくないだろうから。

「キライ、でいいよ」

「じゃあ、キライちゃんでいい?」

私は聞く。

「うん」

どうしたの?と聞くキライちゃんはいつもの敵を見るような顔をしていなかった。

「あのね、台本は内容が変更できないくらいぎりぎりに出したほうがいいよ」

押し付けたんだし文句は言えまい。

「・・・・・・・・・・・そうだね」

キライちゃんは呟くように言った。



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