ゲンドウ「………EOE…アレは凄まじい人気を博した。あれからエヴァ2次創作は勢いを増して数え切れないほどのサイトが出てきたものだ」
冬月「うむ。あの頃は私も生涯のうちに全ての物語を読むことは不可能だと感じていた…」
ゲンドウ「あれはまだ私が年端もいかない少年だった頃だろう。親にどう思われようが関係なく目の前の光る箱を学校から帰ると凝視していた」
ゲンドウ「あの陳腐なサイトの飾りも今ではただ古き良き時代を彷彿させる大切な思い出の一つだ」
ゲンドウ「当時ばかりは私もいつかは自分のサイトを立ち上げることを決意しながらお気に入りのページをひたすら更新していたな」
冬月「私はよくそれで視力が落ちなかったよ。……まあ、しかし、それも永遠には続かん」
ゲンドウ「ああ、時は万物平等に流れる。普遍的なものなど所詮存在しないのだ」
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ゲンドウ「2000年にかけてアニメは急速な進化を遂げた。それにともない一つ…また一つサイトの更新が無くなる…おおかた別の物に興味が移ったのだろう」
冬月「我々に残された未来は破滅しかない。まだまだ根強い人気を誇っていたこれも今ではサイトを作るなどという面倒臭いことをせず、今私たちがやっているように1つ1つの作品として独立させている」
ゲンドウ「悪いことではない。これらをまとめる物好きのいるお陰でまだまだ形としては残るのだからな」
冬月「……この物語はまだ完全に終わった訳ではない…しかしそれさえ過ぎるとあとはただ他の物語と同じように人々から忘れ去られるのをただ待つのみ」
冬月「死に至る病とは他人の記憶から忘却の彼方へ葬られることを言う。決して情報が途絶えたとしてもそれが死に直結する訳ではない」
ふむ…
ゲンドウ「我々に残された時間はもはや秒読みと言っていいだろう…十数年続いた歴史が閉じるのはすぐそこだ」
シンジ「………はっ!」
トウジ「なんやセンセ、昨日寝てないんか?」
シンジ「う、うん…ちょっと宿題が残っててさ…」
シンジ(今の夢はいったい…)
キーンコーン
アスカ「ほらシンジ!今日はハンバ…」
トウジ「よーしゃっ!やっと終わったなぁ!2人とも、今日はゲーセンで遊び尽くすでぇっ!」
シンジ(午後、HRが終わってアスカが僕に何かを言おうとしたがトウジのセリフに遮られてしまった)
シンジ「えっと…」
アスカ「はぁ!?なに言ってんの!今日はハン…私と買い物に付き合うって話でしょーがっっ」
トウジ「なあ惣流…愛っちゅーのは鎖か?たまにはシンジの好きにさしたりーや」
シンジ(やれやれといった表情でトウジ)
ケンスケ「トウジがそのセリフ言ってもまったくミリョク無いなぁ…」
トウジ「う、うっさいわ!お前はだぁーっとけ!」
アスカ「あ、愛……じゃなくて!シンジは当然私と好きで買い物に行くわよねぇー?」
シンジ(目が笑ってない…多分昨日ハンバーグを作ると言ったからその買い出しの際にどさくさに紛れてお菓子やらアイスをカゴいっぱいに詰めていく気だろう)
シンジ「ごめん2人とも!今日はちょっと用事があるんだ!」
シンジ(神にすがるように手を合わせて謝る。その必死さが伝わったのかどうやら見逃してもらえそうだ)
トウジ「ま、まあ…そこまでゆうんやったら無理に連れてきはせんけどな…」
アスカ「はぁ…スイカバー……」
シンジ「そっ、そうだ!今日はアスカとトウジとケンスケで遊びに行って来なよ」
アスカ・トウジ「「死んでも嫌(じゃ)!」」
シンジ「ご、ごめん…」
ケンスケ「平和だねえ~」
EOEって旧劇?
シンジ(家に帰るとミサトさんがバスタオル姿で出迎えた。この人は僕を人と思ってないんじゃないだろうか)
ミサト「あっ、お帰りシンちゃん!」
シンジ「せめて見られたら人並みに恥ずかしがってください…」
ミサト「えーん、だってシンジ君へたれだから襲われる心配ないしぃ~」
シンジ(身体をくねらせながら自分の部屋に戻っていくミサトさん。多分また呑んでたんだろう。カバンを置きに行くと扉越しに声をかけてきた)
ミサト『今日はアスカは?』
シンジ「今日は友達とデパートに出かけると行ってました」
シンジ(僕が断ったので)
ミサト「あらそう、てっきりシンちゃん付いていくのかと思ってたワ」
シンジ「いやぁ僕もやることがあるから…」
シンジ(そう、僕にはやることがあるのだ)
EOEか何もかもすべてが懐かしい
当時はあちこちでG線上のアリアが鳴り響いたものだ
シンジ(スタートボタンを押してヴゥンと目の前の機械に命を吹きかけた)
シンジ「えーっと…よし、ここからだな……あっ、コメントが来てる!」
シンジ(これはまだ…というか永遠に言うつもりはないアスカ達には秘密の趣味。僕はちょっとした創作活動をやっているのだ)
シンジ(創作…と言ってもやっているのは好きな物語のパロディ小説だ。それも匿名掲示板でたまに作るくらい…それでも今はすっかりゲームなんかよりこれの話を考えている方が何倍も楽しい。思いのままに好きなキャラクターを動かして自分の思い通りに話を展開させていく)
シンジ(酷評もつくことはあるけど掲示板の中で評価されるととても嬉しくなる。この快感と充実感がやめられない)
シンジ「よし…今日は意表をついて2人を付き合わせてみるか…」
カタカタカタカタ…
……………
……
ユイ「終わりと全ては同じところにある。全てはこれでいいのよ」
ゲンドウ「ユイ」
ゲンドウ「……消えるのか…私達が愛したサイト達は」
ユイ「そうね、いつかは無くなるわ」
ゲンドウ「ずっと続いていってほしかった。このことだけを考えていた…それも無駄だったのか…」
ユイ「でも、私達が消えてもそれで終わりじゃないわ」
ユイ「私達の次の世代が、私達の分まで未来を繋いでくれる」
ゲンドウ「………無理だ、所詮はただの人が作った話にすぎんよ」
ユイ「いいえ、彼らが継いでくれるわ」
ガラッ
アスカ「こんな薄暗い部屋で何してるの?」
シンジ「わっ!勝手に入ってくるなよな!」
アスカ「パソコン…?ふぅん、どうせエッチなものでも見てたんでしょ」
シンジ「みっ、見てないよ!」
アスカ「動揺してて怪しいわね!みっせなさい!」
シンジ「ちょっと…!」
グイグイッ
アスカ「………えっ、嘘でしょ…これシンジが描いてたの……?」
シンジ「へっ?」
ユイ「破滅へ向かうしかなかった行く末を彼らが希望へと導いてくれる」
ユイ「……私もエヴァとの愛の証をずっと守りたかった。時の運命とともに消えて欲しくなかった……だから私は彼らを信じるの。私達はこれからも、ずっと、生きていくわ。…だって私達の愛した物語だもの」
ゲンドウ「………!」
ユイ「思い出して。初めてこの話を見た時の気持ち。……思い出して、これから感じた愛おしさを」
ユイ「そして願って『続いて』と」
ゲンドウ「ああ……そうだな、ユイ」
アスカ「だからさぁー、なんでここで死んじゃうの?こんなのバットエンドじゃない!」
シンジ「いやでもそうしないと流れでおかしいことになるから……」
アスカ「うるさい!読者の私に逆らおうってぇのあんたは!?」
ポカッ
シンジ「い、痛いなぁもう」
シンジ(…続けよう。僕がやっていることはいつかは飽きてそのうち忘れてしまうかもしれない…でもそれまでは僕はこの話を書き続け、それを見てまた新たに書こうかなと思える人を増やしていたい。…まるで種の発展みたいだ)
すべての理には復元しようとする力がある。生きていこうとする力がある。
夢は現実の中に、現実は夢の中に…そして物語があったという真実は心の中に。
物語の未来は無限に広がっている。
エヴァ系SSサイトも潰れているが、型月系SSサイトもどんどん潰れていて俺は悲しい
終わり
多分これ起きて見返したら相当恥ずかしいかもしれない
なんにせよ二次創作物のサイトはわびさびがあっていいよな!天狗の爪とかおすすめだぜ!
ざざ~ん ざざ~ん
インフォシークの消滅でだいぶ消えたよな
寂しい限りだ
天狗の爪俺も好きだぜ!
乙
エヴァは1990年代を席巻した
それでいいじゃないか
ファンとしてはいつまでも続いてもらいたいんだよ
それが無理だとわかっていても
シンジイズゴッドと、みゃあの部屋はちょくちょく行ってたな
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