◆ひなビタ♪SSです
◆語り手は特に原作にはいないキャラです、ご了承下さい
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ど、どうも、こんにちは。
今回はお招き頂きありが……え、前置きなんてどうでもいいですって?
私もこういうの慣れていないので、すいません……。
ところで、名前は本当に匿名にしてくれるんですよね?
してくれますか。ああ、よかった。
えっと……どこから話したらいいですか?
……馴れ初めから?
それはちょっと恥ずかしいんですけど……仕方ないですね。
私が彼女……本名を言うのは恐れ多いですが、和泉一舞を知ったのは、日向美高校に入ってからですかね。
金髪の綺麗な髪に抜群のスタイルイケイケな性格、それでいて気配りが出来て優しくって……
兎に角、彼女は既に人気者でした。
私も地味で引っ込みがちな性格だったので、強く彼女に憧れまして。
彼女みたいになりたいとは思いつつ、そうはいかないんですけどね。
だから、直ぐにファンクラブが出来たんです。
名づけて「イブ様ファンクラブ」。まんまですね。
私も直ぐに参加した一人です。
えへへ、こう見えて、結構古参なんですよ?
えっ、女性のファンクラブなのに女子が参加するのはおかしくないかですって?
いえいえ、イブ様ファンクラブはそもそも女子が作ったものですし。
男子よりも女子が多いくらいですよ?
ひなビタは好き。主に期待。
で、彼女……イブ様はそのファンクラブを容認してくれました。
イブ様は目立ちたがりやな性格でもあるせいで、こういうのは嬉しかったみたいです。
それで、イブ様はとても魅力的です。
女子なのに彼女に恋愛めいた気持ちを抱いてしまった人もあるようでして。
恋愛感情をどうこう言うつもりはありませんが、イブ様ファンクラブには「イブ様を困らせてはいけない」という鉄の掟があるのです。
そのため、その気持ちを表せるのはバレンタインとか、そういう時ぐらいです。
ですが、ファンクラブをやめてまでイブ様に告白しにいった人もいない訳ではないようです。
勿論、みんな断られてすぐにファンクラブに戻ってきましたけどね。
あ、イブ様ファンクラブは割とゆる~い感じのクラブなんです。
イブ様もそれについてはとやかく言ったりしないですし。
「皆に寛容に、イブ様に敬意を!」
みたいな合言葉があったような気がしますが、どうでしょう?
あんまり覚えてないです。
それで、イブ様にはファンクラブでない人で仲の良い友達が何人かいますが、
最初にファンクラブからマークされていたのは「山形まり花」さんです。
彼女はイブ様の幼なじみであり、大親友です。
イブ様がやっているバンドでも、二人の関係について歌った曲があるくらいです。
というか、彼女のせいで私メロンパン買えてなかったんですね!
10個しかないのに…せめて自身のとイブ様の分だけにして欲しいです……。
話が逸れましたが、このマークは直ぐに外れました。
イブ様の友好関係に目を光らせるのは良くないことだ、と創始者が言い始めたためです。
私も素直に賛同し、これ以降は「特定人物を監視しない」という規則も生まれました。
まり花さんの事はいい人です。
彼女は天然ほんわかキャラで、癒しです。
でも実は案外しっかりした部分もあるらしいですよ?
イブ様ファンクラブにも隠れて彼女のファンをしている人もいるという噂もありますが定かではありません。
まぁそれはいいです。
監視しない、という規則が生まれても、私のイブ様への思考を過るのはまり花さんの事ではないのです。
それは、「春日咲子」さんのことです。
咲子さんは物腰柔らかで皆と仲良く出来る優等生です。
彼女の場合、イブ様と仲良くなったのはバンドを始めてから、と記憶しています。
別のクラスですし、学校でそう触れ合う機会は多くはない…のですが。
まぁ同じバンドで活動してるのでそっちが多いのかな?
でも、なんというか、私でも咲子さんはイブ様と物凄く仲がいい、というのが分かります。
それこそ、幼なじみであるまり花さんを上回るくらい。
こうなったのは本当にここ最近ですが。
えっと、これは私の推論ですけれども……。
結論から言うと、咲子さんとイブ様は、デキてるんじゃないでしょうか?
そ、そんな目をしないでください。
あくまで推測ですから、ね?
実際にはそうではないかもしれませんよ。
というか、女の子同士で付き合うなんて……。
……なんで悲しい目をするんですか?
私はその、本人らが幸せならそれでいいじゃないかとも思いますよ。
最近は同性同士で子供を作る技術だって発展していますし。
……嬉しそうですね。
さっきのは確かに推測ですが、根拠はあります。
まずこの写真を見て下さい。
勿論門外不出ですよ?隠れて撮ったんですから。
まり花さん、咲子さん、イブ様が一つの机で食事をしていますね。
彼女らは仲良しですから、こういうことをするのは普通と言えます。
で、まり花さんがメロンパンを食べているのに対し、イブ様はお弁当を食べています。
これはイブ様が作ったものではありません。
咲子さんが早起きして作ったものです。
確か咲子さんがそう言ってました。
それで、イブ様を見つめる咲子さんの満面の笑み。
なんというか、幸せ、って感じの表情です。
イブ様も顔を赤くしてますし。
でも満更でもない顔ですね。
そもそも早起きして手作りお弁当という時点で大分アレですよ。
まり花さんには作ってないのに。
まぁ確かにそれくらいじゃまだ友情の範囲(?)かもしれませんね。
でもまだ根拠あるんですよ。
これは朝早くにイブ様の住んでいる商店街に出向き、撮った写真です。
ん、い、いいじゃないですか、彼女らの関係を探るためですってば。
ぎゅ、と手を握り合ってますね?
イブ様はやっぱり少し気恥ずかしそうですが、咲子さんはとても嬉しそうです。
後ろにはまり花さんがいますが、なんだか上の空です。
というよりは、この二人の間に入り込めないという感じでしょうか?
あとこの二人、一緒のところから出て来ましたからね。
昨日は普通に学校だったのに。
お泊りしたのかもしれませんが…。
念の為に3日ほど連続で確認しましたが、咲子さんの家からイブ様が出てくることもあれば、
イブ様の家から咲子さんが出てくることもありました。
そんな頻繁にお泊りするなんておかしいですよ。おかしいと思いませんか?あなた。
でも何してたんでしょう。
そんな毎日話すことなんてあるかなあ。
…だ、だからストーカーとかじゃないですよ。
ただ、自身の好奇心に従ったまでのことです。
自分で言うのもなんですけど、好奇心って便利な言葉ですね。うふ。
若干うんざりした顔されてますけど、根拠はまだまだあるんですよ。
これはいつだったかの二人の会話をメモしたものです。
…なんでメモしたのかって?
推測の役に立つと思いまして。えへ。
えっと、今から読み上げますよ。
[メモ]
咲子「ねぇイブちゃん……」
一舞「な、なんだし」
咲子「ねぇ……一緒にお手洗い行きません?」
一舞「え、そ、それって……」
咲子「駄目、ですか?」
一舞「さきこ、ひ、昼休み中だよ?」
咲子「うう……」
一舞「もう……放課後なら、いいよ」
咲子「うふふ、そうですか……♪」
[メモ終わり]
以上がメモですが、どうでしょう?
え、私が聞いてどうしたのかって?
正直気にはなりましたが……行く勇気は無かったです。
なんというか、怖かったので…覗いちゃいけない世界に聞き耳を立てるみたいで……。
まぁ既に片足突っ込んでますけど。
でも盗聴器くらいは持っていれば良かったって少し……冗談です。
メモは複数ありますけど、まだ聞きます?
……まだ聞きますか。貴方も好きですねぇ。
ではこれは教室の中でのイブ様とまり花さんの会話をメモしたものですよ。
[メモ]
まり花「イブぅ、なんだか眠そうだねっ」
一舞「うん…昨日もさきこと……」
まり花「さきちゃんと?」
一舞「あ……いや、なんでもないしっ」
まり花「ふーん……イブ、首、虫に刺されてるよっ」
一舞「っ!」パシ
まり花「イブ?」
一舞「み、皆には、内緒だからね」
まり花「?」
[メモ終わり]
以上ですが…私はたまに思うのです。
まり花さんは、天然サディストでもあるのではないか、と。
貴方はどう思います?まぁ単に本当に気付いていないだけかもしれませんけど……。
で、3つ目のメモです。
これはイブ様の商店街の喫茶店に出向いてメモしたものです。
店の名前は…「シャノワール」でしたっけ?
咲子さんの家でもあるので、身を隠しながらメモしましたよ。
[メモ]
咲子「イブちゃんは、いつものミルクティーでいいですよね?」
一舞「うん、お願いするしっ」
咲子「はい、かしこまりました」
一舞「あ、あとさ」
咲子「はい?」
一舞「お店終わったらさ、あたしの家、来ない?」
咲子「え、えっと……か、必ず行きますねっ!」
一舞「うん」
[メモ終わり]
二人共顔赤くしちゃって、ほんと恋人みたいでした。
幸せって感じで、見てた私も気恥ずかしかったです。
もしデキてるという仮定が本当だとしたら、イブ様と咲子さんは飛んだバカップルではないでしょうか。
あくまで推測で、確証はありませんけど……。
えっと次のメモは……メモはもういい?そうですか。
まだいっぱいあるんだけどなぁ。
とりあえず証拠はたくさんあるので、二人はデキ上がっていてもおかしくはないです。
……え、ここまでやっておいて、確認はしてないのかですって?
うーんと、それは秘密事項なのですが……。
誰にも言いませんか?言わない?約束してくれる?
……オフレコでお願いしますよ。
実は私は二人に真意を聞いた事があります。
二人の属するバンドメンバーに聞く、という手もありますが、それは気が引けました。
大体私は「芽兎めう」さんと「霜月凛」さんとは面識がありません。
ところで凛さんはまり花さんとデキてるという噂が……これはどうでもいいですか。
突然尋ねられてお二人は戸惑った事でしょう。
しかし、言いたくないならとぼければいい事ですし。
それに私もあんまり深く追求する予定は無いのです。
まず手始めにイブ様に話を聞きました。
イブ様ファンクラブでは「イブ様と必要以上に触れ合ってはならない」という鉄の掟があるのですが……
今回は見逃して頂きたいです。
それで、その時のイブ様は多分待ち合わせでもしていたんだと思います。
一人でいましたし、辺りを見回したりもしてましたから。
きっと、咲子さんでしょうね。
私はまるでミミック入りの宝箱でも開けるかのような気分になりました。
ですが、自分の知的好奇心には勝てず、イブ様に突撃したのです。
「イブ様!」
一舞「ん、えっとあんたは……」
「イブ様ファンクラブの■■■■です」
一舞「おう…で、何か用?」
「はい、聞きたい事があるんです」
一舞「聞きたい事?」
「はいっ!」
元気よく返事をしましたが私の心臓は破裂しそうなくらい高鳴っていました。
しかし、ここを逃したらもうチャンスは無いと思いまして……。
「あの、い、イブ様って、さ、さきこさんと付き合ってるんですかっ!?」
一舞「ぶっ!?」
その時のイブ様は、豆鉄砲を食らった鳩みたいな顔をしてました。
いや、実際に鳩を見た訳ではないんですが。
一舞「は、は?何言ってるのさ……」
イブ様の顔は明らかに真っ赤でした。
言葉もどもって、明らかに動揺が隠せていません。
一舞「さ、さきこはただのバンドメンバーで、友達だよ?それ以上でもそれ以下でもないよ」
「そうですか」
一舞「だ、大体さきこは女の子だし……女同士で付き合うなんて……変、だし、っ」
そうやって答えるイブ様の表情は少し暗かったです。
いつもは決して見せないようなもので。
私はそれ以上追求しませんでした。
これ以上の追求は恐らくイブ様を苦しめる事になるでしょうから。
私は頭を下げてそこから去りました。
振り返ったりもしなかったので、誰を待っていたのかは分かりません。
仮定の通り咲子さんだとしたら、ちょっと気まずくなってしまったかもしれません。
その数日後、咲子さんにも聞きに行きました。
イブ様は否定しましたが、咲子さんはなんて言うでしょう?
同じように否定するでしょうか?
「あの、さきこさん」
咲子「あら、貴方は……■■■■さん」
「え、私の名前、覚えてくれてたんですか?」
咲子「はい、お店にも来てくれてたじゃないですか」
なんと、喫茶店で調査していたのはバレていたようです。
似合わないサングラスとかして変装してたのに。
いや、だからバレちゃったんでしょうか……。
「あの、私、さきこさんに聞きたい事があって」
咲子「聞きたい事?はい、なんでしょう?」
「え、えっと……あの、さ、さきこさんって、イブ様と、お付き合いされてるんですか?」
その問いに、咲子さんは驚いたような顔をしました。
ですが、直ぐににっこりと微笑んで。
咲子「あらあら……バレちゃいましたか?うふふ」
咲子さんはあっさりと肯定しました。
イブ様とは全く逆の対応です。
正直面食らいました。
デキてる、という仮定が事実に変わった時点で私は質問をやめるべきでしたが、
咲子さんはにこにこと微笑んでもっと聞いて欲しそうだったので他にも幾つか質問しましたよ。
多分、惚気たかったんじゃないでしょうか。
「あの、いつから……」
咲子「そうですね、一昨年の暮れぐらいですかね、私がイブちゃんにラブレターを渡して、
でもイブちゃんったら、全然返事くれなかったんですよ?酷いですよね、
後で理由を聞いたら上手く告白するために曲を作ってたみたいですよ?うふふ」
「は、はぁ」
咲子さんはにこにこしながら気前よくいっぱい情報くれました。
イブ様はヘタレではないか、とイブ様ファンクラブではよく議論されますが、実際そうだったみたいです。
「関係は良好なんですか?」
咲子「はいっ!それはもうとってもとってもラブラブさんですっ!
この前なんかも一緒にデートしちゃいましてね?
今日もイブちゃんのところにお泊りしようかな…なんて思っちゃってますね、ふふふ」
「そ、そうなんですか」
ここらへんで私は気が滅入ってきました。
いや、関係性にどうこうじゃなくって、なんというか……バカップルの波動?
言葉にしにくい何かが……。
私はその質問を最後にそこを後にしました。
結局、イブ様は気恥ずかしさで否定しただけなんでしょう。
でも実際はバカップルめいた関係を築いていたのです。
ずっと追い求めていた関係性が明らかになり、私は何故か脱力しました。
理由はよく分かりません。
自分が知りたくて調べていたことなのに。
何故か、胸に穴がぽっかり空いた気分です。
私はいつか隠し撮りしたイブ様の写真を眺めました。
金髪の綺麗な髪に抜群のスタイルイケイケな性格、それでいて気配りが出来て優しいイブ様。
でもそれは咲子さんのものなのでしょう。
ふう、と私は溜息を吐きました。
そしていつも持ち歩いていた写真を机の中に仕舞いました。
本当は処分とかしたかったけれど、流石にそんな気分にはなれません。
やはり、私もイブ様に恋をしていたのでしょうか?
今となっては分からない事ですし、無意味な事です。
貴方もそう思いません?
えっと、これが私のイブ様についての話になりますが……。
満足出来ました?
なんだか神妙な顔をされてますが、貴方が聞いたんですよ。
でも私は話せて良かったです。
なんだか肩の荷が下りた気分になりました。
話を聞いて下さって感謝しています。
あ、私自身はイブ様のファンをやめるつもりはないです。
ただ、咲子さんと幸せになって欲しいと思います。
身を取り繕って、「さきことはそんなんじゃない」と言った時のような顔は、もうして欲しくありませんから。
では、ありがとうございました。
機会がありましたら、またお会いしましょう。
……そんな機会、無いですかね。だって貴方は、有名なアイドルですから、ね。
おわり
お疲れ様でした
2/20から稼働したjubeat propには走れメロンパンのホールド譜面が追加されているので是非プレーしましょう
乙です!!
乙
メロンパンHOLDの最後の音符押しにやられた‥‥
乙めう
なつつ…
おつつめう
一言で言うとそびえ立つクソ
ただ、周りからボロクソ言われながら完結まで続けられるメンタルは素晴らしい
次はメアリー・スー系「以外」のSSをよく読んで出直してくれ
乙めう
>>24
コピペめう
乙だよっ
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