女「こんなに寒い冬だから」 (20)
女「寒いね」
男「そうだな」
女「まあ、冬は寒いものだよね」
男「当たり前だ」
女「ああ、ボクの冷え切った体にちょうど良い肉棒は無いかな」
男「何を探してんだ」
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女「だって、一肌が恋しくなる季節じゃないか」
男「だとしても今のはおかしい」
女「なら……体液?」
男「一肌から離れてるじゃねえか」
女「うーむ……じゃあ、精液」
男「やめろ、大して変わってねえ」
女「上からでも下からでも受け付けるよ」
男「その舌の動きはなんだ」
女「なめる仕草」
男「お前、恥ずかしくないのか」
女「恥ずかしい……実はノーブラなんて」
男「誰も見ねえだろ」
女「恥ずかしい……実はノーパンなんて」
男「黙れ」
女「ボクは寒い日でもノーパンだ。それくらいの覚悟さ」
男「その覚悟がどう作用するかわからん。もしそれが本当なら、風邪を引くぞ」
女「スースーして気持ちがいいよ……吹き抜ける今<かぜ>を感じる」
男「中二病かよ」
女「あっ……今風がボクのあそこを撫でた」
男「……いちいち言わんでいい」
女「ああ、そんな気怠そうな視線をボクにしないでくれ」
男「わかりゃあいいんだ」
女「濡れてしまう!」
男「ハァ!?」
女「垂れてしまうよ♪」
男「音符つけて言うことじゃねえ!」
女「感じてしまう」
男「真顔で言うな! むしろ怖い!」
女「そうか! ボクがノーパンだから寒いんだ!」
男「ノーパンじゃなくても寒いっつーの!」
女「わからないよ? 僕がパンツを穿いたら……凄いよ?」
男「別に凄くねえよ!」
女「でもノーパンにもメリットはあるんだ」
男「……なんだよメリット」
女「スカートなら和式はしゃがんだらすぐにできる」
男「そんなメリットのためにノーパンにしねえよ!」
女「あとすぐにデキる」
男「うるせえ!」
女「あ、ヤレるだね」
男「言い直すな! そしてなぜ照れる!」
女「言い間違えるということは、つまり、全裸で街を歩いているくらいのミスだよ!」
男「どういうミスしたらそんなことが発生する!?」
女「例えば、スポーツ選手が『あれ……今日は体が軽い』と感じる時があるだろう」
男「確かに、調子が良いとそうなるって選手もいるな」
女「実は服を着ていないだけでした! というオチもありえるわけさ」
男「絶対にない!!」
女「まあ、どうであれ」
男「いきなり改まるな……」
女「ボクの人生において、まだ寒いところはたくさんある」
男「よくわからんが、お前の発言、なかなかサムいぞ」
女「ふふ、それは正解だね」
男(否定しろよ)
女「恋を、してみたいな」
そう言って、寒さで赤くなった顔を上に向ける。
女「なんて、言ってみたりしてね」
ニコッとこちらに微笑んで、静かに歩みを進めた。
いきなり何を言ってるんだコイツは。
高校二年生の冬。
もうすぐ三年生になるというのに。
そういうのは一年の春にでも言えよ。
男「まあ、遅くはねーんじゃねえのか」
一応、合わせておく。
女「そうだね。できれば体の相性が良い人がいいな」
いきなりかよ。性欲にあふれてやがる。
男「おいおい……」
もっと違うものがあるだろ、性格とか。
女「あとは……十分な長さ」
男「何のだ」
細々と書いていきます。
また後日。
長さって持久力のことだよなそうだよな
女「そんなの、これに決まってるだろ」
手で棒状の何かを表現するな。
女「ある程度の太さも必要だね」
男「やめろ、だんだん生々しくて若干引くぞ」
女「ん? そうかな? ボクは腕の『太さ』の話をしているだけなんだけどなぁ……?」
ニヤリと笑う。
やられた。
女「君は何を考えたのかな? ふふっ」
男「うるせえうるせえ」
女「じゃあ、静かに話すね」
男「耳元まで来るな」
女「それじゃあ、喋れないよ。これ以上ボリュームは下げられない」
『うるさい』とは言っても、音量的な大きさじゃねえ。
めんどくさいやつだ。
揚げ足をすぐに取ってきて、ニヤニヤしてくる。
ちょっと変なやつ。
……いや、だいぶ変だ。
男「そんなんで彼氏ができるのかねえ」
女「ふふ、今月中にできるといいな」
気が早いな。
女「赤ちゃん」
男「気が早いな!!」
とまあ。
こんな会話をした次の日。
冬休み明けの学校では、特にヤツは何もしなかった。
恋をしたいやつがずっと読書してるか? もしかして恋愛指南の本でも読んでるのだろうか。
そんなわけないか。
まあ、いきなりガツガツするのもあれだけども。
とことんわからんやつだ。
女「ふふ、読書している人を覗くのが趣味なのかな?」
見てたら変なこと言われた。シャクだ。
男「恋はどうしたんだよ」
女「ん、しているよ」
男「してる?」
いつの間に。
女「していると思えばしているのさ」
謎理論を唱えてやがる。
こいつ、入学当初からずっと恋(いつも通り)をしていたのか。
それではまた今度。
おつ
ほ
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