提督「王 道 を 征 く」日向「……」 (72)

書き溜め、もとい雑な下書きがあります。
今日中に完結させたいのですが、連投規制がおっかないです。
よろしければご協力お願いします。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417948842

なんだこれは、たまげたなぁ

やべぇよ・・・やべぇよ・・・


提督「妖精さん、今日もこの資材でよろしくね」

妖精「ポッチャマ…」コクリ スタスタ

提督「はぁ…いつになったら戦艦がうちの鎮守府に来てくれるのやら…」

提督「ま、新米にしては資材結構もらった方だと思うし、まだ気長にやって行ってもいいか」



ツンツン


提督「ん?」

妖精「…」

提督「あれ、どうしたの?資材足りなかった?」

妖精「ンー…」フリフリ

提督「違うの?じゃあ何?」

妖精「サスケェ…」ビッ

提督「ん、なになに…え゛!?建造時間こんなに長いの!?ちゅうことは…」

妖精「ン」コクコク

提督「わが鎮守府に、初めての戦艦が…!」キラキラ

妖精「ン」コクコク

提督「わかった!前もらった間宮のアイスあげるから、頑張ってね!」

妖精「オk」スタスタ

提督「うわぁ、戦艦かぁ…楽しみだなぁ。どんな子が来るんだろ」

――――――――――――――

カーン カーン カーン

妖精「フゥ…」



日向「ん……ここは?」

妖精「ナノ!」

日向「そうか…私はまた…建造されたのだな?」

妖精「ン」コクコク

日向「うむ。では、疲れているところで悪いが、ここの提督の所に案内してはくれまいか?」

妖精「アレ」ビッ

日向「…向こうでいびきをかいているのがここの提督なのか?随分若いな…」スタスタ

提督「んごー…んごー…ンゴww……」

日向「随分と幸せそうに寝ているものだな」



チョンチョン



提督「んあ?」

日向「睡眠を妨げてしまってすまないな」

提督「……ん?……おわっ!!」

ガバッ

提督「あ、あのあの…」オロオロ

日向「まずは落ち着いてくれ」

提督「す、すまん……君が、新しく建造された子でいいのかな?」

日向「うむ。伊勢型戦艦2番艦、日向。呉で朽ち果てる迄、戦うつもりだ。これからよろしく頼む。君がこの鎮守府の提督でいいのだな?」

うちの鎮守府で初めて出来た戦艦も日向だったなぁ……

うちは山城だったなぁ

提督「うん、よろしく」

日向「随分若そうに見えるが」

提督「まあ、最近この鎮守府を任されたばかりだから。だから、君がこの鎮守府初の戦艦だ!期待してるよ」

日向「ああ。君の期待に沿えるよう、随時努力しよう」

提督「いやぁ、頼もしいなぁ」





妖精「日向は木の葉にて最強…」ボソリ

日向「え?」

妖精「……」

日向「気のせいか…?」

提督「ここの妖精さんは、ちょっと変わってるみたいだから、まあ、多少は大目に見てやってくれ」アハハ…

日向「……」

日向(見たところ、この提督は厳格な人間には見えないが…どうなることやら…)

――――――――――――

提督「早速で悪いんだけど、日向には、この鎮守府付近の警備をしてほしいんだ」

日向「警備、だと?随分と私も甘く見られたもんだな」ムスッ

提督「別に日向の力を見くびってるわけじゃないよ。さっきも言ったけど、日向が来るまでうちに戦艦はいなかったから、近海を守るのも大変だったんだよ」

日向「他の艦はどうなんだ?」

提督「流石に駆逐艦に無理はさせられないでしょ。艦娘とはいえ、俺よりも一回りも小さい女の子なんだ」

日向「…随分と優しいのだな。提督としては甘いのではないか?」

提督「そんなことはないさ。誰だってそうする、だから俺だってそうする」

日向「…そうか。まあ、いい。君がそのように考えていたのなら、警備くらいお安い御用だ」

提督「ああ、ありがとう」





日向「終わったぞ」

提督「おお、お疲れ。どうだった、近海は?」

日向「まあ、深海棲艦はいるにはいたが、あの程度なら何ら問題はないさ」

提督「そうか。ありがとな、日向」ナデナデ

日向「…子供じゃないんだ、撫でるのはやめてくれないか」

提督「おっと、すまん。つい癖でな」パッ

日向「あのな、私たちは君よりも一回り小さい女だと君は言うが、これでも兵器だぞ?あまりそういうことをするのは感心しないな」

提督「そういうものかな?日向は気にしすぎだよ。俺からしたら、日向も駆逐艦も一緒で可愛い女の子だよ。いや、小娘みたいな意味じゃなくてな?」

申し訳ないがノンケはNG

紫煙


日向「…」

提督「俺なんかここにこもって何ができるわけじゃないんだ。せめて、励ましたり、褒めたり、できることをしたいんだ」

日向「……やはり優しいな、君は」

提督「駄目かな?」

日向「まあ、悪くはないのかも…しれないが…」

日向(そうは言っても、所詮、私たちは兵器だ…そのことをわかる日が、きっと来るさ…)

―――――――――――

提督「――っ!日向!!」

日向「………どうしたのだ……随分と…騒がしい、ぞ」ボロッ

提督「どうして退却しなかったんだ!?もう少しで、お前は―――」

日向「轟沈…していた、か?」

提督「そうだ!ただでさえこの沖の島海域は危険だと通達は来ていたんだ!無理はするなと出撃前に言ったはずだ!」

日向「無理など…していないさ。大破していたのは私だけだ。……他の艦は問題…なかった」

提督「それはお前が他の艦をかばいながら戦ったからだ!とにかく入渠してこい!話はそれからだ!」





日向「ふぅ…すまないな、またせて。それで、君は私に言いたいことがたくさんありそうだが」

提督「当たり前だ。どうして大破進軍をした」

日向「先ほども言っただろう?私以外の艦はほぼ無傷だった。よって、進軍は可能だと判断した」

提督「そんなことが聞きたいんじゃない!どうしてお前は自分をないがしろにしたんだと聞いているんだ!」

日向「あのな…前にも言ったが私たちは兵器だ。人のような形をしていようと…人ではない」

提督「っ!」

日向「それに、私が轟沈したところで、君が私を建造したように、代わりはあとからいくらでも用意できるんだ。君が気にすることはない」

―――バチィッ

提督「……」

日向「……酷いじゃないか、女性の頬を張るとは」ヒリヒリ

提督「…自分を女性ではなく兵器だといったのはお前だ」

日向「そうだったな、これは失礼」

提督「俺は、お前らに代わりがきくなどとは思っていない」

日向「きくさ、資材さえあればいくらでも」

提督「きかない、きくわけがない」

日向「…前から思っていたが、君は甘いぞ。提督としては致命的なほどに」


提督「俺なんか甘ちゃんでいい、無能でも構わない。でも…お前たちには沈んでほしくないよ」

日向「…」

提督「なぁ、どうして妖精さんはお前たちを艦娘として作ると思う?」

日向「はぁ?」

提督「いいから。どうしてだと思う?」

日向「…それは…わからないな」

提督「俺もわからない。だけどさ…妖精さんはきっと、お前達に幸せになって欲しいんだと思う」


日向「…」

提督「戦時中、辛い思いをしてきたお前達だからこそ、艦娘として、一人の女の子として生まれて、幸せになってほしいから…だから、お前達に感情を持たせているって、そうは思わないか?」

日向「随分と…無茶なことを言うな」

提督「確かにそう思うかもしれない。艦娘を作る本来の目的は、深海棲艦と戦わせることだから。でも…俺は艦娘全員に幸せになってほしいんだ」

提督「だから…俺のいる鎮守府では、誰一人沈ませない。全員に幸せになってもらう。これは、上官命令だ」

日向「…私は、兵器だ。幸せなんて…わからないさ」


提督「じゃあ、こうしよう」

日向「…」

提督「戦いが終わったら、みんなで旅行に行こう。たくさんの場所に行って、きれいな風景を一緒に見よう」

提督「たくさんのおいしいものを食べよう。俺の地元に、おいしいラーメンの店があるんだ。皆に紹介したいほどの、飛び切り旨い奴だ」

提督「たくさん遊ぼう。トランプだって、オセロだって、将棋だっていい。きっと、何か気に入るものがあるはずだ」

提督「だから…俺は一緒に、みんなの幸せを探すから、絶対にその時が来るまで沈むんじゃない」

日向「…!!」

提督「それじゃ、不満かな?」


日向「……君は」

提督「ん?」

日向「君は本当に甘ちゃんだな…台詞だって臭すぎる…」

提督「はは、まあいいじゃないか」

日向「若いくせに、口だけは達者だ…」ツツー

提督「俺の意地にかけて、本気で実現して見せるさ。ほら、涙をふきなさい。涙を見せるのは、戦いが終わってからでいい」

日向「ああ。そうだな…」グイッ

提督「よし!今夜は飲もう!それがいいな!」

日向「提督…」

提督「なんだ?」

日向「すまなかった」ペコリ

提督「…いいよ、気にすんな」ナデナデ

日向「!」

提督「おっと、すまん。つい」

日向「いい」

提督「え?」

日向「撫でられるのも、悪くない。続けてくれ」

提督「…」ニコッ

ナデナデ

日向(温かい…手だ…)

提督「なんか顔赤いぞ?大丈夫か?」

日向「…!き、気のせいだ」

提督「…そっかなぁ」ナデナデ

日向(幸せ…か……)

しえ

―――――――――――

ペラッ ペラッ

提督「あー…これは…………覚悟は、しないといけないな」

コンコン

日向「日向だ。入っても?」

提督「ああ、構わんぞ」

ガチャ

日向「失礼する」

提督「…おぉ」

日向「どうだ?」


提督「いやぁ、こうしてみると凄いなあ。妖精さんの頑張りが伝わるようだ」

日向「ああ。これで艦載機も前よりもたくさん載せることができる」

提督「そうだな。じゃ、改めて…日向。改造、おめでとう」

日向「ああ、ありがとう」

提督「しかしすごいな…妖精さんはなんて?」

日向「日向は木の葉にて最強…とは言っていたが、なんのことやら」

提督「木の葉は関係ないけど、現時点でこの鎮守府最高の戦力だよ、お前は」

日向「…少しずつだが、ここの艦娘も増えてきたな」

提督「ああ。金剛、榛名、扶桑…彼女たちが来てくれてからこの鎮守府もにぎやかになったもんだ」

日向「君は随分と彼女たちに鼻の下を伸ばしているようだがな」ジィー

提督「は、はて?なんのことやら」

日向「…まあいいさ」

提督「ヤキモチか?」ニヤニヤ

日向「そんなわけないだろう!全く…」


提督「すまん、冗談だ。お前が俺にヤキモチ妬くはずがないもんな」

日向「…唐変木め」ボソッ

提督「よっし、今夜は改造祝いだ!飲もうか」

日向「ああ、それもいいだろう」

提督「どうせならみんな呼ぼう!それがいいそれがいい」

日向「……」ジーッ

提督「…?」

日向「君は、わかっててやっているだろう?」

提督「なにが?ちょっと待ってろ、すぐ呼んでくるから」

日向「はぁ…」

提督「…なんてなっ!ほら、こっち座れ。二人で飲もうぜ」ニヤニヤ

日向「なっ!やはりわかっていてからかっていたんだな!」

提督「もう付き合いも長いんだ、かんがえている事くらいすぐわかるよ」

日向「…」

提督「どうした?」


日向「君が私の考えをわかるというなら…私だって君の考えくらい、わかるさ」

提督「…?」

日向「別にとぼけた顔を繕わなくてもいい…何か不安なことがあるのだろう?」

提督「…さぁ?もし心配そうに見えたとしても、お前に言うようなことじゃないさ」

日向「……」

提督「ささ、早くこっち座れ!今日はいい酒出してやるから!」

日向「…まあ、君がそういうのなら無理には聞かないさ…」

提督(今は、これでいい。こいつのためにできることは…なんだって…)





日向「すぅ……」

提督「……」

ナデナデ

提督「お前、意外とお酒弱いんだよな」

ナデナデ

提督「…うん」

スタッ

提督「おやすみ、日向」

スタスタ バタン







提督「妖精さん?作ってほしいものが、ふたつほど」

ここは連投規制はなかったと思うよ

――――――――――――――

金剛「hey!提督!」

提督「どうした、金剛」

金剛「そろそろ秘書官を私にしてほしいデス!日向ばっかりズルいですよ!」

提督「そうは言ってもなあ…秘書官の仕事なんて面倒なだけだぞ?」

金剛「それでもいいネ!提督とお仕事したいデス!」

提督「うーむ…」

榛名「提督、榛名も秘書官の仕事、してみたいです」

提督「榛名もか?全く…こまったなあ」

榛名「榛名は大丈夫ですから!」

提督「何がだよ…」

榛名「何だってしますから!」

金剛「ン?」

肉便器になるって


提督「なんのこっちゃ…」

扶桑「あ、あのう…」

提督「扶桑…まさか」

扶桑「はい。…日向には負けたくないので」

提督「別に秘書官になったら勝ちじゃないだろ…」

扶桑「い、いえ…そういうことではなく…あの、その…」

提督「…?はあ。で、どうなの?日向?」



日向「却下だ」

金剛「why!?」

榛名「あ、あんまりです!横暴です!」

扶桑「むむむ…」


日向「秘書官なんて、大変なだけで何も得るものはないぞ?」

金剛「で、でも」

日向「金剛は事務書類の漢字は読めるのかな?」

金剛「oh…」

榛名「榛名なら!」

日向「秘書官なら、晩酌くらいは付き合わないとな。榛名は確かお酒飲めないだろ?」

提督(お前も大して強くないけどな)

扶桑「なら私なら!」

日向「却下」

扶桑「話すら聞いてもらえないなんて…不幸だわ」

日向「私に勝つのだろう?強引に奪って見せろ」ニコリ

やりますねぇ!




提督「…なんだか、お前も変わったな」

日向「そうか?」

提督「もちろん、初対面のときとは言わずもがなって感じだけど、他の戦艦の子が来てから、また雰囲気が柔らかくなった。いい傾向だよ」

日向「そうだろうか…まあ、君が言うのだからそうなのかもしれないな」

提督(そう…それでいい。もう、俺がいなくても―――――)



バンッ

青葉「司令官!」

提督「!?」

青葉「本部から緊急の通達です!とにかく早く目を通すようにと!」バサッ

提督「…!ついにか…」

日向「何があった!」

提督「日向、至急みんなを集めてくれ。全員だ」

日向「……ああ」スタスタ

ガチャ バダン

金剛「提督…」

提督「お前らは装備を整えておけ。一番いいの乗せとけよ」

提督(思っていたより早かったな…まあ、これも仕方のないことかな)

――――――――――――――

ザワザワ

提督「静かにしろ。先ほど、本部より通達があった」

提督「現時点でこの鎮守府を廃棄。艦娘は、全員本部へと向かうこと、以上だ」

日向「…!」

榛名「提督!どういうことですか!」

提督「話は簡単だ。最近、深海棲艦に各地方の鎮守府がやられている。簡単に言うと押されているんだ。このままではジリ貧だが…本部が、深海棲艦の本拠地らしきところを発見した。中央に戦力を集中させ、一気に形成を覆すこと…これが今回の目的だ」

金剛「提督は!?」

提督「俺は後から陸上を経由して本拠地へ向かう。全員、直ちに出撃準備をしろ!お前たちは海を渡って本拠地に向かうんだ」

扶桑「あの、提督」

提督「なんだ」

扶桑「また、みんなでここに戻ってこられますよね?」

提督「…当たり前だ!沈むことは俺が許さんぞ!全員生きて帰ってこい!いいな!」


「はいっ!」





提督「…ふぅ、やっぱり慣れないなぁ。あんなに強い口調で話すの」

日向「…提督」

提督「なんだ、まだ残っていたのか。早く準備をしろ」

日向「何を隠している?」

提督「何が?」

日向「っ!」

ガシッ

提督「…なにするんだ。離してくれ」

日向「…君の」

日向「君の表情を見れば、考えている事なんてわかるといったはずだ!」

提督「嘘だな。考えていることがわかるなら、俺に聞かなくてもわかるだろ?」

日向「違う!そういうことが言いたいのではない!」

提督「…ちょうどいいや、どっちにせよ、お前には話もあったしな」

日向「…話?」

提督「話の前に離してくれ。…いや、ギャグじゃないぞ?」

日向「わかっているよ…」パッ


提督「それじゃ。日向…皆のことをよろしく頼む」

日向「ああ」

提督「前にも言ったが…俺は艦娘には幸せになってほしいんだ。全員、絶対生きて返してくれ」

日向「ああ」

提督「それから…これを」ゴソゴソ

日向「…!」

提督「お守りだ。照れ隠しで隠していたが、お前にはすべてばれていたようだな」スッ

日向「…これ、は?指輪…か?」

提督「まあな。妖精さんにお守りって言って作ってもらったんだけど、まさか指輪にするとはなぁ」

日向「……」

提督「おいおい、泣くなよ。今生の別れでもないんだぞ?あくまでもお守りだ。それに、前にも言ったろ?涙を見せるのは、戦いが終わってからでいい」

日向「ああ…わかっている」ゴシゴシ

提督「……あれっ?あれなんだ?あの天井の」ビッ

日向「え?何処に……!」



チュッ



提督「………ふぅ、ごちそうさま」



日向「き、君はっ!」

提督「…絶対生きて帰ってこいよ。絶対だ。そしたらお前ら全員俺が幸せにしてやる」

日向「…言ったな?武士に二言はないぞ」

提督「そりゃ責任重大だな…ははっ。じゃあ早く準備をしてこい」

日向「ああ。だがその前に…」ガシッ

提督「うおっ!?」


チュッ



日向「お返しだ。負けっぱなしは気分が悪いからな!では」スタスタスタ




提督「…やられたなぁ」


日向「よし!皆、準備はできたな!」

金剛「提督、おいしいティーを用意して待っててネ!」

提督「ああ、もちろんだ」

榛名「提督、榛名、絶対に生きて帰りますから!帰ったら一緒にお酒飲みましょう!」

提督「お前の下戸に付き合うのも悪くない。約束するよ」

扶桑「あの…提督?帰ったら、一緒に食事でも行きましょうね?」

提督「ああ。おいしい飯屋を探しておくから、期待してくれ」

日向「…」ジッ

提督「…行ってらっしゃい」ニコリ

日向「…ああ!」



日向「では、出撃するぞ!くれぐれもはぐれるなよ!」





提督「…行っちまったか」




ヒョコッ

妖精「ン?ンーン?」

提督「ああ、妖精さん、準備お疲れ。色々ありがとな」

妖精「ン」

提督「…普通にしゃべれるの知ってるから、普通にしゃべったら?」

妖精「………じゃあ、そうしようかな。でも、提督さんはいーの?」

提督「なにが?」

妖精「逃げなくて。本当のことみんなに言わなかったでしょ?」

提督「本当のことは言ってないけど嘘の事も言ってないさ。本部に艦隊を集めるように言われてたのは本当だし」

妖精「もうすぐ、来るよ」

提督「知ってる。だから、ここで最後の仕事だ」

妖精「全部やったげるのになぁ」

提督「おいおい、ここに配属されてからの相棒だろ?一人にはできないよ」

妖精「いいのに」

提督「いやぁ、車とかないし…今から逃げたところで、ねえ?」

妖精「それもそっか」



提督「…日向は木の葉にて最強、ねぇ」

妖精「うん!…日向ちゃんなら、ちゃんとあの子たちを守ってくれるよ。…保険も付けたしね」ニヤリ

提督「あいつ、いきなり強くなって、びっくりするかな?まさか指輪に秘密があるとは思うまい」

妖精「ふふっ♪さしずめ、あれは結婚(仮)ってとこかな。提督が今から全力で逃げてくれれば(仮)も取れるんだよ?」

提督「残念。それは一生取れそうにないな。…本当に残念だ。微妙に赤くなったり青くなったり、あいつの表情もようやくわかるようになってきたんだけどなぁ」

ドカーン ドカーン

提督「うわっとと……やっとお出ましか。あれが噂に聞くたこ焼き?初めて見るな」

妖精「…どこまでひきつける?今ので結構やられたっぽいけど」

提督「そうだなぁ、どうせならもっとひきつけようか」

スッ

妖精「はい…ボタン」

提督「さんきゅ。……うわー、これは壮観だ。あいつら、確か姫とか鬼とか呼ばれてたっけ?」

妖精「鎮守府ひとつ潰そうってんだから、そりゃ気合も入るよ」

提督「それもそうかもな…。よし、覚悟はいいか?俺はできてる」

妖精「うん…大丈夫」

提督(すまないな…日向。お前との約束、守れそうにないよ。でもさ…今のお前なら、きっと自分で幸せを掴める。そう、信じてるから…)

妖精「……」ギュッ

提督「…じゃあな――――」ポチッ






―――――――――――――――――――――――カッ!!

―――――――――――――――――





日向「久しぶりだな、提督」

かつて鎮守府があって、今はなにもないこの場所で手を合わせる。…ここに来ようと思うまでは何年もかかってしまった。

日向「約束通り、全員生還したが…そういえば君はあの時、自分が生きるとは一言も言ってなかったな。まんまと私は騙されたわけだ」

帰還した私たちを向かえたのは、あの甘っちょろい提督ではなく、一枚の紙切れ。

みんな泣いていたのだろうか。私はその時のことをあまり覚えていない。周りを見ることもできなかった。

日向「ほかのみんなは幸せに暮らしているよ。みんな、もう兵器などではなく、ただの女の子だ。かくいう私も艤装を外されて、女の子デビューを果たしたがな」

もうみんな、戦いの事は忘れて、個人個人幸せに生きている。もちろん、それは喜ばしいことだ。

日向「だが、不思議なことに、私だけ時が止まっているみたいなんだ。この指輪を捨てることもできない。…これも、ただの指輪ではなかったのだろう?」

事の顛末は聞いている。本部が発見したのは、敵の本拠地だけではなかった。私たちの鎮守府へ近づく、おびただしい数の深海棲艦も発見していた。

もちろん提督にも逃げるように通達は来ていたらしい。だが…私達の鎮守府を中継にして燃料や弾薬を補給し、本部に攻め込む予定だった敵の主力を、馬鹿と妖精は身を挺して止めたのだ。



日向「嘘つきめ…。また…来るから」






「ごめんな」



日向「…!」




「大丈夫、時間はかかるかもしれないけど、お前ならきっと幸せを見つけることができるさ」




日向「…っ!何を言うんだ…きみは…」




「泣くなよ。お前の戦いの本番は、これからじゃないか。俺の愛した戦艦は、そんなにやわじゃないはずだ。…指輪は、ここに置いて行けよ。辛くなったら…いつでも俺はここにいてやるから」




日向「っ…………!」




ザザーン ザザーン







日向「この、このっ!大嘘つきめ!」ブンッ






―――ザザーン ザザーン








「それでいい…それでいいよ。ありがとな…さようなら…日向」












日向「ああ……さようなら、あなた」








きれいに澄んだ、彼が守った青い海。

そこから吹く風に乗って、彼の甘っちょろい声が聞こえたような、そんな気がした。








おわり

王道を征く(ありがちとは言ってはいけない)このノンケss、いかがだったでしょうか
当初はヤンデレで書こうと思ったんですが、着任から書いてたらそんな気はなくなってしまいました。
因みに、日向の資料集めにあたって、薄い本から1フレーズだけいただいてきた部分があります。

おつ
このスレタイから日向純愛とか卑怯
罰としてまたなにか書くべし

あ〜心が洗われるんじゃ〜

おつ

ホモ特有の爆発オチ +114514点

今回は本当に疲れました。さて、次にssを書くとすると多分次の土日になると思うんですが、
1…ヤンデレssに戻る
2…王道を征く
3…提督「鈴谷といちゃいちゃするふりをして熊野の話ばかりしてみる」

どれを書こうか考えてます。もしよろしければ、道を示していただければ…

3見たいッス

3いいな

熊野の話ばかりしてね鈴谷がヤンデレてからの王道展開でええやん

とりあえずhtlm化依頼出してきます。
もうちょっと様子見ようと思います。1か2が多かったらキャラも聞くかもしれません。
支援等ありがとうございました。

やっぱり僕は王道を征く、ホモスレですかね

過去作教えてけろ

申し訳ないがタイトルでホモを釣るのはNG(半ギレ)

>>60
しょうがねえなぁ(悟空)
提督「ヤンデレ?」168「……」青葉「……」
提督「ヤンデレ?」168「……」青葉「……」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417522246/)
提督「ヤンデレ?」大井「……」
提督「ヤンデレ?」大井「……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417174813/#footer)

あとはとあるss投稿サイトで加賀と大井と青葉ばっかり出てくるss書いてました。

>>61
ホモ期待ニキには割とガチで申し訳ないことをしました…

でも、ssの王道を書こうと思ったらこのタイトルしか思い浮かびませんでした。かなしいなぁ…

ホモが入ってないやん!ホモが読みたかったからクリックしたの!!!

って言うかさんにょり提督だったのか
お疲れさん。面白かったよ

鈴谷が一番好きなので3で。
ヤンデレな鈴谷も可愛い。

おじさんはこういうねぇ!
大切な過去を胸に秘めて、未来に向かって行く強い人間の話が大好きなんだよ!

は?
感動なんて求めてないの! ヤンデレが見たいの

こんなノンケで…純愛ssって…ボッタクリやろ!

ホモはわがまま

王道を行く鈴熊クソレズナメクジせっくすで

3がいいな、ヤンデレ鈴谷じゃなくて普通に悲しんでる方がみたいけど

このタイトルでノンケSSってお前……ええやん

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月11日 (土) 10:26:06   ID: v6dwSjND

何でここホモがわくの?
まあ面白かったぜ!

2 :  SS好きの774さん   2017年12月20日 (水) 03:26:24   ID: AM5DjTv1

ああもう涙出ちゃいそう!!(半ギレ)

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