耕介「…………」
耕介「…………」
耕介「…………」
耕介「……あー、次の記事……ちっとも進まねぇ……」
耕介「……ちょっと休憩するか」
耕介「慕、コーヒー……」
耕介「……慕いないんだったな」
耕介「…………」
耕介「あ、夕飯の準備もしないと……」
耕介「…………」
耕介「……めんどくさいし、カップ麺でいいか」
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耕介「お湯沸かして……」
耕介「……お湯?」
耕介「風呂掃除してなかったな……」
耕介「…………」
耕介「……今日はシャワーでいいか」
耕介「…………」
耕介「あ、洗濯……そろそろ掃除もしないと……」
耕介「…………」
耕介「……うち、こんなに広かったっけなぁ」
耕介「……あ、やべやべ、もう3分経ってる」
耕介「……よし、いただきます」
耕介「…………」
耕介「……一人で飯食うの寂しいなぁ」
――――――
瞬斗「……で? それで昼間からうちに来たわけ?」
耕介「いや、ほんと一人で家居るの辛くて……」
瞬斗「いやいや……俺、今、仕事中。 わかる?」
耕介「どうせ客来ないしいいだろ。 昼飯食い行こうぜ」
瞬斗「失礼な奴だな!? 実際たいして客来ねぇけどよ……」
耕介「はぁ……慕……」
瞬斗「いやお前マジ気持ち悪いぞ?」
耕介「はぁ……」
瞬斗「……もうすぐ昼休憩とるからちょっと待ってろ」
耕介「んー……」
瞬斗「お前の奢りな」
耕介「は? なんでだよ? 俺は傷心なんだぞ? お前が奢れよ」
瞬斗「お前マジぶっとばすぞ?」
耕介「……つーかさ」
瞬斗「あ?」
耕介「慕、大丈夫かな?」
瞬斗「慕ちゃんはしっかりしてるしそこまで心配もないだろ……むしろお前がダメじゃねぇか」
耕介「いやでも麻雀の名門校だろ? 部員もめっちゃいるみたいだし上下関係も厳しいだろうし……いじめられたりとか」
瞬斗「礼儀正しいしそこら辺は失敗しないんじゃねぇか? 閑無ちゃんは敬語とかできなそうだけど平気なん?」
耕介「案外あの子しっかりしてるぞ……なんかあっても杏果ちゃんがフォローするだろうし……」
耕介「……あ!」
瞬斗「今度はなんだよ?」
耕介「慕ってかわいいし麻雀も上手いしやっぱり上級生は面白くないんじゃ!?」
瞬斗「……親馬鹿」
耕介「なんだと? 慕めっちゃかわいいだろうが!」
瞬斗「あーはいはい。 かわいいかわいい」
耕介「……お前慕に手ぇ出したら殺すからな」
瞬斗「出さねぇよ!」
耕介「なにぃ!? 慕に魅力がないってぇのか!」
瞬斗「お前めんどくせぇな!」
瞬斗「つかそれ言ったら慕ちゃんよりはやりちゃんのが危ないんじゃねぇの? 小中と活躍してて、ちょっとしたアイドルでもあるし」
耕介「それはたしかに……いや、でも俺はやっぱり慕の方がかわいいと思うんだけどな?」
瞬斗「あれあれー? おかしいぞー? そういう話だったかなー?」
耕介「最初から慕がかわいいって話だっただろ?」
瞬斗「俺の知ってる『最初』って言葉はお前の言う『最初』とは別言語みたいだな?」
耕介「慕、元気にやってるかな……風邪とか引いてないかな……」
瞬斗「俺の話聞いてないだろ? つーかさ……」
耕介「ん? なんだ?」
瞬斗「……たしか、慕ちゃんが寮に引っ越したの先週じゃなかったっけ?」
耕介「おう」
瞬斗「……え、お前一週間でそんななの?」
耕介「だってもう一週間も慕に会ってないし……」
瞬斗「ちょ、気持ち悪い! 溺愛しすぎ!」
耕介「急に一人になるとマジで寂しいんだぞ!? 独り身のお前にはわからないだろうけどな!」
瞬斗「うるせーよ! つかお前も独身だろうが! 」
耕介「それでも慕と二人だったし……」
瞬斗「姪と二人暮らしで勝った気になってんじゃねぇよ!」
耕介「どう考えても慕がいただけ俺の勝ち……あ、わりぃ電話……慕だ!」
耕介「もしもし!?」
慕『おじさん、久しぶり! ……今大丈夫?』
耕介「おう、久しぶりだな! 全然大丈夫だぞ! どうしたんだ?」
慕『別に、どうってこともないんだけど……』
耕介「そっか。 学校の方はどうだ?」
慕『毎日いろんな人と打てて楽しいよ! 森脇先輩もいるしうまくやってけそう』
耕介「ああ、そういや中学の先輩もいるのか……」
慕『うん、部活の方は心配ないかな……先輩たちもみんな強いから頑張って練習しないと……あ、閑無ちゃんと杏果ちゃんと同じクラスになったんだよ。 はやりちゃんと悠彗ちゃんがお隣のクラスで』
耕介「湯町小トリオで固まったのかー」
慕『うん。 だから今までとあまり変わらないかな……あ、麻雀を打つ時間は増えたけど』
耕介「やっぱり練習とか厳しいのか?」
慕『まぁね。 でも楽しいし苦にはならないかな……って言うか、寮に入ったから家事の時間もなくなったし……』
耕介「……ごめんな。いつも料理とか任せちゃってたし……」
慕『え? あ、違うよ! そういうのじゃなくって!』
慕『麻雀打つ時間が増えたのはうれしいんだけど……その、自分でお料理する時間もなくなっちゃったからなんか変な感じで……』
耕介「……そんなもんか?」
慕『うん、そんなもん。 ……おじさん、私いなくても大丈夫? ちゃんとご飯食べてる? カップ麺とかレトルトで適当に済ませてない?』
耕介「……ちゃんと食べてるよ?」
慕『……もう! 嘘ついてもすぐにわかっちゃうんだからね? 野菜もしっかり摂らないとダメだよ? トマトも食べてね?』
耕介「はい……ごめんなさい……」
慕『掃除とか洗濯とかちゃんとしなきゃダメだよ? その様子だと溜め込んでるんじゃないの?』
耕介「あ、うん……す、少し……?」
慕『大人なんだからしっかりしなきゃダメだよ? まったくもう……私がいないとダメなんだから……』
耕介「面目ないです……」
慕『私、部活忙しいから当分帰れないと思うし……お仕事大変だと思うけど、家事も頑張ってね? あ、それか……』
耕介「それか?」
慕『……お、お世話してくれる人を見つけるとか……』
耕介「…………」
慕『…………』
耕介「…………」
慕『……えっと』
耕介「……俺には慕がいるし」
慕『え? も、もう、やだ! えへ、なに言ってるのもう! えへへ……』
耕介「はぁ……ほんと、慕しかいないんだよなぁ……そろそろ結婚とか考えなきゃだけど……」
慕『もう! もう! からかわないでよ! えへへ……それに、おじさんとは結婚できないし……』
耕介「わかってるって、冗談だよ。 慕ならいい嫁さんになるのに……ああ、いつか慕もどこの誰とも知れん男の元に嫁ぐのか……その時は相手の男は殴るからな。 数百発」
慕『気が早いよ! それに、そんな人いないし……』
耕介「俺も相手いないし……やっぱり慕と結婚するしか!」
瞬斗「いい加減にしようなー?」
耕介「うおっ! あ、てめーいたのか周藤!」
瞬斗「お前が連れてきたんだろうが!」
慕『周藤さん? どうしたの?』
耕介「あ、いや……なんでもないから気にすんな。 ……おい、せっかくの慕との時間を邪魔すんなよ! あっち行け! しっしっ!」
瞬斗「お前マジふざけんなよ?」
慕『ふふ……もう、聞こえてるよ? ダメだよそんなこと言ったら……』
耕介「だって、慕に会えないから寂しくって……」
慕『ふぇ!?』
耕介「一人になったら家がほんと広くってさ……今までいつも慕と一緒だったし寂しいよ、やっぱり」
慕『……ふふ、まだ一週間しか経ってないよ? 』
耕介「なー……自分でもびっくりだわ……」
慕『……でも』
耕介「ん?」
慕『……わ、私も少し寂しいかな……閑無ちゃんたちと一緒の時間は増えたけど……お母さんが、いなくなっちゃってから……ずっとおじさんと一緒だったし……』
耕介「慕……」
慕『……ほんとは、私もちょっと寂しくなっちゃって、つい電話しちゃったんだ……ふふ、高校生にもなってちょっと情けないかな?』
耕介「……そんなことないよ。 んなこと言ったら俺の方が情けないし」
慕『ふふ、そうだね。 もっとかっこよくならないと恋人できないよ?』
耕介「うぐぅ……」
慕『もう、そんなんじゃやっぱり私がいないとダメだねー』
耕介「返す言葉もございません……」
慕『まだまだ学校始まったばかりだし当分は難しいかもしれないけど……そのうち時間作って一回帰るからね』
耕介「そうか? 学校大変だろうし無理しなくていいんだぞ?」
慕『……もう! 私がおじさんに会いたいから帰るの! バカ! にぶちん! だから彼女の一人もできないんだよ!?』
耕介「ご、ごめんなさい……あとそれ傷つくから勘弁して……」
慕『それにお掃除とかお洗濯とかしないと! 』
耕介「う……それは慕が帰ってくるまで溜め込んだりしねぇよ……」
慕『そう? それじゃあちゃんと頑張ってね? それと、おいしいご飯も作ってあげる!』
耕介「うん、それはうれしいな……自分で作ってもいまいちだし、レトルトとかも味気なくてな……やっぱり慕のご飯が一番だよ」
慕『えへへ……そうかな?』
耕介「うん、慕が一番!」
慕『ふふふ……ありがとっ』
耕介「……ん?」
慕『どうしたの?』
耕介「周藤のやつ、マジで帰りやがった……!」
慕『おじさんがあっち行けなんて言うからだよー』
耕介「まさか本気で奢らされるとは……」
慕『ちゃんと謝って仲直りするんだよ? あ……そろそろ午後の授業始まっちゃうから切るね?』
耕介「お、もうそんな時間か……悪いな、くだらない話ばっかしちゃって……」
慕『ううん、おじさんとお話ししたかったから全然よかったよ。 気にしないでね……それじゃあ、またね』
耕介「ああ、勉強も麻雀も頑張れよ」
耕介「…………」
耕介「……あ、周藤のやつきっちり高いの食ってやがる! ファミレスとはいえけっこうキツい……」
耕介「……慕、元気そうでよかったな」
――――――
杏果「あ、おかえり」
閑無「遅かったな。 何してたんだ?」
慕「えっと、ちょっとおじさんに電話を……」
閑無「なんだ、もうホームシックか?」
慕「え、いや、そんなんじゃ……」
閑無「照れんな照れんな……慕はけっこう寂しがりやだもんなぁ」
慕「うぅ……にやにやしないでよ……まあ、ちょっとは、そうかもしれないけど……」
杏果「つか、閑無も人のこと言えないっしょ。 小学生の頃……」
閑無「わっ! わー! やめろ! なに言う気だよ!」
杏果「えー? なんだろうなー? 閑無は心当たりあるみたいだけど私にはちょっとわかんないかなー?」
閑無「むむむ……この野郎……」
悠彗「なにがむむむだ……それにしても、ほんと慕はおじさんのこと大好きだよねぇ」
慕「え? ……うん、まあ、その……えへへ……」
悠彗「……やっぱりアリだね、うん」
はやり「うん、仲良しはいいことだよねー」
杏果「…………」
閑無「……つーか、お前らはいつまでここにいんだよ? 授業はじまんぞ?」
悠彗「いーじゃん、隣だし間に合う間に合う……それに叔父姪とかおいしいし……」
閑無「へ? おいしい? なにがだ?」
はやり「はやっ? 私もよくわかんない…… 」
悠彗「あ、なんでもないから気にしないでー……ところでさ、おじさんとなんの話したの?」
慕「え? えっと……」
閑無「おいおい、家族とか、プライベートなことなんだからあんまり聞くのは……」
杏果「お、閑無が珍しく気を遣ってる……」
悠彗「じゃあ、杏果に閑無の昔の恥ずかしい話でも」
閑無「あー! 慕の話気になるなー! どんな話したのかなー!」
杏果「…………」
慕「別に、たいしたことは話してないよ?」
はやり「この時期だと学校はどうだーとか、そういう話だよね? 私もお母さんとそんな電話したよ?」
慕「うん、そんな感じ。 学校とか部活とか……」
悠彗「まあ、そんなもんか……」
閑無「……なんで残念そうなんだよ?」
杏果「…………」
慕「あとはご飯ちゃんと食べてるかとか、掃除洗濯とか……」
閑無「いやいや……一週間でそれは過保護すぎだろ」
杏果「ご飯は普通に食堂で出るし、部屋だってそこまで汚れないよね?」
慕「あ、そうじゃなくって、おじさんがちゃんとやってるか心配で……」
閑無「お前が心配する側かよ!?」
はやり「慕ちゃんはおじさんと本当に仲良しだよねー」
悠彗「…………」
閑無「そしてお前はなにをにやにやしてんだ?」
悠彗「え、ほら……いいじゃん? 仲良しで」
杏果「…………」
閑無「……杏果もさっきから微妙な顔してどしたん?」
杏果「いや……こう、どこか噛み合ってない気が……」
慕「あとは……」
悠彗「あとは!?」
閑無「なんでお前そんな食い付くの?」
慕「……えっと、やっぱりちょっと無しで! 恥ずかしいし……」
悠彗「は、ははは、恥ずかしい話!?」
杏果「うん、ちょっと落ち着こうか」
はやり「あ、悠彗ちゃんそろそろ戻らないと……」
悠彗「ちょ、待って! その話だけでも……!」
はやり「ダメだよ? 学校始まったばかりなのに授業遅刻したら……ほらほら、はやく戻ろっ」
悠彗「あ、ちょ、引っ張らないでってば!」
はやり「またあとでねー」
慕「あ、うん、また部活でねー」
閑無「なんで悠彗はあんなに興奮してたんだ?」
杏果「……知らないし、知りたくもないかな」
閑無「……で? なんの話だったんだ?」
杏果「え? 聞くの? さっきは気を遣えてたのに……」
閑無「だって中途半端で気になるじゃんか」
慕「えー……その、さっき閑無ちゃんが言ってたけど……」
閑無「あ、マジでホームシックなの? なんだよー、そんなに寂しいなら私の部屋まで遊びに来てもいいぞ?」
杏果「なに言ってんだか……閑無も一人で寂しいんでしょ?」
閑無「な、ななななに言ってんだ! んなわけねーだろ!?」
杏果「図星か……」
閑無「図星じゃねーし!」
慕「ふふふ……閑無ちゃんも寂しかったりするんだ?」
閑無「だ、だから違うってば!」
杏果「まあ、恥ずかしがらなくてもいいんじゃない? 家も学校も……生活環境一気に変わったし、不安はあって当然でしょ」
慕「そうだよね……みんなが一緒じゃないと辛かったかも」
閑無「……ま、まあ? たしかに? そんなところは無きにしもあらずって感じかもしれないけど?」
杏果「はいはい……あ、先生来たよ」
慕「あ、ほんとだ……私だけ席遠いの寂しいなぁ」
閑無「私らガキの頃から年度はじめはずっと前後だよな」
杏果「閑無はすぐ後ろ向くからよく怒られたよねー」
閑無「む、昔の話だろ!? いちいち言わなくていいから!」
慕「…………」
慕(……閑無ちゃんも杏果ちゃんも相変わらず仲いいなぁ)
慕(はやりちゃんと悠彗ちゃんと別のクラスになっちゃったのはちょっと残念だな……)
慕(えー……数学の教科書とノートは……)
慕(……おじさん、やっぱりご飯とか手を抜いちゃってるみたいだし……)
慕(帰ったらちゃんとしたご飯作ってあげなきゃ……私のが一番だって言ってたし……)
慕(……えへへ)
慕(えっと、えっと……あとはお掃除とか洗濯ももちゃんとしてあげないと!)
慕(おじさん、ちょっと抜けてるし……それに、お仕事頑張ってる間にうっかり忘れて溜め込んだりしちゃってるかもしれないし……)
慕(…………)
慕(……おじさんも寂しいって言ってたな)
慕(……えへへ)
慕(もう、本当に私がいないとダメなんだからっ)
カン!
落ち込んでるこーすけ書くの辛くて短くなったけど知ったこっちゃない
最新話すごいよかったけど高校編まで行ったら耕介出番減るフラグが立ってつらい
中学高校まで進んで絡みが増えたら叔父姪ありだよねって慕ちゃんに耕介の話いっぱい聞こうとする悠彗ちゃんと、もしかして悠彗ちゃんおじさんのこと……ってもやもやする慕ちゃんの話とか書きたいです
書いてええんやで?
乙
書いていいのよ
流石百合絵師をノンケに引きずり込む破壊力やでぇ…
もっと書いてもいいのよ?というか書いてくださいお願いします
乙です
最高でしたわ。次も期待してる
おつー
乙ー
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