アユ「あれ、遊矢お兄ちゃん?」(21)
このSSは以下の話の続きとなっております。
『遊矢&柚子(気まずい……)』
『遊矢&柚子(緊張する……)』
『遊矢&柚子(恥ずかしい……)』
『真澄「見せつけてくれるじゃない」』
遊勝塾……
遊矢「よう、アユ。お前も来たのか」
アユ「柚子お姉ちゃんと一緒じゃないの?」
遊矢「いや、見ての通り1人だけど?」
アユ「……もう振られちゃったの?」
遊矢「ちょっと待て。その結論は早合点し過ぎだ」
アユ「でも遊矢お兄ちゃんと柚子お姉ちゃんって付き合ってるんだよね?」
遊矢「付き合ってるからって四六時中一緒に居る訳じゃないさ。今日は柚子の奴、学校に用があって少し遅れて来るんだよ」
アユ「本当?」
遊矢「本当だからそんな深刻そうな顔をするな。アユの方こそフトシとタツヤは一緒じゃないのか?」
アユ「今日は2人とも用事があって来れないんだって。塾長にはもう連絡済みらしいよ」
遊矢「そうなのか。じゃあしばらくはアユと2人だけって事か」
アユ「あれ、他のみんなは?」
遊矢「塾長は塾の備品買いにショッピングモールに行ってる。素良も駄菓子の買いだめがしたいからって一緒に行ったよ」
アユ「権現坂は来ないの?」
遊矢「確か今日は道場の手伝いがあるとか言ってたから多分来ないと思うぞ」
アユ「ふぅん……じゃあ今は遊矢お兄ちゃんと私の2人きりって事だね」
遊矢「だからさっきもそう言っただろ。てか何ニヤニヤしてたんだよ、お前?」
アユ「別にニヤニヤなんてしてないもん。あ、隣座っても良い?」チョコン
遊矢「良いも何ももう座ってんじゃん」
アユ「そういえば誰も居ないのに遊矢お兄ちゃんは出掛けたりはしなかったんだね」
遊矢「一応塾長に留守を頼まれてるからな。1人だから暇で仕方なかったけど」
アユ「じゃあ私が来て良かったって事だね」ニパァ
遊矢「まあそうだな……って、お前なんか近くないか?」
アユ「そうかな? それで遊矢お兄ちゃんは1人寂しく何してたの?」
遊矢「寂しい言うな。見ての通りデッキの調整だよ。次の大会も近いし、他にやる事もないしな」
アユ「そうなんだ。ねえ、私もここで一緒にデッキの調整しても良い?」
遊矢「良いけど俺のカードと混ざらない様にしろよ」
…………
遊矢「えっと……」←デッキ調整中
アユ「~♪」←デッキ調整中
遊矢「う~ん、これだと少しトリッキー過ぎるかな? だけどやっぱりエンタメ性も大事にしたいし……」ブツブツ
アユ「~♪」コテン
遊矢「ん? おい、アユ」
アユ「な~に~?」
遊矢「寄り掛かってるんだけど?」
アユ「ん~別に良いじゃない。この方が楽だし」
遊矢(気のせいかな? さっきから妙にアユに甘えられてる気がするんだが……)
遊矢「……ちょっと重いぞ」
アユ「あ、ひっど~い。女の子にそんな言葉を言うなんて遊矢お兄ちゃんって本当にデリカシー無いよね!」プンスカブックス
遊矢「は? デリバリーが何だって?」
アユ「むぅ、そんな遊矢お兄ちゃんにはお仕置きしちゃうんだからね。こちょこちょこちょ~」コチョコチョ
遊矢「ちょ、脇をくすぐるなって!? あは、やめ、あははははは♪」
アユ「むふふ、ここですか? ここがよろしいのですか、お客様?」コチョコチョ
遊矢「あはははは、マ、マジで、あはははは、そ、そこは弱いの、あはははははははは♪」
3分後……
遊矢「…………」ピクピク←無言の痙攣
アユ「へへ、ちょっとやり過ぎちゃった」(・ω<) テヘペロ
遊矢「はぁはぁ……やり過ぎたじゃねえよ! 一瞬、三途の川の向こうで死んだひい爺ちゃんが手を振ってるのが見えたぞ(滝汗」
アユ「遊矢お兄ちゃんが変な事言うから悪いんでしょ。んしょっと」ゴロン
遊矢「……おい、今度は何勝手に人の膝の上に頭を置いてるんだよ?」
アユ「さっきの罰だよ。大人しく私に遊矢お兄ちゃんのお膝を貸しなさい!」フンス
遊矢「罰ってさっきのくすぐりで終わりじゃなかったのかよ……ああ、もういいや。好きにしろ」
アユ「うん、好きにするね~♪」スリスリチュア
遊矢(やっぱり今日のアユ、何時もと違うな。普段はここまでベタベタしないし……)
アユ「ねえ、遊矢お兄ちゃん」
遊矢「ん、今度は何だ?」
アユ「柚子お姉ちゃんとはもうちゅーしたの?」
遊矢「ぶぅぅぅぅぅ!!」
アユ「きゃあ! ちょっと、いきなり噴出さないでよ。唾付いちゃったじゃん、汚いな~」
遊矢「お前が急に変な事を聞くからだろ!!」
遊矢(てか今更だけど俺と柚子が付き合っているのが周りの奴らにはもう周知の事実になりつつある……素良の奴、何が上手く言っておくだよ!)
アユ「それでちゅーしたの? 柚子お姉ちゃんとは毎日らぶいちゃなんだよね?」
遊矢「らぶいちゃって……悪いが話すつもりは無い!」プイッ
アユ「えー。気になるんだから教えてよ~」
遊矢「断る。アユには関係無い事なんだから気にする必要は無いよ」キッパリ
アユ「…………」
遊矢(ん?)
アユ「そう、だよね。私には関係無い事だもんね……ごめんね、変な事聞いちゃって」
遊矢「アユ?」
アユ「デッキ調整の続きやろっか。さてと、デッキのお魚さん増やそ~っと」
遊矢「…………」
アユ「あ、そろそろ柚子お姉ちゃん来ても良い頃だよね。柚子お姉ちゃん早く来ないかな~」
遊矢「……どうしたんだ、アユ?」
アユ「ど、どうしたって何が?」
遊矢「今日のお前、明らかに様子がおかしいぞ。何かあったのか?」
アユ「別におかしくなんて……」
遊矢「いや、おかしい。妙にベタベタするし、急にションボリするし……何かあったのか?」
アユ「…………」
遊矢「言ってみろよ。俺に何が出来るかは分からないけど、少なくとも話なら聞けるからさ」
アユ「…………」
アユ「私、私ね……遊矢お兄ちゃんも柚子お姉ちゃんも本当に大好きなの」
アユ「だから大好きな2人が仲良くなって、恋人さん同士になって、私とっても嬉しいんだ」
アユ「だけど2人が恋人さんになったら、やっぱり2人の時間が大切になるでしょ?」
アユ「そうなったら遊矢お兄ちゃんと柚子お姉ちゃんは私を置いて行ってしまいそうで……」
アユ「嬉しい事なのに、喜んであげないといけない事なのに……それを考えると何だかとっても寂しいの……」
遊矢「アユ……」
アユ「気づいてた? 私と遊矢お兄ちゃんが2人きりになるのは本当に久しぶりなんだよ」
アユ「だから我慢出来ずに思いっきり甘えちゃった」
アユ「だけどこれは私の我が儘だよね。もう遊矢お兄ちゃんには大切な人が居るのに……私、悪い子だよね」
遊矢「……そんな事は無い。アユは悪い子なんかじゃないさ」ナデナデ
アユ「遊矢お兄ちゃん……」
遊矢「ごめんな、アユ。お前がこんなに寂しい思いをしていたのに、それに気づいてあげられなくて」
アユ「そんな謝らなくても……」
遊矢「だけどアユ、これだけは分かってくれよ」
遊矢「確かに俺の中で柚子はとても大切な存在だけど、お前だって俺にとっては大切な存在なんだぜ」
遊矢「お前だけじゃない。勿論フトシやタツヤ、他の仲間達も同じだ」
遊矢「そんな大切な仲間を俺は絶対に蔑ろなんかにはしない。柚子だってそんな事は絶対に臨んでないはずだ」
遊矢「だから甘えたくなったら何時でも甘えて来い。遠慮なんてする必要はないからさ」
アユ「……本当に甘えて良いの?」
遊矢「ああ、男に二言は無いぜ」
アユ「……また一緒にデッキ調整してくれる?」
遊矢「勿論だ」
アユ「……こんな風にお膝貸してくれる?」
遊矢「おお、好きなだけ借りろ。俺の膝は只今大セール中だから」
アユ「……脇、こちょこちょしても良い?」
遊矢「そ、それはほどほどにしろ」
アユ「ふふっ……ねえ、遊矢お兄ちゃん」
遊矢「何だ?」
アユ「ありがとうね」ニコッ
…………
ドアガチャ!!
柚子「ごめん、遅くなっちゃた!」
遊矢「しぃー。静かにしろ」
柚子「へ?」
アユ「Zzz……」
柚子「えっと、何でアユちゃんが遊矢の膝の上で寝てるの?」
遊矢「いや、まあ色々あって……とにかく起こすのは可哀想でさ」
アユ「すぅ……すぅ……」
柚子「……うん、これは確かに起こせないわね。起こしちゃいけないわ」
遊矢「だろ?」
柚子「でもこのままだと風邪引いちゃうかも。私、毛布持ってくるね」
遊矢「頼む……ああ、それと毛布持って来たらお前もこっちに座れよ」
柚子「へ? 別に良いけどそれだとアユちゃん起きないかな?」
遊矢「これだけ熟睡してるなら大丈夫だろ。それに……」
柚子「それに?」
遊矢「柚子も一緒の方が、アユもきっと嬉しいと思うから」
アユ「むにゃ……2人とも……だいしゅきだよ……」
<おわり>
読んでくれた人、ありがとうございました。
アークファイブのSSはこのシリーズ以外にも『榊遊矢「アクションデュエルで童貞を捨てる」』『権現坂「不動のオ〇ニー」』なども書いているので、もしよろしければそちらもお願いします。では。
乙
乙
毎回投下終わりにすべてを台無しにしていくスタイル
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