「……はぁ」
悪夢のように伸びる坂道を眺めて、私は思わず溜め息をついた。……これから三年間、ハイキングを強制されるのかと思うと、口からは際限なく溜め息が漏れそうだ。
かつて、私の兄もこんな気分だったのだろうか。兄は気怠い雰囲気を常に纏っていたけれど、それはこの坂道に依るところもあるのではなかろうか。さもありなん。
兄が通っていたという理由だけで、安易に進学先を決めてしまったけれど、この坂道を見ていると失敗だったように思えて仕方がない。
……やれやれ。
まぁ、後悔先に立たず、である。気にすると疲れが溜まる一方だし、ここはさっさと乗り切ってしまうのが得策だろう。
私は兄が通っていた高校――北高まで、せかせかと歩を進めていった。
続きはどうした、まだなのか!
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません