勇者「別に魔王殺さなくて良くね?」戦士「!?」(69)

戦士「ん?え??もう一回言って??」

勇者「だから~、別に魔王ぶっ殺さなくて良くね?」

戦士「(°д°)」

戦士「え?!どうした勇者!?お前前は『絶対魔王をぬっ殺すぞ!!』」

戦士「って言ってたじゃねーかー!!!」

勇者「いや、俺も前までは殺すつもりだったけど」

勇者「魔王の城の近づくにつれて城やら街やら村が栄えてたし、旅の途中で鍛える為に魔物殺してたけど全然襲ってこないから前から結構違和感感じてたんだよ」

戦士「確かに…」


勇者「おまけにこの剣、見てみろよ」

戦士「は? 剣がどうしたってんだよ」

勇者「まぁ見ろって、コッチの剣と、もう一本の剣。 どう見えるよ?」

ピッカー♪ ボロボロ……


戦士「……スッゲェボロボロのクソ剣と、ピッカピカの良い剣だな」

勇者「ちなみにおんなじ剣な、この二本」

戦士「マジで!?」

勇者「マジマジ、勇者は嘘つかない。 ついたら死ぬし」

戦士「死ぬの!?」

勇者「死ぬ死ぬ、そりゃもうサックリとな」


戦士「って、おんなじ剣なのに、どうしてこんなに違うんだ?」

勇者「ヒント、一本は故郷の近隣村で買ったやつ」

戦士「あぁ、そういや出発したばかりン時はヒデェのしかなかったわな……」

勇者「カビパンとかマジで食わされると思わなかったしな」

戦士「ん? いやいやちょっと待て、それじゃその剣ずっと使っててボロボロになってるだけじゃね?」

勇者「こんな剣で戦ったら即神父さんコースと思って大事にしまっておいたんだよ」

戦士「あぁ、そういやいつも変な袋抱えてたよな、お前……」

勇者「いつか使うかもと思って、遂に最終決戦まで来ちまったよ……」


戦士「いや、でもよぉ…… 魔王だぜ? 魔王。 響きがもう悪い奴~って感じじゃね?」

勇者「そりゃそうなんだけど…… まぁ百聞は一見に如かずとも言うし、ちょっと待て」

戦士「ん? なんだそりゃ?」

勇者「ことわざとか言うもんだとさ。 あ、そこの坊主」


子供「ん? なぁに?」

勇者「尊敬してるやつって誰?」

子供「まおーさま!」

勇者「そうか! そうだよな!! ありがとよ!!」

子供「うん! おにーちゃん!! じゃーねー!!」

タッタッタッタ……

.


戦士「………」

勇者「とまぁ、そこ歩く子供に聞いてもこんな感じだ」

戦士「い、いやでも…… ここ魔王城の元にある街だし…… 偏見があるだけじゃ…」

勇者「ここの奴らの表情見てみろよ、俺たちの出て行った城の下町ん奴らはあんな顔してたか?」

戦士「してない」

勇者「だろ?」

戦士「うわー、王様うわー、なんというかうわーだよ、マジで」


勇者「つーかさ、俺らが魔王を殺しに来た理由ってなんだか覚えてるか?」

戦士「当たり前だろ! お前の腹違いの姉ちゃんが拐われたからじゃねぇか!!」

勇者「だよなぁ、あのクソアマ、顔と体だけはマジで良かったからなぁ……」

戦士「……おい、テメェその言い方。 あの人に手を出したんじゃねぇだろうなぁ!!!」

勇者「んなことしてたら俺死んでるよ」

戦士「はぁ? 何を言ってんだよ! あの人がんなことするわけねぇだろ!!」

勇者「あぁ、そういや外面も良かったっけ、あのクソアマ」


戦士「テメェ! 親友だからって許せねぇぞ!!!」

勇者「親友だから止めてたんだよ、マジで」

戦士「ハァ!? どういうことだ……」

勇者「ガキん頃、偶然裸を見たら馬乗りで殴られ続けてたわwww」

戦士「えっ………」

勇者「いやぁwww 親父が回復魔法覚えてなかったらあの時に死んでたよ俺はwwwww」

戦士「…………マジ?」

勇者「マジマジwww なんならこの兜外すかwwww 傷残ってるからwwwww」

戦士「……その兜って、勇者になりたいとか言い始めて、それで付けてたんだろ」

勇者「違ぇよwww 姉貴の外面のためだよwww あんなでも長女だし評判良かったしなwwww」

戦士「………」

勇者「どうしたwwww 笑えよwwwwww ……なぁ、笑えよ………」

戦士「………」


勇者「……話戻すけど、いいか?」

戦士「え、な、なんの話だったっけか?」

勇者「なんで魔王倒しに来たかって話」

戦士「あぁ、お前の姉さんが魔王に拐われて、それで助けに来たんだよな?」

勇者「あぁ……。 で、風の噂で聞いたんだが、俺らの王様ン息子が結婚したらしいんだよ」

戦士「あぁ、あのイケ好かねぇ奴か……」

勇者「でさ、その相手ってのが滅茶苦茶スゲェ美人らしいんだよ」

戦士「フーン、どんなだよ?」


勇者「まず、身長は俺より小さいくらいかな? それで栗毛の長髪らしいんだよ」

戦士「おっ! 俺の好みっぽいじゃねぇか! 良いなぁ王族は!!」

勇者「目はとても落ち着いた雰囲気を表してるかのような土の色に、空のような蒼色」

戦士「ますます俺好みだ! 見てみたいわ!!」

勇者「胸は林檎のようにハリがあり、甘い香りが誘うようで…」

戦士「……ん?」

勇者「その立ち振る舞いはまるでどこかのお姫様のよう……」

戦士「……なんか聞いたことある歌い文句な気がするんだが……」

勇者「横を通れば男女問わずに振り返り、ため息ひとつ……」

戦士「………」

勇者「さぁ! そのまるで現代の女神さまと言えるような人とはいったい、誰だ!!」

戦士「お前の姉さん」

勇者「正解!!!」


勇者「どうしてわかったんだ!?」

戦士「いや…… それ途中から、俺らの村であの吟遊詩人モドキが歌ってたじゃん」

勇者「うん、知ってる」

戦士「……つーか、マジで?」

勇者「なんか、いろんな人がいってる噂話をまとめたら、その確率がスゲェ高い」

戦士「……お前が直接見たわけじゃないんだな?」

勇者「あぁ」

戦士「そんじゃ俺は信じないぞ!! あのお姉さんに限ってそんなことが……」

勇者「なんかソイツ、勇者の血を引いてるらしいんだよ」

戦士「お前の姉さんじゃねぇかよ! 畜生!!」

勇者「だよなー」


戦士「なんだよ! もううわーどころか、ヌワー!!!!!!って感じだ! 畜生!!」

勇者「意味はわからんが、言いたいことはわかる」

戦士「ちょっと待てよ、俺の『やったぜ!! 勇者の姉さんと結婚計画』が終わっちまったじゃねぇかよ!!」

勇者「始まった時点で終わってたもんな」

戦士「お前を上手く見殺しにして! 俺が魔王を倒す計画も無駄になったじゃねぇか!!」

勇者「んなこと考えてたのかよ、親友」

戦士「いや、だってお前生き返るじゃん」

勇者「生き返るなー」

戦士「俺の幸せのために一回死ぬくらい、許してくれるかなって思ってさ」

勇者「たぶん許すだろうなぁ」

戦士「俺が言うのもなんだけど、お前人が良すぎだろ」

勇者「人が良くなきゃ、勇者なんか出来ねぇよ」

戦士「あぁ…… ブラックもビックリな労働だったもんなぁ……」

勇者「業務内容ってのがない分、スゲェ無茶振りとか来たもんなぁ」


戦士「あ、でもその分良い想いはしたんじゃねぇのか?」

勇者「どういうことだ?」

戦士「ほら! ドッカの村を助けた時に、金がないからって村長の娘を一晩って時あったじゃん!」

勇者「あぁ…… あれか……」

戦士「ん、どうしたんだ? 確か美人だったよな?」

勇者「いや、言ってなかったけど、勇者って職業を名乗ってる期間中、女抱こうとしたら死ぬんだ」

戦士「……そういやお前、あの日教会から出てきたもんな」

勇者「もう目の前で服を脱ぎ始めてくれて、気付いたら棺桶の中だぜ?」

戦士「うわぁ……」

勇者「どんだけ金が溜まっても、俺の恋人は常に右手だったんだよ……」

戦士「そういや風俗誘っても無理の一点張りだったもんなぁ……」


戦士「あ、でもよ! だったら魔王ぶっ殺して勇者辞めりゃいいじゃん!!」

勇者「いや、そこなんだけどよ。 別に魔王殺さなくて良くね?」

戦士「いや、なんでそうなるんだよ。 さっさと終わらせりゃ良いじゃん」

勇者「それもそうだと思うんだけどよぉ、なんか今までの考えると魔王が魔王じゃねぇじゃん」

戦士「そりゃどういうことだ?」

勇者「俺はさ、どっちかと言えば勇者として、世直しの為に魔王をぶっ殺しに来たんだよ」

戦士「真面目かお前は」

勇者「でさ、今までの事を思い返してから答えて欲しいんだけど……」

戦士「ん? なんだよ」

勇者「魔王と王様、どっちを殺したほうが世直しになる?」

戦士「王様」

勇者「だよなぁー!!!」


勇者「いやぁスッキリした! だよな! ヤッパそう思うよな!!」

戦士「うーん、いや、でもちょっと…… おい、勇者」

勇者「ん、なんだ?」

戦士「いや、俺たちは人なワケじゃん。 で、魔王は魔族なワケじゃん」

勇者「あぁ、そうだな」

戦士「なんつーか、うまく言えないんだけど、違うんじゃねぇの?」

勇者「違うって?」

戦士「ほら、俺らって人なんだから、人のために戦うべきじゃね?」

勇者「う~ん、それを言われると弱いなぁ……」

戦士「だろ! アレだよ! 王様コロコロしたら何のためにここに来たの? って感じだろ!!」

勇者「まぁな~」

戦士「あれだよ、まずは魔王ぶっ殺そうっぜ?」

勇者「んじゃ王様はどうする?」

戦士「王様もぶっ殺す」

勇者「うん親友。 知ってたけどもう少し考えようぜ」


戦士「なんで? 魔王は悪い奴。 王様も実は悪い奴。 だったら両方とも成敗だろ?」

勇者「うん、途中の大事なところがスッゲェ抜け落ちてるから落ち着け、な?」

戦士「どこがおかしいんだ?」

勇者「親友、君はハンムラビ法典もビックリな事を言ってるからね?」

戦士「なんだよ、訳のわからん事を言って……」

勇者「とにかく、今の問題はそこじゃないから流してくれ」

戦士「OK、なら先に王様をコロコロしてから」

勇者「違う違う、そうじゃ、そうじゃない」


戦士「相変わらず勇者は難しい事を言うな」

勇者「そう思うなら、まずは俺の話を聞いてくれ」

戦士「おう、言ってみてくれ」

勇者「まずさ、魔王って実はそんなに悪い奴じゃないんじゃないかって話だ」

戦士「バカな…… 魔王って言うからには悪い奴なんだろ?」

勇者「どうしてそう思うんだ?」

戦士「そりゃ、魔王だからだよ」


勇者「親友…… 頼む、そこで思考停止しないでくれ」

戦士「はぁ? どういうことだよ」

勇者「文字通りの意味だ。 あの魔王は、実は人一人殺してないかも……」

戦士「そんなわけねぇだろ!! 魔王ってのは一万以上の人を殺してんだよ!!!」

勇者「……そう、なのか………?」

戦士「あぁ…… ガキの頃、そう聞いたんだよ……」

勇者「だ、誰から……?」

戦士「ウチの母ちゃんから、早く寝ないと魔王が来るぞ~って」

勇者「おい親友、ちょっと頭冷やせ」


戦士「つーか、俺はお前の為も思って魔王コロコロって言ってんだぞ?」

勇者「ん、どういうことだ?」

戦士「お前、言ったじゃん。 女が抱けないって」

勇者「あぁ、死ぬからな」

戦士「だったらさ、さっさと終わらせて勇者の職業辞めりゃ良いじゃん」

勇者「別に良いよ。 この職業じゃないと俺スッゲェ弱くなるし」

戦士「そういや最初はスラ○ムにすら勝てなかったもんな……」

勇者「俺さ、男だったら魔物に襲われないと思ってたけどさ……」

戦士「勇者、ストップ。 その話は終わりにしよう」

勇者「スライムって液体だからな…… 新しい性癖が……」

戦士「やめるんだ、この話は誰も得しない」


勇者「まぁ、俺は別に気にしてないから良いよ」

戦士「はぁ? 女を抱けないって一大事だろ!?」

勇者「いや、別にどうでも良いやって思ってさ」

戦士「……そういや魔物とそういうことしても死なないのか?」

勇者「いや、相手が♀モンスターで、そういうつもりでやったらダメみたい」

戦士「試したのか」

勇者「だってモンスターとかさ、胸とか全部隠さないで来るじゃん?」

戦士「あぁ」

勇者「そういう気持ちにならね?」

戦士「なる」

勇者「だよなぁ!」


戦士「いや、だからこそさっさと勇者辞めればいいじゃねぇか」

勇者「……親友、この魔法写真を見てくれ」

ピラッ……


戦士「ん、メッチャ可愛い娘だな? 見たことはないけど」

勇者「その、俺の大事な人だ……」

戦士「マジで!!? え!? どんな娘!?」

勇者「その、プリンちゃんって名前……」

戦士「へぇ!? 可愛い名前じゃ」

勇者「それが源氏名でさ…… 本名はカオル……」


………………


戦士「…………………どっち…?」

勇者「……勇者ってさ ……男はOKなんだね」


戦士「……………」

勇者「……一通り終わったらさ、相手の親に挨拶を」

戦士「待て、待て待て待て、そんなマダンテ並みの情報を出すな、俺の精神が死ぬぞ」

勇者「凄く良い子なんだよ……!!!」

戦士「知るかよ!! 落ち着けよ!! 一線超えるんじゃねぇよ!!」

勇者「いや、もう超えた後だから」

戦士「知るか! というか知りたくねぇよ!! 魔王の前に俺の心が死ぬぞ!!」

勇者「ちなみに、最初は性欲だったけど、今ならハッキリ愛だと言え」

戦士「頼むからちょっと黙ってくれ!! 親友が┌(┌^o^)┐と知ってキツいんだよ!!!」

勇者「違う! ホモじゃない!! 俺はカオルが好きなん」

戦士「違う違う、そうじゃ、そうじゃない」


勇者「まぁ、混乱させて悪かった。 この話は後にしよう」

戦士「頼む、そうしてくれ」

勇者「とりあえず言いたかった事は、俺のことは気にするなってことだ」

戦士「別の理由で気にしなきゃならなくなったがな……」

勇者「親友、俺はもうカオルしか目に映らない……」

戦士「違ぇよバカ」

勇者「違ぇの?」

戦士「当たり前だろうが!」

勇者「でもお前、俺が女装したときの目がマジだったじゃん」

戦士「それはそれ、これはこれ」

勇者「それ認めてることになるじゃん」

戦士「正直、女体化の池に突っ込もうか三日は悩んだ」

勇者「悩んだのかよ」

戦士「機会があったら突っ込むで結論出したわ」

勇者「それダメな結論じゃねぇか」


勇者「えっ? つーか女体化の池ってなに? 俺知らないんだけど」

戦士「あぁ、俺さ、迷いの森でお前とはぐれて遭難してたじゃん?」

勇者「うん、あの時は絶望的と思ってたけど、帰ってきてくれて凄く嬉しかったよ」

戦士「そんときに見つけた」

勇者「マジで? どうやって見つけたの?」

戦士「なんかジジイが住んでて、色々教えてくれた」

勇者「はぁ? 嘘を付くならもう少しマシな嘘を……」

戦士「そこで霞を食う方法を知らなかったら餓死してたなぁ」

勇者「親友、そのジジイたぶん人じゃない」

戦士「マジで!?」

勇者「ついでに君も人外に数歩踏み出してる」

戦士「マジで!!?」


勇者「たまにモグモグしてると思ったら、霞を食ってたのか……」

戦士「案外美味いんだぜ? その地方によって甘味があったり、渋みがあったり」

勇者「味の違いがあるのか……」

戦士「最近は人が多いせいか、ちょっとほこりっぽいんだよなぁ」

勇者「その仙人は、迷いの森の霞が好みの味で住んでるのか……」

戦士「仙人ってジジイ? いやいや、違ぇよ」

勇者「違うの?」

戦士「あぁ、そこにさ、若返りの池ってのもあってよ」

勇者「なるほど、ほぼ永久に生きるために住んでるのか……」

戦士「そこに迷い込んだ旅人突っ込んで、『幼女の香りは最高じゃぁ///』とか言ってた」

勇者「まずはソイツをぶっころそう」

戦士「行ったらお前を女体化するけど良い?」

勇者「なんて究極の選択なんだ」


戦士「とりあえず、落ち着こうか」

勇者「そうだね、この話はあとでしっかり話そう」

戦士「あぁ、それじゃ魔王はどうするかって話なんだが……」

勇者「うん、俺は別に戦ったりしなくても良いんじゃね? って思ってる」

戦士「俺はやっぱりコロコロした方が良いと思う」


…………

戦士「……よし、なら折衷案を出そう!」

勇者「その言葉を知ってたことに驚いてる俺がいるよ」

戦士「魔王は半殺しにしよう!」

勇者「戦士、それ折衷案じゃない」


戦士「なんだよ! 殺すに一票! 殺さないに一票! なら半殺しだろ!?」

勇者「いや、その考えはおかしい」

戦士「おかしいか? まぁ勇者の方が頭が良いからおかしいんだろうなぁ」

勇者「というか、君さ、半殺しにしたらもういいやって言ってトドメ刺すよね?」

戦士「……刺すな!」

勇者「やっぱり?」

戦士「勇者、この案、何が間違ってたんだ……?」

勇者「最初から間違ってたと思うよ」


勇者「まぁ、魔王討伐はヤメにしてさ、帰ろうよ」

戦士「ううむ…… あ、そうだ!!」

勇者「何を思いついたの?」

戦士「ここでウジウジ言ってないで、魔王に会ってみようぜ!!」

勇者「えぇ~?」

戦士「なんだよ、ノリが悪いなぁ。 元々はコロコロしようとしてたんだろ?」

勇者「それは悪い奴だからやろうとしてたんだよ」

戦士「悪い奴かもしれないだろ!? それを直接見て確かめようぜ!!」

勇者「……確かに、そっちの方が良いか」

戦士「よぉし! 話は纏まったな!! 行くぞ!!」

勇者「ちなみに戦士、悪い奴の基準ってなに?」

戦士「金持ちとか?」

勇者「この世が悪者だらけになるわ」


勇者「とりあえず、俺が悪者かどうか判断するから、それでお願い」

戦士「勇者がそういうならわかった、任せるぞ」

勇者「それじゃ、まずは魔王に会わなきゃいけないんだけど……」

戦士「OK、勇者。 この城を走破する覚悟は出来てるぜ」

勇者「うん、心強いよ。 それじゃ行こうか!!」


……………

………


『 魔王城 1F 』

ワーワー♪ キャッキャッ♪
オニゴッコシヨー! エー!? オママゴトー!!

勇者「………」


『 魔王城 2F 』

ホッ! ホッ! トメさん!
ワカッテマスヨ,オジイサン……
オバーチャーン♪

戦士「………」


『 魔王城 3F 』

 【 ブレイブ ・ 物語 】
・ 世界を滅ぼそうとしていたのは実は魔王だった!! 勇者は彼を止められるのか!!?

オモシロカッタネー♪ ネー♪ モッカイミターイ♪
サクガ クズレタトコ アッタ? ホラ、アノ戦闘シーンノマエ……


……………

.


『 魔王城 4F 』

受付「こちらの部屋で少々お待ちください」

バタンッ


勇者「………どう思う」

戦士「……なんか、想像してたのと違う」

勇者「つーかなに、魔王城。 一階が託児所? とかって言ってたよね」

戦士「子供が農作業してないってのな、スゲェよな」

勇者「二階は老若男女問わず、色んな人が体動かしてたね」

戦士「誰も鉄製の武器は持ってなかったよな」

勇者「三階は映画とかって言ってたもんやってたね……」

戦士「勧善懲悪物で、魔王が悪だったな……」

………

戦士「よし、王様コロコロしよう」

勇者「文句はないけど、その辺は後で話そっか」

おどろきのホワイト魔王……


~~~ 一時間後 ~~~

フハハハ!!! ニゲルノカ? ソレモヨイ!! ワタシハ マッテイルゾ!!! フハハハハハ……!!!


バタンッ

勇者「………………」

戦士「………………」


………………


勇者「……ツンデレだったな」

戦士「だったな、オッサンだったけど」


勇者「魔王っぽい、意味ありげな笑いと共に現れたよな」

戦士「その挨拶と一緒に名刺くれたけどな」


勇者「我によく顔を見せられたなぁ! 褒めてやる!! とか言ってたな」

戦士「なんかキッツキツのスケジュールを調節してくれたみたいだったけどな」


勇者「この地に住もう物が血を滲ませ、想いを込めたものをこの手にした! とか言ってたな」

戦士「持ってたの千羽鶴だったけどな」


勇者「……普通にいい人だったな」

戦士「だったな」


勇者「うわー、なんだろう、統治する人でこんなに変わるモンなのかぁ」

戦士「なんか俺も恥ずかしいわ、魔王は悪い奴とか言ってたのが」

勇者「俺も俺も。 あの人を討伐とか、バカだろ」

戦士「つーか、多分あの人討伐せんでも少しすりゃ逝くだろ」

勇者「あ、お前も思った?」

戦士「あぁ、化粧してたけど目の下のクマとか凄かったもんな」

勇者「だよなぁ、俺さ、あの人に隠れて回復魔法をかけまくってたよ」

戦士「あ、俺も俺も」

勇者「えっ、お前魔法使えないだろ?」

戦士「隠れて気を送ってたわ」

勇者「なにそれ初耳なんだけど」


戦士「えっ? おまえ気を使えないの?」

勇者「使えないというか始めて聞いたんだけど」

戦士「あ、そうか…… 『キ』じゃなくて 『ハオ』 って呼ぶとこもあるって話が」

勇者「違う、そうじゃない」

戦士「(゚д゚lll)エッ」

勇者「いや、んな顔されても困るから」

戦士「そ、それじゃ…… おまえ、筋肉を膨張させたり出来ないのか!?」

勇者「出来るのが当たり前ってスタンスで話さないで? 普通は出来ないからね?」


戦士「マジか…… いや、でも勇者さ! 攻撃力とか防御力を上げたり、逆に下げたり出来るじゃん!!」

勇者「うん、バイキルトとか、スカラとかルカニだね」

戦士「あとさ! 光線出したりしてたじゃん!!」

勇者「あぁ、ベギラゴンのことだよね」

戦士「えっ? カメ○メ波じゃ」

勇者「戦士、多分それ世界が違う」

戦士「それじゃ、獅子咆哮○か」

勇者「うん、また知らない言葉が出てきたね」

戦士「ペル○ナか!!!」

勇者「キミ、もう合わせる気もないよね」


戦士「うわ~、これで俺も魔法使いになれると思ってたのに、マジか~……」

勇者「多分それより凄い、オンリーワンなことが出来るでしょキミは」

戦士「いやいや、これジジイから習ったから、使えるの俺だけってわけじゃねぇよ」

勇者「なに、それ迷いの森の仙人から習ったの?」

戦士「仙人がジジイのことならそうだよ」

勇者「うわ、ちょっと仙人のこと見直したわ」

戦士「ん、なんで?」

勇者「いや、ここの魔王さ、途中から見るからに生気が出てきてたもん」

戦士「そういやそうだったな」

勇者「うわー、俺の回復魔法も捨てたもんじゃないとか、勘違いしてたよ……」

戦士「あの魔王、後光がさしてると思ったんだけど」

勇者「あ、それが俺の回復魔法の光だわ」

戦士「あぁ、魔王のオプションじゃなかったのか」


勇者「そういえばカ○ハメ波とか、獅子○哮弾とか、○ルソナってなに?」

戦士「ううむ、最後のやつしか説明出来ないんだが……」

勇者「それじゃ最後の奴はどんなの?」

戦士「えっとさ、なんか、自分の隠してる本性? とかってのを具現化するらしいんだけど」

勇者「なんか煮え切らない答えだね」

戦士「いや、実は俺もよくわかってない」

勇者「それは説明出来るとは言わないじゃん」

戦士「いやぁ、そのさぁ…… まぁいいや。 百分は一分しかならないだっけ?」

勇者「百聞は一見にしかず」

戦士「そうそれ! ちょっと見ててくれよ!!」


戦士「ペルソ○ァ!!!」 ブゥンッ

戦士 戦士《偽》


勇者「」

戦士「ってさ、こんな感じに」

戦士《偽》「出てくることは出てくるんだけどよ」

勇者「」

戦士「なんか思ってることが」

戦士《偽》「どっちも一緒だし、ジジイは違うって言ってたんだよ」

戦士&戦士《偽》「ホント、ダメダメだよなぁ」


勇者「いやスゲェから!?」


勇者「えっ? なにそれ? なんで二人になってんの?」

戦士「はぁ? すごくないよな?」

戦士《偽》「おんなじこと考えてるとか、失敗してるんだぜ?」

勇者「それ逆にスゲェよ」

戦士「言っても増えるだけ…… あっ…!!」

戦士《偽》「これを勇者に覚えさせれば!!」

戦士&戦士《偽》「片方を女にしてみんなハッピーじゃね!?」

勇者「お前らは何を言ってんだ」

戦士&戦士《偽》「いや、俺NTRとか嫌いだから」

勇者「そういうことを言ってんじゃない」


戦士&戦士《偽》「「そうと決まれば迷いの森に行こうぜ!!!」」

勇者「いや、決まってないし、決めてないから」

戦士&戦士《偽》「「なんだよ、ノリが悪いなぁ……」」

勇者「自分が親友に犯される為に、ノリノリで行く奴がいると思うのか?」

戦士&戦士《偽》「「犯すためだったらここにいるぞ」」

勇者「うん、少し落ち着いて?あとそろそろ戻って」

戦士「はいはい、それじゃ、さよならだ」

戦士《偽》「サヨナラじゃねぇ、またな、だろ? 俺はお前の…… ソコに居んだから」 胸ドン

戦士「ハッ、そうだったな。 またな」 胸ドンッ


勇者「なにこれ」


戦士「よし、それじゃ戻ったし、迷いの森に行くか」

勇者「いや、行くって決めたわけじゃないから」

戦士「なんでだよ!! 俺の『幸せ! 女勇者とハネムーン計画』が崩れるだろ!!」

勇者「個人的には崩れてほしいけどなぁ」

戦士「つーかさ、思ったんだけど、俺が使えたんだからお前も使えるんじゃね?」

勇者「何を?」

戦士「ペ○ソナ」

勇者「なんかその名前使ってると、そろそろどこかに怒られそうな気がするんだけど」

戦士「それじゃ分身で良いか」

勇者「うわぁ、スゲェあっさりしてるね」


戦士「で、分身使えるかやってみねぇ?」

勇者「まぁ使えたら凄く便利そうだし、やってみる」

戦士「おぉ、さすが親友だ!」

勇者「えっと、コツとかあるの?」

戦士「とりあえず叫んでみたら良いと思う」

勇者「ないんだね、OK」

戦士「まずはやってみようぜ! 俺はそれで出来たから!!」

勇者「それで出来るのは君くらいだよ」


???「悠久なる闇をこの身に受け、飽くまでの怨嗟を喰み……

     世の絶望を望まんが為に生まれ、世界をこの手で握り潰さんと願い

     人の笑顔を憎み! はるか過去から未来まで黒く塗りつぶさん事を約束しよう!!!



     我は! 勇者《偽》 なり!!!!」


勇者「どうすればいいの、コレ」

戦士「いや、俺に言われても……」


戦士「とりあえず、成功おめでとー」

勇者「いや、これ大失敗だろ」

戦士「でも分身したじゃん」

勇者「まず、コイツと意思疎通が出来るのかがわからんし、俺あんなこと思ってないし」

戦士「いやいや、多分これがお前の本音なんじゃね?」

勇者「うーん、あのクソアマ単体だったら似たような事は思ってるけど」


勇者《偽》「クソアマとはなんだ!! 私の尊敬する姉ではないか!!」

勇者「多分、俺の真逆なんだと思う」

戦士「お前、ホントに姉さん嫌いなんだな」


勇者「まぁいいや、とりあえず何かの役に立つかも知れないしね」

戦士「迷いの森に行ってジジイから色々聞いたほうが良いかもな」

勇者「そう? 俺としてはもうカオルのとこに行って末永く幸せにってオチにしたいんだけど」

戦士「そっか、お前がそうしたいならそれで良いんじゃね?」

勇者「じゃあ、そうしたい」

戦士「OK」

勇者「なんだかんだで素直に従ってくれるとことか、相当感謝してるよ」

戦士「そうか? 親友だし当たり前だろ」


勇者「それじゃ、行こっか」

戦士「おー」

勇者《偽》「はぁ?」


………………


勇者「そういやどうやって元に戻んの?」

戦士「俺は念じたら元に戻ったぞ」

勇者「戻れ~、戻れ~」

勇者《偽》「バッカじゃねぇの? 戻るわけねぇだろ」


勇者「あ、これダメなやつだ」


勇者「うわ、どうしよう、コレ放っておけないよなぁ……」

戦士「まぁ俺も、分身でも親友を放っておくのはなぁ……」

勇者《偽》「いや、いらねぇから。 寧ろオメェら邪魔だから」

戦士「おい親友、こんなこと言ってるぞ?」

勇者「ちょっと傷つくなぁ」

勇者《偽》「黙れホモ」

勇者「ホモじゃねぇっつってんだろうが!!!」

戦士「勇者、落ち着けって。 周囲に聞こえるぞ」

勇者「男が好きなんじゃない!! 好きになったのが男だったんだ!!!」

戦士「勇者、その言い分は逆効果だから落ち着け、な?」


勇者「クソッ、みんなしてホモホモ言いやがって……!」

戦士「おい勇者。 なんでホモってとこにそんな敏感なんだよ。相手が可哀想だぞ」

勇者「俺がバカにされるだけなら良いんだよ…… でもカオルを間接的にバカにされてるようで……」

戦士「おい、その言い方はお前が相手をバカにしてるように聞こえるぞ」

勇者「なんでだよ!!!」

戦士「相手さんは、それくらいでお前を見限るような娘…… じゃなくて子なのか?」

勇者「……っ!!!」

戦士「まぁ、そういうことだ」

勇者「……ありがとう、親友」


勇者《偽》「え、なにこの空気。 ホモこわいわー」

戦士「なんつーか、お前全体的に残念だなぁ」


勇者《偽》「はぁ? 残念じゃねぇし!? 寧ろ尊敬モンだし!! 敬えし!!」

戦士「いやいや、無理だろ」

勇者「まぁ、冷静になったらアホっぽいよね」

勇者《偽》「アホじゃねぇよ! てめぇ謝れ! 土下座だ!! 土 下 座 !!」

勇者「うわぁ……」

戦士「つーか髪が長いけど、勇者が短髪だからお前長髪なの?」

勇者《偽》「あぁ! 自慢の髪だし!! メッチャつやつやだし!!」

戦士「そういや勇者は髪とかすげぇ無頓着だもんな」

勇者「なんかコイツ、安っすい逆属性だなぁ……」


勇者《偽》「安いとかざけんなよ! 俺は高いし! 高級だから!! お前こそ安いから!!」

勇者「なんかもう見てらんないわ……」

戦士「つーかマジで綺麗な髪だな。 ちょっと触っても良い?」

勇者《偽》「うわキモ! ヒくわー、マジでヒくわー。 いっぺん死んで欲しいわー」

戦士「んだてめぇ! もういいよ!! 無理矢理でもてめぇの髪に触ってやる!!」

勇者《偽》「うわー! バリー! バリヤー!! お前これで俺触れねぇから!!」

戦士「バリ破壊ー! 一回だけならバリ壊せるしー! これで触れるぜ!」

勇者《偽》「ギャー! バリー! バリーって言ってんだろ! バリー!!」


勇者(あ、精神年齢が一緒だコレ)


戦士「うわっ、マジで綺麗だ、すっげぇー」

勇者《偽》「もういいだろ! 離せよ!! ウゼェ!!」

戦士「はいはい、ゴメンって」 ヒョイ

勇者《偽》「うわー、もー、一番触れたくねぇ奴に触っちまったー、げー」

戦士「なんだよ、それくらい。 勇者だったら全然気にしねぇのに」

勇者「逆ってことは、俺一番の親友な君は一番嫌われてんじゃね?」

戦士「えっ? お前、俺のこと嫌いなの?」

勇者《偽》「魔王とかじゃなくて、お前が死ねばいいと思ってる」

戦士「うわー、ちょっと傷つくわ…」

勇者「ホントにお前、安い逆属性だなぁ……」


戦士「でもお前さ、男が髪をなんで気にしてんだよ、そっちの方がキモいだろ?」

勇者《偽》「はぁ?」

勇者「つーか俺は長髪の野郎に良い思い出がないから、嫌なんだけどなぁ」

勇者《偽》「いやいや」

戦士「となると、コイツはきちんと女好きのナンパ野郎になるのかwww」

勇者「だから! 俺は男が好きなんじゃなくて、カオルが……」

勇者《偽》「いやいやいや、テメェら何言ってんの?


       俺、女だから」

戦士「勇者、マジでありがとう」

勇者「親友待て、ホント待って、お願い」


戦士「どうした親友! いや、義兄さんと呼ばせてくれ!!」

勇者「待て、コイツは兄妹とかじゃなくて俺だから」

戦士「勇者、さっきまで悪かった…… 性別とか関係ないよな… 俺もこの娘が好きなんだ」

勇者「格好よく言ってるつもりだろうがお前色々とダメだぞ」

戦士「良いじゃん! 自分の体の一つや二つくらい! ケチ!!」

勇者「ケチじゃないよ、つーか普通体は一個しかないからね?」

戦士「現に! ここには二つあるじゃないか!!!」

勇者「勢いで誤魔化そうとするなよ、親友」

勇者《偽》「ハッハッハ! なんか大変そうだなぁ!!」

勇者「お前のせいでな……」

勇者《偽》「それは愉快愉快w」

勇者「うわー、なんか凄いやる気が削がれてくわぁ……」


戦士「よし! それじゃこうしよう!! 俺が落とせたらOK!! 無理だったら諦める!!」

勇者「まぁ、言いだしたら聞かないしなぁ……」

戦士「どうだ!?」

勇者「…………期間を設けよう。 ここまでに落とせたらってことで」

戦士「ありがとう親友……! 俺、頑張るよ!!」

勇者「あぁ。 でも、出来れば親友が第二の俺(?)に言い寄るところは見たくないんだが」

戦士「それは出来ない相談だ」

勇者「ある意味逞しすぎるよ、お前」

勇者《偽》「お、話は終わったのか?」

勇者「あぁ、お前を売る方向でな……」


勇者《偽》「はぁ? なんだそりゃ?」

勇者(まぁ、さっきの様子だと戦士のことを世界一嫌いみたいだし、大丈夫だろ)

戦士「勇者《偽》!! 俺と結婚してくれ!!!」

勇者《偽》「いや、意味分かんねぇし」

戦士「頼む!! 後生だから!!! なんでもするから!!!」

勇者「こんな親友見たくなかったわ……」

勇者《偽》「なんでも? それじゃそこの勇者とホモセックスしろって言ったら?」

戦士「寧ろご褒美!!!」

勇者「お前こそホモだろ、親友」

戦士「ちゃうねん、男が好きじゃないねん、好きな人が男なんやねん」

勇者「戦士、その言い分は逆効果だから落ち着いてくれ、な?」


戦士「まぁ、冗談はさておき……」

勇者「いや、本気で言ったろ、お前……」

戦士「頼む! 俺はお願いすることしかできないが! 付き合ってくれ!!」

勇者《偽》「は? 嫌だし」

戦士「一回! 一回だけで良いから!!」

勇者「それ絶対に一回じゃ終わらないパターンだよね」

勇者《偽》「そうなの?」

勇者「うん、体験談だけどね」

勇者《偽》「何の体験談?」

戦士「ナニの体験談?」

勇者「うん」

勇者《偽》「???」


勇者「で、どうするの? ちゃんと答えないと押し切られるよ?」

勇者《偽》「いや、最初っから言ってるけど、俺はコイツのことが嫌いって……」

戦士「お願いしますっ!!!」

ガシッ!!!

勇者《偽》「!?!!?」

勇者「両手で手を掴んで…… そこまで必死か、親友…」

戦士「当たり前だ!! お願いします!! なんでもしますから!!」

ギュゥゥゥゥ……!!


勇者《偽》「…ッ………」


………

勇者「……ん? どうしたの?」


勇者《偽》「………ア…///」

勇者「……はぁ?」


勇者《偽》「……ハァ…ッ…ンン……ッッ ///」


勇者「………」


勇者《偽》「イ…… イァァッ /// ひぅゥ…ッ!? ///」


戦士「………」 ギュゥゥゥ……


勇者《偽》「……アンッ /// ヤ、やぁぁ…… ///」


……………


勇者《偽》「……ッキラいなのにッ /// イヤなのにッ…… 悔しいっ、でも、感じちゃうッ ///」ビクビクゥ!


勇者「これアカンやつや」


戦士「俺と付き合ってください! お願いします!!」

勇者「親友! すげぇな!! それでも行くの!? ちょっと本気なの!?」

戦士「俺はいつだって本気だよ!!!」

勇者「なんだろう、格好いいセリフのはずなのに、今すげぇ格好悪いよ」

勇者《偽》「わ、わかった /// わかったからハナシテェェ!!! ///」

勇者「お前ももうちょい頑張れよ、なんだよ、俺、本気で落ち込むよ?」

戦士「やったああぁぁぁ!!! 勇者!! やったよ俺!!!」

勇者「俺は今、すっげぇ複雑だよ……」

勇者《偽》「べ、別に! アンタが好きで許可したんじゃないんだからね!! ///」

勇者「お前ってホントに残念なやつだなぁ! 畜生!!」


勇者《偽》「で、でも! 俺の夫になるんなら生半可じゃだめだからな!!」

勇者「もう夫かよ、お前チョロインにも程があるだろ」

戦士「それじゃ、俺が世界征服して、それをプレゼントとかでどう?」

勇者「おい、お前が魔王になるのか? 辞めろよ? 振りじゃないぞ?」

勇者《偽》「……ステキ…///」

勇者「黙れチョロイン、マジで考え直せ親友。 俺はお前を討伐したくないから」

戦士? いや、戦士魔王!!!
「俺は、彼女の為なら世界を敵に回してもいい!!」

勇者「マジで頭冷やせバカ野郎」


戦魔王「つーかさ、勇者は否定ばっかでずるいぞ! なんか意見を出せよー」

勇者「俺がなんかいったらそれ実行するだろお前」

戦魔王「うん」

勇者「うんじゃねぇよ」

勇者《偽》「ま、まぁ…… 世界の半分くらいにマけて上げてもいいわよ…///」

勇者「もう頼むから黙っててください、お願いします」

戦魔王「ん、半分でも、いいのか…?」

勇者《偽》「……ホントは全部欲しいけど、贅沢言わない ///」

勇者「カオル…… 俺もう疲れたよ……」


戦魔王「半分くらいなら、どうにかなりそうな気がする……!!」

勇者「なるわけないでしょ……」

勇者《偽》「そうなの……?」

勇者「当たり前だろ? この世界、半分は魔王、そしてもう半分は王様が治めてるんだぞ?」

戦魔王「……なぁ、勇者」

勇者「あぁ? なんだ、親友?」

戦魔王「……王様、コロコロしても良くね?」

勇者「………………」


………………


…………

……


『 勇者様ああぁぁぁぁ!!!  』

勇者「いやぁ、カオルがまさか女の子だったなんて……」

「魔法でちょっとだけ性別を変えてて…… 幻滅した…?」

勇者「寧ろGJ」

『勇者様!! こちらでしたか!!!』

勇者「ん、君は?」

『王様より派遣されました!! 戦士です!!』

勇者「あぁ、そういえばそんな手紙が来てたような……」

『今、王は新たな魔王と敵対関係にあります!! こちらの討伐は中断し、そして……』

勇者「ごめん、ちょっと聞いてくれるかな?」

『ハッ! なんでありますか!!』

勇者「別に魔王殺さなくて良くね?」 戦士『!?』

終わり

乗っ取りと駄文失礼。 このあとはどこに報告すれば落ちるのかな?

ともかく、読んでくれた人、もしいたらありがとうでした~


ここは完結したら落ちるまで放っておくというシステムだよ。


面白かった

OK,教えてくれてありがとう
また乗っ取ったりするかも。 それでは~

結果的に女だったとしても驚きのホモ率
面白かったよ乙!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月20日 (火) 12:52:23   ID: Uhk2QpyZ

おつくに

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