絵里「初デートの」希「行方」 (215)
・前スレ 希「カップリング」絵里「100の質問?」
希「カップリング」絵里「100の質問?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1411986787/)
のおまけとして書く予定だったものの1つです(初デート編)
・のぞえりです
―朝 絢瀬家―
絵里「希との、初デート」
絵里「今日は希に思いっきり甘えさせてあげる日にしないと」
絵里「なにがなんでも失敗するわけにはいかないわ!」
絵里「なにせ告白のときにあんなこと言っちゃったんだもの……」フウ
絵里「…………………!!」
絵里「思い出すだけで恥ずかしくなってきたわ…我ながら、なんであんなこと言えたのかしらね//」
絵里「――とにかく、服は亜里沙に手伝ってもらってちゃんと決めたし、髪もこれで大丈夫…よね?」
絵里「さあ、じゃあ出掛けましょ。はやめに待ち合わせ場所に行かなきゃ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414771504
―待ち合わせ場所―
絵里「ふう、到着っと」
絵里「希ーーーはまだ来てないわね。あと5分くらいかしら」
絵里「―――――――――」
絵里「初デート、か……」
絵里「まさか本当にこんなことできるようになるなんてね」
絵里(ちょっと前までの私にこのことを教えてあげたら、どんな顔するかしら……)
絵里(信じられないって顔? まあそうでしょうね。実際今の私だってまだ夢から醒めきってない感じだもの)
あのクソスレの続きか
おだてられて調子に乗っちゃった?
絵里「希………」
絵里(はやく会いたいーーーけど、会ったら会ったでまともに顔を見れないかもね)
絵里(2人で遊びにいくことは今まで何度もあったけど、デ、デートなんて初めてなんだし…)
絵里(マズいわ、なんかもう緊張してきた……)ソワソワ
絵里(落ち着くのよ、絵里!1週間も前から何度もシミュレーションを繰り返してきたじゃない!)
絵里(そうよ、こんなのテストと同じ!傾向と対策をしっかり研究しておけば8割は取れるわ!)ウンウン
希「…………………」ジーッ
絵里(ん?……8割?)
絵里(ダメじゃない!今日の私は8割程度で妥協するわけにはいかないのよ!!)
絵里(ど、どうしよう…今から足りない2割を補うためにはどうしたらいいの!?ああ、もう時間がーーーー!)
希「え~りち!」ポンッ
絵里「ひゃん!の、のの、のぞみ!?」
希「うん、おはよ、えりち♪」
絵里「おはよう…もう、いきなりおどかさないでよ」
希「ごめんごめん、なんかえりちが面白い顔して考え込んでたからつい」
絵里「面白い顔ってなによ!人が真剣に考えてたっていうのにーーー」
希「? なに考えてたん?」
絵里「え、えっとそれは……」
希「それは?」
絵里「……80点のテストを100点にする方法?」
希「それは大変な問題やなあ」クスクス
絵里「さ、さあ!それはいいから行きましょ。今日はせっかくのは、初――――」
希「でもえりち」フイッ
絵里「―――なに?」
希「33点を88点にするのとか、11点を77点にする方法やったら教えてあげられるで~」ニコッ
希「こないだ穂乃果ちゃんが『こんな点、お母さんに見せたら殺されちゃうよ~』って泣いとったから一緒に考えt―――」
絵里「もう!」グイッ
希「あっーーーー」
絵里「希?こういう時には雰囲気ってものが大事なのよ!雰囲気が!! 分かってるの!?」
希「え…あ、ごめんえりち」
絵里「……ふん。わかればいいのよ、わかれば。まったく」
絵里「せっかくの、初デート、なんだから……//」ボソッ
希「え?えりち、今なんて?」
絵里「なんでもないわ!それより希、今日はどこに行きたいの?」
希「ウチが行きたいところ?」
絵里「ええ。遊園地?水族館?ショッピング?それとも海でも見にいく?」
希「えっとな…ウチ、今日はえりちと2人でゆっくり過ごしたい」
絵里「ええーーー」
トリップ忘れていました
希「それでな、神田のあたりに古本屋さんがいっぱいあるの、えりち知ってる?」
絵里「んー、行ったことはないんだけど、雑誌の特集で何回か見たことがあるわ」
希「そう。昔からやってる古いお店がいっぱいあってすごくいい場所でな」
希「そこで一緒にのんびり本見て回ってみたいんやけど…ええ?」
絵里「ハラショー…それ、すごくいいと思うわ!」
希「ほんま?よかったあ」ニコ
絵里「それじゃあ、まずは電車に乗らないとね。たしかこっt―――」
希「えりち、そっち行ったら家に帰っちゃうで~」
絵里「えっ」
―駅―
絵里「電車が来るまで10分くらいあるわね」
希「人少ないし、座って待ってよっか」
~~~~~
絵里「………………」
希「………………」
絵里「電車、まだかしらねー」
希「うーん、いま2駅前まで来てるからあとちょっとなんちゃうかな~」
絵里「そ、そうね…」
絵里「…………………」
希「………………」
絵里「あっ、あの」
希「ん?」
絵里「あ、や、やっぱりなんでもない……」
希「?へんなえりちやね~」
絵里(か、会話をうまくつなげられない……!)
絵里(さっきは希がいきなり話しかけてきたからいつも通りに話せたんだけど)
絵里(いったん仕切り直しちゃって、さっきの緊張が戻ってきたみたい…)
絵里(…ううん、ここは気の利いたことでも言ってしっかり会話をつくらないと。今日は私が希をエスコートする日なんだから!)
絵里「希!!」
希「ど、どうしたんえりち。急に大声出して」
絵里「―――」スゥ
絵里「空はどうして青いのかしらね」
希「え?」
絵里(いきなりなにを言い出してるのよ私―――!)
絵里「そ、そうじゃなくって、ええとほらあれよ!歩いてると月がついてくるように見える時とかあるじゃない!?」
希「――――――」ポカーン
絵里「うう、えっと、その………」
絵里「……チョコ、食べる? ///」⊃
希「―――――――」
クスッ
希「ありがとえりち、1個もらうね」ヒョイ パクッ
絵里(私の頭、一体どうなってるの……)ズーン
マモナクサンバンセンニデンシャガトウチャクイタシマスーーー
希「あ、電車来るみたいやね」スッ
絵里「あ…ええ」
希「――にしても」クルッ
絵里「?」
希「えりちはお空に興味があったんやね~、一緒にプラネタリウムとか行ってみる?」ニヤッ
絵里「もお、からかわないでよ!だいたい、本屋に行きたいって言ったのは希でしょ!?」マッカ
希「あはは、ごめんごめーん♪」
デンシャガトウチャクシマス アブナイノデハクセンノウチガワニオサガリクダサイーーー
希(実はウチもけっこう緊張しとったんやけど)
希(今のでうまいこと力抜けたかな…えりち、ありがとね)
ここまで
ありがとうございました
ごく平均的なのぞえり好き
南中尋定@アナエル ?@nanchu_erosada 2月28日
愛されて当然だと思ってる人がその愛をなくした時どんな反応をするのかな。
「あれ?え?希は私の味方よね?え?なんで?」てなるんだろうね。
のんたんがどんな気持ちで愛していたかなんて考えたこともなかったんだろうね。
「いつもありがとう。希」とさえ言ったことなさそう。傲慢絢瀬だよね
南中尋定@アナエル ?@nanchu_erosada 5月21日
絢瀬[ピーーー]wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
流石にこれは[ピーーー]wwwwwwww氏ねじゃなくて[ピーーー]wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
南中尋定@アナエル ?@nanchu_erosada 24時間
見直したわ絢瀬さんいつも窓から捨ててごめんねウクライナまで迎えにいくしもうフィーバー↓で笑わないし
賢くないとか言わないね賢かったし頼りになったし可愛かったしちゃんと考えて想って行動してるんだね
いままでほんとごめんねこれからものぞえりがんばってください!!!!!!!
待ってました!
期待
おつ
待ってた
乙
~~~~~~~~~~~~~~
希「ふー、到着~」
絵里「意外と早かったわね」
希「さ!行こ、えりち」ギュッ
絵里(!!!)
希「えりち?・・・あ、手イヤやった?」
絵里「ち、違うの!ちょっと急だったからビックリしただけ!」
希「そう?ほんなら行こっか」
絵里「あ、う、うん・・・・・・」
希「♪」
絵里(これ、恋人つなぎ・・・・・・///)
~~~~~~~~~~~~~~~
絵里「へー、この辺りってほんとに落ち着いた町並みなのね」テクテク
希「そうやろ?この辺のことやったらなんでもウチにお任せやで~」
絵里「ふーん、なんだかマンガの中みたいなお店がいっぱい・・・・・・」キョロキョロ
希「あ、えりち、あのお店から入ってみよ!」グイッ
絵里「あ、ちょ、ちょっと希~!」
~~~~~~~~~~~~~~~
―店内―
カランカラン
店主「お、いらっしゃい」
希「おじちゃん、こんにちは~」
店主「おう希ちゃんか、ずいぶん久しぶりだねえーーーそっちの子は?」
絵里「え、えっと初めまして。私はーーーー」
店主「あ!もしかして希ちゃんがよく話してた子かい?金髪でえらく綺麗な子って話だったけど本当だねえ」
絵里「えーーーーー」
希「もうおじちゃん!その話はせんといってって言うたやん!」
店主「あれれ、そうだったけかな。 ま、今日は客も少ないからゆっくりしてってよ」
希「べー!約束守らんおじちゃんのとこなんかいてあげへん! 行くで、えりち!」
絵里「え、そんなーーーー」
店主「うわあごめんよ、希ちゃん!戻ってきt――――」
店主「―――あちゃあ、行っちゃったか。・・・そうかそうか、あの子がねえ・・・」
~~~~~~~~~~~~~
希(えりちには知られたくなかったのになあ……はあ)テクテク
絵里「―――ねえ、希。私の話って、いったいどんなこと話してたの?」
希「へ!?いや、それはほら、学校にすごい生徒会長さんがおるって話とかやん?」
絵里「へー、そうなんだ……私、さっきの聞いて嬉しかったんだけどな」
希「嬉しかった?」
絵里「だってさっきのおじさん、『金髪の綺麗な子が』って言ってたでしょ?希がそう言ってくれてたんだって思うと嬉しいじゃない?」
希「そ、そんなもんなん……?」
絵里「ええ。そんなものよ♪」
希「そっかぁ……」
希(……………///)
希「えりち!次はこっちのお店に行くで!」タッ
絵里「ああ!待って希―!」
絵里(なんかちょっと希の顔が赤かったような……気のせいかしら?)
~~~~~~~~~~~~~~~
―店内その2―
ガラッ
希「こんにちはー」
シーン
絵里「あれ?誰もいないのかしら?」
絵里(本が積み上げられすぎてて視界が悪いんだけど…)
店主「………いらっしゃい」
絵里「!!」ビクッ
絵里(ビックリした……本の山に隠れてたっていうか埋もれてたみたいね…)
希「村田のおじいちゃん久しぶり。元気にしとった?」
店主「ああ…最近じゃあまり客も来ないがね…とりあえずばあさんと2人でなんとかやってるよ」メガネクイッ
絵里「あの、初めまして。絢瀬絵里といいます」ペコリ
店主「おお、これはまた綺麗な子だね。ま、ゆっくりしておいき」
絵里「はい…ありがとうございます」
希「じゃ、あっちの棚から見てみよっか」
絵里「ええ」
絵里(あれ?そういえば店の中に入ってから、外の音が聞こえない)
絵里(それに中の雰囲気も、外観と同じでなんだか時が止まったみたいな……)
希「えりち?どうしたん?」
絵里「――希、なんだかここって外の世界から隔絶されてるような気がしない?」
希「外の世界と?」
絵里「ほら、外の音がしないし光もあんまり差さないから、ちょっと不思議な感じがーーー」
希「ああ、ほんまやね。 でも、それがいいとこでもあると思わん?」
絵里「そうね、なんだか知的な気分に浸れるわ。 あ、この本面白そうーーー!」
希「どれどれ~」ヒョイ
【スティーブ・ジョブズだったら、こうするね!】
希「」
希「へえ~、えりちはこういうのにご興味が……」
絵里「え?」
ここまで
ありがとうございました
おつ
乙
知的…?
はしゃぎチカかわいい
おつおつ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
希「えりち、こっちの棚見て」チョイチョイ
絵里「ん、この棚……占い関係の本?」
絵里「風水…水晶…カード…手相…占いってほんと種類が多いのね」
絵里「で、希が今手に持ってるのがーーーー」
希「じゃじゃん!」
【 黒魔術大全 ー理論から実践まで魔術のすべてを伝授ー 】
絵里「」
絵里「そ、そういうのに興味があるの…?っていうか、まさか買う気じゃないでしょうね?それ」
希「うーん、どうしようかなあ」
絵里(迷ってるの!?)
絵里「希……タロットに飽きたらずに、そんな怪しげなものにまで手を出そうとしてるだなんてーーー!」
希「くくく…そう、ウチのスピリチュアルパワーはタロットだけでは十分に威力を発揮しきれないくらい強力なんや!」
希「むしろモンスターを召喚したり、死者を蘇らせたり、平行世界を移動して世界を改変したりすることこそがウチの本来の能力!!」
希「その気になれば、指一本でえりちをフランスのクオーターさんに変えてしまうことだってできるんやで!!」ババーン
絵里「ナ、ナンダッテーー!」
希「さあえりちよ!おとなしくウチの魔術にかかるんやーーーーー!」
絵里「うわーやられるー」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
絵里「――――で、ほんとに買うつもりなの?」
希「いやんえりち、このままもうちょっと付き合ってくれてもよかったのにい~」
絵里「はいはい、ごめんね。それで?その本、どんなことが書いてあるの?」
希「うーん、ちょっと読んでみただけなんやけど、なかなか使えそうなお宝情報がい・ろ・い・ろーーーー♥」
絵里(不吉な予感しかしない)
絵里(『たとえばどんなの?』とは絶対に聞いてあげたくないんだけどーーーー)チラッ
希(聞いて聞いて聞いて聞いて聞いて、ねええりちお願い聞いて聞いて聞いてーーーー)キラキラ
絵里(ああもう!そんな幼稚園児みたいな目で見つめられたら、聞いてあげるしかないじゃない!)
絵里「ゴホン!…た、たとえばどんなのがあるの?」
希「!」パアッ
希「ふっふっふ……よくぞ聞いてくれたねえ」ニヤリ
絵里(やっぱり聞くんじゃなかった)
希「よおし、教えてあげようやん…まずはえりち、後ろを向いてみようか?」
絵里「お断りするわ」キッパリ
希「ええ!!」ガーン
希「なんでよ、えりちのいじわる~~」
絵里「そんなインチキペテン師みたいなセリフで、誰が後ろ向くっていうのよ!」
希「―――えりち、そんなこと言うててほんまにええのかなあ?」ニヤ
絵里「!」
絵里「な、なによ、おどかそうったってその手には乗らなーーーーー」
バタンッ(本が倒れる音)
絵里「ひっ!」ビクッ
希「……この本にはな、土地の特性を利用した黒魔術のことも書いてあってん」ヒソッ
希「古くからある神社が近くにあって、なおかつ昼間でもなぜかひんやりしてて薄暗い………」
絵里「………………」ゾクゾク
希「そういう場所は魔術効果が高いとかで、昔からしょっちゅう利用されてきたから、今でもその名残がーーーー」
バタンッ ドサドサッ(本が雪崩をうつ音)
絵里「!!!!」ビクビクッ
希「ウチの見たところ、この場所にもそれらしい形跡があってなあ……?」
絵里「………」ゴクリ
希「どうも、召喚に失敗して悪霊化した悪魔の影が、この店の中のーーーー」
絵里「……………」ダラダラ
希「――ほら。えりちのすぐ真後ろにーーーー―――!!」
絵里「――――――っっっ!!!!」バッ
シーン
絵里「え…べつになんにm
希「わあああああああああああああああああーーーーーーーーーっ!!!!!」
絵里「○★%■$d△▼@#×――――!!!!」ビックリ×3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
希「あっはっはっはっは、ごめんえりち、はははは」オナカイタイ
絵里「―――――――」ツーン
店主「希ちゃん、今のはちょっと悪戯が過ぎるんじゃないのかね」
希「ははは、だからえりち、ほんまゴメンっt―――あははははっ」
店主「謝る気ゼロだねえ……」
絵里「いいんです、迂闊に希のワナにはまってしまった私が悪いんです」ハア
店主「やれやれ……お嬢さん、この先きっと苦労するよ」
絵里「私もそんな気がしてきました……」
店主「――ところでお二人さん、ちょっと頼まれてくれないか」
希「ハア、ハアーーおじいちゃん、何か用事なん?」
店主「うん、ちょっと外に野暮用があってな…小一時間店を空けなきゃいかん」
店主「婆さんは昨日から町内会の旅行に出ていておらんし…どうせ客も来んだろうが、一応の店番を頼んどきたいんだ」
希「なんや、そんなことならーーー」
絵里「大丈夫ですよ。どうぞ任せてください」
絵里「――希のことは、私がしっかり見張っておきますから」ジト
希「なっ」
店主「ははは…そうか、それは心強い。じゃあ、あとは任せたよ」
のぞえり「「はーい」」
店主「―――そうだ」ヒョイ
のぞえり「「??」」
店主「この店、悪魔の影はどうだか知らんが、落ち武者の霊なら2,3匹住み着いておるぞ」
のぞえり「」
店主「それじゃ、いってくるよ」スタスタ
絵里「希、あのおじいさんっていったい何者……?」
希(もしや、名うての陰陽師やったりして……??)
とりあえずここまで
もう少しこの店の中での話が続きます
ちょっとだけイケチカが出る…かな
乙
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
絵里「さてと、じゃあお店番して待ってましょ」
希「けど、お店番って言うてもやること特になさそうやん?」
絵里「確かに……」
希「うーんと、じゃあ積んである本のホコリを落としとこっか」
絵里「ああ、それいいわね」
希「えーと、ハタキ、ハタキっとーーーハタキさんはど~こだ!」パタパタ
絵里「私は入り口と窓を開けておくわ」ガラガラ
希「あ!あった、あった。よーし、これで一気にホコリを払っちゃうで~」
絵里「ちょ、ちょっと、まだ窓全部開けきってないってばーーーーーー!」
希「それそれ~~♪」パタパタパタッ
モウモウモウ
絵里「ーーゲホッ、ゴホッ、今の絶対わざとでしょ、希~!!」
希「そんなわけないやーん」タタタッ
絵里「あ!希、走ったら危ない!!」
希「え?」トンッ
グラリ
希「あーーーーーーーーー」
絵里「希!!!」バッ
ドサッ ドサドサドサッ バサッバタンバタンバーン
絵里「いったあ…………」ハッ
絵里「希!大丈夫!?」
希「う、うん。ウチは大丈夫やで…けど」
絵里「?」
希「この態勢は、その……///」
絵里(そういえば、なんでさっきから希の声が下から聞こえてくるのかしら?)
絵里(それに、この態勢って……ーーーえええ!?)
絵里「えええ!?な、なんで私、希に覆いかぶさってるのーーーー///」
希「えぇっと…それは、えりちがウチをかばって押し倒してくれたから、かな//」
絵里「と、とにかくごめんなさい、すぐ離れるからーーーって、あれ?」
希「どうしたん?」
絵里「重い本に足が挟まって抜けない……」
希「え……」
絵里「無理にひねると足が折れるかも………」
希「じゃあウチら、ずっとこのままなん…?」
絵里「待ってて、なんとかして脱け出してみるから!」ゴソゴソ
希「あ、えりち、そんなに動きまわったら―――」
絵里「――――――――」
希(あかん、集中してて聞こえてへんみたいや…)
絵里「ほっ!」ズイッ
希(顔が近い!!!)
希(態勢が態勢やからしょうがないんやけど、なんかドキドキしてくるやん……///)
短いですが今日はここまで
本の雪崩から間一髪で希を救ったえりちでした
いい…
おつおつ
絵里「むー…もうちょっとこう、前に体重をかけたら……」ズズイッ
希「うわああ、えりち!近い近い!!」
絵里「え、なに?近いっていったい――――」
希「だから顔が――――!」
絵里「あ………」
のぞえり「「………………///」」ドキドキドキドキ
希「えりち、あんまりこっち見んといて……///」
絵里「ご、ごめんなさい、――もうちょっとだけ待ってて!あと少しで脱出できそうだから!」
希「ん、わかった……」
カッチ コッチ カッチ コッチ…
希(ほんまに外の音聞こえへんなあ…時計の音がよく聞こえる…)
絵里「ん、くっ……」ゴソゴソ
希(……もしこのままえりちの足が抜けなくて、しかもおじいちゃんが帰ってこなかったりしたらどうなるんやろ?)
希(誰かが中に入ってきてくれるまではずっとこのまま……もしかしたら、えりちと2人っきりで夜を明かすことにもなるかも)
希(それも悪くはないかなあ。えりちと一緒ならウチは―――)
絵里「―――ねえ希、さっきからずっとその姿勢だけど大丈夫?背中とか痛くない?」
希「ふぇ?」
絵里「?」
希「あ、ううん、ウチは大丈夫。それよりえりちこそ、そろそろ腕が限界なんちゃうん?」
絵里「私はかしこいから、これくらい平気なのよ!」エヘン
希「けど、さっきから腕が震えてるで?ほんまに平気?」
絵里「うぐっ」
希「もう、無茶したらあかんよ、えりち」
絵里「うう・・・その、実は、そろそろ腕にしびれが来ててこれ以上は耐えられそうにないっていうか……」
絵里「本当にあと少しの所まで来てるんだけど、やっぱり最後まではもちそうにないのよ」プルプル
絵里(こうなったら無理にでも足を引き抜くしか――――)
希「うーん、えりち。解決方法が一つだけあるんやけど」
絵里「え、なに?」
希「あのな」
絵里「ええ」
希「えりち――――――――ウチに抱きついて?」
絵里「え///」ドキ
希「えりちがすぐには抜けられへんのやったら、それしかないし……」
希「それでえりちは、しばらく腕を休められるやん?」
絵里「そ、それは確かにそうだけど――――」
絵里「本当にいいの? この態勢から抱きついたら完全に、か、体が密着しちゃうと、思うんだけど//」
希「うん、ちょっと恥ずかしいけどウチは大丈夫やから。 ほらおいで、えりち」
絵里「う、じゃあ、し、失礼します――――///」ポスッ
希「ん――――」キュッ
希「どお?えりち」
絵里「うん…おかげさまで楽になったわ」
絵里(希の体、あったかい……それにすごくやわらかい//)ドキドキ
希(えりち、すごいドキドキしてる……)
希(ウチの心臓の音もえりちに聞こえてるんかなあ…//)ドキドキ
のぞえり「「……………………////」」ドキドキドキドキ
希(どうしよ、これ思ってた以上にめっちゃ恥ずかしいやん!)
希(お、落ち着くんやウチ…そうや、なんか別のこと考えて意識をそらしてみよ…!)
希(――たとえば、これって考えようによってはめったにないチャンスかもやん?)
希(この先いつまた、こんなシチュエーションに巡り会えるかもわからんし)
希(今のこの時間、この時間だけなら―――)
希(ちょっとだけ甘えてみても、いいやんね)
希「え~りち♪」ギュッ
絵里「わ! ちょ、ちょっと希///」
絵里(あたって、っていうか押しつけられ――ー!)
希「これくらい別にいーやん?大体えりち、こんな状況になって、女の子になんにもしない男の子なんて世の中にはおらんよ~」クスクス
絵里「なっ、だ、誰が男の子よ、誰が!」
希「え、引っかかるところ、そこなん?」
絵里「むう……!」
希「まあ、えりちがヘタレさんなのはわかってるから、ウチはなんにも心配してへんけ・ど」フフ
絵里「バ、バカにしないでよね! 私だってその気になれば――――」
希「その気になれば?」
絵里「――――………キ、」
絵里「キス、くらい―――」グイッ
希「へ?」
絵里「こんな状況になって、下になっている女の子に何にもしない『男の子』なんていないのよね?」
希「え、えりち~?どうしたん、なんか目が真剣なんやけど―――」
絵里「ええ、もちろん真剣よ。希、今のあなたは私に何されたって文句は言えないんだからね?」キリッ
希(あ、あかん……これ、逃げ道なしやん……)ダラダラ
絵里「理解した?なら、おとなしく私の言うこと聞くのよ」ボソッ
希(吐息が耳に………!)///
絵里「希、目を閉じて―――――」スッ
希「―――――――――!!」ギュッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
希「え?」パチッ
絵里「……………………////」プルプル
希「えりち?」
絵里「や………」
絵里「やっぱりダメ――! 恥ずかしくって……///」プシュウ
希「………………」ポカーン
希「――――――」クスッ
希「なーんやえりち、ほんまにヘタレさんやねえ。ウチ、ちゃんと覚悟決めて待ってたのに~」
絵里「うう……どうして私、肝心なときに限ってこうなのかしら……」グスッ
希「よしよし、泣かない泣かない」ナデナデ
希(この分やと、ウチのファーストキスはもうちょっと先かなあ……ちょっと残念かも)
希(とはいえ、さっきはほんまに危なかった…えりち、スイッチ入ると急にかっこよくなるから…)ドキドキ
・・・・・・・・・・・・
希「どうする?もうちょっとくっついとく?」
絵里「ううん、もう大丈夫よ。ありがとう」ググッ
絵里「よいしょ、っと……ほら、足が抜けた! あとは立ち上がれば―――ー」スッ
絵里「はあ~~、ようやく抜け出せたわ!! 希、立てる?」
希「うん、大丈夫。よいしょ」
希「は~、長かったーーってあれ?あんまり時間経ってない?」
絵里「ほんとだ…私、1時間は経ってたような気がしてたんだけど――――」
のぞえり「「スピリチュアルやね♪」」
絵里「かぶっちゃった」
希「あはは♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
絵里「それじゃ、散らばった本の片付けしなきゃね」
希「ごめんなえりち、もとはと言えばウチが山を崩したから―――」
絵里「何言ってるの、別に希のせいじゃないわ」
絵里「むしろ事前に危ないって気づけなかった私の責任よ――――ってあら?」
希「どうしたん?」
絵里「これ、私の足に載っかってた本なんだけど―――――」⊃
希「ん~? 星の写真集?」ヒョイ
絵里「表紙の写真、すごく綺麗よね」
希「ほんまやね、中も見てみよっか」ペラ
のぞえり「「うわあ―――――――」」
絵里「すごい。綺麗………」
絵里「これも、これも、なんだか吸い込まれそうな星空――――」ペラ ペラ ペラ
絵里「―――決めた。おじいさんが帰ってきたらこの本買おっと」
希「おお、なんか運命的な出会いやん」
絵里「確かにね。これ、かなり高いところに積んであったみたいだから、何もなければ気づかなかったと思うし」
絵里「だから、希のおかげね。きっといい記念になるわ」ニコ
希「―――――――//」ドキ
絵里「さてと。じゃあ片付け、続けましょうか」
希「う、うん」
絵里「♪」
今日はここまで
押しに弱いことが若干見え隠れしたのんたんでした
ちなみにこの2人はまだファーストキスを経験していません
二人ともかわいすぎて辛い
乙です
乙
押しに弱くてもヘタレーチカだからな
なお、今は…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
希「ほいっと……これで終わり!」
絵里(心なしか前よりきれいになったように見えるわ)
希「ふい~働いたー! ちょっと座って休憩しよ?」
絵里「そうね。 あ、ちょうどあそこに日なたができてるわ!」
希「わーい、きゅうけ~い!!」ストッ
絵里「私も―――なんだかちょっと疲れちゃったかも」
希「なんならこのまま寝ちゃってもええよ? あ、膝枕してあげよっか?」
絵里「ううん大丈夫よ、しばらくこれ眺めてるから」
希「そっか。 じゃあ、ウチは隣でおとなしく休んでるね~」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
絵里「……………」ペラ
絵里(こういうのを星月夜っていうのよね……素敵)ペラ
絵里(もう少し大人になったら、2人でこんな景色を見に行ったりできるのかしら)
絵里(きっと、一生忘れられない思い出に、なる、でしょうね……)ウトウト
絵里(あれ? なんだか急に眠くなって……)
絵里(そっか、昨日はほとんど眠れなかったんだっけ…それにここ、すごく、落ち着くから、一気に眠気、が―――)カクン
トスッ
希「えりち?」
絵里「すぅ…すぅ…」
希「…寝ちゃった。疲れがたまってたんかなあ、えりち」
希「放っといたらどこまでも1人で無理しちゃうんやもん。そういうところは出会った頃から全然変わらへんなあ」
希「――よいしょっと。えりち、ウチの膝、貸してあげるね」ポンポン
・・・・・・・・・・・・・・
カッチ コッチ カッチ コッチ…
希「そういえば今日って、ウチとえりちの初デートの日、やんね」ポツリ
希「そんな日に膝枕でひなたぼっこって…ウチら、なんか恋人っていうより熟年夫婦みたいやん」フフ
希「――えりち、気持ちいい?」ナデナデ
絵里「ん……すぅ……」
希「……………なあ、えりち」ジッ
希「―――ウチな。こんな風にえりちといられるようになるなんて、思ってなかったんよ」
希「誰かを本当に好きになってしまわんように。…そうすればもう辛い思いをしなくて済むって、自分で自分に呪いをかけてた」
希「それで10年間…子どものおまじないでも、それだけあったら浸透するには十分すぎるやんなあ」
希「ようやく気付いた時には、もうウチ自身ではどうにもできなくなってた」
希「ああ、ウチはこれから一生、誰かに本気で恋をすることはできないんや――って」
希「――――えりち」
希「その呪いを…解いてくれたのは、えりちやった」
希「……ありがと」
希「―――な、なーんて、こんなん全部、この前えりちに話したばっかりやん! アホやなあ、ウチ」アハハ
希「……………っ」ジワッ
希(あかん、なに泣きそうになってるんよ―――ー!)グッ
希「――――――」ゴシゴシ
希「……ここまでくるのに、2人ともずいぶん遠回りしてきたけど」
希「これからもよろしくね、えりち」
絵里「希は…私が守るから」
希「え?」ドキッ
絵里「すぅ……」
希「ね、寝言……? もう、びっくりさせんとって!」ドキドキ
希(えりち、意識がないときに限って普段のヘタレがどっか行くんやから……ズルいで//)
・・・・・・・・・・・
絵里「ん…私…」パチッ
希「あ、起きた?おはようさん、えりち」
絵里「ご、ごめんなさい、私どれくらい寝てた?」
希「ん~10分くらいかな。えりちの寝顔、かわいかった♪」ニコ
絵里「もう……//」
絵里(あれ、ていうか私、いつのまにか膝枕されてる!?)
絵里(どうりでなんだか気持ちいいと思ったわ…私、寝言で変なこと言ったりしてなかったかしら?)
絵里「ねえ希?私、寝てる間に何か言ったりしてた?」
希「え?」ドキ
(希は…私が守るから)
希「~~~~~~~///」カアァ
希「い、いや!?別になんにも言ってなかったで! ただ気持ちよさそうに寝てただけ!!うん!!」アワアワ
絵里(あれ、珍しい顔……)
絵里(なんだかよくわからないけど、これってもしかしてチャンス?)
絵里(こ、この流れなら『おはようのキスよ♪』とか言ってさっきのリベンジを―――――)
店主「ただいま、遅くなったね――っておや、お取り込み中かい」
絵里「///」バッ
希「あ…」
すみません、キリが悪いですが今日はここまでです
希のひとりごとのシーンについてはちょっと分かりにくいかと思います
2人が結ばれるまでの話もいま考え中ですので、いずれそちらで詳しく…
乙
つまんね
乙!
絵里「こ、これは、違うんです!ちょっと眠くなったから寝かせてもらってただけで、決してやましいことは――――!」
店主「ワシはまだなんにも言っとらんが」
絵里「」
店主「――――」フッ
店主「いや、さっきはつい2人に見惚れてしまったよ…そう、さしずめ春の女神の転寝といったところか」
絵里「え?」
希「おじいちゃん、そんなこと言うて口説こうとしたってえりちは渡さへんからね?」ジトッ
絵里「ちょっと、希!?」
店主「おや、そうかい。てっきりお嬢さんが希ちゃんにぞっこんなのかと思っていたが、実のところは逆だった、ということかね?」
希「なっ///」
絵里「えっ//」
店主「そうかそうか、色恋沙汰を見る目には自信があったのだがなあ…やはり年には勝てんものか」ククク
希「もお……//」
・・・・・・・
店主「―――ふう、さて」クルッ
店主「お嬢さん、その手に持っている本は買ってくれるのかい?」
絵里「あ、はい。とっても綺麗な写真ばかりだったので――――」⊃
店主「――――――!」ピクッ
店主「ふうむ、お若いのに見る目があるねえ…相当な値打ちのある本だよ、これは」
絵里「そうなんですか?」
店主「ああ。この写真家の本を探しにこの辺りへ来る人もいるくらいでね…いや、よくぞ見つけたものだ」
絵里「あ…それはその――」
店主(……………)
店主「――お嬢さん。その本は私からプレゼントしよう。そのまま持って帰ってくれて構わんよ」
絵里「え、そんな―――」
店主「いいんだ、その代わり――――」チラリ
希「し~んじて~ あ~なたの純愛レ~ンズは~ 正しいよー♪♪」フンフン
店主「希ちゃんと2人で…これからもここに遊びに来ておくれ」
絵里「!」
絵里「はい…わかりました。どうもありがとうございます」ペコリ
店主「………」コクン
希「えりち、終わった?じゃ、そろそろ次行こっか」
絵里「ええ」
希「おじいちゃん、今日はありがと! また来るからね~」タタッ
絵里「あ、希、待って!――あの、本当にありがとうございました!!」タッ
店主「ああ、毎度あり……待っとるよ、2人とも」
店主(少し前に希ちゃんがここに来た時には、ずいぶん寂しそうな顔をしていたが)
店主(先程のあの穏やかな笑顔は……ようやっと自分の心を預けきってしまえた、ということだろうな)
店主(あの子は、たしか絵里ちゃんと言ったか。―――いい人を見つけたなあ、希ちゃん)
・・・・・・・・・・・
希「えりち、次はこっち行こ、こっち!」グイグイ
絵里「わっ、ちょ、ちょっと待って!」
・・・・・・・・・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―書店イー
希「見て見て、えりち!この本のタイトル!」⊃
絵里「【なぜ世界でいま、「ハゲ」がクールなのか】」
絵里「えっと……」
~~~~~~~~~~~~~~~
―書店ロー
絵里「希!真ん中のページに1万円札が挟まってたわ!」
希「さて、ここで質問です。このあとにえりちがとる行動は次の内どれ?」
希「①誰も見ていないか、キョロキョロ周りを見渡して確認する」
希「②さりげない風を装い、お財布を取り出す」
希「③素早くお札をしまいこむ」
希「④実はこっそり見張っていた警備員さんに取り押さえらr――――」ペシン
絵里「全部一緒じゃない!っていうか最終的に私、捕まってるし!」
~~~~~~~~
―書店ハー
希「えりち、絵本なんて読んでどうしたん?」
絵里「これ、なんだけど」⊃
希「【サンタクロースってほんとにいるの?】」
絵里「真姫に買ってあげようかと思ったんだけど、希はどう思う?」
希「…そっとしておくべきなんちゃうかなあ」
絵里「やっぱりそうよね……」
~~~~~
絵里「ふう、けっこう色々廻ったわね」
希「あ、そうそう、この辺りにえりちが好きそうな雑貨屋さんがあるんやけど」
絵里「雑貨屋さん?」
絵里「―――あ。 そういえば、亜里沙が新しい髪留めがほしいって言ってたんだっけ」
希「亜里沙ちゃんが?」
絵里「ええ。この前、私が昔あげたのが壊れちゃったんだけど、代わりがなかなか見つからないって――」
絵里「それも合わせて、ちょっと見ていってもいい?」
希「もちろんやん♪」
・・・・・・・・・
カランコロン
店員「いらっしゃいませー」
絵里「わあ、かわいいのがいっぱい―――!」パアッ
絵里「希、ここすごくいいわ!」
希「やった♪ えりちのストライクゾーンど真ん中?」
絵里「ええ。さすがは希ね、10ハラショーよ!」
希「ふふん」
・・・・・・
絵里「ねえ希。このマスコット、誰かに似てると思わない?」
希「ん~?どれどれ」ヒョイ
希「この女の子は………あ、穂乃果ちゃんや!」
絵里「やっぱり希もそう思う?」
希「それで、横にいるトリさんがことりちゃんで(・8・)」
絵里「その2人を守ってる近衛兵が――」
希「海未ちゃんやね!」
絵里「3つとも顔の表情がよく似てるわ」シゲシゲ
希「他の子のやつもないんかな~、ウチちょっと探してみる!」タタッ
絵里「私はあっちで髪留め見てるからね~」
・・・・・・・・
絵里「えーっとアクセサリー系は、このあたりね」
絵里「亜里沙ももう中学生だし、ちょっと大人っぽいのをあげたら喜ぶかしら」
絵里「んー、だったらピンクとかオレンジは除外ね。落ち着いた色っていったらやっぱり青が無難かしら」ブツブツ
絵里「よし、エリチカレーダースイッチオン! 目標、亜里沙に似合う髪留め!!」
絵里「!!!」ピコーン
絵里(あのかわいいハートのヘアピン!今私とたしかに目が合ったわ!)
絵里(これならあの子の髪色によく映えるだろうし。 うん、我ながらいいもの見っけ♪)
絵里「あ。でもこれって大人っぽく…はないわね」
絵里「むしろどっちかと言えば『すごくかわいい』にカテゴライズされそう…」
絵里(………………)ウムム
絵里「―――ごめんね。やっぱりお姉ちゃん、亜里沙にはいつまでもかわいいままでいてほしいの!」
・・・・・
絵里「店員さん、すみません。これお願いします」⊃
店員「はーい、どうもありがとうございます」
絵里「あ、プレゼント用に包装していただけますか?」
店員「かしこまりました。少々お待ち下さいね」
店員(プレゼント用の包装紙とリボンっと。色はどうしようかなあ)
店員「――あの、このプレゼントは誰にされるんですか?」
絵里「あ、妹です。新しいのを欲しがってたのを思い出したので」
店員「ああ、妹さん用なんですか。私、てっきり―――」チラッ
絵里「?」
店員「いえ、ハートをプレゼントだなんて、もしかして恋人に?って思っちゃって♥」
絵里「こっ、恋――!?」
店員「ひょっとして、あちらのお友達が彼女さんだったりするんですか~?」
絵里「」
絵里「えっと、それはそのぉ……//」モジモジ
店員(あら、ウブな反応。というか本当にこの2人、恋人なんだ)
店員(だったら、ちょっと応援してあげたい気にもなるわね★)
店員「でしたら、こういうのをプレゼントされてはいかがですか?きっと喜ばれると思いますよ」⊃
絵里「え、あの、これって」
絵里(指輪!?)
絵里(指輪を贈る=プロポーズ)
絵里(――無理よ、無理!! さすがに初デートでいきなりそれは!!)ブンブン
絵里「や、それはその、ちょっと…//」
店員(あれ、なんか勘違いさせちゃった? いま、恋人同士で指輪交換するのが流行ってるんだけどなあ)
店員(ま、あんまり人の恋路をジャマするのもよくないか。それにこの子、とっても純粋みたいだし?)クス
店員「あらそうですか?じゃあ、このピンだけプレゼント用にお包みしておきますね」シュルシュル
絵里「はい、お願いしま――――あ」ピコーン
店員「どうかなさいました?」
絵里「すみません、あれも一緒にお願いできますか?」
更新が空いてしまい、申し訳ありませんでした。今日はここまでです
続きはまた明日…
おつ
乙
待ってた
おつおつ
乙やん
セリフの抜けを発見したため、そこを追加して明日更新します
すいません!
遅れてすみませんでした 更新始めます
・・・・・・・
カランコロン
アリガトウゴザイマシター
希「ふんふんふ~ん♪」
絵里「お待たせ」
希「あ、いいの見つかった?」
絵里「ええ、おかげでいいのが買えたわ。 そっちはどうだったの?2年生組以外のマスコットは見つかった?」
希「んーん、あれ以外にはないみたいやね。全員分あったら部室に飾ってみたかったんやけど」
絵里「そう、それは残念だったわね」
希「あーあ、ほんまに残念やったなあ。…じゃ、えりち、そろそろ――――」クルッ
絵里「―――――――」ソッ
希「へ?」
希「これ…ヘアピン?」サワッ
絵里「そう。希に合いそうだと思ってさっき買ったの―――うん、よかった。よく似合ってるわ」ニコッ
希「!」キュン
希「あ、ありがとう……えりち」
絵里「ううんいいの。私がしたくてしたことだから」
絵里「あの…今日はそれ、付けててくれる?」
希「うん、そうする。これ、大事にするね」サワッ
~~~~~~~~~~~
絵里「そうだ、休憩がてらどこかでお茶飲まない?」
希「あ、じゃああっちの喫茶店行こ!」
~~~~~~~~~~~
チリンチリン
店員「いらっしゃいませ~」
店員「窓際のお席でよろしいですか?」
店員「メニューはこちらとなっております。ご注文お決まりになりましたらお呼び下さい」
希「うーん、ウチはカプチーノ…いや、エスプレッソがいいかな」パラッ
絵里「……………!!」ピクッ
希「えりち?」
絵里「――――――――」ジーッ
希「ん~?なんか気になるメニューでもあったん?」ヒョイ
□■□■□■期間限定!! 高級チョコレートを贅沢に使用したホットチョコドリンク☆■□■□■□
絵里「これよ、これ!私が今まで求めていたものは!!」バンバン
希「えりち~、テーブルをバンバンしないのー」
希「けどまあ確かに、えりちみたいなチョコ好きさんにはピッタリのメニューかもやねえ」
絵里「ハラショー……この出会いには運命すら感じるわ」プルプル
希「じゃあ、ウチはエスプレッソでえりちはそれで決まりやね。 店員さん、注文お願いしまーす」
・・・・・・
店員「お待たせいたしました。ホットチョコドリンクとエスプレッソでございます」
希「はーい、ありがとうございます」
店員「ごゆっくりどうぞ~」
絵里「では、いざっ!」
希「いただきまーす♪」
絵里「…………」コクン
絵里「――おいしい!!」パアッ
希「そう?よかったねえ、えりち」ニコニコ
絵里「…………」コクコク
絵里「―――はあ、幸せ♥」ニコー
希「えりち、すっかり顔が緩んでるで?他の子には見せられへんなぁ」クスクス
絵里「だってこの絶妙な甘さには抗えないもの~ 希もちょっと飲んでみる?」
希「んーん、ウチはえりちが幸せそうにしてるのを見れたらそれでじゅうぶん♪」ニコニコ
絵里「しあわせ~」フニャー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―夕方―
チリンチリン
アリガトウゴザイマシター
希「あ、夕焼け」
絵里「そろそろ、帰りましょうか」テツナギ
希「うん……そうやね」ギュ
・・・・・・・
絵里(予定では私が大人の余裕を見せて、主導権を全部握るはずだったんだけど)テクテク
絵里(なんだか、私の方が振り回され続けてたような気がするわ……)テクテク
絵里(―――今日の私、どうだったんだろう)
絵里(ちゃんと希を楽しませてあげられてた? がっかりさせたりしてなかった?)
絵里(………恋人として、希の側にいてあげられてた?)
絵里「―――――ねえ、希」ピタ
希「ん~?」クルッ
絵里「今日は―――――楽しかった?」
希「当たり前やん!」ニコッ
絵里「!」
希「……だって、えりちと一緒なんやもん」
希「こうやって、手を繋いで」ギュ
希「2人でおしゃべりしながらあちこち歩いて、笑いあって、ふざけあって」
希「楽しくないわけ、ないやん?」
絵里「……それじゃあ」
絵里「今日の私はちゃんと……あなたの恋人でいられてた?」
希「――――――!」
希「―――――はあ」
希「なんやえりち、そんなこと気にしてたん?」
絵里「え…そんなことって、大切なことじゃない!!」
希「もう、ほんまにあほやなあ、えりち」
絵里「え………」
希「たとえば、つないでくれるこの手とか」
希「時々見せてくれる優しい笑顔とか」
希「楽しそうにウチを呼ぶ声とか」
希「そういうもの全部から、今日1日だけでウチはえりちに幸せをいっぱいもらったんよ?」
希「……あったかいものを、たくさん、たくさん、えりちはくれた」
希「やから、えりちは……うん。大事な大事な、ウチの恋人さんやん♪」ニコ
絵里「そう。…………よかった」ホウ
希「えへへ。やっぱりこういうこと言うのってちょっと照れるね」
希「けど、どうしたん?いきなりこんなこと聞いてくるなんて」
絵里「急に、不安になったの……私はちゃんと約束を守れているかって」
希「約束――――…そっか、ちゃんと覚えてくれてたんやね」
絵里「わ、忘れるわけないじゃない!! 私はあの時本気で――――!」
希「うん、そうやったね……――――ね、えりち。1つお願いしてもいい?」
絵里「お願い?」
絵里「お願い?」
希「うん。ほんとはいっぱいあるんやけど、今は1つだけ」
絵里「ええ……わかったわ。なんでも言って」
希「ありがと。………じゃあ、言うね」
希「―――――――」スゥ
希「えりち」
希「キス、してほしいな」
ここまでです
いよいよ大詰めを迎えつつある2人…
これはにやけちゃうな
乙!
乙
生きる希望
乙
ついにきたか
乙
絵里「―――――――!!!」ドクン
希「お昼にえりちがキスしてくれそうになった時に、ウチは心を決めてたん」
希「……んーん、ほんとはもうずっと前かな」
希「ウチのファーストキスは、えりちにもらってもらおうって」
絵里「それが…希の、お願い?」
希「そう―――…聞いて、くれる?」
絵里「ええ……喜んで」
絵里「目、閉じてくれる―――――?」スッ
希「うん………」
絵里「………………」
ドクン... ドクン...
~~~
ヘタレチカ(や、やっぱり無理チカ!///)ポワン
絵里(!!)
ヘタレチカ(私はたった数時間前に失敗したばっかりチカ!人間、そう急には変われるものじゃないチカ!)
ヘタレチカ(だいたい、いきなりのお願いで心の準備もまだ整っていないチカ!)
ヘタレチカ(……それに、希のはじめてを本当に私が奪ってしまっていいチカ?)
ヘタレチカ(しかもさっきから手の震えが止まらなくって、うまくできそうにもないチカ…)
デビルチカ(そ~んなに恥ずかしいなら、いっそやめてしまえばいいチカァ!!)ボワン
ヘタレチカ(ひぅっ!)ビクッ
デビルチカ(この場は素直に謝って、次の機会に延ばしてもらえばいいだけチカァ!)
ヘタレチカ(で、でもそれは……)
デビルチカ(人間無理はするものじゃないチカァ。準備がちゃんとできるまで待ってもらうのが一番だチカァ!)
ヘタレチカ(な、なんだか一理あるような気がしてきたチカ…)チラッ
絵里(ううう……)
絵里(……希、ごめんなさい。意気地のない私をどうかゆるし――――)
(―――ね、えりち。1つお願いしてもいい?)
絵里(!!)
(―――ウチは心を決めてたん。ファーストキスは、えりちにもらってもらおうって)
絵里(―――――――)
(――――聞いて、くれる?)
絵里(ええ……私もいま、ようやく心が決まったわ)
絵里「……………」スゥ
絵里「好きよ、希」チュ
~~~
希「ん――――」
希(やわらかい……)
希(やわらかくて、すごく甘くて……)
希(やさしい、やさしい、えりちの……キス――――)
希(えり、ち………)
~~~
絵里「………っ、はぁ」
希「――――ぁ」
のぞえり「「………………////」」トロン
希「――――!!」ガクン
希「あ―――――」
ドサリ
絵里「希!?」
絵里「なに、どうしたの!?どこか痛い―――って」
絵里「希……どうして、泣いて――――?」
希「え?」ツー
希「あ、あれ?おかしいな、なんで涙なん、か――――」ポロポロ
希「うう、ううう……」
絵里「ご、ごめんなさい!私、希を泣かせるつもりなんて―――その、そんなに…イヤ、だった?」
希「ちが、ヒクッ、違うんよ、そうじゃ、ない、ヒクッ、そうじゃない、ただ…」
希「嬉しくて……」
絵里「え――――」
希「えりち、ありがとう。ウチ、すごい幸せ……」グスッ
絵里「…………」
絵里「なんだ」ホウ
絵里「よかった、そんなことだったの。 安心したわ」ナデナデ
・・・・・・・・・
絵里「どう?そろそろ立てそう?」
希「う、うん。ちょっと足の力が抜けただけやから、立つくらいすぐに―――」ググッ
希「あっ」グラッ
絵里「危ない!!」パシッ
ギュッ
希「え、えりち……ありがとう//」
絵里「もう、無茶しないの。1人で立てないなら私がちゃんと支えてあげるじゃない」
希「ごめん…やけどそうしたらウチ、このままえりちにしがみついとかなあかんやん」
絵里「あら、私はそれでも構わないけど。なんなら駅まで抱えていってあげましょうか?」ニヤ
希「……えりち。ウチが今強いこと言われへんからってそんなこと言うんはズルい//」ボソッ
絵里「ふふん、なんとでも言いなさい♪」
希「じゃあ……駅に着くまで、腕つかんだまま歩いててもいい?」
絵里「ええ、今なら何を言われたって平―――え?今、なんて?」
希「だから……//」
希「一人じゃ歩けそうにないから、駅までえりちにつかまっていってもいい?って聞いたんよ//」ウツムキ
絵里「―――――!!」キューン
絵里「え、ええ…もちろんオッケーよ。ゆっくり歩くから、しっかりつかまっててね」
希「…………//」コクン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―電車―
タタン タタン タタン…
のぞえり「「…………………///」」
絵里(気まずい!!)
絵里(希があれからずっと赤い顔して黙り込んだままだから、話しかけるのはためらわれるし)
絵里(ああもう、こんな時ってどうしたらいいの!?こういう状況でうまいフォローをしてこその恋人だっていうのに!!)
絵里(――よし、ここは意を決して何か言ってみよう。とりあえずなんとかして、希に笑ってもらわなくちゃ)キッ
絵里「希!」
希「……ん?」
絵里「いつまでもそんな顔して黙ったままだと、私が鬼に変身して食べちゃうわよ♪」
希「えりち……」
希「………//」
絵里(なんでますます顔が赤くなるの!?今のは完全に笑うところでしょう!?)
絵里(いつもの希なら『もー、からかわんといて。それともえりちは鬼の子かなんかなん?』とか言うはずなのに)
絵里(ダメだわ、何も言わずにおとなしく座ってたほうがいいみたいね……)
タタンタタン…
・・・・・・・・・・・・・・・・
―帰り道―
希「…………」
絵里「希、1人だと危ないでしょう? このまま家まで送っていくわ」
希「うん…ありがとう」
のぞえり「「………………」」テクテク
~~~~~~
―東條家 前―
絵里(あっという間に着いちゃった)
絵里(不思議ね。今日1日ずっと希といたっていうのに、こんなに別れたくない気持ちになるなんて)
絵里(ううん、別にこれっきり会えなくなるわけじゃないんだし。ちゃんと今日の分のさよならは言わなきゃ)ブンブン
絵里「それじゃあ、ね。希、また明日――――」クル
希(あ――――)
キュ
絵里「へ?」
絵里(服の、スソ――?)
希「……………///」プルプル
絵里「希?どうしたの?やっぱりどこか痛い?」
希「えりち………」ウツムキ
希「ウチを……このまま、置いていくん?」
絵里「―――――――」ドックン
ここまでです
乙女ゲージがマックスになっているのんたんと、キスに成功して余裕ができたえりち。
あと少しだけ続きます
乙
乙
これはいいものだ
なんだろう、この胸のときめき...
・・・・・・
―数分前 東條家まで数十メートルー
希(あの角曲がったら、家見えてくるかな……)
希(家に着いたら、そこでえりちとはバイバイやね)
(1人だと危ないでしょう? このまま家まで送っていくわ)
希(『家まで』……)ギュ
希(その後は――家に着いちゃったら、えりちは帰ってまう)
希(そしたらウチは、部屋に1人ぼっち……)
希(……えりちが、ここに残ってくれたら)
希(ってあかんあかん!こんなところで駄々こねたら、えりちを困らせるだけやん!)ブンブン
希(それに、1人っていうても今晩だけなんやし。明日になればまた会える。心配することなんかなんもないやん……)
―東條家前―
希(到着………)
希(――『今日はありがとね。また明日♪』『今日はありがとね。また明日♪』『今日は、ありがとね。また、明日……)
希(これちゃんと言えたら、笑顔で終われるんやから。 ほら希、声が震えんうちにはやく―――!!)
絵里「それじゃあ、ね。希、また明日――――」クル
希(あ――――)
キュ
絵里「へ?」
希(……そんなん、言えるわけ、ないやん)
絵里「希?どうしたの?やっぱりどこか痛い?」
希(―――ウチを残して、行かんといて)
希「えりち………」ウツムキ
希(無理や。気持ち、抑えきられへんよ………!!)プルプル
希「ウチを……このまま、置いていくん?」
絵里「――――――――」
・・・・・・
絵里「……置いていく?」
希「帰ったらイヤや。えりち、ウチを1人にせんといて―――!」
絵里(……それは、つまり)
絵里「―――――いいの?」
希「―――――///」コクン
絵里「そう、わかったわ。家に連絡してくるから、希は先にいって待っててくれる?」
希「え―――ほ、ほんまに?ほんまにええん?」
絵里「なに言ってるのよ。希が先に言いだしたんでしょう?」クス
希「そ、それはそうやけど――――」
絵里「それともなに?私が、今にも泣き出しそうな顔の女の子を平気で置き去りにできるほど、冷たい人間に見えるのかしら?」
希「なっ―――」
絵里「そういうことよ。 大丈夫、ちゃんと許可は出ると思うし」
絵里「それよりほら、希は早く家に入ってとりあえず休憩しなさい。私もすぐ行くから」
絵里「ね♪」ウィンク
希「う、うん。…ありがと///」ガチャ
・・・
バタン
絵里「さて、家に電話っと。この時間なら亜里沙が出るかしら」
Prrrr..
亜里沙「は~いもしもし、亜里沙です!」
絵里(そこは『絢瀬です』って言うべきところなのよ…まあいいか)
絵里「もしもし亜里沙?私だけど」
亜里沙「わたし?」キョトン
絵里「え、私よ私。亜里沙、私の声がわからない?」
亜里沙「むむ、いきなり電話をかけてきて自分の名前を言おうとしない……!」ピン
絵里(あ、イヤな予感が)
亜里沙「さてはあなた!この前雪穂が教えてくれたあれですね! オレ、アレ、あれれ―――?」エット
亜里沙「―――そうだ!アレアレさぎの人ですね!」ビシッ
絵里(いつもながら予想の斜め上をいくわね、この子は…)
絵里「――亜里沙、お姉ちゃんは悲しいわ。せっかくかわいい妹の為におみやげも買ったっていうのに、これじゃあ渡すわけにはいかな――」
亜里沙「ええ!お姉ちゃん!?待って待って、ほんとにわからなかったの!亜里沙、おみやげほしい!!」
絵里「はいはい。でも、今日はこのまま希のところにお泊りすることにしたの。お母さんにそれでもいい?って聞いてきてくれる?」
亜里沙「うん!ちょっと待っててね」パタパタ
オカーサーン オネーチャン ノゾミサンノトコロニオトマリスルンダッテー
絵里(保留のしかた、今度ちゃんと教えた方がいいかしら。全部聞こえてるし)
亜里沙「――もしもし、お姉ちゃん?『お泊まりはいいけど、希さんの迷惑にはならないようにね』だって!」
絵里「そう、ありがとう。明日帰ったらおみやげ渡すから、今夜はいい子にしてるのよ?」
亜里沙「はーい!じゃあまた明日ね、お姉ちゃん!!」プツッ
・・・・
絵里「では、改めまして」
絵里「お邪魔しまーす」ガチャ
・・・・
―東條家 リビングー
希「あ、えりち……どうやった?」
絵里「オッケーよ。希に迷惑かけないようにとは言われたけどね」
希「そっか、よかった」ハア
絵里「これで、夜も一緒にいられるわね♪」
希「えりち、なんかえらい楽しそうやね」
絵里「あら、そう見える?――だって、私もまだ希と別れたくなかったんだもの、しかたないじゃない?」
希「え、えりちも――――?」
絵里「そうよ。自分でもなんでだろうって思うくらい、とっても強くね。だから、私も嬉しいわ」ニコ
希「!」
希(そっか…えりちもウチと同じこと、思っててくれてたんや……)フッ
絵里「希?どうかしたの?」
希「ううん、なんでもないで。 それよりえりち、つかぬことを聞くんやけどおなか、空いてる?」
絵里「あ、そういえば空いて――――ない?」
希「うん、実はウチもなん」
絵里「お昼も食べずに遊びまわってたのに、なんでかしら?」
希「うーん、お互い色々と緊張することが多かったからかなあ」
絵里「ほんと、そうかもね」クスッ
希「じゃあ、夕ごはんは作らんとお風呂だけいれちゃうね」ポチッ
絵里「そうね、そうしてくれると助かるわ」
ここまでです
次回からお風呂編の予定なのですが、>>1は明日から数日家を空けることになりました
すみません、しばらくの間お待ちください…
乙
アリチカかわいすぎる
待ってるよ、乙です
帰ってまいりました
今日の夜から更新再開したいと思います
・・・・・・
希「はー、疲れた~」ゴロン
絵里「こら希、行儀が悪いわよ」
希「えー、家の中なんやからこれくらいえーやん?」
絵里「たとえ家の中でも、女の子がそんな風に床に寝っ転がるのはどうかと思うんだけど?」
希「もーえりち、そんな海未ちゃんみたいなこと言わんでよ~」ゴロゴロ
絵里「……そう、あくまで私の言う事は聞かないつもりね」
絵里「なら、こういうことされたって文句は言えないわよ?」コチョ
希「ひゃっ!!」
絵里「ふふふ、悪い子にはおしおきよ♪」
希「寝てる人の足をくすぐってくるなんて、卑怯な奴め~」ゴロゴロゴロ
絵里「それでも起きあがろうとはしないのね」
希「へーんだ、こうなったら意地でも起きてあげないもんねー」
絵里「だったらこっちも実力行使するわよ。足裏以外にもくすぐれるところはいくらでもあるんだから♪」タタッ
希「ちょっ、えりち、たんまたんま!」
絵里「待つわけないでしょ、それっ!!」コチョコチョ
希「あはは、やめ、やめっ、えりち、ストップーー!」ジタバタ
絵里「まだまだ!希が降参するまで手は緩めないわ!」コチョコチョ
希「も、もうだめ~」
ピロリンパラリンピー オフロガワキマシタ
絵里「ふふ、ちょうどお風呂が入ったみたいね」
希「なぬー、えりちこのまま勝ち逃げする気なん?」
絵里「え?なに言ってるの、一緒に入るにきまってるでしょ?」キョトン
希「………は?」
絵里「ほら、はやく行きましょ。希も疲れてるんでしょ?あったまったら元気出るわよ」グイ
希「―――あかん!えりちだけで入ってきて!!」バッ
絵里「あら、どうして?」
希「……それ、は」
絵里「あ。もしかして意識してるの?」ニヤニヤ
希「」
絵里「図星ね。でも、今までにも一緒にお風呂入ったことあるじゃない、まだ恥ずかしいの?」
希「そ、それとこれとは話が別なん!えりちが先でええから、はやく入ってきて!」マッカ
絵里「あ、照れてる照れてる♪」
希「もー!ええから一人で入ってきて!!」ドン
絵里「っとと。そこまで言うんじゃ仕方ないけど、入るなら希が先のほうがいいわ」
希「……なんで?」
絵里「さっきも言ったけど希、ちょっと疲れてるでしょ?自分で立てないくらいだったんだし、私よりも先に温まって回復しなきゃ」
希「せ、せやけどウチ――――」
絵里「ごちゃごちゃ言わないの。一番がイヤならやっぱり一緒に入る?そしたら私が全部洗ってあげるけど」
希「うう……じゃあ、先に入ってくる……」ガチャ
絵里「はーい、いってらっしゃい。ゆっくり浸かってくるのよ」
・・・・・・・
―浴室―
チャポン
希「はあ~~~~」
希「えりちの言う通りかも。一気に疲れが飛んでいく感じやね~」ノビー
希「それにしても」
(なに言ってるの、一緒に入るにきまってるでしょ?)
希「――――――///」カアァ
希「もう、えりちはデリカシーが無いんやからあっ」バシャバシャ
希「……一緒になんか、入れるわけないやん」ポツリ
希(だって、ウチ、えりちが家に入ってきた時からドキドキしっぱなしやもん)
希(理由は………たぶん)
希(好きな人が――――恋人としてのえりちがここに来たのは初めてやから)
希「それに――――」チャプ
希(くちびるに、えりちの感触がまだ残ってるのもあるし……)ソッ
(好きよ、希)
希「~~~~~~~~////」バシャバシャバシャ
希(あかん、思い出しただけで顔熱くなってくる……のぼせてまうかも)
希「けど」
希「本当にやさしいキス、やったな」ポツリ
希(軽く触れるだけやったと思うけど…えりち、手ずっと震えてたし、相当勇気出してキスしてくれたんやろなあ)
希「そのあとウチを運んできてくれたし、急なお泊まりもOKしてくれたし」
希「……なんかウチ、えりちに迷惑かけてばっかりやん」
希「――よし。このあとは極力えりちに頼らんようにしよう。今日はたくさんお願い叶えてもらったんやし!」
絵里「希ー?」
希「ひゃあ! え、えりち?なに?なんかあったん?」パシャ
絵里「あ、ううん。そうじゃなくって、もうすぐ一時間経つんだけどお風呂場が静かだったから様子を見に来たの」
希「そうやったん。ウチは大丈夫、もうそろそろ上がろうかなって思ってたところやから」
絵里「そう?じゃ、私はリビングで待ってるわ」バタン
希(気づかんと一時間も浸かってたんや…)バシャ
希「急いで上がらんと………!」ガチャ
希「ふー、いいお湯やった―――」
絵里「それはよかったわ」ジー
希「」
希「な、なな、なんでえりちがここにおるん!?」バッ
絵里「次こそ二人でお風呂に入るために、見られることに慣れてもらおうと思っ――いたっ」コン
希「訳わからんこと言ってへんではよ出ていって!!ウチの裸見るためだけに待ちぶせするなんて信じられへん!!」ブン
絵里「別に裸を見るため『だけ』ってわけじゃないわよ!その前にちゃんと立派な理由が―――」
希「うるさーい!どっちにしても大して変わらへんよ!!」バタンッ
絵里「閉められちゃった………」
絵里「あーあ、仕方ないわね。着替えでも取りにいって待っとこっと」スタスタ
・・・
希「まったく、えりちはまったく!人の気も知らんと!!」プンプン
希「仕返しに、ウチもえりちのお風呂覗いたろか!?」フキフキ
希「……………」パツン
希「特に顔色変えたりしなさそうな気がするのが妙に腹立つやん」シュル パチ
希「いや、むしろすごい笑顔になってたりして」パサッ
希「……あーもう!!」ガチャ
希「おーい、絢瀬さーん!ウチ着替えおわったから次入ってええよー。あとでどうなっても知らんけどっ」
絵里「あらら、ほんとに怒っちゃった?ごめんね、別に悪気は―――」
希「お湯冷めへんうちに入ってきたら?絢瀬さんもお疲れやろうし?」ツーン
絵里「……絢瀬さんって呼ばれると地味にこたえるわね」
希「へーんだ、えりちなんかお湯やなくて水で一回頭冷やしてきたらええんよ!ウチは髪乾かしてくるから!!」スタスタ
絵里「…あちゃー、さすがにあれはやりすぎだったかなあ」
絵里「ま、とにかく私も入ろっと。なにはともあれ、話はそれからね」
今日はここまでです。遅くなって申し訳ありませんでした
以前に「あとちょっと」と書きましたがウソになるかもしれません
夜はえりちの本領発揮の時間です
ぜひ嘘であってくれ
当初の予定より20~30レス(40超えるかも?)ほど長くなる見通しです
今週末に最後までいけると思いますので、もうしばらくお待ちください
嬉しい
待ってる
―浴室―
ザブン
絵里「はー、いいお湯~」
絵里「お風呂ってほんと、人類最高の発明だわぁ。1日の疲れが全部取れるだなんて、思いついた人天才!」10ハラ!
絵里「はあ~―――それにしても、今日は朝からいろいろあったなあ」
絵里「待ち合わせして、電車乗って、手をつないで……うん、ちょっとしたハプニングもあって、2人でたくさんたくさんお店をまわって」ユビオリ
絵里「それから―――」
絵里「キス、して」チャプ
絵里「そしたら、希が倒れちゃったからここまで運んできたと思ったら、急にお泊まりをお願いされて」フフ
絵里「……思えば、今日は珍しい希をたくさん見られた日でもあったわね」
絵里「真っ赤になってうつむいてる希を一言でいうなら…」
絵里「かわいかった」ウン
絵里「二言でいうなら……」
絵里「めっちゃくちゃに、かわいかった」ウンウン
絵里「普段の希だったら私がなに言っても、めったに真に受けてくれないのにね」
絵里「なんでだろ、希のあの潤んだ瞳…目の前で見ていた時も、こうして思いだしている今も」チャプン
絵里(すごく――守ってあげたくなるし、ずうっと見ていたくなるし、それになにより)ブクブク
ザブッ
絵里「ぷはっ」
絵里「……愛しくてたまらなくなる。見ている私まで幸せな気持ちでいっぱいにしてくれる、そんな―――」
絵里「……な、なんか自分で言ってて恥ずかしくなってきたわ。私もそろそろ上がろっ///」ザバッ
・・・・・・・
―リビング―
希「さあ、急いで髪乾かしてしまおっと」ガコン
希「とっとと乾かして、うまい仕返しを考えんとね…」カチッ
ブオー
希「対抗してのぞきにいくのは、おそらく効果がないんよね」ブオー
希「……なら、まずお風呂のドアをこっそりロックする」
希「で、そのまま電気を消してしまうやん?」
希「すると、いきなり真っ暗のお風呂場に閉じ込められたえりちは恐怖のどん底に突き落とされる……!!」
希「というアイディアはどうやろうか!?」
希「……………」シミュレーション
希「――あかん、えりち本気で泣いてまうなあ。さすがにそれはかわいそうやから却下やね」
希「となると、他にできそうなんって………」ウーン
希「!」ピン
希「まあ……あの泣き虫さんを泣かさんような方法なんてこれぐらいしかないやんね。そうとなれば早速」カチッ
希「えーっと、確かこのへんに……あった。これをこうして………」ゴソゴソ
希「バレないようにこっそり設置、っと」ソロー
希「――――――」ガチャ
希「………………」コソコソ
希(よし、このまま脱出や)パタン
希「ふう―――よし。まあ、こんなもんかな」
希「さてと、じゃあウチは―――」
コロン
希「ん………?」
希「あ……これ、えりちがくれたピン………」ヒョイ
希「お風呂の前に外して、パジャマの上に載せといたんやったっけ」
希「――――――」ジッ
希「これは、失くさんように机の引き出しに直しとこ。大事に……せんとね」スタスタ
・・・・・・・
―脱衣所―
絵里「ふー、サッパリしたわ~」ガチャ
絵里「バスタオル、バスタオル――って、あら?」
絵里「私のパジャマの上に、チョコレートの箱が1つ」ヒョイ
絵里「……希よね、いったい中になにが――――」カパ
『バーカ!! のぞみ』
絵里「希ったら………」
絵里「―――まあ、発想は小学生男子よね」
絵里「とはいえ、ここはひとつ大人の謝罪をして許してもらうべきかな。今夜中になんとか機嫌直してもらわなきゃ」
・・・・・
―希の部屋前―
コンコン
絵里「希ー?お風呂頂いたわ、ここにいるの?」
希「ん、入ってええよー」
ガチャ
絵里「入るわね」
希「…………………」ムスッ
絵里「あのー、希さん?」
希「なに?」
絵里「さきほど私のパジャマの上にこんなものが載せられていたんですけども―――」⊃バーカ! のぞみ
希「……さあ、ウチは知らんねえ。どこの誰の仕業か分からんけど、よう言うてくれたこと」
絵里「いや、ここに『のぞみ』ってちゃんと書いて―――」
希「ウチじゃありませんー!きっと違う世界から来たウチが代わりにやっていってくれたんよ!」ウー
絵里「……もういいでしょ希。さっきのことはちゃんと謝るし、お詫びに髪とかしてあげるから、今日はそれで許してくれない?」
希「髪を――――?」ピクッ
絵里(あ、脈あり?)ニシシ
絵里「――左様でございます。この絢瀬絵里、真心込めて希さまのブラッシングをさせていただく所存でございます」キラッ
希「う………」
絵里「どう?それでもダメ?」
希「な、なら、それで手を打ってあげんでもない…かな//」プイッ
絵里「はいはい、かしこまりました。それじゃあ、ベッドに腰掛けてくれる?」クスクス
希「うん……」ギシッ
・・・・・・
―オン ベッド―
絵里「……ねえ希、ずうっと前から思ってたんだけど、これだけ髪が長いと色々大変じゃない?」スーッ
希「んー、お風呂とかは確かにちょっと大変かもやけど、1回くくっちゃったら後はそうでもないよ?」
絵里「そお?あ、でもショートにするよりは伸ばしてた方が髪がはねにくいって言うわよね」シュッシュッ
希「ウチ、もともとはねにくい髪質みたいやからそれは大丈夫なんやけど…って、えりちもけっこう長い方やん」
絵里「うーん、まあそうなんだけどね」
絵里「――でも、希のは長さもだけど、量も私よりずっと多いじゃない?」
絵里「なのに、今までに5cm以上切ったことってなかったでしょ?なにか理由でもあるの?」
希「あー、えっと、それはね……」
・・・・・・・
―回想 絵里が初めてお泊まりに来た日―
絵里『希、髪乾かすの大変でしょ?手伝うわ』
希『ほんま?ありがとうえりち。じゃあお願いするね』
絵里『はいはい、じゃあここに座って』
ブオー
絵里『ほんと綺麗な髪ね~、羨ましくなるわ。昔からずっと伸ばしてるの?』
希『うん、小学校の頃からほとんど切ったことないかな』
絵里『そうよね、2年や3年でここまでにはならないものね』ブオー
希『長いと便利なことも多いんやけど、やっぱり手間かかるし、ウチもえりちくらいにしてみよっかなあ』
絵里『――それはダメよ。希は今が一番よく似合っているもの』
希『え?』
絵里『ショートが本当に似合う人も少ないけど、これだけ長いのが似合う人も同じくらい少ないのよ?短くするのはもったいないわ』
希『そ、そう、かな……?』
絵里『そうよ。あ、それに今のままの方がきっとモテると思うわよ♪』
希『なに言うてんの、えりち。あんまりいい加減なこと言うたらあかんよ?』クスッ
絵里『どこがいい加減なことなのよ。ただ、希は今が一番かわいいって言っただけ――――』
希『えりち……まさかあっちこっちでそんなこと言い回ってるんとちゃうやろね?』
絵里『え?え?』
希(やっぱりウチの読み通り、一番タチの悪いたらしさんタイプやね、えりち……)
・・・・・
―回想終わり 希の部屋―
希「……というようなことがあったん」
絵里「え――あ、ああ、そうだったの。希ってばよく覚えてるのね」
希「なに?もしかしてえりちは忘れてたん?」
絵里「い、いや、もちろん覚えてたわよ!?」
絵里「ただ、私が言ったことをそんなに大事に思ってくれてたことが意外だっただけで―――!」
希「ほんまに~?」ジト
絵里「ほんとほんと、本当だってば!!」
希「……ならええけど。とにかく、それでウチはずっとこの長さで揃えてきたん…えりちが、似合うって言ってくれたから」
絵里「ハラショー…そうだったのね」スーッ
希「そうそう、そういう……こと、やん……」コックリコックリ
希(あれ…?なんか急に眠たくなって、きた……。髪触ってもらって、安心したんかな……)
絵里「希?」
希「くぅ…くぅ……」
絵里「あらら、寝ちゃった―――お昼の反対になったわね」ポンポン
絵里「まあ、あとは前髪だけだからちょうどいいわ」シュッシュッ
絵里「――はいできた。さて、このまま寝かせておいてあげるべきなのはわかるんだけど―――」ウズッ
絵里「………………」プニプニ
絵里「………………」ツンツン
絵里「………………」サワサワ
希「んぅ……ん……」
希(―――なんか、あったかい……)
希(後ろから、あったかいものに抱っこされてるような感じする……)
希(それから、あっちこっちつつかれてるような感じも……けど、そんなんするんってえりちくらいしか心当たりが……心当たり、が――)
希「――って、えぇっ!?」バッ
絵里「あ、ようやくお目覚め?」ニコッ
希「あ、あのえりち、ウチどのくらい寝てた?」
絵里「んー、5分くらい?あんな無防備な寝顔、私以外には見せちゃダメよ?」クスクス
希「~~~~~~~~っ///」カァァ
希「―――――――///」ウツムキ
絵里「希?どうしたの?」
希「………えりちには、これ以上頼らんようにしようって、決めてたのに」ボソリ
絵里「――――――」
絵里「今……なんて?」
ごめんなさい、続きはまた明日……
あなたは最高です!
待ってる
花園が見える…!
乙乙
10ハラ! ワロタ
雰囲気が素晴らしいすぎてヤバい
希「……ウチ、えりちに迷惑かけ続けやったから、もうこれ以上は――――」
絵里「希」
希「へ――――?」クル
絵里「えいっ」ホッペプニ
希「にゃっ」
希「にゃにを―――っ」
絵里「バカ」
希「え………」
絵里「―――今日私が、家を出る前にどんなこと考えてたか、わかる?」
希「――――ううん」
絵里「希にめいっぱい甘えさせてあげなきゃって…その為に私がしっかりエスコートしてあげなきゃって、そう思ってたの」
希「ウチに………?」
絵里「そう。でも、全然ダメだったわ」フフ
絵里「なんていうか…ああ、希には敵わないなぁって、そんな風に感じたの」
希「そ、そんなこと―――!」
絵里「――だからね、嬉しかったの」
絵里「キスしてほしいって言われた時も、腕につかまってていいって聞かれた時も、泊まっていってほしいって言われた時も、全部」
希「な、そ、それは――――///」
絵里「しかも、めったに見せてくれない顔して甘えてきてくれたんだもの、そりゃ嬉しいわよねえ」プニプニ
希「ちょ、えりち、ちょっと―――//」モゴモゴ
絵里「ね、希。甘えたい時には好きなだけ甘えなさい」
絵里「私はそれがなにより嬉しいんだから♪」
希「………あぅ///」
希(こういう時のえりちって、ほんまに、ほんまに………)
絵里「のぞみ―――――」フワッ
希(あ―――――)
絵里「愛してる」
希「――――っ///」ドキン
短いですがここまで
なんだかんだでやはり、ストレートに攻めるえりちが一枚上手な感じ
おつおつ
kke!
かしこいかっこいいエリーチカ
乙
絵里「よかった、ちゃんと言えたわ。実はこれも目標のひとつだったのよね」ニコ
希(ズルいなぁ……///)キュ
絵里「―――ね。後ろ、倒れるわよ」フイ
希「え?」
絵里「それっ」グイッ
希「わわっ」
ドサッ
希「ちょ、いきなりなにするん―――!?」
絵里「あ~、やっぱり希って抱き心地満点ねー」スリスリ
希「やぁ…っ、そ、そんなくっついたらあかんて!」
絵里「え~?お昼にも1回やったじゃないの。離れろだなんて認められないわあ」ゴロン
フワッ
希(シャンプーの甘い香り…ううぅ、そういえばえりち、お風呂あがったばっかりなんやったぁ///)クラリ
希(火照った体、熱い……パジャマ越しに伝わる体温…柔らかい感触…2人の距離はゼロ……)グルグルグル
希「は、放せぇ~!今すぐウチを放せ~!!」ジタバタ
絵里「こら、暴れないの」ホールド!
ムギュウ
希「~~~~~~!!」バタバタ
希(あ、あぁ、あ……///)
希「――――えりちっ!!!」
絵里「―――――?」ピタ
希(や、やっと止まった…?よし、なんとか説得して離れてもらわんと…!)
希「コホン…えりち、今の状況を冷静に考えて?なんかおかしいって思わへん?」
絵里「え?別に思わないけど。どこかおかしい?」
希「」ガク
絵里「?」
希(どうやったら分かってもらえるん!?ああもう、ウチら2人ともパジャマしか着てへんっていうのに――――!!)
絵里「あ。もしかしてうつぶせになってるのが辛いとか?でもそれは、先に暴れた希が悪いのよ?」
希(ウチがうつぶせになってるのは、えりちに組み伏せられてるからやん…って、言うてるうちにそろそろ――)
絵里「違うの?――じゃあ、いったいなんなのよ?」
希「………ウチの理性が、もう限界なんやっ、て――――///」パタリ
絵里「―――――」
絵里「なんだ。それは、希も同じじゃない」クスッ
希「は――――?」
絵里「だから、希だってお風呂上がりたてでしょ?」
絵里「私からも言わせてもらうなら、今の希は…うん、そうね。すっごく―――」
絵里「魅力的よ?」ミミモトフーッ
希「~~~~~~!!」ビクン
絵里「ふふ。特にこの、真っ赤になった耳のあたりとかね?」ペロリ
希「んぅっ―――…あ///」
絵里「そうそう。いい子だから、このままおとなしくしててね――――」キリ
希(えりちの声が……変わった?こんな甘いの、聞いたことない―――)
絵里「返事は―――?」フゥッ
希(ウチ、ここまでよく頑張ったで……けど、相手が悪すぎたんや……)キュゥ パタ
希「え、ええよ…えりちのす…好きに、して///」
絵里「………………」
希(い、言ってもうた……けど、えりち、えりちになら―――//)ドキドキドキ
絵里「………………」
希「……えりち?」
絵里「すぅ…すぅ…すぅ……」
希「なっ」
希「う、うそやろ……?このタイミングで普通、寝る?」
絵里「すぅ……」スヤスヤ、
希「ウ、ウチはえりちの抱き枕かっ」ペチン
絵里「んん……………」
希「うーーー」モゾモゾ
希「んっしょっと―――ほら、えりち。いくらなんでも布団くらいは被っとかんとカゼ引くで?」ファサッ
絵里「んぅ……………」ニヘ
希「無邪気な顔して、ほんまにもう………」ナデナデ
希「――皆の前ではしっかりしててかっこいいけど、実は意地っ張りで素直になれない困った生徒会長さん」
希「頑張っていいとこ見せようとするけど、肝心なところで勇気が出せなくて固まるヘタレさん」
希「暗いところが苦手で、全然かしこくないことを突然言い出したりするポンコツさん」
希「―――そのくせ、いつだってウチを見つめる目は真剣で、向ける笑顔は優しくて」
希「まっすぐに、ウチを受け止めてくれる―――ウチの未来の旦那様?」ナンチャッテ
希「いったいどれが本当のえりちなん?って、時々聞いてみたくなるんやけどね」アハハ
希「でも」
希「えりちはえりちや。笑ったり、怒ったり、泣いたり…そういうのぜーんぶひっくるめた『絢瀬絵里』が、ウチは好きで好きでしょうがないん」
絵里「のぞ…み………」ムニャ
希「ふふ。夢の中のウチにもよろしくね」
希「おやすみ、えりち――――」チュ
希「また明日ね♪」
おわり
おしまいです
ここをスタートに、また別のイベントを2人で経験しつつ夫婦間を強めていく感じでしょうか
更新が遅れがちになりましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました
おつおつ
素晴らしい ...
あまあますぎてニヤニヤが止まらない
最高だった
乙
素晴らしかった、本当に乙
読み返して来るか
このSSまとめへのコメント
このお話、楽しませてもらっています。
続きがとても楽しみです。
百合に理解ある世界いいね
ハ、ハラショー!!!
にやけが止まりません!
2828が止まらんぞー
おもしろいですなー。これはつづきがたのしみです!